JP2005099737A - 磁気光学光部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、磁気光学光部品に関し、小型、低消費電力で、かつ製造の容易な磁気光学光部品を提供することを目的とする。
【解決手段】互いにほぼ平行な表面22、23を備え、Z方向の磁化容易軸を有するファラデー回転子20と、表面22の一部に形成された全反射膜30と、表面23の一部に形成された全反射膜31と、ファラデー回転子20に光が入射する光入射領域34と、全反射膜31、30で交互に反射した光がファラデー回転子20から出射する光出射領域35と、ファラデー回転子20に所定の磁区構造を形成し、かつ光入射領域34及び光出射領域35での磁化の向きが一致するように、ファラデー回転子20に対してZ方向の磁界成分を印加する永久磁石と、ファラデー回転子20に印加される磁界成分が0となる位置を可変とする電磁石とを有するように構成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、磁気光学光部品に関し、特に、偏波制御器や光変調器、可変光アッテネータ、光アイソレータ、光サーキュレータ等の磁気光学光部品に関する。
伝送速度40Gbpsの高速光通信においては、偏波モード分散が主要な伝送劣化要因の1つとなっている。このため近年では、偏波モード分散の影響を補償する偏波モード分散(PMD)補償器の検討が活発に行われている。PMD補償器の主要な構成デバイスの1つとして、光の偏波状態を制御する偏波制御器がある。非特許文献1に開示されているように、偏波制御器を構成する光学デバイスとしては、リチウムナイオベート(LN)や液晶、ファイバスクイーザ、可変ファラデー回転子等が知られている。とりわけ可変ファラデー回転子を用いた偏波制御器は、応答時間が数百μsecと十分に短く、構造もガーネット結晶で構成されているため、挿入損失、偏波依存損失(PDL)等の光学特性や信頼性も従来の受動モジュールと同程度の特性が得られる。したがって可変ファラデー回転子を用いれば、他のデバイスに比べてバランスの取れた偏波制御器を構成できる(非特許文献1参照)。可変ファラデー回転子は、磁気光学結晶と、磁気光学結晶に磁界を印加する電磁石とを有している。電磁石に流す電流量を変化させて磁気光学結晶に印加する磁界の強度を制御することにより、磁気光学結晶の磁化の強さを変化させてファラデー回転角を制御できるようになっている。
磁気光学結晶に印加する磁界を制御する方法は、例えば特許文献1に開示されている。図25を用いて当該磁界制御方法について説明する。図25(a)は可変光アッテネータを示しており、当該可変光アッテネータはファラデー回転子(磁気光学結晶)113と偏光子112とを備えている。また、当該可変光アッテネータは、ファラデー回転子113に対して互いに直交する方向に磁界を印加する永久磁石114及び電磁石115と、電磁石115に駆動電流を与える可変電流源116とを有している。
永久磁石114によりファラデー回転子113に印加される磁界の方向はファラデー回転子113における光ビーム117の透過方向と平行であり、電磁石115によりファラデー回転子113に印加される磁界の方向はファラデー回転子113における永久磁石114による磁界印加方向及び光ビーム117の透過方向に垂直である。
図25(b)において、矢印102、105はファラデー回転子113内の磁化方向とその大きさを表すベクトルであり、矢印101、103は外部から印加される印加磁界の方向と大きさを表すベクトルであり、矢印104は矢印101、103で表される2つの磁界の合成磁界の方向と大きさを表すベクトルである。図中Z方向はファラデー回転子113中の光の伝播方向であり、X方向はZ方向に直交している。ファラデー回転子113は、外部永久磁石114によるZ方向の磁界101により飽和磁化102の状態となる。次に電磁石115によりX方向の磁界103を印加すると外部磁界は合成磁界104となり、ファラデー回転子113は磁化105の状態になる。この磁化105の大きさは飽和磁化102の大きさと同じであり、したがってファラデー回転子113は飽和磁化の状態にある。
このように、永久磁石114によりZ方向の磁界101をファラデー回転子113に予め印加してファラデー回転子113を飽和磁化の状態にしておいて、さらに電磁石115によりX方向の磁界103をファラデー回転子113に印加する。そして、2つの磁界101、103の合成磁界104によりファラデー回転子113の磁化の方向を磁化102から磁化105まで角度θだけ回転させ、Z方向の磁化成分106の大きさを制御している。この磁化成分106の大きさに依存してファラデー回転角は変化する。この方法の場合には、ファラデー回転子113は常に飽和磁化領域で使用されるため、ヒステリシスを生じさせずに再現性よくファラデー回転角を変化させることができるという特徴を有する。
しかしながら、特許文献1に記載された磁界印加方法では、永久磁石114により磁界101を印加した状態で磁化を一様に回転させるために、電磁石115により印加する磁界103を強くする必要がある。このため、電磁石115を大型化するか、もしくは電磁石115に大電流を流す必要があり、磁気光学光部品の小型化、低消費電力化が困難であるという問題が生じている。
また、ファラデー回転子113は、液相エピタキシャル(LPE)法により育成された磁性ガーネット単結晶膜を用いて作製される。磁性ガーネット単結晶膜の膜成長面に沿う方向に光を透過させると消光比等の特性が低下するため、一般には膜成長面に垂直な方向に光を透過させる。ところがこの場合、ファラデー回転子113の膜成長面に垂直な方向の厚さは最大で400μm程度であり、得られるファラデー回転角は45°程度である。このため、180度以上の偏波回転角の可変幅が必要となる偏波制御器では、ファラデー回転子113を複数(通常6枚〜8枚)用いる必要がある。したがって、磁気光学光部品の小型化、低価格化がさらに困難になってしまう。
特許第2815509号公報 米国特許第5657151号明細書 特開平7−199137号公報 米国特許第4239337号明細書 米国特許第3420601号明細書 池田和弘、他5名、「無限追尾型偏波制御器の開発」、古河電工時報、平成15年1月、第111号、p.31−36
本発明の目的は、小型で低消費電力、低価格の磁気光学光部品を提供することにある。
上記目的は、対向した第1及び第2の表面を備える磁気光学結晶と、前記磁気光学結晶の前記第1の表面側の少なくとも一部に配置された第1の全反射部と、前記磁気光学結晶の前記第2の表面側の少なくとも一部に配置された第2の全反射部と、前記磁気光学結晶に光が入射する光入射領域と、前記第1及び第2の全反射部で交互に反射した前記光が前記磁気光学結晶から出射する光出射領域と、前記光入射領域及び前記光出射領域において磁壁が存在しないように、前記磁気光学結晶に対して磁界を印加する磁界印加機構とを有することを特徴とする磁気光学光部品によって達成される。
上記本発明の磁気光学光部品であって、前記磁界印加機構は、前記光入射領域及び前記光出射領域での磁化の向きが一致するように、前記磁気光学結晶に対して磁界を印加することを特徴とする。
上記本発明の磁気光学光部品であって、前記光入射領域は前記第1の表面上に配置され、前記光出射領域は前記第2の表面上に配置されていることを特徴とする。
上記本発明の磁気光学光部品であって、前記光入射領域及び前記光出射領域は、共に前記第1の表面上に配置されていることを特徴とする。
上記本発明の磁気光学光部品であって、前記磁気光学結晶は所定の磁化容易軸を有し、前記磁化容易軸に平行な一方向の磁化により構成される磁区Aと、前記磁区Aの磁化方向とは逆向きの方向の磁化により構成される磁区Bとを含むことを特徴とする。
上記本発明の磁気光学光部品であって、前記磁界印加機構は、前記磁気光学結晶に印加される前記所定方向の磁界成分が0となる位置を可変とする電磁石と、前記磁気光学結晶に形成される複数の磁区にそれぞれ対応して少なくとも1個ずつ配置された永久磁石とを有することを特徴とする。
上記本発明の磁気光学光部品であって、前記磁界印加機構は、前記磁気光学結晶に固定磁界を印加する少なくとも1個の永久磁石と、前記固定磁界の方向とは異なる方向の可変磁界を前記磁気光学結晶に印加する電磁石とを備え、前記可変磁界と前記固定磁界との合成磁界が前記磁気光学結晶の飽和磁界以上の強さを有するように前記可変磁界の強さを変化させ、前記磁気光学結晶の磁化の向きを変化させることを特徴とする。
また上記目的は、対向した第1及び第2の表面を備える磁気光学結晶と、前記磁気光学結晶の前記第1の表面側の少なくとも一部に配置された第1の全反射部と、前記磁気光学結晶の前記第2の表面側の少なくとも一部に配置された第2の全反射部と、前記磁気光学結晶に光が入射する光入射領域と、前記第1及び第2の全反射部の表面で交互に反射した前記光が前記磁気光学結晶から出射する光出射領域と、前記第1の全反射部の裏面に近接して配置された一端部と前記第2の全反射部の裏面に近接して配置された他端部とを備えたヨークと、前記ヨークに巻き回されたコイルとを有し、前記磁気光学結晶に可変磁界を印加する電磁石と、前記磁気光学結晶に固定磁界を印加する少なくとも1個の永久磁石とを備えた磁界印加機構とを有することを特徴とする磁気光学光部品によって達成される。
上記本発明の磁気光学光部品であって、前記磁気光学結晶は所定の磁化容易軸を有し、前記磁化容易軸に平行な一方向の磁化により構成される磁区Aと、前記磁区Aの磁化方向とは逆向きの方向の磁化により構成される磁区Bとを含むことを特徴とする。
上記本発明の磁気光学光部品であって、前記可変磁界の方向と前記固定磁界の方向とは互いに異なり、前記磁界印加機構は、前記可変磁界と前記固定磁界との合成磁界が前記磁気光学結晶の飽和磁界以上の強さを有するように前記可変磁界の強さを変化させ、前記磁気光学結晶の磁化の向きを変化させることを特徴とする。
