JP2003121416A - 微量成分の分子濃度の測定方法及び装置 - Google Patents
微量成分の分子濃度の測定方法及び装置Info
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- JP2003121416A JP2003121416A JP2001311351A JP2001311351A JP2003121416A JP 2003121416 A JP2003121416 A JP 2003121416A JP 2001311351 A JP2001311351 A JP 2001311351A JP 2001311351 A JP2001311351 A JP 2001311351A JP 2003121416 A JP2003121416 A JP 2003121416A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 微量成分の分子の親イオンが壊れないように
レーザ光を照射して正確な分子濃度を測定する。 【解決手段】 フエムト秒チタンサファイアレーザを用
いた高出力超短パルスレーザ10と、非線型結晶を用い
た光パラメトリック発振器による波長可変手段20と、
レーザ光の照射により分子をイオン化し、分子イオン強
度を測定する飛行時間型の質量分析装置30とを備え、
分子及び分子イオンの電子遷移吸収、振動遷移吸収、振
動遷移倍音吸収のない波長帯の任意の波長のレーザ光を
波長可変手段20により設定して分子に照射し、その分
子イオン強度を質量分析装置30により測定する。
レーザ光を照射して正確な分子濃度を測定する。 【解決手段】 フエムト秒チタンサファイアレーザを用
いた高出力超短パルスレーザ10と、非線型結晶を用い
た光パラメトリック発振器による波長可変手段20と、
レーザ光の照射により分子をイオン化し、分子イオン強
度を測定する飛行時間型の質量分析装置30とを備え、
分子及び分子イオンの電子遷移吸収、振動遷移吸収、振
動遷移倍音吸収のない波長帯の任意の波長のレーザ光を
波長可変手段20により設定して分子に照射し、その分
子イオン強度を質量分析装置30により測定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、環境等に影響を
与える微量成分の分子の濃度を測定する方法及び装置に
関する。
与える微量成分の分子の濃度を測定する方法及び装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ダイオキシン、PCB、フロンなどはそ
の量が微量でも環境などに多大な影響を与えるため、そ
の微量成分の存在そのものが問題とされ、このような環
境微量成分の生成、検出、分解(処理)の機構を調べた
り、その測定技術レベルを向上させることが求められて
いる。このような微量成分の測定方法として、抽出分離
法、共鳴多光子イオン化法、レーザ誘起蛍光法等が知ら
れている。
の量が微量でも環境などに多大な影響を与えるため、そ
の微量成分の存在そのものが問題とされ、このような環
境微量成分の生成、検出、分解(処理)の機構を調べた
り、その測定技術レベルを向上させることが求められて
いる。このような微量成分の測定方法として、抽出分離
法、共鳴多光子イオン化法、レーザ誘起蛍光法等が知ら
れている。
【0003】抽出分離法は、対象サンプルをサンプリン
グしてソックスレー法で抽出し、次いで濃硫酸で処理
し、カラムを用いて分離し、ガスクロマトグラフィ・質
量分析器で分析する方法である。この方法は分析に時
間、コストがかかるという難点がある。共鳴多光子イオ
ン化法、レーザ誘起蛍光法は、対象サンプルに特定波長
の光を共鳴吸収させ電子を励起させてイオン化する、あ
るいは蛍光を発生させる方法である。
グしてソックスレー法で抽出し、次いで濃硫酸で処理
し、カラムを用いて分離し、ガスクロマトグラフィ・質
量分析器で分析する方法である。この方法は分析に時
間、コストがかかるという難点がある。共鳴多光子イオ
ン化法、レーザ誘起蛍光法は、対象サンプルに特定波長
の光を共鳴吸収させ電子を励起させてイオン化する、あ
るいは蛍光を発生させる方法である。
【0004】上記共鳴多光子イオン化法、レーザ誘起蛍
光法などのレーザ法は、チャンネルプレート検出器を用
いればイオン1個又は光子1個を検出できるため極めて
高感度であり、測定・分析はリアルタイムで可能、ター
ゲットの分子を励起する際に超音速分子ジェット法を用
いれば分子特有の振動回転準位を励起できるため異性体
を分離して測定できるなどの利点がある。上記レーザ法
では短パルスレーザが用いられ、特にレーザイオン化法
ではレーザ光の共鳴吸収によりイオン化するに必要な程
度のレーザ強度のレーザが用いられている。
光法などのレーザ法は、チャンネルプレート検出器を用
いればイオン1個又は光子1個を検出できるため極めて
高感度であり、測定・分析はリアルタイムで可能、ター
ゲットの分子を励起する際に超音速分子ジェット法を用
いれば分子特有の振動回転準位を励起できるため異性体
を分離して測定できるなどの利点がある。上記レーザ法
では短パルスレーザが用いられ、特にレーザイオン化法
ではレーザ光の共鳴吸収によりイオン化するに必要な程
度のレーザ強度のレーザが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した微
量成分の存在が問題とされる物質のうち、例えばダイオ
キシン類は、PCDD(Polychlorinated dibenzo-p-dio
xins) 、PCDF(Polychlorinated dibenzofurans) 、
PCB (Polychlorinated biphenyls)の3つに大別さ
れ、それぞれの分子には塩素の置換されている位置が異
なる異性体分子として75種、135種、209種の多
くの種類のものがあり、同じダイオキシン類といっても
その毒性等価係数(TEQ)については、2、3、7、
8テトラクロロダイオキシンが最も毒性が強く、8塩素
置換体のPCDDでは毒性が低いなどそれぞれの異性体
分子によって毒性は大きく異なる。
量成分の存在が問題とされる物質のうち、例えばダイオ
キシン類は、PCDD(Polychlorinated dibenzo-p-dio
xins) 、PCDF(Polychlorinated dibenzofurans) 、
PCB (Polychlorinated biphenyls)の3つに大別さ
れ、それぞれの分子には塩素の置換されている位置が異
なる異性体分子として75種、135種、209種の多
くの種類のものがあり、同じダイオキシン類といっても
その毒性等価係数(TEQ)については、2、3、7、
8テトラクロロダイオキシンが最も毒性が強く、8塩素
