JP2877300B1 - ダイオキシン分析装置及び分析方法 - Google Patents

ダイオキシン分析装置及び分析方法

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JP2877300B1 JP10020655A JP2065598A JP2877300B1 JP 2877300 B1 JP2877300 B1 JP 2877300B1 JP 10020655 A JP10020655 A JP 10020655A JP 2065598 A JP2065598 A JP 2065598A JP 2877300 B1 JP2877300 B1 JP 2877300B1
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Abstract

【要約】 【課題】 焼却炉において生成する有害物質であるダイ
オキシン及びその誘導体の分析装置及び分析方法を提供
する。 【解決手段】 焼却炉から排出又は浮遊する灰に混在す
るダイオキシン類を低沸点の溶媒に抽出する抽出手段
と、その抽出溶媒10の一部を分取し、その内部に不活
性ガスボンベ11からのヘリウムガス(He)を導入す
るステンレス製のバブリング容器12と、バブリングに
よってヘリウムガスに随伴されたダイオキシン類をスリ
ットノズルを介して真空チャンバ13中に噴出させて超
音速ジェットを形成する噴出手段14と、噴出された超
音速ジェット流中にYAGレーザ15にて励起された色
素レーザ光16を集光レンズ17を介して真空チャンバ
ー13内に照射し、共鳴増感イオン化過程にて分子イオ
ン18を形成するレーザ照射手段19と、生成した分子
イオン18のダイオキシン類の分析を行う飛行時間型質
量分析装置20とを備えてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉において生
成する有害物質であるダイオキシン及びその誘導体の分
析装置及び分析方法に関する。特に一般廃棄物焼却炉、
産業廃棄物焼却炉の排ガス中に含まれる煤塵及び焼却
灰、飛灰中に含まれるダイオキシン及びその誘導体の分
析装置及び分析方法に有効である。
【0002】
【従来の技術】ダイオキシンは微量で高い毒性を有して
おり、高感度の分析法の開発が望まれている。そこで、
高感度分析が可能であるレーザ分析法の適用が考えら
れ、近年超音速ジェット法と共鳴増感多光子イオン化法
とを組み合わせることにより、塩素置換体のスペクトル
を測定することが可能であるとの提案がなされている
(C.Weickhardt,R.Zimmermann,U.Bosel,E.W.Schlag,Pap
id Commun,Mass Spectron,7,198(1993))。この方法の検
出限界はppbレベルであり、図6及び図7にその測定
結果を示し、図7は図6の305nm近傍の拡大図であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た提案では、気体試料を真空中にジェット噴出させるこ
とで、瞬時に絶対零度近傍まで冷却することでスペクト
ルを単純にする気体の分析方法であるので、気体ではな
い灰中のダイオキシン及びその誘導体(以下「ダイオキ
シン類」という。)を直接計測することは困難であっ
た。また、灰を直接加熱してダイオキシン類を気体とし
て測定することも考えられるが、上記加熱によりダイオ
キシン類が分解したり、再結合する場合があり、灰中の
正確なダイオキシン類の測定ができない、という問題が
ある。すなわち、近年においては、焼却炉の排ガス規制
と共に、灰中のダイオキシン量を規制しようとするいわ
ゆる総量規制の対策が問題となっているが、上記測定方
法では、これに迅速に対応することができず、旧来の手
作業による分析が必要となり、結果がでるまでには、1
乃至2ヵ月を要し、日々の焼却炉のダイオキシン類の発
生を測定し、随時燃焼制御をすることで常に適正な総量
規制値を満たす運転をすることが困難である。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の[請求項1]のダイオキシン分析方法の発明は、焼
却炉の灰に混在するダイオキシン及びその誘導体を低沸
点の溶媒に抽出し、ダイオキシン及びその誘導体を含む
溶液を調製し、その抽出溶液に不活性ガスを導入し、バ
ブリングさせて溶液の一部をパルスノズルに搬送し、真
空チャンバ中に噴出させることで超音速ジェット流を形
