JP2007171064A - ガス分析用Jet−REMPI装置 - Google Patents

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林  俊一
Tetsuya Suzuki
哲也 鈴木
Hideaki Kusano
英昭 草野
Masaaki Fujii
正明 藤井
Makoto Sakai
誠 酒井
Shunichi Ishiuchi
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Abstract

【課題】燃焼ガスや大気中ガスの成分組成を測定する際に、従来のパルスバルブを用いずに、被測定ガス中の特定注目分子をそのままの状態で連続的にかつ高感度で定量分析できるガス分析用Jet−REMPI装置を提供する。
【解決手段】ガス導入系、真空槽、イオン化室、レーザ照射系、飛行時間型質量分析計からなり、真空槽の内部構造を、(A)オリフィスノズルとスキマーとからなり、ガス導入系からの被測定ガスを連続的な超音速分子ジェット流として切り出す分子ジェット形成室と、(B)スキマーとイオン光学系とレーザ光導入路とからなり、超音速分子ジェット流とレーザ照射系からのレーザ光を導入し、超音速分子ジェット流域にレーザ光を照射して特定分子をイオン化し、該生成イオンを飛行時間型質量分析計まで加速偏向させるイオン化室と、(C)その他空間部の3分割構造とし、真空槽、分子ジェット形成室、イオン化室の夫々に個別の排気系を備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、大気中に存在するガス中の飛灰、水分、塩素分を除去し、被測定有機分子を高感度にかつ、オンサイト・リアルタイムに大気中に存在した化学構造および組成を保持しつつ、検出できる超音速分子ジェット多光子吸収イオン化質量分析装置を基本とするガス分析装置に関する。
従来のダイオキシンの公定の測定・分析法は、厚生労働省のまとめた「ダイオキシン類の発生防止ガイドライン」の中で測定標準法として示されている。この方法は、ダイオキシン類を有機溶媒により抽出し、各種クロマトグラフィー法で濃縮・分離後、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS)によって分析するものである。この試験分析工程は、多大な計測時間とコストを必要とする。
一方、ダイオキシンをはじめとする有機塩素系化合物の人体への影響が強く懸念されている現在、焼却炉の設計や操業管理に必要な情報を得るといった例を一つとっても、極微量有機塩素化合物を選択的かつ定量的にオンサイト実時間分析可能な新評価技術の開発が望まれている。
一般に有機分子は、その分子骨格に起因する電子状態を持ち、その状態に振動準位や回転準位などが複雑に相互作用していく。赤外線、紫外線等を利用した吸収分光法は、このような有機分子の分子骨格の違いによる光吸収を利用して、存在する分子種を特定する方法である。この分子固有の励起状態を利用して、リアルタイムに有機分子を選択、検出することを可能にすると期待されているのが、超音速分子ジェット多光子吸収イオン化質量分析(Jet−REMPI)法である。Jet−REMPI法は、公定法のような濃縮前処理技術を必要とせず、高感度かつ高化学種選択性をもって検出できる分析法として注目されつつある。この原理を簡単に述べる。
Jet−REMPI法は、共鳴多光子吸収イオン化(REMPI)法と超音速分子ジェット(Jet)法を組み合わせた方法である。
共鳴多光子吸収イオン化(REMPI:Resonance Enhanced Multi−Photon Ionization)法とは、レーザ光で有機分子を励起する際、注目分子特有の励起準位にレーザ波長を同調させることで、特定分子種のみを選択的にイオン化(共鳴多光子吸収イオン化)させ、イオンは質量分析計を用いて検出する方法である。光吸収によって試料をイオン化するには、吸収断面積(吸収効率)の観点から、吸収スペクトルで観測されるピーク付近の波長を利用する。しかし、常温、常圧の有機化合物の吸収スペクトルのピーク幅は、振動・回転準位からの遷移が重なるために幅広くなり、構造が似通った異性体の吸収ピークを分離することはできない。一方、この分子を絶対零度付近(数K)まで冷却すると、振動や回転していない真の基底状態に電子が位置するようになり、また遷移の選択率によって特定の準位にのみ励起されるようになるため、数本の鋭いピークのみが観測されるようになる。ピーク幅は冷却された温度によって決まるが約0.01nm程度で、構造異性体はこのエネルギー幅の波長可変レーザを用いれば、選択的に励起・イオン化して分離できる。
超音速分子ジェット(Jet)法とは、分子を極低温まで冷却する一つの方法である。この方法は、気化させた試料分子をヘリウムやアルゴンなどの希ガスと共にピンホールから真空中に噴出させて、断熱膨張冷却および希ガスとの衝突により、試料分子を絶対零度付近まで瞬時に冷却する方法である。分子の速度が音速の数倍に達するため、超音速分子ジェット法と呼ばれている。
このように、超音速分子ジェット多光子吸収イオン化質量分析(Jet−REMPI)法とは、注目分子の振動・回転準位を凍結し、その注目分子の共鳴励起準位に波長可変レーザのエネルギーを同調させることで、特定分子のみ選択的にイオン化し、質量分析する方法である。
一般的なJet−REMPI装置の概要を図1に示す。レーザイオン化領域5は、通常2枚メッシュを中心に置く平行平板型電極(押し出し電極(対向電極)6、引き出し電極7)に挟まれた空間に形成する。メッシュを置くのは、引き出し電極7において、発生したイオンを高い透過率で質量分析計に導入することができることと、平行平板型電極で形成される電場を乱さないためである。したがって正対する押し出し電極(対向電極)6もメッシュを有する平板電極となっている。
パルスバルブ10から噴出された粒子をレーザイオン化領域5に導入し、スキマー8を介して超音速分子ジェットを得ることができる。
