JP2002168428A - 燃焼炉の燃焼制御方法及びシステム - Google Patents

燃焼炉の燃焼制御方法及びシステム

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JP2002168428A
JP2002168428A JP2000364039A JP2000364039A JP2002168428A JP 2002168428 A JP2002168428 A JP 2002168428A JP 2000364039 A JP2000364039 A JP 2000364039A JP 2000364039 A JP2000364039 A JP 2000364039A JP 2002168428 A JP2002168428 A JP 2002168428A
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furnace
combustion
dioxin
dioxins
concentration
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Application number
JP2000364039A
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English (en)
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Masataka Abe
正孝 安部
Yasuhiro Takatsudo
康弘 高津戸
Mamoru Araoka
衛 荒岡
Ichiro Yamashita
一郎 山下
Hiroshi Futami
博 二見
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却炉から排出される排ガス中のダイオキシ
ン類及びその前駆体を時間遅れなくリアルタイムで直接
測定し、その測定結果を基にして炉内の燃焼を制御する
燃焼制御システム提供することを課題とする。 【解決手段】 燃焼炉101における燃焼を制御する際
において、燃焼排ガス102中のダイオキシン類前駆体
濃度103、ダイオキシン類分子カウント数104、ダ
イオキシン類濃度105から選ばれてなる少なくとも2
つの要素を計測する計測濃度106と、上記計測濃度1
06で計測したダイオキシン類前駆体濃度103、ダイ
オキシン類カウント数104、ダイオキシン類濃度10
5から選ばれてなる少なくとも2つの要素の内容を判定
する判定器107と、該判定器107の結果により、燃
焼炉101内の炉内温度,炉内ガス対流時間,炉内攪拌
力のいずれか又はこれらの組合せにより燃焼を制御する
制御装置108とを具備し、ダイオキシン類の排出制御
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば都市ゴミ焼
却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉、
熱分解炉、溶融炉等から排出される排ガス中のダイオキ
シン類及びその前駆体を時間遅れなくリアルタイムで直
接測定し、その測定結果を基にして炉内の燃焼を制御す
る燃焼制御システムに関する。
【0002】
【背景技術】従来においてCO濃度を測定することによ
り、ダイオキシン類の濃度を推定し、焼却炉等の燃焼制
御することが提案されているが、CO濃度が100pp
mと高い場合には、CO濃度とダイオキシン類濃度との
相関関係があることは確認されている。
【0003】しかしながら、図11に示すように、CO
濃度が50ppm以下の低い濃度の領域になると、ダイ
オキシン類濃度とCO濃度とに濃度相関がなくなり、C
O濃度の測定のみでは、ダイオキシン類の発生を防止し
た有効な燃焼制御ができないという問題がある。特に、
近年においては低CO濃度の燃焼制御が確立した結果、
ダイオキシン類を直接測定した瞬時の計測により、ダイ
オキシン類の発生を適格に防止することが要望されてい
る。
【0004】さらに、従来よりダイオキシン類との濃度
相関があるとされているクロロベンゼン(CB)やジク
ロロベンゼン(DCB)等のダイオキシン類の分解生成
物であるダイオキシン類前駆体を測定する場合では、ダ
イオキシン類を直接測定するものではないので、焼却炉
内状態を適格に判定することができず、排ガス中におけ
るリアルタイム分析が要望され、その結果を燃焼制御に
利用することが要望されている。
【0005】すなわち、ダイオキシン類の分解生成物が
減少したことがダイオキシン類の発生が抑制された結果
生じたのか、ダイオキシン類は未だ発生しているがダイ
オキシン類の分解が抑制された結果なのかの判定が不可
能であった。
【0006】本発明は、上記問題に鑑み、簡易な方法で
あってもリアルタイムで種焼却炉等の燃焼を制御できる
燃焼制御システムを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第1の燃焼炉の燃焼制御方法の発明は、焼却炉,熱
分解炉,溶融炉等の炉内における燃焼を制御する方法に
おいて、排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度、ダイオ
キシン類カウント数、ダイオキシン類濃度から選ばれて
なる少なくとも2つの要素を基にして、ダイオキシン類
の排出制御を行うことを特徴とする。
【0008】第2の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉
等の炉内における燃焼を制御する方法において、排ガス
中のダイオキシン類前駆体濃度とダイオキシン類カウン
ト数とダイオキシン類濃度との3つの要素を基にして、
ダイオキシン類の排出制御を行うことを特徴とする燃焼
炉の燃焼制御方法。
【0009】第3の発明は、第2の発明において、ダイ
オキシン類濃度に応じて前駆体濃度の設定値を調整し
て、ダイオキシン類の排出制御を行うことを特徴とす
る。
【0010】第4の発明は、第2の発明において、ダイ
オキシン類濃度に応じてダイオキシン類のカウントの設
定値を調整して、ダイオキシン類の排出制御を行うこと
を特徴とする。
【0011】第5の発明は、第1乃至4のいずれか一項
の発明において、排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度
