JPH11212044A - 可変光学フィルタ - Google Patents
可変光学フィルタInfo
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Abstract
フィルタに関し、特性曲線の形状を透過率の軸の方向に
変化させることを主な課題としている。 【解決手段】 第1及び第2の偏光子P1,P2と、透
過する直交2偏光成分間に与えられる位相差を決定する
光学軸を有する複屈折素子BPと、透過する偏光に可変
のファラデー回転角を与えるファラデー回転子FRとか
ら構成し、複屈折素子及びファラデー回転子の配列順序
並びに光学軸及び各偏光子の透過軸の相対的位置関係
を、透過率の波長特性を与える特性曲線の形状がファラ
デー回転角の変化に従って透過率の軸の方向に変化する
ようにして構成する。
Description
バ通信システム等のシステムに適用可能な可変光学フィ
ルタに関し、特に、透過率の波長特性を与える特性曲線
の形状が透過率の軸の方向に変化する可変光学フィルタ
に関する。
m)な光ファイバの製造技術及び使用技術が確立され、
光ファイバを伝送路とする光ファイバ通信システムが実
用化されている。また、光ファイバにおける損失を補償
して長距離の伝送を可能にするために、信号光を増幅す
るための光増幅器の使用が提案されあるいは実用化され
ている。
べき信号光が供給される光増幅媒体と、光増幅媒体が信
号光の波長を含む利得帯域を提供するように光増幅媒体
をポンピングする手段とを備えている。例えば、エルビ
ウムドープファイバ増幅器(EDFA)は、光増幅媒体
としてのエルビウムドープファイバ(EDF)と、予め
定められた波長を有するポンプ光をEDFに供給するた
めのポンプ光源とを備えている。0.98μm帯あるい
は1.48μm帯の波長を有するポンプ光を用いること
によって、波長1.55μmを含む利得帯域が得られ
る。また、半導体チップを光増幅媒体として用いる光増
幅器も知られている。この場合、半導体チップに電流を
注入することによってポンピングが行われる。
せるための技術として、波長分割多重(WDM)があ
る。WDMが適用されるシステムにおいては、異なる波
長を有する複数の光キャリアが用いられる。各光キャリ
アを独立に変調することによって得られた複数の光信号
が光マルチプレクサにより波長分割多重され、その結果
得られたWDM信号光が光ファイバ伝送路へ送出され
る。受信側では、受けたWDM信号光が光デマルチプレ
クサによって個々の光信号に分離され、各光信号に基づ
いて伝送データが再生される。従って、WDMを適用す
ることによって当該多重数に応じて一本の光ファイバに
よる伝送容量を増大させることができる。
組み入れる場合、しばしば利得傾斜(ゲインチルト)と
称される利得特性(利得の波長特性)によって伝送距離
が制限される。例えば、EDFAにおいては、波長1.
55μmの近傍で利得偏差が生じる。カスケード接続さ
れた複数のEDFAについて利得傾斜が累積すると、利
得が小さい帯域に含まれるチャネルの光SNR(信号対
雑音比)が悪くなる。
得等化器を用いることができる。利得傾斜の累積により
あるチャネルの光SNRの劣化が過剰になるよりも前
に、適切な位置に設けられた利得等化器によって利得等
化が行われる。
して、可変光学フィルタがある。可変光学フィルタにお
いては、透過率(又は損失)の波長特性(透過率の波長
依存性)が可変である。例えば、光増幅器の利得傾斜を
相殺するように可変光学フィルタの波長特性が設定され
あるいは制御され、それにより、受信側における光信号
のパワーのチャネル間偏差が小さくなる。
フィルタが知られている。この種の光学フィルタにおい
ては、例えば、光学干渉膜や回折格子への光ビームの入
射角度が機械的に変化させられ、それにより、透過波長
帯域の中心波長あるいは阻止波長帯域の中心波長が変化
する。即ち、透過率の波長特性を与える特性曲線の形状
が波長の軸の方向に変化する。また、フォトニクステク
ノロジーズ(Photonics Technolog
ies)社から提供されている可変光学フィルタは、ス
プリットビームフーリエフィルタ(Split−Bea
m Fourier Filter)を基本原理として
おり、機械的な手段により、中心波長だけでなく阻止量
(透過率)そのものも可変にしている。即ち、透過率の
波長特性を与える特性曲線の形状が波長の軸の方向だけ
でなく透過率の軸の方向にも可変である。
によって損失の波長特性を変化させることのできる可変
光学フィルタとして、導波路型のマッハツェンダ(Ma
ch−Zehnder:MZ)光学フィルタやアコース
トオプティックチューナブルフィルタ(Acousto
−Optic Tunable Filter:AOT
F)等が知られている。
心波長可変の光バンドパスフィルタが提案されている
(特開平6−130339号)。
ている可変光学フィルタは、高速な動作が困難であり、
また信頼性に欠けるという欠点を有している。また、M
Z光学フィルタやAOTFには、現在のところ、(1)
駆動電圧が高い、(2)消費電力が大きい、(3)温度
安定化装置が必要であり大規模化を避けられない、
(4)信頼性が得られていない、等の欠点がある。
おらず、従って高い信頼性が得られること、(2)電気
的手段によって制御が可能なこと、(3)駆動電圧が低
く消費電力が小さいこと等の条件を満たす可変光学フィ
ルタが要望されている。
候補としては、特開平6−130339号公報に記載さ
れている可変光学フィルタが挙げられる。この可変光学
フィルタは可変なファラデー回転角を与える可変ファラ
デー回転子を備えており、透過率の波長特性を与える特
性曲線の形状がファラデー回転角の変化に従って波長の
軸の方向に変化するようにされている。しかし、特性曲
線の形状は、透過率の軸の方向に変化されることはでき
ない。前述した利得等化器の用途では、例えば阻止波長
帯域の損失深さが可変であることが要求されているの
で、この可変光学フィルタは利得等化器として必ずしも
十分な性能を有しているとはいえない。
性を与える特性曲線の形状が透過率の軸の方向に変化す
るような可変光学フィルタを提供することにある。本発
明の他の目的は以下の説明から明らかになる。
と、第1及び第2の偏光子と、複屈折素子と、ファラデ
ー回転子とを備えた可変光学フィルタが提供される。第
1及び第2の偏光子の各々は、透過する偏光の偏光軸を
決定する透過軸を有している。複屈折素子は、第1及び
第2の偏光子の間に設けられ、透過する直交2偏光成分
間に位相差を与える。位相差は複屈折素子の光学軸によ
って決定される。ファラデー回転子は、第1及び第2の
偏光子の間に設けられ、透過する偏光に可変のファラデ
ー回転角を与える。複屈折素子及びファラデー回転子の
配列順序と、複屈折素子の光学軸と第1及び第2の偏光
子の各々の透過軸との相対的位置関係とは、透過率の波
長特性を与える特性曲線の形状がファラデー回転角の変
化に従って透過率の軸の方向に変化するように設定され
る。
置関係が特定の形態に設定されているので、特性曲線の
形状が透過率の軸の方向に可変になり、例えば、阻止波
長帯域の損失深さを変化させることができるようにな
り、本発明の目的の1つが達成される。
過率として定義される。
の望ましい実施の形態を詳細に説明する。まず、本発明
による可変光学フィルタの構成及び動作を理解する上で
有用と思われるので、図1を参照して複屈折フィルタに
ついて説明する。複屈折フィルタは、第1の偏光子P1
と、複屈折板BPと、第2の偏光子P2とを、透過光の
光路OP上にこの順に配置して構成される。ここでは、
光路OPに平行なZ軸を有する直交三次元座標系(X,
