JP2010119938A - 混合装置、混合方法、転相乳化方法、及び、樹脂粒子分散物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内管の先端近傍に複数の貫通孔を有しない場合に比べて、詰まりを生じることなく混合できる混合装置を提供すること、特に樹脂の有機溶剤溶液に樹脂の貧溶媒を安定して混合できる混合装置を提供すること。
【解決手段】外管と、前記外管の内側に配置された少なくとも1つの内管とを有し、前記内管の長手方向先端は前記外管の長手方向の途中に位置し、前記内管はその先端近傍に複数の貫通孔を有する、ことを特徴とする混合装置。
【選択図】図1
【解決手段】外管と、前記外管の内側に配置された少なくとも1つの内管とを有し、前記内管の長手方向先端は前記外管の長手方向の途中に位置し、前記内管はその先端近傍に複数の貫通孔を有する、ことを特徴とする混合装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、混合装置、混合方法、転相乳化方法、及び、樹脂粒子分散物の製造方法に関する。
微小粒子の製造方法及びその製造方法に使用するマイクロ化学装置について、いくつかの特許文献が公開されている。その代表的なものは、以下の特許文献1及び2である。
特許文献1は、微小粒子製造装置1を開示しており、この微小粒子製造装置1は、同心状に配置された、外管及び内管の2本の管を含んでいる。内管の先端部は外管の先端部から比較的長い距離だけ離隔している。内管内にはその先端部に向けて流体IIが流れており、外管内にはその先端部に向けて流体Iが連続相として流れている。コントローラからの命令により各ポンプを制御して、外管及び内管内での流体I及び流体IIの流速を適切な値とすることにより、内管の先端部から排出される流体IIを、外管内において流体Iに包囲されたほぼ球形で所望の直径を有する液滴3とすることができる。特許文献1の図1に示される微小粒子製造装置において、内管の先端は円形状に開口している。
特許文献2は、密度の異なる複数種類の流体を、それぞれの流体供給路を通して1の流路に合流させて、相互に連続的な界面を形成して反応操作又は単位操作を行う化学装置の流体操作方法において、前記流路内における流体の流通方向を、前記流体が受ける加速度の方向と略平行にしたことを特徴とする化学装置の流体操作方法を開示する。特許文献2の図1及び図2に示される円筒状層流型マイクロ化学装置は同心状に配置された外管と内管を有し、内管は外管の長手方向よりも短く、その先端は円形状に開口している。
微粒子分散物を非連続的に製造する方法は多岐にわたるが、その1つとして、転相乳化法が知られている。
転相乳化法では目的とする連続相と分散相の組み合わせが反対であるエマルション(例えばW/O型分散液)をまず調製する。ついで、分散相の容量を増加させるなどの操作により臨界点に達した時に転相させて目的の型のエマルション(例えばO/W型分散液)を調製する。この系では分散相が剪断、混合により合一と微細化が同時に起こっているため、系の均一性が重要である。
特許文献3は、疎水性溶媒中に結着樹脂等を溶解させた樹脂溶液に水溶性溶液を添加して転相を生じさせて乳化する非連続的な転相乳化工程を開示している。
転相乳化法では目的とする連続相と分散相の組み合わせが反対であるエマルション(例えばW/O型分散液)をまず調製する。ついで、分散相の容量を増加させるなどの操作により臨界点に達した時に転相させて目的の型のエマルション(例えばO/W型分散液)を調製する。この系では分散相が剪断、混合により合一と微細化が同時に起こっているため、系の均一性が重要である。
特許文献3は、疎水性溶媒中に結着樹脂等を溶解させた樹脂溶液に水溶性溶液を添加して転相を生じさせて乳化する非連続的な転相乳化工程を開示している。
本発明の課題は、内管の先端近傍に複数の貫通孔を有しない場合に比べて、詰まりを生じることなく混合できる混合装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題が、以下の手段(1)により解決されることを見いだした。好ましい実施形態である(2)〜(6)及び関連手段(7)〜(9)と共に列記する。
(1)外管と、前記外管の内側に配置された少なくとも1つの内管とを有し、前記内管の長手方向先端は前記外管の長手方向の途中に位置し、前記内管はその先端近傍に複数の貫通孔を有する、ことを特徴とする混合装置、
(2)前記複数の貫通孔の垂直方向が前記内管の長手方向とα(0<α≦90°)の角度を有するように設けられた(1)に記載の混合装置、
(3)前記外管及び/又は内管の温度を制御する温度制御手段を有する(1)又は(2)に記載の混合装置、
(4)前記内管を回転させる回転手段を有する(1)〜(3)のいずれか1つに記載の混合装置、
(5)(1)〜(4)いずれか1つに記載の混合装置が多段に接続され、第1段の混合装置の外管排出口が第2段の混合装置の外管供給口に接続され、第1段の混合装置の内管及び第2段の混合装置の内管に流体を送液する送液装置を備えた混合装置、
(6)第1段の混合装置の外管排出口と第2段の混合装置の外管供給口との間に混合ミキサーを備えた(5)に記載の混合装置、
(7)(1)〜(6)いずれか1つに記載の混合装置を準備する工程、及び、第1段の混合装置の外管と内管の間に位置する外周流路に樹脂の有機溶剤溶液を送液し、内管流路に水溶性溶液を送液して、合流流路においてW/O型分散液を得る工程、を含むことを特徴とする混合方法、
(8)(5)又は(6)に記載の混合装置を準備する工程、第1段の混合装置の外管と内管の間に位置する外周流路に樹脂の有機溶剤溶液を送液し、内管流路に水溶性溶液を送液して、合流流路においてW/O型分散液を得る工程、及び、第2段以降の混合装置の外周流路に前段の混合装置の合流流路から排出される前記W/O型分散液を送液し、内管流路に水溶性溶液を送液する工程、第2段以降の混合装置の合流流路において、W/O型分散液を転相してO/W型分散液を得る転相工程を含むことを特徴とする、転相乳化方法、
(9)(8)に記載の転相乳化方法における転相工程により得られたO/W型分散液から有機溶媒を水溶性溶液に抽出する工程、及び、最終段の混合装置の合流流路から樹脂粒子の水性分散物を得る工程を含むことを特徴とする、樹脂粒子分散物の製造方法。
(1)外管と、前記外管の内側に配置された少なくとも1つの内管とを有し、前記内管の長手方向先端は前記外管の長手方向の途中に位置し、前記内管はその先端近傍に複数の貫通孔を有する、ことを特徴とする混合装置、
