JP2002181790A - 化学物質検出装置 - Google Patents

化学物質検出装置

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JP2002181790A
JP2002181790A JP2000385982A JP2000385982A JP2002181790A JP 2002181790 A JP2002181790 A JP 2002181790A JP 2000385982 A JP2000385982 A JP 2000385982A JP 2000385982 A JP2000385982 A JP 2000385982A JP 2002181790 A JP2002181790 A JP 2002181790A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学物質を高精度に検出することができるこ
とを目的とする。 【解決手段】 第1空間26と第2空間27とを仕切り
壁25で仕切ることにより、第2空間27中のイオント
ラップ9の機能が損なわれない程度に、第1空間26中
のガス圧を増加できる。第1空間26側のランプ5と第
2空間27側のイオントラップ9とを仕切り壁25で仕
切ることにより、第1空間26中において、サンプルガ
スに対する真空紫外光7の照射体積を増加できる。この
結果、イオン28の生成量が増加して、飛行時間型質量
分析手段19の計測感度が向上され、特定の化学物質を
高精度に検出することができる。また、差動排気用ポン
プ31により、第2空間27中のガス圧を上げることな
く、第1空間26中のガス圧を増加させることができ
る。この結果、さらに、イオン28の生成量が増加して
特定の化学物質を高精度に検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、化学物質検出装
置に係り、特に、特定の化学物質を高精度に検出するこ
とができる化学物質検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クロロベンゼン類、ダイオキシン類のよ
うな微量で有害な化学物質が、燃焼炉、金属精錬炉から
排出される排ガス中に含まれて排出されている。このよ
うな、微量有害物質の検出および濃度測定を的確に行う
ことが、特に強く求められている。
【0003】上述のような化学物質の検出、濃度測定の
ための装置として、ガスクロマトグラフ法、質量分析法
のような慣用技術によるものが知られており、そのう
ち、質量分析法は、ガスクロマトグラフ法に比べて、そ
の計測時間が短い点で優れている。
【0004】質量分析法は、RF放電(高周波放電)に
よるプラズマ、電子銃による電子ビームなどを用いてサ
ンプルガスをイオン化し、そのイオンを一瞬に加速して
質量分離を行い、その質量数に対応する飛行時間を計測
することにより、その物質を同定する方法である。
【0005】上述のような飛行時間型質量分析法は、サ
ンプルガスをイオン化するプロセスで、検出対象物質以
外の物質がイオン化したり、検出対象物質、検出対象で
ない物質の質量がより小さい分子、原子に分解され、分
解されて生成するフラグメントが複雑になって、特定物
質の同定が困難であり、その計測感度の低下を招いてい
る。
【0006】このため、サンプルガス中の計測対象物質
以外の物質のイオン化を防止する技術が開発されてい
る。また、計測対象物質の光吸収波長に合わせたレーザ
光を照射し、その物質を選択的に多光子イオン化する共
鳴多光子イオン化法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、計測感度を高
めることができる共鳴多光子イオン化法は、クロロベン
ゼン類、ダイオキシン類のうちで、ジクロロベンゼン、
トリクロロベンゼンのような塩素が多く含まれる物質ほ
ど、イオン化の効率が低下し、その計測感度が低下する
ので、イオン化効率の低下を補うために、超短パルスレ
ーザが必要になる。このため、従来装置では、上述のよ
うな特定物質の計測のために、高価な装置となってしま
う。
【0008】そこで、この出願人は、特定物質のイオン
