JPH11209477A - 水性樹脂エマルションの連続的製造方法及びその装置 - Google Patents

水性樹脂エマルションの連続的製造方法及びその装置

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JPH11209477A
JPH11209477A JP10034163A JP3416398A JPH11209477A JP H11209477 A JPH11209477 A JP H11209477A JP 10034163 A JP10034163 A JP 10034163A JP 3416398 A JP3416398 A JP 3416398A JP H11209477 A JPH11209477 A JP H11209477A
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JP
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stirrer
water
continuously
resin
emulsifier
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JP10034163A
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Atsushi Sakai
敦 阪井
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂を有機溶剤に溶解することなしに、また
高価で運転保守費用のかかる高圧乳化機を使用すること
なしに、しかも連続的に比較的小さな攪拌槽を用いて高
生産性のもとに保存安定性の優れた水性樹脂エマルショ
ンを連続的に製造する方法及びその装置を開発するこ
と。 【解決手段】 溶融樹脂及び水を、多段連続流通攪拌装
置を構成している最始攪拌装置部から、1つもしくはそ
れ以上の中間撹拌装置部を経て、または経ることなく最
終攪拌装置部へと、順次連続的に流通させながら乳化剤
の存在下で連続的に攪拌混合し、水性樹脂エマルション
を連続的に製造する方法であって、水は各段の攪拌装置
ごとに、溶融樹脂に対して連続的に比例供給し、該溶融
樹脂に対する水の混合量を段階的に増加させて行くこと
により、連続流通の溶融樹脂混合物をO/Wエマルショ
ンへ連続的に転相させて水性樹脂エマルションを連続的
に製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性樹脂エマルシ
ョンの連続的製造方法及びその装置、詳しくは樹脂を有
機溶剤に溶解することなしに、また高価で運転保守費用
のかかる高圧乳化機を使用することなしに、しかも比較
的小さな攪拌装置を用いて高生産性のもとに保存安定性
の優れた水性樹脂エマルションを連続的に得ることがで
きる水性樹脂エマルションの連続的製造方法及びその装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】保存安定性の優れた水性樹脂エマルショ
ンの製造方法としては、高圧乳化機を用いる連続的製造
方法、回分攪拌槽を用いてバッチ式で転相乳化を行うバ
ッチ式転相乳化方法などが知られている。また、高圧乳
化機を用いる連続的製造方法では、溶剤に樹脂を溶解し
高圧乳化機を用いて乳化後に真空下で溶剤を留去する溶
剤系高圧乳化方法、樹脂を溶剤に溶解することなしに樹
脂の軟化点以上の操作温度で高圧乳化する無溶剤系高圧
乳化方法が知られている。
【0003】溶剤系高圧乳化方法は、樹脂を水不溶性の
揮発性有機溶剤に溶解させ、該溶液を水及び適当な乳化
剤と予備混合機にて予備混合する予備混合工程、該予備
混合液をホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、ナ
ノマイザー等の高圧乳化機にて乳化する高圧乳化工程、
薄膜蒸発器などにより有機溶剤を減圧下で蒸留除去する
連続式蒸発工程及び(または)減圧攪拌加熱槽等による
バッチ式蒸発工程、を順次経ることにより水性樹脂エマ
ルションを連続的に製造できる。該溶剤系高圧乳化方法
では、樹脂を水不溶性の溶剤に溶解させることにより、
100℃以下の温度で良好な流動性を与え、比較的低い
温度及び圧力で操作できるため、使用する高圧乳化機は
無溶剤系の高圧乳化機に比べて安価であり運転保守が容
易であるが、減圧下で加熱しエマルション粒子中の溶解
した溶剤を留去するために、非常に多くの時間を要し生
産性が低く、しかも多量の有機溶剤の使用による労働安
全衛生上または環境上の問題がある。
【0004】また、無溶剤系高圧乳化方法は、樹脂をそ
の軟化点以上に加熱し、溶融状態の樹脂と水と適当な乳
化剤とを予備混合機にて予備混合する予備混合工程、該
予備混合液をホモジナイザ−、マイクロフルイダイザ
ー、ナノマイザー等の高圧乳化機にて乳化する高圧乳化
工程、100℃を超える水性樹脂エマルションを冷却器
により冷却し常圧に戻す冷却工程、を順次経ることによ
り水性樹脂エマルションを連続的に製造することができ
る。該無溶剤系高圧乳化方法では、溶融状態で乳化する
ため安全、衛生、環境上の問題となる有機溶剤を用いる
ことなく乳化できるが、溶融樹脂に良好な流動性を与え
るため、樹脂の軟化点プラス50〜100℃の温度に加
熱溶融しなければならず、高温の使用に耐え、しかも水
不溶の溶剤に溶解した樹脂に比べ流動性が劣るため、さ
らに高圧で使用し得る、非常に高価で且つ運転保守の困
難な高圧乳化機が必要となるなどの問題がある。
【0005】また、バッチ式転相乳化方法は、単一の攪
拌槽を用い、攪拌下の加熱溶融状態の樹脂に適当な乳化
剤と水とを添加して行き、W/OエマルションからO/
Wエマルションへ転相させる方法である。バッチ式の転
相乳化法において、生産性を向上させるには大型の攪拌
槽が必要となり、また攪拌槽内を均一に混合するために
要する時間も長くなるなど、経済的に不利である。
【0006】さらに、水性樹脂エマルションを得る方法
として、ホモミキサーなどのように回転体を5000r
pm〜20000rpm程度に高速回転させ、その剪断
力により乳化する方法があるが、得られる水性樹脂エマ
ルションの体積平均径は数μm〜数十μmと大きく、保
存安定性の優れた水性樹脂エマルションを得ることはで
きない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂を有機
溶剤に溶解することなしに、また高価で運転保守費用の
かかる高圧乳化機を使用することなしに、しかも連続的
に比較的小さな攪拌槽を用いて高生産性のもとに保存安
定性の優れた水性樹脂エマルションを連続的に製造する
方法及びその装置を開発することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、バッチ式転相乳
化方法にみられる単一の攪拌槽に代え多段連続流通攪拌
装置を使用するときは、溶融樹脂、水及び乳化剤の溶融
樹脂混合物からO/Wエマルションへの連続的転相が可
能なことを見いだし、茲に本発明を完成させるに至っ
た。
【0009】すなわち本発明は、溶融樹脂及び水を、多
段連続流通攪拌装置を構成している最始攪拌装置部か
ら、1つもしくはそれ以上の中間撹拌装置部を経て、ま
たは経ることなく最終攪拌装置部へと、順次連続的に流
通させながら乳化剤の存在下で連続的に攪拌混合し、水
性樹脂エマルションを連続的に製造する方法であって、
水は各段の攪拌装置ごとに、溶融樹脂に対して連続的に
比例供給し、該溶融樹脂に対する水の混合量を段階的に
増加させて行くことにより、連続流通の溶融樹脂混合物
をO/Wエマルションへ連続的に転相させることを特徴
