JP3281876B2 - ダイオキシン類分析装置及び燃焼制御システム - Google Patents

ダイオキシン類分析装置及び燃焼制御システム

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JP3281876B2
JP3281876B2 JP30343899A JP30343899A JP3281876B2 JP 3281876 B2 JP3281876 B2 JP 3281876B2 JP 30343899 A JP30343899 A JP 30343899A JP 30343899 A JP30343899 A JP 30343899A JP 3281876 B2 JP3281876 B2 JP 3281876B2
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combustion
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concentration
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば都市ゴミ焼
却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉、
熱分解炉、溶融炉等から排出される排ガス中のダイオキ
シン類を時間遅れなくリアルタイムで直接分析するダイ
オキシン類分析装置及び該分析装置の分析結果を基にし
て炉内の燃焼を制御する燃焼制御システムに関する。
【0002】
【背景技術】ダイオキシンは微量で高い毒性を有してお
り、高感度の分析法の開発が望まれている。そこで、高
感度分析が可能であるレーザ分析法の適用が考えられ、
近年超音速ジェット法と共鳴増感多光子イオン化法とを
組み合わせることにより、ダイオキシン類の一種である
塩素置換体のスペクトルを測定することが可能であると
の提案がなされている(C.Weickhardt,R.Zimmermann,U.
Bosel,E.W.Schlag,Papid Commun,Mass Spectron,7,198
(1993))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た提案では、気体試料を真空中にジェット噴出させ、瞬
時に絶対零度近傍まで冷却することで、スペクトルを単
純にする気体の分析方法であるが、ダイオキシン及びそ
の誘導体(以下「ダイオキシン類」という。)の検出限
界はppb程度としており、実際のダイオキシン分析を
行うには5〜6桁の濃縮が必要となり、検出に時間及び
手間がかかるという問題がある。
【0004】また、旧来の手作業による分析では、分析
結果がでるまでには、1乃至2ヵ月を要し、日々の焼却
炉のダイオキシン類の発生を測定し、随時燃焼制御をす
ることで常に適正な規制値を満たす運転をすることが困
難である。
【0005】さらに、上述したダイオキシン類の分析方
法は選択的なイオン化のためにパルス幅がナノ秒(10
-9秒)程度のレーザ光を用いたものが提案されている
が、塩素原子の数が多くなるについれて、いわゆる重原
子効果により、三重項系へ系間交差が起こり励起寿命が
短くなる結果、イオン信号が観察されないという問題が
ある。
【0006】また、レーザ光をサンプル分子に照射し、
選択的にイオン化させることでサンプル分子を検出する
方法が先に提案されている(特開平8−222181号
公報参照)が、サンプル分子を選択的にイオン化させる
場合には、目的とするサンプル以外は検出することがで
きず、排ガス中の現在のダイオキシン類の同族体のリア
ルタイル分析を行うことはできないという問題がある。
また、選択的イオン化の場合には検出感度良好なナノ秒
のレーザ光を利用しているが、上述したように、ダイオ
キシン類のリアルタイム分析は不可能である。すなわ
ち、当該提案では特定の一の異性体しか測定できないの
で、他の物質を測定するときには、波長掃引を行う必要
があり、この波長掃引を行って測定する場合には、その
度に波長を可変させる調整が必要となり、この調整に時
間を要する結果、排ガス中のリアルタイムのダイオキシ
ン類の同族体の分析ができないという問題がある。ま
た、当該提案では選択イオン化は波長が数pm(ピコメ
ートル)のズレの変化で検出ピークが発現しないので、
常に波長の校正が必要となり、実装業している焼却炉に
隣接してダイオキシン類の検出を行う場合には、振動等
を防止するために大がかりな耐震手段が必要となると共
に、波長校正の度にダイオキシン類の計測が中断される
という問題がある。
【0007】一方、従来においてCO濃度を測定するこ
とにより、ダイオキシン類の濃度を推定し、焼却炉等の
燃焼制御することが提案されているが、CO濃度が10
0ppmと高い場合には、CO濃度とダイオキシン類濃
度との相関関係があることは確認されている。しかしな
がら、図14に示すように、CO濃度が50ppm以下
の低い濃度の領域になると、ダイオキシン類濃度とCO
濃度とに濃度相関がなくなり、CO濃度の測定のみで
は、ダイオキシン類の発生を防止した有効な燃焼制御が
できないという問題がある。特に、近年においては低C
O濃度の燃焼制御が確立した結果、ダイオキシン類を直
接測定した瞬時の計測により、ダイオキシン類の発生を
適格に防止することが要望されている。
【0008】さらに、従来よりダイオキシン類との濃度
相関があるとされているクロロベンゼン(CB)やジク
ロロベンゼン(DCB)等のダイオキシン類の分解生成
物であるダイオキシン類前駆体を測定する場合では、ダ
イオキシン類を直接測定するものではないので、焼却炉
内状態を適格に判定することができず、排ガス中におけ
るリアルタイム分析が要望され、その結果を燃焼制御に
利用することが要望されている。すなわち、ダイオキシ
ン類の分解生成物が減少したことがダイオキシン類の発
生が抑制された結果生じたのか、ダイオキシン類は未だ
発生しているがダイオキシン類の分解が抑制された結果
なのかの判定が不可能であった。また、ダイオキシン類
の濃度相関物質を測定する場合には、上述したように、
選択イオン化では特定の一種類の物質を測定しているの
で、レーザ光の光軸のズレやサンプリング配管の目詰ま
り等の他の要因で実際にはダイオキシン類が発生してい
るにもかかわらず検出できない場合には、適格にダイオ
キシン類の濃度を測定することはできないという問題が
ある。また、これを解消するためには、測定装置を2台
設け参照しつつ分析することが必要となるが、分析装置
が大がかりとなるという問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する[請
求項1]の発明は、排ガス中のダイオキシン類を含む燃
焼ガスを直接採取する採取手段と、該ダイオキシン類を
含む採取ガスを超音速ジェット流を形成するパルスバル
ブを有するノズルを用いて真空チャンバ中に噴出する噴
出手段と、該噴出された超音速ジェット流中に2〜50
0フェムト秒のフェムト秒のレーザ光を照射し、共鳴増
感イオン化過程にてダイオキシン類の同族体及び前駆体
全てを同時に分子イオン化するレーザ照射手段と、生
成した分子イオンのダイオキシン類の分析を行う飛行時
間型質量分析装置とを備えてなり、燃焼ガス中のダイオ
キシン類の同族体を直接分析することを特徴とする。
【0010】[請求項]の発明は、請求項1におい
て、上記レーザ光の波長が240〜350nmの範囲の
いずれかの固定波長であることを特徴とする。
【0011】[請求項]の発明は、請求項1におい
て、上記噴出手段がイオンの飛行方向と同軸方向に採取
ガスを噴出するパルスバルブを備えてなり、該パルスバ