化効率を高め、光子エネルギーより高いイオン化エネル
ギーを持つ他物質のイオン化の阻止、及び特定物質のフ
ラグメント生成を抑制することで計測感度を向上するこ
とと、装置の低コスト化、簡素化を図れる化学物質検出
装置(特願2000−178985号)を先に出願し
た。
【0009】先願の化学物質検出装置は、サンプルガス
を真空紫外光によりイオン化するイオン化手段と、前記
真空紫外光によりイオン化されたイオンのうち、特定質
量のイオンを蓄積するイオントラップと、前記イオント
ラップ中に蓄積された前記イオンを加速させ、その加速
されたイオンの飛行時間に基づいて前記サンプルガス中
の前記特定質量の化学物質を同定する飛行時間型質量分
析手段と、を備える。
【0010】この発明は、先願の化学物質検出装置の改
良にかかり、特定の化学物質を高精度に検出することが
できる化学物質検出装置を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1にかかる発明は、以下の構成を特徴とす
る。すなわち、イオン化手段は、イオンが通過する孔を
有する仕切り壁により、イオン生成用の第1空間とイオ
ン蓄積用の第2空間とに仕切られており、前記第1空間
には、前記真空紫外光発生手段が具備されており、前記
第2空間中には、前記イオントラップが配置されてお
り、前記第1空間中で生成されたイオンを前記第2空間
中の前記イオントラップ中に引き込む引き込み電極が設
けられている。
【0012】この結果、請求項1にかかる発明は、第1
空間と第2空間とを仕切り壁で仕切ることにより、第2
空間中のイオントラップの機能が損なわれない程度に、
第1空間中のガス圧(ガス密度)を増加させることがで
きる。また、第1空間側の真空紫外光発生手段と第2空
間側のイオントラップとを仕切り壁で仕切ることによ
り、第1空間中において、サンプルガスに対する真空紫
外光の照射体積を増加させることができる。前記ガス圧
および真空紫外光の照射体積を増加することにより、イ
オンの生成量が増加する。このために、飛行時間型質量
分析手段の計測感度が向上され、その分、特定の化学物
質を高精度に検出することができる。
【0013】また、請求項2にかかる発明は、第2空間
中の圧力を第1空間中の圧力よりも低くする差動排気手
段が設けられている、ことを特徴とする。
【0014】この結果、請求項2にかかる発明は、差動
排気手段により、第2空間中のガス圧を上げることな
く、第1空間中のガス圧を増加させることができる。こ
のために、さらに、イオンの生成量が増加して特定の化
学物質を高精度に検出することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる化学物質
検出装置の実施の形態の1例を添付図面を参照して説明
する。なお、この実施の形態によりこの化学物質検出装
置が限定されるものではない。
【0016】(実施の形態の構成の説明)図1におい
て、1はサンプルガスを真空紫外光によりイオン化する
イオン化手段である。このイオン化手段1は、主に、イ
オン化室2と、サンプルガス導入管3と、イオン加速電
極4と、真空紫外光発生手段としてのランプ5とから構
成されている。前記イオン化室2中には、サンプルガス
(図示せず)が前記サンプルガス導入管3を介して導入
されている。また、前記イオン加速電極4は、後記イオ
ントラップ9と後記飛行時間型質量分析手段19との間
に配置されている。
【0017】前記ランプ5は、供給されたランプガス6
(たとえば、H2 /Heなど)をμ波で放電させて、H
2 の固有の発光線エネルギー10.2eVを持つ真空紫
外光7を発生させるものである。このランプ5は、放電
するランプガス6の種類を変えることにより、発生する
真空紫外光7の持つ光子エネルギー量を変化させて、イ
オン化する物質を選定することができる。また、このラ
ンプ5中は、たとえば、約10Torr以下に減圧され
ている。
【0018】前記ランプ5は、MgF2 窓8を介して前
記イオン化室2に配置されている。前記真空紫外光7
は、前記MgF2 窓8を経て前記イオン化室2中に照射
される。前記MgF2 窓8は、真空紫外光7の透過性が
良い。