Y,Z)が採用されている。ここでは、X軸及びY軸
は、それぞれ、複屈折板BPの光学軸(C1軸及びC2
軸)に平行であり、第1偏光子P1の透過軸とY軸とが
なす角度は45°であるとする。第2の偏光子P2の透
過軸とY軸とがなす角度は任意である。尚、「偏光子の
透過軸」は、透過する直線偏光の振動方向に一致し、よ
り一般的には、その偏光子を透過する偏光の偏光軸を決
定する軸として定義される。
屈折板BPに入射すると、この直線偏光は、C1軸に平
行な偏光面を有する成分とC2軸に平行な偏光面を有す
る成分とに分離されて複屈折板BPの内部を伝搬する。
これらの2成分は複屈折板BPから出力されるときに、
波長に従って決定される位相差の下で合成される。複屈
折板BPの厚みが入射光の波長に比べて十分大きい場
合、複屈折板BPの出力において合成される光の偏光状
態は波長に応じて異なる。即ち、合成された光は、波長
によって、直線偏光であるかも知れないし、円偏光又は
楕円偏光であるかも知れない。第2の偏光子P2の透過
率は、第2の偏光子P2に入射する光の偏光状態に依存
するため、波長によって異なる。例えば、第2の偏光子
P2の透過軸がある波長の直線偏光に平行になるように
固定されているとすると、その波長の光に対する第2の
偏光子P2の透過率は原理的に100%となる。これと
は異なる波長においては、第2の偏光子P2の透過軸と
直交する直線偏光に対しては、第2の偏光子P2の透過
率は原理的には0%となる。更に、他の波長の円偏光に
対する第2の偏光子P2の透過率は原理的には50%で
あり、別の波長の楕円偏光に対する第2の偏光子P2の
透過率は楕円偏光の楕円率に応じたものとなる。このよ
うにして、この複屈折フィルタの透過率は光の波長に依
存して変化することになる。
フィルタの特性の例を説明するための図である。例え
ば、特開平6−130339号公報に記載されている可
変光学フィルタでは、図1の複屈折フィルタの複屈折板
BPに代えて、ファラデー回転子及び2つの1/4波長
板を含む移相子を設け、これにより透過率が波長に対し
て周期的に変化するような波長特性が得られている。こ
の波長特性を与える特性曲線の形状は、図2の(A)に
実線及び破線で示されるように波長の軸の方向に可変で
ある。
とにより、図2の(B)に示されるように、特性曲線の
形状が波長の軸の方向に可変である光バンドパスフィル
タを提供することができる。
されている可変光学フィルタの特性の例を説明するため
の図である。図2の(A)では特性曲線の形状が波長の
軸の方向に可変であるのに対して、図3の(A)に示さ
れるように、特性曲線の形状が透過率の軸の方向に可変
である可変光学フィルタが要求されているものである。
具体的には、利得等化器としての使用を考慮して、例え
ば図3の(B)に示されるように、阻止波長帯域におけ
る損失深さが可変であるノッチフィルタの実現が要求さ
れているのである。
量的な解析を行った上でこれを発展させて、図3の
(A)及び(B)に示されるような特性を有する可変光
学フィルタを提供するための方法を示す。今、図1の複
屈折フィルタにおいて、第1の偏光子P1の透過軸P1
Aと、複屈折板BPの光学軸(C1軸及びC2軸)と、
第2の偏光子P2の透過軸P2Aとが、図4に示される
ような位置関係にあると仮定する。即ち、透過軸P1A
とC2軸とがなす角をφとし、透過軸P2AとC2軸と
がなす角をθとする。
(ωt)が入射した時、複屈折板BPを通過した光のC
1軸に平行な成分E1とC2軸に平行な成分E2は、両
成分の位相遅れをそれぞれε1及びε2とすると、それ
ぞれ、 E1=sinφsin(ωt+ε1) E2=cosφsin(ωt+ε2) と書ける。第2の偏光子P2を出た光の振幅は、 E1sinθ+E2cosθ=sinφ sinφ sin (ωt+ε1)+cosφ cosθ sin (ωt+ε2) = (sinφ sinθ cosε1 +cosφ cosθ cosε2) sinωt + (sinφ sinθ sinε1 +cosφ cosθ sinε2) cosεt となる。従って、透過光の強度Iは、I= cos2(φ+
θ) + sin(2φ) sin(2θ) cos2((ε1-ε2)/2)とな
る。複屈折板BPの厚みをd、複屈折板BPにおける常
光線および異常光線の屈折率差をμ、波長をλとする
と、 (ε1−ε2)/2=πμd/λ となる。従って、透過光の強度Iは波長λの関数I
(λ)となり、 I(λ) = cos2(φ+θ)+ sin(2φ) sin(2θ) cos2(πμd/λ) ………(1) と表すことができる。(1)式により、透過光強度は、
波長依存性を持ち、波長に対して周期的に変化すること
が分かる。ここで、実際に使用する波長帯域に比べて、
波長の値が大きいと、1/λは、次のように一次関数で
近似することができる。
〜1600nmとすると、a=4.165×10-7(1/
nm2),b=1.291×10-3(1/nm)となる。
ると、 I(λ) = cos2(φ+θ)+ sin(2φ) sin(2θ) cos2(πλ/FSR) ……(1) ′ が得られる。ここで、FSR(Free Spectral Range)
は、透過率の波長特性における波長周期を表し、次式で
与えられる。
材料によって決定される屈折率差μが一定であるとする
と、複屈折板BPの厚みdを調整すればよいことがわか
る。
θを変化させると、透過光強度も変化することがわか
る。図6を参照すると、例えば、角φをπ/4(45
°)とし、角θの値を変化させたときの透過率の波長特
性の変化の様子が示されている。縦軸は透過率(真値)
であり、横軸はFSRで規格化された相対波長である。
また、角θの値として正の値と負の値があるのは、C2
軸と透過軸P2Aとの間の相対的な回転方向を示すため
であり、これについては後で詳しく説明する。
偏光子P2の透過軸P2Aを回転することである。現状
の技術では、機械的手段を用いずに透過軸が回転するこ
とができる偏光子はない。また、機械的な手段を用いれ
ば透過軸を回転する偏光子を提供することができるが、
機械的可動部を有している可変光学フィルタは、高速動
作が困難であり又信頼性に欠ける等の問題を有してい
る。そこで、本発明では、以下に詳しく説明するよう
に、可変ファラデー回転子を用いる方法が提案される。
がC2軸となす角度であり、第2の偏光子P2へ入射さ
れる光の偏光軸と第2の偏光子P2の透過軸P2Aとが
なす角度であるということもできる。即ち、「第2の偏
光子P2の透過軸P2Aを回転すること」は、「第2の
偏光子P2へ入射される光の偏光軸を回転すること」と
実質的に同じである。従って、可変のファラデー回転角
を与えるファラデー回転子を例えば複屈折板BPと第2
の偏光子P2との間に配置し、第2の偏光子P2に入射
される偏光の方位角を回転すれば、角θが変化したのと
同じ状態を実現することができ、その回転に応じて透過
光強度を変化させることが可能である。
を第1の偏光子P1と複屈折板BPの間に配置し、複屈
折板BPに入射される偏光の方位角を回転すれば、角φ
が変化したのと同じ状態を実現することができ、その回
転に応じて透過光強度を変化させることが可能である。
れぞれ本発明による可変光学フィルタの第1及び第2実
施形態が示されている。図7の(A)に示される第1実
施形態では、可変ファラデー回転子FRは複屈折板BP
と第2の偏光子P2との間に設けられており、図7の
(B)に示される第2実施形態では、可変ファラデー回
転子FRは第1の偏光子P1と複屈折板BPとの間に設
けられている。
いて、本発明による可変光学フィルタを実施するための
最も単純で且つ明確な要件を再確認しておく。各実施形
