JP2007535097A - レーザ光イオン化質量分析を使用して連続流動試料系から微量有機物質を検出及び確認する方法及び装置 - Google Patents

レーザ光イオン化質量分析を使用して連続流動試料系から微量有機物質を検出及び確認する方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【解決手段】液体試料中の低濃度の検体を特定する方法及び装置を提供する。液体試料は、連続流動膜入口システムを介して導入される。膜を透過する検体は、光イオン化飛行時間型質量分析によって分析される。膜を透過しない液体試料中に残る検体は、液体試料及び他の検体を小滴として光イオン化領域へ導入する毛細管入口へ導かれる。膜上に吸収又は吸着されて残る検体は、熱を加えることで、膜を通過させる。検体は、共鳴多光子イオン化(REMPI)又は単光子イオン化(SPI)によって分析してよく、その両方を装置で提供し、代替ソースとして選択可能である。
【選択図】図3

Description

本発明の装置及び方法では、微量化学種の分析のために、二光子共鳴多光子イオン化(REMPI)器具を利用する。本発明は、液体試料の連続流動を利用して試料中の微量有機物質を検出及び確認するための方法及び装置を対象とする。REMPIは基本的に気相法であるため、本発明では、REMPIを膜導入質量分析(MIMS)と組み合わせ、これにより、有機化合物を水等の極性溶媒から気相へ抽出する。
MIMSの大きな特徴は、マススペクトロメータへの全有機検体の同時導入である。多くのMIMSの応用において、マススペクトロメータは、標準の四重極の器具であるが、イオントラップ及び三連四重極機器の両方も利用されてきた。MIMSを使用した研究の大部分では、電子衝撃又は化学イオン化を利用する。しかしながら、電子衝撃等の従来のイオン化方法の応用により、広範な分子断片化のため、複合混合物の分析が更に困難になる可能性がある。したがって、本発明では、レーザ光イオン化方法として、MIMSをREMPIと組み合わせており、後者は、光断片化を発生させないように調整し得る。MIMS及びREMPIの組み合わせは、事前の分離又は試料の準備を行うことなく、多数の質量ピークのデコンボリューションなしで、感度の良い迅速な分析を提供する。
膜を通過して光イオン化領域に至る対象検体の多くはREMPIを使用して光イオン化し得るが、液体試料中には膜を通過しない検体が残る。特に、膜を通り過ぎる液体試料中に保持され、溶液中に留まる検体が存在し得る。更なる実施形態として、膜との接触後、液体試料は、液体試料を小滴として減圧下の光イオン化領域へ方向付ける毛細入口管へ導入してよい。こうした小滴中の検体は、REMPIにより光イオン化し得る。
更なる実施形態として、全てではない検体、特に膜を透過しない検体を、REMPIにより容易に光イオン化し得る状態が実現される。したがって、REMPIを実行するための放射光ソースと、単光子イオン化(SPI)を実行するための放射光の第二のソースとの両方が提供される。放射光の二つのソースは、反射面システムにより、選択的に光イオン化領域へ向けられ、いずれかのソースからの放射光を選択し得るようになる。
本発明の更に別の実施形態として、液体試料からの検体の第三のソースが存在し、即ち、膜上及び膜内に吸着又は吸収されるが、サンプリング温度では膜を通過しない化合物が存在する。他の検体の光イオン化及び質量分光分析に続いて、膜上又は膜内に吸着/吸収された検体は、膜に熱を加えることで、或いは膜に異なる溶媒を流すことで、膜から解放させ得る。この後者の処理では、膜に対する試料の連続流動を停止する必要があるため、熱を加えることが好ましい。こうした検体は、膜を通過して光イオン化領域に入り、必要に応じてREMPI又は単光子イオン化により分析し得る。
本方法及び装置は、大量の水溶媒による干渉を受けずに、水試料中の有機化合物を検出及び特定するために応用できる。したがって、半導体処理用の超純水、地下水、地上水、生体液、及び飲用水等の水試料を、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等の揮発性有機化合物(VOC)の存在と、爆発物、ニトロ化合物、ハロゲンを含有する有機分子、金属及び重原子等の無機化合物、芳香族ケトン、巨大生体分子、その他とについて、リアルタイムで分析し得る。励起状態が短いことから、こうした分子は、従来のナノ秒パルス幅レーザイオン化ソースを使用して検出できない場合が多い。膜又は毛細入口システムのいずれかを使用した本発明による方法での通常の検出範囲は、試料中の検体について、約1ppb乃至約1pptの範囲及び約1ppb乃至約1ppmの範囲である。