【0019】図1において、9は前記真空紫外光7によ
りイオン化されたイオンのうち、特定質量のイオンを蓄
積するイオントラップである。このイオントラップ9
は、図2に示すように、2個のエンドキャップ電極1
0、11と、1個のリング電極12とから構成されてい
る。また、このイオントラップ9は、前記電極10、1
1、12で囲まれた空間24を有する。
【0020】前記エンドキャップ電極10、11および
前記リング電極12は、その内面が凸曲面をなす。前記
2個のエンドキャップ電極の一方10のほぼ中央には、
生成された後記イオン28を中に引き込むための孔、す
なわち引き込み孔13が設けられている。また、前記2
個のエンドキャップ電極の他方11のほぼ中央には、蓄
積された後記イオン18を外に引き出すための孔、すな
わち引き出し孔14が設けられている。
【0021】前記エンドキャップ電極10、11の端部
とリング電極12の端部との間には、絶縁物15(たと
えば、セラミック製の絶縁物)が固定されている。そし
て、これらエンドキャップ電極10、11およびリング
電極12および絶縁物15は、ホルダ16により、保持
されている。
【0022】前記エンドキャップ電極10、11および
前記リング電極12には、図1に示すように、高周波電
圧を印加するための高周波電源17が接続されている。
この高周波電源17から印加される高周波電圧の周波数
と電圧とを調整することにより、引き込まれたイオン2
8のうち、特定の質量のイオン18を前記空間24中に
おいて選別蓄積することができる。すなわち、周波数と
電圧とが調整された高周波電界により、特定の質量のイ
オン18がそのイオン軌道上を対流して保持蓄積される
ものである。その他のイオンは、電極10、11、12
に当って消失する。
【0023】前記イオントラップ9中のイオンの蓄積時
間は、蓄積する化学物質により変わるが、約1〜2秒間
である。その蓄積時間が終了した時点で、イオン加速電
極4に電圧を印加して電界を加える。すると、イオント
ラップ9中に蓄積されたイオン18が引き出し孔14か
ら外に引き出されて加速されることとなる。
【0024】前記イオン化室2内には、仕切り壁25が
配置されている。これにより、前記イオン室2内は、イ
オン生成用の第1空間26と、イオン蓄積用の第2空間
27とに仕切られる。前記仕切り壁25には、イオン2
8が通過する孔29が設けられている。
【0025】前記第1空間26には、前記サンプルガス
導入管3と前記ランプ5とポンプ30とがそれぞれ接続
されている。前記真空紫外光7の照射方向とイオン18
の加速方向とは、ほぼ直交する。すなわち、前記イオン
トラップ9とイオン加速電極4との間のイオン加速域に
真空紫外光7が照射されない位置に、前記ランプ5が配
置されている。前記第1空間26中には、サンプルガス
(図示せず)が充満している。前記第1空間26中に充
満しているサンプルガスは、前記真空紫外光7によりイ
オン化される。
【0026】前記第2空間27中には、前記イオン加速
電極4と前記イオントラップ9とが配置されている。ま
た、前記第2空間27には、差動排気用ポンプ31が接
続されている。この差動排気用ポンプ31は、前記第2
空間27内の圧力を前記第1空間26内の圧力よりも低
くするものである。
【0027】前記第1空間26と、前記第2空間27の
仕切り壁25、イオントラップ9間とには、イオン引き
込み電極32がそれぞれ配置されている。このイオン引
き込み電極32は、前記第1空間26中で生成されたイ
オン28をイオン通過孔29を経て前記第2空間27中
の前記イオントラップ9中に引き込むためのものであ
る。
【0028】図1において、19は前記加速されたイオ
ン18の飛行時間に基づいてサンプルガス中の特定質量
の化学物質を同定する飛行時間型質量分析手段(いわゆ
る、TOFMS)である。この飛行時間型質量分析手段
19の飛行室20が前記第2空間27と連通して配置さ
れている。
【0029】前記飛行室20には、ポンプ21が接続さ
れている。このポンプ21の作動により、相互に連通す
る前記飛行室20および前記第2空間27中の圧力が高
真空、たとえば、約10-5Torr以下に保持されてい
る。この高真空は、前記第2空間27および前記飛行室
