JPH11218521A - ダイオキシン分析装置及びダイオキシン計測システム - Google Patents

ダイオキシン分析装置及びダイオキシン計測システム

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JPH11218521A
JPH11218521A JP10020654A JP2065498A JPH11218521A JP H11218521 A JPH11218521 A JP H11218521A JP 10020654 A JP10020654 A JP 10020654A JP 2065498 A JP2065498 A JP 2065498A JP H11218521 A JPH11218521 A JP H11218521A
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dioxin
vacuum chamber
slit nozzle
laser
incinerator
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Megumi Shida
恵 志田
Hiroshi Futami
博 二見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却炉において生成する有害物質であるダイ
オキシン及びその誘導体の高感度に分析する分析装置及
びダイオキシン計測システムを提供する。 【解決手段】 焼却炉から発生する高温(約800℃)
ガスを冷却機11で冷却した後、フィルタ12を通して
ダスト成分を除去してガスを直接採取する手段と、該ダ
イオキシン類を含む採取ガスを真空チャンバ13中にス
リットノズルより矩形状の噴出流を噴出させて超音速ジ
ェット流を形成する噴出手段14と、噴出された超音速
ジェット流中にYAGレーザ15にて励起された色素レ
ーザ光16を集光レンズ17を介して真空チャンバー1
3内に照射し、共鳴増感イオン化過程にて分子イオン1
8を形成するレーザ照射手段19と、生成した分子イオ
ン18のダイオキシン類の分析を行う飛行時間型質量分
析装置20とを備えてなり、上記スリットノズルを真空
チャンバから大気側へ移動自在とすると共に、真空チャ
ンバ内の所定位置に保持する規制手段を具備するもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉において生
成する有害物質であるダイオキシン及びその誘導体の分
析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイオキシンは微量で高い毒性を有して
おり、高感度の分析法の開発が望まれている。そこで、
高感度分析が可能であるレーザ分析法の適用が考えら
れ、近年超音速ジェット法と共鳴増感多光子イオン化法
とを組み合わせることにより、塩素置換体のスペクトル
を測定することが可能であるとの提案がなされている
(C.Weickhardt,R.Zimmermann,U.Bosel,E.W.Schlag,Pap
id Commun,Mass Spectron,7,198(1993))。この方法の検
出限界はppbレベルであり、図18及び図19にその
測定結果を示し、図19は図18の305nm近傍の拡
大図である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た提案では、気体試料を真空中にジェット噴出させ、瞬
時に絶対零度近傍まで冷却することで、スペクトルを単
純にする気体の分析方法であるが、ダイオキシン及びそ
の誘導体(以下「ダイオキシン類」という。)の検出限
界はppb程度としており、実際のダイオキシン分析を
行うには5〜6桁の濃縮が必要となり、検出に時間及び
手間がかかるという問題がある。
【0004】また、旧来の手作業による分析では、分析
結果がでるまでには、1乃至2ヵ月を要し、日々の焼却
炉のダイオキシン類の発生を測定し、随時燃焼制御をす
ることで常に適正な規制値を満たす運転をすることが困
難である。
【0005】また、上記超音速ジェット法と共鳴増感多
光子イオン化法を組み合わせた分析装置は、直接、焼却
炉から排出ガスをサンプリングしているが、その際に灰
等のダスト成分が混入した場合、直ちに計測を停止する
必要があるが、焼却炉からは常に排出ガスが排出されて
おり、連続計測することが必要となる。
【0006】さらに、上記分析装置は、振動に弱く、焼
却炉から排出するダイオキシン類を焼却炉の近傍に設置
して直接分析する場合には、問題があり、安定した計測
が望まれている。
【0007】また、近年においては、焼却炉の排ガス規
制と共に、灰中のダイオキシン量を規制しようとするい
わゆる総量規制の対策が問題となっているが、上記測定
方法では、これに迅速且つ正確に対応することができ
ず、旧来の手作業による分析が必要となり、結果がでる
までには、1乃至2ヵ月を要し、日々の焼却炉のダイオ