試料の準備が必要ないため、装置の配置を実験室に限定する必要はない。本発明により、水中の微量有機化学物質及び毒性化合物に対する高感度で選択的な検出、特定、及び定量化のためのコンパクトな携帯型分析ユニットが提供される。
質量分析により液体試料中の低濃度の検体を特定する方法が提供され、方法は、
a)溶媒及び検体を含有する液体試料を、溶媒に対して非透過性であり、検体の少なくとも一部が透過する膜に対して導入するステップと、
b)膜を透過した検体を、共鳴多光子イオン化又は単光子イオン化により検体をイオン化して検体イオンを形成する光イオン化領域へ方向付けるステップと、
c)ステップ(b)の検体イオンを、イオンの質量分析のために、マススペクトロメータの質量分析器へ移動させるステップと、
d)膜上に保持されない他の検体を含有し、膜を透過しない液体試料の一部について、膜からの液体試料及び他の検体をイオン化領域へ導入する毛細管へ方向付けるステップと、
e)ステップ(d)の他の検体を、検体イオン形成のため、共鳴多光子イオン化又は単光子イオン化によりイオン化するステップと、
f)ステップ(e)の検体イオンを、イオンの質量分析のために、マススペクトロメータの質量分析器へ移動させるステップと、
g)随意的に、膜上に保持された任意の検体を、共鳴多光子イオン化又は単光子イオン化により検体をイオン化して検体イオンを形成する光イオン化領域へ、膜を介して送り込むために、膜に熱を加えるステップと、
h)随意的に、ステップ(g)の検体イオンを、イオンの質量分析のために、マススペクトロメータの質量分析器へ移動させるステップと、を備える。
質量分析により液体試料中の低濃度の検体を特定する方法が提供され、方法は、
a)溶媒及び検体を含有する液体試料を、溶媒に対して非透過性であり、検体の少なくとも一部が透過する膜に対して導入するステップと、
b)膜を透過した検体を、266nmでの共鳴多光子イオン化により検体をイオン化して検体イオンを形成する光イオン化領域へ方向付けるステップと、
c)検体イオンを、イオンの質量分析のために、マススペクトロメータの質量分析器へ移動させるステップと、を備える。
質量分析により液体試料中の低濃度の検体を特定する装置が提供され、装置は、気体又は液体検体をイオン化するイオン化領域と、溶媒に対して非透過性であり、液体試料に含有された検体の少なくとも一部に対して透過性であり、透過性検体をイオン化領域へ送給可能である膜と、膜上に保持されない他の検体を含有する、膜に対して非透過性の液体試料の一部を受領するのに適しており、膜からの液体試料及び他の検体をイオン化領域へ導入するように方向付けられた毛細管と、検体の共鳴多光子イオン化を実行するための放射光を提供する第一のソースと、検体の単光子イオン化を実行するための放射光を提供する第二のソースと、第一のソース又は第二のソースからの放射光をイオン化領域へ選択的に方向付ける反射面システムと、領域内で形成されたイオンのm/e比を決定するマススペクトロメータと、を備える。
装置は、更に、当初、膜上に保持された検体を、イオン化領域へ膜を介して送り込むための構成要素を備える。
質量分析により液体試料中の低濃度の検体を特定する装置が提供され、装置は、溶媒に対して非透過性であり、液体試料に含有された検体の少なくとも一部に対して透過性である膜と、膜を通過した検体のための光イオン化領域と、検体の共鳴多光子イオン化を実行するために領域を照射するソースと、領域内で形成されたイオンのm/e比を決定するマススペクトロメータと、を備える。
質量分析による分析のために、液体試料からの検体をイオン化領域へ導入する装置が提供され、装置は、溶媒に対して非透過性であり、極性液体試料に含有された検体の少なくとも一部に対して透過性であり、透過性検体をイオン化領域へ送給可能である膜と、膜上に保持されない他の検体を含有する、膜に対して非透過性の液体試料の一部を受領するのに適しており、膜からの液体試料及び他の検体をイオン化領域へ導入することが可能な毛細管と、を備える。
質量分析による分析のために検体を光イオン化する装置が更に提供され、装置は、
a)気体又は液体検体をイオン化する光イオン化領域と、
b)検体の共鳴多光子イオン化を実行するための放射光を提供する第一のソースと、
c)検体の単光子イオン化を実行するための放射光を提供する第二のソースと、
d)第一のソース又は第二のソースからの放射光を光イオン化領域へ選択的に方向付ける反射面システムと、を備える。
液体試料は、微量有機化合物を含有する半導体処理用の超純水、飲用水、或いは微量の有機汚染物を含有する任意の水性試料を含み得る。