ルブから噴出する噴流と直交する方向からレーザ光を照
射することを特徴とする。
【0012】[請求項]の発明は、請求項1におい
て、上記噴出手段のノズルがスリットノズルであること
を特徴とする。
【0013】[請求項]の発明は、請求項1におい
て、上記採取手段が排ガス中の灰を除去するフィルタを
備えた採取管であることを特徴とする。
【0014】[請求項]の発明は、請求項におい
て、上記採取手段が逆洗浄手段を備えてなることを特徴
とする。
【0015】[請求項]の発明は、請求項1におい
て、上記採取管の先端が焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の
炉内又は排ガス煙道内の少なくとも1箇所に設けてなる
ことを特徴とする。
【0016】[請求項]の発明は、請求項1におい
て、上記飛行時間型質量分析装置がリフレクトロン型の
質量分析装置であることを特徴とする。
【0017】[請求項]の発明は、排ガス中のダイオ
キシン類を2〜500フェムト秒の フェムト秒のレーザ
光を照射し、共鳴増感イオン化過程にてダイオキシン類
の同族体及び前駆体の全てを同時に分子イオン化し、ダ
イオキシン類同族体及び前駆体の全てを同時に分析する
ことを特徴とする。
【0018】[請求項10]の発明は、焼却炉,熱分解
炉,溶融炉の炉内に燃焼物を投入し、燃焼による発生熱
量を一定に維持するとともに、ダイオキシン類などの有
害ガスの発生を抑制する焼却炉における燃焼制御システ
ムにおいて、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等からの排ガス
中のダイオキシン類を瞬時に計測可能な請求項1乃至
のいずれか一項のダイオキシン類分析装置と燃焼用空気
制御手段とを具備し、ダイオキシン類濃度を時間遅れな
く検出し、検出したダイオキシン類濃度に応じて燃焼空
気量を変化させることを特徴とする。
【0019】[請求項11]の発明は、請求項10にお
いて、燃焼用空気の制御手段が一次燃焼空気又は二次燃
焼空気のいずれか一方又は両方の空気量及び酸素濃度を
制御することを特徴とする。
【0020】[請求項12]の発明は、焼却炉,熱分解
炉,溶融炉の炉内に燃焼物を投入し、燃焼による発生熱
量を一定に維持するとともに、ダイオキシン類などの有
害ガスの発生を抑制する焼却炉における燃焼制御システ
ムにおいて、焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排ガス中
のダイオキシン類を瞬時に計測可能な請求項1乃至
いずれか一項のダイオキシン類分析装置と、排ガス中の
煤塵を除去する除塵除去手段とを具備し、ダイオキシン
類濃度を時間遅れなく検出し、検出したダイオキシン類
濃度に応じて上記除塵除去手段にダイオキシン類を吸着
する吸着剤の吹付け量を変化させることを特徴とする。
【0021】[請求項13]の発明は、焼却炉,熱分解
炉,溶融炉の炉内に燃焼物を投入し、燃焼による発生熱
量を一定に維持するとともに、ダイオキシン類などの有
害ガスの発生を抑制する焼却炉における燃焼制御システ
ムにおいて、焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排ガス中
のダイオキシン類を瞬時に計測可能な請求項1乃至
いずれか一項のダイオキシン類分析装置と燃焼用空気制
御手段と排ガス中の煤塵を除去する除塵除去手段とを具
備し、ダイオキシン類濃度を時間遅れなく検出し、検出
したダイオキシン類濃度に応じて燃焼空気量を変化させ
ると共に、検出したダイオキシン類濃度に応じて上記除
塵除去手段にダイオキシン類を吸着する吸着剤の吹付け
量を変化させることを特徴とする。
【0022】[請求項14]の発明は、焼却炉,熱分解
炉,溶融炉の炉内に燃焼物を投入し、燃焼による発生熱
量を一定に維持するとともに、ダイオキシン類などの有
害ガスの発生を抑制する焼却炉における燃焼制御システ
ムにおいて、焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排ガス中
のダイオキシン類を瞬時に計測可能な請求項1乃至10
のいずれか一項のダイオキシン類分析装置を具備し、ダ
イオキシン類濃度を時間遅れなく検出し、検出したダイ
オキシン類濃度に応じて排ガス中に助燃ガスを送給し、
排ガス中のダイオキシン類を燃焼させることを特徴とす
る。
【0023】[請求項15]の発明によれば、焼却炉,
熱分解炉,溶融炉の炉内に燃焼物を投入し、燃焼による
発生熱量を一定に維持するとともに、ダイオキシン類な
どの有害ガスの発生を抑制する焼却炉における燃焼制御
システムにおいて、焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排
ガス中のダイオキシン類を瞬時に計測可能な請求項1乃
至8のいずれか一項のダイオキシン類分析装置と燃焼用
空気制御手段と排ガス中の煤塵を除去する除塵除去手段
とを具備し、ダイオキシン類濃度を時間遅れなく検出
し、検出したダイオキシン類濃度に応じて燃焼空気量を
変化させると共に、検出したダイオキシン類濃度に応じ
て排ガス中に助燃ガスを送給し、排ガス中のダイオキシ
ン類を燃焼させることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
【0025】図1は本実施の形態にかかるダイオキシン
類分析装置の概略図である。
【0026】図1に示すように、本実施の形態にかかる
ダイオキシン類分析装置は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉
等(以下単に「炉」ともいう)から排出されるダイオキ
シン類を含む燃焼ガス10を炉内の煙道11から直接採
取する先端にフィルタ12を備えた採取管13からなる
採取手段14と、該ダイオキシン類を含む採取ガス15
を超音速ジェット流16を形成するパルスバルブを有す
るノズル17を用いて真空チャンバ18中に噴出する噴
出手段19と、該噴出された超音速ジェット流16中に
スペクトル幅の広いレーザ光20を照射し、共鳴増感イ
オン化過程にてダイオキシン類の同族体の分子イオン2
1を形成するレーザ照射手段22と、生成した分子イオ
ン21のダイオキシン類の分析を行うイオン検出器23
を備えた飛行時間型質量分析装置24とを備えてなり、
燃焼ガス11中のダイオキシン類の同族体を直接分析す
るようにしたものである。また、図1中、符号25はパ
ルス発生器,26はパルスドライバ,28はデジタルオ
シロスコープ,29は情報処理装置,30は光検出器,
31〜34は電極,35はミラー,36は集光レンズ及
び37はレーザ導入窓を各々図示する。
【0027】上記装置において、レーザ照射手段22か
らのレーザ光は反射ミラー35を介して反射されたレー
ザ光は集光レンズレンズ36にて集光レンズし、レーザ
導入窓37から真空チャンバー18内に導入する。一
方、炉中からの採取ガス15は噴出手段19であるパル
スノズル17に送られる。パルス発生器25にてTTL
信号を生成し、パルスドライバー26を制御し、パスル
ノズルを一定時間(200〜500μs)だけ、開放す
ることで、超音速ジェット流16を形成する。該超音速
ジェット中の分析対象分子が電極31と電極32との間
に到達した時点でレーザ光が照射されるように、パルス
発生器25よりディレイ信号を生成し、スペクトル幅の
広いレーザ光20を制御するようにしてある。レーザ光
はパルス状であるので、レーザが発振していない時間に
試料を導入することは、真空系の負担を増加させると共
に、分析に必要な試料量を徒に増加させることとなり、
好ましくない。そこで、レーザ発振している時間に同期