成し、該ジェット流にレーザ光を照射し、該レーザ光に
よる共鳴増感イオン化過程により分子イオンを形成し、
生成した分子イオンを飛行時間型質量分析装置を用い
て、ダイオキシン及びその誘導体の分析を行うことを特
徴とする。
【0005】また、[請求項2]のダイオキシンの分析
装置の発明は、焼却炉の灰に混在するダイオキシン及び
その誘導体を低沸点の溶媒に抽出する抽出手段と、その
抽出溶液の一部を定量し、内部に不活性ガスを導入する
バブリング容器と、不活性ガスに随伴されたダイオキシ
ン及びその誘導体を真空チャンバ中に噴出させて超音速
ジェット流を形成する噴出手段と、噴出された超音速ジ
ェット流中にレーザ光を照射し、共鳴増感イオン化過程
にて分子イオンを形成するレーザ照射手段と、生成した
分子イオンのダイオキシン及びその誘導体の分析を行う
飛行時間型質量分析装置とを備えてなり、灰中のダイオ
キシンを直接分析することを特徴とする。
【0006】また、[請求項3]のダイオキシン分析装
置は、[請求項2]のダイオキシン分析装置において、
上記超音速ジェット流を形成する噴出手段が、矩形状の
噴出流を形成するスリットノズルを備えたことを特徴と
する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるダイオキシ
ン分析方法及びその装置の実施形態を説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0008】本発明では、焼却炉中に含まれる煤塵及び
焼却灰,飛灰等を直接サンプリングし、その灰を一定量
の低沸点の有機溶媒に溶解させ、灰中のダイオキシン類
を直接且つ迅速に測定することを可能にしたものであ
る。この結果、排ガス中以外にも灰中のダイオキシン類
を測定できるので、ダイオキシン類の総量規制値以下の
運転をするように常に監視できることとなる。これに対
し、従来の気体の分析方法では、直接灰を測定すること
ができなかったので、迅速な測定は困難であった。ま
た、燃焼の際に排出する灰等のダイオキシンの総量を測
定するには、1乃至2ヵ月を要していたが、本発明によ
れば迅速に計測でき、燃焼調整並びにダイオキシン類の
排出濃度管理又は燃焼管理が容易となる。
【0009】本発明では、超音速ジェット法において蒸
気圧の低い試料の計測を実施する際に、低沸点の有機溶
媒にダイオキシン類を含む灰を溶解させ、不活性ガスを
キャリアガスとして使用することにより、目的のダイオ
キシン等の試料が低沸点の有機溶媒に随伴して超音速ジ
ェット流の生成が可能となり、レーザ光を照射して共鳴
増感多光子イオン化させて飛行時間型質量分析装置にお
いて、ダイオキシン類を測定することが可能となる。
【0010】このように、本発明では、焼却炉中の灰を
一部採取し、低沸点の有機溶媒に抽出した溶液を分取
し、該抽出溶液に不活性ガスを導入してバブリングして
噴出手段のパルスノズルに導入するようにしている。該
パルスノズルは真空チャンバーに結合しており、ガスを
真空中に噴出することで超音速ジェットを形成してい
る。超音速ジェットの中で試料分子は絶対零度近傍まで
冷却されるので、常温ではボルツマン分布していた振動
回転準位が零電位に集中するようになり、分子スペクト
ルは著しく単純となる。この状態で波長可変レーザにて
目的分子に対して共鳴イオン化を行えば、目的分子が選
択的にイオン化される。このイオンを飛行時間型質量分
析装置のイオン検出器で検出することで、分析が可能と
なる。
【0011】ここで、本発明で低沸点の有機溶媒とは、
ジクロロメタンをいい、その他の溶媒としては、例えば
ベンゼン,トルエン,メチルアルコール,エチルアルコ
ール,ブチルアルコール等を例示することができるが、
ダイオキシン類よりも低沸点でダイオキシン類を溶解さ
せることができる溶媒であれば、本発明はこれに限定す
されるものではない。
【0012】また、不活性ガスとはアルゴンガス,ヘリ
ウムガス等の希ガスの単体又は混合ガスを例示するこが
できるが、抽出溶媒中のダイオキシン類をバブリングに
より随伴することができるガスであれば、本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0013】図1に本実施の形態にかかるダイオキシン
分析装置の概略図を示す。本実施の形態にかかるダイオ
キシン分析装置は、焼却炉から排出又は浮遊する灰に混
在するダイオキシン類を低沸点の溶媒に抽出する抽出手
段と、その抽出溶媒10の一部を分取し、その内部に不
活性ガスボンベ11からのヘリウムガス(He)を導入