キシン類の発生を測定し、随時燃焼制御をすることで常
に適正な総量規制値を満たす連続運転をすることが困難
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の[請求項1]のダイオキシン分析装置の発明は、焼
却炉から発生するダイオキシン及びその誘導体を含む燃
焼ガスを直接採取する手段と、該ダイオキシン及びその
誘導体を含む採取ガスを矩形状の超音速ジェット流を形
成するスリットノズルを用いて真空チャンバ中に噴出す
る噴出手段と、噴出された超音速ジェット流中にレーザ
光を照射し、共鳴増感イオン化過程にて分子イオンを形
成するレーザ照射手段と、生成した分子イオンのダイオ
キシン及びその誘導体の分析を行う飛行時間型質量分析
装置とを備えてなり、燃焼ガス中のダイオキシンを直接
分析するダイオキシン分析装置において、上記スリット
ノズルを真空チャンバから大気側へ移動自在とすると共
に、真空チャンバ内の所定位置に保持する規制手段を具
備することを特徴とする。
【0009】また、[請求項2]のダイオキシン分析装
置は、[請求項1]のダイオキシン分析装置において、
上記真空チャンバが移動自在のスリットノズルを大気側
に隔離する遮断手段を備えたことを特徴とする。
【0010】また、[請求項3]のダイオキシン分析装
置は、[請求項1又は2]記載のダイオキシン分析装置
において、上記スリットノズルを少なくとも2台設けて
なることを特徴とする。
【0011】また、[請求項4]のダイオキシン分析装
置は、[請求項1乃至3]記載のダイオキシン分析装置
において、上記真空チャンバを備えた噴出手段と上記レ
ーザ照射手段と飛行時間型質量分析装置とを同一架台に
設けてなることを特徴とする。
【0012】また、[請求項5]のダイオキシンの分析
装置は、[請求項1乃至4]記載のダイオキシン分析装
置において、上記レーザ照射手段を第1の架台に設ける
と共に、上記真空チャンバを備えた噴出手段と飛行時間
型質量分析装置とを第2の架台上に設け、且つ第1の架
台と第2の架台とに振動検知手段を設けてなり、振動の
更正をしつつダイオキシンの計測を行うことを特徴とす
る。
【0013】また、[請求項6]のダイオキシンの計測
システムは、請求項1乃至5記載のダイオキシン分析装
置により、焼却炉排ガス中のダイオキシン及びその誘導
体を分析すると共に、焼却炉より排出される灰を低沸点
の有機溶媒に溶解し、その溶解液に不活性ガスをバブリ
ングさせて請求項1乃至5記載のダイオキシン分析装置
により分析し、その総量を測定することにより、焼却炉
の連続運転制御を行うことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるダイオキシ
ン分析装置の実施形態を説明するが、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0015】本発明では、焼却炉の燃焼時に発生するガ
スをフィルタを介して直接サンプリングし、その採取ガ
ス中に存在するダイオキシン類を高感度で直接且つ迅速
に測定する際に、異常があった場合においても、連続し
て計測できることを可能にしたものである。この結果、
燃焼排ガス中のダイオキシン類を連続して測定できるの
で、測定結果を燃焼制御に直ちにフィードバックするこ
とができ、ダイオキシン類の規制値以下の燃焼運転が行
われるよう、常に連続監視することが可能となる。
【0016】図1に本実施の形態にかかるダイオキシン
分析装置の概略図を示す。本実施の形態にかかるダイオ
キシン分析装置は、焼却炉から発生する高温(約800
℃)ガスを冷却機11で冷却した後、フィルタ12を通
してダスト成分を除去してガスを直接採取する手段と、
該ダイオキシン類を含む採取ガスを真空チャンバ13中
に移動自在としてなるスリットノズルより矩形状の噴出
流を噴出させて超音速ジェット流を形成する噴出手段1
4と、噴出された超音速ジェット流中にYAGレーザ1
5にて励起された色素レーザ光16を集光レンズ17を
介して真空チャンバー13内に照射し、共鳴増感イオン
化過程にて分子イオン18を形成するレーザ照射手段1
9と、生成した分子イオン18のダイオキシン類の分析
を行う飛行時間型質量分析装置20とを備えてなるもの
である。また、図1中、符号21はKDP(potassium
dihydrogen phosphate)結晶,22はパルス発生器,2
3はパルスドライバー,24はプリアンプ,25はデジ
タルオシロスコープ,26は情報処理装置,27〜29
は電極,30はイオン検出器を各々図示する。
【0017】上記装置において、YAGレーザ15にて
色素レーザ光16を励起し、KDP結晶21にて波長を
1/2 とし、紫外レーザ光を得る。該紫外レーザ光は集光
レンズレンズ17にて集光レンズし、真空チャンバー1
3内に導入する。一方、焼却炉中からの採取ガスは冷却
機11で冷却され、さらにフィルタ12によってダスト
成分を除去し、噴出手段14であるパルスノズルに搬送
する。パルス発生器22にてTTL信号を生成し、パル