本発明によれば、小型で低消費電力、低価格の磁気光学光部品を実現できる。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態による磁気光学光部品について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施の形態による磁気光学光部品1の構成を示し、図2は磁気光学光部品1の要部構成を示している。ここで図1及び図2では、磁気光学光部品1の磁気光学結晶の光入射面に平行な面内であって当該面内に射影した光ビームの進行方向にX軸をとり、当該面内であってX軸に垂直な方向にY軸をとっている。また、光入出射面に垂直な方向にZ軸をとっている。図1は磁気光学光部品1を−Y方向に見た構成を示し、図2(a)は磁気光学光部品1の要部を+Y方向に見た構成を示し、図2(b)は磁気光学光部品1の要部を−Z方向に見た構成を示している。
図1及び図2(a)、(b)に示すように、磁気光学光部品1は、磁気光学結晶であるファラデー回転子20を有している。ファラデー回転子20は、例えば、LPE法により形成された磁性ガーネット単結晶膜を用いて作製され、膜成長面に垂直な方向(Z方向)に磁化容易軸が現れる垂直磁化性を有している。ファラデー回転子20はほぼ直方体状の形状を有し、共にXY面に平行で互いに対向する表面22、23を有している。一方の表面22のうち光ビームが入射する光入射領域34近傍には無反射膜32(図1及び図2(b)では図示せず)が形成され、表面22の他の部分には全反射膜(全反射部)30(図2(b)では図示せず)が形成されている。また、他方の表面23のうち光ビームが出射する光出射領域35近傍には無反射膜33(図1及び図2(b)では図示せず)が形成され、表面23の他の部分には全反射膜31(図2(b)では図示せず)が形成されている。光入射領域34はファラデー回転子20の−X側に位置し、光出射領域35はファラデー回転子20の+X側に位置している。全反射膜30、31は、ファラデー回転子20の各表面22、23に、誘電体多層膜又はアルミニウム等の金属薄膜を蒸着して形成されている。Z方向に見ると、光入射領域34近傍の領域には全反射膜30、31のうち全反射膜31のみが形成され、光出射領域35近傍の領域には全反射膜30のみが形成され、光入射領域34と光出射領域35との間の領域には全反射膜30、31が重なって形成されている。光ビームは、光入射領域34からファラデー回転子20内に入射し、全反射膜31、30表面で交互に複数回反射(多重反射)して光出射領域35から出射するようになっている。なお、ファラデー回転子20の各表面22、23に全反射膜30、31をそれぞれ直接形成するのではなく、全反射膜30が形成された基板(例えばガラス基板)をファラデー回転子20の表面22側に配置し、全反射膜31が形成された基板をファラデー回転子20の表面23側に配置してもよい。これら2枚の基板は、例えばファラデー回転子20の各表面22、23にそれぞれほぼ接して配置される。また、全反射膜30、31に代えて、金属研磨面等を全反射部として用いることもできる。
磁気光学光部品1は、例えば「C」字状のヨーク(電磁ヨーク)42(図1ではヨーク42の両端部42a、42bのみを示している)と、ヨーク42に巻き回されたコイルとを備えた電磁石(磁界印加機構)を有している。ヨーク42の一方の端部42aは、その先端面42cと全反射膜30の裏面とが対向するように、全反射膜30の裏面に近接して配置されている。ヨーク42の他方の端部42bは、その先端面42dと全反射膜31の裏面とが対向するように、全反射膜31の裏面に近接して配置されている。端部42aの先端面42cと端部42bの先端面42dとは、ファラデー回転子20のほぼ中央部を挟んで互いに向き合うように配置されている。
ヨーク42の一方の端部42aの+X方向に隣接して、例えばフェライト磁石、希土類磁石等の永久磁石(磁界印加機構)46が配置されている。永久磁石46内部の磁束の向きは、図中矢印で示すように−Z方向(すなわち永久磁石46の磁化の向きは−Z方向)である。永久磁石46の−Z側の先端部は、例えば全反射膜30の裏面に接触している。また、ヨーク42の他方の端部42bの−X方向に隣接して、永久磁石47が配置されている。永久磁石47内部の磁束の向きは+Z方向(すなわち永久磁石47の磁化の向きは+Z方向)である。永久磁石47の+Z側の先端部は、例えば全反射膜31の裏面に接触している。
ファラデー回転子20の−X側の領域には、永久磁石47によって+Z方向の磁界成分が飽和磁界(ファラデー回転子20の磁化を飽和させるのに必要な磁界)以上の強さで印加されている。したがってこの領域は、図中矢印で示すように+Z方向の磁化により構成される磁区Aになっている。ファラデー回転子20の+X側の領域には、永久磁石46によって−Z方向の磁界成分が飽和磁界以上の強さで印加されている。したがってこの領域は、−Z方向の磁化により構成される磁区Bになっている。磁区Aの領域と磁区Bの領域との間には、境界領域(境界面)である磁壁Iが形成されている。磁壁Iでは、印加磁界のZ方向成分がほぼ0になっている。ここで、光入射領域34は磁区Aの領域内に位置し、光出射領域35は磁区Bの領域内に位置している。ファラデー回転子20の磁区Aの領域の単位光路長あたりのファラデー回転角を+θfs(飽和のファラデー回転角)とすると、磁区Bの領域の単位光路長あたりのファラデー回転角は−θfsとなる。
電磁石のコイルに電流を流すと、ヨーク42の両端部42a、42bに挟まれた領域近傍のファラデー回転子20には、例えば+Z方向の磁界が印加される。これにより、磁壁Iは+X方向に移動する。すなわち、磁区Aの領域は印加磁界の強さに応じて広くなり、磁区Bの領域はその分だけ狭くなる。一方、電磁石のコイルに逆向きの電流を流すと、ヨーク42の両端部42a、42bに挟まれた領域近傍のファラデー回転子20には、−Z方向の磁界が印加される。これにより、磁壁Iは−X方向に移動する。すなわち、磁区Aの領域は印加磁界の強さに応じて狭くなり、磁区Bの領域はその分だけ広くなる。本例の構成では、ヨーク42の両端部42a、42bの各先端面42c、42dを比較的近接させて配置しているため、ファラデー回転子20に効率よく磁界を印加でき、小電流で所望の強さの磁界を印加できるようになっている。磁壁Iは、光入射領域34より+X側であって光出射領域35より−X側の領域内を移動し、光入射領域34及び光出射領域35には存在しないようになっている。
図2に光線Lで示す光が多重反射しながらファラデー回転子20内を伝搬した際に生じる偏波回転角は、+Z方向の磁化により構成される磁区A内の光路長と、−Z方向の磁化により構成される磁区B内の光路長との差に比例する。したがって、電磁石により±Z方向に可変磁界を印加し、磁壁Iを±X方向に移動させることによって、磁区A内の光路長と磁区B内の光路長との差を変化させて偏波回転角を可変にすることができる。これにより、ファラデー回転子20に入射した光ビームの偏波面を所望の角度だけ回転させて出射できる。
本実施の形態では、垂直磁化性を有するファラデー回転子20が用いられている。LPE法により育成された磁性ガーネット単結晶膜は、通常、成長誘導磁気異方性により膜成長面に垂直な方向に磁化容易軸が現れる垂直磁化性を有している。このため、磁性ガーネット単結晶膜の磁化の向きは膜成長面に垂直な方向になる。特許文献1に記載された磁界印加方法のようにファラデー回転子の磁化の向きを回転させるためには、磁性ガーネット単結晶膜を育成した後にさらに1000℃前後の高温で長時間熱処理を施し、成長誘導磁気異方性を低減させる必要がある。したがって、ファラデー回転子の製造工程が増加してしまうという問題が生じていた。本実施の形態では、例えば、磁化容易軸を磁区A、B内の磁化の向きと一致させれば、ファラデー回転子20を作製する際に高温で長時間熱処理を施す必要がないため、ファラデー回転子20の製造工程を削減でき、製造が容易で低価格の磁気光学光部品を実現できる。
また、本実施の形態では、特許文献1に記載されたような磁気光学結晶の磁化を一様に回転させる磁化回転方式ではなく、磁壁Iを移動させてファラデー回転子20内の磁区構造を変化させる磁壁移動方式が用いられている。このため、小型の電磁石で所望の偏波回転角を得ることができる。したがって、本実施の形態によれば小型かつ低消費電力の磁気光学光部品を実現できる。また、応答速度は、通常、電磁石のL(インダクタンス)により制限されているため、電磁石を小型化できればLを低減でき、応答速度の高速化も実現できる。
さらに、本実施の形態では、ヨークの両端部42a、42bがファラデー回転子20を膜厚方向に挟んで互いに対向して配置されている。このため、ヨーク両端部42a、42bを互いに近接して配置でき、可変磁界を効率よくファラデー回転子20に印加できる。したがって、磁気光学光部品をさらに小型化、低消費電力化できる。
また、本実施の形態では、ファラデー回転子20は常に2磁区構造の状態になっており、ヒステリシスを生じさせずに再現性よく偏波回転角を変化させることができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態による磁気光学光部品について図3乃至図18を用いて説明する。まず、上記第1の実施の形態による磁気光学光部品1に生じ得る問題点について説明する。図3は図2に対応し、磁気光学光部品1のファラデー回転子20内を伝搬する光の光路を示している。図3では図2と異なって光のビーム径を考慮し、ほぼ平行光である光ビームの中心軸上の光路L2(実線)と、光路L2より−X方向にずれた光路L1(長い破線)と、光路L2より+X方向にずれた光路L3(短い破線)とを図示している。図3に示すように、第1の実施の形態による磁気光学光部品1では、磁区A内の光路長と磁区B内の光路長とが各光路L1、L2、L3毎にそれぞれ異なってしまう。光路L1は、磁区A内の光路長が光路L2より長く、磁区B内の光路長が光路L2より短い。また光路L3は、磁区A内の光路長が光路L2より短く、磁区B内の光路長が光路L2より長い。このように磁区A内の光路長と磁区B内の光路長とが各光路毎に異なってしまうと、光路によって偏波回転角が異なってしまうことになる。このため、光がファラデー回転子20を通過して出力用光ファイバの光入射端に集光されるときに回折損失が生じてしまう。