Nd3+:YAGレーザ1により励起された色素レーザ2から発生した可視光(ω)を非線形光学結晶3を用いて、注目する分子の選択励起波長である第2高調波(ω/2)を発生させ、レーザイオン化領域5に掃引する。これにより、注目分子のみの選択的なイオン化を起こさせることができる。発生した光イオン53は、平行平板型電極6、7により加速され、アインツェルレンズ4、ディフレクタ11、12を通して、収束され、偏向されて飛行時間型質量分析計38内に設置された検出器13に到達する。検出されたイオン信号は、抵抗分割器14を通してプリアンプ15で増幅され、デジタルオシロスコープ16で計測される。あるいは、BOXCAR積分器17で信号積算される。また、積分信号強度のレーザ波長依存性をパーソナルコンピュータ18で観察する。
このような特徴を持つJet−REMPI法を有害有機化合物のオンライン・リアルタイム分析法として利用する試みが近年活発に検討され始めており、非特許文献1では、約10pptのジクロロダイオキシンを検出できることが報告されている。
また、特許文献1、2などでは、Jet−REMPI法を用いて焼却炉から発生する高温ガス中に含有するダイオキシン及びその誘導体(これらをダイオキシン類ということがある)を測定する方法が開示されている。これらの方法では、約800℃の高温ガスを冷却し、ダストを除去した後に、矩形型スリットノズルを用いて真空チャンバー中にパルス状に導入することでレーザによるイオン化有効体積を増加させ、高感度で迅速な測定を可能にする方法が開示されている。
しかし、燃焼ガス中のダイオキシン類の沸点は400〜500℃と高いため、パルスノズルを用いて試料ガスをパルス状に導入する方法では、ダイオキシン類の冷却、凝集により管壁やノズルに吸着し、或いは、不完全燃焼などで生成する不安定ガス種は壁に衝突し変化する可能性が高い。したがって、燃焼ガス中の注目分子の成分組成をそのままの状態で精度の高い定量分析を行うことは困難であった。
上記特許文献1及び2に代表される従来のJet−REMPIを用いたガス分析方法は、何れもパルスバルブを用いて試料ガスをパルス状に真空チャンバーに導入することを必要とするため、以下の課題があった。
(1)パルスバルブは、一般に数10〜数100μsec程度のパルス幅で、数10Hzの繰り返しで動作する。このため、パルスバルブの一秒間当たりの開時間(デューティーサイクル=パルス幅*繰り返し数)は数ミリ秒程度となり、ガス流れを堰き止められ、試料ガス成分組成の連続的な経時変化を測定することは困難である。
(2)試料導入時にバルブの閉時間が圧倒的に長いため、試料ガス中の注目分子種などがバルブ内壁に衝突し、吸着や分解する可能性が高い。このため、バルブ内壁に吸着された分子がガス成分組成測定中に長時間検出され、注目分子種の成分組成の経時的変化、時間応答性に悪影響をもたらす。また、注目分子種が、高温反応で生成する不安定ガス種などの場合はバルブ内壁との衝突により消失し、検出できなくなる可能性がある。
(3)一般に、パルスバルブは150℃以上で不安定動作を起しやすいことが知られている。そのため、170〜200℃の焼却炉等の煙道ガスの成分組成測定する場合は、冷却する必要があり、冷却により凝集する高沸点分子をそのままの状態で再現性よく測定することが非常に難しい。
(4)パルスバルブの最大の繰り返しは数10Hzが限度であり、レーザ繰り返し数の増加の妨げとなる。このため、単位時間当たりのサンプリング回数を増加させ、測定のリアルタイム性を向上するための高繰り返しレーザの利点を最大限に有効活用することができなかった。
一方、環境保全などの観点から、燃焼ガスに限らず、室温での大気ガス中の測定対象物質(注目分子)をそのままの状態でかつ高い精度で連続的に定量分析する方法が望まれている。
以上より、燃焼ガスや大気中ガスの成分組成をJet−REMPI法を用いて測定する際に、従来のパルスバルブを用いずに、測定対象物質(注目分子)をそのままの状態でかつ高い精度で連続的に定量分析する方法の開発が課題となっている。
H.Oser,R.Thanner,H.H.Grotheer,B.K.Gillett,N.B.French,and D.Natscke,Proc.16thInt.Conf.on Incineration and Thermal Treatment Technologies(1997) 特開平11−218520号公報 特開2001−124739号公報
上記従来技術の現状に鑑みて、本発明は、燃焼ガスや大気中ガスの成分組成を測定する際に、従来のパルスバルブを用いずに、被測定ガス中の特定注目分子をそのままの状態で連続的にかつ高感度で定量分析できるガス分析用Jet−REMPI装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決することを目的として開発したガス分析装置に関するものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)ガス導入系、真空槽、イオン化室、レーザ照射系および飛行時間型質量分析計からなり、前記ガス導入系から前記真空槽内に被測定ガスを導入して超音速分子ジェット流域を形成すると共に、該超音速分子ジェット流域に対して前記レーザ照射系からレーザ光を照射して被測定ガス中の特定分子を共鳴多光子吸収過程でイオン化し、該生成イオンを前記イオン化室内のイオン光学系により加速偏向させた後、前記飛行時間型質量分析計で被測定ガス中の前記特定分子を分析するJet−REMPI装置において、
前記真空槽の内部構造を、(A)オリフィスノズルとスキマーとからなり、前記ガス導入系から供給される被測定ガスを連続的な超音速分子ジェット流とし、切り出すための分子ジェット形成室と、(B)スキマーと前記イオン光学系とレーザ光導入路とからなり、前記分子ジェット形成室から切り出された超音速分子ジェット流と、前記レーザ照射系から出力されたレーザ光とを導入し、超音速分子ジェット流域にレーザ光を照射して特定分子を共鳴多光子吸収過程でイオン化し、該生成イオンを前記飛行時間型質量分析計まで加速偏向させるためのイオン化室と、(C)その他空間部の3分割構造とし、真空槽、分子ジェット形成室、およびイオン化室のそれぞれに個別の真空ポンプを備えたことを特徴とするガス分析用Jet−REMPI装置。
(2)前記オリフィスノズルのオリフィス内径が0.13μm以上、300μm以下であることを特徴とする(1)に記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
(3)前記分子ジェット形成室出側に設けられたスキマーと、前記イオン化室入り側に設けられたスキマーとはそれぞれの中心が同軸上にあるように配置したことを特徴とする(1)または(2)のガス分析用Jet−REMPI装置。