スドライバー23を制御し、パスルノズルを一定時間
(200〜500μs)だけ、開放することで、超音速
ジェットを形成する。該超音速ジェット中の分析対象分
子が電極27と電極28との間に到達した時点でレーザ
光が照射されるように、パルス発生器22よりディレイ
信号を生成し、YAGレーザ15を制御するようにして
ある。レーザはパルスであるので、レーザが発振してい
ない時間に試料を導入することは、真空系の負担を増加
させると共に、分析に必要な試料量を徒に増加させるこ
ととなり、好ましくない。そこで、レーザ発振している
時間に同期させて試料をパルス状に導入可能のようにし
ている。
【0018】本実施の形態では、燃焼排ガス中のダイオ
キシンを分析する場合、排ガスを直接パルスノズルに導
入するようにしており、試料をパルス状に導入している
ので、連続導入の場合より1〜3桁試料量を抑制するこ
とが可能である。なお、十分な真空系とすることができ
る場合には、パルス状とせずに、連続分子ビームとする
ことも可能である。
【0019】生成した分子イオン18は、電極27,2
8,29にて形成される電子レンズにて電場を印加し、
イオン検出器30にて検出する。本システムでは、飛行
時間型質量分析装置を構成しているので、イオン化ポテ
ンシャルの低い分子が混在し、非共鳴イオン化過程で仮
にイオンを発生しても、質量数の差から、目的分子と区
別することが可能となる。イオン検出器30においてイ
オン数に比例した電気信号を得ることができるので、プ
リアンプ24にて増幅し、デジタルオシロースコープ2
5にて質量スペクトルが観測できる。質量スペクトルの
処理をおこなうために、情報処理装置26に送られ、こ
こで信号処理が行われる。
【0020】本来は、レーザの波長のみで選択的にイオ
ン化が可能であるが、仮にイオン化ポテンシャルの低い
分子が混在して非共鳴イオン化過程にてイオンが生成す
る場合でも、本発明では飛行時間型質量分析装置を用い
てイオンを検出しているので、正確な分析が可能とな
る。
【0021】分子量が異なる試料の場合には、質量スペ
クトルより直ちに識別が可能である。同一分子量の場合
には、目的質量数のイオン信号の波長依存性を予め検出
することで、図2及び図3に示すように、異性体の識別
が可能となる。この方法の検出限界はppbレベルであ
り、サンプリング量は少なくて済む。
【0022】次にスリットノズルからの真空チャンバ中
に試料を噴出するスリットノズルについて説明する。
【0023】図2は、高感度分析用のスリットノズルの
概略図である。図2に示すように、スリットノズル31
は矩形状の噴出孔31aを有しており、ヘリウムガスに
随伴されたダイオキシン化合物は真空チャンバ(図示せ
ず)中にジェット流33を形成している。本発明では、
スリットノズル31の噴出孔31aの形状を、図3に示
すように、矩形状(図中L1 (=20mm)は長手方向
のスリット開口部の長さを示す。)としているので、噴
出されるジェット流33は照射されるレーザ光34の進
行方向に長さL2 (50mm)の矩形状となり(図3参
照)、この領域(図3中、破線で示す分子ビーム拡がり
領域)で有効にイオン化されることとなる。なお、図2
中ではレーザ光34は、紙面に直交する方向に照射さ
れ、図3中では紙面の左→右方向に照射される。図2
中、符号35はその実際にイオン検出できるイオンが存
在する領域であるイオン化有効体積(斜線部分)を示
す。該イオン化有効体積35は、レーザ光の径とメッシ
ュ電極のイオン透過可能領域にて決定されるものであ
る。レーザ光一ショットで検出可能ダイオキシン分子数
の予想値は以下のようになる。 Nd=ダイオキシン含有率(C)×8×1013 個/c
c この結果、C=10-14 =0.01pptであれば濃縮を
することなく、検出することが可能となる。
【0024】よって、超音速ジェットで生成した分子ビ
ーム33と、レーザ必要34が照射できる領域が重なる
部分が大きくなれば、検出感度が向上することとなる。
【0025】従来においては、図4に示すように、スリ
ットノズルの噴出孔41はピンホール型であったので、
噴出されるジェット流は等方円錐状であり、この結果レ
ーザが照射されない分子が多数発生していた。これに対
し、本実施の形態のようにジェット流(分子ビーム)の
噴出形状を矩形状とすることにより、十分が感度を得る
ことが可能となった。本実施の形態においては、上述し
たように、ダイオキシン含有率(C)=10 -14 =0.0
1pptであれば濃縮をすることなく、検出が可能とな
った。一方従来のピンホール型の場合には、ダイオキシ
ン含有率(C)=5ppt必要であった。
【0026】さらに、図2に示すように、矩形状の噴出
孔31aを有するスリットノズル31のガス噴出側に気
流抑制部材32を設けることにより、分子ビーム33は
さらに矩形状の短軸方向の拡がりを抑制することができ
る。この結果、気流抑制部材32を設けない場合に較べ
てレーザが照射されない分子の個数が激減し、更なる感
度の向上を図ることができる。