とダイオキシン類カウント数とダイオキシン類濃度の測
定に分子のイオン化手段としてフェムト秒レーザ分析装
置又は真空紫外光分析装置を用いることを特徴とする。
【0012】第6の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉
等の炉内における燃焼を制御する方法において、排ガス
中のダイオキシン類前駆体濃度の測定に分子のイオン化
手段としてフェムト秒レーザ分析装置又は真空紫外光分
析装置を用い、ダイオキシン類前駆体を多種類同時に測
定し、前駆体濃度の合計量に応じてダイオキシン類の排
出制御を行うことを特徴とする。
【0013】第7の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉
等の炉内における燃焼を制御する方法において、排ガス
中のダイオキシン類カウントの測定に分子のイオン化手
段としてフェムト秒レーザ分析装置又は真空紫外光分析
装置を用い、ダイオキシン類を多種類同時に測定し、ダ
イオキシン類カウント数に応じてダイオキシン類の排出
制御を行うことを特徴とする。
【0014】第8の発明は、第1乃至7のいずれか一項
の発明において、上記ダイオキシン類の排出制御が炉内
温度、炉内ガス対流時間、炉内攪拌力のいずれか又はこ
れらの組合せにより制御することを特徴とする。
【0015】第9の発明は、第8の発明において、上記
ダイオキシン類の排出制御が一次空気供給量、二次空気
供給量、ゴミ供給量及び燃焼空気への酸素富化量のいず
れか、又はこれらの組合せにより制御することを特徴と
する。
【0016】第10の焼却炉における燃焼制御システム
の発明は、燃焼炉における燃焼を制御するシステムにお
いて、排ガス中のダイオキシン類の排出制御を行うこと
を特徴とする。
【0017】第11の焼却炉における燃焼制御システム
の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の炉内に燃焼物
を投入し、燃焼による発生熱量を一定に維持するととも
に、ダイオキシン類などの有害ガスの発生を抑制する焼
却炉における燃焼制御システムにおいて、排ガス中のダ
イオキシン類前駆体濃度、ダイオキシン類カウント数、
ダイオキシン類濃度から選ばれてなる少なくとも2つの
要素を計測する計測手段と、燃焼用空気制御手段とを具
備し、計測したダイオキシン類前駆体濃度、ダイオキシ
ン類カウント数、ダイオキシン類濃度から選ばれてなる
少なくとも2つの要素に応じて、炉内温度,炉内ガス対
流時間,炉内攪拌力のいずれか又はこれらの組合せによ
り制御することを特徴とする。
【0018】第12の焼却炉における燃焼制御システム
の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の炉内に燃焼物
を投入し、燃焼による発生熱量を一定に維持するととも
に、ダイオキシン類などの有害ガスの発生を抑制する焼
却炉における燃焼制御システムにおいて、排ガス中のダ
イオキシン類前駆体濃度、ダイオキシン類カウント数、
ダイオキシン類濃度の3つの要素を計測する計測手段
と、燃焼用空気制御手段とを具備し、計測したダイオキ
シン類前駆体濃度、ダイオキシン類カウント数、ダイオ
キシン類濃度の3つの要素に応じて、炉内温度,炉内ガ
ス対流時間,炉内攪拌力のいずれか又はこれらの組合せ
により制御することを特徴とする。
【0019】第13の発明は、第11又は12の発明に
おいて、排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度とダイオ
キシン類カウント数とダイオキシン類濃度の測定に分子
のイオン化手段としてフェムト秒レーザ分析装置又は真
空紫外光分析装置を用いることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】本実施の形態にかかる燃焼制御システム1
00は、燃焼炉101における燃焼を制御する際におい
て、燃焼排ガス102中のダイオキシン類前駆体濃度1
03、ダイオキシン類分子カウント数104、ダイオキ
シン類濃度105から選ばれてなる少なくとも2つの要
素を計測する計測濃度106と、上記計測濃度106で
計測したダイオキシン類前駆体濃度103、ダイオキシ
ン類カウント数104、ダイオキシン類濃度105から
選ばれてなる少なくとも2つの要素の内容を判定する判
定器107と、該判定器107の結果により、燃焼炉1
01内の炉内温度,炉内ガス対流時間,炉内攪拌力のい
ずれか又はこれらの組合せにより燃焼を制御する制御装
置108とを具備し、ダイオキシン類の排出制御を行う
ようにしている。
【0022】ここで、本実施の形態での焼却炉101は
一例として流動床炉を例示しており、底部に流動層11
1を有した構成となっている。前記流動層111の下流
側には、燃焼物112を燃焼した後の灰113を所定の
位置に搬送する灰シュート114が配置されている。前
記流動層111には、一次燃焼空気量制御弁115を介
在させた配管116を介して押込送風機117が接続さ
れている。なお、本発明では、燃焼炉の形式には何ら限
定されるものではなく、都市ゴミ焼却炉,産業廃棄物焼
却炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉、熱分解炉、溶融炉等
のいずれの炉のおいても燃焼制御に適用できる。
【0023】一次燃焼空気は、流動層111の下部から
任意の箇所に供給されるようになっている。また、流動
床炉111の下部側寄りには、二次燃焼空気量制御弁2
8を介在させた配管119を介して押込送風機120が
接続されている。ここで、二次燃焼空気は、一次燃焼に
て発生した燃焼ガスを流動床炉111の上部にて燃焼さ
せる働きをする。
【0024】前記流動床炉101の下部側壁には、都市
ごみ等の燃焼物22を流動層111内に投入する燃焼物
供給ホッパ121が設けられている。このホッパ121
の下部側には、モータにより駆動して燃焼物112を流
動層111に押し出すフィーダ122が設けられてい
る。このフィーダ122により送られてきた燃焼物11
2は、流動層111内でガス化され、流動層111の上
部の流動床炉101内で燃焼する。
【0025】前記流動床炉21の上段には、流動床炉1
11で燃焼して得られた高温の燃焼ガスを冷却するボイ