させて試料をパルス状に導入可能のようにしている。
【0028】生成した分子イオン21は、電極31,3
2,33,34にて形成される電子レンズにて電場を印
加し、イオン検出器23にて検出する。本システムで
は、飛行時間型質量分析装置を構成しているので、イオ
ン化ポテンシャルの低い分子が混在し、非共鳴イオン化
過程で仮にイオンを発生しても、質量数の差から、目的
分子と区別することが可能となる。上記イオン検出器2
3においてイオン数に比例した電気信号を得ることがで
きるので、プリアンプ27にて増幅し、デジタルオシロ
ースコープ28にて質量スペクトルが観測できる。質量
スペクトルの処理をおこなうために、情報処理装置29
に送られ、ここで信号処理が行われる。
【0029】このように本発明では共鳴多光子イオン化
法(Resonance Enhanced Multiphoton Ionization :REM
PI) と飛行時間型質量分析装置(Time of Flight Mass S
pectroscopy:TOFMAS) の併用すると共に、レーザ光とし
てスペクトル幅の広いもの(フェムト秒レーザ) を使用
することにより、ダイオキシン類の同族体を同時に測定
することができる。
【0030】本発明では飛行時間型質量分析計24で質
量スペクトルを計測するものであるが、例えば長期間の
計測において、レーザ強度が変化するとパターンが変化
するので、レーザ光の強度を検出する光検出器38を設
け、該光検出器38においてレーザ強度をモニターし、
必要があればレーザ強度にて規格化し、強度補正を行い
質量スペクトルデータの精度を向上させるようにしても
よい。
【0031】本発明では、レーザ光20として波長の長
いレーザ光を用いているので、燃焼ガス中のダイオキシ
ン類の同族体のイオン化が同時に可能である。なお、仮
にイオン化ポテンシャルの低い分子が混在して非共鳴イ
オン化過程にてイオンが生成する場合でも、本発明では
飛行時間型質量分析装置を用いてイオンを検出している
ので、飛行時間の差により正確な分析が可能となる。
【0032】ここで、本発明では、上記採取手段14の
採取管13の先端に設けられたフィルタ12は高温に耐
えられる金属製のフィルタが好適であり、採取管13の
目詰まりを防止するために、フィルタのダスト除去率が
99%以上のものを用いることが好ましい。
【0033】また、上記採取手段14の採取管13のフ
ィルタ12の目詰まりを防止するために、例えば窒素ガ
スパージ等による逆洗浄を行う逆洗浄手段を設けるよう
にしている。この目詰まりの状態はスペクトル幅の広い
レーザ光を用いているので、ダイオキシン類以外の複数
の有機分子も同時にイオン化することとなるので、当該
ダイオキシン類以外の有機分子(例えばベンゼン等)を
指標とし、該有機分子の信号強度変化を監視することに
より、目詰まりを監視することができる。或いは信号強
度の変化に関係なく、一定時間の経過毎に窒素ガスのパ
ージを行って逆洗浄を行うようにしてもよい。
【0034】また、採取管13の先端は炉内又は煙道内
の燃焼排ガスの高温に晒されているので、当該部分では
ダイオキシン類の再合成のおそれはない。よって、炉内
又は煙道内のダイオキシン類の同族体の分布そのものを
直接採取できることになる。
【0035】なお、本実施の形態では上記フィルタ12
を煙道内に設けたが、採取管13の途中に介在させるよ
うにしてもよい。
【0036】上記採取手管13の周囲には保護手段13
aにより覆われており、配管温度が120〜200℃と
なるように保持している。これは120℃未満である
と、燃焼ガス11中には水分が多く含まれているので、
その凝集を防止するためであり、一方200℃以上の高
温となるとダイオキシン類の再合成が開始するのでこれ
を防ぐためである。
【0037】また、排気ガスの吸引速度は0.5〜1.0リ
ットル/分程度とするのがよい。これは排気ガス中のサ
ブミクロン単位のダストが配管に付着することがないよ
うにするためである。
【0038】また、上記採取管13は、その内部は例え
ばシリカ等のコーティング材料等によりコーティングさ
れた配管(例えばシリコスチール)を用いることが好ま
しい。これは採取管13内にダイオキシン類が付着する
のを防止するためである。
【0039】上記波長の長いレーザ光としては、励起レ
ーザにはフェムト秒パルスレーザ(1fs=10
-15 s)を使用するのが好ましい。上記スペクトル幅の
広いレーザ光としては、具体的には計測対象とする分子
の電子励起状態の寿命よりも短いパルス幅のレーザ光で
ある。特に好適には、レーザ光が2〜500フェムト秒
のフェムト秒レーザ光(更に好適には150〜300フ
ェムト秒)である。
【0040】上記フェムト秒のレーザ種類は半導体レー
ザ、エキシマレーザ、チタンサファイヤレーザの3倍波
が使用可能である。
【0041】また、測定波長は、ダイオキシン類及びダ
イオキシン類の前駆体等が励起・イオン化する波長であ
れば特に限定されるものではないが、240〜350n
mの範囲のいずれかの固定波長である。これは、フェム
ト秒のレーザのスペクトル幅は広いでの、分析対象の種
類に応じた厳密な波長を選択する必要がないからであ
る。
【0042】すなわち、図5(A)に示すように、任意
の固定波長(248nm)のパルス幅500fsのパル
スレーザ光を、トルエンとモノクロロベンゼンとの混合
物に照射した場合でも、両者のピークが観測され、イオ
ン化分析が可能となった。一方、図5(B)に示すよう
に、パルス幅15nsのパルスレーザ光を照射する場合
には、トルエンとモノクロロベンゼンとの混合物にナノ
秒のレーザ光を照射しても、モノクロロベンゼンのイオ
ン化ができず、トルエンのみのピークが観測された。こ
れはナノ秒レーザ光の場合では、モノクロロベンゼンは
レーザ光の照射により励起されるものの、塩素基がある
ので、イオン化の効率が悪くなることに起因するもので
ある。
【0043】ハイゼンベルグの不確定性の原理からレー
ザのパルス幅を短くした場合、波長分解能は悪くなる。
例えば300フェムト秒のパルスの場合、図6()に
示すように、分解能は8nm程度に広がり、複数のダイ
オキシン類を同時に励起,イオン化(黒ピーク)が可能
となる。一方、従来のようなナノ秒パルスレーザでは、
図6(A)に示すように、0.6pmの高分解能の場合に
は、選択的にしかイオン化ができない。更に、ダイオキ
シン類の塩素原子の重原子効果により、イオン化効率が
低下するため感度不足になり、検出できないものとな
る。よって、本発明のような電子励起状態の寿命以下の
超短パルスレーザ(フェムト秒レーザ)を使用すること
で、ダイオキシン類の同族体の検出が可能となる。
【0044】なお、ダイオキシン類の同族体に分析にお
いて、分子量が異なる試料の場合には、質量スペクトル
より直ちに識別が可能であり、同一分子量の場合におい
ても、目的質量数のイオン信号の波長依存性を予め検出
することで、異性体の識別が可能となる。
【0045】ここで、排ガス中のダイオキシン類の規制
値として0.1ng−TEQ/Nm3(ダイオキシン類の
実濃度では5ng/Nmに相当)に相当するダイオキシ
ン類の特定異性体及び前駆体を検出する場合の検出感度
は、ダイオキシン類の特定異性体とした例えば5塩素の
ジベンゾフランの総濃度は0.5ng/Nm(0.03pp
tV),ダイオキシン類の前駆体の一例であるクロロベ
ンゼン総濃度は2000ng/Nm(4pptV)、モ
ノクロロベンゼンは200ng/Nm(20ppt)が
要求されるが、本発明では選択的にイオン化するもので
はなく、ダイオキシン類の同族体及び前駆体をすべてイ
オン化するので、総量を測定することができる。また、