【0027】また、メッシュ電極36,37,38,4
0の形状、イオン検出器40であるイオン検出用MCP
(Microchannel plate: マイクロチャンネルプレート)
の形状を矩形状とすることで、イオンを無駄なく捕集す
ることが可能となり、さらに、感度の向上を達成するこ
とが可能となる。図5にイオン化体積35とメッシュ電
極37との関係を示す。レーザビーム34によりイオン
化されたイオンは矩形型のメッシュ電極37を透過し、
効率よく検出器(図示せず)で検出されることなる。
【0028】次に、スリットノズルにおいて、採取ガス
中のダスト成分によってノズルの通路が閉塞した場合、
必要な感度が得られない時の対応手段について説明す
る。
【0029】図6はスリットノズルの概略図である。図
6に示すように、本実施の形態のスリットノズル51
は、ガス室52側に固定されている固定スリット部53
と、該固定スリット部53と対向すると共にスリット幅
(s)を拡大することが可能な移動スリット部54とを
備えてなるものである。
【0030】上記移動スリット部54の移動は、例えば
ガス中に浮遊した灰等が目詰まりしたよな異常時等にス
テッピングモータ等の駆動手段(図示せず)により、移
動するようにしており、分子ビームを噴出する際のスリ
ット幅(s)に常に復帰自在となるように設定してい
る。なお、図中符号55は押え部であり、図1に示した
パルスドライバー23の制御により、ソレノイドコイル
(図示せず)を差動させ、パスルノズルを一定時間(2
00〜500μs)だけ開放し、超音速ジェット流を形
成するものである。このように、上記移動スリット部5
4が常に所定の間隔を保持するように復帰するステッピ
ングモータ等の復帰手段を備えたことにより、目詰まり
したダスト成分を除去した後に、直ちに計測できる位置
に復帰することが可能となる。
【0031】上記異常の発生は、真空チャンバー13に
設けた真空度測定装置(図示せず)により検知し、内部
の圧力が低下(真空度が上昇)した場合(異常時:例え
ばP=10-7Torr)等に運転を停止し、ダスト成分を除
くようにすればよい。ダスト成分の除去は公知の除去手
段又は方法を適宜採用することができるが、例えば別途
設けた清浄なキャリアガスを吹き込んでダスト成分を除
くようにすればよい。
【0032】上記ダスト成分の除去の際に、真空チャン
バー13からスリットノズルを引き抜く場合において、
真空状態を保持しつつダスト成分を除去する本発明のダ
イオキシン分析装置の概略について、次に説明する。
【0033】図7は真空チャンバに取り付けた移動自在
のスリットノズルの概略図である。図7に示すように、
試料導入管70の先端に設けたスリットノズル71は、
真空チャンバ72内に所定の距離dで挿入されている。
分子ビームの噴出時にはゲートバルブ73が開放状態と
なっている。また、スリットノズル71を所定距離dで
挿入すると共に、高真空度のためにチャンバ72内にス
リットノズル71が引っ張られるのを防止するために、
真空チャンバ72内の所定位置に保持する規制手段とし
てストッパ74が挿入管70に設けられている。
【0034】図9に上述したスリットノズルを試料導入
管70に固定する状態を示す。図9に示すように、真空
チャンバ72には、ボス部72aにOリング75を介し
て押さえナット76が締結されており、さらにOリング
75を介してシール用ナット77により二段シールされ
ている。上記ストッパ74は固定ネジ78を締めつける
ことで試料導入管70に固定し、真空チャンバ72内に
スリットノズル71を所定位置dとなるように規制して
いる。上記ストッパ74を設けているので、長時間の計
測により、スリットノズル71が真空チャンバ72内に
引っ張られ、最適位置が移動するのを防止できることな
る。なお、固定ネジ78は最初弛めた状態でスリットノ
ズル71の最適位置を求めた後、試料導入管70に固定
すればよい。
【0035】このようなダイオキシン分析装置におい
て、図8に示すように、スリットノズル71の灰等のダ
スト成分が目詰まりしたような異常時に、真空チャンバ
72に設けた圧力計P1 が低下(真空度が上昇)するの
で、試料の導入を直ちに停止し、二分割可能な上部交換
室79a,下部交換室79bからなる交換室79内にス
リットノズル71を引き上げ、ゲートバルブ73を閉塞
して、真空チャンバ72内の真空度を保持する。次に、
2 ガスを交換室内に導入し、圧力計P2 にて大気圧程
度としたことを確認した後、試料導入管70の上流側に
設けた三方管80に設けた不活性ガス導入管81から不
活性ガス(N2 キャリアガス)を導入する。そして、図
6において説明したように、スリットノズルの移動スリ
ット部(図8においては図示せず)を移動させて噴出口
を開放し、ダスト成分を除去する。
【0036】また、交換室79内には別途不活性ガス
(N2 キャリアガス)を導入し、取り除かれたダスト成
分を外部へ排出するようにしている。
【0037】その後、図7のように、交換室79の内部
を排気し、該交換室79内の圧力が圧力計P2 により0.