ラ123が設けられ、その後流側には、排ガス中の有毒
ガス,粒子状物を除去する排ガス処理設備124、排ガ
スを誘引する誘引送風機125、及び排ガスを大気中に
放出する煙突126が順次接続されている。
【0026】前記流動床炉101の上部には、燃焼排ガ
ス102中のダイオキシン類前駆体濃度103、ダイオ
キシン類分子カウント数104、ダイオキシン類濃度1
05を計測するためのサンプリング管127が挿入さ
れ、ダイオキシン類等計測装置106に排ガスを導入し
て計測をしている。
【0027】この計測装置106は、例えば後述する図
2フェムト秒レーザ分析装置又は図3、4に示す真空紫
外光分析装置を用いることができ、測定情報は判定器1
07に電気的に接続されている。
【0028】図2にはフェムト秒レーザ分析装置の一例
を示す。図2に示すように、計測装置106の一例とし
ては、焼却炉101から排出されるダイオキシン類を含
む燃焼ガス102を先端にフィルタ12を備えたサンプ
リング管128からなる採取手段14と、該ダイオキシ
ン類を含む採取ガス15を超音速ジェット流16を形成
するパルスバルブを有するノズル17を用いて真空チャ
ンバ18中に噴出する噴出手段19と、該噴出された超
音速ジェット流16中にスペクトル幅の広いレーザ光2
0を照射し、共鳴増感イオン化過程にてダイオキシン類
の同族体の分子イオン21を形成するレーザ照射手段2
2と、生成した分子イオン21のダイオキシン類の分析
を行うイオン検出器23を備えた飛行時間型質量分析装
置24とを備えてなり、燃焼ガス102中のダイオキシ
ン類の同族体を直接分析するようにしたものである。ま
た、図中、符号25はパルス発生器,26はパルスドラ
イバ,28はデジタルオシロスコープ,29は情報処理
装置,30は光検出器,31〜34は電極,35はミラ
ー,36は集光レンズ及び37はレーザ導入窓を各々図
示する。
【0029】上記装置において、レーザ照射手段22か
らのレーザ光は反射ミラー35を介して反射されたレー
ザ光は集光レンズレンズ36にて集光レンズし、レーザ
導入窓37から真空チャンバー18内に導入する。一
方、炉中からの採取ガス15は噴出手段19であるパル
スノズル17に送られる。パルス発生器25にてTTL
信号を生成し、パルスドライバー26を制御し、パスル
ノズルを一定時間(200〜500μs)だけ、開放す
ることで、超音速ジェット流16を形成する。該超音速
ジェット中の分析対象分子が電極31と電極32との間
に到達した時点でレーザ光が照射されるように、パルス
発生器25よりディレイ信号を生成し、スペクトル幅の
広いレーザ光20を制御するようにしてある。レーザ光
はパルス状であるので、レーザが発振していない時間に
試料を導入することは、真空系の負担を増加させると共
に、分析に必要な試料量を徒に増加させることとなり、
好ましくない。そこで、レーザ発振している時間に同期
させて試料をパルス状に導入可能としている。
【0030】生成した分子イオン21は、電極31,3
2,33,34にて形成される電子レンズにて電場を印
加し、イオン検出器23にて検出する。本システムで
は、飛行時間型質量分析装置を構成しているので、イオ
ン化ポテンシャルの低い分子が混在し、非共鳴イオン化
過程で仮にイオンを発生しても、質量数の差から、目的
分子と区別することが可能となる。上記イオン検出器2
3においてイオン数に比例した電気信号を得ることがで
きるので、プリアンプ27にて増幅し、デジタルオシロ
ースコープ28にて質量スペクトルが観測できる。質量
スペクトルの処理をおこなうために、情報処理装置29
に送られ、ここで信号処理が行われる。
【0031】このように本計測装置106では、共鳴多
光子イオン化法(Resonance Enhanced Multiphoton Ion
ization :REMPI) と飛行時間型質量分析装置(Time of F
light Mass Spectroscopy:TOFMAS) の併用すると共に、
レーザ光としてスペクトル幅の広いもの( フェムト秒レ
ーザ) を使用することにより、ダイオキシン類の同族体
を同時に測定することができる。
【0032】本測定では、レーザ光20として波長の長
いレーザ光を用いているので、燃焼ガス中のダイオキシ
ン類の同族体のイオン化が同時に可能である。なお、仮
にイオン化ポテンシャルの低い分子が混在して非共鳴イ
オン化過程にてイオンが生成する場合でも、本発明では
飛行時間型質量分析装置を用いてイオンを検出している
ので、飛行時間の差により正確な分析が可能となる。
【0033】ここで、本装置では、上記採取手段14の
サンプリング管128の先端に設けられたフィルタ12
は高温に耐えられる金属製のフィルタが好適であり、サ
ンプリング管128の目詰まりを防止するために、フィ
ルタのダスト除去率が99%以上のものを用いることが
好ましい。
【0034】また、上記採取手段14のサンプリング管
128のフィルタ12の目詰まりを防止するために、例
えば窒素ガスパージ等による逆洗浄を行う逆洗浄手段を
設けるようにしている。この目詰まりの状態はスペクト
ル幅の広いレーザ光を用い、ダイオキシン類以外の複数
の有機分子も同時にイオン化することとなるので、当該
ダイオキシン類以外の有機分子(例えばベンゼン等)を
指標とし、該有機分子の信号強度変化を監視することに
より、目詰まりを監視することができる。或いは信号強
度の変化に関係なく、一定時間の経過毎に窒素ガスのパ
ージを行って逆洗浄を行うようにしてもよい。
【0035】上記サンプリング管128の周囲には保護
手段13aにより覆われており、配管温度が120〜2
00℃となるように保持している。これは120℃未満
であると、燃焼排ガス102中には水分が多く含まれて
いるので、その凝集を防止するためであり、一方200
℃以上の高温となるとダイオキシン類の再合成が開始す
るのでこれを防ぐためである。
【0036】また、排ガスの吸引速度は0.5〜1.0リッ
トル/分程度とするのがよい。これは排ガス中のサブミ
クロン単位のダストが配管に付着することがないように
するためである。
【0037】また、上記サンプリング管128は、その
内部は例えばシリカ等のコーティング材料等によりコー
ティングされた配管(例えばシリコスチール)を用いる
ことが好ましい。これはサンプリング管128内にダイ
オキシン類が付着するのを防止するためである。
【0038】上記波長の長いレーザ光としては、励起レ