態では、複屈折板BP及び可変ファラデー回転子FR
は、第1の偏光子P1と第2の偏光子P2との間に設け
られる。第1の偏光子P1は、透過する偏光の偏光軸を
決定する透過軸P1Aを有しており、第2の偏光子P2
は、透過する偏光の偏光軸を決定する透過軸P2Aを有
している。複屈折板BPは、透過する直交2偏光成分間
に与えられる位相差を決定する光学軸(C1軸及びC2
軸あるいはそのいずれか一方)を有している。可変ファ
ラデー回転子FRは、透過する偏光に可変のファラデー
回転角を与える。そして、複屈折板BP及び可変ファラ
デー回転子FRの配列順序と光学軸(例えばC1軸)並
びに透過軸P1A及びP2Aの相対的位置関係とは、透
過率の波長特性を与える特性曲線の形状がファラデー回
転角の変化に従って透過率の軸の方向に変化するように
設定される。
Rが得られるように設計される。透過率の波長依存性を
実現するために、複屈折板BPとしては、1/4波長板
や1/2波長板と呼ばれる複屈折板に比べて厚く、具体
的には使用される波長よりも十分大きい厚みを有する複
屈折板が用いられる。更に具体的には、20波長乃至1
00波長に相当する位相差を与えることができる複屈折
板が採用される。
は、入力光は、光路OPに沿って第1の偏光子P1、複
屈折板BP、可変ファラデー回転子FR及び第2の偏光
子P2をこの順に通過する。
は、入力光は、光路OPに沿って第1の偏光子P1、可
変ファラデー回転子FR、複屈折板BP及び第2の偏光
子P2をこの順に通過する。
実施形態における部材間の位置関係を示す図である。こ
こでは、直交三次元座標系(X,Y,Z)において、Z
軸は光路OPに平行であるとし、Y軸は第1の偏光子P
1の透過軸P1Aに平行であるとする。また、φ、θ及
びδを新たにあるいは更に明確に次のように定義する。
P1の透過軸P1A(Y軸)とがなす角。符号は、Y軸
からC1軸に向かって回転するときに右回りとなる角を
正とする。
P2の透過軸P2Aとがなす角。符号は、透過軸P2A
からC1軸に向かって回転するときに右回りとなる角を
正とする。
軸)と第2の偏光子P2の透過軸P2Aとがなす角。符
号は、Y軸から透過軸P2Aに向かって回転するときに
右回りとなる角を正とする。
デー回転子FRによって与えられるファラデー回転角α
の符号は、X軸からY軸に向かって回転するときに左回
りとなる角を正とする。
円(円を含む)及び直線の群は、α=0であるとしたと
きにおける複屈折板BPの出力における偏光状態の波長
依存性を表している。
性を持たせるためには、(1)式から明らかなように、
「 sin(2φ) sin(2θ) が常に0である」という条件を
避ける必要がある。このため、図7の(A)に示される
第1実施形態のようにファラデー回転子FRを用いて角
θを実質的に変化させたのと同じ状態を提供する場合に
は、φ≠nπ/2(nは整数)とする。また、図7の
(B)に示される第2実施形態のように、ファラデー回
転子FRを用いて角φを実質的に変化させたのと同じ状
態を提供する場合には、θ≠nπ/2(nは整数)とす
る。
子がその通過光に及ぼす作用は、1×2行列で表される
ジョーンズベクトル(Jones Vector)及び
2×2行列で表されるジョーンズマトリックス(Jon
es Matrix)により表現される。また、各通過
点における光電力は、ジョーンズベクトルの2成分の二
乗和で表される。ジョーンズベクトル及びジョーンズマ
トリックスを用いた行列計算により、本発明による可変
光学フィルタの透過率(電力透過率)を計算可能であ
る。
形態における透過率の波長特性を計算した結果を表して
いる。ここでは、φ=π/4,δ=0とし、ファラデー
回転角αを変化させている。縦軸は透過率(dB)、横
軸はFSRで規格化された相対波長を表している。ここ
では、波長特性を与える特性曲線の形状が、相対波長が
0.25及び−0.25である点を不動点として、ファ
ラデー回転角αに従って透過率の軸(縦軸)の方向に変
化していることが明らかである。
/2−δの範囲(π/2の範囲)で、又は、φ=−π/
4とした場合には、−δ>α>−π/2−δの範囲(π
/2の範囲)でファラデー回転角αを変化されば、透過
率の波長特性がとり得る全ての状態を実現することがで
きる。
軸P1A及びP2Aを互いに平行にすると、変化させる
ファラデー回転角αの符号は正負どちらか一方だけを選
べばよいことがわかる。従って、δ=0とすることによ
り、0<α<π/2又は0>α>−π/2となり、ファ
ラデー回転角αを一方向だけに与える可変ファラデー回
転子を用いることができるようになり、ファラデー回転
子FRの構成を簡単にすることができる。このことは、
図7の(B)に示される実施形態においても同様であ
る。
向に与えることができる可変ファラデー回転子を用いれ
ば、δ=φと設定することにより、α=0のときに透過
率が波長によらず一定になる。例えば、本発明による可
変光学フィルタをシステムに組み込んだ場合において、
制御オフとなりα=0となったときに、透過率が波長に
よらず一定となっていることが望ましい場合がある。ま
た、このときには−π/4<α<π<4となるため、フ
ァラデー回転角αの絶対値はπ/4より小さくなり、磁
気光学効果を応用した可変ファラデー回転子等が用いら
れている場合に、ファラデー回転角αを最大値に設定し
ているときの消費電力を低減することが可能になる。図
7の(B)に示される第2実施形態においても同様の議
論が成り立ち、その場合には、δ=θとすればよい。
タは、例えば、損失傾斜が可変であるパワー等化器とし
ての応用が考えられる。ここで、「損失傾斜」は、図1
0に示されるように、透過率を対数表示で表したときの
透過率の波長特性を与える特性曲線が直線的であるとき
に、その傾きを指す。損失傾斜が可変であるパワー等化
器は、例えば、光ファイバ通信システムにおいて、光増
幅器の利得傾斜を等化する場合や、光ファイバの損失傾
斜を補償する場合等に有効である。
ルタを損失傾斜が可変である等化器として用いる場合に
は、例えば、次のように使用波長帯域を選ぶことによっ
て、波長帯域内の損失の平均値(以下、「平均損失」と
称する。)を一定に保つことが可能になる。即ち、最大
損失又は最小損失が得られる幾つかの波長のうち、隣り
合う2つの波長の中心値を使用波長帯域の中心波長に選
び、且つ、使用波長帯域の帯域幅をFSRの1/2より
も小さく設定する。
各々最大損失又は最小損失が得られるA点及びB点の中
心値を与えるC点を使用波長帯域の中心波長とし、FS
Rの1/5を使用波長帯域として選んだ例である。損失
傾斜が可変である特性が得られていることがわかる。ま
た、この例では、ファラデー回転角αを変化させても平
均損失は変化しないことがわかる。尚、図11のグラフ
においては、各特性曲線が直線的であることを明らかに
するために、完全な直線が破線で示されている(図13
及び16においても同様)。
光学フィルタでは、平均損失が3dBという大きな値と
なることが欠点である。この問題を解決するためには、
以下の2つの方法が考えられる。
2Aのいずれか一方と複屈折板BPのC1軸とがなす角
(φ又はθ)を±π/4と異ならせる方法である。例え
ば、図7の(A)に示される第1実施形態においては、
0<φ<π/4が満たされるように角φを設定し、且
つ、−δ<α<2φ−δの範囲でファラデー回転角αを
変化させるか、あるいは、−π/4<φ<0が満たされ
るように角φを設定し、且つ、−δ>α>2φ−δの範
囲でファラデー回転角αを変化させる。
π/6,δ=0とし、ファラデー回転角αを変化させな
がら透過率の波長特性を計算した結果である。また、図