20中を飛行するイオン18が他の分子と衝突して消失
しない程度のものである。
【0030】前記飛行室20のうち、前記イオン18が
到達する箇所には、イオン検出器22が設置されてい
る。このイオン検出器22は、たとえば、マイクロチャ
ンネルプレート(いわゆる、MCP)や電子増倍管など
から構成されているものである。このイオン検出器22
は、図3に示すように、前記イオン18を検出した時点
で信号を出力するものである。なお、前記イオン検出器
22の信号出力のレベルは、前記イオン18の量によっ
て変わる。
【0031】前記イオン検出器22には、オシロスコー
プ23が接続されている。このオシロスコープ23は、
図3に示すように、前記イオン検出器22でイオン18
を検出した時点で出力する信号の時間波形を表示するも
のである。
【0032】(実施の形態の作用の説明)この実施の形
態における化学物質検出装置は、以上の如き構成からな
り、以下、その作用について説明する。なお、この例に
おける検出対象の化学物質は、たとえば、ダイオキシン
類やその前駆体である。
【0033】まず、サンプルガスをサンプルガス導入管
3を介してイオン化室2の第1空間26中に導入する。
すると、サンプルガスは、イオン化室2の第1空間26
中に充満する。このとき、イオン化室2は、第1空間部
26と第2空間部27とに仕切られており、かつ、第2
空間部27は差動排気用ポンプ31により差動排気され
ている。このために、第1空間26中のガス圧を増加さ
せることが可能である。
【0034】一方、ランプ5を作動させて真空紫外光7
を、MgF2 窓8を経て、イオン化室2の第1空間26
中に照射させる。すると、サンプルガスは、真空紫外光
7により、イオン化される。このとき、前記真空紫外光
7の前記第1空間26中への照射体積は、ランプ5の照
射口径の大きさに準じて増加させることができる。ま
た、前記真空紫外光7は、イオントラップ9とイオン加
速電極4との間のイオン加速域には照射されない。
【0035】前記真空紫外光7の照射において、サンプ
ルガス中の検出対象の化学物質のイオン化エネルギーに
対して、それよりも高い光子エネルギーを持つ真空紫外
光7を照射する。この結果、検出対象の化学物質は、1
光子エネルギーにより、イオン化されるので、イオン化
効率が良い。
【0036】前記第1空間26中においてイオン化され
たイオン28は、引き込み電極32により、イオン通過
孔29、引き込み孔13を経て第2空間27中のイオン
トラップ9中に引き込まれる。このイオントラップ9中
に引き込まれたイオン28のうち、特定質量のイオン1
8は、イオントラップ9中の空間24において1〜2秒
間蓄積される。これにより、イオン18の密度が高くな
る。
【0037】イオン18がイオントラップ9において蓄
積された後、イオン加速電極4に電圧を印加する。する
と、イオントラップ9中のイオン18パケット(集団)
が引き出し孔14から引き出されて加速される。このと
き、前記イオン18パケットの引き出し加速方向と、前
記真空紫外光7の照射方向とは、ほぼ直交する。
【0038】加速されたイオン18パケットは、イオン
化室2の第2空間27および飛行室20中を飛行してイ
オン検出器22に到達する。そのイオン18パケットの
飛行時間に基づいてサンプルガス中の特定質量の化学物
質が同定される。
【0039】たとえば、図3に示すように、飛行時間
(μs)がT1の場合、質量M1(たとえば、112)
の化学物質X1(たとえば、モノクロロベンゼン)が同
定される。また、飛行時間(μs)がT2の場合、質量
M2(たとえば、146)の化学物質X2(たとえば、
ジクロロベンゼン)が同定される。ここで、図3におい
て、時間0は、イオン加速電極4に電圧を印加した時点
をいう。
【0040】しかも、図3に示すように、イオン検出器
22からの信号出力のレベルから検出対象の化学物質の
濃度が判明する。たとえば、濃度特性から、基準の信号
出力レベル(図3中の最小の三角形のレベル)の濃度を
1ppmとする。この場合において、飛行時間T1にお
ける信号出力レベルS1が基準の信号出力レベルの2倍
となっているので、質量M1の化学物質X1の濃度は、