置換体のPCDDでは毒性が低いなどそれぞれの異性体
分子によって毒性は大きく異なる。
【0006】このような微量成分の分子濃度を従来のレ
ーザ法で測定分析する場合、使用される短パルスレーザ
光はある程度有効であるが、上記多種類の異性体を含む
ダイオキシン類では蛍光寿命が短い、あるいは分子励起
状態の寿命が極端に短いものが含まれ、このためダイオ
キシン類の検出感度が低下し、異性体の区別が困難な場
合がある。
ーザ法で測定分析する場合、使用される短パルスレーザ
光はある程度有効であるが、上記多種類の異性体を含む
ダイオキシン類では蛍光寿命が短い、あるいは分子励起
状態の寿命が極端に短いものが含まれ、このためダイオ
キシン類の検出感度が低下し、異性体の区別が困難な場
合がある。
【0007】又、短パルスレーザ光を用いて分子をイオ
ン化する場合、その分子に固有の共鳴波長のレーザ光を
照射して共鳴多光子吸収によりイオン化する際にレーザ
光の強度を強くすると分子がばらばらに壊れてしまうた
め、共鳴波長のレーザ光によるイオン化には一定の限界
がある。このため、発明者等はフエムト秒超短パルスレ
ーザ光をハロゲン化分子に照射してイオン化し、そのイ
オン強度からハロゲン化分子の濃度を求める方法につい
て先の特願2000−340564号により提案した。
ン化する場合、その分子に固有の共鳴波長のレーザ光を
照射して共鳴多光子吸収によりイオン化する際にレーザ
光の強度を強くすると分子がばらばらに壊れてしまうた
め、共鳴波長のレーザ光によるイオン化には一定の限界
がある。このため、発明者等はフエムト秒超短パルスレ
ーザ光をハロゲン化分子に照射してイオン化し、そのイ
オン強度からハロゲン化分子の濃度を求める方法につい
て先の特願2000−340564号により提案した。
【0008】しかし、この先願発明ではフエムト秒励起
パルスレーザは固定波長のものを前提としているため、
測定対象の分子又は分子イオンの吸収波長が上記固定波
長から実効的にずれていればよいが、分子又は分子イオ
ンの吸収波長がほぼレーザ波長に合致する範囲のもので
あると、フエムト秒超短パルスのレーザ光であっても吸
収が起こり、測定対象の分子はばらばらに分解されて有
効な測定、分析が出来ない。
パルスレーザは固定波長のものを前提としているため、
測定対象の分子又は分子イオンの吸収波長が上記固定波
長から実効的にずれていればよいが、分子又は分子イオ
ンの吸収波長がほぼレーザ波長に合致する範囲のもので
あると、フエムト秒超短パルスのレーザ光であっても吸
収が起こり、測定対象の分子はばらばらに分解されて有
効な測定、分析が出来ない。
【0009】この発明は、上記の問題に留意して、微量
成分の分子にその親イオンを破壊せずに分子イオン強度
を測定し、分子濃度を短時間に正確に測定する方法及び
装置を提供することを課題とする。
成分の分子にその親イオンを破壊せずに分子イオン強度
を測定し、分子濃度を短時間に正確に測定する方法及び
装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決する手段として、微量成分の分子に、その分子及
び分子イオンの電子遷移吸収、振動遷移吸収及び振動遷
移倍音吸収に対し非共鳴波長の超短パルスレーザ光を照
射し、この照射によって生成される分子イオンのイオン
強度をイオン強度測定手段により測定し、このイオン強
度から分子濃度を求める微量成分の分子濃度測定方法と
したのである。
を解決する手段として、微量成分の分子に、その分子及
び分子イオンの電子遷移吸収、振動遷移吸収及び振動遷
移倍音吸収に対し非共鳴波長の超短パルスレーザ光を照
射し、この照射によって生成される分子イオンのイオン
強度をイオン強度測定手段により測定し、このイオン強
度から分子濃度を求める微量成分の分子濃度測定方法と
したのである。
【0011】又、この方法を実施する装置として、パル
ス幅が超短パルスで、波長可変のレーザ光を出力する超
短パルス波長可変レーザと、測定対象の微量成分の分子
に、設定された波長のレーザ光を照射して分子イオンを
生成し、その分子イオンのイオン強度を測定してそのイ
オン強度から分子濃度を検出する質量分析装置とを備
え、上記超短パルス波長可変レーザからのレーザ光の波
長を、微量成分の分子及び分子イオンの電子遷移吸収、
振動遷移吸収及び振動遷移倍音吸収を生じない波長に可
変レーザにおいて設定してイオン強度を測定するように
した微量成分の分子濃度測定装置を採用することができ
る。
ス幅が超短パルスで、波長可変のレーザ光を出力する超
短パルス波長可変レーザと、測定対象の微量成分の分子
に、設定された波長のレーザ光を照射して分子イオンを
生成し、その分子イオンのイオン強度を測定してそのイ
オン強度から分子濃度を検出する質量分析装置とを備
え、上記超短パルス波長可変レーザからのレーザ光の波
長を、微量成分の分子及び分子イオンの電子遷移吸収、
振動遷移吸収及び振動遷移倍音吸収を生じない波長に可
変レーザにおいて設定してイオン強度を測定するように
した微量成分の分子濃度測定装置を採用することができ
る。
【0012】あるいは、もう1つの装置として、パルス
幅が超短パルスのレーザ光を出力する超短パルスレーザ
と、そのレーザ光の波長を変化させる波長可変手段と、
測定対象の微量成分の分子に、波長可変手段で設定され
た波長のレーザ光を照射して分子イオンを生成し、その
分子イオンのイオン強度を測定してそのイオン強度から
分子濃度を検出する質量分析装置とを備え、上記超短パ
ルスレーザからのレーザ光の波長を、微量成分の分子及
び分子イオンの電子遷移吸収、振動遷移吸収及び振動遷
移倍音吸収を生じない波長に波長可変手段により設定し
てイオン強度を測定するようにした微量成分の分子濃度
測定装置を採用することもできる。
幅が超短パルスのレーザ光を出力する超短パルスレーザ
と、そのレーザ光の波長を変化させる波長可変手段と、
測定対象の微量成分の分子に、波長可変手段で設定され
た波長のレーザ光を照射して分子イオンを生成し、その
分子イオンのイオン強度を測定してそのイオン強度から
分子濃度を検出する質量分析装置とを備え、上記超短パ
ルスレーザからのレーザ光の波長を、微量成分の分子及
び分子イオンの電子遷移吸収、振動遷移吸収及び振動遷
移倍音吸収を生じない波長に波長可変手段により設定し
てイオン強度を測定するようにした微量成分の分子濃度
測定装置を採用することもできる。
【0013】上記の構成の分子濃度測定方法及び装置に
よれば、測定対象物質の分子イオンの破壊を最小限に止
めて迅速、かつ正確に分子イオン強度、分子濃度、分子
量が測定される。この場合、照射されるレーザ光はフエ
ムト秒の超短パルスレーザ光であることが前提である。
パルス幅がこれより大きくなるとレーザ光を非共鳴状態