とする水性樹脂エマルションの連続的製造方法、ならび
に前記製造方法を実施するための装置であって、溶融樹
脂、乳化剤及び水を始端から終端に向け連続的に流通さ
せながら攪拌混合するための多段連続流通撹拌装置を具
備し、該攪拌装置は、 イ 上記3成分を一端から他端に向け連続的に流通させ
ながら攪拌混合する最始攪拌装置部、及び ロ 上記最始攪拌装置部の終端から連続的に流入する溶
融樹脂含有混合物に対し、水を連続的に流通させながら
撹拌混合する最終撹拌装置部を備え、さらに、 ハ 最始攪拌装置部と最終撹拌装置部の中間に、上記最
始撹拌装置部から連続的に流入する3成分混合物に対
し、必要に応じ乳化剤及び/又は水を連続的に比例供給
しつつ一端から他端に向け連続的に流通させながら撹拌
混合する少なくとも1つの中間撹拌装置部を備えていて
もよい、ことを特徴とする水性樹脂エマルションの連続
的製造装置に関わる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において使用される樹脂と
しては、特に制限はされず、軟化点が190℃(環球
法)以下のもの、通常は50℃〜190℃を有する各種
公知のものを挙げることができ、具体的には、ロジン及
びその誘導体、石油樹脂及びその誘導体、テルペン樹脂
及びその誘導体、フェノール樹脂及びその誘導体等を例
示しうる。
【0011】本発明におけるロジンとは、ガムロジン、
ウッドロジン、トール油ロジン等を言う。
【0012】ロジン誘導体とは、(イ)ロジン類;前記
(イ)と(ロ)α,β−不飽和カルボン酸誘導体との反
応生成物であるα,β−不飽和カルボン酸変性ロジン;
前記(イ)と(ハ)多価アルコールとの反応生成物であ
るロジン多価アルコールエステル;前記(イ)、(ロ)
及び(ハ)の反応生成物であるα,β−不飽和カルボン
酸変性ロジン多価アルコールエステル、更にはこれらロ
ジン誘導体の混合物等を例示できる。
【0013】ここで、(イ)ロジン類とは、上記ロジン
の変性物である水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジ
ン、アルデヒド変性ロジン等である。また、前記エステ
ルとは、完全エステル化物及び部分エステル化物のいず
れをも含む。
【0014】なお、α,β−不飽和カルボン酸変性ロジ
ンに用いられるα,β−不飽和カルボンとしては、特に
制限はされず、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸
等を例示しうる。また、ロジン多価アルコールエステル
に用いられる多価アルコールとしては、特に制限はされ
ず、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキ
サントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペン
タエリスリトール等の各種を例示しうる。
【0015】石油樹脂としては、ナフサのクラッキング
等の石油精製により得たC9留分をカチオン重合するこ
とにより得られるC9系石油樹脂、シクロペンタジエン
やジシクロペンタジエン等のC5留分を熱重合して得ら
れたC5系石油樹脂、更にはC5留分〜C9留分を重合
して得られるC5〜C9系石油樹脂等を例示できる。
【0016】また、石油樹脂誘導体としては、上記各種
石油樹脂を完全あるいは部分的に水素化して得られる脂
環族系の水素化石油樹脂等、更にはこれら石油樹脂及び
石油樹脂誘導体の混合物等を例示できる。
【0017】テルペン樹脂としては、α−ピネン、β−
ピネン、ジペンテンのような単環テルペンからなるテル
ペン留分の重合体等を例示できる。
【0018】また、テルペン樹脂誘導体としては、
(ニ)上記テルペン留分とスチレン類からなる共重合
体;上記テルペン樹脂及び(ニ)を完全あるいは部分的
に水素化して得られる水素化テルペン樹脂及び水素化テ
ルペン樹脂スチレン類共重合体等、更にはこれらテルペ
ン樹脂及びテルペン樹脂誘導体の混合物等を例示でき
る。
【0019】フェノール樹脂としては、フェノール類と
アルデヒドを酸触媒下で付加縮合させたノボラック型樹
脂、及びアルカリ触媒下で反応させたレゾール型樹脂を
蒸留によって水、メタノール等の揮発成分を蒸発除去
し、固形化させた樹脂等を例示しうる。
【0020】ここで、フェノール類とは、石炭酸、ビス
フェノール類、アルキル置換フェノール等である。ビス
フェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールC、ビスフェノールF等を例示できる。また、アル
キル置換フェノール類としては、o−クレゾール、m−
クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、
p−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフ
ェノール、p−tert−アミルフェノール、p−te
rt−ドデシルフェノール、ノニルフェノール、オクチ
ルフェノール等を例示できる。アルデヒドとしては、ホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等を
例示できる。
【0021】また、フェノール樹脂誘導体としては、ロ
ジンにより変性したロジン変性フェノール樹脂等を例示
できる。更には、これらフェノール樹脂及びフェノール
樹脂誘導体の混合物等を例示できる。
【0022】本発明において使用される乳化剤として
は、特に制限はされず、各種公知のノニオン系乳化剤、
アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ポリマー系乳化
剤等を例示しうる。また、使用する乳化剤は、1種類ま
たは2種類以上の併用のいずれでもかまわない。
【0023】ノニオン系乳化剤としては、ソルビタン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等
を例示できる。
【0024】また、アニオン系乳化剤としては、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ロジン石
鹸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスル
ホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフ
ェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンジスチリル
フェニルエーテルのスルホコハク酸塩等を例示できる。
【0025】また、カチオン系乳化剤としては、アルキ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、逆性石鹸等を例
示できる。
【0026】また、ポリマー系乳化剤としては、特に制
限はされず各種不飽和単量体を共重合させて得られるア
ニオン性共重合体、カチオン性共重合体、両性共重合体
のいずれも有効に使用できる。ここで、一般に、アニオ
ン性共重合体とは、アニオン性不飽和単量体20〜80
重量%、好ましくは30〜70重量%及びノニオン性飽
和単量体20〜80重量%、好ましくは30〜70重量
%からなる共重合体をい、カチオン性共重合体とは、カ
チオン性不飽和単量体1〜90重量%、好ましくは10
〜60重量%及びノニオン性不飽和単量体10〜99重
量%、好ましくは40〜90重量%からなる共重合体を
いい、両性共重合体とは、アニオン性不飽単量体1〜6
0重量%、好ましくは10〜40重量%、カチオン性不
飽和単量体〜60重量%、好ましくは10〜40重量%