するステンレス製のバブリング容器12と、バブリング
によってヘリウムガスに随伴されたダイオキシン類をス
リットノズルを介して真空チャンバ13中に噴出させて
超音速ジェット流を形成する噴出手段14と、噴出され
た超音速ジェット流中にYAGレーザ15にて励起され
た色素レーザ光16を集光レンズ17を介して真空チャ
ンバー13内に照射し、共鳴増感イオン化過程にて分子
イオン18を形成するレーザ照射手段19と、生成した
分子イオン18のダイオキシン類の分析を行う飛行時間
型質量分析装置20とを備えてなるものである。 ま
た、図1中、符号21はKDP(potassium dihydrogen
phosphate)結晶,22はパルス発生器,23はパルス
ドライバー,24はプリアンプ,25はデジタルオシロ
スコープ,26は情報処理装置,27〜29は電極,3
0はイオン検出器を各々図示する。
【0014】上記装置において、YAGレーザ15にて
色素レーザ光16を励起し、KDP結晶21にて波長を
1/2 とし、紫外レーザ光を得る。該紫外レーザ光は集光
レンズレンズ17にて集光し、真空チャンバー13内に
導入する。一方、予め焼却炉中の灰を一部採取し、低沸
点の有機溶媒であるジクロロメタンと混合しておき、ダ
イオキシン類、その他低沸点の有機溶媒に可溶性の有機
分子が含まれた該混合液を定量してステンレスのバブリ
ング容器12に投入する。不活性ガスボンベ11からヘ
リウムガスをバブリング容器12内に供給し、バブリン
グさせ、噴出手段であるパルスノズルに搬送する。パル
ス発生器22にてTTL信号を生成し、パルスドライバ
ー23を制御し、パスルノズルを一定時間(200〜5
00μs)だけ、開放することで、超音速ジェットを形
成する。該超音速ジェット中の分析対象分子が電極27
と電極28との間に到達した時点でレーザ光が照射され
るように、パルス発生器22よりディレイ信号を生成
し、YAGレーザ15を制御するようにしてある。レー
ザはパルスであるので、レーザが発振していない時間に
試料を導入することは、真空系の負担を増加させると共
に、分析に必要な試料量を徒に増加させることとなり、
好ましくない。そこで、レーザ発振している時間に同期
させて試料をパルス状に導入可能のようにしている。
【0015】生成した分子イオン18は、電極27,2
8,29にて形成される電子レンズにて電場を印加し、
イオン検出器30にて検出する。本システムでは、飛行
時間型質量分析装置を構成しているので、イオン化ポテ
ンシャルの低い分子が混在し、非共鳴イオン化過程で仮
にイオンを発生しても、質量数の差から、目的分子と区
別することが可能となる。イオン検出器30においてイ
オン数に比例した電気信号を得ることができるので、プ
リアンプ24にて増幅し、デジタルオシロースコープ2
5にて質量スペクトルが観測できる。質量スペクトルの
処理をおこなうために、情報処理装置26に送られ、こ
こで信号処理が行われる。
【0016】本来は、レーザの波長のみで選択的にイオ
ン化が可能であるが、仮にイオン化ポテンシャルの低い
分子が混在して非共鳴イオン化過程にてイオンが生成す
る場合でも、本発明では飛行時間型質量分析装置を用い
てイオンを検出しているので、正確な分析が可能とな
る。
【0017】分子量が異なる試料の場合には、質量スペ
クトルより直ちに識別が可能である。同一分子量の場合
には、目的質量数のイオン信号の波長依存性を予め検出
することで、異性体の識別が可能となる。
【0018】次に、スリットノズルからの真空チャンバ
中への試料の噴出を改良し、さらに、高感度なダイオキ
シン検出法について説明する。
【0019】従来より、検出感度を向上させる方法とし
て、レーザ光の集光レンズの集光度を高くすることが知
られているが、このような方法によっては十分な検出感
度の向上を図ることができないので、本発明では、スリ
ットノズルからの噴出形状を矩形状とすることで、検出
感度の向上を図ることとした。
【0020】図2は、本発明にかかる高感度分析用のス
リットノズルの概略図である。図2に示すように、スリ
ットノズル31は矩形状の噴出孔31aを有しており、
ヘリウムガスに随伴されたダイオキシン化合物は真空チ
ャンバ(図示せず)中にジェット流33を形成してい
る。本発明では、スリットノズル31の噴出孔31aの
形状を、図3に示すように、矩形状(図中、符号Lは長
手方向の長さを図示する)としているので、噴出される
ジェット流33は照射されるレーザ光(図2中では紙面