1torr未満となったことを確認した時点で、ゲート
バルブ73を開き、スリットノズル71を再度挿入す
る。この挿入の際、試料導入管70にはストッパ74を
設けているので、スリットノズル71の挿入位置が常に
所定dの位置となる。この結果、所定の位置までスリッ
トノズル71が挿入されているので、該挿入後に直ちに
ダイオキシン類の計測にかかることができる。
【0038】上述した実施の形態では、スリットノズル
の交換を必要としない程度の簡易な目詰まりの場合につ
いて説明したが、スリットノズルの寿命等のスリットノ
ズルを交換する必要がある場合について、以下に説明す
る。
【0039】先ず、図8のようにスリットノズル71引
き上げ、ゲートバルブ73を閉塞する。次に、N2 ガス
を交換室内に導入し、大気圧程度にした後、上部交換室
79aと下部交換室79bとを二分割し、スリットノズ
ル71を正常なものと交換する。
【0040】交換後は、上部交換室79aと下部交換室
79bとを閉じて、内部を排気し、交換室内の圧力が圧
力計P2 により0.1torr未満となったことを確認し
た時点で、ゲートバルブ73を開き、上述したと同様
に、所定の位置までスリットノズル71を再度挿入する
ことで次の計測に直ちにかかることができる。この際、
試料導入管70にはストッパ74を設けているので、交
換した新規なスリットノズル71の場合であっても挿入
位置が常に所定dの位置とすることができ、測定前に位
置合せをする必要がない。
【0041】上述したスリットノズルの交換及び清掃
は、短時間で終了することが望ましいが、連続して計測
を行いたい場合には、スリットノズルを備えた交換室を
2台用意することが望ましい。以下に、連続ダイオキシ
ン類の安定した測定を行うための、ダイオキシン分析装
置の概略を説明する。
【0042】図10は真空チャンバに図7及び図8で説
明したスリットノズル交換室79を2台備えたものであ
る。図10に示すように、真空チャンバ72には、相対
向するように、図7及び図8に示したような移動自在な
スリットノズル71を有するスリットノズル交換室79
−1,79−2が設けられている。図10中、符号8
2,83,84及び85は電極、86はフライトチュー
ブ、87はイオン検出器、88はイオン雲を図示する。
図10に示すように、ドップラーシフトの線幅の拡がり
の影響を無くすために、スリットノズル71から噴出さ
れる分子ビームとレーザ光(図10の紙面鉛直方向に照
射するが、本図では図示せず。)は直交するように交差
させるようにしている。この結果、遷移確率は二桁程度
向上し、有機分子を効率的にイオン化させ、イオン雲8
8を発生することが可能となる。
【0043】図10のダイオキシン分析装置において
は、右側のスリットノズルを使用している状態を示して
いる。以下に、スリットノズルの交換について説明する
が、交換の詳細については、上述したのと同様であるの
で省略する。
【0044】図10に示す状態で計測している場合、右
側のスリットノズル71−1に異常が生じた際に、上述
したようなスリットノズル交換手法により、交換する。
すなわち、右側のスリットノズル71−1を交換室79
−1内に移動させた後に右側のゲートバルブ73−1を
閉じる。これと同時に、左側のゲートバルブ73−2を
開放し、予め待機している新規なスリットノズル71−
2を所定位置まで挿入する。所定位置は予め計測前に最
適位置を求めてストッパ74にて固定しているので、挿
入後は、直ちに計測が可能となり、この結果、設定時間
のロスがなく、ダイオキシン類の連続計測が可能とな
る。
【0045】次に、ダイオキシン類の連続測定を焼却炉
の近傍で行う場合には、振動等の外部要因により、計測
波長のズレが生じる場合がある。光軸のズレの程度によ
っては、目的の物質の正確な検出を行うことが不可能と
なる場合があるので、振動がある場合においても常に適
正な計測ができるようする装置を以下に説明する。
【0046】先ず、振動の影響がどのようにイオンの検
出に影響があるかを説明する。図11はダイオキシン類
のイオン雲が検出器に飛行する状態を示す概略図であ
る。図11では、図10と同様に、電極82乃至85が
配され、電極82にはVs電極83にはVd の電圧がか
けられている。ここで、電極82と電極83との間にイ
オン雲88が形成され、この間の電極82と電極83と
の距離は0.8cmであり、電極83と電極84との距離
は0.5cmとしている。形成されたイオン雲88はフラ
イトチューブ86を飛行して、イオン検出器87より検
出される。上記フライトチューブ86の距離(LF )を
49.6cm、20.7cmとした場合におけるレーザ光の
光軸のズレに伴う飛行時間の変化を図12に示す。図1
2においては、質量分解能300でダイオキシン類の分
子数であるM=320の飛行時間の変化を示す。同図に
示すように、レーザ光の照射位置が0.1cm異なること
で飛行時間が変化することが判る。
【0047】この結果より、波長可変レーザの照射手段
と真空チャンバとを同一光学架台に設置する必要がある
が、計測装置の設置スペースが狭い場合には適さない。
【0048】また、質量数320と質量数321とのイ
オンの飛行時間の差は、LF =49.6cmの場合には6
8ns、LF =20.7cmの場合では31nsとなるの
で、飛行時間が余り短い場合には、レーザ光軸のズレに
よってΔm=1の質量分解能を達成することは不可能で
ある。
【0049】一方、レーザ照射手段として、波長可変レ
ーザの代わりに、波長固定レーザ、例えばYAGレーザ
の四倍波(波長266nm)のみを使用した場合には、
図13(a),(b)に示すように、同一の光学台91
上にレーザー照射手段92と、真空チャンバ93とを設
置することが可能であり、この場合には、図12で示し
たようなレーザ光軸のズレによる質量分解能の低下を生
じることはないが、非共鳴イオン化となるので、特定の
異性体のみを選択的に検出することは、困難である。混
在するH2 OやHClは紫外領域に吸収帯を有しておら
ず、非共鳴二光子吸収過程を経てイオン化するので、有
機分子のイオン化と較べて非常に効率が悪く、通常は信
号として検出できない。仮に信号として検出できたとし
ても、飛行距離10cm程度の簡易な飛行時間型質量分
析装置(TOFMS)で有機分子の信号と区別すること
が可能である。
【0050】このような場合には、ダイオキシン類その
ものを直接分析するものではないが、予め波長可変レー
ザで測定した際のダイオキシンの量と、波長固定レーザ
で測定した際のダイオキシンの量との相関関係を求めて
おき、波長固定レーザ測定における有機分子を分析する
ことで、おおよそのダイオキシン量の判定が可能であ
り、これにより、焼却炉の燃焼制御を図ることが可能と
なる。
【0051】さらに、ガスクロマトグラフィーを併用す
ることにより、計測の時間応答性は低下するが、有機分
子の識別をより良好にすることが可能となる。
【0052】なお、波長可変レーザシステムを使用した
場合でも、波長可変レーザの照射手段と真空チャンバと
を同一架台に設置することにより、振動を考慮した燃焼
ガスの計測が可能となる。
【0053】次に、波長可変レーザシステムを用いて、
真空チャンバと異なる架台に設置する場合の振動の更正
について、説明する。
【0054】図14に示すように、振動がある場合、信
号領域94中のピークAがピークBやピークCに現れる
可能性がある。M=320の場合の計算結果は図12に
示しているが、レーザ光軸が3mm変動することで、0.