(4)前記ガス導入系は、被測定ガス採取部に被測定ガスを希釈するための希釈ガス供給部からなり、被測定ガスと希釈ガスの流量を測定し制御するための流量計がそれぞれ設けたことを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
(5)前記ガス導入系の採取部に被測定ガス中に含有する腐食性物質を除去するための吸着カラムを設けたことを特徴とする(4)記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
(6)前記腐食性物質が水分および塩素分の1種または2種であることを特徴とする(5)記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
(7)前記ガス導入系のガス採取部被測定ガス中に含有する浮遊性固形物質を除去するためのフィルタエレメントを設けたことを特徴とする(4)〜(6)の何れかに記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
(8)前記浮遊性固形物質が大気中の灰分であることを特徴とする(7)記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
(9)前記ガス導入系はガス分析用標準ガスを生成するためのガス混合部を備えたことを特徴とする(1)〜(8)の何れかに記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
(10)前記ガス導入系は被測定ガス温度を一定に保持するための温度調整手段を備えたことを特徴とする(1)〜(9)の何れかに記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
(11)前記オリフィスに接続される前記ガス導入系の配管内直径が500μm以上1.5mm以下であることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
本発明によれば、大気中に存在するガス中の飛灰、水分、塩素分を除去し、発生したイオンを高い透過率で検出器に到達させることで、大気ガス中の極微量高沸点芳香族有機化合物の高感度検出を従来法と比較してリアルタイム性を格段に向上できるとともに、再現性高く行うことができる。
高温でも全くガス導入に支障のないオリフィスに加熱、保温機能を付加したガス導入方法を開発した。オリフィスを用いる場合、被測定ガス温度に影響を受けないガス導入が可能となること、ガスの流れを阻害せず、壁面やバルブに高沸点ガスの吸着が起こりにくいため、ガス中の組成を変化させることなく煙道内の組成に沿った信号検出が可能となり、定量性に優れた測定が可能となることが期待される。また、現在、開発が盛んな高繰り返しのレーザの利用にも道が開けるなど有機分子の高感度分析に非常に優れた特徴を有する。
本発明の実施の形態を以下に説明する。なお、本発明はここで示した諸条件に限定されるものではない。
本発明は、パルスバルブを用いずに、オリフィスノズルにより被測定ガスを真空槽内に連続的に導入し、高感度でガス成分組成を分析することを狙いとする。Jet−REMPI分析で感度を向上させるためには、真空槽内に形成する超音速分子ジェット内の分子温度を充分に低下し、かつガス導入量を充分確保する必要がある。超音速分子ジェット内の分子温度は、Poissonの式に基づく下記(1)式で決まるため、超音速分子ジェット内の分子を十分に冷却するためには、噴射初期の分子圧力P0を大きくする必要がある。
大気圧下での試料ガスを測定する場合、噴射初期の分子圧力P0はほぼ1atomであるから、超音速分子ジェット内の分子を十分に冷却するためには真空槽内の圧力Pをより低く、つまり真空度をより高くする必要がある。
T/T0=(P/P0(γ-1)/γ (1)
なお、Tは超音速分子ジェット内の分子温度、T0は噴射初期の分子温度、Pは真空槽内の圧力、P0は噴射初期の分子圧力を示す。ここで、γは単原子分子で5/3、2原子分子(直線分子)で7/5である。
従来のJet−REMPI分析装置では、真空槽内の高い真空度を維持しつつ、大気圧下の被測定ガスを真空槽内に導入し超音速分子ジェット流を形成するために、パルスバルブが必要であった。これは、被測定ガスを真空槽内にパルス状に導入させることで排気系への負荷を極力低減しつつ、真空槽内に超音速分子ジェット流を形成し被測定注目分子を充分に冷却させ、共鳴励起・イオン化用パルスレーザを同期して照射することで、検出感度を向上させるためである。
本発明において、従来のパルスバルブを用いずに、オリフィスノズルを用いて被測定ガスを真空槽内に連続的に導入する際、検出感度を充分確保するために、特に真空槽内の真空度を充分に確保することが重要となる。
本発明は、この課題を克服するために、真空槽の内部構造を、分子ジェット形成室、イオン化室、その他の空間部の3分割構造とした。分子ジェット形成室はオリフィスノズルとスキマーとを直列に配置し、入側に配置したオリフィスノズルによって被測定ガスを連続的な超音速分子ジェット流とした後、出側に配置したスキマーによって切り出される構造とした。イオン化室はスキマーとイオン光学系とレーザ光導入路とで構成し、入側に配置されたスキマーによって超音速分子ジェット流がさらに切り出されとともに、レーザ光導入路から導入したレーザ光照射でイオン化し、イオン光学系により質量分析計まで加速偏向する構造とした。また、真空槽、分子ジェット形成室、およびイオン化室のそれぞれに個別の排気系を備えて十分な真空度が確保できる構造とした。真空槽の内部構造をこのような構造としたことによって、オリフィスノズルを用いて被測定ガスを真空槽内に連続的に導入した場合でも、イオン化室の真空度を高く維持でき、被測定注目分子イオンの透過効率を向上し、質量分析の測定感度を充分に確保することができる。
図2に、本発明に係わる大気中ガスを超音速分子ジェット多光子吸収イオン化分析装置へ導入する装置の概略図を示す。