本発明は、有機化合物を通過させ、水その他の極性溶媒を拒絶する選択的透過性の膜を使用する膜入口システムと、滞留多光子イオン化及び飛行時間型質量分析による分析対象の化合物を光イオン化する光イオン化ソースとを備える装置を提供する。試料の準備についての要件がなく、機材を実験室に置く必要がないため、こうした構成要素は、コンパクトで携帯可能な分析器具として利用し得る。図1を参照すると、本発明による装置の入口部の例を図示している。膜導入デバイスは、フローインジェクションモジュール3と、膜チップ4とで構成される。モジュール3及びチップ4は、より正確に気化検体をビーム6へ向けるために、非導電性材料の管状ガイド4Aによって囲まれる。試料検体含有溶液は、膜管を介した液体試料の一定の流動を維持するフローインジェクションモジュール3へ注入される。検体溶液が膜の内面を通過すると、検体5は、膜を介して拡散し、ガイド4Aが誘導するイオン化チャンバ7内へ気化する。ガイド4Aは、モジュール3及びチップ4を図示するために、ゴーストとして図示している。水流の温度を変化させることで、イオン化チャンバへの試料の導入速度を制御できる。温度を上昇させると、検体化合物は、膜を介して素早く拡散し、測定速度が増加する。しかしながら、水が液体試料中の溶媒である場合、温度は100℃未満に維持されるべきである。膜を介して拡散する検体5は、ガイド4Aにより、選択された検体を選択的に光イオン化する光イオン化ビーム6へ提供される。イオンは、イオンソースリペラ電極1とイオンソース抽出電極2とにより、開口部を介して飛行時間型マススペクトロメータへ加速される。
膜の種類は、調査又は分析するべき対象となる分子の種類に応じて、当業者が変更可能である。各膜は異なる化合物を透過しないため、広範な分子の除去が可能となる。膜は、水性基質又は他の可能な干渉化合物に優先して、対象検体の選択的融合を可能にするものを選択してもよい。こうした試料入口での分離は、器具の感度を強化する。
通常の膜温度は、約50℃乃至80℃である。高温では、多くの試料が膜を通過して、マススペクトロメータのイオンソースに入り、結果として高い感度を発生させ得る。しかしながら、高温では、より多くの水が膜を介して拡散するため、これにより、イオンソースの背景圧力が増加し、検出システムの性能が低下する可能性がある。しかしながら、選択的光イオン化を使用することで、相対的に高いイオン化ポテンシャルを有する水等の背景成分は、イオン化されなくなる。
好適な膜材料は、極性分子を排除する傾向を有するシリコンであり、これは、極性分子がシリコンに溶解せず、したがって膜表面に吸収されないためである。高分子量の化学種は、膜の表面に付着する傾向を有し、光イオン化チャンバの真空空間内へ気化しない。膜入口システムの利点は、膜を容易に交換し得ることにあり、これにより、代替材料、及び薄壁の膜といった膜形状の検査が可能となる。
図2を参照すると、膜を利用する水サンプラと、光イオン化ソースと、飛行時間型マススペクトロメータとを備える装置が図示されている。REMPIソースレーザ13は、検体の光イオン化用の放射光を提供するために使用される。好ましくは、対象分子の電子遷移に共鳴する周波数を有し、励起電子状態での数ナノ秒以下の滞留時間中に分子をイオン化する第二の光子が後に続く、二光子REMPIプロセスレーザが使用される。REMPI検出に特に適したものは、芳香環を含む有機化学種であり、約200乃至350nmの紫外線領域で吸収する発色団である。再び図2を参照すると、装置は、水試料を連続的に受領可能な連続水流入口10を備える。試料は、図1に示したような膜に基づく水注入システム11に接触させ、膜を透過した検体は、水注入システム11から光イオン化領域12へ導入される。イオン化領域内で電界効果を発生させないために、非導電性材料により形成するべきである。光イオン化放射光は、光イオン化レーザ13から光イオン化領域12へ、適切に焦点を合わせる。イオンは、光イオン化領域から、リペラ及び抽出電極14A及び14Bにより、それぞれイオン抽出光学素子15及びイオンビームステアリング板16を介して、飛行時間型マススペクトロメータ17へ加速される。イオンは、リフレクタ18から検出器19へ反射され、検出器19は、その信号をコンピュータ20へ送る。このようにして、試料中の検体をリアルタイムで監視する装置に対する試料の連続流動が可能となる。
芳香環含有化合物等の検体について、共鳴励起ステップは、REMPIを使用して大きな断片を励起状態へ高めることが可能となるように、光学的飽和の近くで機能できる。励起状態から、イオン化ステップは10乃至100パーセントの効率で機能すると推定されるため、全体的な収率は、約10パーセントに到達可能となる。これは、電子衝撃イオン化装置を使用して通常見られるものと比較して、効率が数桁優れている。低から中程度のレーザ強度での動作時、REMPIプロセスは、断片化がないことからマススペクトルの解釈を大幅に簡略化させる親分子イオン構造を、単独で、或いは主として生成する。