13は図11における相対波長の範囲に準じて図12の
(A)及び(B)の各々に示される波長特性を拡大して
得られた波長特性を示している。
れる波長特性と比較して平均損失が小さくなっているこ
とがわかる。但し、図13の例では、ファラデー回転角
αの変化に応じて平均損失が変化することになる。
いては、0<θ<π/4が満たされるようにθを設定
し、且つ、−δ>α>−2θ−δの範囲でファラデー回
転角αを変化させるか、あるいは、−π/4<θ<0が
満たされるようにθを設定し、且つ、−δ<α<−2θ
−δの範囲でファラデー回転角αを変化させることによ
って、図7の(A)の第1実施形態におけるのと同様の
効果が得られる。
/4と異なるように設定した場合にも、角δ=0とする
ことにより、ファラデー回転角αを一方向だけに与える
可変ファラデー回転子を用いることができるようにな
る。また、図7の(A)に示される第1実施形態におい
てはδ=φとすることにより、また、図7の(B)に示
される第2実施形態においてはδ=θとすることによ
り、制御オフとしてα=0となったときに透過率が波長
によらず一定となる効果が得られる。
により得られる効果は、図14の(A)及び(B)の各
々に示されるように、1/4波長板を適切な位置に適切
な角度で挿入し、偏光方位をずらすことによっても実現
できることは明らかである。
変光学フィルタの第3実施形態は、図7の(A)に示さ
れる第1実施形態と対比して、第1の偏光子P1と複屈
折板BPとの間に1/4波長板2が付加的に設けられて
いる点で特徴付けられる。
変光学フィルタの第4実施形態は、図7の(B)に示さ
れる第2実施形態と対比して、複屈折板BPと第2の偏
光子P2との間に1/4波長板2′が付加的に設けられ
ている点で特徴付けられる。
分偏光子を用いる方法である。ここで、「部分偏光子」
は、透過軸と直交する偏光面を有する直線偏光の入射に
対して、透過率が0(真数)ではないある値を示す偏光
子を指す。部分偏光子において、透過軸と直交する偏光
面を有する直線偏光の透過率をtと定義する。
0.25(−6dB)の部分偏光子を用い、φ=π/
4,δ=0として、ファラデー回転角αを変化させなが
ら透過率の波長特性を計算した結果を示している。ま
た、図16は図15に示される波長特性の一部を拡大し
て得られた波長特性を示している。図16に示される特
性を図11に示される特性と比較すると、平均損失が小
さくなっており、しかも、ファラデー回転角αの変化に
対して平均損失が変化していないことが明らかである。
いて第2の方法を実施する場合には、φ=±π/4に設
定することにより、可変量(ある波長における透過率の
可変範囲)を最大にすることができる。前述したよう
に、透過率の波長特性がとり得る全ての状態を実現する
ことができるからである。また、図7の(B)に示され
る第2実施形態において第2の方法を実施する場合に
は、θ=±π/4に設定することにより、同じく可変量
を最大にすることができる。第2の方法を実施する場合
にも、δ=0とすることにより、一方向にファラデー回
転角αを与える可変ファラデー回転子を用いることがで
きるようになる。また、図7の(A)に示される第1実
施形態においてはδ=φとすることにより、また、図7
の(B)に示される第2実施形態においてはδ=θとす
ることにより、制御オフとしてα=0となったときに透
過率が波長によらず一定となる効果が得られる。
値を与えるためにも有効である。例えば、図7の(A)
に示される第1実施形態においてφ=π/4とした場
合、原理的には電力透過率が0(真数)の値をとり得る
ため、図9から明らかなように、最大損失(dB)は無
限大になる。このような特性はシステム運用上好ましく
ない場合がある。そこで、第1又は第2の方法を用いる
ことにより、最大損失(dB)を有限の値に抑えること
が可能となる。このことは、図12の(A)及び(B)
並びに図15から明らかである。
第5実施形態を示す図である。この実施形態は、これま
でに説明した実施形態において1つの可変ファラデー回
転子FRが用いられているのと対比して、第1の偏光子
P1及び第2の偏光子P2の間に2つの可変ファラデー
回転子FR1及びFR2が設けられている点で特徴付け
られる。複屈折板BPはファラデー回転子FR1及びF
R2の間に設けられる。
長特性と異なる波長特性を得ることができる。例えば、
φ=±π/4,δ=nπ/2(nは整数)とし、ファラ
デー回転子FR1によって与えられるファラデー回転角
α1 とファラデー回転子FR2によって与えられるファ
ラデー回転角α2 を、α1 =α2 を保ちながら回転させ
る場合を考える。
子P1、ファラデー回転子FR1、複屈折板BP、ファ
ラデー回転子FR2及び第2の偏光子P2をこの順に通
過する。
ラデー回転角α(α1 及びα2 )を、0<α<π/4の
範囲で回転させた場合の透過率の波長特性を示してい
る。ここでは、第2の偏光子P2としては部分偏光子が
用いられている。
特性における最小損失が、ファラデー回転角αによらず
常に0となる特性が得られている。このようにα1 =α
2 を保ちながら各ファラデー回転角を変化させるため
に、図17の第5実施形態では、制御ユニット4がファ
ラデー回転子FR1及びFR2に接続されている。制御
ユニット4は、ファラデー回転子FR1によって与えら
れるファラデー回転角α1 とファラデー回転子FR2に
よって与えられるファラデー回転子α2 とが実質的に等
しくなるようにファラデー回転子FR1及びFR2を制
御する。
第6実施形態を示す図である。この実施形態は、これま
での実施形態では1つの複屈折板BPが用いられている
のと対比して、2つの複屈折板BP1及びBP2が第1
の偏光子P1と第2の偏光子P2との間に設けられてい
る点で特徴付けられる。
1及びBP2の間に設けられている。入力光は、光路O
Pに沿って、第1の偏光子P1、複屈折板BP1、ファ
ラデー回転子FR、複屈折板BP2及び第2の偏光子P
2をこの順に通過する。
2を用いることにより、図18に示される波長特性に似
た波長特性を得ることができる。例えば、複屈折板BP
1及びBP2の光学軸について前述の角φと同様にそれ
ぞれ定義される角φ1 及び角φ2 を等しくし(φ1 =φ
2 )、また、φ1 =±π/4,φ2 =±π/4,δ=n
π/2(nは整数)とする。
ラデー回転子FRの回転角αを0<α<π/2の範囲で
回転させた場合における透過率の波長特性を示してい
る。ここでは、第2の偏光子P2として部分偏光子を用
いている。
特性における最小損失がファラデー回転角αによらず常
に0となる波長特性か得らている。また、図19の第6
実施形態においても、δ=0とすることにより、一方向
に可変のファラデー回転角αを与えるファラデー回転子
を用いることができるようになる。
第7実施形態を示す図である。この実施形態は、第1の
偏光子P1と第2の偏光子P2との間に設けられる可変
移相子6を付加的に備えていることで特徴付けられる。
可変移相子6は、その光学軸に平行な偏光成分とそれに
直交する偏光成分との間に位相差(リタデーション)を
与え、その位相差は可変移相子6に供給される制御信号
により可変である。
ァラデー回転子FR及び第2の偏光子P2は図7の
(A)に示される第1実施形態に準じて配置されてお
り、ここでは、可変移相子6は第1の偏光子P1と複屈
折板BPとの間に設けられている。
特性を与える特性曲線の形状が可変ファラデー回転子F
Rにより与えられるファラデー回転角の変化に従って透
過率の軸の方向に変化するだけでなく、特性曲線の形状
は、可変移相子6によって与えられる位相差の変化に従
って、波長の軸の方向にも変化するようになる。従っ