及びノニオン性不飽和単量体20〜90重量%、好まし
くは20〜80重量%からなる共重合体をいう。
【0027】アニオン性不飽和単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の
各種エチレン性不飽和カルボン酸またはこれらのアンモ
ニウム塩もしくはアルカリ金属塩を例示できる。これら
のなかでも、特にアクリル酸メタクリル酸が好ましい。
尚、アニオン性不飽和単量体成分をアンモニウム塩やア
ルカリ金属塩となすには後述する重合方法により共重合
体を得た後、アンモニア、低級アミン、アルカリ金属水
酸化物等のアルカリ物質を使用して中和してもさしつか
えない。
【0028】カチオン性不飽和単量体としては、N,N
−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、
N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルア
ミド、これらの鉱酸塩及びこれらの第4級化物;アリル
アミン、ジアリルアミン、ジアリルモノメチルアミン、
ジメチルジアリルアンモニウムクロリド等が該当する。
これらのうち好ましいものとしては、N,N−ジメチル
アミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル
アミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメ
チルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、これらの鉱酸塩及びこれらの第4級化物を例示しう
る。上記鉱酸塩となすために使用する鉱酸としては塩
酸、硫酸などが好適である。また上記4級化剤として
は、特に制限はされず各種公知のものを使用できるが、
好ましくはエピハロヒドリン、ハロゲン化メチル、ベン
ジルハライド、メチル硫酸等を例示しうる。尚、4級化
反応は単量体に対して行なうことの他、当然に得られた
共重合体に対しても行なうことができる。
【0029】ノニオン性不飽和単量体としては、CH2
=CH(R1)COOR2で表されるアクリル酸エステル
またはメタクリル酸エステル(以下、両者を(メタ)ア
クリル酸エステルと称す)、スチレン、α−メチルスチ
レン等のスチレン類や、これらスチレン類の芳香環に炭
素数1〜4のアルキル基を有するスチレン系化合物のス
チレン系単量体、(メタ)アクリルアミド、(メタ)ア
クリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、炭
素数6〜22のα−オレフィン、炭素数1〜22のアル
キルビニルエーテル、ビニルピロリドン等を例示でき
る。これらのなかでも、特に(メタ)アクリル酸エステ
ル、スチレン系単量体が好ましい。
【0030】上記式中、R1は水素原子またはメチル基
を、R2は炭素数1〜22のアルキル基または炭素数3
〜22のアルケニル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、ベンジル基、グリシジル基、フルフリルアルコール
残基、天然ロジンから誘導されるロジンアルコール残
基、−(−CH2−CH(R3)−O−)n−R4(式中、
3は水素原子またはメチル基、R4は水素原子または低
級アルキル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルキル
フェニル基、炭素数1〜20のアラルキルフェニル基ま
たは−CH2CH2817を示し、nは1以上の整数を示
す。)または−CH2−CH(OH)−R5(式中、R5
は水素原子、メチル基またはメチロール基、−CH2
O−C(=O)−R6を示し、さらに式中R6は炭素数
1〜22のアルキル基、炭素数3〜22のアルケニル基
または天然ロジンもしくは変性ロジン残基を示す)を表
す。
【0031】アニオン性共重合体の具体例としては、ス
チレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、(メタ)アク
リル酸−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等があ
げられる。カチオン性共重合体の具体例としては、スチ
レン−N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リレート系共重合体、スチレン−N,N−ジアルキルア
ミノアルキル(メタ)アクリルアミド系共重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル−N,N−ジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリレート系共重合体、(メタ)アク
リル酸エステル−N,N−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリルアミド系共重合体等があげられる。両
性共重合体の具体例としては、スチレン−(メタ)アク
リル酸−N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)ア
クリレート系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸
−N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル
アミド系共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メ
タ)アクリル酸−N,N−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレート系共重合体、(メタ)アクリル酸
エステル−(メタ)アクリル酸−N,N−ジアルキルア
ミノアルキル(メタ)アクリルアミド系共重合体等があ
げられる。
【0032】前記共重合体の製造方法としては溶液重
合、乳化重合、懸濁重合等の各種公知の方法をそのまま
採用することができる。また、得られた共重合体の分子
量は、ロジン物質の分散能と直接相関するため通常は重
量平均分子量が1000〜200000であるのが好ま
しい。
【0033】本発明において、水は必ずしも単独で使用
する必要はなく、場合によっては水溶性溶媒の1種以上
と任意の割合、例えば水100重量部に対し、30重量
部以下を混合して使用してもよい。
【0034】上記水溶性溶媒は親水性で且つ樹脂を溶解
させないものであればよく、例えば低級一価アルコール
類、低級多価アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、
エーテル類、アミン類、低級脂肪酸類などを使用でき
る。
【0035】水溶性溶媒について具体的に示せば、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール
等の低級アルコール類、グリセリン、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等
の低級多価アルコール類、アセトン、アセトニルアセト
ン、ジアセトンアルコール等のケトン類、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、エチレンキ
サイド、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエ
ーテル類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等のアミン類、ギ酸、酢酸、
酪酸、乳酸等の低級脂肪酸類等を例示しうる。