図3を参照すると、膜を利用する水サンプラ注入システムと、直接液体注入毛細管プローブとの両方を有する装置を図示している。更に、REMPI又はSPI放射光波長を光イオン化領域に照射するためのソースを図示している。これは、一部の検体がREMPIの応用に適した励起状態を有していない場合に重要となる。こうした場合、検体は、単一光イオン化により光イオン化し得る。連続流動水入口30は、試料を膜プローブ31へ方向付ける水の供給を受領する。膜チップ32において、膜を透過した検体33は、光イオン化領域34へ導入される。可変又は固定波長レーザ35は、表面36A及び36Bへ反射され、REMPIに適した波長を光イオン化領域34に提供する。レーザに好適な波長は、266nmである。
代替として、レーザからの固定波長を抽出し、光イオン化領域34で単一の光イオン化を提供してよい。この場合、放射光は、ビームを所望の波長に調整するためにガスセル38を介して送られ、その後、表面36D及び36Cから光イオン化領域34へ反射される。SPIに好適な波長は118nmである。表面36Cは、可動鏡を表し、これにより、36B又は36Dから反射された放射光を光イオン化領域34へ選択的に方向付けることができる。REMPI及びSPI放射光ソースは、単一又は多数のレーザにしてよく、REMPI放射光は、SPI放射光を提供するレーザ又は一組のレーザとは異なるレーザ又は一組のレーザから提供してよい。放射光の一つ以上のソースは、それぞれのレーザからイオン化領域への経路に沿って、REMPI又はSPIに適した放射光を発生させるためにビームを調整するように提供してもよい。
膜プローブ31において吸収/吸着されない液体試料は、プローブを退出して、セパレータ37へ向けられ、セパレータ37は、水試料の大部分を水返還部へ方向付け、少量の試料を直接液体注入毛細管プローブ39へ送る。セパレータ37は、試料の一部を水返還部へ送り、一部をプローブ39へ送る差動ポンプにしてよい。毛細管プローブは、2004年11月11日公開の公開PCT出願WO2004/097891−A3において説明されており、これは参照により本明細書に組み込むものとする。液体試料は、微細な小滴40として光イオン化領域34へ向けられ、ここで上述のREMPI又は単光子イオン化によってイオン化し得る。
連続流動水入口30では、例えば、加熱空気41の流れによって、所望の検体の膜透過性のために最適化した適切な温度まで水試料を加熱してよい。更に、膜上には保持されたが、低い試料温度では膜を透過しなかった膜上の任意の吸収/吸着検体について、膜を通過させるため、更に高い温度まで試料を加熱してよい。
更に、試料の溶媒に対して非透過性であり、試料に含有された検体の少なくとも一部に対して透過性である膜と、膜上に保持されない他の検体を含有し、膜に対して非透過性の液体試料の一部を受領するのに適した毛細管と、を備え、液体試料からの検体を質量分析による分析のためにイオン化領域へ導入する装置も、本発明の範囲内であると考えられる。毛細管は、膜からの液体試料及び他の検体をイオン化領域へ導入することが可能である。
更に、質量分析による分析のために検体を光イオン化する装置も本発明の範囲内であり、装置は、
a)気体又は液体検体をイオン化する光イオン化領域と、
b)検体の共鳴多光子イオン化を実行するための放射光を提供する第一のソースと、
c)検体の単光子イオン化を実行するための放射光を提供する第二のソースと、
d)第一のソース又は第二のソースからの放射光を光イオン化領域へ選択的に方向付ける反射面システムと、を備える。
放射光の第一及び第二のソースは、同じソース、即ち、同じレーザにしてよく、或いは、異なるソース、即ち、異なるレーザにしてもよい。
本発明による装置は、半導体処理用の超純水、地下水、地上水、生体液、及び飲用水等の水源において微量有機化合物を検出するために使用し得る。例えば、超純水において見られる汚染物質は、その水のソース自体、例えば、都市用水によるもの、イオン交換樹脂等、水を浄化するのに使用された浄水システムによるもの、及び再生水中に存在する半導体処理化学物質によるものであり得る。こうした特定の汚染物質には、一部として、トリメチルアミン、ベンゼンスルホン酸、イソプロピルアルコール、尿素、グリシドール、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、1−3ジクロロ−2−プロパノール、及びエチレングリコールが含まれる。様々な水源で見られる他の汚染物質には、シロキサン、低分子アルコール、有機窒素化合物、有機硫黄化合物、有機界面活性剤、有機酸、塩素化又は臭素化炭化水素、フタル酸類、及びシリコンがある。超純水は、半導体製造だけでなく、医薬品、バイオテクノロジ製品、光電子製品、飲食品産業、電力産業(蒸気ボイラ)、その他の分野においても必要である。