て、図3の(A)及び(B)により説明した可変光学フ
ィルタの特性だけでなく、図2の(A)及び(B)によ
り説明した可変光学フィルタの特性も得られることとな
る。
向に変化させるためには、可変移相子6の光学軸と複屈
折板BPの光学軸とのなす角度がnπ/2(nは整数)
となっていることが望ましい。
3 等の電気光学効果を応用したものを採用することがで
きる。しかしながら、電気光学効果を応用した可変位相
子は、一般に、高い駆動電圧を必要とする。
第8実施形態を示す図である。この実施形態では、特定
構成の可変移相子6を採用し、可変移相子6の駆動電圧
の低減を図っている。
及び12と、1/4波長板10及び12間に設けられる
もう1つの可変ファラデー回転子8とを備えている。1
/4波長板10の光学軸と1/4波長板12の光学軸と
のなす角はπ/2に設定されている。
と複屈折板BPの光学軸とのなす角をnπ/2(nは整
数)に設定することによって、この可変光学フィルタの
透過率の波長特性を与える特性曲線の形状が可変ファラ
デー回転子8によって与えられるファラデー回転角の変
化に従って波長の軸の方向に変化するようになる。
るファラデー回転角がβである場合、可変移相子6によ
って直交2偏光成分間に与えられる位相差は2βにな
る。この原理は、特開平6−130339号公報の開示
内容及び周知技術により自明であるので、その説明を省
略する。
第9実施形態を示す図である。この実施形態は、図22
の第8実施形態と対比して、第1の偏光子P1と第2の
偏光子P2との間に少なくとも1つのフィルタユニット
が付加的に設けられている点で特徴付けられる。
のフィルタユニット14(#1,…,#N)が設けられ
ている。i(iは1≦i≦Nを満たす整数)番目のフィ
ルタユニット14(#i)は、それぞれ第1の偏光子P
1、可変移相子6、複屈折板BP及び可変ファラデー回
転子FRに対応する偏光子P1(#i)、可変移相子6
(#i)、複屈折板BP(#i)及びファラデー回転子
FR(#i)を含む。
率の波長特性は、図22に示される可変光学フィルタの
透過率の波長特性と、フィルタユニット14(#1,
…,#N)のそれぞれの透過率の波長特性との和によっ
て与えられるので、透過率の波長特性を任意に設定する
のが容易になる。
に、図23の可変光学フィルタにおいて各々透過率の波
長特性を与える3つの特性曲線が得られている場合、全
体としての透過率の波長特性は3つの特性曲線の和によ
って与えられるので、図24の(B)に示されるような
所望の透過率の波長特性を得ることができるようにな
る。
i)が、特性曲線を波長の軸の方向に変化させるための
可変移相子6(#i)と、特性曲線を透過率の軸の方向
に変化させるための複屈折板BP(#i)及びファラデ
ー回転子FR(#1)とを有しているとしたが、必要に
応じて、可変移相子6(#i)あるいは複屈折板BP
(#i)及びファラデー回転子FR(#i)を省略する
ようにしてもよい。
めのファラデー回転子の具体的構成例について説明す
る。一般に、磁気光学結晶にある磁界(磁場)を印加し
た状態で、つまり磁気光学結晶をある磁界の中においた
状態で、例えば直線偏光が磁気光学結晶内を通過する
と、その偏光方向(直線偏光の電場ベクトルを含む平面
の当該伝搬方向と垂直な平面への投影によって与えられ
る方向)は、直線偏光の伝搬方向に係わらず常に一定の
方向に回転される。
方向の回転角の大きさ(ファラデー回転角)は、印加磁
界により生じた磁気光学結晶の磁化の方向及び強さに依
存する。具体的には、ファラデー回転角は、磁気光学結
晶の磁化の強さの光の伝搬方向の成分の大きさによって
決定される。
に対して光の伝搬方向と同じ方向に磁界を印加する手段
とからファラデー回転子を構成すれば、一見すると印加
磁界を調整することによりファラデー回転角を有効に調
整することができそうである。
加磁界の大きさが比較的小さい場合には、印加磁界によ
る磁気光学結晶の磁化の強さが飽和状態に達せず、磁気
光学結晶内に多数の磁区が存在していることである。
ー回転角の再現性を悪化させるし、良好な再現性が確保
されているとしても、ファラデー回転角の連続な可変を
困難にする。また、磁気光学結晶に多数の磁区がある場
合には、各磁区間の界面における光の散乱による減衰も
生じ、実用上の不都合となる。
可変ファラデー回転子は、光路上に配置される磁気光学
結晶と、互いに異なる方向の第1及び第2磁界をこれら
の合成磁界の強さが予め定められた値(例えば磁気光学
結晶の磁化の強さが飽和するのに必要とされる磁界の強
さに相当する値)よりも大きくなるように磁気光学結晶
に対して印加する磁界印加手段と、第1及び第2磁界の
強さの少なくとも一方を変化させる磁界調整手段とを含
む。
和した状態は、磁区が1つになった状態として理解する
ことができる。望ましくは、第1及び第2磁界は、磁気
光学結晶を透過する光の伝搬方向を含む平面内の互いに
直交する方向にそれぞれ印加される。
デー回転子32の一構成例を示す図である。可変ファラ
デー回転子32は、可変ファラデー回転子FRあるいは
可変ファラデー回転子8として用いることができる。
1と、磁気光学結晶41に対して互いに直交する方向に
磁界を印加する永久磁石42及び電磁石43と、電磁石
43に駆動電流を与える可変電流源44とを含む。
YIG(イットリウム鉄ガーネット)やエピタキシャル
結晶成長させた(GdBi)3 (FeAlGa)5 O12
等を用いることにより、駆動電流を小さく抑えることが
できる。
と平行であり、この場合、永久磁石42及び電磁石43
により磁気光学結晶41に印加される磁界の方向はそれ
ぞれZ軸及びX軸と平行である。符号45は磁気光学結
晶41を透過する光ビームを表している。
転子32において磁気光学結晶41に与えられる磁界及
び磁気光学結晶41の磁化の方向及び強さ(大きさ)を
説明するための図である。
晶41に磁界ベクトル51が印加されている場合、磁気
光学結晶41の磁化ベクトルは符号52で示されるよう
にZ軸に平行になる。このときの印加磁界の強さ(磁界
ベクトル51の長さ)は、磁気光学結晶41の磁化の強
さ(磁化ベクトル52の長さ)が飽和するように設定さ
れている。
ァラデー回転角が得られているものとする。電磁石43
により磁界ベクトル53がX軸に平行に印加されると、
合成磁界は、符号54で示されるように磁界ベクトル5
1及び53の合成ベクトルとなる。この合成磁界54に
より磁気光学結晶41には磁化ベクトル55が生じる。
磁化ベクトル55と磁界ベクトル54は互いに平行であ
り、磁化ベクトル55の長さは磁化ベクトル52の長さ
に一致する。
るからといって、磁気光学結晶41が与えるファラデー
回転角への磁化の寄与度が同じであるとは限らない。フ
ァラデー回転角が当該磁化の方向と光の伝搬方向との関
係にも依存するからである。
と磁化ベクトル55が生じている状態とを比較すると、
磁化ベクトル52のZ成分(磁化ベクトル52そのも
の)に対して磁化ベクトル55のZ成分56が減少して
いる分だけ、後者のファラデー回転角が小さくなるので
ある。
の可変範囲の全範囲に渡って常に磁気光学結晶41の磁
化の強さは飽和することになるので、磁気光学結晶41
に多数の磁区が形成されることに起因する不都合が生じ
ない。即ち、ファラデー回転角の再現性が良好になり、
ファラデー回転角の連続な可変が可能になる。
電流を調整することで、ファラデー回転角を連続的に且
つ再現性良く変化させることができるので、ファラデー
回転子32を本発明に適用することによって、高速動作
が可能でしかも信頼性の高い可変光学フィルタの提供が
可能になる。
を本発明に適用することによって、透過率の波長特性の