で照射しても分子が破壊されるからである。又、適用対
象の物質は有機物質、無機物質、及びそれらの複合物質
の全てが対象である。
よれば、測定対象物質の分子イオンの破壊を最小限に止
めて迅速、かつ正確に分子イオン強度、分子濃度、分子
量が測定される。この場合、照射されるレーザ光はフエ
ムト秒の超短パルスレーザ光であることが前提である。
パルス幅がこれより大きくなるとレーザ光を非共鳴状態
で照射しても分子が破壊されるからである。又、適用対
象の物質は有機物質、無機物質、及びそれらの複合物質
の全てが対象である。
【0014】レーザ光の波長は、特に測定対象の分子と
分子イオンに対し電子遷移吸収、振動遷移吸収、及び振
動遷移倍音吸収が生じない非共鳴波長のレーザ光が照射
され、対象分子がイオン化される。上記それぞれの吸収
波長域は、対象分子及び分子イオンに固有のものであ
り、予めその吸収波長域をそれぞれの対象分子毎に測定
しておく。電子遷移吸収は分子では紫外域、分子イオン
では可視光域を中心とし、振動遷移吸収は共に近赤外域
を中心とする。
分子イオンに対し電子遷移吸収、振動遷移吸収、及び振
動遷移倍音吸収が生じない非共鳴波長のレーザ光が照射
され、対象分子がイオン化される。上記それぞれの吸収
波長域は、対象分子及び分子イオンに固有のものであ
り、予めその吸収波長域をそれぞれの対象分子毎に測定
しておく。電子遷移吸収は分子では紫外域、分子イオン
では可視光域を中心とし、振動遷移吸収は共に近赤外域
を中心とする。
【0015】従って、上記それぞれの遷移吸収が重なら
ない帯域内の任意の波長にレーザ光の波長を設定して照
射すれば、非共鳴波長のレーザ光が照射されることとな
る。こうして設定されるレーザ光の照射波長は対象分子
のそれぞれで異なるから、異なる対象分子に対してはそ
れぞれの分子に適合する非共鳴波長のレーザ光を選択し
て照射し、対象分子をイオン化するのである。なお、非
共鳴波長のレーザ光であっても、その集光強度が一定以
上になると分子のイオン化のメカニズムが異なる。
ない帯域内の任意の波長にレーザ光の波長を設定して照
射すれば、非共鳴波長のレーザ光が照射されることとな
る。こうして設定されるレーザ光の照射波長は対象分子
のそれぞれで異なるから、異なる対象分子に対してはそ
れぞれの分子に適合する非共鳴波長のレーザ光を選択し
て照射し、対象分子をイオン化するのである。なお、非
共鳴波長のレーザ光であっても、その集光強度が一定以
上になると分子のイオン化のメカニズムが異なる。
【0016】例えば、後述するように、ハロゲン化分子
ではレーザ光の集光強度が1×10 14Wcm-2以下で
は、親分子イオンのイオン強度はレーザ強度の6次に比
例して直線的に増加し、上記集光強度以上の場合と増加
の割合が異なる。従って、イオン化の機構は〜1×10
14Wcm-2以下のときは非共鳴多光子イオン化であり、
上記強度以上ではフィールドイオン化(光の電場による
イオン化)によると考えられる。
ではレーザ光の集光強度が1×10 14Wcm-2以下で
は、親分子イオンのイオン強度はレーザ強度の6次に比
例して直線的に増加し、上記集光強度以上の場合と増加
の割合が異なる。従って、イオン化の機構は〜1×10
14Wcm-2以下のときは非共鳴多光子イオン化であり、
上記強度以上ではフィールドイオン化(光の電場による
イオン化)によると考えられる。
【0017】従って、前記超短パルスレーザ光を分子に
照射する際に、その分子毎に決まる非共鳴多光子イオン
化領域、又はフィールドイオン化領域あるいはその混合
領域の強度のいずれかに対応する集光強度となるように
超短パルスレーザの出力光の強度を設定するとよい。非
共鳴多光子イオン化領域又はフィールドイオン化領域の
いずれを選択するかはそれぞれの分子によって異なる。
照射する際に、その分子毎に決まる非共鳴多光子イオン
化領域、又はフィールドイオン化領域あるいはその混合
領域の強度のいずれかに対応する集光強度となるように
超短パルスレーザの出力光の強度を設定するとよい。非
共鳴多光子イオン化領域又はフィールドイオン化領域の
いずれを選択するかはそれぞれの分子によって異なる。
【0018】一般的に、レーザ光の集光強度が非共鳴多
光子イオン化領域にある場合よりフィールドイオン化領
域にある方が、生成されるイオンのイオン強度が強いた
め検出感度もよくなり正確な測定ができるが、集光強度
が強いため分子が壊れる割合が増加する。従って、分子
の性質に応じて、例えばハロゲン化分子のように、塩素
−炭素結合の弱い結合の分子では非共鳴多光子イオン化
領域、芳香族炭化水素化合物のような分子結合の強い分
子ではフィールドイオン化領域というように集光強度を
レーザ光の出力を調整することにより選択する。
光子イオン化領域にある場合よりフィールドイオン化領
域にある方が、生成されるイオンのイオン強度が強いた
め検出感度もよくなり正確な測定ができるが、集光強度
が強いため分子が壊れる割合が増加する。従って、分子
の性質に応じて、例えばハロゲン化分子のように、塩素
−炭素結合の弱い結合の分子では非共鳴多光子イオン化
領域、芳香族炭化水素化合物のような分子結合の強い分
子ではフィールドイオン化領域というように集光強度を
レーザ光の出力を調整することにより選択する。
【0019】対象分子のイオン化が分子及び分子イオン
を破壊することなく行なわれると、その分子イオンのイ
オン強度をイオン強度測定手段により測定することによ
り分子イオン強度、分子濃度、分子量がそれぞれ測定さ
れる。これにより微量成分の分子濃度が迅速かつ正確に
測定できることとなる。
を破壊することなく行なわれると、その分子イオンのイ
オン強度をイオン強度測定手段により測定することによ
り分子イオン強度、分子濃度、分子量がそれぞれ測定さ
れる。これにより微量成分の分子濃度が迅速かつ正確に
測定できることとなる。
【0020】又、対象分子を非共鳴多光子イオン化又は
フィールドイオン化のいずれでイオン化するにしても、
選択照射するレーザ光はその分子の非共鳴波長を選択す
るが、選択する波長は対象分子の種類によって大きく異
なる。その範囲は0.193μm〜30μmである。こ
のような広い波長範囲に亘って超短パルスでかつ波長可
変のレーザ光を波長可変レーザ単独では得ることができ
ない。従って、波長可変レーザ、あるいは波長固定のレ
ーザと波長可変手段により所望の波長域をカバーできな
い場合は、波長可変レーザと波長可変手段の組合わせ、
あるいは波長可変レーザと複数組の波長可変手段の組合
わせにより波長を変化させることにより達成できる。
フィールドイオン化のいずれでイオン化するにしても、
選択照射するレーザ光はその分子の非共鳴波長を選択す
るが、選択する波長は対象分子の種類によって大きく異
なる。その範囲は0.193μm〜30μmである。こ