2ppmとなる。また、飛行時間T2における信号出力
レベルS2が基準の信号出力レベルの3倍となっている
ので、質量M2の化学物質X2の濃度は、3ppmとな
る。
【0041】(実施の形態の効果の説明)このように、
この実施の形態における化学物質検出装置は、イオン化
室2中の第1空間26と第2空間27とを仕切り壁25
で仕切ることにより、第2空間27中のイオントラップ
9の機能が損なわれない程度に、第1空間26中のガス
圧を増加させることができる。また、第1空間26側の
ランプ5と第2空間27側のイオントラップ9とを仕切
り壁25で仕切ることにより、第1空間26中におい
て、サンプルガスに対する真空紫外光7の照射体積を増
加させることができる。
【0042】前記ガス圧および真空紫外光7の照射体積
を増加することにより、イオン28の生成量が増加す
る。このために、飛行時間型質量分析手段19の計測感
度が向上され、その分、特定の化学物質を高精度に検出
することができる。
【0043】特に、この実施の形態における化学物質検
出装置は、第2空間27中の圧力を第1空間26中の圧
力よりも低くする差動排気用ポンプ31により、第2空
間27中のガス圧を上げることなく、第1空間26中の
ガス圧を増加させることができる。このために、さら
に、イオン28の生成量が増加して特定の化学物質を高
精度に検出することができる。
【0044】このように、この実施の形態における化学
物質検出装置は、サンプルガスを真空紫外光7によりイ
オン化する領域を、イオントラップ9中と別個に区画さ
れたイオン化室2の第1空間26に設けたものである。
このために、イオントラップ9のガス圧の制限および真
空紫外光7の照射体積の制限よりも緩やかな制限下にお
いて、イオン28の生成量の増加が図られる。
【0045】また、この実施の形態においては、サンプ
ルガスは、真空紫外光7の1光子エネルギーにより、イ
オン化されるので、イオン化効率が良い。
【0046】さらに、この実施の形態においては、真空
紫外光7の発生手段としてランプ5を使用したので、コ
スト上非常に優れている。しかも、ランプ5は、パルス
レーザと比較して、光子密度が小さいが、連続発光であ
るから、光子量はトータル的にほぼ同等となる。その
上、イオントラップ9でイオンを蓄積するので、光子密
度の小ささは、特に問題とはならない。
【0047】さらにまた、この実施の形態においては、
飛行時間型質量分析手段19として、イオン18が直進
するリニア型方式のものを使用する。このために、イオ
ンが電極により反射するリフレクトロン型方式の飛行時
間型質量分析手段と比較して、イオンが電極に衝突して
消失する量が少ない。この結果、この実施の形態におい
ては、イオン検出器22におけるイオン18の検出が正
確となる。
【0048】その上、この実施の形態における化学物質
検出装置は、イオン18の引き出し加速方向と真空紫外
光7の照射方向とが直交するものであるから、真空紫外
光7がイオントラップ9とイオン加速電極4との間のイ
オン加速域に照射されない。このために、イオン加速域
に存在するサンプルガスが真空紫外光7によりイオン化
してノイズとなるのを抑制することができる。その結
果、飛行時間型質量分析手段19の計測感度が向上さ
れ、その分、特定の化学物質を高精度に検出することが
できる。
【0049】(実施の形態以外の例)なお、この実施の
形態においては、検出対象の化学物質としては、ダイオ
キシン類やその前駆体であるが、この発明は、その他の
化学物質の検出にも適用できる。
【0050】また、この実施の形態において、第2空間
27に差動排気用ポンプ31を接続したものであるが、
この発明においては、特に、第2空間27に差動排気用
ポンプ31を接続しなくても良い。
【0051】さらに、この実施の形態においては、真空
紫外光7の照射方向とイオン18の引き出し方向とが直
交するものであるが、この発明の化学物質装置において
は、真空紫外光7の照射方向とイオン18の引き出し方
向とが同一方向であっても良い。
【0052】
【発明の効果】以上から明らかなように、この発明にか
かる化学物質検出装置(請求項1)は、第1空間と第2
空間とを仕切り壁で仕切ることにより、第2空間中のイ