ーザにはフェムト秒パルスレーザ(1fs=10
-15 s)を使用するのが好ましい。上記スペクトル幅の
広いレーザ光としては、具体的には計測対象とする分子
の電子励起状態の寿命よりも短いパルス幅のレーザ光で
ある。特に好適には、レーザ光が2〜500フェムト秒
のフェムト秒レーザ光(更に好適には150〜300フ
ェムト秒)である。
【0039】上記フェムト秒のレーザ種類は半導体レー
ザ、エキシマレーザ、チタンサファイヤレーザの3倍波
が使用可能である。
【0040】また、測定波長は、ダイオキシン類及びダ
イオキシン類の前駆体等が励起・イオン化する波長であ
れば特に限定されるものではないが、240〜350n
mの範囲のいずれかの固定波長である。これは、フェム
ト秒のレーザのスペクトル幅は広いでの、分析対象の種
類に応じた厳密な波長を選択する必要がないからであ
る。すなわち、例えば任意の固定波長(248nm)の
パルス幅500fsのパルスレーザ光を、トルエンとモ
ノクロロベンゼンとの混合物に照射した場合でも、両者
のピークが観測され、イオン化分析が可能であるので、
ダイオキシン類の前駆体及びダイオキシン類を同時に計
測することができる。
【0041】図3には真空紫外光分析装置の一例の概略
を示す。図3に示すように、検出装置51は、特定物質
のイオン化エネルギーに対して、それを上回る光子エネ
ルギーを持つ真空紫外光を照射して、その物質を1光子
のエネルギーでイオン化することを前提とし、採取した
排ガス(Gas)102を導入するガス導入室52と、
導入した燃焼排ガス102をイオン化するイオン化室5
3と、該イオン化室53内に真空紫外光(L)を発生さ
せるための真空紫外光(UV)発生手段54と、真空紫
外光によりイオン化されたサンプルガス(Gsi)を加
速して加速された物質の飛行時間を計測する質量分析手
段55とを有している。加速された物質の飛行時間の計
測により質量を求めてその物質を同定する手段は慣用手
段である。
【0042】真空紫外光発生手段54は、ガスの放電に
よる発光ランプで構成することができ、放電するガスの
種類を変えることにより、発生する光子エネルギー量を
変え、イオン化する物質を選別することもできる。ま
た、真空紫外光発生手段54は、レーザ或いはその高調
波であってもよい。この場合においても、可変レーザに
より発生する光子エネルギー量を変え、イオン化する物
質を選別することもできる。
【0043】この発明による化学物質の検出装置に、図
4に示すように、イオン化室53内に、高周波電界を内
部に生成するイオントラップ56が追加されることは特
に有効である。この場合、イオントラップ56に蓄積さ
れたサンプルガスが加速されることになり、イオントラ
ップ56で選択的にイオン化された特定分子が濃縮され
る。この濃縮は特定イオンの存在確率を増大させる。
【0044】検出対象物質であるクロロベンゼン類、ポ
リクロロジベンゾフラン、ポリクロロジベンゾパラダイ
オキシン類等のハロゲン化有機化学物質のイオン化エネ
ルギーは9〜10eV程度の範囲であり、照射する真空
紫外光の光子エネルギーは、これらのイオン化エネルギ
ー以上のエネルギーを持ち、混在する他物質のイオン化
及び検出対象物質のイオン化時の分解によるフラグメン
トを抑えるためには、10eV程度が望ましい。
【0045】ガス導入室52にはガス噴射管57が備え
ている。ガス噴射管57は、パルスバルブのようなオリ
フィスを用いた開閉弁あるいはキャピラリ管により形成
されている。ガス噴射管57に導入側から導入されるサ
ンプルガスGsはイオン化室53に導入される。
【0046】サンプルガスGsには、クロロベンゼン
類、ダイオキシン類のようなハロゲン化有機化合物(以
下、検出対象物質という)が含まれていることが想定さ
れている。ガス噴射管57の周囲にはヒータ58が設け
られている。ヒータ58は検出対象物質がガス噴射管6
3の内壁に付着することを防止するための加熱装置であ
る。
【0047】イオン化室53は真空紫外光発生手段54
として真空紫外光ランプを備えている。真空紫外光ラン
プは、Ar,Kr,Xe等の希ガスや、H2、O2、Cl
2 等をAr,Heに添加したガスの放電により真空紫外
光Lを発生する。
【0048】真空紫外光ランプは、計測する物質のイオ
ン化エネルギーに合わせて放電するガスの種類を変える
ことで、発生する真空紫外光の光子エネルギー量を変
え、光子エネルギー量より高いイオン化エネルギーを持
つ混在物質のイオン化を阻止すると共に、測定物質のフ
ラグメントを抑制することができる。また、真空紫外光
ランプ5に代えて、レーザ或いはその高調波を用いるこ
ともできる。この場合、波長可変レーザにより発生する
光子エネルギー量を変化させることで、イオン化する物
質を選別することができる。波長可変レーザには、周知
のものを用いる。
【0049】イオン化室61に導入されたサンプルガス
Gsは、イオン化室53内において、真空紫外光ランプ
が出力する真空紫外光Lの照射を受け、真空紫外光Lよ
り光子エネルギーを受け取ってイオン化する。
【0050】このようにしてイオン化したサンプルガス
Gsiは、イオン化室53に隣接して設けられた質量分
析装置55内に導入される。サンプルガスGsi中のイ
オン化物質は、一瞬に加速電圧を受けて質量分析装置5
5に導入され、質量分析装置55内を飛行する。質量分
析装置55はその飛行時間を測定する。飛行時間と飛行
物質の質量との間には高度の対応関係があり、飛行時間
より飛行物質の質量を検出し、質量より物質を同定でき
る。
【0051】これらの測定装置による計測の一例を図5
乃至図7に示す。図5はダイオキシン類分子の計測グラ
フであり、横軸は時間(秒)、縦軸はカウント数(個
数)を示す。1回/20秒で測定し、1ppt(3.3 n
g−TEQ/Nm3 )、このグラフから20秒間に平均
1.4個のイオン検出されている。これにより、ダイオキ
シン類カウント数104を計測できる。
【0052】図6はダイオキシン類前駆体濃度の計測グ
ラフであり、一例としてクロロフェノール濃度を計測し
た。横軸は時間(秒)、縦軸は濃度(μg/Nm3 )で
ある。これにより、ダイオキシン類前駆体濃度103を
計測できる。
【0053】図7はダイオキシン類及びダイオキシン類
前駆体濃度の計測チャートの一例である。一度(1秒/
1回)の計測により、全ての物質を計測することができ
る。これにより、ダイオキシン濃度105を計測でき