に直交する方向に照射される)34の進行方向に長い矩
形状となり(図3参照)、この領域で有効にイオン化さ
れることとなる。なお、図3中においては、噴出するジ
ェット流の図示は省略している。図2中、符号35はそ
の実際にイオン検出できるイオンが存在する領域である
イオン化有効体積を示す。該イオン化有効体積は、レー
ザ光の径とメッシュ電極のイオン透過可能領域にて決定
されるものである。超音速ジェットで生成した分子ビー
ムと、レーザが照射できる領域が重なる部分が大きくな
れば、検出感度が向上することとなる。
【0021】従来においては、図4に示すように、スリ
ットノズルの噴出孔41はピンホール型であったので、
噴出されるジェット流は等方円錐状であり、この結果レ
ーザが照射されない分子が多数発生していた。本発明の
ようにジェット流の噴出形状を矩形状とすることによ
り、十分が感度を得ることが可能となった。本実施の形
態においては、ダイオキシン含有率(C)=10-14
0.01pptであれば濃縮をすることなく、検出が可能
となった。一方従来のピンホール型の場合には、ダイオ
キシン含有率(C)=5ppt必要であった。
【0022】さらに、図2に示すように、本発明の矩形
状の噴出孔31aを有するスリットノズル31のガス噴
出側に気流抑制部材32を設けることにより、分子ビー
ムはさらに矩形状の短軸方向の拡がりを抑制することが
できる。この結果、気流抑制部材32を設けない場合に
較べてレーザが照射されない分子の個数が激減し、大幅
な感度の向上を図ることができる。
【0023】また、メッシュ電極36,37,38,3
9の形状、イオン検出器40であるイオン検出用MCP
(Microchannel plate: マイクロチャンネルプレート)
の形状を矩形状とすることで、イオンを無駄なく捕集す
ることが可能となり、さらに、感度の向上を達成するこ
とが可能となる。図5にイオン化体積35とメッシュ電
極37との関係を示す。レーザビーム34によりイオン
化されたイオンは矩形型のメッシュ電極37を透過し、
検出器(図示せず)で検出されることなる。
【0024】なお、溶液状態にてステンレス製のバブリ
ング容器に密閉されているので、作業員の安全性が確保
される。
【0025】燃焼排ガス中のダイオキシンを分析する場
合には、排ガスを直接パルスノズルに導入すればよい
が、試料をパルス状に導入するので、連続導入の場合よ
り1〜3桁試料量は抑制することが可能である。
【0026】また、サンプリングラインに付着している
ダイオキシンの分析を行う場合には、溶媒にて該サンプ
リングラインを洗浄し、洗浄液をバブリングさせて分析
を行えばよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、[請求項1]のダ
イオキシン分析方法は、焼却炉の灰に混在するダイオキ
シン及びその誘導体を低沸点の溶媒に抽出し、ダイオキ
シン及びその誘導体を含む溶液を調製し、その抽出溶液
に不活性ガスを導入し、バブリングさせて溶液の一部を
パルスノズルに搬送し、真空チャンバ中に噴出させるこ
とで超音速ジェット流を形成し、該ジェット流にレーザ
光を照射し、該レーザ光による共鳴増感イオン化過程に
より分子イオンを形成し、生成した分子イオンを飛行時
間型質量分析装置を用いて、ダイオキシン及びその誘導
体の分析を行うようにしたので、排ガス中だけでなく、
灰中に混在するダイオキシン類の直接分析が可能とな
り、直ちに燃焼を制御でき、ダイオキシン総量規制にお
ける対応に迅速に対応することが可能となる。また、分
析中にダイオキシン類の試料が飛散することがなく、必
要試料量も少ないので、分析時の安全性が大である。
【0028】また、[請求項2]のダイオキシン分析装
置は、焼却炉の灰に混在するダイオキシン及びその誘導
体を低沸点の溶媒に抽出する抽出手段と、その抽出溶液
の一部を定量し、内部に不活性ガスを導入するバブリン
グ容器と、不活性ガスに随伴されたダイオキシン及びそ
の誘導体を真空チャンバ中に噴出させて超音速ジェット
流を形成する噴出手段と、噴出された超音速ジェット流
中にレーザ光を照射し、共鳴増感イオン化過程にて分子
イオンを形成するレーザ照射手段と、生成した分子イオ
ンのダイオキシン及びその誘導体の分析を行う飛行時間
型質量分析装置とを備えてなるので、焼却炉からの浮遊
する灰及び排出する灰を直接採取して、灰中のダイオキ
シンを直接分析することが可能となる。
【0029】また、[請求項3]のダイオキシン分析装
置は、請求項2記載のダイオキシン分析装置において、