ガス分析用Jet−REMPI装置の基本構成は、ガス導入系51、真空槽47、イオン化室36、レーザ照射系54および飛行時間型質量分析計38からなる。被測定ガスは、ガス導入系51から真空槽47内に導入され、超音速分子ジェット流を形成する。一方、レーザ照射系54から真空槽47内のイオン化室36に導入された超音速分子ジェット流域にレーザ光を照射して被測定ガス中の特定分子を共鳴多光子吸収過程でイオン化し、レーザイオン化領域5を形成する。生成イオンはイオン化室36内のイオン光学系55により加速偏向させた後、飛行時間型質量分析計38で被測定ガス中の前記特定分子を分析する。本発明は、上記基本構成において、真空槽47の内部構造を、分子ジェット形成室37、イオン化室36、その他空間部の3分割構造とし、真空槽47、分子ジェット形成室37、およびイオン化室36のそれぞれに個別の排気系32〜34を備えることを特徴とする。分子ジェット形成室37はオリフィスノズル29とスキマー8とからなり、オリフィスノズル29によってガス導入系51から供給される被測定ガスを連続的な超音速分子ジェット流とした後、スキマー8によって切り出す。イオン化室36はスキマー8とイオン光学系55とレーザ光導入路44とからなり、分子ジェット形成室37から切り出された超音速分子ジェット流をさらに入側のスキマー8によって切り出すとともに、レーザ照射系54から出力されたレーザ光をレーザ光導入路44から導入する。イオン化室36内のレーザイオン化領域5において超音速分子ジェット流域に対してレーザ光が照射され特定分子が共鳴多光子吸収過程でイオン化された後、生成イオンはイオン光学系55により飛行時間型質量分析計38まで加速偏向される。
本発明の実施形態について図2を用いて説明する。
ガス導入系51における、被測定ガス採取部56を煙道19等の導管に接続した後、被測定ガス採取部56入側の開閉弁20と被測定ガス採取部56出側の開閉弁25を開放することで、大気圧の燃焼ガス等の被測定ガスがガス導入系51に導入される。また、被測定ガス採取部56の出側には流量計23が設けられ、導入された被測定ガスの流量を測定し制御する。被測定ガス採取部56には、フィルタエレメント21、吸着カラム43が備えられている。
燃焼ガスや大気中の灰分、粉塵等の浮遊性固形物はフィルタエレメント21により除去される。フィルタエレメント21内に装着するろ紙等のメッシュ径は、浮遊性固形物の粒径に応じて選定し、真空槽内を汚染しないように浮遊性固形物質の除去効果を高めるのが好ましい。本発明者らの検討によれば、粒径の大きな飛灰を捕集するためにメッシュ径40μm□のフィルタエレメントを用い、ガス化溶融炉等から排出される粒径が小さい飛灰を補修するために細孔径が1〜5μm程度のろ紙をフィルタエレメント内に設置することにより、被測定ガスの流れに支障なく飛灰を除去できることを確認している。
大気中ガス、特に煙道ガス中に含有する塩素分や水分は、吸着カラム43により除去される。これにより、被測定ガス中の塩素分や水分が真空槽内へ混入を防止し、真空槽47内の腐食、さらには真空ポンプオイルの汚染、劣化を防止できる。吸着カラム43内に充填する吸着剤としては、塩化カルシウム、消石灰等の脱水剤や、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、ガラスウール等の物理吸着型の吸着剤等を利用できる。但し、被測定ガス中の注目分子が有機分子の場合には、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、ガラスウール等の物理吸着型の吸着剤等は、吸着剤への吸着が無視できないため好ましくない。したがって、注目有機分子の種類によって、吸着剤の種類として最適なものを選択するのが好ましい。
被測定ガス中に浮遊性固形物質と水分が共存し、導管内に付着物が生成、堆積すると、ガス流量を変動させる可能性が生じる。また、被測定ガス中の注目分子が有機物質である場合は、水分が冷却された有機分子に吸着し、水クラスターを形成するなど、被測定ガスが配管内を通過する際のトラップサイトとなる可能性がある。したがって、質量分析の測定精度の低下や、被測定ガス中の注目分子の検出感度低下を防止するために、浮遊性固形物質や水分を除去するのが好ましい。
また、ガス導入系51には、被測定ガス採取部56から導入した被測定ガスを希釈するための希釈ガス供給部57と、被測定ガスと希釈ガスの流量を測定し制御するための流量計23が設けられている。
希釈ガスは、被測定ガスと混合することより、オリフィスノズルにより真空槽47内に導入し超音速分子ジェット流を形成する際に、被測定ガスと希釈ガスとの分子間衝突によりエネルギー交換を利用し冷却効果を向上させるために必要である。
また、希釈ガスは、ガス分析用標準ガスの濃度を調整し、質量分析の測定する検量線を作成し、検出限界、定量限界を決定するためにも必要である。
希釈ガスは、ボンベ24、30、31の開閉弁40、41、42と、希釈ガス供給部57の出側に配置された開閉弁22を開き、マスフローコントローラ23を用いて流量を調整することにより所定量だけ導入し、同様に流量制御された被測定ガスまたはガス分析用標準ガスと混合される。
希釈ガスとしては、He、Ne、Ar、Xeなどの希ガスや、N、O、空気などでもよい。超音速分子ジェットの冷却効果を向上させることにより、被測定ガス中の有機分子の選択性、感度を高めるためには、定圧比熱と定容比熱の比Cp/Cv比(=γ)が高い希釈ガスが好ましい。この点からは、空気(γ=1.4)に比べ、ヘリウム(γ=1.66)やアルゴン(γ=1.66)等のCp/Cv比(=γ)が高い希釈ガスが好ましい。
また、ガス導入系51には、ガス分析用標準ガスを生成するためのガス混合部28が設けられている。ガス分析用標準ガスは、ガス混合部28に予め標準ガスを導入し、希釈ガス供給部57のボンベ24、30、31から希釈ガスをマスフローコントローラ23により所定量だけガス混合部28に導入し混合することで作成される。ガス混合部28中のガス分析用標準ガスは、オリフィス29を介して、Jet−REMPI装置内に導入し、質量分析を行い、その測定結果から検量線を作成するために用いられる。
ガス混合部28は、特に被測定注目分子が高沸点の有機物質などで、かつ燃焼ガスのような高温ガスを対象とする場合には、分析用標準ガス中の注目分子が壁内に吸着する可能性が無視できない。なお、ガス混合部28には、真空度をモニターする真空ゲージがあり、希釈率を正確に評価できることがより望ましい。
特に、被測定注目分子が高沸点の有機物質などで、かつ燃焼ガスのような高温ガスを対象とする場合などの場合には、導管内壁内への吸着を抑制するために、ガス導入系の全体に被測定ガス温度を一定に保持するための温度調整手段を設けることが望ましい。