のような広い波長範囲に亘って超短パルスでかつ波長可
変のレーザ光を波長可変レーザ単独では得ることができ
ない。従って、波長可変レーザ、あるいは波長固定のレ
ーザと波長可変手段により所望の波長域をカバーできな
い場合は、波長可変レーザと波長可変手段の組合わせ、
あるいは波長可変レーザと複数組の波長可変手段の組合
わせにより波長を変化させることにより達成できる。
【0021】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図
面を参照して説明する。図1はこの発明の測定装置の全
体概略ブロック図を示す。図示の測定装置は、超短パル
スレーザ光を出力する超短パルスレーザ10と、レーザ
光の波長を所望の波長に変化させる波長可変手段20
と、設定された波長のレーザ光を照射して測定対象の微
量成分の分子をイオン化し、イオン強度を測定するイオ
ン強度測定手段である質量分析装置30とを備えてい
る。
面を参照して説明する。図1はこの発明の測定装置の全
体概略ブロック図を示す。図示の測定装置は、超短パル
スレーザ光を出力する超短パルスレーザ10と、レーザ
光の波長を所望の波長に変化させる波長可変手段20
と、設定された波長のレーザ光を照射して測定対象の微
量成分の分子をイオン化し、イオン強度を測定するイオ
ン強度測定手段である質量分析装置30とを備えてい
る。
【0022】上記超短パルスレーザ10は、パルス幅が
1〜1000fs(フエムト秒)のパルス光を出力する
高出力フエムト秒チタンサファイアレーザが用いられ、
その発振波長は800nmである。このようなレーザと
して、米国カントロニクス社チタンサファイア増幅装置
(インテグラ,3.5mJ,1kHz,1000fs,
800nm)、あるいは米国スペクトラフィジックス社
チタンサファイア増幅装置(ハリケーン,1mJ,1k
Hz,130fs,800nm)を利用することができ
る。波長可変手段20は、例えば非線形結晶d−KDP
を用いた光パラメトリック発信器(OPO)と増幅器
(非線形結晶)が用いられ、上記レーザ10からのレー
ザ光を入射させると、非線形結晶により異なる波長のア
イドラ光を出力するというものである。
1〜1000fs(フエムト秒)のパルス光を出力する
高出力フエムト秒チタンサファイアレーザが用いられ、
その発振波長は800nmである。このようなレーザと
して、米国カントロニクス社チタンサファイア増幅装置
(インテグラ,3.5mJ,1kHz,1000fs,
800nm)、あるいは米国スペクトラフィジックス社
チタンサファイア増幅装置(ハリケーン,1mJ,1k
Hz,130fs,800nm)を利用することができ
る。波長可変手段20は、例えば非線形結晶d−KDP
を用いた光パラメトリック発信器(OPO)と増幅器
(非線形結晶)が用いられ、上記レーザ10からのレー
ザ光を入射させると、非線形結晶により異なる波長のア
イドラ光を出力するというものである。
【0023】この波長可変手段20によりレーザ10か
らのレーザ光を可変とする。上記の光パラメトリック発
振器、増幅器の例として、米国カントロニクス社光パラ
メトリック増幅ユニット(トパス,>250μJ,1k
Hz,100fs,1150〜2600nm)、あるい
は米国スペクトラフィジックス社オプティカルパラメト
リック増幅ユニット(OPA−800CF,>75μ
J,1kHz,130fs,1100〜3000nm)
を利用することができる。上記可変手段20で所望の波
長に設定されたレーザ光は光学伝送手段(光ファイバ又
は真空ダクト、反射ミラー21、集光レンズ22)を経
由して質量分析装置30へ送られる。
らのレーザ光を可変とする。上記の光パラメトリック発
振器、増幅器の例として、米国カントロニクス社光パラ
メトリック増幅ユニット(トパス,>250μJ,1k
Hz,100fs,1150〜2600nm)、あるい
は米国スペクトラフィジックス社オプティカルパラメト
リック増幅ユニット(OPA−800CF,>75μ
J,1kHz,130fs,1100〜3000nm)
を利用することができる。上記可変手段20で所望の波
長に設定されたレーザ光は光学伝送手段(光ファイバ又
は真空ダクト、反射ミラー21、集光レンズ22)を経
由して質量分析装置30へ送られる。
【0024】図示の質量分析装置30は、イオン強度を
測定する手段であり、取扱いが簡便な飛行時間型質量分
析装置を示している。この質量分析装置30は、真空槽
を形成するハウジング31に透過窓32を設け、電場内
に置かれた測定対象の微量成分の分子Pに上記レーザ光
を透過窓32から照射して、分子イオンを生成し、第1
加速電極33、第2加速電極34、偏向電極35により
加速してリフレクトロン36により反転させ、マイクロ
チャンネルプレート(MCP)37に衝突させて電子を
発生させるように構成されている。
測定する手段であり、取扱いが簡便な飛行時間型質量分
析装置を示している。この質量分析装置30は、真空槽
を形成するハウジング31に透過窓32を設け、電場内
に置かれた測定対象の微量成分の分子Pに上記レーザ光
を透過窓32から照射して、分子イオンを生成し、第1
加速電極33、第2加速電極34、偏向電極35により
加速してリフレクトロン36により反転させ、マイクロ
チャンネルプレート(MCP)37に衝突させて電子を
発生させるように構成されている。
【0025】測定の際には、図示しない入口部に測定対
象物質の常温での蒸気を導入して電場内に置く。但し、
物質によって、蒸気圧を上げるため加温する必要がある
ときはそのような処理をする。この蒸気に対し上記光学
伝送手段で所定の集光度に集光したレーザ光を照射す
る。これによりその物質の分子の親イオン(一価の陽イ
オン)を生成し、この親イオンは入口部にかけられてい
る電位差により第1加速電極33に向って加速され、第
1、第2加速電極33、34により進行方向に加速さ
れ、偏向電極35により進行方向の向きを変え加速され
る。そして、リフレクトロン36で進行方向と逆方向に
加速が加えられてMCP37に衝突する。
象物質の常温での蒸気を導入して電場内に置く。但し、
物質によって、蒸気圧を上げるため加温する必要がある
ときはそのような処理をする。この蒸気に対し上記光学
伝送手段で所定の集光度に集光したレーザ光を照射す
る。これによりその物質の分子の親イオン(一価の陽イ
オン)を生成し、この親イオンは入口部にかけられてい
る電位差により第1加速電極33に向って加速され、第
1、第2加速電極33、34により進行方向に加速さ
れ、偏向電極35により進行方向の向きを変え加速され
る。そして、リフレクトロン36で進行方向と逆方向に
加速が加えられてMCP37に衝突する。
【0026】生成された分子イオンP+ がMCP37に