図7及び図8に示すように、炉からの排ガス中のダイオ
キシン類の分布状態を測定すると、ガス状のダイオキシ
ン類同族体の分布は毒性が強いとされている四塩化ジベ
ンゾ−p−ダイオキシン(T4 CDD)、五塩化ジベン
ゾ−p−ダイオキシン(T5 CDD)等のダイオキシン
同族体よりも四塩化ジベンゾ−p−フラン(T4 CD
F)〜七塩化ジベンゾ−p−フラン(T7 CDF)のフ
ラン同族体の濃度が高く、これらのフラン同族体を測定
することでダイオキシン類の相対的な量を測定すること
ができる。
【0046】図9及び図10は四塩化ジベンゾ−p−フ
ラン(T4 CDF)及び五塩化ジベンゾ−p−フラン
(T5 CDF)の各々のスペクトルの理論計算結果を示
すが、検出ピークが260nm近傍にあり、四塩素のも
のよりも5塩素のものが270nm側に移動している
が、八塩化ジベンゾ−p−フラン(T8 CDF)も27
5nm近傍にピークを有しており、例えば260nmの
波長域でのレーザ光を照射することでイオン化され、測
定が可能であることが実証されている。
【0047】本発明のレーザ光20を採取ガス15に照
射し、イオン化させる位置は従来の分子線分光法で用い
られているノズル径(D)とノズル位置とレーザ光の照
射位置との距離(x)との関係式であるx/D=10〜
70の範囲(好適には15<x/D<50)とするのが
よく、更に好適にはx/D=31前後である。具体的に
はノズル径が0.8mmの場合、ノズル穴から25mm程
度の位置でレーザ光を照射するようにしている。なお、
フェムト秒レーザ光を用いた場合には、ノズルから噴出
した直後では未だ分子衝突が起こり、冷却が十分でない
が、試料が並進状態となった以降であれば、十分に励起
・イオン化が可能となる。これは、選択的にイオン化す
る場合には、感度選択性を向上させるために絶対零度近
傍まで十分に冷却することが必要となるが、本発明では
選択的イオン化が不要であるので、十分に冷却する必要
がないからである。
【0048】次に、本発明のフェムト秒レーザ光を用い
たダイオキシン類の同族体の計測の向上を図るには、上
記噴出手段19が分子イオン21の飛行方向と同軸方向
に採取ガス15を噴出するパルスバルブを有するノズル
17を備えてなり、該ノズル17のパルスバルブから噴
出する超音速ジェット流16の噴流と直交する方向から
レーザ光20を照射するようにすればよい。
【0049】本発明では超音速ジェット噴流16を形成
する分子ビームの噴出する方向がイオンの飛行方向と同
軸方向[X軸方向]としているので、図2(A)に示す
ように、噴出された採取ガス中のダイオキシン類のイオ
ン化された全てのイオン(軽いイオン〜重たいイオン)
がイオン検出器23に到達することになる。一方、ナノ
秒レーザ光を用いた選択的なイオン化の場合において
は、図2(B)に示すように、超音速ジェット噴流16
を形成する分子ビームの噴出方向[Y軸方向]とイオン
飛行方向[X軸方向]とが直交するようにしており、イ
オンの重さにより、電場を付加することで、所望のイオ
ンをイオン検出器へ導入するようにしているので、全て
のイオンをイオン検出器に導くことは困難である。よっ
て、ダイオキシン類の同族体並びに分解生成物等のダイ
オキシン類前駆体を計測するためには、分子ビーム方向
と、イオン飛行方向とが同一方向であることが肝要とな
る。例えば、軽いイオンがベンゼンであり、重いイオン
がダイオキシン類であり、中間の重さのイオンがダイオ
キシン類の前駆体であるような場合には、図2(A)の
場合では、イオン化されたもの全てが検出器に到達する
が、図2(B)の場合には、特定の1種類のみしか到達
できず、同族体分布の同時測定精度が低下するものとな
る。また、図2(B)のような場合では、電極の電場の
関係により電極の一側面からレーザを照射するので電場
を乱し、ノズルと電極との距離を近接することができな
かったが、図2(A)のようにすることで電場を乱すこ
とがなくなり、ノズル17と電極31との距離を近接す
ることができ、試料密度の高い状態でレーザ光を照射す
ることができ、検出感度を向上させることができる。
【0050】図3はダイオキシン類のイオン雲が検出器
に飛行する状態を示す概略図である。図3では、電極3
1〜34が配され、電極31にはVs 電極32にはVd
の電圧がかけられている。ここで、電極31と電極32
との間にイオン雲39が形成され、この間の電極31と
電極32との距離は例えば0.8cmであり、電極32と
電極33との距離は例えば0.5cmとしている。形成さ
れたイオン雲39は長さLの飛行管内(図示せず)を飛
行して、イオン検出器23より検出される。ここで、レ
ーザによりイオン化された領域は有限の広がりを持って
おり、イオンの生成位置によって加速のされ方が異な
り、同じ質量数でも異なった時間にイオン検出器23に
到達することになり、分解能の低下が生ずる。このた
め、電極31と電極32との2段加速によりイオンを加
速し、イオン検出器23に到達する際にはイオンの形状
を偏平とさせ、同時にイオン化されたものを時間遅れな
く同時に検出することで、検出感度の向上を図ってい
る。
【0051】次に、本発明にかかるスリットノズルから
の真空チャンバ中への試料の噴出形態を改良し、濃縮等
の工程を施すことなく高感度に直接且つ迅速にダイオキ
シンを検出する手段について説明する。
【0052】従来より、検出感度を向上させる方法とし
て、レーザ光の集光レンズの集光度を高くすることが知
られているが、このような方法によっては十分な検出感
度の向上を図ることができないので、本発明では、スリ
ットノズルからの噴出形状を矩形状とすることで、さら
に検出感度の向上を図ることとした。
【0053】図4に示すように、スリットノズル17は
矩形状の噴出孔17aを有しており、ヘリウムガスに随
伴されたダイオキシン類は真空チャンバ(図示せず)中
にジェット流16を形成している。本発明では、スリッ
トノズル17の噴出孔17aの形状を、矩形状としてい
るので、噴出されるジェット流16は照射されるレーザ
光20の進行方向に矩形状となり、この領域で有効にイ
オン化されることとなる。なお、図3中ではレーザ光2
0は、紙面に直交する方向に照射される。図4中、符号
斜線部分Aはその実際にイオン検出できるイオンが存在
する領域であるイオン化有効体積(斜線部分)を示す。
【0054】これにより、ピンホール型のノズルのもの
より、十分が感度を得ることが可能となった。本実施の
形態においては、ダイオキシン含有率(C)=10-14
=0.01pptであれば濃縮をすることなく、検出が可
能となった。よって、超音速ジェットで生成した分子ビ
ーム16と、レーザ光20が照射できる領域が重なる部
分が大きくなることにより、検出感度が更に向上するこ
ととなる。
【0055】さらに、図4に示すように、本発明の矩形
状の噴出孔17aを有するスリットノズル17のガス噴
出側に気流抑制部材17bを設けることにより、分子ビ
ーム16はさらに矩形状の短軸方向の拡がりを抑制する
ことができる。この結果、気流抑制部材17bを設けな
い場合に較べてレーザが照射されない分子の個数が激減
し、更なる感度の向上を図ることができる。
【0056】また、図3に示すメッシュ電極31,3
2,33の形状、イオン検出器23であるイオン検出用
MCP(Microchannel plate: マイクロチャンネルプレ
ート)の形状を矩形状とすることで、イオンを無駄なく
捕集することが可能となり、さらに、感度の向上を達成
することが可能となる。
【0057】次に本発明の測定装置の具体的な他の実施
の形態について説明する。
【0058】図11はレーザ発光装置と分子ビーム流を
形成する真空チャンバとを一体としたダイオキシン類分