図4は、第1の実施の形態による磁気光学光部品1の偏波回転角及び損失の起磁力依存性を示すグラフである。横軸は起磁力NI(コイルの巻き数Nと当該コイルに流れる電流Iとの積)(AT)を表し、縦軸は偏波回転角(deg.)及び損失(dB)を表している。線a1は偏波回転角の起磁力依存性を示し、線b1は損失の起磁力依存性を示している。ここで、偏波回転角は相対値であり、起磁力NIが0ATのときの偏波回転角を0deg.としている。図4に示すように、磁気光学光部品1では400deg.以上の偏波回転角の可変幅が得られるものの、損失(回折損失)の平均値が約1.8dBと比較的高く、損失の変動幅が約3.0dBと比較的大きくなっている。したがって、第1の実施の形態による磁気光学光部品1は、透過光量を変調させる光変調器等には適用できるものの、損失が低く損失の変動幅の小さいことが要求される偏波制御器等には適用できないという問題を有している。
図5は、上記の問題点を解決する本実施の形態による磁気光学光部品としての偏波制御器2の構成を示している。また図6は、偏波制御器2の要部構成を示している。図5及び図6では、図1及び図2と同様に座標系をとっている。図6(a)は偏波制御器2の要部を+Y方向に見た構成を示し、図6(b)は偏波制御器2の要部を−Z方向に見た構成を示している。図5及び図6(a)、(b)に示すように、偏波制御器2は、磁気光学結晶であるファラデー回転子20を有している。ファラデー回転子20は、LPE法により形成された磁性ガーネット単結晶膜を用いて作製され、膜成長面に垂直な方向(Z方向)に磁化容易軸が現れる垂直磁化性を有している。ファラデー回転子20はほぼ直方体状の形状を有し、共にXY面に平行な表面22、23を有している。一方の表面22のうち光ビームが入射する光入射領域34近傍には無反射膜32(図6(b)では図示せず)が形成され、表面22の他の部分には全反射膜30(図6(b)では図示せず)が形成されている。また、他方の表面23のうち光ビームが出射する光出射領域35近傍には無反射膜33が形成され、表面23の他の部分には全反射膜31が形成されている。
図5に示すように、入力用のシングルモード光ファイバ50から発散光として出射した光は、レンズ54により平行光に変換されてファラデー回転子20の光入射領域34に入射する。ファラデー回転子20内に入射した光は、全反射膜31、30表面で交互に反射しながらファラデー回転子20内を通過し、光出射領域35から出射してレンズ56により出力用のシングルモード光ファイバ52に集光するようになっている。図6(a)、(b)では、平行光である光ビームの中心軸上の光路L2と、光路L2より−X方向にずれた光路L1と、光路L2より+X方向にずれた光路L3とを示している。
また偏波制御器2は、「C」字状のヨーク42と、ヨーク42に巻き回されたコイル44とを備えた電磁石40を有している。ヨーク42の一方の端部42aは、その先端と全反射膜30の裏面とが対向するように、全反射膜30の裏面に近接して配置されている。端部42aの先端の一部(図5中右側)には永久磁石46が埋め込まれている。端部42aの先端面42cと永久磁石46の表面46aとはほぼ同一面内に配置されている。永久磁石46の磁化の向きは+Z方向である。永久磁石46の磁化の向きにほぼ垂直な表面46aは、ヨーク42の端部42aに対面しないように配置されている。ヨーク42の他方の端部42bは、その先端と全反射膜31の裏面とが対向するように、全反射膜31の裏面に近接して配置されている。端部42bの先端の一部(図5中左側)には永久磁石47が埋め込まれている。端部42bの先端面42dと永久磁石47の表面47aとはほぼ同一面内に配置されている。永久磁石47の磁化の向きは+Z方向である。永久磁石47の磁化の向きにほぼ垂直な表面47aは、ヨーク42の端部42bに対面しないように配置されている。永久磁石46、47は、ヨーク42の端部42a、42bにそれぞれ直接接触していてもよいし、接着剤層等を介して端部42a、42bにそれぞれ近接して配置されていてもよい。端部42aの先端面42cと端部42bの先端面42dとは、ファラデー回転子20を挟んで互いに向き合うように配置されている。
ここで、永久磁石46、47により生じる磁界について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、ヨーク42に代えて、ヨーク42の端部42aに対応する位置に配置されたヨーク70と、ヨーク42の端部42bに対応する位置に配置されたヨーク71とを用いた構成を示している。ヨーク70には、永久磁石46の表面46b、46cの2面が接触している。ヨーク70の先端面70dと永久磁石46の表面46aとは、ほぼ同一平面上に配置されている。ヨーク71には、永久磁石47の表面47b、47cの2面が接触している。ヨーク71の先端面71dと永久磁石47の表面47aとは、ほぼ同一平面上に配置されている。図7では、先端面70d及び表面46aに平行な面と表面46bとの交線の延びる方向にY軸をとり、先端面70d及び表面46aに平行な面内でY軸に直交する方向にX軸をとっている。また、先端面70d及び表面46aに直交する方向にZ軸をとっている。先端面70dの中心と先端面71dの中心とを結ぶ線分の中心に原点をとっている。永久磁石46、47のX軸方向の幅w1は0.4mmであり、Z軸方向の長さl1は0.6mmであり、Y軸方向の厚さは1.0mmである。また、ヨーク70、71のX軸方向の幅w2は0.8mmであり、Z軸方向の長さl2は1.0mmであり、Y軸方向の厚さは1.0mmである。ヨーク70の先端面70dとヨーク71の先端面71dとの間の間隔d1は0.6mmである。永久磁石46、47の残留磁束密度を9200G(=0.92T)として磁界分布を計算した。
図8は、永久磁石46、47により生じる磁界の分布を示すグラフである。横軸はX方向の位置(mm)を表し、縦軸はZ方向の磁界強度Hz(Oe(1Oe≒79.6A/m))を表している。ここでは、永久磁石46、47からほぼ等距離になるように配置したときのファラデー回転子20(図7中破線で示す)の中心に座標系の原点をとり、図7の右方向を+X方向とし、図7の上方向を+Z方向としている。図8に示すように、表面47bを含む面内(X=−0.2)及び表面46bを含む面内(X=0.2)では、磁界強度Hzがほぼ0になっている。表面47bを含む面より永久磁石47側(X<−0.2)では+Z方向の磁界が生じており、表面46bを含む面より永久磁石46側(X>0.2)では+Z方向の磁界が生じている。表面47bを含む面と表面46bを含む面との間(−0.2<X<0.2)では−Z方向の磁界が生じている。
図5及び図6(a)、(b)に戻り、ファラデー回転子20の永久磁石47に対向する領域は、+Z方向の磁化により構成される磁区A1になっている。ファラデー回転子20の永久磁石46に対向する領域は、磁区A1と同じ向きの磁化により構成される磁区A2になっている。磁区A1の領域と磁区A2の領域との間の領域は、磁区A1、A2と逆向き(−Z方向)の磁化により構成される磁区B1になっている。磁区A1の領域と磁区B1の領域との間には境界面である磁壁I1が形成され、磁区A2の領域と磁区B1の領域との間には磁壁I2が形成される。ここで、光入射領域34は磁区A1の領域内に位置し、光出射領域35は磁区A2の領域内に位置している。また、ファラデー回転子20の磁区B1の領域に印加される−Z方向の磁界成分は、磁壁I1と磁壁I2との中間部(ファラデー回転子20の中央部)で最も強く、磁壁I1、I2に近づくほど弱くなっている。磁壁I1、I2上では、印加磁界のZ方向成分が0になっている。
電磁石40のコイル44に電流を流すと、ヨーク42とファラデー回転子20とを通る閉磁路が形成され、ヨーク42の2つの先端面42c、42dに挟まれた領域近傍のファラデー回転子20には、例えば+Z方向の磁界が印加される。これにより印加磁界のZ方向成分が0となる境界領域は、ファラデー回転子20の中央部に向かって移動する。すなわち、2つの磁壁I1、I2が互いに近づく方向にそれぞれ移動し、磁区B1の領域の幅は印加磁界の強さに応じて狭くなる。一方、電磁石40のコイル44に逆向きの電流を流すと、ヨーク42の2つの先端面42c、42dに挟まれた領域近傍のファラデー回転子20には−Z方向の磁界が印加される。これにより印加磁界のZ方向成分が0となる境界領域は、ファラデー回転子20の中央部から離れる方向に移動する。すなわち、2つの磁壁I1、I2が互いに遠ざかる方向にそれぞれ移動し、磁区B1の領域の幅は印加磁界の強さに応じて広くなる。本例の構成では、ヨーク42の2つの先端面42c、42dを比較的近接させて配置しているため、小電流で所望の強さの磁界を印加できるようになっている。磁壁I1、I2は、光入射領域34より+X側であって光出射領域35より−X側の領域内を移動し、光入射領域34及び光出射領域35には存在しないようになっている。
ファラデー回転子20内を光が伝搬した際に生じる偏波回転角は、+Z方向の磁化により構成される磁区A(A1、A2)内の光路長と、−Z方向の磁化により構成される磁区B(B1)内の光路長との差に比例する。したがって、光入射領域34が磁区A1内に位置し、光出射領域35が磁区A2内に位置しているという状態を保ちつつ、電磁石40により+Z方向に可変磁界を印加し、磁壁I1、I2を移動させて磁区B1の幅を狭くしたり、電磁石40により−Z方向に可変磁界を印加し、磁壁I1、I2を移動させて磁区B1の幅を広くしたりすることによって、磁区A内の光路長と磁区B内の光路長との差を変化させて偏波回転角を可変にすることができる。これにより、ファラデー回転子20に入射した光ビームの偏波面を所望の角度だけ回転させて出射できる。