到達するまでの飛行時間は質量に比例して長く、発生す
る電子はイオン強度に比例するから、レーザ光を照射し
た瞬間からの時間と電子の数(電流)をオシロスコープ
38で観測すれば、生成分子イオンの強度と分子量を測
定でき、これによって生成物イオンを質量対電荷比(m
/z)に従って分離することができる。
到達するまでの飛行時間は質量に比例して長く、発生す
る電子はイオン強度に比例するから、レーザ光を照射し
た瞬間からの時間と電子の数(電流)をオシロスコープ
38で観測すれば、生成分子イオンの強度と分子量を測
定でき、これによって生成物イオンを質量対電荷比(m
/z)に従って分離することができる。
【0027】上記のように構成した環境微量成分の分子
濃度の測定装置によれば、測定対象物質の分子濃度は次
のようにして測定される。超短パルスレーザ10からの
レーザ光は、前述したように波長可変手段20で予め所
望の波長となるように波長が変換される。測定対象物質
の微量成分の分子は、予めその分子が何であるかは、他
の分子測定手段により既知である。従って、その分子及
び分子イオンに対する電子遷移吸収、振動遷移吸収、振
動遷移倍音吸収が生じる波長はそれぞれの分子毎に既知
である。
濃度の測定装置によれば、測定対象物質の分子濃度は次
のようにして測定される。超短パルスレーザ10からの
レーザ光は、前述したように波長可変手段20で予め所
望の波長となるように波長が変換される。測定対象物質
の微量成分の分子は、予めその分子が何であるかは、他
の分子測定手段により既知である。従って、その分子及
び分子イオンに対する電子遷移吸収、振動遷移吸収、振
動遷移倍音吸収が生じる波長はそれぞれの分子毎に既知
である。
【0028】ここで、分子の光吸収は、一般に電子、振
動、回転遷移の吸収から成り、電子遷移吸収は紫外、可
視光領域を中心とし(電子がエネルギを受取る)、振動
遷移吸収は近赤外域を中心として起こり、分子イオンの
光吸収も中性の分子と同じように電子遷移と振動遷移の
吸収があり、中性分子が主として紫外域に電子遷移の吸
収を持つのに対して分子イオンでは可視光域を中心に吸
収がある。又、振動吸収の波長領域は中性分子と殆ど同
じである。
動、回転遷移の吸収から成り、電子遷移吸収は紫外、可
視光領域を中心とし(電子がエネルギを受取る)、振動
遷移吸収は近赤外域を中心として起こり、分子イオンの
光吸収も中性の分子と同じように電子遷移と振動遷移の
吸収があり、中性分子が主として紫外域に電子遷移の吸
収を持つのに対して分子イオンでは可視光域を中心に吸
収がある。又、振動吸収の波長領域は中性分子と殆ど同
じである。
【0029】以上から、測定しようとする微量成分の分
子毎に、例えば分子イオンP+ の電子遷移吸収領域が4
00〜500nmであれば、その振動遷移吸収領域は、
一般に3000nm以上であるから、800nmの波長
の超短パルス光を照射する。即ち、波長可変手段20で
は波長変換率1として超短パルスレーザ10からのレー
ザ光をそのまま照射すればよい。この場合、800nm
以上3000nm以下であれば電子遷移吸収は起きない
から、この範囲内の任意の波長を選択するように波長可
変手段20で波長を設定してもよい。
子毎に、例えば分子イオンP+ の電子遷移吸収領域が4
00〜500nmであれば、その振動遷移吸収領域は、
一般に3000nm以上であるから、800nmの波長
の超短パルス光を照射する。即ち、波長可変手段20で
は波長変換率1として超短パルスレーザ10からのレー
ザ光をそのまま照射すればよい。この場合、800nm
以上3000nm以下であれば電子遷移吸収は起きない
から、この範囲内の任意の波長を選択するように波長可
変手段20で波長を設定してもよい。
【0030】又、例えば分子イオンP+ の電子遷移吸収
領域が400〜1400nmであれば、1500〜30
00nmの範囲内の任意の波長(例えば1600、18
00nmなど)のレーザ光を照射できるように波長可変
手段20に上記設定波長のデータを入力してレーザ出力
光の波長を設定する。
領域が400〜1400nmであれば、1500〜30
00nmの範囲内の任意の波長(例えば1600、18
00nmなど)のレーザ光を照射できるように波長可変
手段20に上記設定波長のデータを入力してレーザ出力
光の波長を設定する。
【0031】以上のようにして設定された波長の超短パ
ルスレーザ光を質量分析装置30へ送り、電界内に置か
れた分子に照射すると、分子イオンP+ が生成され、こ
れをMCP37で受けてオシロスコープ38によりイオ
ン強度と分子量を測定することは前述した通りである。
そして、イオン強度が測定されると、オシロスコープに
接続された図示しないコンピュータでイオン強度から試
料濃度(圧力)が求められる。
ルスレーザ光を質量分析装置30へ送り、電界内に置か
れた分子に照射すると、分子イオンP+ が生成され、こ
れをMCP37で受けてオシロスコープ38によりイオ
ン強度と分子量を測定することは前述した通りである。
そして、イオン強度が測定されると、オシロスコープに
接続された図示しないコンピュータでイオン強度から試
料濃度(圧力)が求められる。
【0032】イオン強度から試料濃度を求める場合、予
め各試料毎に、図2に示すようなイオン強度−試料濃度
の関係が測定され、そのデータはコンピュータに記憶さ
れている。従って、実際の測定対象物質のイオン強度の
データがコンピュータへ送られて来ると、そのデータに
基づいて試料濃度が測定される。
め各試料毎に、図2に示すようなイオン強度−試料濃度
の関係が測定され、そのデータはコンピュータに記憶さ
れている。従って、実際の測定対象物質のイオン強度の
データがコンピュータへ送られて来ると、そのデータに
基づいて試料濃度が測定される。
【0033】なお、上記実施形態では質量分析装置とし
て飛行時間型質量分析装置の例を示したが、これ以外に
例えば単収束磁場偏向型、二重収束型、サイクロイド収
束型、四電極マスフィルタ型など種々の質量分析装置が
知られており、そのいずれを用いてもよいことは勿論で
ある。
て飛行時間型質量分析装置の例を示したが、これ以外に
例えば単収束磁場偏向型、二重収束型、サイクロイド収
束型、四電極マスフィルタ型など種々の質量分析装置が
知られており、そのいずれを用いてもよいことは勿論で
ある。
【0034】上記装置で使用されるレーザ光の波長は、
電子遷移吸収、振動遷移吸収、及び振動遷移倍音吸収を
避けた非共鳴波長域の任意の設定波長のものが使用され
ているが、その集光強度が一定以上になると対象物質の
分子イオン化のメカニズムが異なったものとなる。例え
ば、図3に示す、ハロゲン化分子では次の通りである。
電子遷移吸収、振動遷移吸収、及び振動遷移倍音吸収を
避けた非共鳴波長域の任意の設定波長のものが使用され