オントラップの機能が損なわれない程度に、第1空間中
のガス圧を増加させることができる。また、第1空間側
の真空紫外光発生手段と第2空間側のイオントラップと
を仕切り壁で仕切ることにより、第1空間中において、
サンプルガスに対する真空紫外光の照射体積を増加させ
ることができる。前記ガス圧および真空紫外光の照射体
積を増加することにより、イオンの生成量が増加する。
このために、飛行時間型質量分析手段の計測感度が向上
され、その分、特定の化学物質を高精度に検出すること
ができる。
【0053】また、この発明にかかる化学物質検出装置
(請求項2)は、第2空間中の圧力を第1空間中の圧力
よりも低くする差動排気手段が設けられている。この差
動排気手段により、第2空間中のガス圧を上げることな
く、第1空間中のガス圧を増加させることができる。こ
のために、さらに、イオンの生成量が増加して特定の化
学物質を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の化学物質検出装置の実施の形態を示
す説明図である。
【図2】同じく、イオントラップを示す縦断面図であ
る。
【図3】同じく、オシロスコープにおいて表示されるイ
オン検出器からの信号出力とイオンの飛行時間とを示し
たグラフである。
【符号の説明】
1 イオン化手段 2 イオン化室 3 サンプルガス導入管 4 イオン加速電極 5 ランプ(真空紫外光発生手段) 6 ランプガス 7 真空紫外光 8 MgF2 窓 9 イオントラップ 10、11 エンドキャップ電極 12 リング電極 13 引き込み孔 14 引き出し孔 15 絶縁物 16 ホルダ 17 高周波電源 18 イオン 19 飛行時間型質量分析手段 20 飛行室 21 ポンプ 22 イオン検出器 23 オシロスコープ 24 空間 25 仕切り壁 26 第1空間 27 第2空間 28 イオン 29 イオン通過孔 30 ポンプ 31 差動排気用ポンプ 32 イオン引き込み電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 49/42 H01J 49/42 (72)発明者 鶴我 薫典 横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重 工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 栗林 志頭真 横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重 工業株式会社基盤技術研究所内 Fターム(参考) 5C038 GG07 GH04 JJ02 JJ06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空紫外光発生手段から発生された真空
    紫外光によりサンプルガスをイオン化するイオン化手段
    と、 前記真空紫外光によりイオン化されたイオンのうち、特
    定質量のイオンを蓄積するイオントラップと、 前記イオントラップ中に蓄積された前記イオンを加速さ
    せ、その加速されたイオンの飛行時間に基づいて前記サ
    ンプルガス中の前記特定質量の化学物質を同定する飛行
    時間型質量分析手段と、 を備えた化学物質検出装置において、 前記イオン化手段は、イオンが通過する孔を有する仕切
    り壁により、イオン生成用の第1空間とイオン蓄積用の
    第2空間とに仕切られており、前記第1空間には、前記
    真空紫外光発生手段が具備されており、前記第2空間中
    には、前記イオントラップが配置されており、前記第1
    空間中で生成されたイオンを前記第2空間中の前記イオ
    ントラップ中に引き込む引き込み電極が設けられてい
    る、ことを特徴とする化学物質検出装置。
  2. 【請求項2】 前記第2空間中の圧力を前記第1空間中
    の圧力よりも低くする差動排気手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の化学物質検出装置。
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