以上説明したように、本実施の形態では、同方向の磁化により構成される磁区A1、A2内に、光入射領域34と光出射領域35とがそれぞれ配置されるようになっている。図6(a)に示すように、例えば光路L1は、磁区A1内の光路長が光路L2よりも長いものの、磁区A2内の光路長がその分だけ光路L2よりも短くなっている。光路L3は、磁区A1内の光路長が光路L2よりも短いものの、磁区A2内の光路長がその分だけ光路L2よりも長くなっている。磁区B1内の光路長は、光路L1、L2、L3によらず一定である。このため、磁区A1及びA2内の光路長と磁区B1内の光路長との差は、平行光である光ビームの全ての光路で一致している。したがって、偏波回転角が光路によらず同一であるため、ファラデー回転子20を通過して出力用のシングルモード光ファイバ52に集光されるときに回折損失が生じない。このため本実施の形態の磁気光学光部品は、損失が低く損失の変動幅の小さいことが要求される偏波制御器2にも適用できる。また、本実施の形態では、ファラデー回転子20に入射した光を多重反射させることによってファラデー回転子20内の光路長が長くなっているため、ファラデー回転子20の厚さが薄くても大きい偏波回転角が得られ、かつ偏波回転角の広い可変範囲が得られる。このため、複数のファラデー回転子20を用いる必要がないため、小型、低価格かつ低消費電力の偏波制御器2を実現できる。
また、本実施の形態の磁気光学光部品には、垂直磁化性を有するファラデー回転子20が用いられている。このため、LPE法により育成された磁性ガーネット単結晶膜を用いてファラデー回転子20を作製する際に、高温で長時間熱処理する必要がない。したがって、ファラデー回転子20の製造工程を削減でき、製造が容易で低価格の磁気光学光部品を実現できる。
さらに本実施の形態では、ファラデー回転子20内の磁区構造を変化させる方式としたため、第1の実施の形態と同様に、磁気光学光部品の小型化、低消費電力化及び高速化を実現できる。また本実施の形態では、ヨーク42の両端部42a、42bが全反射膜30、31にそれぞれ近接して配置されているため、可変磁界を効率よくファラデー回転子20に印加でき、磁気光学光部品をさらに小型化、低消費電力化できる。さらに本実施の形態では、ファラデー回転子20は常に3磁区構造の状態になっており、ヒステリシスを生じさせずに再現性よく偏波回転角を変化させることができる。
以下、本実施の形態による磁気光学光部品について実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例2−1)
本実施の形態の実施例2−1による磁気光学光部品について説明する。図9は、本実施例による偏波制御器2’の要部構成を示している。図9では、図1及び図2と同様に座標系をとっている。図9に示すように、偏波制御器2’は、ヨーク42(図9では端部42a、42bのみ示している)と、ヨーク42に巻き回されたコイルとを備えた電磁石を有している。ヨーク42の一方の端部42aは、その先端面42cと全反射膜30の裏面とが対向するように、全反射膜30の裏面に近接して配置されている。ヨーク42の他方の端部42bは、その先端面42dと全反射膜31の裏面とが対向するように、全反射膜31の裏面に近接して配置されている。端部42aの先端面42cと端部42bの先端面42dとは、ファラデー回転子20を挟んで互いに向き合うように配置されている。
ヨーク42の一方の端部42aの+X方向に隣接して、永久磁石48が配置されている。永久磁石48の磁化の向きは−Z方向である。永久磁石48の+X方向に隣接して、永久磁石46が配置されている。永久磁石46の磁化の向きは+Z方向である。永久磁石46、48の−Z側の先端は、例えば全反射膜30の裏面に接触している。また、他方の端部42bの−X方向に隣接して、永久磁石47が配置されている。永久磁石47の磁化の向きは+Z方向である。永久磁石47の+Z側の先端は、例えば全反射膜31の裏面に接触している。
ファラデー回転子20の−X側の領域には、永久磁石47によって+Z方向の磁界成分が飽和磁界以上の強さで印加されている。したがってこの領域は、+Z方向の磁化により構成される磁区A1になっている。ファラデー回転子20の+X側の領域には、永久磁石46によって+Z方向の磁界成分が飽和磁界以上の強さで印加されている。したがってこの領域は、磁区A1と同じ向きの磁化により構成される磁区A2になっている。磁区A1と磁区A2の間の領域には、永久磁石48によって−Z方向の磁界成分が飽和磁界以上の強さで印加されている。したがってこの領域は、磁区A1、A2と逆向きの磁化により構成される磁区B1になっている。磁区A1の領域と磁区B1の領域との間には磁壁I1が形成され、磁区A2の領域と磁区B1の領域との間には磁壁I2が形成されている。このように、ファラデー回転子20には3磁区構造が形成され、永久磁石46、47、48は各磁区に対応して1個ずつ配置されている。光入射領域34は磁区A1の領域内に位置し、光出射領域35は磁区A2の領域内に位置している。
図10は、本実施例による偏波制御器2’の偏波回転角及び損失の起磁力依存性を示すグラフである。横軸及び縦軸は図4に示したグラフと同様である。線a2は偏波回転角の起磁力依存性を示し、線b2は損失の起磁力依存性を示している。図10に示すように、本実施例による偏波制御器2’の損失の平均値は約1.0dBであり、損失の変動幅は1.2dB程度である。図4に示した2磁区構造の磁気光学光部品1の損失の起磁力依存性と比較すると偏波制御器2’の損失は低く、損失変動は小さくなっている。したがって、本実施例は損失が低く損失の変動幅の小さいことが要求される偏波制御器に適用できることが分かる。
(実施例2−2)
本実施の形態の実施例2−2による磁気光学光部品について説明する。図11は、本実施例による偏波制御器2’’の要部構成を示している。図11では、図1及び図2と同様に座標系をとっている。図11に示すように、偏波制御器2’’は、図9に示した偏波制御器2’’と同様の構成に加えて、ヨーク42の端部42bの+X方向に隣接して配置された永久磁石49を有している。永久磁石49の磁化の向きは−Z方向である。ファラデー回転子20には、磁区A1、B1、A2の3磁区構造が形成されている。本実施例では、磁区A1、A2に対応して永久磁石46、47がそれぞれ1個ずつ配置され、磁区B1に対応して永久磁石48、49が2個配置されている。光入射領域34は磁区A1の領域内に位置し、光出射領域35は磁区A2の領域内に位置している。
図12は、本実施例による偏波制御器2’’の偏波回転角及び損失の起磁力依存性を示すグラフである。横軸及び縦軸は図4に示したグラフと同様である。線a3は偏波回転角の起磁力依存性を示し、線b3は損失の起磁力依存性を示している。図12に示すように、本実施例による偏波制御器2’’の損失の平均値は約0.5dBであり、損失の変動幅は0.16dB程度である。図10に示した偏波制御器2’の損失の起磁力依存性と比較して、偏波制御器2’’の損失はさらに低く、損失変動はさらに小さくなっている。したがって、本実施例は損失が低く損失の変動幅の小さいことが要求される偏波制御器に適していることが分かる。
ここで、磁気光学光部品の挿入損失の磁区構造依存性について説明する。図13は、ファラデー回転子に3磁区構造が形成される磁気光学光部品の構成を示している。図13に示すように、ファラデー回転子20は、後に説明する第3の実施の形態と同様に、一方の表面22側に共に配置された光入射領域34及び光出射領域35を有している。ファラデー回転子20の±X方向の長さは2mmであり、±Y方向の幅は0.8mmであり、±Z方向の厚さは0.42mmである。全反射膜30の±X方向の長さは1.0mmである。
ファラデー回転子20の+Z方向には、±X方向に配列する複数の永久磁石(図13では5つ示している)90a〜90eが配置されている。各永久磁石90a〜90eの±X方向の長さは0.6mmであり、±Y方向の幅は0.8mmであり、±Z方向の厚さは1.0mmである。各永久磁石90a〜90eは、+Z方向に配置されたヨーク72にそれぞれ接触している。永久磁石90a、90c、90eの磁化の向きは−Z方向であり、永久磁石90b、90dの磁化の向きは+Z方向である。永久磁石90a〜90eによって、ファラデー回転子20には所定の磁区構造が形成される。図13に示す状態では、−X側から順に磁区A1、B1、A2、B2が形成されている。光透過領域34は磁区B1の領域内に位置し、光出射領域35は磁区B2の領域内に位置している。磁区A1と磁区B1との間には磁壁I1が形成され、磁区B1と磁区A2との間には磁壁I2が形成され、磁区A2と磁区B2との間には磁壁I3が形成されている。磁壁I1〜I3は、それぞれYZ面にほぼ平行になっている。このようにファラデー回転子20には4磁区構造が形成されているが、光ビームが透過する光入射領域34と光出射領域35との間の領域は、磁区B1、A2、B2からなる3磁区構造になっている。すなわち、ファラデー回転子20には実質的に3磁区構造が形成されていることになる。
永久磁石90a〜90e及びヨーク72をファラデー回転子20に対して相対的に±X方向に移動させ、ファラデー回転子20に形成される磁区構造を変化させながら、磁気光学光部品の挿入損失を測定した。図14は、図13に示す磁気光学光部品の挿入損失の磁区構造依存性を示すグラフである。横軸は永久磁石90cの中心位置のX座標X1(mm)を表し、縦軸は損失(dB)を表している。ファラデー回転子20の中心位置に座標系の原点をとり、測定波長を1550nmとした。図14に示すように、ファラデー回転子20の光入射領域34と光出射領域35との間に3磁区構造が形成されるX座標X1の範囲(−0.2mm〜0.2mm)では、挿入損失の平均値が約0.25dBと比較的低く、挿入損失の変動幅が約0.19dBと比較的小さくなっている。ただし、X座標X1が0.3mm程度のときには、磁壁I1が光入射領域34を横切り、磁壁I3が光出射領域35を横切ることになるため、損失が大きく変動し最大0.9dB程度になっている。