【0036】
【実施例】以下に本発明の1実施例を添付図面にもとづ
き説明すると、次の通りである。図1は本発明製造方法
の実施に適する製造装置の全体を概略的に示す説明図で
あり、該製造装置は図1に一点鎖線で囲んで示すように
連続流通可能な多段式の攪拌装置Aを備えている。
【0037】上記攪拌槽部Aは最始攪拌装置部1(図1
で最下段に示されている。)と、例えば1つの中間撹拌
装置部2(図1で中段に示されている。)と、さらに最
終攪拌装置部3(図1で最上段に示されている。)とか
ら構成され、各段の攪拌装置部1、2、3は最始撹拌装
置部から最終撹拌装置部に向け連続流通可能なように接
続ライン4、5を介し順次接続されている。
【0038】各段の攪拌装置部1、2、3には、それぞ
れ攪拌装置6が設置されている。
【0039】攪拌装置6としては公知の各種構造のもの
を用いることができるが、図示のようなモータ6aによ
り駆動される回転軸6bと、該軸6b上に軸方向に多段
的に取付けられた攪拌羽根6cとから構成された攪拌装
置6が、装置内での栓流性を得る上で適当である。
【0040】多段連続流通攪拌装置Aの最始攪拌装置部
1の下端部は樹脂ライン7を介し樹脂溶融槽8の下端部
に接続されている。
【0041】溶融樹脂槽8は、該槽8内で樹脂を加熱溶
融するための加熱装置例えば電気ヒータ(図示せず)
と、溶融樹脂の温度を所定温度に保持するための温度調
節器(図示せず)と、槽内で樹脂を攪拌するための攪拌
装置9とを備えている。上記槽8内での樹脂の加熱溶融
は、溶融樹脂の酸化による熱劣化を防止するために、不
活性ガス、例えば窒素ガスの雰囲気中で行い得るような
構成になっている。
【0042】さらに、最始攪拌装置1の下端部は、樹脂
ライン7との共用ライン7a及び第1水ライン10を介
し第1水槽11の下端部に接続されている。
【0043】第一水槽11内には、乳化剤と水とが所定
の割合で混合された状態で貯えられる。水は水溶性溶媒
を含んでもよい。
【0044】第一水槽11に加え、第二水槽12が設置
され、該第二水槽12内には、必要に応じ乳化剤及び/
又は水溶性溶媒を含有する水が貯えられる。
【0045】第二水槽12の下端部は、第二、第三水ラ
イン13、14と、さらに接続ライン4、5との共用ラ
イン4a、5aを介し中間及び最終攪拌装置部2、3の
下端部に、それぞれ接続されている。
【0046】第一及び/または第二水槽11、12に
は、槽内温度を所定温度に保持するための温度調節器
(ヒータを含む)や攪拌装置を備えることができる。
【0047】樹脂ライン7及び第一、第二、第三水ライ
ン10、13、14には送液ポンプ15、16、17、
18が備えられる。
【0048】送液ポンプ15〜18としてはギアポンプ
やスネークポンプのような定量性のあるものが使用され
るが、定量性のない渦巻ポンプを流量調節弁と組合せて
用いてもよい。
【0049】第二、第三水ライン13、14には温度制
御を目的として熱交換器19、20をそれぞれ備えるこ
とができる。
【0050】共用ライン7a、4a、5aには、予備的
混合を目的として補助的攪拌装置部、例えばスタティッ
クミキサー21、22、23をそれぞれ備えることがで
きる。
【0051】共用ライン7aには、スタティックミキサ
ー21と最始攪拌装置部1との間に、例えば溶融樹脂の
温度を所定温度に制御するための熱交換器24を備える
ことができる。
【0052】最終攪拌装置部3の上端には、連続的製造
の水性樹脂エマルションの回収ライン25が備えられ該
ライン25上には上記エマルションの温度を下げるため
の熱交換器26と、系内の圧力を一定に制御するための
圧力制御弁27とが備えられている。
【0053】熱交換器19、20、24、26の種類と
しては、二重管型、シェル&チューブ型、Uチューブ型
などの種々のものを利用できる。また、伝熱を促進する
ために攪拌装置を備えたジャケットタイプのものも使用
できる。
【0054】配管系その他各段の攪拌槽部等は系内温度
を所定温度に保持するために保温材で保温され、また電
気ヒータその他、蒸気や熱媒の配管トレースやジャケッ
ト二重管により適宜加熱できるような構成になってい
る。
【0056】上記構成の多段連続流通撹拌装置Aにおい
て、中間撹拌装置2は図1に示す1撹拌装置設置タイプ
に加え、図2に示すような多段、例えば2段設置のもの
を用いてもよい。
【0057】中間撹拌装置部2の設置段数は乳化剤存在
下での溶融樹脂と水との混和性を考慮し選択決定され、
通常1〜2装置で操作されるが、最大で4装置まで増加
できる。これ以上の増加は水性樹脂エマルションを得る
上では特に問題はないが、設備面での負担増を招き経済
性の面から好ましくない。
【0058】図2に示すように、中間撹拌装置部2を2
装置用いる場合には、第二水ライン13は各装置ごとに
従って2系統が備えられる。
【0059】また多段連続流通撹拌装置Aは図3に示す
ように、乳化剤存在下での溶融樹脂と水との混和性が良
い場合は、中間撹拌装置2がなく、接続ライン4を介し
て直接に最始撹拌装置1から最終撹拌装置3に接続され
た2段連続撹拌装置のものを用いても良い。
【0060】また多段連続流通撹拌装置Aは図4に示す
ように、例えば最始、中間(2装置)及び最終撹拌装置
部1、2、2、3を接続ライン4、4、5を介すること
なしに直接連接するようにしても良い。
【0061】図4に示す直接連接タイプのものでは、第
二水ライン13の2本及び第三水ライン14は、その対
応撹拌装置部2、2、3の下端部に対し直接接続され
る。
【0062】さらには上記多段連続流通撹拌装置Aは、
図5及び図6に示すような、破砕歯を環状に並べた破砕
歯列が円盤状の基盤部の上に同心円上に配列された構造
をなす固定子と、該固定子の隣接する破砕歯列間の環状
溝に嵌合する破砕歯を環状に並べた破砕歯列が前記固定
子上の破砕歯列の配列に対応して円盤状の基板部の上に
同心円上に配列されて回転駆動される回転子とを具備す
る撹拌装置50を通常の前記撹拌装置6に代えて用いる
ことができる。かかる撹拌装置50は少なくとも最始撹
拌装置部に用いる。
【0063】図1、図2、図3及び図4の例で示した攪
拌装置6は、モータ6aにより駆動される回転軸6b
と、該軸6b上に軸方向に多段的に取付けられた攪拌羽
根6cとから構成されており、乳化剤存在下で溶融樹脂
及び水を十分に混和するためには、ある程度の滞留時
間、すなわち1分〜120分、好ましくは3分〜40分
が必要であるが、図5及び図6に示すような破砕歯列状
撹拌装置を用いた場合には、相対回転する固定子及び回
転子の多数の破砕歯によって、溶融樹脂、乳化剤及び水
の溶融樹脂混合物に高せん断力が作用すると同時に高周
波的圧力変動が作用し、またこれらの高せん断力と高周
波的圧力変動が溶融樹脂混合物に作用し、非常に短い滞
留時間、すなわち0.05秒〜60秒、好ましくは0.
2秒〜20秒にて乳化剤存在下で溶融樹脂及び水を十分
に混和することが可能となる。
【0063】図5及び図6に示すような破砕歯列状撹拌
装置の装置は、図1、図2、図3及び図4に示すような
多段翼撹拌装置6に比較し、装置が小さくなることを考
慮しても経済的には高価であるが、滞留時間を非常に短
くできるため、スタートアップ及びシャットダウン時の
撹拌装置内の残存ロスが少ない。従って、破砕歯列状撹
拌装置を、上記多段連続流通撹拌装置の少なくとも最始
撹拌装置部1に用いるのが好ましい。
【0064】前記破砕歯列状撹拌装置50は、1例とし
て、図5及び図6に示すように、円筒状をなしたケース
本体51内に、略円盤状をなす固定子52と回転子53
とを円盤の中心軸を一致させて対向配置している。そし
て、前記固定子52は、破砕歯520を環状に並べた破
砕歯列521が円盤状の基板部の上に同心円状に3列に