る。
【0054】このような計測装置106を用い、ダイオ
キシン類前駆体濃度103及びダイオキシン類カウント
数104の2つのパラメータの計測又はさらに、ダイオ
キシン濃度105を加えた3つのパラメータの計測の結
果を判定器107で判定し、その判定結果を受けて制御
装置108と電気的に接続されている前記一次燃焼空気
量制御弁115及び二次燃焼空気量制御弁118及び酸
素量調整弁128及び助燃バーナ129にそれぞれ指令
を出すようにしている。
【0055】この際、燃焼炉101の内部の温度計測手
段130からの情報が制御装置108へ送られ、供給フ
ィーダ制御装置131、ストーカ制御装置132の制御
も適宜行うようにしている。これらの炉内温度、炉内ガ
ス対流時間、炉内攪拌力のいずれか又はこれらの組合せ
により、ダイオキシン類の発生をリアルタイムで抑制す
ることができる。
【0056】本発明での燃焼制御は、排ガス中のダイオ
キシン類前駆体濃度、ダイオキシン類カウント数、ダイ
オキシン類濃度から選ばれてなる少なくとも2つの要素
を基にして、ダイオキシン類の排出制御を行うようにす
ればよい。
【0057】特に、排ガス中のダイオキシン類前駆体濃
度とダイオキシン類カウント数とダイオキシン類濃度と
の3つの要素を基にして、ダイオキシン類の排出制御を
行うことにより、より高精度で制御が可能となる。
【0058】ここで、ダイオキシン類とは、一般にポリ
ハロゲン化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PXDD
s)及びポリハロゲン化ジベンゾフラン類(PXDF
s)の総称であり(Xはハロゲンを示す)、ハロゲン系
化合物とある種の有機ハロゲン化合物の燃焼時に微量発
生するといわれる。ハロゲンの数によって一ハロゲン化
物から八ハロゲン化物まであり、これらのうち、特に四
塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(T4 CDD)は、最
も強い毒性を有するものとして知られている。なお、有
害なハロゲン化芳香族化合物としては、ダイオキシン類
の他にその前駆体となる種々の有機ハロゲン化合物(例
えば、フェノール,ベンゼン等の芳香族化合物(例えば
ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化フェノール及びハロ
ゲン化トルエン等)、ハロゲン化アルキル化合物等)が
含まれており、除去する必要がある。すなわち、ダイオ
キシン類とは塩素化ダイオキシン類のみならず、臭素化
ダイオキシン類等のハロゲン化ダイオキシン類を表す。
また、PXB類(ポリハロゲン化ビフェニル類)はビフ
ェニルにハロゲン原子が数個付加した化合物の総称であ
り、ハロゲンの置換数、置換位置により異性体がある
が、PCB(ポリ塩化ビフェニル)の場合では、2,6
−ジクロロビフェニル、2,2'−ジクロロビフェニル、
2,3,5−トリクロロビフェニル等が代表的なもので
あり、毒性が強く、焼却した場合にはダイオキシン類が
発生するおそれがあるものとして知られており、除去す
る必要がある。なお、PXB類には当然コプラナーPX
Bも含まれるのはいうまでもない。
【0059】ここで、ダイオキシン類前駆体とは、クロ
ロベンゼン,ジクロロベンゼン等のクロロベンゼン類、
クロロフェノール,ジクロロフェノール,トリクロロフ
ェノール等のクロロフェノール類、フェノール、トルエ
ン、アントラセン等のダイオキシン類を生成する要因と
なる物質をいう。
【0060】本願発明でダイオキシン類前駆体濃度10
5とは、排ガス102中の前駆体のオンライン測定によ
る計測濃度106の実濃度をいう。またダイオキシン類
分子カウント数104とは、測定排ガス中に存在する計
測濃度106で計測したダイオキシン類の分子の数(整
数)をいい、分子が存在するか否かの有無をいう。ま
た、ダイオキシン類濃度103とは排ガス中に存在する
濃度をいう。
【0061】これらの計測においては、毎秒測定してデ
ータを処理し、判定器107により判定することで、燃
焼制御の状態を監視し、制御装置108の制御により、
炉内温度、炉内ガス対流時間、炉内攪拌力のいずれか又
はこれらの組合せにより制御するようにしている。ま
た、ダイオキシン類濃度の計測精度を高くしないような
場合には、ダイオキシン類の濃度の測定は毎秒毎とせず
に、所定時間(例えば1時間)の積算により濃度を求め
るようにしてもよい。
【0062】図8にその制御の一例を示す。図1に示す
ダイオキシン類前駆体濃度103、ダイオキシン類分子
カウント数104、ダイオキシン類濃度105を計測す
る測定濃度106を用いて、1ショット/1秒でダイオ
キシン類前駆体濃度103を測定すると共に、20秒毎
にダイオキシン類分子カウント数104を計測し、判定
器107へそのデータを送る。また、1秒に1回ダイオ
キシン類前駆体濃度13を測定する際には、ダイオキシ
ン類前駆体の内の特定物質(例えばフェノール濃度、M
CB濃度、DCB濃度、TCB濃度、アントラセン濃
度)の濃度を加算部で合計し、その加算値を判定器10
7へ送る。これらの結果を基に判定器107で燃焼制御
をどのように行うかを判定する。なお、上記ダイオキシ
ン類前駆体の内で特にダイオキシン類の発生と相関関係
が深い前駆体に係数をかけて、判定データに重み付けを
行うようにしてもよい。
【0063】この判定器107での判定の流れを図9に
示す。図9に示すように、ダイオキシン類分子の有無
と、ダイオキシン類前駆体濃度の目標設定値(α)によ
り、燃焼制御を行うようにしている。
【0064】上記判定器107では、ダイオキシン類カ
ウントの有無を判定するステップS−1と、ダイオキシ
ン類前駆体濃度が所定値(α)以上であるか否かを判定
するステップS−2とからなり、具体的には、以下のよ
うな制御を行う。
【0065】 ダイオキシン類分子カウント数104
でカウントがある場合 ダイオキシン類分子の有無を判定するステップS−1に
おいて、ダイオキシン類のカウントがある場合(YE
S)には、空気量等の調整(ダンパ開度調整:例えば二
次空気量を現時点での供給量より10%増加し、一次空
気量を現時点での供給量より5%減少させる)をして燃
焼炉101内の燃焼制御をする指令71を、判定器10
7から制御装置108へ送る。
【0066】 ダイオキシン類のカウントがない場合 i) ダイオキシン類分子の有無を判定するステップS