析装置の概略図である。図11に示すように、本実施の
形態のダイオキシン類分析装置は、焼却炉,熱分解炉,
溶融炉等から排出されるダイオキシン類を含む燃焼ガス
11を炉内から直接採取する先端にフィルタ(図示せ
ず)を備えた採取管13と、該ダイオキシン類を含む採
取ガス15を超音速ジェット流16を形成するパルスバ
ルブ17aを有するノズル17を用いて真空チャンバ1
8中に噴出する噴出手段19と、該噴出された超音速ジ
ェット流16中にスペクトル幅の広いレーザ光20を照
射し、共鳴増感イオン化過程にてダイオキシン類の同族
体の分子イオン21を形成する光学ベンチ40の上に搭
載されたレーザ照射手段22と、生成した分子イオン2
1が飛行する飛行管41内のダイオキシン類の分析を行
うイオン検出器23を備えたリフレクトロン42を備え
たリフレクトロン型の飛行時間型質量分析装置24と、
イオン検出器での検出情報の処理を行う情報処理装置2
9とを一体に構成してなるものである。具体的には、例
えば高さ2m×幅1.5m×長さ2mにコンパクト化し
たものを提供することができ、炉内の近傍に設置して燃
焼ガス11中のダイオキシン類の同族体を瞬時に直接分
析するようにしたものである。また、図1中、符号43
はゲートバルブ,44,45は真空チャンバ18及び飛
行管41内を減圧する排気手段,46は真空排気系電源
制御盤及び47はレーザシステム電源を各々図示する。
【0059】ここで、上記光学台40上のレーザ照射手
段22と分析装置24とを同一架台に配置しているの
で、別配置にする場合に比べ、架台毎の固有の振動によ
る波長校正が不要となり、感度の向上を図ることができ
る。
【0060】本発明では質量分析装置24はリフレクト
ロン型のものを使用しており、顕出感度の向上を図って
いる。これは、同一質量のイオンのうち、より大きな
(小さな)並進エネルギーをもつものは折り返しの際に
電場により深く(浅く)入り込むことによって実効的に
長い(短い)距離を飛行する。このため、エネルギーの
異なるイオンを同時刻に検出器に収束させることができ
ることによるからである。なお、試料中の有機ガスによ
るイオン検出器(MCP)23の劣化を防止するために
は、十分な排気手段とすることでこれを防止することが
できる。ここで、上記装置構成においては、真空チャン
バ18内は10-5torr(1.33×10-3Pa)、飛
行管41内は10-7torr(1.33×10-5Pa)と
している。
【0061】このように、本発明のダイオキシン類分析
装置を用いることにより、レーザ波長を掃引することな
くダイオキシン類の同族体を同時にイオン化して計測す
ることが可能となる。よって、従来のような選択的なイ
オン化による単一物質のみの計測では炉内における対象
物質の濃度が低下した場合と、サンプリング時における
以上で計測装置に導入された対象分子の濃度が見掛け上
低下した場合の区別を行うことは困難であるが、本発明
によればダイオキシン類を直接分析することによりその
ようなことが解消される。
【0062】また、従来の計測法においては、特定の一
の異性体しか測定できないので、他の物質を測定すると
きには、波長掃引を行う必要があり、この波長掃引を行
って測定する場合には、その度に波長を可変させる調整
が必要となり、この調整に時間を要する結果、排ガス中
のリアルタイムのダイオキシン類の同族体の分析ができ
ないが、本発明によればダイオキシン類の同族体の分析
が可能となり、波長掃引及び波長校正が不要となり、連
続的な長期間の計測におけるランニングコストの大幅な
低下を図ることができる。
【0063】また、従来ではダイオキシン類の分解生成
物が減少したことがダイオキシン類の発生が抑制された
結果生じたのか、ダイオキシン類は以前発生しているが
ダイオキシン類の分解が抑制されたの結果なのかの判定
が不可能であったが、本発明によれば、ダイオキシン類
の直接計測ができるので、燃焼制御に正確な情報を提供
することができる。
【0064】また、従来の選択イオン化においてダイオ
キシン類の濃度相関物質を測定する場合には、特定の一
種類の物質を測定しているので、レーザ光の光軸のズレ
やサンプリング配管の目詰まり等の他の要因で実際には
ダイオキシン類が発生しているにもかかわらず検出でき
ない場合には、確実にダイオキシン類の濃度を測定する
ことはできないという問題があったが、ダイオキシン類
以外の有機分子も同時に計測することができるので、当
該有機分子の挙動を監視することで、目詰まり等の不具
合が瞬時に判定でき、従来のような測定装置と参照装置
とを2台設けつつ分析することが不要となり、測定設備
の簡略化を図ることができる。
【0065】次に本発明の測定装置を用いた炉の制御方
法の実施の形態について説明する。
【0066】図12は燃焼制御システムの概略図であ
る。図12に示すように、本実施の形態の制御システム
は、炉51内に燃焼物52を投入し、燃焼による発生熱
量を一定に維持するとともに、ダイオキシン類などの有
害ガスの発生を抑制する焼却炉における燃焼制御システ
ムにおいて、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の炉51内の
ダイオキシン類を瞬時に計測可能なダイオキシン類分析
装置53と燃焼用空気制御手段54とを具備し、ダイオ
キシン類濃度を時間遅れなく検出し、検出したダイオキ
シン類濃度に応じて燃焼空気量を変化させるシステムで
ある。ここで、本実施の形態での焼却炉51は流動床炉
であり、底部に流動層55を有した構成となっている。
前記流動層55の下流側には、燃焼物52を燃焼した後
の灰を所定の位置に搬送する灰シュート56が配置され
ている。前記流動層55には、一次燃焼空気量制御弁5
7を介在させた配管58を介して押込送風機59が接続
されている。
【0067】一次燃焼空気は、流動層55の下部から任
意の箇所に供給されるようになっている。また、流動床
炉51の下部側寄りには、二次燃焼空気量制御弁60を
介在させた配管61を介して押込送風機62が接続され
ている。ここで、二次燃焼空気は、一次燃焼にて発生し
た燃焼ガスを流動床炉51の上部にて燃焼させる働きを
する。
【0068】前記流動床炉51の下部側壁には、都市ご
み等の燃焼物を流動層55内に投入する燃焼物供給ホッ
パ63が設けられている。このホッパ63の下部側に
は、モータにより駆動して燃焼物52を流動層55に押
し出すフィーダ64が設けられている。このフィーダ6
4により送られてきた燃焼物52は、流動層55内でガ
ス化され、流動層55の上部の流動床炉51内で燃焼す
る。
【0069】前記流動床炉51の上段には、流動床炉5
1で燃焼して得られた高温の燃焼ガスを冷却するボイラ
65、有毒ガス,粒子状物を除去する排ガス処理設備6
6、排ガスを誘引する誘引送風機67、及び排ガスを大
気中に放出する煙突68が順次接続されている。また、
前記排ガス処理設備66の上部付近には、該設備66内
に消石灰,活性炭等を必要に応じて噴霧する噴霧装置6
9が配置されている。
【0070】前記流動床炉51の上部には、炉内の燃焼
ガス中のダイオキシン類濃度を瞬時に計測可能な計測手
段としてのダイオキシン類分析装置53が設けられてい
る。この分析装置53は、図1又は図11に示す構成か
らなり、測定情報はコントローラ71に電気的に接続さ
れている。前記コントローラ71は、前記一次燃焼空気
量制御弁57及び二次燃焼空気量制御弁60及び酸素量
調整弁73及び助燃バーナ72にそれぞれ電気的に接続
されている。
【0071】燃焼制御はダイオキシン類の濃度に応じ
て、前記一次燃焼空気量制御又は二次燃焼空気量制御、
燃焼空気の酸素濃度制御、若しくはこれらの全てを必要