以下の実施例は、例示の目的で示すものであり、いかなる形においても本発明を限定するものではない。
実施例1:
膜導入デバイスは、フローインジェクションモジュールと加熱膜チップとで構成される市販のものを、MIMS Technology(フロリダ州パークベイ)から取得した。デバイスは、Dow Corning Silastic Q7−4750で製造した医薬品グレードの白金処理シリコンチューブ(HelixMark)の膜を含む。試料は、膜チップを介した水の一定の流動を維持するフローインジェクションモジュールへ送り込む。検体溶液が膜の内面を通過すると、対象有機分子は、膜を介して拡散し、REMPIマススペクトロメータのイオン化チャンバ内へ気化する。膜の温度は、水流の温度を変化させることで制御される。温度を上昇させると、膜を介した測定拡散速度が増加するため、測定時間が減少する。しかしながら、有機化合物の拡散は、温度が100℃に達すると、水中の気泡の形成により妨げられる。試験は、最も感度の高い応答と組み合わせて最小応答時間を決定するために、最初に30℃乃至90℃で温度を変化させて実行した。
膜プローブは、標準の1/2”(12.7mm)プローブロックを介して真空チャンバの入口に挿入し、真空気密シールを形成する。VOC(揮発性有機化合物)は、レーザイオン化領域から約2cmの膜チップの出口から、真空チャンバ内へ噴流する。レーザビーム経路と交差するVOC分子はイオン化され、イオン光学を使用して抽出され、飛行時間型マススペクトロメータにより質量分析される。レーザ光イオン化マススペクトロメータの概略図は、図2に示している。こうした試験でイオン化に使用されたレーザシステムは、Nd:YAGレーザシステム(Continuum Powerlite Precision 9010)の四次高調波出力(266nm)である。レーザは、266nmで約7mJ/pulseの出力エネルギと、5nsのパルス幅とにより、10Hzの繰り返し率で動作させる。一定の確定されたイオン化量を有するために、マススペクトロメータチャンバへの入射窓の前にアイリスを配置した。有効ビーム面積は2mm2で、試験の全体で10mm3までのイオン化量が維持される。初期イオンは、R.M.Jordan reflectron TOF−MSにより、約500の質量分解能で抽出及び分析する。二つのターボ分子ポンプ(Varian Turbo V−250)により、イオン化チャンバ及びマススペクトロメータ領域の圧力を、それぞれ、10−5Torr及び5×10-7Torrに維持する。イオン信号は、Ortec9306プリアンプにより、85の利得と1GHzの帯域幅で増幅し、500MHzのSignatec SA500Aデジタイザを使用して記録する。信号は、通常、一乃至五秒の時間枠で平均化する。膜に基づく試料の導入とレーザイオン化のTOF MSとの組み合わせを評価及び特徴付けするため、脱イオン水(Millipore−RO4)に、BTX(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン)族及びクロロベンゼンからの公知の濃度の分子を混合した。MINS−REMPIシステムの一試験では、殆ど又は全く断片化の無い親化合物の質量特定における感度を判定した。図4は、水中のクロロベンゼンの希薄溶液から得られたマススペクトルを示している。親化合物の断片化は非常に僅かであり、112amu及び114amuにおける質量信号の比は、塩素同位体の3:1の自然存在比を反映している。図4は、VOCであるベンゼン、トルエン、及びキシレンの結果に特有のものであり、従来の気相測定において観察されるものと同様の質量分解能で、MINS−REMPIシステムが親イオンを検出できることを示している。トルエンについて観測される信号の時間及び温度依存性も調査した。MIMS流体注入システムのリザーバに、トルエン2mlを混合した脱イオン水2リットルを充填し、濃度1mL/Lの一定の試料を作成した。MIMSを四種類の温度として30、50、70、及び90℃で動作させ、一秒間のイオン強度を積算し、二秒間隔で記録した。トルエンの濃度は非常に高いが、試料の流動及び分析条件が固定であるにもかかわらず、データには大きなばらつきが見られる。こうした変動は、僅か10回のレーザ発射に対応する短い一秒間の積算時間の結果である。更に、レーザ強度の発射間の変動について、信号を補正する試みを行っていない。この短い平均化時間を鑑みると、トルエンの親分子イオンに対応するm/z92信号は、合理的な一定性を有すると思われる。信号強度は、トルエンの膜材料透過が強化される結果として、温度の上昇と共に増加する。