配列された構成をなしている。また、前記固定子52の
中心部には、前記ケース本体51を貫通して混合樹脂供
給ライン7aに連通させられる供給口54が開設されて
いる。
【0065】一方、前記回転子53は、前記固定子52
の隣接する破砕歯列521間の環状溝に嵌合する破砕歯
530を環状に並べた破砕歯列531が前記固定子52
上の破砕歯列521に対応して円盤状の基板部の上に同
心円状に4列配置された構成をなしている。そして、こ
の回転子53の中心部には、図5に示したように、図略
示の回転駆動手段(例えば、モータ等)によって回転駆
動される軸が、前記ケース本体51を回転自在に貫通し
て連結されている。
【0066】また、図6に示すように、前記固定子52
及び回転子53において、隣接する破砕歯列521、5
31間の環状溝及び、各破砕歯列521、531におい
て円周方向に隣接する破砕歯520、530間の溝52
3、533は、いずれも溶融樹脂混合物の流路として機
能する。また、前記ケース本体51の外周部には、撹拌
混合後の溶融樹脂混合物を排出する液出口56が装備さ
れている。液出口56は、たとえば図1〜4において、
接続ライン4、5、または回収ライン25に接続され
る。
【0067】以下に図1タイプの製造装置を用いて本発
明製造方法を実施した場合につき説明すると次の通りで
ある。
【0068】本発明製造方法を実施するに際しては、溶
融樹脂は送液ポンプの負担を考慮し、溶融粘度が5Pa
・s以下となるような温度、例えば軟化点プラス20〜
100℃の温度を保持しつつ送液ポンプ15の作動をし
て、溶融樹脂槽8から樹脂ライン7を経て多段連続流通
攪拌装置Aの最始攪拌装置部1に向け、供給量を常時一
定に保持しつつ連続的に供給されて行く。
【0069】一方、乳化剤含有水が送液ポンプ16の作
動をして第一水槽11から第一水ライン10を経て樹脂
ライン7からの溶融樹脂に対し連続的に比例供給されて
行き、溶融樹脂と乳化剤含有水との混合物は最始攪拌装
置部1内に流入する前に、共用ライン7a上に設置のス
タティックミキサー21により予備混合され、さらに必
要に応じ熱交換器24により液温が下記攪拌装置内での
操作温度近くまで加熱又は冷却される。なお、乳化剤は
溶融樹脂槽8において、予め樹脂に混入しておいてもよ
い。樹脂に対し比例供給される乳化剤の添加量は、固形
分換算で溶融樹脂固形分100質量流量に対して2〜1
5質量流量、好ましくは2.5〜8質量流量の範囲から
適宜選択決定される。
【0070】ちなみに乳化剤が2質量流量に満たない場
合は分散乳化力が充分でなく、一方15質量流量を超え
ると発泡性、耐水性及び経済性の点で不利となるので、
いずれも好ましくない。
【0071】また溶融樹脂に対し比例供給される水の添
加量は、これがあまり多くなると、溶融樹脂の微細化に
支障を招く虞れがあるので最始攪拌装置部では固形分濃
度(溶融樹脂の固形分プラス乳化剤の固形分)が、60
〜95重量%となるような範囲内から適宜選択決定され
る。水は必要に応じ水溶性溶媒を含んでいてもよい。
【0072】溶融樹脂はこのように最始攪拌装置部1の
手前で乳化剤ならびに水の比例供給を受けながらその内
部に連続的に流入して行き、該攪拌装置部1内の通過中
に攪拌装置6の作動により攪拌混合される。
【0073】最始攪拌装置部1の攪拌装置の回転数は、
特に限定はされないが、通常400〜3600rpm、
好ましくは1000〜2500rpmの範囲で操作され
る。
【0074】ちなみに最始攪拌装置部1の攪拌装置の回
転数が400rpmに満たない場合は溶融樹脂混合物の
微細構造の形成に支障を招く虞れがあり、また3600
rpm以上の回転数では攪拌装置のモータ動力が大きく
なりすぎ経済的に不利である。
【0075】最始攪拌装置部1での操作温度は、溶融樹
脂の熱劣化や操作圧力を考慮し、通常は樹脂の軟化点付
近の温度、例えば軟化点マイナス30℃〜プラス30℃
程度の温度で操作される。また、最始攪拌装置部1内の
混合物の粘度はおよそ0.5Pa・aまたはそれ以上で
ある。
【0076】操作温度の調節は、溶融樹脂に対し比例供
給される乳化剤含有水の供給温度を選択し、さらにはま
た熱交換器24での加熱または冷却温度を選択すること
により、行うことができる。
【0077】さらに操作圧力は操作温度における水また
は水と水溶性溶媒との混合物の蒸気圧よりも高い圧力、
例えば上記蒸気圧よりも1〜3kg/cm2程度、高い
圧力に保持される。
【0078】最始攪拌装置部1内における平均滞留時間
は、これがあまり短いと攪拌混合が充分に行われず、転
相に必要な微細構造が充分に形成されない虞れがあり、
一方あまり長くなると生産性が低下するので、1〜12
0分、好ましくは3〜40分の範囲から選択される。こ
こで平均滞留時間とは、攪拌装置部1内を下端から上端
まで通過するに要する時間をいう。
【0079】溶融樹脂と乳化剤含有水との混合物は上述
のように最始攪拌装置部1の下端から上端への連続流通
の過程で攪拌装置6により連続的に攪拌混合されるの
で、混合物中の溶融樹脂は次第に微細化されて行き、該
攪拌装置部1の上端からは混合物が中間攪拌装置部2に
向け連続的に流出して行く。
【0080】この連続排出の混合物(固形分濃度約65
〜95重量%)に対しては、接続ライン4を通過中に、
送液ポンプ17の作動をして、水が第二水槽12から第
二水ライン13を通じて連続的に比例供給されて行き、
この水の比例供給により、混合物の固形分濃度は一段、
例えば最始の60〜95%重量%から例えば58〜80
%重量%まで低下する。ここで比例供給される水の量
は、固形分濃度の変動によりO/Wエマルションへ転相
が生ずるような量であってはならず、転相原因にならな
い範囲で行うことが必要である。
【0081】第二水ライン13から比例供給される水は
固形分換算で5重量%以下の乳化剤を含んでいてもよ
く、さらにまた水溶性溶媒を含んでいてもよい。また水
は混合物の温度の変動をさけるため、熱交換器19によ
り最始撹拌装置部1における操作温度マイナス10℃〜
プラス10℃に加温しつつ比例供給するのが好ましい。
【0082】最始撹拌装置部1からの混合物と第二水ラ
イン13からの水とは共用ライン4aの通過中に、該ラ
イン4a上に設置のスタティックミキサー22により予
備混合を受けながら、中間撹拌装置部2の下端からその
内部に連続的に流入して行き、該撹拌装置部2内を下端
から上端に向け連続的に流通する間に、先と同様に撹拌
装置6の作動により撹拌混合される。
【0083】中間撹拌装置部2における操作温度、操作
圧力及び操作時間(平均滞留時間)は最始撹拌装置部1
における操作条件と略々同じでよい。例えば操作温度は
最始撹拌装置部1での操作温度マイナス20℃〜プラス
20℃が適当である。
【0084】混合物と第二水ライン13からの水とは、
最始撹拌装置部1の場合と同様に、中間撹拌装置部2の
下端から上端への連続流通の過程で撹拌装置6により連
続的に撹拌混合されるので、該撹拌装置部2の上端から
は、混合物が固形分濃度を一段低下した状態で接続ライ
ン5から最終撹拌装置部3に向け連続的に流出して行
く。
【0085】この連続排出の混合物(固形分濃度約58
〜80重量%)に対しては、接続ライン5の通過中に、
送液ポンプ18の作動をして水が、第二水槽12から第
三水ライン14を通じ熱交換器20により中間攪拌装置
部2での操作温度マイナス40℃〜プラス10℃に加温
されながら連続的に比例供給されて行き、この水の比例
供給により混合物の固形分濃度は、30〜65重量%、
好ましくは40〜60重量%に低下する。ここで、比例
供給される水の量は、固形分濃度の変動により転相が行
われる量であることが必要である。
【0086】第三水ライン14から比例供給される水は