に応じて行うようにすればよい。
【0072】また、前記前記コントローラ71には予測
制御手段を内在された場合には、ダイオキシン類分析装
置53による計測結果に基づく時系列データからダイオ
キシン類濃度の変動を予測することができる。予測制御
手段は、ベースライン(平均値)の制御を行うファジー
制御器と、ダイオキシン類濃度の発生を抑制するカオス
制御器とを有している。
【0073】ここで、カオス制御器は、ダイオキシン類
分析装置53による計測結果に基づく時系列データから
ある一定時刻先のダイオキシン類濃度を予測し、ピーク
が発生すると予測した場合に、二次燃焼空気量を増やす
ような操作量を算出する。ファジー制御器は、排ガスに
よる計測結果とダイオキシン類濃度設定値の偏差から、
それを0とするような操作量を算出する。カオス制御器
で求めた操作量と、ファジー制御器29による操作量と
を合わせた操作量により、一次燃焼空気量制御弁57及
び二次空気量制御弁60を操作し、プラントのダイオキ
シン類濃度を制御する。
【0074】こうした構成の燃焼制御装置のカオス理論
を用いた燃焼制御操作の一例を以下に示すが、本発明の
燃焼制御は以下に限定されるものではない。まず、燃焼
物供給ホッパ63から都市ごみ等の燃焼物52を流動床
炉51の流動層55に投入する。投入された燃焼物は流
動層55内でガス化され、流動床炉51内で燃焼する。
そして、その排ガスは、ボイラ65で冷却され、ろ過式
集塵機等の排ガス処理設備66で有害ガス,粒子状物を
除去され、誘引送風機67により誘引され、煙突68よ
り大気中に放出される。一方、流動床炉51の上部では
ダイオキシン類分析装置53によりダイオキシン類濃度
が瞬時に計測され、その計測結果による信号を予測制御
装置(図示せず)へ送り、この予測制御装置でダイオキ
シン類濃度の変動予測をカオス理論で行った後、予測制
御装置による信号をコントローラ71に送り、一次燃焼
空気量制御弁57,二次燃料空気量制御弁60の夫々の
開度を調節して一次燃焼空気量,二次燃焼空気量の調整
を行う。
【0075】このように、流動床炉51の上部にダイオ
キシン類分析装置53を取り付け、炉内の燃焼ガス中の
ダイオキシン類濃度をリアルタイムで計測し、その時系
列データからカオス理論を用いた予測制御装置により一
酸化炭素の濃度の変動を予測し、これに基づいて流動床
炉51の下部側での一次燃焼空気量,二次燃焼空気量を
調整するため、ダイオキシン類濃度のピークを所定値以
下に抑制し、ダイオキシン類の発生量を低減することが
できる。
【0076】今後新設する炉の炉出口におけるダイオキ
シン類濃度は0.5ng−TEQ/Nm2 を目標としてお
り、当該濃度を計測することが必要となる。0.1ng−
TEQ/Nm2 に想到するダイオキシン類濃度に相当す
るモノクロロベンゼン(ダイオキシン類の前駆体)及び
5塩素ジベンゾフラン(P5 CDF)の濃度はそれぞれ
20ng/Nm3 と0.5ng/Nm3 であり、本発明の
装置を用いることによりこの濃度の検出が可能となる。
【0077】本発明のダイオキシン類分析装置を用いる
ことにより、炉内及び排ガス煙道のダイオキシン類の濃
度を5〜20秒程度の時間的な遅れでリアルタイムの検
出が可能となる。よって、図13に示すように、炉内の
ダイオキシン類(DXN)のピークAに引き続き計測器
で検出される信号Bが追従する形で計測がなされるの
で、ダイオキシン類の濃度が向上したことを計測するこ
とにより、直ちに上述した制御を行うことにより、ダイ
オキシン類の発生が制御されたピークCを検出すること
となる。
【0078】排ガスを採取する場所は上述したように炉
内の限定されるものではなく、炉からボイラ65への煙
道、ボイラ65から排ガス処理設備66の煙道内に必要
に応じて配置することができる。
【0079】特に、ボイラ65と排ガス処理設備66と
の間にダイオキシン類分析装置53を設置することによ
り、炉内ではダイオキシン類の発生がない場合、炉の後
流でダイオキシン類前駆体の再合成によりダイオキシン
類が発生したことが判定でき、噴霧装置69から吸着剤
である活性炭を噴霧することで排ガス中のダイオキシン
類を吸着することができ、外部へ排出することを防止す
ることができる。
【0080】また、活性炭を噴霧する代わりに副燃焼手
段である助燃バーナ72を煙道に設置し、発生したダイ
オキシン類を燃焼処理することもできる。
【0081】
【発明の効果】以上述べたように、[請求項1]の発明
によれば、排ガス中のダイオキシン類を含む燃焼ガスを
直接採取する採取手段と、該ダイオキシン類を含む採取
ガスを超音速ジェット流を形成するパルスバルブを有す
るノズルを用いて真空チャンバ中に噴出する噴出手段
と、該噴出された超音速ジェット流中に2〜500フェ
ムト秒のフェムト秒のレーザ光を照射し、共鳴増感イオ
ン化過程にてダイオキシン類の同族体及び前駆体の全て
を同時に分子イオン化するレーザ照射手段と、生成した
分子イオンのダイオキシン類の分析を行う飛行時間型質
量分析装置とを備えてなるので、従来のようなCOを測
定してり、ダイオキシン類の代替物質のような濃度相関
により、ダイオキシン類を分析するという手間が省け、
燃焼ガス中のダイオキシン類の同族体を直接分析するこ
とができる。また、選択的なイオン化と異なり、面倒な
波長の調整が不要となり、簡便な分析により、高感度で
ダイオキシン類を分析することができる。
【0082】[請求項]の発明によれば、請求項1に
おいて、上記レーザ光の波長が240〜350nmの範
囲のいずれかの固定波長であるので、ダイオキシン類の
同族体を同時に分析することができる。
【0083】[請求項]の発明によれば、請求項1に
おいて、上記噴出手段がイオンの飛行方向と同軸方向に
採取ガスを噴出するパルスバルブを備えてなり、該パル
スバルブから噴出する噴流と直交する方向からレーザ光
を照射するので、噴出された採取ガス中のダイオキシン
類のイオン化された全てのイオンをイオン検出器で顕出
することができる。
【0084】[請求項]の発明によれば、請求項1に
おいて、上記噴出手段のノズルがスリットノズルである
ので、噴出形状を矩形状とするができ、さらに検出感度
の向上を図ることとした。
【0085】[請求項]の発明によれば、請求項1に
おいて、上記採取手段が排ガス中の灰を除去するフィル
タを備えた採取管であるので、採取管内の目詰まりが防
止できる。
【0086】[請求項]の発明によれば、請求項
おいて、上記採取手段が逆洗浄手段を備えてなるので、
目詰まり等が生じた場合には直ちに洗浄でき、分析の中
断をすることがない。
【0087】[請求項]の発明によれば、請求項1に
おいて、上記採取管の先端が焼却炉,熱分解炉,溶融
炉内又は排ガス煙道内の少なくとも1箇所に設けてな
るので、必要に応じてダイオキシン類の分析箇所を設定
できる。
【0088】[請求項]の発明によれば、請求項1に
おいて、上記飛行時間型質量分析装置がリフレクトロン
型の質量分析装置であるので、分析感度が向上する。
【0089】[請求項]の発明によれば、排ガス中の
ダイオキシン類を2〜500フェムト秒のフェムト秒の
レーザ光を照射し、共鳴増感イオン化過程にてダイオキ
シン類の同族体及び前駆体の全てを同時に分子イオン化
するので、ダイオキシン類の同族体を同時に分析するこ
とができる。
【0090】[請求項10]の発明によれば、焼却炉,
熱分解炉,溶融炉の炉内に燃焼物を投入し、燃焼による
発生熱量を一定に維持するとともに、ダイオキシン類な
どの有害ガスの発生を抑制する焼却炉における燃焼制御
システムにおいて、焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排