しかしながら、増加の度合いは、試料温度が90℃に達すると減少する。システムの応答を更に特徴付けるために、ベンゼン、トルエン、及びo−キシレンの濃度100μL/Lの試料を作成し、こうした試料の10mLアリコートを膜入口流動コントローラに注入して、システムの時間的応答を観測した。各化合物について、同じく30、50、70、及び90℃で測定を行い、10回のレーザパルスでデータを平均化し、二秒間隔で記録した。結果は、ベンゼン、トルエン、及びo−キシレンの注入後の時間の関数として、それぞれ図5A、図5B、及び図5Cにプロットした。各温度の結果は、明確にするため水平に移動させてあり、観測されたイオン信号は、注入後全て同時に開始された。膜システムの温度が上昇するに従って、親イオンのピークの高さが増加する一方で、半値全幅が減少することが確認できる。表1は、固定温度における各化合物の最初の応答開始から測定された時間により、結果を数値形式で提示している。こうした結果から、強度と、短い周期時間(水流システムの清浄化に必要)と、膜の寿命と、水中の気泡による問題の可能性とを考慮して、このシステムには動作温度80℃が最適であると結論された。
Figure 2007535097
実施例2:
試験の第二のグループは、実施例1で説明した膜入口/レーザ光イオン化/マススペクトロメータの組み合わせについて、再現可能性及び検出限界を評価するために実施した。このため、脱イオン水におけるベンゼン、クロロベンゼン、及びo−キシレンの連続希釈により、濃度10、1.0、0.1、0.01、及び0.001μL/Lの試料濃度を準備した。リザーバ内における高レベルでの最初の混合による残存バックグラウンドのため、こうした低濃度試験ではトルエンを使用しなかった。これらの試験では、2Lリザーバに脱イオン水を充填し、20μLのベンゼン−d6を混合し、実験の全体でm/z84における一定の基準を提供した。この基準化合物により、結合させた膜/レーザ/スペクトロメータシステムの動作特性における僅かな変化を懸念することなく、検体の強度の標準化が可能となった。再現性を評価するために、10μL/Lのo−キシレン溶液10mLを、フローインジェクションコントローラの投入部へ注入し、この化合物と重水素化ベンゼンとの両方について、80℃での1秒間の平均ピーク信号を測定した。結果を表2にまとめる。強度は、恣意的な単位(ボルト)で提示しているが、各ピークに対して同じである。絶対的なo−キシレン強度は、全体的なイオン化効率と、二種類の混合物に対する膜の透過性とにおける違いのため、ベンゼン−d6とは異なる。三回の実施において、重水素化ベンゼンに対しては19%の標準偏差が存在するが、o−キシレンに対しての標準偏差は4%未満である。
Figure 2007535097
LODの判定のため、上記の五種類の試料濃度で10mLの注入を行った。平均化時間を五秒に延長し、統計値を改善した。o−キシレン及びクロロベンゼンについて、代表的な結果を図6に示す。四桁の検体濃度に渡って、高度な直線性が観察される。こうした試験に基づいて、表3に記載したように、幾つかの芳香族化合物のLODを推定した。これらの限界は、測定信号を単一の信号対雑音比まで外挿することで得られた。ppt範囲での測定は、非常に迅速に実行できる(五秒)。統計ノイズを低減する更なる平均化により、S/N=3:1で同じLODを得ることが可能である。
Figure 2007535097
これらの結果は、レーザ光イオン化検出の利点として、優れた化学選択性と共に、応答の速度と、高い感度とが含まれることを示している。親イオンピークは絶対的な検体濃度に正比例するため、実験的又は数学的に質量ピークのデコンボリューションを行う必要はない。固定波長REMPI光イオン化体系の変形を利用することもできる。超音速流においてVOCを同伴及び冷却するジェット入口と、狭帯域同調レーザとの使用により、システムの感度及び選択性の両方が向上するが(例えば、エチルベンゼンと三種類のキシレン異性体とを容易に識別)、同調レーザソースとパルス入口バルブとのため、複雑性が増加する。単光子レーザを形成するために、非線形固体結晶を使用して、当初の1.064μmのNd:YAGの基本周波数を三倍にして355nmとし、その後、Ar及びXeを含むガスセルにおいて再度三倍にして、118nm光子を生成できる。こうした10.5eV光子は、多くのVOCを直接イオン化可能であり、同じく断片化のない親イオンを生成する。これにより、地下水汚染を伴う環境問題において重要なクロロホルム及びトリクロロエチレンといった、重要だが非芳香族である他の多くのVOCにアクセス可能となる。