再現性が良く且つ波長特性の連続的な可変が可能な可変
光学フィルタの提供が可能になる。
デー回転子32′を示す図である。ファラデー回転子3
2′が図25に示されるファラデー回転子32と異なる
点は、磁気光学結晶41の相対する対角に互いに平行な
平面61及び62を形成し、光ビーム63がこれらの平
面61及び62を通過するようにしている点である。従
って、永久磁石42による磁界の方向と電磁石43によ
る磁界の方向は共に光の伝搬方向(Z軸に平行)に対し
て概略45°傾斜している。
転子32′において磁気光学結晶41に与えられる磁界
及び磁気光学結晶41の磁化の方向及び強さを説明する
ための図である。
71で示される状態から符号72で示される状態の範囲
で強さ及び向きを調整可能である。符号73は永久磁石
42による印加磁界を示している。
で表される状態と符号75で表される状態の間の範囲で
その強さ及び方向が変化する。これに伴い、磁気光学結
晶41の磁化についても、符号76で示される状態から
符号77で示される状態の範囲でその強さ及び方向が変
化する。
と、電磁石43の駆動電流の可変幅をさほど大きくする
ことなしに、ファラデー回転角の可変範囲を大きくする
ことができる。
される状態(電磁石43による印加磁界が0の状態)で
磁気光学結晶41の磁化の強さが十分飽和するように、
永久磁石42による印加磁界が設定されている。
変ファラデー回転子32″を示す図である。ファラデー
回転子32″が図25のファラデー回転子32と異なる
点は、図25の永久磁石42に代えて電磁石81を設
け、更に電磁石81に駆動電流を与える可変電流源82
を設けている点である。
転子32″において磁気光学結晶41に与えられる磁界
及び磁気光学結晶41の磁化の方向及び強さを説明する
ための図である。
び81による印加磁界を調整することで、合成磁界を符
号91乃至94で示すように連続的に且つ飽和磁化を保
ったままで変化させることができる。これに伴い、磁気
光学結晶41の磁化は符号95乃至98で示されるよう
に連続的に変化する。
27に示されるような複雑な形状の磁気光学結晶を用い
ることなしに、ファラデー回転角の可変範囲を容易に大
きくすることができる。
合、可変電流源44又は82の極性を切り換えることに
よって、磁気光学結晶41の磁化のZ成分の向きを変え
ることができるので、ファラデー回転の方向を必要に応
じて変えることができる。例えば、0°を中心として±
45n°(nは自然数)の範囲でファラデー回転角を変
化させることができる。
に適用することによって、例えば前述したようにδ=φ
又はδ=θに設定することによって、ファラデー回転角
が0°のときに透過率が波長によらず一定となる。例え
ば、ファラデー回転子32″をシステムに組み込んだ場
合、制御オフとなり可変電流源44及び82がオフとな
ったときに、ファラデー回転角は0°となるので、透過
率が波長によらず一定となり、システムの再立ち上げ等
が容易になる。
第10実施形態を示すである。この実施形態では、第1
の偏光子P1及び第2の偏光子P2としてそれぞれ複屈
折物質からなるくさび板121及び122を用いてい
る。これに伴い、光ファイバ123と、光ファイバ12
3から放射された光をそのビームパラメータを変更して
(例えばコリメートして)くさび板121に供給するた
めのレンズ124と、くさび板122からのビームを集
束させるためのレンズ125と、レンズ125により集
束された光ビームが所定の条件の下に結合する光ファイ
バ126とを付加的に設けている。
21の頂部及び底部がそれぞれくさび板122の底部及
び頂部に対向し且つ対応する面同士が互いに平行になる
ように配置される。即ち、くさび板121及び122は
同じ形状を有している。
り、くさび板122の光学軸は例えばY軸に平行であ
る。偏光子としてのくさび板121及び122の透過軸
は、偏光面が光学軸に平行な異常光線の偏光方向あるい
は偏光面が光学軸に垂直な常光線の偏光方向として定義
される。
光は、レンズ124によりコリメートされて平行光ビー
ムになる。このビームはビーム太さを無視して符号13
0で表される。ビーム130はくさび板121において
その常光線に相当するビーム131と異常光線に相当す
るビーム132とに分離される。
び可変ファラデー回転子FRをこの順に通過してそれぞ
れビーム133及び134になる。ビーム133及び1
34の偏光状態は、ファラデー回転子FRによって与え
られるファラデー回転角に応じて決定される。
の常光線及び異常光線にそれぞれ相当するビーム135
及び136に分離される。ビーム134はくさび板12
2においてその異常光線及び常光線にそれぞれ相当する
ビーム137及び138に分離される。
きた屈折の履歴並びにくさび板121及び122の形状
及び配置形態を考慮すると、ビーム135及び137は
互いに平行であり、ビーム136及び138は互いに平
行でない。従って、ビーム135及び137だけをレン
ズ125により絞り込んで光ファイバ126の励振端に
結合することができる。
パワーとビーム136及び138のトータルパワーの比
は、ファラデー回転子FRによって与えられるファラデ
ー回転角に依存する。例えば、ビーム133及び134
がそれぞれビーム131及び132と同じ偏光面を有す
る直線偏光である場合には、ビーム133及び134の
それぞれ全部がビーム135及び137に変換される。
ビーム131及び132の偏光面に直交する偏光面を有
する直線偏光である場合には、ビーム133及び134
はそれぞれ全部ビーム136及び138に変換される。
られるファラデー回転角が一定である状態においては、
ビーム135及び137のトータルパワーは、ビーム1
30の偏光状態に依存しない。ビーム135及び137
のトータルパワーがそれらの波長に依存することはこれ
までの説明から明らかである。
フィルタの透過率が入力光の偏光状態に依存しないよう
にすることができる。即ち、偏光無依存の可変光学フィ
ルタの提供が可能になる。
第11実施形態を示す図である。ここでは、第1の偏光
子P1として複屈折物質からなるくさび板141が用い
られ、第2の偏光子P2として複屈折物質からなる2つ
のくさび板142及び143が用いられている。
くさび板142の底部及び頂部に対向し、くさび板14
3の頂部及び底部はそれぞれくさび板142の底部及び
頂部に対向している。
3のくさび角をそれぞれθ1,θ2及びθ3とし、くさ
び板141及び142間の距離をd1とし、くさび板1
42及び143間の距離をd2とするときに、次の2つ
の式を満足するように各くさび板が作製され配置されて
いる。
142及び143の光学軸は互いに平行である。くさび
板142及び143の光学軸は例えばY軸に平行であ
る。
び122間に複屈折板BP及びファラデー回転子FRを
設けるためにくさび板121及び122間の距離を比較
的大きくせざるを得ない。従って、ビーム135及び1
37間の距離も比較的大きくなり、レンズ125の球面
収差等の収差の影響を受けやすくなる。
4からのビームをくさび板141で偏光分離してくさび
板142及び143により偏光合成したときに、くさび
板143から出力する常光線成分及び異常光線成分の光
路はほぼ一致するので、これらをレンズ125によりそ
の収差の影響をほとんど受けることなしに効率よく光フ
ァイバ126に入射させることができる。
第12実施形態を示す図である。ここでは、第1の偏光
子P1及び第2の偏光子P2としてそれぞれ複屈折物質
からなる平板151及び152が用いられている。
板151及び152の光学軸は、例えば、互いに直交し
且つ各光学軸がそれぞれZ軸に対して45°傾斜するよ
うに設定されている。