ているが、その集光強度が一定以上になると対象物質の
分子イオン化のメカニズムが異なったものとなる。例え
ば、図3に示す、ハロゲン化分子では次の通りである。
【0035】(a)図はペンタクロロベンゼン、(b)
図はペンタクロロフェノールの親イオンに対するレーザ
照射強度依存性について測定した結果を示す。図から分
るように、レーザの強度が〜1×1014Wcm-2以下の
とき、親分子イオンの強度はレーザ強度の6次に比例し
て増加した。ペンタクロロベンゼンのイオン化ポテンシ
ャルは9.2eV、ペンタクロロフェノールも同程度と
考えられる。
図はペンタクロロフェノールの親イオンに対するレーザ
照射強度依存性について測定した結果を示す。図から分
るように、レーザの強度が〜1×1014Wcm-2以下の
とき、親分子イオンの強度はレーザ強度の6次に比例し
て増加した。ペンタクロロベンゼンのイオン化ポテンシ
ャルは9.2eV、ペンタクロロフェノールも同程度と
考えられる。
【0036】照射レーザのフオトン(光子)のエネルギ
は1.55eVであることを考えると、イオン化には少
なくとも6光子必要である。実験結果がレーザ強度の6
次であることはイオン化の機構が〜1×1014Wcm-2
以下のとき、非共鳴多光子イオン化(NRMPI)であ
ることを示している。又、それ以上の強度領域において
親イオン強度はレーザ強度のおよそ1.5次に比例して
増大した。従って、上記1×1014Wcm-2以上ではイ
オン化のメカニズムはフィールドイオン化(光の電磁場
によるイオン化)によるものと考えられる。
は1.55eVであることを考えると、イオン化には少
なくとも6光子必要である。実験結果がレーザ強度の6
次であることはイオン化の機構が〜1×1014Wcm-2
以下のとき、非共鳴多光子イオン化(NRMPI)であ
ることを示している。又、それ以上の強度領域において
親イオン強度はレーザ強度のおよそ1.5次に比例して
増大した。従って、上記1×1014Wcm-2以上ではイ
オン化のメカニズムはフィールドイオン化(光の電磁場
によるイオン化)によるものと考えられる。
【0037】以上から、上記実施形態ではレーザ光の集
光強度は1012〜1017Wcm-2を用いることが可能で
あるが、例えばハロゲン化分子では〜1×1014Wcm
-2以下では非共鳴多光子イオン化により、それ以上では
フィールドイオン化というようにそれぞれの分子で一定
強度を境にそれ以下では非共鳴多光子イオン化によりイ
オン化が行なわれると考えられる。
光強度は1012〜1017Wcm-2を用いることが可能で
あるが、例えばハロゲン化分子では〜1×1014Wcm
-2以下では非共鳴多光子イオン化により、それ以上では
フィールドイオン化というようにそれぞれの分子で一定
強度を境にそれ以下では非共鳴多光子イオン化によりイ
オン化が行なわれると考えられる。
【0038】但し、この一定強度の境には実際には対象
分子毎にばらつきがあり、必ずしも一定強度を所定の値
に特定できない分子もある。即ち、測定環境や条件によ
って変動し、1013〜15Wcm-2の集光強度の範囲では
非共鳴多光子イオン化とフィールドイオン化の領域が混
在する場合がある。このように領域が混在する場合、イ
オン化は一部が非共鳴多光子イオン化により、他はフィ
ールドイオン化によって混合した状態でイオン化が行わ
れると考えられるのである。
分子毎にばらつきがあり、必ずしも一定強度を所定の値
に特定できない分子もある。即ち、測定環境や条件によ
って変動し、1013〜15Wcm-2の集光強度の範囲では
非共鳴多光子イオン化とフィールドイオン化の領域が混
在する場合がある。このように領域が混在する場合、イ
オン化は一部が非共鳴多光子イオン化により、他はフィ
ールドイオン化によって混合した状態でイオン化が行わ
れると考えられるのである。
【0039】上記実施形態では超短パルスレーザ10は
固定波長の形式が用いられているが、超短パルス波長可
変レーザ(図示せず)を用いることもできる。この場
合、上記実施形態と同等の装置では波長可変手段20は
省略される。超短パルス波長可変レーザは、例えば米国
カントロニクス社チタンサファイア増幅装置(製品名イ
ンテグラ、3.5mJ、1kHz、100fs、波長可
変範囲680〜1100nm)、あるいは露国アベスタ
社、クロムフォルステライトレーザ(製品名フレガット
200、パルス幅120fs、200μJ、繰返し1k
Hz、波長可変範囲1240〜1270nm、620〜
635nm)を用いることができる。
固定波長の形式が用いられているが、超短パルス波長可
変レーザ(図示せず)を用いることもできる。この場
合、上記実施形態と同等の装置では波長可変手段20は
省略される。超短パルス波長可変レーザは、例えば米国
カントロニクス社チタンサファイア増幅装置(製品名イ
ンテグラ、3.5mJ、1kHz、100fs、波長可
変範囲680〜1100nm)、あるいは露国アベスタ
社、クロムフォルステライトレーザ(製品名フレガット
200、パルス幅120fs、200μJ、繰返し1k
Hz、波長可変範囲1240〜1270nm、620〜
635nm)を用いることができる。
【0040】上記いずれの波長可変レーザもチタンサフ
ァイア又はクロムフォルステライトなどのレーザ媒質に
隣接して偏光性のフィルタを光共振器内に設け、フィル
タの放射光に対する設定角度を変化させることにより波
長可変の機能を与えるものである。レーザ媒質としては
上記以外にも種々の固体レーザ用結晶が知られており、
上記レーザ媒質に限定されるものではない。
ァイア又はクロムフォルステライトなどのレーザ媒質に
隣接して偏光性のフィルタを光共振器内に設け、フィル
タの放射光に対する設定角度を変化させることにより波
長可変の機能を与えるものである。レーザ媒質としては
上記以外にも種々の固体レーザ用結晶が知られており、
上記レーザ媒質に限定されるものではない。
【0041】又、レーザ光の波長を上記のレーザ等によ
り得ることができる範囲よりさらに広げたい場合、超短
パルス波長可変レーザと波長可変手段20の組合せを用
いることもできる。1段の波長可変手段20で不足の場
合は、複数段の波長可変手段20を超短パルス波長可変
レーザに組合わせてもよい。これによって対象分子に対
し選択される非共鳴波長の範囲は0.193〜30μm
を得ることができる。
り得ることができる範囲よりさらに広げたい場合、超短
パルス波長可変レーザと波長可変手段20の組合せを用
いることもできる。1段の波長可変手段20で不足の場
合は、複数段の波長可変手段20を超短パルス波長可変
レーザに組合わせてもよい。これによって対象分子に対
し選択される非共鳴波長の範囲は0.193〜30μm
を得ることができる。
【0042】
【実施例】上述した実施形態の分子濃度測定装置とし