図15は、ファラデー回転子20に2磁区構造が形成される磁気光学光部品の構成を示している。図15に示す構成では、図13に示す永久磁石90a〜90eに代えて、±X方向に隣接する2つの永久磁石90f、90gが配置されている。各永久磁石90f、90gの±X方向の長さは3mmであり、±Y方向の幅は3mmであり、±Z方向の厚さは2.0mmである。永久磁石90fの磁化の向きは+Z方向であり、永久磁石90gの磁化の向きは−Z方向である。永久磁石90f、90gによって、ファラデー回転子20には−X側の磁区Bと+X側の磁区Aと両磁区A、Bの境界である磁壁Iとを有する2磁区構造が形成されている。
永久磁石90f、90g及びヨーク72をファラデー回転子20に対して相対的に±X方向に移動させ、ファラデー回転子20に形成される磁区構造を変化させながら、磁気光学光部品の挿入損失を測定した。図16は、図15に示す磁気光学光部品の挿入損失の磁区構造依存性を示すグラフである。横軸は永久磁石90f、90gの境界面のX座標X1(mm)を表し、縦軸は損失(dB)を表している。測定波長は1550nmとした。図16に示すように、磁壁Iが光入射領域34と光出射領域35との間に位置し、ファラデー回転子20に2磁区構造が形成されるX座標X1の範囲(−0.5<X1<0.5)では、挿入損失の平均値が約0.90dBと比較的高くなっている。ただし、挿入損失の変動幅は約0.48dBと比較的小さくなっている。磁壁Iが光入射領域34又は光出射領域35を横切るとき(X1=−0.5、0.5)には、挿入損失が大きく変動している。光入射領域34と光出射領域35との間に磁壁Iが存在せず、ファラデー回転子20が実質的に単磁区構造となりファラデー回転角の変化が生じないX座標X1の範囲(X<−0.5、X>0.5)では、挿入損失の平均値は低くなっている。
図17は、ファラデー回転子20に2磁区構造が形成される磁気光学光部品の他の構成を示している。図17では、磁気光学光部品を+Z方向に見た構成を示している。図17に示すように、2つの永久磁石90f、90gは、図15に示す構成と異なり互いに±Y方向に隣接するように配置されている。永久磁石90f、90gによって、ファラデー回転子20には−Y側の磁区Bと+Y側の磁区Aと両磁区A、Bの境界である磁壁Iとを有する2磁区構造が形成されている。磁壁IはXZ面にほぼ平行になっている。
永久磁石90f、90g及びヨークをファラデー回転子20に対して相対的に±Y方向に移動させ、ファラデー回転子20に形成される磁区構造を変化させながら、磁気光学光部品の挿入損失を測定した。図18は、図17に示す磁気光学光部品の挿入損失の磁区構造依存性を示すグラフである。横軸は永久磁石90f、90gの境界面のY座標Y1(mm)を表し、縦軸は損失(dB)を表している。測定波長は1550nmとした。図18に示すように、光入射領域34及び光出射領域35が磁壁Iを横切るとき(Y1≒0)に、挿入損失が大きく変動して最大値(約9.4dB)をとる。挿入損失の変動幅は約9.4dBと極めて大きくなる。
図13乃至図18に示したように、磁気光学光部品の挿入損失の変動幅を小さくするには、磁壁I(I1〜I3)が光入射領域34及び光出射領域35を横切らないことが必要であることが分かった。また、磁気光学光部品の挿入損失を低くするためには、光入射領域34及び光出射領域35での磁化の向きを一致させることが有効であることが分かった。図13に示す磁気光学光部品では、図15に示すような2磁区構造ではなく3磁区構造をファラデー回転子20に形成することによって、光入射領域34及び光出射領域35での磁化の向きを一致させている。
図2(図3)及び図9に示した構成では、光入射領域34及び光出射領域35を磁壁Iが横切らないようになっている。しかし、図4及び図10に示すように、これらの構成では損失変動が比較的大きくなっている。この損失変動は、磁壁I(I1、I2)がファラデー回転子20の光入出射面に対して垂直になっていないために生じると考えられる。具体的には、磁壁Iが光入出射面に対して斜めになっていたり、磁壁Iが平面状ではなく曲面状であったりする場合に損失変動が生じる。これは、ファラデー回転子20の磁区Aの屈折率と磁区Bの屈折率とがわずかに異なることに起因する。すなわち、光ビームの磁壁Iに対する入射位置は磁壁Iが移動することによって相対的に変化するため、磁壁Iが曲面状であると光ビームの磁壁Iに対する入射角が一定にならず、磁区A及び磁区Bの屈折率差によって光路が変化してしまう。また、磁壁Iが平面状であっても光入出射面に対して斜めになっている場合、光ビームの進行方向は全反射膜30、31で反射する度に変化するため、磁壁Iの位置によっては光ビームの磁壁Iに対する入射角が変化し、光路が変化してしまう。図11に示した偏波制御器2’’では、磁気回路の構成を工夫して、磁壁Iが平面状かつ光入出射面に対して垂直になるようにしている。これにより、図12に示したように損失変動を低減できる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態による磁気光学光部品について図19及び図20を用いて説明する。図19は、本実施の形態による磁気光学光部品としての偏波制御器3の構成を示している。また図20は、偏波制御器3の要部構成を示している。図19及び図20では、図1及び図2と同様に座標系をとっている。図20(a)は偏波制御器3の要部を+Y方向に見た構成を示し、図20(b)は偏波制御器3の要部を−Z方向に見た構成を示している。図19及び図20(a)、(b)に示すように、本実施の形態では、光入射領域34と光出射領域35とが共にファラデー回転子20の一方の表面22側に配置されている。表面22のうち光ビームが入射する光入射領域34近傍には無反射膜32(図20(b)では図示せず)が形成され、光ビームが出射する光出射領域35近傍には無反射膜33(図20(b)では図示せず)が形成されている。表面22の他の部分には全反射膜30(図6(b)では図示せず)が形成されている。他方の表面23のほぼ全体には全反射膜31が形成されている。
図19に示すように、入力用のシングルモード光ファイバ50から発散光として出射した光は、レンズ54により平行光に変換されてファラデー回転子20の光入射領域34に入射する。ファラデー回転子20内に入射した光は、全反射膜31、30で交互に反射しながらファラデー回転子20内を通過し、光出射領域35から出射してレンズ56により出力用のシングルモード光ファイバ52に集光するようになっている。図20では、平行光である光ビームの中心軸上の光路L2と、光路L2より−X方向にずれた光路L1と、光路L2より+X方向にずれた光路L3とを示している。
また偏波制御器3は、「C」字状のヨーク42と、ヨーク42に巻き回されたコイル44とを備えた電磁石40を有している。ヨーク42の一方の端部42aは、その先端と全反射膜30の裏面とが対向するように、全反射膜30の裏面に近接して配置されている。ヨーク42の他方の端部42bは、その先端と全反射膜31の裏面とが対向するように、全反射膜31の裏面に近接して配置されている。端部42bの先端の図19中左側には永久磁石47が埋め込まれ、端部42bの先端の図19中右側には永久磁石46が埋め込まれている。端部42bの先端面42dと永久磁石46の表面46aと永久磁石47の表面47aとはほぼ同一面内に配置されている。永久磁石46、47の磁化の向きは共に+Z方向である。永久磁石46、47は、ヨーク42の端部42bにそれぞれ直接接触していてもよいし、接着剤層等を介して端部42bにそれぞれ近接して配置されていてもよい。端部42aの先端面42cと端部42bの先端面42dとは、ファラデー回転子20を挟んで互いに向き合うように配置されている。
ファラデー回転子20の永久磁石47に対向する領域は、+Z方向の磁化により構成される磁区A1になっている。ファラデー回転子20の永久磁石46に対向する領域は、磁区A1と同じ向きの磁化により構成される磁区A2になっている。磁区A1の領域と磁区A2の領域との間の領域は、磁区A1、A2と逆向き(−Z方向)の磁化により構成される磁区B1になっている。磁区A1の領域と磁区B1の領域との間には磁壁I1が形成され、磁区A2の領域と磁区B1の領域との間には磁壁I2が形成される。ここで、光入射領域34は磁区A1の領域内に位置し、光出射領域35は磁区A2の領域内に位置している。また、ファラデー回転子20の磁区B1の領域に印加される−Z方向の磁界成分は、磁壁I1と磁壁I2との中間部(ファラデー回転子20の中央部)で最も強く、磁壁I1、I2に近づくほど弱くなっている。磁壁I1、I2上では、印加磁界のZ方向成分が0になっている。
電磁石40のコイル44に電流を流すと、ヨーク42とファラデー回転子20とを通る閉磁路が形成され、ヨーク42の2つの先端面42c、42dに挟まれた領域近傍のファラデー回転子20には、例えば+Z方向の磁界が印加される。これにより印加磁界のZ方向成分が0となる境界領域は、ファラデー回転子20の中央部に向かって移動する。すなわち、2つの磁壁I1、I2が互いに近づく方向に向かってそれぞれ移動し、磁区B1の領域の幅は印加磁界の強さに応じて狭くなる。一方、電磁石40のコイル44に逆向きの電流を流すと、ヨーク42の2つの先端面42c、42dに挟まれた領域近傍のファラデー回転子20には−Z方向の磁界が印加される。これにより印加磁界のZ方向成分が0となる境界領域は、ファラデー回転子20の中央部から離れる方向に移動する。すなわち、2つの磁壁I1、I2が互いに遠ざかる方向にそれぞれ移動し、磁区B1の領域の幅は印加磁界の強さに応じて広くなる。本例の構成では、ヨーク42の2つの先端面42c、42dを比較的近接させて配置しているため、小電流で所望の強さの磁界を印加できるようになっている。