々の透過軸は、偏光面が光学軸に平行な異常光線の偏光
方向あるいは偏光面が光学軸に垂直な常光線の偏光方向
として定義される。光ファイバ123の励振端から放射
された光は、レンズ124によりそのビームパラメータ
を変更されて、例えば収束しつつあるビーム160にな
る。ビーム160は平板151においてその常光線及び
異常光線にそれぞれ相当するビーム161及び162に
分離される。ビーム161及び162は互いに平行であ
る。
及びファラデー回転子FRをこの順に通過してそれぞれ
ビーム163及び164になる。ビーム163及び16
4の偏光状態はファラデー回転子FRによって与えられ
るファラデー回転角に応じて決定される。
光線及び異常光線に相当するビーム165及び166に
分離される。ビーム164は平板152においてその常
光線及び異常光線に相当するビーム167及び168に
分離される。
これらのZ軸方向の厚みは等しいので、ビーム165は
ビーム168に一致する。従って、ビーム165及び1
68だけをレンズ125により絞り込んで光ファイバ1
26に入射させることができる。
パワーとビーム166及び167のトータルパワーの比
は、ファラデー回転子FRによって与えられるファラデ
ー回転角に依存する。
られるファラデー回転角が一定である状態においては、
ビーム165及び168のトータルパワーは、ビーム1
60の偏光状態には依存しない。ビーム165及び16
8のトータルパワーがそれらの波長に依存することはこ
れまでの説明から明らかである。
依存の可変光学フィルタの提供が可能になる。尚、各偏
光子として複屈折物質からなる平板を用いる場合には、
1/2波長板を付加的に設けることにより種々の配置形
態を採用することができる。
可変光学フィルタの第13実施形態を説明するための図
である。図34の(A)に示されているのは、図31の
第10実施形態に対応しており、図34の(B)に示さ
れているが第13実施形態である。
122の各々の偏光分離角度あるいはくさび角はθ′で
あり、ビーム135及び137はレンズ125により光
ファイバ126に結合するのに対してビーム136及び
138は光ファイバ126には結合しない。
に、各々角θ′よりも小さい角θ″を有するくさび板1
21′及び122′を用いるものとする。このとき、く
さび板122′からはビーム135′乃至138′が出
力している。ビーム135′及び137′は原理的には
全部レンズ125により光ファイバ126に結合する。
ここでは、角θ″が角θ′よりも小さいことにより、本
来光ファイバ126に結合させることが予定されていな
いビーム136′及び138′の一部も光ファイバ12
6に結合するかも知れない。もしそうであれば、第2の
偏光子P2として部分偏光子を用いたのと同様の効果が
生じることとなる。
ァイバ126に結合する条件は、光ファイバ126のコ
ア径をa、レンズ125の焦点距離をfとするときに、
a>fsinθ″で与えられる。
光子P2として部分偏光子を用いたのと同じように、可
変光学フィルタの平均損失を小さくすることができる。
以上、本発明を種々の実施形態に基づいて説明したが、
これまでの実施形態の2つ又はそれ以上を組み合わせて
本発明を実施してもよい。
透過率の波長特性を与える特性直線の形状が透過率の軸
の方向に変化するような可変光学フィルタの提供が可能
になるという効果が生じる。本発明による他の効果は以
上の説明から明らかである。
ある。
学フィルタの特性の例を説明するための図である。
る可変光学フィルタの特性の例を説明するための図であ
る。
の位置関係を示す図である。
図である。
透過率の波長特性の変化を示す図である。
明による可変光学フィルタの第1及び第2実施形態を示
す図である。
形態における部材間の位置関係を示す図である。
フである。
グラフである。
の波長特性の第3の例を示すグラフである。
グラフである。
れ本発明による可変光学フィルタの第3及び第4実施形
態を示す図である。
グラフである。
グラフである。
5実施形態を示す図である。
図である。
6実施形態を示す図である。
図である。
7実施形態を示す図である。
8実施形態を示す図である。
9実施形態を示す図である。
に示される可変光学フィルタによる得られる透過率の波
長特性の例を示すグラフである。
子を示す図である。
図である。
回転子を示す図である。
図である。
デー回転子を示す図である。
図である。
10実施形態を示す図である。
11実施形態を示す図である。
12実施形態を示す図である。
フィルタを示す図であり、図34の(B)は本発明によ
る可変光学フィルタの第13実施形態を示す図である。
Claims (32)
- 【請求項1】 各々透過する偏光の偏光軸を決定する透
過軸を有する第1及び第2の偏光子と、 上記第1及び第2の偏光子の間に設けられ、透過する直
交2偏光成分間に与えられる位相差を決定する光学軸を
有する複屈折素子と、 上記第1及び第2の偏光子の間に設けられ、透過する偏
光に可変のファラデー回転角を与えるファラデー回転子
とを備え、 上記複屈折素子及び上記ファラデー回転子の配列順序並
びに上記光学軸及び上記各透過軸の相対的位置関係は、
透過率の波長特性を与える特性曲線の形状が上記ファラ
デー回転角の変化に従って透過率の軸の方向に変化する
ように設定される可変光学フィルタ。 - 【請求項2】 請求項1に記載の可変光学フィルタであ
って、 入力光は上記第1の偏光子に供給され、 上記入力光は予め定められた帯域を有しており、 該予め定められた帯域は上記特性曲線の周期を与える波
長幅の1/2よりも小さい可変光学フィルタ。 - 【請求項3】 請求項1に記載の可変光学フィルタであ
って、 入力光は上記第1の偏光子に供給され、 上記第2の偏光子は部分偏光子からなる可変光学フィル
タ。 - 【請求項4】 請求項1に記載の可変光学フィルタであ
って、 上記ファラデー回転子は上記複屈折素子及び上記第2の
偏光子の間に設けられ、 入力光は上記第1の偏光子、上記複屈折素子、上記可変
ファラデー回転子及び上記第2の偏光子の順に通過し、 上記第1の偏光子の透過軸と上記複屈折素子の光学軸と
がなす角をφとするときに、φ≠nπ/2(nは整数)
を満足する可変光学フィルタ。 - 【請求項5】 請求項4に記載の可変光学フィルタであ
って、 上記角φはπ/4に等しい可変光学フィルタ。 - 【請求項6】 請求項5に記載の可変光学フィルタであ
って、 上記第1及び第2の偏光子の透過軸は互いに平行である
可変光学フィルタ。 - 【請求項7】 請求項5に記載の可変光学フィルタであ
って、 上記第2の偏光子の透過軸は上記複屈折素子の光学軸に
平行である可変光学フィルタ。 - 【請求項8】 請求項4に記載の可変光学フィルタであ
って、 上記角φはπ/4と異なる可変光学フィルタ。 - 【請求項9】 請求項4に記載の可変光学フィルタであ
って、 上記第1の偏光子及び上記複屈折素子の間に設けられる
1/4波長板を更に備えた可変光学フィルタ。 - 【請求項10】 請求項1に記載の可変光学フィルタで
あって、 上記ファラデー回転子は上記第1の偏光子及び上記複屈
折素子の間に設けられ、 入力光は上記第1の偏光子、上記ファラデー回転子、上
記複屈折素子及び上記第2の偏光子の順に通過し、 上記複屈折素子の光学軸と上記第2の偏光子の透過軸と
がなす角をθとするときに、θ≠nπ/2(nは整数)
を満足する可変光学フィルタ。 - 【請求項11】 請求項10に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記角θはπ/4に等しい可変光学フィルタ。 - 【請求項12】 請求項11に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記第1及び第2の偏光子の透過軸は互いに平行である