て、下記に示す諸元を有する装置により種々の測定を行
なった。 (1)高出力チタンサファイアレーザ(米国スペクトラフィジックス社製) : 波 長 800nm パルス幅 120fs 最大出力 0.1J/pulse (2)光パラメトリック増幅システム(米国スペクトラフィジックス社製) : OPA−800CF,>75μJ,1kHz, 130fs,1100〜300nm (3)光学伝送手段 : 集光強度 1.1×1014Wcm-2 (4)質量分析装置 : 飛行時間型質量分析装置
て、下記に示す諸元を有する装置により種々の測定を行
なった。 (1)高出力チタンサファイアレーザ(米国スペクトラフィジックス社製) : 波 長 800nm パルス幅 120fs 最大出力 0.1J/pulse (2)光パラメトリック増幅システム(米国スペクトラフィジックス社製) : OPA−800CF,>75μJ,1kHz, 130fs,1100〜300nm (3)光学伝送手段 : 集光強度 1.1×1014Wcm-2 (4)質量分析装置 : 飛行時間型質量分析装置
【0043】実施例1(図4)
試料分子1として1.3−シクロヘキサジエン((a)
図に示す)、対照の試料分子2として1.4−シクロヘ
キサジエン((b)図に示す)を用いて波長800nm
のレーザ光を照射してイオン強度の測定を行なった。試
料分子1は、予め測定されたレーザ光の吸収スペクトル
(内挿図に示す)では〜400〜600nmに電子遷移
吸収帯があり、従って波長800nmのレーザ光を照射
すると、分子イオンP+ はレーザ光を吸収せず、得られ
たイオン強度と質量対電荷比(m/z)のグラフでは分
子イオンP+ が大きく現われている。なお、振動遷移吸
収帯は3000nm以上であるため、図示を省略してい
る。
図に示す)、対照の試料分子2として1.4−シクロヘ
キサジエン((b)図に示す)を用いて波長800nm
のレーザ光を照射してイオン強度の測定を行なった。試
料分子1は、予め測定されたレーザ光の吸収スペクトル
(内挿図に示す)では〜400〜600nmに電子遷移
吸収帯があり、従って波長800nmのレーザ光を照射
すると、分子イオンP+ はレーザ光を吸収せず、得られ
たイオン強度と質量対電荷比(m/z)のグラフでは分
子イオンP+ が大きく現われている。なお、振動遷移吸
収帯は3000nm以上であるため、図示を省略してい
る。
【0044】これに対し、(b)図の対照の試料分子2
は、分子構造が似ているにも拘らず、レーザ光の吸収ス
ペクトル(内挿図に示す)では〜400〜1400nm
に電子遷移吸収帯があり、従って800nmのレーザ光
を照射するとレーザ光を吸収する。得られたイオン強度
とm/zのグラフでは、分子イオンP+ は殆ど現われ
ず、代わりに分子イオンが分解したもの、例えばC4 H
3 + 、C3 H3 + ……などが分散して現われている。従
って、この試料分子2のイオン強度の測定は、1400
nm以上(3000nm以下)の波長のレーザ光を照射
する必要があることが分る。
は、分子構造が似ているにも拘らず、レーザ光の吸収ス
ペクトル(内挿図に示す)では〜400〜1400nm
に電子遷移吸収帯があり、従って800nmのレーザ光
を照射するとレーザ光を吸収する。得られたイオン強度
とm/zのグラフでは、分子イオンP+ は殆ど現われ
ず、代わりに分子イオンが分解したもの、例えばC4 H
3 + 、C3 H3 + ……などが分散して現われている。従
って、この試料分子2のイオン強度の測定は、1400
nm以上(3000nm以下)の波長のレーザ光を照射
する必要があることが分る。
【0045】実施例2(図5)
試料分子3として2.5−ジメチル−2.4−ヘキサジ
エン((a)図に示す)、対照の試料分子4として2.
3−ジメチル−1.3−ブタジエン((b)図に示す)
を用いて波長800nmのレーザ光を照射してイオン強
度の測定を行なった。試料分子3は、予め測定されたレ
ーザ光の吸収スペクトル(内挿図に示す)では、400
〜550nmに電子遷移吸収帯があり、従って、波長8
00nmのレーザ光を照射すると、分子イオンP+ はレ
ーザ光を吸収せず、得られたイオン強度と(m/z)の
グラフでは分子イオンP+ が大きく現われている。この
場合も振動遷移吸収については図示省略している。
エン((a)図に示す)、対照の試料分子4として2.
3−ジメチル−1.3−ブタジエン((b)図に示す)
を用いて波長800nmのレーザ光を照射してイオン強
度の測定を行なった。試料分子3は、予め測定されたレ
ーザ光の吸収スペクトル(内挿図に示す)では、400
〜550nmに電子遷移吸収帯があり、従って、波長8
00nmのレーザ光を照射すると、分子イオンP+ はレ
ーザ光を吸収せず、得られたイオン強度と(m/z)の
グラフでは分子イオンP+ が大きく現われている。この
場合も振動遷移吸収については図示省略している。
【0046】これに対し、(b)図の対照の試料分子4
は、試料分子3と構造は似ているが、レーザ光の吸収ス
ペクトル(内挿図に示す)では〜400〜850nmに
電子遷移吸収帯があり、従って800nmのレーザ光を
照射するとレーザ光を吸収する。得られたイオン強度と
m/zのグラフでは、分子イオンP+ は殆ど現われず、
代わりに分子イオンが分解したもの、例えばC
5 H7 + 、C3 H5 + ……などが現われている。従っ
て、この試料分子4のイオン強度の測定は、900nm
以上(3000nm以下)の波長のレーザ光を照射する
必要がある。
は、試料分子3と構造は似ているが、レーザ光の吸収ス
ペクトル(内挿図に示す)では〜400〜850nmに
電子遷移吸収帯があり、従って800nmのレーザ光を
照射するとレーザ光を吸収する。得られたイオン強度と
m/zのグラフでは、分子イオンP+ は殆ど現われず、
代わりに分子イオンが分解したもの、例えばC
5 H7 + 、C3 H5 + ……などが現われている。従っ
て、この試料分子4のイオン強度の測定は、900nm
以上(3000nm以下)の波長のレーザ光を照射する
必要がある。
【0047】実施例3(図6)
試料分子5としてペンタクロロフェノール(ハロゲン化
分子)を用いてイオン強度の測定を行なった。照射され
たレーザ光の波長は800nm、レーザ光照射強度5.
7×1013Wcm-2で照射した。このハロゲン化分子に
ついては、他の実験例からの推定で、上記波長帯に電子
遷移吸収はないとされ、直接上記レーザ光を照射したと
ころ、分子イオンP+ が大きく現われた。但し、この例
では塩素イオンの同位体のため分子イオンP+ は数本に
スペクトルが分裂して見える。この例では親イオンを主
生成物として観測できる。
分子)を用いてイオン強度の測定を行なった。照射され
たレーザ光の波長は800nm、レーザ光照射強度5.