ファラデー回転子20内を光が伝搬した際に生じる偏波回転角は、+Z方向の磁化により構成される磁区A1、A2内の光路長と、−Z方向の磁化により構成される磁区B1内の光路長との差に比例する。したがって、第2の実施の形態と同様に、光入射領域34が磁区A1内に位置し、光出射領域35が磁区A2内に位置しているという状態を保ちつつ、電磁石40により可変磁界を印加して磁壁I1、I2を移動させることによって、偏波回転角を可変にすることができる。これにより、ファラデー回転子20に入射した光ビームの偏波面を所望の角度だけ回転させて出射できる。
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様に、小型、低消費電力かつ高速で低価格の磁気光学光部品を実現できる。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態による磁気光学光部品について図21及び図22を用いて説明する。PMD補償器に用いられる偏波制御器には、あらゆる偏光変動に対して連続的に飽和することなく追従できる無限追尾型が求められる(非特許文献1参照)。無限追尾型偏波制御器には、一般に複数のファラデー回転子(可変ファラデー回転子)と各ファラデー回転子間に配置される複数の1/4波長板とが必要になる。
図21は、本実施の形態による磁気光学光部品としての偏波制御器4の要部構成を示している。図21では、図1及び図2(a)、(b)と同様に座標系をとっている。図21に示すように、本実施の形態の偏波制御器4は、1つのファラデー回転子21を有している。ファラデー回転子21はほぼ直方体状の形状を有し、共にXY面に平行な表面22、23を有している。一方の表面22のうち光ビームが入射する光入射領域34近傍には無反射膜32が形成され、光ビームが出射する光出射領域35近傍には無反射膜33が形成されている。表面22の他の部分には全反射膜30が形成されている。また、他方の表面23のうち光ビームが出射する光出射領域38及び光ビームが入射する光入射領域39近傍には無反射膜36が形成され、表面23の他の部分には全反射膜31a、31bが形成されている。
光入射領域34からファラデー回転子21に入射した光ビームは、全反射膜31a、30で交互に反射して光出射領域38から一旦出射する。光出射領域38から出射した光ビームは1/4波長板60を通過して反射板62で反射し、光入射領域39からファラデー回転子21に再度入射する。光入射領域39からファラデー回転子21に再度入射した光ビームは、全反射膜30、31bで交互に反射して光出射領域35から出射する。
ファラデー回転子21には、不図示の永久磁石によって所定の磁界が印加されている。これによりファラデー回転子21の光入射領域34近傍の領域は、+Z方向の磁化により構成される磁区A1になっている。ファラデー回転子21の光出射領域38及び光入射領域39近傍の領域は、磁区A1と同じ向きの磁化により構成される磁区A2になっている。ファラデー回転子21の光出射領域35近傍の領域は、磁区A1、A2と同じ向きの磁化により構成される磁区A3になっている。ファラデー回転子21の磁区A1と磁区A2との間の領域は、磁区A1、A2、A3と逆向き(−Z方向)の磁化により構成される磁区B1になっている。ファラデー回転子21の磁区A2と磁区A3との間の領域は、磁区B1と同じ向きの磁化により構成される磁区B2になっている。磁区A1の領域と磁区B1の領域との間には磁壁I1が形成され、磁区A2の領域と磁区B1の領域との間には磁壁I2が形成されている。磁区A2の領域と磁区B2の領域との間には磁壁I3が形成され、磁区A3の領域と磁区B2の領域との間には磁壁I4が形成されている。
不図示の電磁石により磁区B1の領域近傍に所定強度の+Z方向の磁界を印加すると、磁壁I1、I2が互いに近づく方向に移動し、磁区B1の幅は印加磁界の強さに応じて狭くなる。同様に磁区B2の領域近傍に所定強度の+Z方向の磁界を印加すると、磁壁I3、I4が互いに近づく方向に移動し、磁区B2の幅は印加磁界の強さに応じて狭くなる。
ファラデー回転子21内を光が伝搬した際に生じる偏波回転角は、+Z方向の磁化により構成される磁区A(A1、A2、A3)内の光路長と、−Z方向の磁化により構成される磁区B(B1、B2)内の光路長との差に比例する。したがって、光入射領域34が磁区A1内に位置し、光出射領域38及び光入射領域39が磁区A2内に位置し、光出射領域35が磁区A3内に位置しているという状態を保ちつつ、電磁石により例えば+Z方向に可変磁界を印加して磁壁I1、I2、I3、I4を移動させ、磁区B1、B2の幅を変化させることによって、磁区A内の光路長と磁区B内の光路長との差を変化させて偏波回転角を可変にすることができる。本実施の形態では、1つのファラデー回転子21の図中左側部分と図中右側部分とが別のファラデー回転子として機能するようになっている。光出射領域35から出射した光ビームを他の反射板を用いて反射させ、ファラデー回転子21にまた入射するようにすれば、1つのファラデー回転子21を3つ(又はそれ以上)のファラデー回転子として機能させることもできる。したがって、1つのファラデー回転子21を用いて無限追尾型偏波制御器を構成できるようになる。また、本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様に、小型、低消費電力かつ高速で低価格の磁気光学光部品を実現できる。
図22は、本実施の形態による磁気光学光部品の構成の変形例を示している。図22に示すように、本変形例による偏波制御器4’は、例えば2枚のファラデー回転子20a、20bを有している。2枚のファラデー回転子20a、20bは、ファラデー回転子20aの光出射領域35aとファラデー回転子20bの光入射領域34bとが1/4波長板60を挟んで対向するように配置されている。ファラデー回転子20aの光出射領域35aから出射した光は、1/4波長板60を透過して、ファラデー回転子20bの光入射領域34bに入射するようになっている。ファラデー回転子20aは、共にXY面に平行で互いに対向する表面22a、23aを有している。一方の表面22aのうちレンズ付き光ファイバ58からの光が入射する光入射領域34a近傍には無反射膜32aが形成され、表面22aの他の部分には全反射膜30aが形成されている。他方の表面23aのうち光出射領域35a近傍には無反射膜33aが形成され、表面23aの他の部分には全反射膜31aが形成されている。ファラデー回転子20aに可変磁界を印加する電磁石のヨークの一方の端部42aは、その先端面42cと全反射膜30aの裏面とが対向するように、全反射膜30aの裏面に近接して配置されている。ヨークの他方の端部42bは、その先端面42dと全反射膜31aの裏面とが対向するように、全反射膜31aの裏面に近接して配置されている。端部42aの先端面42cと端部42bの先端面42dとは、ファラデー回転子20aを挟んで互いに向き合うように配置されている。
端部42aの+X方向には永久磁石67aが配置され、端部42aの−X方向には永久磁石68aが配置されている。永久磁石67aの磁化の向きは+Z方向であり、永久磁石68aの磁化の向きは−Z方向である。また、端部42bの−X方向には永久磁石69aが配置され、永久磁石69aのさらに−X方向には永久磁石66aが配置されている。永久磁石69aの磁化の向きは−Z方向であり、永久磁石66aの磁化の向きは+Z方向である。ファラデー回転子20aの光入射領域34a近傍の領域は+Z方向の磁化により構成される磁区A1になっており、光出射領域35a近傍の領域は磁区A1と同じ向きの磁化により構成される磁区A2になっている。磁区A1と磁区A2との間の領域は、磁区A1、A2と逆向きの磁化により構成される磁区B1になっている。磁区A1と磁区B1との間には磁壁I1が形成され、磁区B1と磁区A2との間には磁壁I2が形成されている。本例の構成では、磁区A1に対応して永久磁石66aが配置され、磁区B1に対応して永久磁石68a、69aが配置され、磁区A2に対応して永久磁石67aが配置されていることになる。
ファラデー回転子20bは、共にXY面に平行で互いに対向する表面22b、23bを有している。一方の表面22bのうち光入射領域34b近傍には無反射膜32bが形成され、表面22bの他の部分には全反射膜30bが形成されている。他方の表面23bのうちレンズ付き光ファイバ59側に光が出射する光出射領域35b近傍には無反射膜33bが形成され、表面23bの他の部分には全反射膜31bが形成されている。ファラデー回転子20bに可変磁界を印加する電磁石のヨークの一方の端部42eは、その先端面42gと全反射膜30bの裏面とが対向するように、全反射膜30bの裏面に近接して配置されている。ヨークの他方の端部42fは、その先端面42hと全反射膜31bの裏面とが対向するように、全反射膜31bの裏面に近接して配置されている。端部42eの先端面42gと端部42fの先端面42hとは、ファラデー回転子20bを挟んで互いに向き合うように配置されている。
端部42eの+X方向には永久磁石67bが配置され、端部42eの−X方向には永久磁石68bが配置されている。永久磁石67bの磁化の向きは+Z方向であり、永久磁石68bの磁化の向きは−Z方向である。また、端部42fの−X方向には永久磁石69bが配置され、永久磁石69bのさらに−X方向には永久磁石66bが配置されている。永久磁石69bの磁化の向きは−Z方向であり、永久磁石66bの磁化の向きは+Z方向である。ファラデー回転子20bの光入射領域34b近傍の領域は+Z方向の磁化により構成される磁区A3になっており、光出射領域35b近傍の領域は磁区A3と同じ向きの磁化により構成される磁区A4になっている。磁区A3と磁区A4との間の領域は、磁区A3、A4と逆向きの磁化により構成される磁区B2になっている。磁区A3と磁区B2との間には磁壁I3が形成され、磁区B2と磁区A4との間には磁壁I4が形成されている。本例の構成では、磁区A3に対応して永久磁石66bが配置され、磁区B2に対応して永久磁石68b、69bが配置され、磁区A4に対応して永久磁石67bが配置されていることになる。