266μs程度の誤差が生じる。M=321の場合は、
M=320と比較して0.268μs遅くなるので、ΔM
=1に質量分解能を達成することは困難となる。また信
号として考える領域が狭いと、信号を取りこぼすことに
なり、分析の信頼性が低下する。レーザ光軸のズレによ
る飛行時間の変化は図12に求めることが可能であるの
で、光軸のズレがどの程度であるかを求め、そのズレの
信号により更正することで正確な分析が可能となる。こ
のため、図15に示すように、レーザ照射手段101を
第1の架台102に設置し、該レーザー設置した第1の
架台102上にHe−Neレーザ103を設置する。一
方、このHe−Neレーザ103を検知するフォトダイ
オード104を真空チャンバー105を設置した第2の
架台106に設置することにより、He−Neレーザ1
03のズレをフォトダイオード104で検知することに
より、振動を考慮した計測が可能となる。図16はフォ
トダイオード104の拡大図であり、受光素子を横一列
に並べておくことで、光を検出した素子の位置を求め、
レーザの光軸がどの程度ズレているのかを求め、この信
号を更正信号としてダイオキシン類検出の際の更正を行
うことが可能となる。
【0055】また、He−Neレーザ102を設ける代
わりに、波長可変レーザシステムの光を使用することも
可能であり、チャンバー設置台にてマウントされたビー
ムスプリッターにて紫外レーザ光の一部をフォトダイオ
ードに照射することで振動を検知するようにしてもよ
い。
【0056】図17に測定結果の一例を示す。図17に
示すように、試料としてo−クロロトルエンを分析した
場合の、分解イオンのそれぞれの飛行時間が異なり、振
動があった場合においても、更正をすることで、明瞭に
分析することが可能である。
【0057】焼却炉中のダイオキシン類は排出ガスのみ
ならず、燃焼時に発生する灰中にも存在する。本発明の
ダイオキシン分析装置を用いて、排ガス中のダイオキシ
ン類を連続して分析することにより、常に燃焼状態を監
視することができるが、さらに、焼却炉からの排出され
る灰を一定時間毎に採取し、低沸点の有機溶媒に溶解
し、その溶解液に不活性ガスをバブリングさせて本発明
のダイオキシン分析装置により分析することで、灰中の
ダイオキシン類の量を測定することが可能となる。よっ
て、排ガス中の分析と並行して灰の分析を行う本発明の
システムとすることで、ダイオキシン類の総量の計測が
可能となる。このようなダイオキシン類の排出総量値の
計測結果は、直ちに焼却炉の運転制御にフィードバック
することができ、排ガスのみの制御よりもさらに効率の
良い焼却炉の連続運転制御を行うことが可能となる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、[請求項1]のダ
イオキシン分析装置は、焼却炉から発生するダイオキシ
ン及びその誘導体を含む燃焼ガスを直接採取する手段
と、該ダイオキシン及びその誘導体含む採取ガスを真空
チャンバ中に矩形状の噴出流を形成するスリットノズル
から超音速ジェット流を噴出する噴出手段と、噴出され
た超音速ジェット流中にレーザ光を照射し、共鳴増感イ
オン化過程にて分子イオンを形成するレーザ照射手段
と、生成した分子イオンのダイオキシン及びその誘導体
の分析を行う飛行時間型質量分析装置とを備えてなり、
燃焼ガス中のダイオキシンを直接分析するダイオキシン
分析装置において、上記スリットノズルを真空チャンバ
から大気側へ移動自在とすると共に、真空チャンバ内の
所定位置に保持する規制手段を具備するするようにした
ので、スリットノズルを真空チャンバ内に所定距離dで
挿入できると共に、高真空度のために該チャンバ内にス
リットノズルが引っ張られるのを防止することが可能と
なり、常に最適な位置でのスリットノズルからの超音速
ジェット流の噴出が可能となる。また、所定の位置まで
スリットノズルが挿入されているので、該挿入後に直ち
にダイオキシン類の計測にかかることができる。
【0059】また、[請求項2]のダイオキシン分析装
置は、[請求項1]記載のダイオキシン分析装置におい
て、上記真空チャンバが移動自在のスリットノズルを大
気側に隔離する遮断手段を備えたので、真空チャンバ内
の真空度が低下するのを防止するとができる。
【0060】また、[請求項3]のダイオキシン分析装
置は、[請求項1又は2]記載のダイオキシン分析装置
において、上記スリットノズルを少なくとも2台設けて
なるので、一方のスリットノズルに異常があった場合で
も、他方のスリットノズルに直ちに交換ができ、連続計
測が可能となる。
【0061】また、[請求項4]のダイオキシン分析装
置は、請求項1乃至3記載のダイオキシン分析装置にお
いて、上記真空チャンバを備えた噴出手段と上記レーザ
照射手段と飛行時間型質量分析装置とを同一架台に設け
てなるので、振動があった場合においても適正なダイオ
キシン類の検出が可能となる。
【0062】また、[請求項5]のダイオキシン分析装
置は、[請求項1乃至4]記載のダイオキシン分析装置
において、上記レーザ照射手段を第1の架台に設けると
共に、上記真空チャンバを備えた噴出手段と飛行時間型
質量分析装置とを第2の架台上に設け、且つ第1の架台
と第2の架台とに振動検知手段を設けてなり、振動の更
正をしつつダイオキシンの計測を行うので、振動があっ
た場合においても適正なダイオキシン類検出の更正がで