ガス中のダイオキシン類を瞬時に計測可能な請求項1乃
至8のいずれか一項のダイオキシン類分析装置と燃焼用
空気制御手段とを具備し、ダイオキシン類濃度を時間遅
れなく検出し、検出したダイオキシン類濃度に応じて燃
焼空気量を変化させるので、ダイオキシン類の発生を防
止した燃焼を行うことができる。
【0091】[請求項11]の発明によれば、請求項
において、燃焼用空気の制御手段が一次燃焼空気又は
二次燃焼空気のいずれか一方又は両方の空気量及び酸素
濃度を制御するので、燃焼状況に応じたダイオキシン類
の発生がない燃焼を行うことができる。
【0092】[請求項12]の発明によれば、焼却炉,
熱分解炉,溶融炉の炉内に燃焼物を投入し、燃焼による
発生熱量を一定に維持するとともに、ダイオキシン類な
どの有害ガスの発生を抑制する焼却炉における燃焼制御
システムにおいて、焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排
ガス中のダイオキシン類を瞬時に計測可能な請求項1乃
のいずれか一項のダイオキシン類分析装置と、排ガ
ス中の煤塵を除去する除塵除去手段とを具備し、ダイオ
キシン類濃度を時間遅れなく検出し、検出したダイオキ
シン類濃度に応じて上記除塵除去手段にダイオキシン類
を吸着する吸着剤の吹付け量を変化させるので、必要に
応じて吸着剤を吹付けることができ、適切な吹付け量に
制御することができる。
【0093】[請求項13]の発明によれば、焼却炉,
熱分解炉,溶融炉の炉内に燃焼物を投入し、燃焼による
発生熱量を一定に維持するとともに、ダイオキシン類な
どの有害ガスの発生を抑制する焼却炉における燃焼制御
システムにおいて、焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排
ガス中のダイオキシン類を瞬時に計測可能な請求項1乃
のいずれか一項のダイオキシン類分析装置と燃焼用
空気制御手段と排ガス中の煤塵を除去する除塵除去手段
とを具備し、ダイオキシン類濃度を時間遅れなく検出
し、検出したダイオキシン類濃度に応じて燃焼空気量を
変化させると共に、検出したダイオキシン類濃度に応じ
て上記除塵除去手段にダイオキシン類を吸着する吸着剤
の吹付け量を変化させるので、ダイオキシン類の発生を
防止した効率的な燃焼を行うことができると共に、必要
に応じて吸着剤を吹付けることができ、適切な吹付け量
に制御することができる。
【0094】[請求項14]の発明によれば、焼却炉,
熱分解炉,溶融炉の炉内に燃焼物を投入し、燃焼による
発生熱量を一定に維持するとともに、ダイオキシン類な
どの有害ガスの発生を抑制する焼却炉における燃焼制御
システムにおいて、焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排
ガス中のダイオキシン類を瞬時に計測可能な請求項1乃
至10のいずれか一項のダイオキシン類分析装置を具備
し、ダイオキシン類濃度を時間遅れなく検出し、検出し
たダイオキシン類濃度に応じて排ガス中に助燃ガスを送
給し、排ガス中のダイオキシン類を燃焼させるので、ダ
イオキシン類の外部への抑制できる。
【0095】[請求項15]の発明によれば、焼却炉,
熱分解炉,溶融炉の炉内に燃焼物を投入し、燃焼による
発生熱量を一定に維持するとともに、ダイオキシン類な
どの有害ガスの発生を抑制する焼却炉における燃焼制御
システムにおいて、焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排
ガス中のダイオキシン類を瞬時に計測可能な請求項1乃
のいずれか一項のダイオキシン類分析装置と燃焼用
空気制御手段と排ガス中の煤塵を除去する除塵除去手段
とを具備し、ダイオキシン類濃度を時間遅れなく検出
し、検出したダイオキシン類濃度に応じて燃焼空気量を
変化させると共に、検出したダイオキシン類濃度に応じ
て排ガス中に助燃ガスを送給し、排ガス中のダイオキシ
ン類を燃焼させるので、ダイオキシン類の発生を防止し
た効率的な燃焼を行うことができると共に、煙道内での
ダイオキシン類の再合成があってもダイオキシン類の外
部への抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるダイオキシン類分析装置
の概略図である。
【図2】イオン飛行方向を示す概念図である。
【図3】ダイオキシン類のイオン雲が検出器に飛行する
状態を示す概略図である。
【図4】スリットノズルを設けた噴出手段の概略図であ
る。
【図5】パルス幅500fsのパルスレーザ光(A)と
パルス幅15nsのパルスレーザ光(B)を用いてトル
エンとモノクロロベンゼンとの混合物を分析した結果図
である。
【図6】パルス幅500fsのパルスレーザ光(A)と
パルス幅15nsのパルスレーザ光(B)のスペクトル
幅を示す図である。
【図7】低濃度ダイオキシン類同族体分布図である。
【図8】高濃度ダイオキシン類同族体分布図である。
【図9】四塩化ジベンゾ−p−フラン(T4 CDF)の
スペクトル測定結果図である。
【図10】五塩化ジベンゾ−p−フラン(T5 CDF)
の各々のスペクトル測定結果図である。
【図11】レーザ発光装置と分子ビーム流を形成する真
空チャンバとを一体としたダイオキシン類分析装置の概
略図である。
【図12】燃焼制御システムの概略図である。
【図13】燃焼制御の前後を示す図である。
【図14】COとダイオキシン類との相関図である。
【符号の説明】
10 燃焼ガス 11 煙道 12 フィルタ 13 採取管 14 採取手段 15 採取ガス 16 超音速ジェット流 17 ノズル 18 真空チャンバ 19 噴出手段 20 レーザ光 21 分子イオン 22 レーザ照射手段 23 イオン検出器 24 飛行時間型質量分析装置 25 パルス発生器 26 パルスドライバ 27 プリアンプ 28 デジタルオシロスコープ 29 情報処理装置 30 光検出器 31〜34 電極 40 光学ベンチ 41 飛行管 42 リフレクトロン 43 ゲートバルブ 44,45 排気手段 46 真空排気系電源制御盤 47 レーザシステム電源 51 炉 52 燃焼物 53 ダイオキシン類分析装置 54 燃焼用空気制御手段 55 流動層 56 灰シュート 57 一次燃焼空気量制御弁 58 配管 59 押込送風機 60 二次燃焼空気量制御弁 61 配管 62 押込送風機 63 燃焼物供給ホッパ 64 押し出すフィーダ 65 ボイラ 66 排ガス処理設備 67 誘引送風機 68 煙突 69 噴霧装置 71 コントローラ 72 助燃バーナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 1/00 101 G01N 1/00 101W 1/22 1/22 D 27/64 27/64 B 31/00 31/00 V 33/00 33/00 D (56)参考文献 特開 平11−218521(JP,A) 特開 平11−14596(JP,A) 特開 平10−185135(JP,A) 特開 平11−72220(JP,A) 特開 平11−132425(JP,A) 特開 平11−237023(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/62 - 27/70 F23G 5/44 - 5/50

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス中のダイオキシン類を含む燃焼ガ
    スを直接採取する採取手段と、 該ダイオキシン類を含む採取ガスを超音速ジェット流を
    形成するパルスバルブを有するノズルを用いて真空チャ
    ンバ中に噴出する噴出手段と、 該噴出された超音速ジェット流中に2〜500フェムト