−1において、ダイオキシン類カウント計測でのカウン
ト数104はない(NO)が、ダイオキシン類前駆体濃
度の所定値(α)を超えたか否かを判定するステップS
−2において、ダイオキシン類前駆体濃度105が設定
値(α:例えばXμm/Nm3 )を超えた場合(YE
S)には、空気量等の調整をする指令72を、判定器1
07から制御装置108へ送る。 ii) 一方、ダイオキシン類分子の有無を判定するステ
ップS−1において、ダイオキシン類のカウントはなく
(NO)、且つダイオキシン類前駆体濃度の所定値を超
えたか否かを判定するステップS−2において、ダイオ
キシン類前駆体も設定値(α:例えばXμm/Nm3
を超えていない場合(NO)には、現状の運転状態で燃
焼する指令73を、判定器107から制御装置108へ
送る。
【0067】 ダイオキシン類の濃度を判定要件に加
える さらに、図8に示すように、所定時間(例えば1時間)
毎に、その間のダイオキシン類の濃度13を積算し、そ
の値をダイオキシン類前駆体濃度調整器109へ送る。
そして、図10に示すように、ダイオキシン類濃度の設
置値以上か否かを判定するステップS−3において、所
定値(例えば0.1ng/Nm3 )以上となった場合(Y
ES)には、ダイオキシン類前駆体の濃度設定値を前回
設定した値より1μg/Nm3 増加させる演算をし、そ
の指令をダイオキシン類前駆体設定値演算器109から
判定器107へ送る。一方、所定値以下の場合(NO)
には、ダイオキシン類前駆体の濃度設定値を前回設定し
た値より1μg/Nm3 減少させる調整をする判断を
し、その指令をダイオキシン類前駆体設定値演算器19
から判定器107へ送る。
【0068】このダイオキシン類濃度を判定のパラメー
タに加えることで、常に炉内の温度が上昇するような制
御を行うことがなく、ダイオキシン類等の排出を抑制し
つつ常に適正な運転をすることができ、炉の健全性を向
上することもできる。
【0069】上記ダイオキシン類の排出制御は、ダイオ
キシン類を直接精度良く分析するような高価な装置を用
いることなく、簡易な計測装置を用いる場合であって
も、ダイオキシン類の分子数、ダイオキシン類前駆体濃
度の2つのパラメータを用いること、若しくはさらにダ
イオキシン類の時間的な濃度積算データを加えることに
より、燃焼制御の判定を行うことにより、一次空気供給
量、二次空気供給量、ゴミ供給量及び燃焼空気への酸素
富化量のいずれか、又はこれらの組合せにより制御する
ことができ、ダイオキシン類等の有害物質の排出がな
く、効率的な燃焼制御を行うことができる。
【0070】本発明のシステムを用いることにより、炉
内及び排ガス煙道のダイオキシン類の濃度を20秒程度
の時間的な遅れのみで、リアルタイムの検出が可能とな
り、燃焼制御を効率的に行うことができる。
【0071】排ガスを採取する場所は上述したように炉
内の限定されるものではなく、炉からボイラ65への煙
道、ボイラ123から排ガス処理設備124の煙道内に
必要に応じて配置することができる。
【0072】特に、ボイラ123と排ガス処理設備12
4との間にダイオキシン類分析装置53を設置すること
により、炉内ではダイオキシン類の発生がない場合、炉
の後流でダイオキシン類前駆体の再合成によりダイオキ
シン類が発生したことが判定でき、噴霧装置69から吸
着剤である活性炭を噴霧することで排ガス中のダイオキ
シン類を吸着することができ、外部へ排出することを防
止することができる。
【0073】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の第1の燃
焼炉の燃焼制御方法の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融
炉等の炉内における燃焼を制御する方法において、排ガ
ス中のダイオキシン類前駆体濃度、ダイオキシン類カウ
ント数、ダイオキシン類濃度から選ばれてなる少なくと
も2つの要素を基にして、ダイオキシン類の排出制御を
行うので、ダイオキシン類の発生を抑制した燃焼を行う
ことができる。
【0074】第2の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉
等の炉内における燃焼を制御する方法において、排ガス
中のダイオキシン類前駆体濃度とダイオキシン類カウン
ト数とダイオキシン類濃度との3つの要素を基にして、
ダイオキシン類の排出制御を行うので、制御の補正が可
能となりダイオキシン類の発生を抑制した燃焼を行いつ
つ適正な炉の運転が可能となり、炉の健全性が向上す
る。
【0075】第3の発明は、第2の発明において、ダイ
オキシン類濃度に応じて前駆体濃度の設定値を調整し
て、ダイオキシン類の排出制御を行うので、制御の補正
が可能となりダイオキシン類の発生を抑制した燃焼が可
能となる。
【0076】第4の発明は、第2の発明において、ダイ
オキシン類濃度に応じてダイオキシン類のカウントの設
定値を調整して、ダイオキシン類の排出制御を行うの
で、制御の補正が可能となりダイオキシン類の発生を抑
制した燃焼を行いつつ適正な炉の運転が可能となり、炉
の健全性が向上する。
【0077】第5の発明は、第1乃至4のいずれか一項
の発明において、排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度
とダイオキシン類カウント数とダイオキシン類濃度の測
定に分子のイオン化手段としてフェムト秒レーザ分析装
置又は真空紫外光分析装置を用いるので、迅速な計測が
可能となり、オンライン燃焼制御が可能とる。
【0078】第6の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉
等の炉内における燃焼を制御する方法において、排ガス
中のダイオキシン類前駆体濃度の測定に分子のイオン化
手段としてフェムト秒レーザ分析装置又は真空紫外光分
析装置を用い、ダイオキシン類前駆体を多種類同時に測
定し、前駆体濃度の合計量に応じてダイオキシン類の排
出制御を行うので、迅速な計測が可能となり、オンライ
ン燃焼制御が可能となる。
【0079】第7の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉
等の炉内における燃焼を制御する方法において、排ガス
中のダイオキシン類カウントの測定に分子のイオン化手