きる。
【0063】また、[請求項6]のダイオキシン計測シ
ステムは、[請求項1乃至5]記載のダイオキシン分析
装置により、焼却炉中の排ガス中のダイオキシン及びそ
の誘導体を分析すると共に、焼却炉より排出する灰を低
沸点の有機溶媒に溶解し、その溶解液に不活性ガスをバ
ブリングさせて[請求項1乃至5]記載のダイオキシン
分析装置により分析し、その総量を測定するものであ
る。すなわち、燃焼排ガス中の分析と並行して灰中のダ
イオキシン類を分析することで、ダイオキシン類の排出
総量値が測定できるので、排ガスのみの制御よりもさら
に効率の良い焼却炉の連続運転制御を行うことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイオキシン測定装置の概略図であ
る。
【図2】高感度測定用スリットノズルの概略図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】従来のスリットノズルの概略図である。
【図5】イオン化有効体積とメッシュ電極との関係を示
す図である。
【図6】スリット幅の移動を自在としたスリットノズル
の概略図である。
【図7】スリットノズルの真空チャンバ内への挿入状態
を示す概略図である。
【図8】スリットノズルの交換状態を示す概略図であ
る。
【図9】スリットノズルの固定状態を示す概略図であ
る。
【図10】2台のスリットノズルを備えた真空チャンバ
の概略図である。
【図11】ダイオキシン類のイオン雲が検出器に飛行す
る状態を示す概略図である。
【図12】レーザ光軸変化に伴う飛行時間の変化を示す
測定図である。
【図13】同一の光学台上にレーザー照射手段と、真空
チャンバとを設置した状態を示す概略図である。
【図14】信号領域を示す図である。
【図15】異なる架台にレーザー照射手段と、真空チャ
ンバとを設置した状態を示す概略図である。
【図16】フォトダイオードの拡大図である。
【図17】o−クロロトルエンのイオン飛行時間を示す
測定図である。
【図18】ダイオキシン誘導化合物の超音速分子ジェッ
トスペクトル図である。
【図19】ダイオキシン誘導化合物の超音速分子ジェッ
トスペクトル図である。
【符号の説明】
11 冷却機 12 フィルタ 13 真空チャンバ 14 噴出手段 15 YAGレーザ 16 色素レーザ光 17 集光レンズ 18 分子イオン 19 レーザ照射手段 20 飛行時間型質量分析装置 21 KDP 22 パルス発生器 23 パルスドライバー 24 プリアンプ 25 デジタルオシロスコープ 26 情報処理装置 27〜29 電極 30 イオン検出器 31a 噴出孔 31 スリットノズル 32 気流抑制部材 33 ジェット流 34 レーザ光 35 イオン化有効体積 36,37,38,39 メッシュ電極 40 イオン検出器 41 噴出孔 51 スリットノズル 52 ガス室 53 固定スリット部 54 移動スリット部 55 押え部 56 気流抑制部 s スリット幅 70 試料導入管 71 スリットノズル 72 真空チャンバ 73 ゲートバルブ 74 ストッパ 75 Oリング 76 ナット 77 シール用ナット 78 固定ネジ 79a 上部交換室 79b 下部交換室 80 三方管 81 不活性ガス導入管 82〜85 電極 86 フライトチューブ 87 イオン検出器 88 イオン雲 91 光学台 92 レーザー照射手段 93 真空チャンバ 94 信号領域 101 レーザ照射手段 102 第1の架台 103 He−Neレーザ 104 フォトダイオード
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、[請求項4]のダイオキシン分析装
置は、[請求項1乃至3]のいずれか一項に記載のダイ
オキシン分析装置において、上記真空チャンバを備えた
噴出手段と上記レーザ照射手段と飛行時間型質量分析装
置とを同一架台に設けてなることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】また、[請求項5]のダイオキシンの分析
装置は、[請求項1乃至4]のいずれか一項に記載のダ
イオキシン分析装置において、上記レーザ照射手段を第
1の架台に設けると共に、上記真空チャンバを備えた噴
出手段と飛行時間型質量分析装置とを第2の架台上に設
け、且つ第1の架台と第2の架台とに振動検知手段を設
けてなり、振動の更正をしつつダイオキシンの計測を行
うことを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、[請求項6]のダイオキシンの計測
システムは、[請求項1乃至5]のいずれか一項に記載
のダイオキシン分析装置により、焼却炉排ガス中のダイ
オキシン及びその誘導体を分析すると共に、焼却炉より
排出される灰を低沸点の有機溶媒に溶解し、その溶解液
に不活性ガスをバブリングさせて請求項1乃至5記載の
ダイオキシン分析装置により分析し、その総量を測定す
ることにより、焼却炉の連続運転制御を行うことを特徴
とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】分子量が異なる試料の場合には、質量スペ
クトルより直ちに識別が可能である。同一分子量の場合
には、目的質量数のイオン信号の波長依存性を予め検出