中間撹拌装置部2の場合と同様に固形分換算で5重量%
以下の乳化剤を含んでもよく、さらにまた水溶性溶媒を
含んでもよい。
【0087】中間攪拌装置部2の上端から連続排出され
る混合物は、共用ライン5aを通過中に、該ライン5a
上に備えたスタティックミキサー23により予備混合さ
れながら最終攪拌装置部3の下端からその内部に連続的
に流入して行き、該攪拌装置部3内を下端から上端に向
け連続的に流通する間に、先の攪拌装置部1及び2の場
合と同様に攪拌装置6の作動により攪拌混合される。
【0088】最終拌装置部3の攪拌装置の回転数は、特
に限定はされないが、通常は50〜2000rpmの範
囲で操作される。
【0089】ちなみに最終攪拌装置部3の攪拌装置の回
転数が50rpmに満たない場合はO/Wエマルション
への転相に支障を招く虞れがあり、また2000rpm
以上の回転数では攪拌装置のモータ動力が大きくなりす
ぎ経済的に不利であり、またエマルション粒子の剪断凝
集が生じる虞れがある。
【0090】最終攪拌装置部3における操作温度及び操
作圧力は最始及び中間攪拌槽部1、2における操作条件
と略々同じでよい。例えば操作温度は中間攪拌装置部2
での操作温度マイナス20℃〜プラス20℃程度が適当
である。
【0091】上記混合物は固形分濃度の変動により最終
攪拌装置部3内で攪拌混合を受ける間にO/Wエマルシ
ョンへ転相して行く。
【0092】最終攪拌装置部3内では平均滞留時間が1
0秒〜30分、好ましくは30秒〜15分となるように
操作され、このために例えば最終攪拌装置部3として
は、最始及び中間攪拌装置部1、2に比べ容量の小さい
ものが用いられる。
【0093】ちなみに平均滞留時間が10秒以下では転
相するに必要な時間が充分でなく転相不良を生ずる虞れ
があり、また30分以上では水性樹脂エマルション粒子
の合一が生じ安定性が低下するので、いずれも好ましく
ない。
【0094】最終攪拌装置部3内での転相により混合物
は水性樹脂エマルションとなり、該エマルションは、最
終攪拌装置部3の上端から回収ライン25を通じ連続的
に回収されて行く。この連続的回収の間、水性樹脂エマ
ルションを熱交換器26により、速やかに90℃以下、
好ましくは50℃以下に冷却することにより、エマルシ
ョン中の水の蒸気圧は大気圧以下となり、安定な状態で
水性樹脂エマルションを連続的に回収できる。
【0095】ちなみに、水性樹脂エマルションへの転相
を行う最終攪拌装置部2は図示の積極駆動タイプの攪拌
装置に代えスタティックミキサーを用いてもよい。
【0096】斯くして、本発明製造法によれば、多段連
続流通攪拌装置を用いて、水性樹脂エマルションを平均
滞留時間2分10秒〜270分、好ましくは6分30秒
〜95分程度で得られ、その性状は通常固形分濃度30
〜65重量%、好ましくは40〜60重量%であり、粘
度は通常0.01Pa・sから数Pa・s程度であり、
またエマルション粒子の体積平均径は0.1〜2μm程
度であり、水性樹脂エマルションとして優れた品質を有
している。
【0097】本発明製造方法は、図2タイプの多段連続
流通攪拌装置A1を用いて実施することができる。
【0098】この場合、上記撹拌装置部A1は、中間撹
拌装置部2を2装置備えているので、溶融樹脂混合物の
希釈段数を一段増やすことができ、それだけ希釈を小刻
みに行うことができ、特に樹脂として水との混和性のあ
まり良くないものを用いる場合に適している。
【0099】また、樹脂として水との混和性の良いもの
は、図3に示すような中間撹拌装置部2がなく直接最終
撹拌装置部3に接続ライン4を介して接続している2段
連続流通撹拌装置A2を用いて実施すこともできる。
【0100】この場合、2段連続流通撹拌装置A2は、
溶融樹脂混合物が最始撹拌装置部1において撹拌混合後
に直接最終撹拌装置部3に流通するが、樹脂として水と
の混和性が良い場合は、最始撹拌装置1内にて十分な撹
拌混合が行えるため、最終撹拌装置3内にてO/Wマル
ションへと転相させることに問題はない。
【0101】さらに本発明製造方法は、図4タイプの多
段連続流通攪拌装置A3を用いて実施することができ
る。
【0102】図4タイプの連続流通攪拌装置A3は直接
連接タイプであり、図1にみられる接続ライン4、5を
備えていないので、スタティックミキサー22による混
合物の予備混合を行うことはできないが、最始、中間及
び最終攪拌装置部1、2、3の栓流性の向上及び/また
は平均滞留時間を長くすることで補うことができ、本発
明を実施する上で、特に問題はない。
【0103】図4の直接連接タイプは全体的な構造がコ
ンパクトとなり、装置面の負担を軽減できる。
【0104】本発明は図1〜4に示すような下から上へ
の流れに限らず、下降流、横の流れでも実施できること
はいうまでもない。
【0105】さらに本発明製造方法は、図5及び図6に
示すような破砕歯列上撹拌装置50を、撹拌装置6の代
わりに使用することができる。破砕歯列上撹拌装置50
は少なくとも最始撹拌装置1に使用するのが好ましい。
【0106】通常、上記破砕歯列状撹拌装置50は高価
であるため、最始撹拌装置部1の代わりに用いることが
好ましいが、中間及び最終撹拌装置部2、3に用いても
よい。
【0107】図5及び図6に示すような破砕歯列状撹拌
装置50を用いた場合、相対回転する固定子及び回転子
の多数の破砕歯によって、溶融樹脂、乳化剤及び水の溶
融樹脂混合物には高せん断力が作用すると同時に高周波
的圧力変動が作用し、これらの高せん断力と高周波的圧
力変動が溶融樹脂混合物に作用し、非常に短い滞留時
間、すなわち0.05秒〜60秒、好ましくは0.2秒
〜20秒にて乳化剤存在下で溶融樹脂及び水を十分に混
和することが可能となる。該撹拌装置の回転数として
は、高せん断を得るために、3600〜15000rp
mにて運転される。
【0108】すなわち図5及び図6に示すような破砕歯
列状撹拌装置50を用いた場合は、滞留時間を非常に短
くできるため、スタートアップ及びシャットダウン時の
撹拌装置内の残存ロスが少なくなる。少なくとも最始撹
拌装置部1に用いるのが好ましい。
【0109】以下に本発明の実験例を掲げる。実験例は
図1、図3及び図5、6タイプの装置を用いて実施し
た。
【0110】実験例1(図1の装置を用いた場合) 溶融樹脂槽8に樹脂(フマル化不均化ロジンエステル、
軟化点122℃、酸価15)20kgを仕込み、外部よ
り電気ヒーターで加熱溶融し、170℃まで昇温し、1
70℃に保温貯蔵した。溶融樹脂の酸化熱劣化防止のた
め、窒素ガスにて気相部をシールした。乳化剤として、
ネオゲンR(第一工業製薬(株)製、有効成分:ドデシ
ルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、固形分58%)
0.362kg(固形分で0.21kg)及びネオハイ
テノールF−13(第一工業製薬(株)製、有効成分:
ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルスル
ホコハク酸ナトリウム、固形分25%)1.56kg
(固形分0.39kg)を混合均一化した水1.922
kgを、第一水槽11に常温で貯蔵準備した。また、水
道水21kgを第二水槽12に仕込み、外部より電気ヒ
ーターにて95℃まで加熱し、95℃に保温貯蔵した。
送液ポンプ15にて溶融樹脂を5kg/hの流量で、同
時に送液ポンプ16により上記乳化剤含有水を0.48
1kg/hの流量で供給し、スタティックミキサー21
で予備混合しつつ、かつ熱交換器24で135℃〜14
0℃まで冷却しつつ、最始攪拌装置部1に供給した。溶
融樹脂供給から約22分後にポンプ17を起動させ、熱
交換器19にて約140℃に温度制御された熱水を2.