本変形例の偏波制御器4’では、図21に示した偏波制御器4と比較すると2枚のファラデー回転子20a、20bが必要になるものの、正確な角度調整を要する反射板62が不要になる。このため偏波制御器4’は、組立てが容易になり、かつ小型化するという利点を有している。また、偏波制御器4’は2枚のファラデー回転子20a、20bを有する2段型の構成であるが、3枚以上のファラデー回転子を用いることによって3段以上の多段構成にすることもできる。
本実施の形態では磁気光学光部品として偏波制御器4、4’を例に挙げているが、各ファラデー回転子の前後に偏光子を配置して多段に接続することによって、偏波回転角の波長依存性を利用した可変フィルタも実現できる。本実施の形態は、多重反射を用いることによって偏波回転角の可変幅を容易に広くできるため、可変フィルタとしても適している。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態による磁気光学光部品について図23を用いて説明する。これまでの実施の形態では、電磁石を用いた可変の磁気光学光部品を例に挙げたが、本発明はこれに限られない。例えば、電磁石を用いず、永久磁石の位置を調整することにより偏波回転角を最適な値に調整した後、当該永久磁石を固定することによって、光アイソレータや光サーキュレータに適用することもできる。この構成によれば、挿入損失が低く、かつ、偏波回転角を微調整できるためアイソレーションも高い高性能な2段型の光アイソレータ、光サーキュレータを実現できる。具体的な構成としては、例えば磁気光学結晶の前後に偏光子を配置すればよく、従来から知られている偏光子とファラデー回転子との素子の組み合わせを適用できる。永久磁石を移動することにより、磁区を移動できるようにしてもよい。
図23は、本実施の形態による磁気光学光部品として光アイソレータ5の構成を示している。図23に示すように、本実施の形態では、例えば図21に示す構成に対し、1/4波長板60を偏光子81に置き換えて、無反射膜32の前(光入射側)及び無反射膜33の後(光出射側)にそれぞれ偏光子80、82をさらに配置している。ファラデー回転子21の表面23のうち図中左側の領域に対向する位置には、左から順に永久磁石84、85が配置されている。永久磁石84の磁化の向きは+Z方向であり、永久磁石85の磁化の向きは−Z方向である。ファラデー回転子21の表面23のうち図中右側の領域に対向する位置には、左から順に永久磁石87、88が配置されている。永久磁石87内部の磁束の向きは−Z方向であり、永久磁石88内部の磁束の向きは+Z方向である。また、ファラデー回転子21の表面22のうち中央部近傍に対向する位置には、永久磁石86が配置されている。永久磁石86の磁化の向きは+Z方向である。各永久磁石84、85、86、87、88は、ファラデー回転子21内の磁壁I1、I2、I3、I4が所望の位置に配置されるように位置調整された後に固定されている。本変形例によれば、1枚のみの磁気光学結晶で2段型の光アイソレータや光サーキュレータを実現できるので、組立ての簡易化、低コスト化を達成できる。同様に、3段型以上の光アイソレータや光サーキュレータも実現できる。
なお、第1乃至第5の実施の形態に利用できる磁気光学結晶としては、表面22、23に対して垂直な方向に磁化容易軸を有することが必要である。上記実施の形態では、外部磁界については表面22、23に垂直方向の成分(Z方向成分)のみについて議論したが、このような垂直磁化性を有する磁気光学結晶においては、垂直方向の成分の磁界が磁区構造をほぼ決定するためである。表面22、23に平行な面内方向の磁界成分(X方向成分及びY方向成分)も存在しているが、磁区構造には大きく影響しない。
〔第6の実施の形態〕
次に、本発明の第6の実施の形態による磁気光学光部品について図24を用いて説明する。図24は、本実施の形態による磁気光学光部品として偏波制御器6の構成を示している。図24では、図1及び図2と同様に座標系をとっている。図24に示すように、本実施の形態の偏波制御器6は、1枚のファラデー回転子24を有している。本実施の形態では、後述のように磁化を回転させて偏波回転角を制御する磁化回転方式が用いられる。このため、ファラデー回転子24は、1000℃前後の温度で数時間程度の熱処理が施されて成長誘導磁気異方性が消失した磁性ガーネット単結晶膜を用いて作製されている。
偏波制御器6は、永久磁石46、47と、ヨーク(図24ではヨークの両端部42a、42bのみを示している)とヨークに巻き回されたコイルとを備えた電磁石とを有している。永久磁石46はファラデー回転子24の−X方向に配置され、永久磁石47はファラデー回転子24の+X方向に配置されている。永久磁石46、47の磁化の向きは共に+X方向である。電磁石のヨークの一方の端部42aは、その先端面42cとファラデー回転子24の一方の表面に形成された全反射膜30の裏面とが対向するように、全反射膜30の裏面に近接して配置されている。ヨークの他方の端部42bは、その先端面42dとファラデー回転子24の他方の表面に形成された全反射膜31の裏面とが対向するように、全反射膜31の裏面に近接して配置されている。端部42aの先端面42cと端部42bの先端面42dとは、ファラデー回転子24を挟んで互いに向き合うように配置されている。
電磁石のコイルに電流を流していないとき、ファラデー回転子24には、永久磁石46、47によって+X方向の磁界が飽和磁界以上の強さで印加されている。したがってファラデー回転子24は+X方向に磁化され、飽和磁化の状態にある。ファラデー回転角は磁化のZ方向成分に依存するため、コイルに電流を流していないときのファラデー回転角はほぼ0°である。コイルに電流を流すと、ファラデー回転子24のヨーク両端部42a、42bに挟まれた領域には、例えば+Z方向の可変磁界が電磁石により印加される。すなわち、ファラデー回転子24の当該領域に印加される外部磁界は、永久磁石46、47による+X方向の磁界と電磁石による+Z方向の可変磁界との合成磁界になる。コイルに流す電流を変化させ、飽和磁界以上の強さを有する合成磁界の方向を変化させることによって、ファラデー回転子24のヨーク両端部42a、42bに挟まれた領域では、飽和磁化の状態を維持しつつ磁化の向き(図中の矢印a)が変化し、磁化のZ方向成分が変化する。ファラデー回転角は磁化のZ方向成分に依存して変化するため、コイルに流す電流を制御することによりファラデー回転角を調整できる。ここで、ファラデー回転子24の光入射領域34及び光出射領域35近傍の領域には、電磁石による磁界がほとんど印加されないようになっている。このため、光入射領域34及び光出射領域35近傍の領域での磁化の向き(図中の矢印b)は共に+X方向のままである。
本実施の形態では、ファラデー回転子24の光入射領域34近傍の領域での磁化の向きと、光出射領域35近傍の領域での磁化の向きとが同一になっている。したがって、平行光である光ビームの全ての光路で偏波回転角が同一であるため、ファラデー回転子24を通過して出力用の光ファイバに集光されるときに回折損失が生じない。また、本実施の形態ではファラデー回転子24に磁壁Iが存在しない。したがって、光入射領域34及び光出射領域35を磁壁Iが横切ることはもちろんないため、挿入損失の変動幅を小さくできる。このため本実施の形態の磁気光学光部品は、損失が低く損失の変動幅が小さいことが要求される偏波制御器に適用できる。
また本実施の形態では、ヨークの両端部42a、42bが全反射膜30、31にそれぞれ近接して配置されているため、可変磁界を効率よくファラデー回転子24に印加でき、磁気光学光部品を小型化、低消費電力化できる。さらに本実施の形態では、ファラデー回転子24は常に飽和磁化領域で使用されるため、ヒステリシスを生じさせずに再現性よく偏波回転角を変化させることができる。
本実施の形態では、小型化及び低消費電力化の比較的困難な磁化回転方式が用いられている。しかしながら、本実施の形態では多重反射によりファラデー回転子24内の光路長が長くなっているため、磁化の回転角度が小さくても大きい偏波回転角が得られ、かつ偏波回転角の広い可変範囲が得られる。したがって、本実施の形態によれば、磁化回転方式を用いても比較的小型で低消費電力の磁気光学光部品を実現できる。
ところで、上記第1乃至第6の実施の形態では、多重反射する光ビームが互いに重ならない程度に光ビームのビーム径を小さくする必要がある。しかしながら、ビーム径が小さくなると回折により光ビームが拡がり易くなるので、適切な値に設定する必要がある。磁気光学結晶の厚さ、磁気光学結晶への光の入射角度などにより、適切なビーム径の値は左右されるが、実用上、40〜100μm程度のビーム径が適している。このような小さいビーム径の光ビームを用いる光学系としては、図5及び図19に示すような光ファイバ50、52と別個にレンズ54、56を配置した光学系以外に、図22に示すようにレンズとファイバを一体化したレンズ付き光ファイバ58、59や、光ファイバの先端部分のコアを加熱により拡大したコア拡大光ファイバなどを用いた光学系も適用できる。レンズ付き光ファイバ58、59やコア拡大光ファイバは、レンズを別個に配置する場合と比較して小型化に適しており、また組立ても簡易化できる。
なお、本明細書中の「磁気光学光部品」は、磁気光学結晶や磁界印加機構などからなる素子的なものを意味するだけではなく、レンズ、光導波機構(光ファイバや光導波路)、電流を流すための電極、及びこれらを格納する筐体などを必要に応じて含んだものを意味する。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば上記実施の形態では、磁気光学光部品として偏波制御器や光変調器等を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。電磁石40のコイル44に流す電流を変化させて光の減衰量を可変に制御する可変光アッテネータ等の他の磁気光学光部品にも適用できる。例えば図5に示す構成を可変光アッテネータに適用する場合には、レンズ54とファラデー回転子20との間に偏光子を配置し、ファラデー回転子20とレンズ56との間に検光子を配置すればよい。