することで、図18及び図19に示すように、異性体の
識別が可能となる。この方法の検出限界はppbレベル
であり、サンプリング量は少なくて済む。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】よって、超音速ジェットで生成した分子ビ
ーム33と、レーザ光34が照射できる領域が重なる部
分が大きくなれば、検出感度が向上することとなる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】従来においては、図4に示すように、スリ
ットノズルの噴出孔41はピンホール型であったので、
噴出されるジェット流は等方円錐状であり、この結果レ
ーザが照射されない分子が多数発生していた。これに対
し、本実施の形態のようにジェット流(分子ビーム)の
噴出形状を矩形状とすることにより、十分感度を得る
ことが可能となった。本実施の形態においては、上述し
たように、ダイオキシン含有率(C)=10 -14 =0.0
1pptであれば濃縮をすることなく、検出が可能とな
った。一方従来のピンホール型の場合には、ダイオキシ
ン含有率(C)=5ppt必要であった。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】上記移動スリット部54の移動は、例えば
ガス中に浮遊した灰等が目詰まりしたよな異常時等にス
テッピングモータ等の駆動手段(図示せず)により、移
動するようにしており、分子ビームを噴出する際のスリ
ット幅(s)に常に復帰自在となるように設定してい
る。なお、図中符号55は押え部であり、図1に示した
パルスドライバー23の制御により、ソレノイドコイル
(図示せず)を動させ、パスルノズルを一定時間(2
00〜500μs)だけ開放し、超音速ジェット流を形
成するものである。このように、上記移動スリット部5
4が常に所定の間隔を保持するように復帰するステッピ
ングモータ等の復帰手段を備えたことにより、目詰まり
したダスト成分を除去した後に、直ちに計測できる位置
に復帰することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 49/40 H01J 49/40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉から発生するダイオキシン及びそ
    の誘導体を含む燃焼ガスを直接採取する手段と、該ダイ
    オキシン及びその誘導体を含む採取ガスを矩形状の超音
    速ジェット流を形成するスリットノズルを用いて真空チ
    ャンバ中に噴出する噴出手段と、噴出された超音速ジェ
    ット流中にレーザ光を照射し、共鳴増感イオン化過程に
    て分子イオンを形成するレーザ照射手段と、生成した分
    子イオンのダイオキシン及びその誘導体の分析を行う飛
    行時間型質量分析装置とを備えてなり、燃焼ガス中のダ
    イオキシンを直接分析するダイオキシン分析装置におい
    て、 上記スリットノズルを真空チャンバから大気側へ移動自
    在とすると共に、真空チャンバ内の所定位置に保持する
    規制手段を具備することを特徴とするダイオキシン分析
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のダイオキシン分析装置に
    おいて、 上記真空チャンバが移動自在のスリットノズルを大気側
    に隔離する遮断手段を備えたことを特徴とするダイオキ
    シン分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のダイオキシン分析
    装置において、 上記スリットノズルを少なくとも2台設けてなることを
    特徴とするダイオキシン分析装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載のダイオキシン分析
    装置において、 上記真空チャンバを備えた噴出手段と上記レーザ照射手
    段と飛行時間型質量分析装置とを同一架台に設けてなる
    ことを特徴とするダイオキシン分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載のダイオキシン分析
    装置において、 上記レーザ照射手段を第1の架台に設けると共に、上記
    真空チャンバを備えた噴出手段と飛行時間型質量分析装
    置とを第2の架台上に設け、且つ第1の架台と第2の架
    台とに振動検知手段を設けてなり、振動の更正をしつつ
    ダイオキシンの計測を行うことを特徴とするダイオキシ
    ン分析装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載のダイオキシン分析
    装置により、焼却炉排ガス中のダイオキシン及びその誘
    導体を分析すると共に、焼却炉より排出される灰を低沸
    点の有機溶媒に溶解し、その溶解液に不活性ガスをバブ
    リングさせて請求項1乃至5記載のダイオキシン分析装
    置により分析し、その総量を測定することにより、焼却
    炉の連続運転制御を行うことを特徴とするダイオキシン
    計測システム。
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