可変光学フィルタ。 - 【請求項13】 請求項11に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記第2の偏光子の透過軸は上記複屈折素子の光学軸に
平行である可変光学フィルタ。 - 【請求項14】 請求項10に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記角θはπ/4と異なる可変光学フィルタ。 - 【請求項15】 請求項10に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記複屈折素子及び上記第2の偏光子の間に設けられる
1/4波長板を更に備えた可変光学フィルタ。 - 【請求項16】 請求項1に記載の可変光学フィルタで
あって、 上記ファラデー回転子は第1及び第2のファラデー回転
子からなり、 上記複屈折素子は上記第1及び第2のファラデー回転子
の間に設けられ、 入力光は上記第1の偏光子、上記第1のファラデー回転
子、上記複屈折板、上記第2のファラデー回転子及び上
記第2の偏光子の順に通過する可変光学フィルタ。 - 【請求項17】 請求項16に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記第1のファラデー回転子のファラデー回転角と上記
第2のファラデー回転子のファラデー回転角とが実質的
に等しくなるように上記第1及び第2のファラデー回転
子を制御する手段を更に備えた可変光学フィルタ。 - 【請求項18】 請求項1に記載の可変光学フィルタで
あって、 上記複屈折素子は第1及び第2の複屈折素子からなり、 上記ファラデー回転子は上記第1及び第2の複屈折素子
の間に設けられ、 入力光は上記第1の偏光子、上記第1の複屈折素子、上
記ファラデー回転子、上記第2の複屈折素子及び上記第
2の偏光子の順に通過する可変光学フィルタ。 - 【請求項19】 請求項18に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記第1及び第2の複屈折素子の光学軸は互いに平行で
ある可変光学フィルタ。 - 【請求項20】 請求項1に記載の可変光学フィルタで
あって、 上記第1及び第2の偏光子の間に設けられる可変移相子
を更に備え、 入力光は上記第1の偏光子に供給される可変光学フィル
タ。 - 【請求項21】 請求項20に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記可変移相子は、第1及び第2の1/4波長板と、該
第1及び第2の1/4波長板の間に設けられるもう1つ
の可変ファラデー回転子とを備えている可変光学フィル
タ。 - 【請求項22】 請求項1に記載の可変光学フィルタで
あって、 上記ファラデー回転子は、光路上に配置された磁気光学
結晶と、互いに異なる方向の第1及び第2磁界をこれら
の合成磁界の強さが予め定められた値よりも大きくなる
ように上記磁気光学結晶に対して印加する磁界印加手段
と、上記第1及び第2の磁界の強さの少なくとも一方を
変化させる磁界調整手段とを含む可変光学フィルタ。 - 【請求項23】 請求項22に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記第1及び第2磁界は上記磁気光学結晶を透過する光
の伝搬方向を含む平面内の互いに直交する方向にそれぞ
れ印加される可変光学フィルタ。 - 【請求項24】 請求項22に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記磁界印加手段は上記第1及び第2磁界をそれぞれ印
加する電磁石及び永久磁石を含み、上記磁界調整手段は
上記電磁石の駆動電流を調整する可変光学フィルタ。 - 【請求項25】 請求項22に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記磁界印加手段は上記第1及び第2磁界をそれぞれ印
加する第1及び第2の電磁石を含み、 上記磁界調整手段は上記第1及び第2の電磁石の駆動電
流の少なくとも一方を調整する可変光学フィルタ。 - 【請求項26】 請求項22に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記予め定められた値は上記磁気光学結晶の磁化が飽和
するのに必要とされる磁界の強さに相当する値である可
変光学フィルタ。 - 【請求項27】 請求項1に記載の可変光学フィルタで
あって、 上記第1及び第2の偏光子はそれぞれ複屈折物質からな
る第1及び第2のくさび板からなり、 該第1及び第2のくさび板は、該第1のくさび板の頂部
及び底部がそれぞれ該第2のくさび板の底部及び頂部に
対向し且つ対応する面同士が互いに平行になるように配
置され、 第1の光ファイバと、該第1の光ファイバからの光を上
記第1のくさび板に供給するための第1のレンズと、 上記第2のくさび板からの光を集束させる第2のレンズ
と、 該第2のレンズにより集束された光ビームが所定の条件
の下に結合する第2の光ファイバとを更に備えた可変光
学フィルタ。 - 【請求項28】 請求項27に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記第1及び第2のくさび板の各々の偏光分離角を
θ″、上記第2の光ファイバのコアの直径をa、上記第
2のレンズの焦点距離をfとするときに、 fsinθ″<a を満足する可変光学フィルタ。 - 【請求項29】 請求項1に記載の可変光学フィルタで
あって、 上記第1の偏光子は複屈折物質からなる第1のくさび板
からなり、 上記第2の偏光子はそれぞれ複屈折物質からなる第2及
び第3のくさび板からなり、 該第1乃至第3のくさび板は、該第1のくさび板の頂部
及び底部がそれぞれ該第2のくさび板の底部及び頂部に
対向し、該第2のくさび板の頂部及び底部がそれぞれ該
第3のくさび板の底部及び頂部に対向するように配置さ
れ、 第1の光ファイバと、 該第1の光ファイバからの光を上記第1のくさび板に供
給するための第1のレンズと、 上記第3のくさび板からの光を集束させる第2のレンズ
と、 該第2のレンズにより集束された光ビームが所定の条件
の下に結合する第2の光ファイバとを更に備えた可変光
学フィルタ。 - 【請求項30】 請求項1に記載の可変光学フィルタで
あって、 上記第1及び第2の偏光子はそれぞれ複屈折物質からな
る第1及び第2の平板からなり、 第1の光ファイバと、 該第1の光ファイバからの光を上記第1の平板に供給す
るための第1のレンズと、 上記第2の平板からの光を集束させる第2のレンズと、 該第2のレンズにより集束された光ビームが所定の条件
の下に結合する第2の光ファイバとを更に備えた可変光
学フィルタ。 - 【請求項31】 請求項1に記載の可変光学フィルタで
あって、 上記第1及び第2の偏光子の間に設けられる少なくとも
1つのフィルタユニットを更に備え、 該少なくとも1つのフィルタユニットの各々は、上記第
1の偏光子、上記複屈折素子及び上記ファラデー回転子
にそれぞれ相当するエレメントを含む可変光学フィル
タ。 - 【請求項32】 請求項31に記載の可変光学フィルタ
であって、 上記第1及び第2の偏光子の間に設けられる可変移相子
を更に備え、 上記各フィルタユニットは上記可変移相子に相当するエ
レメントを更に含む可変光学フィルタ。
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