4kg/hの流量で供給し、上記最始攪拌装置部1から
流出した溶融樹脂混合物と熱水との混合物をスタティッ
クミキサー22で予備混合しつつ、中間攪拌装置部2に
供給した。第1の熱水の供給開始から約15分後にさら
に、ポンプ18を起動させ、熱交換器20にて約140
℃に温度制御された熱水を2.4kg/hの流量で供給
し、中間撹拌装置部2から流出した溶融樹脂混合物と熱
水との混合物をスタティックミキサー23で予備混合し
つつ、最終撹拌装置部3に供給した。第2の熱水の供給
開始から約4分後、転相した水性樹脂エマルションがス
パイラル式の熱交換器26に達し、水性樹脂エマルショ
ンが約10.3kg/hの流量で得られた。この時、最
始攪拌装置部1の攪拌回転数は1500rpm、中間攪
拌装置部2の攪拌回転数は1500rpm、最終撹拌装
置部3の撹拌回転数は300rpmにて操作された。ま
た、系内の操作圧力は、6kg/cm2(ゲージ圧)に
て操作された。水性樹脂エマルション流出後約60分
で、エマルション性状は安定し、不揮発分50.2〜5
0.6%、粘度45〜80mPa・s(25℃にて)、
350メッシュ金網濾過残量(対固形分換算)0.1〜
0.3%、体積平均粒子径0.4〜0.5μmのものが
得られ、安定性は2ヶ月放置後もエマルション粒子の沈
降は生じなかった。
【0111】実験例2(図1において図3の装置を用い
た場合) 溶融樹脂槽8に樹脂(不均化ロジンエステル、軟化点1
00℃、酸価8)20kgを仕込み、外部より電気ヒー
ターで加熱溶融し、140℃まで昇温し、140℃に保
温貯蔵した。溶融樹脂の酸化熱劣化防止のため、窒素ガ
スにて気相部をシールした。乳化剤として、ネオゲンR
(第一工業製薬(株)製、有効成分:ドデシルベンゼン
スルフォン酸ナトリウム、固形分58%)0.362k
g(固形分で0.21kg)及びネオハイテノールF−
13(第一工業製薬(株)製、有効成分:ポリオキシエ
チレンジスチレン化フェニルエーテルスルホコハク酸ナ
トリウム、固形分25%)1.56kg(固形分0.3
9kg)を混合均一化した水1.922kgを、第一水
槽11に常温で貯蔵準備した。また、水道水21kgを
第二水槽12に仕込み、外部より電気ヒーターにて95
℃まで加熱し、95℃に保温貯蔵した。送液ポンプ15
にて溶融樹脂を5kg/hの流量で、同時に送液ポンプ
16により上記乳化剤含有水を0.481kg/hの流
量で供給し、スタティックミキサー21で予備混合し、
熱交換器24で100〜110℃まで冷却しつつ、最始
攪拌装置部1に供給した。溶融樹脂供給から約22分後
にポンプ18を起動させ、熱交換器20にて約100℃
に温度制御された熱水を4.8kg/hの流量で供給
し、上記最始攪拌装置部1から流出した溶融樹脂混合物
と熱水との混合物をスタティックミキサー23で予備混
合しつつ、最終攪拌装置部3に供給した。熱水の供給開
始から約4分後、転相した水性樹脂エマルションがスパ
イラル式の熱交換器26に達し、水性樹脂エマルション
が約10.3kg/hの流量で得られた。この時、最始
攪拌装置部1の攪拌回転数は1500rpm、最終攪拌
装置部2の攪拌回転数は300rpmにて操作された。
また、系内の操作圧力は、3kg/cm2(ゲージ圧)
にて操作された。水性樹脂エマルション流出後約40分
で、エマルション性状は安定し、不揮発分50.4〜5
0.8%、粘度40〜70mPa・s(25℃にて)、
350メッシュ金網濾過残量(対固形分換算)0.1〜
0.3%、体積平均粒子径0.3〜0.5μmのものが
得られ、安定性は2ヶ月放置後もエマルション粒子の沈
降は生じなかった。
【0112】実験例3(図3の装置の最始撹拌装置部1
に図5、6のものを用いた場合) 実験例2記載の方法において、最始撹拌装置部1の代わ
りとして、破砕歯列状撹拌装置50を用いて実験例2の
方法にて操作を行った。破砕歯列状撹拌装置50として
は、太平洋機工株式会社製のキャビトロンCD1010
(商品名)を使用した。破砕歯列状撹拌装置の滞留時間
が約10秒であることから、熱水の供給開始時間を、溶
融樹脂の供給開始時間と同時にし、熱水の供給開始から
約4分後、転相した水性樹脂エマルションがスパイラル
式の熱交換器26に達し、水性樹脂エマルションが約1
0.3kg/hの流量で得られた。この時、最始攪拌装
置部1の代わりとして用いた破砕歯列状撹拌装置50の
攪拌回転数は13000rpm、最終攪拌装置部3の攪
拌回転数は300rpmにて操作された。また、系内の
操作圧力は、3kg/cm2(ゲージ圧)にて操作され
た。水性樹脂エマルション流出後約15分で、エマルシ
ョン性状は安定し、不揮発分50.3〜50.8%、粘
度30〜60mPa・s(25℃にて)、350メッシ
ュ金網濾過残量(対固形分換算)0.1〜0.3%、体
積平均粒子径0.3〜0.5μmのものが得られ、安定
性は2ヶ月放置後もエマルション粒子の沈降は生じなか
った。
【0113】比較例1 実験例2に記載の方法において、最始攪拌装置部1の攪
拌を停止させ、実質上スタティックミキサー24による
予備混合と最終攪拌装置部のみにて操作した以外は実験
例2の方法にて操作を行った。流出する水性樹脂エマル
ションは樹脂が混入した不均一なものであり、350メ
ッシュ金網濾過残量(対固形分換算)5〜10%、濾過
後の水性樹脂エマルションの体積平均粒子径5〜10μ
m程度のものが得られ、安定性は1日放置後にエマルシ
ョン粒子の沈降を認めた。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、多段連続流通攪拌槽を
用いて水性樹脂エマルションを連続的に製造することが
できるものであって、比較的小さな攪拌装置を用いて、
品質の良い水性樹脂エマルションを連続的に高生産性の
もとに製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明製造方法の実施に適用される製造装置
の1例を示す概略説明図である。
【図2】 図1の変更例を示す概略説明図である。
【図3】 図1のさらに他の変更例を示す概略説明図で
ある。
【図4】 図1のさらに他の変更例を示す概略説明図で
ある。
【図5】 本発明製造方法の実施に適用される製造装置
の撹拌装置部の1例を示す概略構成図である。
【図6】 本発明製造方法の実施に適用される製造装置
の撹拌装置部の1例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