段としてフェムト秒レーザ分析装置又は真空紫外光分析
装置を用い、ダイオキシン類を多種類同時に測定し、ダ
イオキシン類カウント数に応じてダイオキシン類の排出
制御を行うので、迅速な計測が可能となり、オンライン
燃焼制御が可能とる。
【0080】第8の発明は、第1乃至7のいずれか一項
の発明において、上記ダイオキシン類の排出制御が炉内
温度、炉内ガス対流時間、炉内攪拌力のいずれか又はこ
れらの組合せにより制御するので、ダイオキシン類の発
生がない適正な燃焼制御を行うことができる。
【0081】第9の発明は、第8の発明において、上記
ダイオキシン類の排出制御が一次空気供給量、二次空気
供給量、ゴミ供給量及び燃焼空気への酸素富化量のいず
れか、又はこれらの組合せにより制御するので、さら
に、ダイオキシン類の発生がない適正な燃焼制御を行う
ことができる。
【0082】第10の焼却炉における燃焼制御システム
の発明は、燃焼炉における燃焼を制御するシステムにお
いて、排ガス中のダイオキシン類の排出制御を行うの
で、ダイオキシン類の発生を抑制した燃焼を行うことが
できる。
【0083】第11の焼却炉における燃焼制御システム
の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の炉内に燃焼物
を投入し、燃焼による発生熱量を一定に維持するととも
に、ダイオキシン類などの有害ガスの発生を抑制する焼
却炉における燃焼制御システムにおいて、排ガス中のダ
イオキシン類前駆体濃度、ダイオキシン類カウント数、
ダイオキシン類濃度から選ばれてなる少なくとも2つの
要素を計測する計測手段と、燃焼用空気制御手段とを具
備し、計測したダイオキシン類前駆体濃度、ダイオキシ
ン類カウント数、ダイオキシン類濃度から選ばれてなる
少なくとも2つの要素に応じて、炉内温度,炉内ガス対
流時間,炉内攪拌力のいずれか又はこれらの組合せによ
り制御するので、ダイオキシン類の発生を抑制した燃焼
を行うことができる。
【0084】第12の焼却炉における燃焼制御システム
の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の炉内に燃焼物
を投入し、燃焼による発生熱量を一定に維持するととも
に、ダイオキシン類などの有害ガスの発生を抑制する焼
却炉における燃焼制御システムにおいて、排ガス中のダ
イオキシン類前駆体濃度、ダイオキシン類カウント数、
ダイオキシン類濃度の3つの要素を計測する計測手段
と、燃焼用空気制御手段とを具備し、計測したダイオキ
シン類前駆体濃度、ダイオキシン類カウント数、ダイオ
キシン類濃度の3つの要素に応じて、炉内温度,炉内ガ
ス対流時間,炉内攪拌力のいずれか又はこれらの組合せ
により制御するので、制御の補正が可能となりダイオキ
シン類の発生を抑制した燃焼を行いつつ適正な炉の運転
が可能となり、炉の健全性が向上する。
【0085】第13の発明は、第11又は12の発明に
おいて、排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度とダイオ
キシン類カウント数とダイオキシン類濃度の測定に分子
のイオン化手段としてフェムト秒レーザ分析装置又は真
空紫外光分析装置を用いるので、リアルタイムで計測し
たデータに基づき、オンライン処理によりダイオキシン
類の発生が抑制された燃焼制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる排ガス処理システムの一
例を示す概略図である。
【図2】フェムト秒レーザ分析装置の概略図である。
【図3】真空紫外光分析装置の概略図である。
【図4】他の真空紫外光分析装置の概略図である。
【図5】ダイオキシン類のカウント数の測定の一例を示
す図である。
【図6】ダイオキシン類前駆体濃度測定の一例を示す図
である。
【図7】ダイオキシン類及びダイオキシン類前駆体の測
定チャートの一例を示す図である。
【図8】システム燃焼制御の一例を示す図である。
【図9】システム燃焼制御の一例を示す図である。
【図10】システム燃焼制御の一例を示す図である。
【図11】従来技術にかかる排ガス中のCOとダイオキ
シンとの相関関係の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
101 燃焼炉 102 燃焼排ガス 103 ダイオキシン類前駆体濃度 104 ダイオキシン類分子カウント数 105 ダイオキシン類濃度 106 計測濃度 107 判定器 108 制御装置 109 ダイオキシン類前駆体設定値演算器
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/64 G01N 27/64 B (72)発明者 荒岡 衛 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 山下 一郎 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 二見 博 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 Fターム(参考) 3K062 AA01 AA23 AB01 AB02 AB03 AC01 BA02 BB04 CB06 CB08 DA21 DB01 DB06 DB08 DB30

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の炉内にお
    ける燃焼を制御する方法において、 排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度、ダイオキシン類
    カウント数、ダイオキシン類濃度から選ばれてなる少な
    くとも2つの要素を基にして、ダイオキシン類の排出制
    御を行うことを特徴とする燃焼炉の燃焼制御方法。
  2. 【請求項2】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の炉内にお
    ける燃焼を制御する方法において、 排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度とダイオキシン類
    カウント数とダイオキシン類濃度との3つの要素を基に
    して、ダイオキシン類の排出制御を行うことを特徴とす