膜を介して液体試料からの検体を光イオン化領域へ導入する、膜に基づく水注入システムの概略図である。 水試料から検体を分離して光イオン化領域へ導入する膜に基づく水サンプラと、検体を分析する構成要素とを収容する、本発明による装置の概略図である。 膜に基づく水サンプラと、膜を透過しない検体を受領するための直接液体毛細管プローブと、光イオン化領域に対するREMPI又はSPIのための放射光の焦点を選択的に合わせる放射光ソース及び反射面のシステムとを有する、本発明による装置の概略図である。 膜に基づく入口システムを介したイオン化チャンバへの導入後の水中におけるクロロベンゼンのマススペクトルを示す図である。 ベンゼン、トルエン、及びキシレンについて、膜に基づく入口システムのマススペクトロメータへ四種類の温度で10mlを注入した際のマススペクトル信号の時間的変化のグラフである。明確にするため、信号は水平に移動させている。 ベンゼン、トルエン、及びキシレンについて、膜に基づく入口システムのマススペクトロメータへ四種類の温度で10mlを注入した際のマススペクトル信号の時間的変化のグラフである。明確にするため、信号は水平に移動させている。 ベンゼン、トルエン、及びキシレンについて、膜に基づく入口システムのマススペクトロメータへ四種類の温度で10mlを注入した際のマススペクトル信号の時間的変化のグラフである。明確にするため、信号は水平に移動させている。 検体であるキシレン及びクロロベンゼンの濃度の関数とした測定強度信号のグラフである。

Claims (33)

  1. 質量分析によって、溶媒及び検体を含む液体試料中における低濃度の前記検体を特定する装置であって、
    ガス状又は液状検体をイオン化するイオン化領域と、
    溶媒に対して非透過性であり、前記液体試料に含有されている前記検体の少なくとも一部の量に対して透過性であり、前記透過性検体を前記イオン化領域へ送給可能である膜と、
    前記膜上に保持されない他の検体を含有する、前記膜に対して非透過性の前記液体試料の一部を受領するのに適しており、前記液体試料及び他の検体を前記膜から前記イオン化領域へ導入するように方向付けられた毛細管と、
    前記検体の共鳴多光子イオン化を実行するための放射光を提供する第一のソースと、
    前記検体の単光子イオン化を実行するための放射光を提供する第二のソースと、
    前記第一のソース又は前記第二のソースからの放射光を前記イオン化領域へ選択的に方向付ける反射面システムと、
    前記領域内で形成されたイオンのm/e比を決定するマススペクトロメータと、を備える装置。
  2. 前記第一のソースは、レーザを含む、請求項1記載の装置。
  3. 前記第二のソースは、レーザを含む、請求項1記載の装置。
  4. 前記第一及び第二のソースは、同一のソースである、請求項1記載の装置。
  5. 前記第一及び第二のソースは、異なるソースである、請求項1記載の装置。
  6. 請求項1に記載の装置は更に、当初、前記膜上に保持された検体を、前記イオン化領域へ、前記膜を介して送り込む手段を備える、装置。
  7. 質量分析による分析のために検体を光イオン化する装置であって、
    a)ガス状又は液状検体をイオン化する光イオン化領域と、
    b)前記検体の共鳴多光子イオン化を実行するための放射光を提供する第一のソースと、
    c)前記検体の単光子イオン化を実行するための放射光を提供する第二のソースと、
    d)前記第一のソース又は前記第二のソースからの放射光を前記光イオン化領域へ選択的に方向付ける反射面システムと、を備える装置。
  8. 前記第一のソースは、レーザを含む、請求項7記載の装置。
  9. 前記第二のソースは、レーザを含む、請求項7記載の装置。
  10. 前記第一及び第二のソースは、同一のソースである、請求項7記載の装置。
  11. 前記第一及び第二のソースは、異なるソースである、請求項7記載の装置。
  12. 請求項1または請求項7に記載の装置において、
    前記反射面システムは、前記第一のソースからの放射光を調整し、共鳴多光子イオン化を実行するのに適した放射光を発生させるための経路を含む、装置。
  13. 請求項1または7に記載の装置において、
    前記反射面システムは、前記第二のソースからの放射光を調整し、単光子イオン化を実行するのに適した放射光を発生させるための経路を含む、装置。
  14. 前記第一のソースは、266nmの放射光を提供する、請求項1又は7記載の装置。
  15. 前記第二のソースは、118nmの放射光を提供する、請求項1又は7記載の装置。
  16. 質量分析により、溶媒及び検体を含む液体試料中における低濃度の前記検体を特定する装置であって、
    前記溶媒に対して非透過性であり、前記試料中の前記検体の量の少なくとも一部に対して透過性である膜と、