オリフィス29から導入されたガスは、超音速分子ジェット形成室37内に導入される。超音速分子ジェット形成室37には、大排気速度の排気系32を有し、オリフィス29から導入されたガスを効率よく排気する。
採取された被測定ガスは、ガス導入系51出側の開閉弁を開放することにより真空槽47内に導入される。
本発明では、真空槽47の内部構造を、分子ジェット形成室37、イオン化室36、その他空間部の3分割構造とし、真空槽47、分子ジェット形成室37、およびイオン化室36のそれぞれに個別の排気系32〜34を備えることを特徴とする。
被測定ガスは、入側に配置されたオリフィスノズル29から分子ジェット形成室37内に噴射され、超音速分子ジェット流52を形成した後、出側に配置されたスキマー8によってさらに切り出される。分子ジェット形成室37内の真空度は、排気系32によって充分に維持される。分子ジェット形成室37に配置された排気系32の排気能力は、本発明者らの実験などから、例えば、ピンホール径が50μm径のオリフィスノズル29を用いて大気圧の試料ガスを吹き込んだ場合に、排気速度3000リットル/秒程度のターボ分子ポンプと、その粗引き用ポンプとして排気速度1500リットル/秒のロータリーポンプを組み合わせて用いられることで分子ジェット形成室37内の真空度を10−6Torrに維持できることを確認している。
オリフィスノズル29のオリフィス内径(ピンホール径)は、以下の理由から0.13μm以上、300μm以下とするのが好ましい。
真空槽47内における超音速分子ジェット流形成による冷却効果は、上記(1)式による断熱膨張冷却効果に加えて、被測定ガスと希釈ガスとの分子間衝突(エネルギー交換)に起因する膨張方向エネルギー変換による冷却効果が重要となる。
分子間の衝突回数は、圧力と分子間の相対速度と衝突断面積に比例する。断熱膨張した後は分子が希薄になり、分子間の衝突回数が減り、振動や回転、並進運動も凍結されるため、分子間衝突(エネルギー交換)に起因する冷却効果を活用するためには、ガス噴射初期のノズル開口部付近で分子間衝突を効率的に行う必要がある。ノズル開口部付近で被測定ガス中の注目分子が少なくとも一回以上の分子間衝突を起すためには、ノズル開口径が注目分子の平均自由行程以上である必要がある。
オリフィスノズルの開口部付近での圧力(真空度)を760Torr(ほぼ大気圧)とし、その出側の分子ジェット形成室の目標圧力(真空度)を1×10−3Torrとすると、平均圧力(真空度)は380Torrとなる。圧力(真空度)が1Torrの条件でのArの平均自由行程は、約4.8×10-3cmであるから、上記平均圧力(真空度)が380Torrの条件におけるArの平均自由行程は、0.13μmとなる。なお、これは、空気の場合でもほぼ同様な値となる。
したがって、本発明において、被測定ガス中の注目分子の分子間衝突(エネルギー交換)に起因する冷却効果を充分に活用するためには、オリフィスノズルのオリフィスの内径を0.13μm以上とするのが好ましい。
また、被測定ガス中の注目分子の成分組成の経時的変化を連続的にリアルタイムで測定するためには、オリフィスノズルのオリフィス内径をできるだけ大きくし、導入する被測定ガスの単位時間当たりの流量を増加することが必要となる。しかし、この場合は、イオン化室内の超音速分子ジェット流の粒子密度が非常に増加し、また、被測定ガス中の注目分子が有機物の場合は、イオン半径がArなどの希釈ガスに比べて遥かに大きいため、生成イオンが他の分子と分子間衝突して失活する可能性が高くなる。本発明者らの実験によれば、生成イオンの失活を抑制し検出感度を維持するためには、イオン化室の真空度を4×10-5Torr、飛行時間型質量分析計の真空度を6×10-6Torrとする必要がある。
また、この条件を維持し、かつ被測定ガスの断熱膨張及び分子間衝突(エネルギー交換)による冷却効果を活用するためには、分子ジェット形成室内の真空度が1×10-4Torrとする必要がある。これらの条件を前提とした、オリフィスノズルのオリフィス内径の最大値は300μmであることを確認した。イオン化室や分子ジェット形成室の排気系の排気能力を向上することにより、オリフィスノズルのオリフィス内径の最大値を増加することは可能であるが、設備費や稼動効率の工業的な観点から好ましくない。
また、被測定ガスをオリフィスノズルに導入する配管の配管内直径は、オリフィスノズルから分子ジェット形成室に導入される被測定ガス量に相当するガス量を供給可能な大きさである必要がある。十分なガス供給量を確保できないと、配管内が負圧になり、超音速分子流の分子冷却が不十分となり、分子選択性が損なわれるためである。発明者らは、これまでの検討結果から、配管内径が500μm以上であれば、分子冷却効果が十分確保できることを確かめている。また、配管径が大きいほど、被測定ガスが配管内に滞在する時間が増加する。これも、被測定分子の管内拡散を招くことになり、真の被測定分子の放出の時間変化を観察できないという問題点がある。検討した結果、管内拡散がほぼ無視できる管内直径の上限は1.5mmであることを見出した。
したがって、本発明において、被測定ガスの成分組成の経時的変化を連続的にリアルタイムで測定し、かつ注目分子の選択性及び検出感度を維持するためには、オリフィスノズルのオリフィスの内径を0.13μmφ以上、300μm以下とするのが好ましい。また、オリフィスノズルに接続される配管の配管内直径を500μm以上、1.5mm以下とするのが好ましい。特に、観察の時間応答をより早くしようとする場合、500μm程度とすることが一層好ましい。