また、永久磁石は、上記実施の形態と同様の磁区構造をファラデー回転子20に形成できれば、どのように配置してもよい。例えば、互いに逆向きの磁極を有する2つの永久磁石を隣接させて端部42a、42bの各先端にそれぞれ配置してもよい。
さらに、上記実施の形態では、永久磁石46、47をヨーク42に接触(近接)させて配置した例を挙げたが、本発明はこれに限られない。例えば、永久磁石46、47をヨーク42から離してファラデー回転子20の±X方向にそれぞれ配置し、上記実施の形態と同様の磁区構造をファラデー回転子20に形成してもよい。
上記実施の形態では、ファラデー回転子としてLPE法による磁性ガーネット単結晶膜の例を挙げたが、本発明はこれに限られない。例えば、フラックス法、FZ法、固相法などで作製した磁性ガーネットやオルソフェライトなどを、用いてもよい。
本発明の第1の実施の形態による磁気光学光部品の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による磁気光学光部品の要部構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による磁気光学光部品において生じ得る問題点を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による磁気光学光部品の偏波回転角及び損失の起磁力依存性を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態による磁気光学光部品の構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による磁気光学光部品の要部構成を示す図である。 永久磁石及びヨークの配置を示す図である。 図7に示す配置の永久磁石近傍での磁界成分の強さを示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態の実施例2−1による磁気光学光部品の要部構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の実施例2−1による磁気光学光部品の偏波回転角及び損失の起磁力依存性を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態の実施例2−2による磁気光学光部品の要部構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の実施例2−2による磁気光学光部品の偏波回転角及び損失の起磁力依存性を示すグラフである。 磁気光学光部品の挿入損失の磁区構造依存性について説明する図である。 磁気光学光部品の挿入損失の磁区構造依存性を示すグラフである。 磁気光学光部品の挿入損失の磁区構造依存性について説明する図である。 磁気光学光部品の挿入損失の磁区構造依存性を示すグラフである 磁気光学光部品の挿入損失の磁区構造依存性について説明する図である。 磁気光学光部品の挿入損失の磁区構造依存性を示すグラフである 本発明の第3の実施の形態による磁気光学光部品の構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態による磁気光学光部品の要部構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態による磁気光学光部品の要部構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態による磁気光学光部品の構成の変形例を示す図である。 本発明の第5の実施の形態による磁気光学光部品の構成を示す図である。 本発明の第6の実施の形態による磁気光学光部品の要部構成を示す図である。 従来の磁気光学光部品の概略構成及び動作原理を説明する図である。
符号の説明
1 磁気光学光部品
2、2’、2’’、3、4、4’、6 偏波制御器
5 光アイソレータ
20、20a、20b、21、24 ファラデー回転子
22、22a、22b、23、23a、23b 表面
30、30a、30b、31、31a、31b 全反射膜
32、32a、32b、33、33a、33b、36 無反射膜
34、34a、34b、39 光入射領域
35、35a、35b、38 光出射領域
40 電磁石
42、70、71、72 ヨーク
42a、42b、42e、42f 端部
42c、42d、42g、42h、70d、71d 先端面
44 コイル
46、47、48、49、66a、66b、67a、67b、68a、68b、69a、69b、84、85、86、87、88、90a、90b、90c、90d、90e、
90f、90g 永久磁石
46a、46b、46c、47a、47b、47c 表面
50 入力用のシングルモード光ファイバ
52 出力用のシングルモード光ファイバ
54、56 レンズ
58、59 レンズ付き光ファイバ
60 1/4波長板
62 反射板
80、81、82 偏光子

Claims (10)

  1. 対向した第1及び第2の表面を備える磁気光学結晶と、
    前記磁気光学結晶の前記第1の表面側の少なくとも一部に配置された第1の全反射部と、
    前記磁気光学結晶の前記第2の表面側の少なくとも一部に配置された第2の全反射部と、
    前記磁気光学結晶に光が入射する光入射領域と、
    前記第1及び第2の全反射部で交互に反射した前記光が前記磁気光学結晶から出射する光出射領域と、
    前記光入射領域及び前記光出射領域において磁壁が存在しないように、前記磁気光学結晶に対して磁界を印加する磁界印加機構と
    を有することを特徴とする磁気光学光部品。
  2. 請求項1記載の磁気光学光部品であって、
    前記磁界印加機構は、前記光入射領域及び前記光出射領域での磁化の向きが一致するように、前記磁気光学結晶に対して磁界を印加すること
    を特徴とする磁気光学光部品。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気光学光部品であって、
    前記光入射領域は前記第1の表面上に配置され、
    前記光出射領域は前記第2の表面上に配置されていること
    を特徴とする磁気光学光部品。
  4. 請求項1又は2に記載の磁気光学光部品であって、
    前記光入射領域及び前記光出射領域は、共に前記第1の表面上に配置されていること
    を特徴とする磁気光学光部品。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気光学光部品であって、
    前記磁気光学結晶は所定の磁化容易軸を有し、前記磁化容易軸に平行な一方向の磁化により構成される磁区Aと、前記磁区Aの磁化方向とは逆向きの方向の磁化により構成される磁区Bとを含むこと
    を特徴とする磁気光学光部品。
  6. 請求項5記載の磁気光学光部品であって、
    前記磁界印加機構は、前記磁気光学結晶に印加される前記所定方向の磁界成分が0となる位置を可変とする電磁石と、前記磁気光学結晶に形成される複数の磁区にそれぞれ対応して少なくとも1個ずつ配置された永久磁石とを有すること
    を特徴とする磁気光学光部品。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気光学光部品であって、
    前記磁界印加機構は、前記磁気光学結晶に固定磁界を印加する少なくとも1個の永久磁石と、前記固定磁界の方向とは異なる方向の可変磁界を前記磁気光学結晶に印加する電磁石とを備え、前記可変磁界と前記固定磁界との合成磁界が前記磁気光学結晶の飽和磁界以上の強さを有するように前記可変磁界の強さを変化させ、前記磁気光学結晶の磁化の向きを変化させること
    を特徴とする磁気光学光部品。
  8. 対向した第1及び第2の表面を備える磁気光学結晶と、
    前記磁気光学結晶の前記第1の表面側の少なくとも一部に配置された第1の全反射部と、
    前記磁気光学結晶の前記第2の表面側の少なくとも一部に配置された第2の全反射部と、
    前記磁気光学結晶に光が入射する光入射領域と、
    前記第1及び第2の全反射部の表面で交互に反射した前記光が前記磁気光学結晶から出射する光出射領域と、
    前記第1の全反射部の裏面に近接して配置された一端部と前記第2の全反射部の裏面に近接して配置された他端部とを備えたヨークと、前記ヨークに巻き回されたコイルとを有し、前記磁気光学結晶に可変磁界を印加する電磁石と、前記磁気光学結晶に固定磁界を印加する少なくとも1個の永久磁石とを備えた磁界印加機構と
    を有することを特徴とする磁気光学光部品。
  9. 請求項8記載の磁気光学光部品であって、
    前記磁気光学結晶は所定の磁化容易軸を有し、前記磁化容易軸に平行な一方向の磁化により構成される磁区Aと、前記磁区Aの磁化方向とは逆向きの方向の磁化により構成される磁区Bとを含むこと
    を特徴とする磁気光学光部品。
  10. 請求項8記載の磁気光学光部品であって、
    前記可変磁界の方向と前記固定磁界の方向とは互いに異なり、
    前記磁界印加機構は、前記可変磁界と前記固定磁界との合成磁界が前記磁気光学結晶の飽和磁界以上の強さを有するように前記可変磁界の強さを変化させ、前記磁気光学結晶の磁化の向きを変化させること
    を特徴とする磁気光学光部品。
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