    る燃焼炉の燃焼制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 ダイオキシン類濃度に応じて前駆体濃度の設定値を調整
    して、ダイオキシン類の排出制御を行うことを特徴とす
    る燃焼炉の燃焼制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 ダイオキシン類濃度に応じてダイオキシン類のカウント
    の設定値を調整して、ダイオキシン類の排出制御を行う
    ことを特徴とする燃焼炉の燃焼制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項におい
    て、 排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度とダイオキシン類
    カウント数とダイオキシン類濃度の測定に分子のイオン
    化手段としてフェムト秒レーザ分析装置又は真空紫外光
    分析装置を用いることを特徴とする燃焼炉の燃焼制御方
    法。
  6. 【請求項6】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の炉内にお
    ける燃焼を制御する方法において、 排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度の測定に分子のイ
    オン化手段としてフェムト秒レーザ分析装置又は真空紫
    外光分析装置を用い、ダイオキシン類前駆体を多種類同
    時に測定し、前駆体濃度の合計量に応じてダイオキシン
    類の排出制御を行うことを特徴とする燃焼炉の燃焼制御
    方法。
  7. 【請求項7】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の炉内にお
    ける燃焼を制御する方法において、 排ガス中のダイオキシン類カウントの測定に分子のイオ
    ン化手段としてフェムト秒レーザ分析装置又は真空紫外
    光分析装置を用い、ダイオキシン類を多種類同時に測定
    し、ダイオキシン類カウント数に応じてダイオキシン類
    の排出制御を行うことを特徴とする燃焼炉の燃焼制御方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか一項におい
    て、 上記ダイオキシン類の排出制御が炉内温度、炉内ガス対
    流時間、炉内攪拌力のいずれか又はこれらの組合せによ
    り制御することを特徴とする燃焼炉の燃焼制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 上記ダイオキシン類の排出制御が一次空気供給量、二次
    空気供給量、ゴミ供給量及び燃焼空気への酸素富化量の
    いずれか、又はこれらの組合せにより制御することを特
    徴とする燃焼炉の燃焼制御方法。
  10. 【請求項10】 燃焼炉における燃焼を制御するシステ
    ムにおいて、 排ガス中のダイオキシン類の排出制御を行うことを特徴
    とする燃焼炉の燃焼制御方法。
  11. 【請求項11】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の炉内に
    燃焼物を投入し、燃焼による発生熱量を一定に維持する
    とともに、ダイオキシン類などの有害ガスの発生を抑制
    する焼却炉における燃焼制御システムにおいて、 排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度、ダイオキシン類
    カウント数、ダイオキシン類濃度から選ばれてなる少な
    くとも2つの要素を計測する計測手段と、燃焼用空気制
    御手段とを具備し、計測したダイオキシン類前駆体濃
    度、ダイオキシン類カウント数、ダイオキシン類濃度か
    ら選ばれてなる少なくとも2つの要素に応じて、炉内温
    度,炉内ガス対流時間,炉内攪拌力のいずれか又はこれ
    らの組合せにより制御することを特徴とする焼却炉にお
    ける燃焼制御システム。
  12. 【請求項12】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等の炉内に
    燃焼物を投入し、燃焼による発生熱量を一定に維持する
    とともに、ダイオキシン類などの有害ガスの発生を抑制
    する焼却炉における燃焼制御システムにおいて、 排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度、ダイオキシン類
    カウント数、ダイオキシン類濃度の3つの要素を計測す
    る計測手段と、燃焼用空気制御手段とを具備し、計測し
    たダイオキシン類前駆体濃度、ダイオキシン類カウント
    数、ダイオキシン類濃度の3つの要素に応じて、炉内温
    度,炉内ガス対流時間,炉内攪拌力のいずれか又はこれ
    らの組合せにより制御することを特徴とする焼却炉にお
    ける燃焼制御システム。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12において、 排ガス中のダイオキシン類前駆体濃度とダイオキシン類
    カウント数とダイオキシン類濃度の測定に分子のイオン
    化手段としてフェムト秒レーザ分析装置又は真空紫外光
    分析装置を用いることを特徴とする燃焼制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013257063A (ja) * 2012-06-12 2013-12-26 Jfe Engineering Corp 廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法

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JP2013257063A (ja) * 2012-06-12 2013-12-26 Jfe Engineering Corp 廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法

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