分子ジェット形成室37出側のスキマー8により切り出された超音速分子ジェット流52は、イオン化室36内に導入される。イオン化室36はスキマー8とイオン光学系55とレーザ光導入路44とからなる。超音速分子ジェット流52は、さらに入側に配置されたスキマー8で切り出されて、イオン化室36内に導入される。イオン化室36内のレーザイオン化領域5に到達した超音速分子ジェット流52は、イオン化室36のビューポート45に接続されたレーザ光導入路44から導入されたレーザ光の照射により、特定注目分子は共鳴多光子吸収過程で選択的にイオン化される。レーザイオン化領域5でイオン化された分子は、イオン化室36内に配置されたイオン光学系55を構成する押出電極6と引き出し電極7間の印加電圧により加速され、アインツェルレンズ4で収束され、さらに、ディフレクタ12、11を通して偏向されて、ゲートバルブ46を介して接続された飛行時間型質量分析計38まで加速偏向され、検出器13で検出される。一方、イオン化室36の入側のスキマー8によって排除された超音速分子ジェット流52の一部は、真空槽47に配置した排気系33で排気される。また、入側のスキマー8を通過し、レーザイオン化領域5で特定注目分子がイオン化した後の超音速分子ジェット流52は、イオン化室36に配置された排気系34により排気される。このように本発明では、イオン化室36の入側にスキマー8を配置することにより、イオン化室36内の真空度を低下させずに、超音速分子ジェット流52を高効率でレーザイオン化領域まで到達させ、被測定ガス中の注目分子の選択性及び検出感度を向上することが可能となる。
また、イオン化室に配置する排気系は超音速分子ジェット流の進行方向に排気するように設置するのが好ましい。これによりレーザイオン化領域でイオン化した後のガス分子を効率的に排気することができ、イオン化された注目分子がその他の分子と分子間衝突により失活を抑制するとともに、ゲートバルブ46を介して接続された飛行時間型質量分析計38内の真空度を良好に維持できる。
また、以下の理由から上記分子ジェット形成室出側に配置されたスキマー8と、上記イオン化室入側に配置されたスキマー8とはそれぞれの中心が同軸上にあるように配置することが好ましい。
超音速分子ジェット流は断熱膨張や分子間衝突により冷却されるが、特にその中心部が最も冷却される。したがって、イオン化室内のレーザイオン化領域に十分冷却された低温の超音速分子ジェット流を導入し、特定注目分子の選択性及び検出感度を向上させるためには、分子ジェット形成室からスキマー8により切り出された超音速分子ジェット流をさらにスキマー8により切り出してその最も冷却された中心部の超音速分子ジェット流をイオン化室に導入する必要がある。上記分子ジェット形成室出側に配置されたスキマー8と、上記イオン化室入側に配置されたスキマー8とのそれぞれの中心が同軸上にない場合は、超音速分子ジェット流の最も冷却された中心部がイオン化室入側のスキマー8壁に衝突する確率が高くなる。この場合は、スキマー壁に衝突した特定注目分子が振動、回転などの熱運動により熱励起され、分子スペクトルのブロードニングが生じ、分子選択性が低下し、検出感度も低下するため好ましくない。
また、上記分子ジェット形成室出側に配置されたスキマー8と、上記イオン化室入側に配置されたスキマー8との距離は、できるだけ接近した構造とするほうが望ましい。これは、分子ジェット形成室から切り出された超音波分子ジェット流を効率よく、イオン化領域に導入するためであり、この距離を長くとると、信号強度の著しい低下を招くからである。
真空槽47内のイオン化室36は排気系34、真空槽47内のその他の空間部は排気系33により最適な真空度を確保する。また、真空槽47とゲートバルブ46を介して接続された飛行時間型質量分析計38内は、排気系35により最適な真空度を確保する。
飛行時間型質量分析計38内は排気系35により高い真空度を維持する。飛行時間型質量分析計38内の真空度は、イオン化室で生成した注目分子のイオンがレーザイオン化領域から約1m後方の検出器13までの間に失活せずに生き残る確率を大きくするために、10−6Torr以下にする必要がある。これは、例えば、希ガスであるAr分子の場合を考えると、Arの平均自由行程は1Torrで5×10−3cmであるから、レーザイオン化領域から1m先の検出器まで到達する間に一個の粒子とも衝突しないための真空度は少なくとも5×10−5Torr程度が必要となるからである。
また、被測定ガス中の注目分子が有機分子である場合は、希ガスであるAr分子と比較して分子半径が大きくなるため、衝突断面積を考慮すると分子間衝突の確立が高まる。したがって、飛行時間型質量分析計38内の真空度は7.5×10−7Torr程度にするほうが更に望ましい。
イオン化室36の真空度は、超音速分子ジェット流の粒子数をレーザイオン化領域5により多く導入し、かつイオン化された分子が分子間衝突により失活することを抑制するため、10−5Torr以下とするのが好ましい。この真空度を保つためにイオン化室36内のレーザイオン化領域5から飛行時間型質量分析計38のゲートバルブ46までの距離を数〜数10cm程度とし、飛行時間型質量分析38内の真空度をイオン化室36に対して一桁程度低い10−6Torr程度とする差動排気が可能な構造とすることが望ましい。
イオン化室36と飛行時間型質量分析計38とを接続するゲートバルブ46に1mm径程度のピンホール等を導入し、飛行時間型質量分析計38の排気系35の排気速度が大きいものを採用することで差動排気の効果は大きく向上するので好ましい。
本発明者らの検討結果によれば、真空槽47内のイオン化室36の排気系34を排気速度800リットル/分のターボ分子ポンプ、真空槽47内のその他の空間部の排気系33を排気速度1600リットル/分のターボ分子ポンプ、飛行時間型質量分析計38の排気系35を排気速度450リットル/分のターボ分子ポンプとし、イオン化室36で1.1×10−4Torr、その他の空間部で10−6Torr、飛行時間型質量分析計38内で5×10−7Torrの真空度が達成できることを確認している。
イオン光学系55は、イオン化室36とビューポート45で接続され、レーザ光導入路44によりレーザ光をイオン化室36内のレーザイオン化領域に導入し、超音速分子ジェット流域に照射される。
図3は、真空槽47内のイオン化室の上方から見た図である。
イオン化室36入側に配置されたスキマー8から超音速分子ジェット流が導入され、レーザイオン化領域5に到達する。レーザ照射系54とイオン化室36のレーザ光導入路44とはビューポート45で接続される。レーザ照射系54で発振されたレーザ光49は、レーザ光導入路44を通して、イオン化室36内のレーザイオン化領域5に達する。
レーザ照射系54では、Nd3+:YAGレーザなどのポンプレーザ1により励起された色素レーザなどの波長可変レーザ2から発生した可視光(ω)を非線形光学結晶3を用いて、被測定ガス中の注目分子の選択励起波長である第2高調波(ω/2)を発振し、プリズム50により偏光し、レンズ48を用いて集光した後、ビューポート45に導入する。
以下に、本発明の実施例について説明する。