    秒のフェムト秒のレーザ光を照射し、共鳴増感イオン化
    過程にてダイオキシン類の同族体及び前駆体の全てを同
    時に分子イオン化するレーザ照射手段と、 生成した分子イオンのダイオキシン類の分析を行う飛行
    時間型質量分析装置とを備えてなり、燃焼ガス中のダイ
    オキシン類の同族体を直接分析することを特徴とするダ
    イオキシン類分析装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記レーザ光の波長が240〜350nmの範囲のいず
    れかの固定波長であることを特徴とするダイオキシン類
    分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記噴出手段がイオンの飛行方向と同軸方向に採取ガス
    を噴出するパルスバルブを備えてなり、該パルスバルブ
    から噴出する噴流と直交する方向からレーザ光を照射す
    ることを特徴とするダイオキシン類分析装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記噴出手段のノズルがスリットノズルであることを特
    徴とするダイオキシン類分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記採取手段が排ガス中の灰を除去するフィルタを備え
    た採取管であることを特徴とするダイオキシン類分析装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項において、 上記採取手段が逆洗浄手段を備えてなることを特徴とす
    るダイオキシン類分析装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 上記採取管の先端が焼却炉,熱分解炉,溶融炉の炉内又
    は排ガス煙道内の少なくとも1箇所に設けてなることを
    特徴とするダイオキシン類分析装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、 上記飛行時間型質量分析装置がリフレクトロン型の質量
    分析装置であることを特徴とするダイオキシン類分析装
    置。
  9. 【請求項9】 排ガス中のダイオキシン類を2〜500
    フェムト秒のフェムト秒のレーザ光を照射し、共鳴増感
    イオン化過程にてダイオキシン類の同族体及び前駆体の
    全てを同時に分子イオン化し、ダイオキシン類同族体
    び前駆体の全てを同時に分析することを特徴とするダイ
    オキシン類分析方法。
  10. 【請求項10】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉の炉内に燃
    焼物を投入し、燃焼による発生熱量を一定に維持すると
    ともに、ダイオキシン類などの有害ガスの発生を抑制す
    る焼却炉における燃焼制御システムにおいて、 焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排ガス中のダイオキシ
    ン類を瞬時に計測可能な請求項1乃至のいずれか一項
    のダイオキシン類分析装置と燃焼用空気制御手段とを具
    備し、ダイオキシン類濃度を時間遅れなく検出し、検出
    したダイオキシン類濃度に応じて燃焼空気量を変化させ
    ることを特徴とする焼却炉における燃焼制御システム。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 燃焼用空気の制御手段が一次燃焼空気又は二次燃焼空気
    のいずれか一方又は両方の空気量及び酸素濃度を制御す
    ることを特徴とする焼却炉における燃焼制御システム。
  12. 【請求項12】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉の炉内に燃
    焼物を投入し、燃焼による発生熱量を一定に維持すると
    ともに、ダイオキシン類などの有害ガスの発生を抑制す
    る焼却炉における燃焼制御システムにおいて、 焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排ガス中のダイオキシ
    ン類を瞬時に計測可能な請求項1乃至のいずれか一項
    のダイオキシン類分析装置と、排ガス中の煤塵を除去す
    る除塵除去手段とを具備し、ダイオキシン類濃度を時間
    遅れなく検出し、検出したダイオキシン類濃度に応じて
    上記除塵除去手段にダイオキシン類を吸着する吸着剤の
    吹付け量を変化させることを特徴とする燃焼制御システ
    ム。
  13. 【請求項13】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉の炉内に燃
    焼物を投入し、燃焼による発生熱量を一定に維持すると
    ともに、ダイオキシン類などの有害ガスの発生を抑制す
    る焼却炉における燃焼制御システムにおいて、 焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排ガス中のダイオキシ
    ン類を瞬時に計測可能な請求項1乃至のいずれか一項
    のダイオキシン類分析装置と燃焼用空気制御手段と排ガ
    ス中の煤塵を除去する除塵除去手段とを具備し、ダイオ
    キシン類濃度を時間遅れなく検出し、検出したダイオキ
    シン類濃度に応じて燃焼空気量を変化させると共に、検
    出したダイオキシン類濃度に応じて上記除塵除去手段に
    ダイオキシン類を吸着する吸着剤の吹付け量を変化させ
    ることを特徴とする燃焼制御システム。
  14. 【請求項14】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉の炉内に燃
    焼物を投入し、燃焼による発生熱量を一定に維持すると
    ともに、ダイオキシン類などの有害ガスの発生を抑制す
    る焼却炉における燃焼制御システムにおいて、 焼却炉,熱分解炉,溶融炉からの排ガス中のダイオキシ
    ン類を瞬時に計測可能な請求項1乃至10のいずれか一
    項のダイオキシン類分析装置を具備し、ダイオキシン類
    濃度を時間遅れなく検出し、検出したダイオキシン類濃
    度に応じて排ガス中に助燃ガスを送給し、排ガス中のダ
    イオキシン類を燃焼させることを特徴とする燃焼制御シ
    ステム。
  15. 【請求項15】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉の炉内に燃
    焼物を投入し、燃焼による発生熱量を一定に維持すると
    ともに、ダイオキシン類などの有害ガスの発生を抑制す
    る焼却炉における燃焼制御システムにおいて、焼却炉,
    熱分解炉,溶融炉からの排ガス中のダイオキシン類を瞬
    時に計測可能な請求項1乃至のいずれか一項のダイオ
    キシン類分析装置と燃焼用空気制御手段と排ガス中の煤
    塵を除去する除塵除去手段とを具備し、ダイオキシン類
    濃度を時間遅れなく検出し、検出したダイオキシン類濃
    度に応じて燃焼空気量を変化させると共に、検出したダ
    イオキシン類濃度に応じて排ガス中に助燃ガスを送給
    し、排ガス中のダイオキシン類を燃焼させることを特徴
    とする燃焼制御システム。
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