    前記膜を通過した検体のための光イオン化領域と、
    前記検体の266nmでの共鳴多光子イオン化を実行するために前記領域を照射するソースと、
    前記領域内で形成されたイオンのm/e比を決定するマススペクトロメータと、を備える装置。
  17. 質量分析による分析のために、液体試料からの検体をイオン化領域へ導入する装置であって、
    前記試料の溶媒に対して非透過性であり、前記試料に含有された前記検体の少なくとも一部に対して透過性であり、前記透過性検体をイオン化領域へ送給可能である膜と、
    前記膜上に保持されない他の検体を含有し、前記膜に対して非透過性の前記液体試料の一部を受領するのに適しており、前記膜からの前記液体試料及び他の検体を前記イオン化領域へ導入することが可能な毛細管と、を備える装置。
  18. 請求項17に記載の装置はさらに、前記試料の一部を前記装置の外部へ送り、前記試料の一部を前記毛細管へ送る差動ポンプを備える装置。
  19. 請求項1、16または17に記載の装置は更に、前記透過性検体を前記イオン化領域へ方向付けるガイドを備える、装置。
  20. 質量分析により液体試料中の低濃度の検体を特定する方法であって、
    a)溶媒及び前記検体を含有する液体試料を、前記溶媒に対して非透過性であり、前記検体の少なくとも一部が透過する膜に対して導入するステップと、
    b)前記膜を透過した前記検体を、共鳴多光子イオン化又は単光子イオン化により前記検体をイオン化して検体イオンを形成する光イオン化領域へ方向付けるステップと、
    c)ステップ(b)の前記検体イオンを、前記イオンの質量分析のために、マススペクトロメータの質量分析器へ移動させるステップと、
    d)前記膜上に保持されない他の検体を含有し、前記膜を透過しない前記液体試料の一部について、前記膜からの前記液体試料及び他の検体を前記イオン化領域へ導入する毛細管へ方向付けるステップと、
    e)ステップ(d)の前記他の検体を、検体イオン形成のため、共鳴多光子イオン化又は単光子イオン化によりイオン化するステップと、
    f)ステップ(e)の前記検体イオンを、前記イオンの質量分析のために、前記マススペクトロメータの前記質量分析器へ移動させるステップと、
    g)選択的に、前記膜上に保持された任意の検体を、共鳴多光子イオン化又は単光子イオン化により前記検体をイオン化して検体イオンを形成する前記光イオン化領域へ、前記膜を介して送り込むために、前記膜に熱を加えるステップと、
    h)選択的に、ステップ(g)の前記検体イオンを、前記イオンの質量分析のために、前記マススペクトロメータの前記質量分析器へ移動させるステップと、を備える方法。
  21. 質量分析により液体試料中の低濃度の検体を特定する方法であって、
    a)溶媒及び検体を含有する液体試料を、前記溶媒に対して非透過性であり、前記試料中の前記検体の量の少なくとも一部が透過する膜に対して導入するステップと、
    b)前記膜を透過した前記検体を、266nmでの共鳴多光子イオン化により前記検体をイオン化して検体イオンを形成する光イオン化領域へ方向付けるステップと、
    c)前記検体イオンを、前記イオンの質量分析のために、マススペクトロメータの質量分析器へ移動させるステップと、を備える方法。
  22. 前記溶媒は、極性を有する、請求項20又は21記載の方法。
  23. 前記検体は、有機化合物を含む、請求項20又は21記載の方法。
  24. 前記検体は、無機化合物を含む、請求項20又は21記載の方法。
  25. 前記試料中の前記検体の濃度は、約1ppb乃至約1pptの範囲内である、請求項20又は21記載の方法。
  26. 前記試料中の前記検体の濃度は、約1ppb乃至約1ppmの範囲内である、請求項25記載の方法。
  27. 前記液体試料は、微量有機化合物を含有する超純水を含む、請求項20又は21記載の方法。
  28. 前記超純水は、半導体製品、医薬品、バイオテクノロジ製品、光電子製品、食品、又は飲料の処理に用いるものである、請求項27記載の方法。
  29. 前記超純水は、水蒸気生成に用いるものである。請求項27記載の方法。
  30. 液体試料は、地下水、都市用水、又は飲用水を含む、請求項20又は21記載の方法。
  31. 液体試料は、生体液を含む、請求項20又は21記載の方法。
  32. 前記共鳴多光子光イオン化は、266nmの放射光により実行される、請求項20記載の方法。
  33. 前記共単光子イオン化は、118nmの放射光により実行される、請求項20記載の方法。
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