図2、3に示す本発明のガス分析用Jet−REMPI装置を用いて、クロロベンゼンの共鳴多光子吸収イオン化(以下、REMPIという。)スペクトルを測定した。予めクロロベンゼンの共鳴励起波長(S−S:269.82nm)の色素レーザを調整し、クロロベンゼンの飛行時間型質量スペクトルを20〜25μ秒に現われるクロロベンゼンイオンの信号をデジタルオシロスコープ上で観察した。次に、クロロベンゼンの飛行時間型質量スペクトルに時間的なゲートをかけ、その時間内に検出される質量ピークの積算値をモニターしながら、色素レーザを挿引し、クロロベンゼンの信号強度のレーザ波長依存性を測定することによりREMPIスペクトルを得た。
図4は、従来型のパルスバルブを用いてパルス状に導入した場合と、オリフィス内径が50μmのオリフィスノズルを用いて連続的に導入した場合のそれぞれのクロロベンゼンREMPIスペクトルを示す。
REMPIスペクトルは、パルスバルブを用いた場合でもオリフィスノズルを用いた場合でもほぼ同一の結果が得られた。この結果から、本発明のオリフィスノズルを用いて連続的に導入する場合にも、大気中のクロロベンゼンなどの高沸点芳香族有機化合物を、超音速分子ジェットによる冷却効果を充分維持し、高い選択性及び検出感度で定量分析できることがわかる。
図5は、m−フルオロフェノールとm−クロロフェノールを混合した試料の飛行時間型質量分析による測定結果を示す。m−フルオロフェノールの共鳴励起波長278.55nmに色素レーザの波長を調整し、レーザイオン化した場合は、m−フルオロフェノールのみの質量ピークが選択的に検出された。
また、同様にm−クロロフェノールの共鳴励起波長271.46nmを用いた場合は、m−クロロフェノールのみの質量ピークが選択的に検出された。
この結果から、煙道ガスのようにm−フルオロフェノール、m−クロロフェノールなどの多種の有機分子が共存する系においても、本発明のオリフィスノズルを用いて連続的にガスを導入する方法により、高い選択性を維持し定量測定できることがわかる。
図6は、被測定ガスに混合する希釈ガス24(図3参照)としてHeガスを導入し、標準ガスをHeガスで希釈したクロロベンゼンの検量線を示す。マスフローコントローラを用いて、標準ガスを2〜1000倍程度まで希釈し、測定結果から検量線を作成した。
図6から検出限界は、0.1ppb程度であり、高い検出感度で測定できることが確認できた。この検出限界は、ガス混合部28(図3、参照)内にクロロベンゼンが吸着したために現われたるバックグラウンドである。加熱などでガス混合部28吸着を低減できれば、さらに検出限界を低くすることができると思われる。
なお、発明者らは、希釈ガスとして、空気、窒素、Arなどを用いた場合でも同様に十分な結果が得られ、分子冷却も分子選択性を得るのに十分であることを確認している。
図7は、希釈ガスとしてHeと空気を用いた場合のクロロベンゼンのREMPIスペクトルを示す。
希釈ガスとしてHeを用いた場合でも、空気を用いた場合でもREMPIスペクトルの半値幅にさほど相違がないことが確認できた。REMPIスペクトルの半値幅は、被測定ガス中の注目分子の冷却状態を示す。したがって、超音速分子ジェットによる冷却効果は、Heと空気などの希釈ガスの種類にほとんど依存せず、十分な分子選択性が得られることがわかった。また、被測定ガス温度が焼却炉ガスと同程度の180℃でも、分子選択性が十分保持できることもREMPIスペクトルの測定から確かめている。
これらの結果から、多くの空気を含有した煙道ガス等の大気ガスをそのままの状態で本発明装置で測定する場合にも超音速分子ジェットによる充分な冷却効果が得られ、分子選択性が損なわれることなく、連続的なガス組成分析ができることがわかる。
図8は、従来型のパルスバルブを用いてパルス状に導入した場合と、オリフィス内径が100μmのオリフィスノズルを用いて連続的に導入した場合のそれぞれのクロロベンゼンの信号強度の時間変化の測定結果を比較したものである。
測定は、Heボンベ24からボンベ開閉弁40を通して、Heガスを1atomの圧力で本発明のJet−REMPI装置に導入し、30秒経過した後、開閉弁22を閉じ、次に予めガス混合部28内に導入したクロロベンゼンを含むHeガスを開閉弁27を開くことにより本発明のJet−REMPI装置に1atomの圧力で導入した(図2、参照)。その後、さらに30秒経過した後、開閉弁26を閉じ、開閉弁22を開いた。この際の配管の長さは約12mであった。
図8の結果から、本発明のオリフィスノズルを用いて連続的に導入する方法により、クロロベンゼンの検出の時間遅れは30秒以下となり、従来のパルスバルブを用いる方法(時間遅れ:600秒以上)に比べて大幅に短縮できた。また、本発明のオリフィスノズルを用いて連続的に導入する方法は、時間遅れの短縮により、信号検出時間の半値幅も遥かに狭くでき、リアルタイム性に優れていることを確認した。
図9は、100μmのオリフィスノズルに接続された配管径250μmと500μmの配管で得られたクロロベンゼンのREMPIスペクトルを比較したものである。実線が500μmの配管を用いた場合で、超音速分子ジェット内のクロロベンゼン分子が十分冷却されていることがわかる。一方、250μmの配管を用いて得られた破線のREMPIスペクトルは、スペクトルの半値幅が極端に広く、かつ高エネルギー側に振動準位が励起されていることがわかる。以上より、配管径が500μm以上とすることにより、高い分子選択性が得られることが確認できた。
また、図10は、100μmのオリフィスノズルに接続された配管径250μmと500μmの配管で得られたクロロベンゼンの信号強度変化を示したものである。(a)は20ppmのクロロベンゼンを含む空気を1秒間配管内に導入したものである。500μmの配管を用いた場合、明確なクロロベンゼンピークが検出されているのに対して、250μm配管で得られた結果は非常に信号強度が小さいため雑音が大きく、かつ非常に半値幅の広い分布となってしまっている。(b)の5秒間の導入結果では、250μm配管でも明確なクロロベンゼンのピークが得られるようになったが、500μmのそれと比較して明らかに時間分解能が劣化しており、500μmの配管を用いたほうが時間分解能が得られることを確認できた。