A 多段連続流通攪拌装置 1 最始攪拌装置部 2 中間攪拌装置部 3 最終撹拌装置部 4 接続ライン 5 接続ライン 6 攪拌装置 7 樹脂ライン 8 溶融樹脂槽 9 攪拌装置 10 第一水ライン 11 第一水槽 12 第二水槽 13 第二水ライン 14 第三水ライン 15 送液ポンプ 16 送液ポンプ 17 送液ポンプ 18 送液ポンプ 19 熱交換器 20 熱交換器 21 スタティックミキサー 22 スタティックミキサー 23 スタティックミキサー 24 熱交換器 25 回収ライン 26 熱交換器 27 圧力制御弁 50 破砕歯列状撹拌装置 51 ケース本体 52 固定子 53 回転子 54 液入口 56 液出口 520 破砕歯 521 破砕歯列 530 破砕歯 531 破砕歯列

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融樹脂及び水を、多段連続流通攪拌装
    置を構成している最始攪拌装置部から、1つもしくはそ
    れ以上の中間撹拌装置部を経て、または経ることなく最
    終攪拌装置部へと、順次連続的に流通させながら乳化剤
    の存在下で連続的に攪拌混合し、水性樹脂エマルション
    を連続的に製造する方法であって、水は各段の攪拌装置
    ごとに、溶融樹脂に対して連続的に比例供給し、該溶融
    樹脂に対する水の混合量を段階的に増加させて行くこと
    により、連続流通の溶融樹脂混合物をO/Wエマルショ
    ンへ連続的に転相させることを特徴とする水性樹脂エマ
    ルションの連続的製造方法。
  2. 【請求項2】 攪拌装置部の少なくとも最始撹拌装置部
    に、破砕歯を環状に並べた破砕歯列が円盤状の基盤部の
    上に同心円上に配列された構造をなす固定子と、該固定
    子の隣接する破砕歯列間の環状溝に嵌合する破砕歯を環
    状に並べた破砕歯列が前記固定子上の破砕歯列の配列に
    対応して円盤状の基板部の上に同心円上に配列されて回
    転駆動される回転子とを具備する撹拌装置を用いること
    を特徴とする請求項1記載の連続的製造方法。
  3. 【請求項3】 回転子を3600rpm以上の回転数で
    回転させ、撹拌装置に流通する溶融樹脂、水及び乳化剤
    の混合物の平均滞留時間を60秒以下とする請求項2記
    載の連続的製造方法。
  4. 【請求項4】 多段連続流通撹拌装置を構成している各
    段の撹拌装置部の入口部の手前にスタティックミキサー
    などのような補助的撹拌装置部を備え、該補助的撹拌装
    置部により、溶融樹脂、水及び乳化剤を含む混合物の予
    備混合を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の連続的製造方法。
  5. 【請求項5】 最始攪拌装置部の入口部又はその手前で
    溶融樹脂に対し乳化剤を固形分換算で、溶融樹脂固形分
    100質量流量に対して2〜15質量流量の割合で比例
    供給することを特徴とする請求項1〜4いずれか1つに
    記載の連続的製造方法。
  6. 【請求項6】 最始撹拌装置部以外の各段で溶融樹脂、
    乳化剤及び水との混合物に比例供給される水が、重量換
    算で5重量%以下の乳化剤を含有していることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の連続的製造方法。
  7. 【請求項7】 溶融樹脂に対し多段的に比例供給される
    水が水溶性溶剤を含んでいることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の連続的製造方法。
  8. 【請求項8】 各段の攪拌装置部内の操作圧力が、操作
    温度における水又は水と水溶性溶媒の混合物の蒸気圧よ
    りも高くなるように制御されることを特徴とする請求項
    1〜7記載のいずれかに記載の連続的製造方法。
  9. 【請求項9】 各段の攪拌装置部の操作温度が樹脂の軟
    化点マイマス30℃〜プラス30℃であることを特徴と
    する請求項1〜8のいずれかに記載の連続的製造方法。
  10. 【請求項10】 乳化剤として、2種類以上のアニオン
    系乳化剤を併用、1種類以上のアニオン系乳化剤と1種
    類以上のポリマー系乳化剤を併用、または1種以上のポ
    リマー系乳化剤を使用する請求項1〜9のいずれか1つ
    に記載の連続的製造方法。
  11. 【請求項11】 樹脂として、ロジン及びその誘導体、
    石油樹脂及びその誘導体、テルペン樹脂及びその誘導
    体、ならびにフェノール樹脂及びその誘導体から選ばれ
    るいずれか少なくとも1種を使用する請求項1〜10記
    載のいずれか1つに記載の連続的製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の製造方法を実施するた
    めの装置であって、溶融樹脂、乳化剤及び水を始端から
    終端に向け連続的に流通させながら攪拌混合するための
    多段連続流通撹拌装置を具備し、該攪拌装置は、 イ 上記3成分を一端から他端に向け連続的に流通させ
    ながら攪拌混合する最始攪拌装置部、及び ロ 上記最始攪拌装置部の終端から連続的に流入する溶
    融樹脂含有混合物に対し、水を連続的に流通させながら
    撹拌混合する最終撹拌装置部を備え、さらに、 ハ 最始攪拌装置部と最終撹拌装置部の中間に、上記最
    始撹拌装置部から連続的に流入する3成分混合物に対
    し、必要に応じ乳化剤及び/又は水を連続的に比例供給
    しつつ一端から他端に向け連続的に流通させながら撹拌
    混合する少なくとも1つの中間撹拌装置部を備えていて
    もよい、ことを特徴とする水性樹脂エマルションの連続
    的製造装置。
  13. 【請求項13】 撹拌装置として、破砕歯を環状に並べ
    た破砕歯列が円盤状の基盤部の上に同心円上に配列され
    た構造をなす固定子と、該固定子の隣接する破砕歯列間
    の環状溝に嵌合する破砕歯を環状に並べた破砕歯列が前
    記固定子上の破砕歯列の配列に対応して円盤状の基板部
    の上に同心円上に配列されて回転駆動される回転子とを
    具備する撹拌装置を用いることを特徴とする請求項12
    記載の水性樹脂エマルションの連続的製造装置。
  14. 【請求項14】 多段連続流通撹拌装置を構成している
    各段の撹拌装置部が接続ラインを介し接続されているこ
    とを特徴とする請求項12または13記載の水性樹脂エ
    マルションの連続的製造装置。
  15. 【請求項15】 多段連続流通撹拌装置を構成している
    各段の撹拌装置部が接続ラインを介することなしに、直
    接連接されていることを特徴とする請求項12または1
    3記載の水性樹脂エマルションの連続的製造装置。
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