上記超音速ジェット流を形成する噴出手段が、矩形状の
噴出流を形成するスリットノズルを備えたので、噴出さ
れるジェット流は照射されるレーザ光の進行方向に長い
矩形状となり、この領域で有効にイオン化されることと
なり、高感度測定が可能となる。また、上記スリットノ
ズルに気流制御部材を設けることにより、分子ビームが
さらに矩形状の短軸方向の拡がりを抑制することがで
き、この結果気流抑制部材32を設けない場合に較べて
レーザが照射されない分子の個数が激減し、大幅な感度
の向上を図ることができる。
【0030】また、メッシュ電極の形状、イオン検出器
の形状矩形状とすることで、イオンを無駄なく捕集する
ことが可能となり、さらに、感度の向上を達成すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイオキシン測定装置の概略図であ
る。
【図2】高感度測定用スリットノズルの概略図である。
【図3】図4のX方向矢視図である。
【図4】従来のスリットノズルの概略図である。
【図5】イオン化有効体積とメッシュ電極との関係を示
す図である。
【図6】ダイオキシン誘導化合物の超音速分子ジェット
スペクトル図である。
【図7】ダイオキシン誘導化合物の超音速分子ジェット
スペクトル図である。
【符号の説明】
10 抽出溶媒 11 不活性ガスボンベ 12 バブリング容器 13 真空チャンバ 14 噴出手段 15 YAGレーザ 16 色素レーザ光 17 集光レンズ 18 分子イオン 19 レーザ照射手段 20 飛行時間型質量分析装置 21 KDP 22 パルス発生器 23 パルスドライバー 24 プリアンプ 25 デジタルオシロスコープ 26 情報処理装置 27,28,29 電極 30 イオン検出器 31a 噴出孔 31 スリットノズル 32 気流抑制部材 33 ジェット流 34 レーザ光 35 イオン化有効体積 36,37,38,39 メッシュ電極 40 イオン検出器 41 噴出孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 49/04 H01J 49/10 49/10 49/40 49/40 G01N 1/28 X (56)参考文献 特開 平9−243601(JP,A) 特開 平9−101287(JP,A) 特開 平7−218494(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/62 - 27/70 H01J 49/00 - 49/48 G01N 1/00 - 1/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉の灰に混在するダイオキシン及び
    その誘導体を低沸点の溶媒に抽出し、ダイオキシン及び
    その誘導体を含む溶液を調製し、その抽出溶液に不活性
    ガスを導入し、バブリングさせて溶液の一部をパルスノ
    ズルに搬送し、真空チャンバ中に噴出させることで超音
    速ジェット流を形成し、該ジェット流にレーザ光を照射
    し、該レーザ光による共鳴増感イオン化過程により分子
    イオンを形成し、生成した分子イオンを飛行時間型質量
    分析装置を用いて、ダイオキシン及びその誘導体の分析
    を行うことを特徴とするダイオキシン分析方法。
  2. 【請求項2】 焼却炉の灰に混在するダイオキシン及び
    その誘導体を低沸点の溶媒に抽出する抽出手段と、 その抽出溶液の一部を定量し、内部に不活性ガスを導入
    するバブリング容器と、 不活性ガスに随伴されたダイオキシン及びその誘導体を
    真空チャンバ中に噴出させて超音速ジェット流を形成す
    る噴出手段と、 噴出された超音速ジェット流中にレーザ光を照射し、共
    鳴増感イオン化過程にて分子イオンを形成するレーザ照
    射手段と、 生成した分子イオンのダイオキシン及びその誘導体の分
    析を行う飛行時間型質量分析装置とを備えてなり、 灰中のダイオキシンを直接分析することを特徴とするダ
    イオキシン分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のダイオキシン分析装置に
    おいて、 上記超音速ジェット流を形成する噴出手段が、矩形状の
    噴出流を形成するスリットノズルを備えたことを特徴と
    するダイオキシン分析装置。
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