超音速分子ジェット多光子吸収イオン化質量分析装置の概要図。 本発明に係るガス分析装置の概要図。 本発明に係るガス分析装置のイオン化室の上方図。 パルスバルブおよびオリフィスを用いた場合のクロロベンゼンのREMPI信号スペクトル。 m−フルオロフェノールとm−クロロフェノールを混合した試料を用いて得られた飛行時間質量スペクトル。それぞれ、m−フルオロフェノールとm−クロロフェノールの共鳴励起波長にレーザ光を調整し、挿引した。 ガス溜め槽を用いて得られたクロロベンゼンの検量線。 クロロベンゼンの希釈ガスの違いによるREMPIスペクトルの比較。 パルスバルブを用いてクロロベンゼンを含む空気を導入した場合と、オリフィス内径が100μmのオリフィスノズルを用いて連続的に導入した場合のクロロベンゼンの信号強度の時間変化。 100μmのオリフィスノズルに接続された配管径250μmと500μmの配管で得られたクロロベンゼンのREMPIスペクトル。 100μmのオリフィスノズルに接続された配管径250μmと500μmの配管で得られたクロロベンゼンの信号強度変化(a)クロロベンゼン導入時間1秒、(b)クロロベンゼン導入時間5秒。
符号の説明
1:ポンプレーザ(一般にNd3+:YAGレーザ)
2:波長可変レーザ(一般に色素レーザ)
3:非線形光学結晶 4:アインツェルレンズ
5:レーザイオン化領域 6:押出電極
7:引き出し電極 8:スキマー
9:静電反射器 10:パルスバルブ
11:Y軸ディフレクタ 12:X軸ディフレクタ
13:検出器 14:抵抗分割器
15:プリアンプ 16:ディジタルオシロスコープ
17:BOXCAR積分器 18:パーソナルコンピュータ
19:煙道 20:開閉弁
21:フィルタエレメント 22:開閉弁
23:マスフローコントローラ 24:ボンベ1
25:開閉弁 26:開閉弁
27:開閉弁 28:ガス混合部
29:オリフィスノズル 30:ボンベ2
31:ボンベ3 32:排気系1
33:排気系2 34:排気系3
35:排気系4 36:イオン化室
37:分子ジェット形成室 38:飛行時間型質量分析計
39:フィルタボックス 40:ボンベ開閉弁1
41:ボンベ開閉弁2 42:ボンベ開閉弁3
43:吸着カラム 44:レーザ光導入路
45:ビューポート 46:ゲートバルブ
47:真空槽 48:レンズ
49:レーザ光 50:プリズム
51:ガス導入系 52:超音速分子ジェット流
53:光イオン 54:レーザ照射系
55:イオン光学系 56:被測定ガス採取部
57:希釈ガス供給部 58:配管

Claims (11)

  1. ガス導入系、真空槽、イオン化室、レーザ照射系および飛行時間型質量分析計からなり、前記ガス導入系から前記真空槽内に被測定ガスを導入して超音速分子ジェット流域を形成すると共に、該超音速分子ジェット流域に対して前記レーザ照射系からレーザ光を照射して被測定ガス中の特定分子を共鳴多光子吸収過程でイオン化し、該生成イオンを前記イオン化室内のイオン光学系により加速偏向させた後、前記飛行時間型質量分析計で被測定ガス中の前記特定分子を分析するJet−REMPI装置において、
    前記真空槽の内部構造を、(A)オリフィスノズルとスキマーとからなり、前記ガス導入系から供給される被測定ガスを連続的な超音速分子ジェット流とし、切り出すための分子ジェット形成室と、(B)スキマーと前記イオン光学系とレーザ光導入路とからなり、前記分子ジェット形成室から切り出された超音速分子ジェット流と、前記レーザ照射系から出力されたレーザ光とを導入し、超音速分子ジェット流域にレーザ光を照射して特定分子を共鳴多光子吸収過程でイオン化し、該生成イオンを前記飛行時間型質量分析計まで加速偏向させるためのイオン化室と、(C)その他空間部の3分割構造とし、真空槽、分子ジェット形成室、およびイオン化室のそれぞれに個別の排気系を備えたことを特徴とするガス分析用Jet−REMPI装置。
  2. 前記オリフィスノズルのオリフィスの内径が0.13μm以上、300μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
  3. 前記分子ジェット形成室出側に設けられたスキマーと、前記イオン化室入り側に設けられたスキマーとはそれぞれの中心が同軸上にあるように配置したことを特徴とする請求項1または2記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
  4. 前記ガス導入系は、被測定ガス採取部に被測定ガスを希釈するための希釈ガス供給部からなり、被測定ガスと希釈ガスの流量を測定し制御するための流量計がそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
  5. 前記ガス導入系の採取部に被測定ガス中に含有する腐食性物質を除去するための吸着カラムを設けたことを特徴とする請求項4記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
  6. 前記腐食性物質が水分および塩素分の1種または2種であることを特徴とする請求項5記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
  7. 前記ガス導入系のガス採取部被測定ガス中に含有する浮遊性固形物質を除去するためのフィルタエレメントを設けたことを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
  8. 前記浮遊性固形物質が大気中の灰分であることを特徴とする請求項7記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
  9. 前記ガス導入系はガス分析用標準ガスを生成するためのガス混合部を備えたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
  10. 前記ガス導入系全体が被測定ガス温度を一定に保持するための温度調整手段を備えたことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
  11. 前記オリフィスに接続される前記ガス導入系の配管内直径が500μm以上1.5mm以下であることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のガス分析用Jet−REMPI装置。
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