7×1013Wcm-2で照射した。このハロゲン化分子に
ついては、他の実験例からの推定で、上記波長帯に電子
遷移吸収はないとされ、直接上記レーザ光を照射したと
ころ、分子イオンP+ が大きく現われた。但し、この例
では塩素イオンの同位体のため分子イオンP+ は数本に
スペクトルが分裂して見える。この例では親イオンを主
生成物として観測できる。
【0048】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、この発明
の分子濃度測定方法及び装置では、測定対象物質の分子
によって決まる電子遷移吸収、振動遷移吸収、及び振動
遷移倍音吸収のそれぞれの吸収帯域の重ならない範囲の
任意の波長に設定した超短パルスレーザ光を分子に照射
するようにしたから、非共鳴波長のレーザ光によって親
イオンが破壊されることなく生成され、そのイオン強度
を測定することにより分子濃度を迅速、かつ正確に測定
できるという顕著な効果が得られる。
の分子濃度測定方法及び装置では、測定対象物質の分子
によって決まる電子遷移吸収、振動遷移吸収、及び振動
遷移倍音吸収のそれぞれの吸収帯域の重ならない範囲の
任意の波長に設定した超短パルスレーザ光を分子に照射
するようにしたから、非共鳴波長のレーザ光によって親
イオンが破壊されることなく生成され、そのイオン強度
を測定することにより分子濃度を迅速、かつ正確に測定
できるという顕著な効果が得られる。
【図1】実施形態の分子濃度測定装置の全体概略構成図
【図2】イオン強度と分子濃度の関係を示すグラフ
【図3】非共鳴多光子イオン化とフィールドイオン化の
レーザ強度による領域の説明図
レーザ強度による領域の説明図
【図4】実施例1の試料分子の測定結果のグラフ
【図5】実施例2の試料分子の測定結果のグラフ
【図6】実施例3の試料分子の測定結果のグラフ
10 超短パルスレーザ
20 波長可変手段
21 反射ミラー
22 集光レンズ
30 質量分析装置
31 ハウジング
32 透過窓
33 第1加速電極
34 第2加速電極
35 偏向電極
36 リフレクトロン
37 マイクロチャンネルプレート
フロントページの続き
(72)発明者 八ツ橋 知幸
大阪市住吉区苅田8−6−21−401
(72)発明者 阪部 周二
大阪府豊能郡豊能町希望ケ丘6−19−17
(72)発明者 井澤 靖和
茨木市橋の内2−8−417
Claims (6)
- 【請求項1】 微量成分の分子に、その分子及び分子イ
オンの電子遷移吸収、振動遷移吸収及び振動遷移倍音吸
収に対し非共鳴波長の超短パルスレーザ光を照射し、こ
の照射によって生成される分子イオンのイオン強度をイ
オン強度測定手段により測定し、このイオン強度から分
子濃度を求める微量成分の分子濃度測定方法。 - 【請求項2】 前記超短パルスレーザ光を分子に照射す
る際に、その分子毎に決まる非共鳴多光子イオン化領
域、又はフィールドイオン化領域、あるいはその混合領
域の強度のいずれかに対応する集光強度となるように超
短パルスレーザの出力光の強度を設定することを特徴と
する請求項1に記載の微量成分の分子濃度測定方法。 - 【請求項3】 パルス幅が超短パルスで、波長可変のレ
ーザ光を出力する超短パルス波長可変レーザと、測定対
象の微量成分の分子に、設定された波長のレーザ光を照
射して分子イオンを生成し、その分子イオンのイオン強
度を測定してそのイオン強度から分子濃度を検出する質
量分析装置とを備え、上記超短パルス波長可変レーザか
らのレーザ光の波長を、微量成分の分子及び分子イオン
の電子遷移吸収、振動遷移吸収及び振動遷移倍音吸収を
生じない波長に可変レーザにおいて設定してイオン強度
を測定するようにした微量成分の分子濃度測定装置。 - 【請求項4】 パルス幅が超短パルスのレーザ光を出力
する超短パルスレーザと、そのレーザ光の波長を変化さ
せる波長可変手段と、測定対象の微量成分の分子に、波
長可変手段で設定された波長のレーザ光を照射して分子
イオンを生成し、その分子イオンのイオン強度を測定し
てそのイオン強度から分子濃度を検出する質量分析装置
とを備え、上記超短パルスレーザからのレーザ光の波長
を、微量成分の分子及び分子イオンの電子遷移吸収、振
動遷移吸収及び振動遷移倍音吸収を生じない波長に波長
可変手段により設定してイオン強度を測定するようにし
た微量成分の分子濃度測定装置。 - 【請求項5】 前記超短パルス波長可変レーザ又は超短
パルスレーザをパルス幅が1〜1000fsの高出力チ
タンサファイアレーザとし、レーザ光の集光強度を10
12〜1017Wcm-2内で適宜設定するようにしたことを
特徴とする請求項3又は4に記載の微量成分の分子濃度
測定装置。 - 【請求項6】 前記超短パルスレーザを超短パルス波長
可変レーザとし、これに1組又は複数組の波長可変手段
を組合わせることにより集光照射されるレーザ光に対し
設定される波長が0.193〜30μmとなるように構
成したことを特徴とする請求項4又は5に記載の微量成
分の分子濃度測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001311351A JP2003121416A (ja) | 2001-10-09 | 2001-10-09 | 微量成分の分子濃度の測定方法及び装置 |
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JP2001311351A JP2003121416A (ja) | 2001-10-09 | 2001-10-09 | 微量成分の分子濃度の測定方法及び装置 |
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JP (1) | JP2003121416A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100778383B1 (ko) | 2006-06-16 | 2007-11-22 | 한국표준과학연구원 | 크라이오 펌프 흡착재의 가스 흡착 특성 측정 장치 및 방법 |
CN112394119A (zh) * | 2020-11-26 | 2021-02-23 | 长春理工大学光电信息学院 | 一种气相色谱-质谱法测定有机氯农药成分的检测方法 |
CN112730593A (zh) * | 2020-11-26 | 2021-04-30 | 长春理工大学光电信息学院 | 一种超短脉冲激光电离有机氯农药的方法 |
-
2001
- 2001-10-09 JP JP2001311351A patent/JP2003121416A/ja active Pending
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KR100778383B1 (ko) | 2006-06-16 | 2007-11-22 | 한국표준과학연구원 | 크라이오 펌프 흡착재의 가스 흡착 특성 측정 장치 및 방법 |
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CN112394119B (zh) * | 2020-11-26 | 2022-09-27 | 长春理工大学光电信息学院 | 一种气相色谱-质谱法测定有机氯农药成分的检测方法 |
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