(2)前記複数の貫通孔の垂直方向が前記内管の長手方向とα(0<α≦90°)の角度を有するように設けられた(1)に記載の混合装置、
(3)前記外管及び/又は内管の温度を制御する温度制御手段を有する(1)又は(2)に記載の混合装置、
(4)前記内管を回転させる回転手段を有する(1)〜(3)のいずれか1つに記載の混合装置、
(5)(1)〜(4)いずれか1つに記載の混合装置が多段に接続され、第1段の混合装置の外管排出口が第2段の混合装置の外管供給口に接続され、第1段の混合装置の内管及び第2段の混合装置の内管に流体を送液する送液装置を備えた混合装置、
(6)第1段の混合装置の外管排出口と第2段の混合装置の外管供給口との間に混合ミキサーを備えた(5)に記載の混合装置、
(7)(1)〜(6)いずれか1つに記載の混合装置を準備する工程、及び、第1段の混合装置の外管と内管の間に位置する外周流路に樹脂の有機溶剤溶液を送液し、内管流路に水溶性溶液を送液して、合流流路においてW/O型分散液を得る工程、を含むことを特徴とする混合方法、
(8)(5)又は(6)に記載の混合装置を準備する工程、第1段の混合装置の外管と内管の間に位置する外周流路に樹脂の有機溶剤溶液を送液し、内管流路に水溶性溶液を送液して、合流流路においてW/O型分散液を得る工程、及び、第2段以降の混合装置の外周流路に前段の混合装置の合流流路から排出される前記W/O型分散液を送液し、内管流路に水溶性溶液を送液する工程、第2段以降の混合装置の合流流路において、W/O型分散液を転相してO/W型分散液を得る転相工程を含むことを特徴とする、転相乳化方法、
(9)(8)に記載の転相乳化方法における転相工程により得られたO/W型分散液から有機溶媒を水溶性溶液に抽出する工程、及び、最終段の混合装置の合流流路から樹脂粒子の水性分散物を得る工程を含むことを特徴とする、樹脂粒子分散物の製造方法。
上記(1)記載の発明によれば、内管の先端近傍に複数の貫通孔を有しない場合に比べて、詰まりを生じることなく混合することができる混合装置を提供することができた。
上記(2)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、高粘性液体と低粘性液体とをより連続的に混合することができる混合装置を提供することができた。
上記(3)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、一層安定に、高粘性液体と低粘性液体とを混合することができる混合装置を提供することができた。
上記(4)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より確実に、高粘性液体と低粘性液体とを混合することができる混合装置を提供することができた。
上記(5)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より大きな混合比率で、高粘性液体と低粘性液体とを混合することができる混合装置を提供することができた。
上記(6)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より微細な分散状態で、高粘性液体と低粘性液体とを混合することができる混合装置を提供することができた。
上記(7)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、高粘性液体中に低粘性液体を連続的に混合することができる混合方法を提供することができた。
上記(8)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、連続的にW/O型分散液を逆の相分配を有するO/W型分散液に変換することができる転相乳化方法を提供することができた。
上記(9)記載の発明によれば、容器中で混合する場合よりも、粒子サイズ分布の標準偏差が小さい樹脂粒子分散物の製造方法を提供することができた。
上記(2)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、高粘性液体と低粘性液体とをより連続的に混合することができる混合装置を提供することができた。
上記(3)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、一層安定に、高粘性液体と低粘性液体とを混合することができる混合装置を提供することができた。
上記(4)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より確実に、高粘性液体と低粘性液体とを混合することができる混合装置を提供することができた。
上記(5)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より大きな混合比率で、高粘性液体と低粘性液体とを混合することができる混合装置を提供することができた。
上記(6)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より微細な分散状態で、高粘性液体と低粘性液体とを混合することができる混合装置を提供することができた。
上記(7)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、高粘性液体中に低粘性液体を連続的に混合することができる混合方法を提供することができた。
上記(8)記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、連続的にW/O型分散液を逆の相分配を有するO/W型分散液に変換することができる転相乳化方法を提供することができた。
上記(9)記載の発明によれば、容器中で混合する場合よりも、粒子サイズ分布の標準偏差が小さい樹脂粒子分散物の製造方法を提供することができた。
以下に本発明の実施形態を説明する。
本発明の混合装置は、外管と、前記外管の内側に配置された少なくとも1つの内管とを有し、前記内管の長手方向先端は前記外管の長手方向の途中に位置し、前記内管はその先端近傍に複数の貫通孔を有する、ことを特徴とする。
本発明の混合装置は、外管と、前記外管の内側に配置された少なくとも1つの内管とを有し、前記内管の長手方向先端は前記外管の長手方向の途中に位置し、前記内管はその先端近傍に複数の貫通孔を有する、ことを特徴とする。
以下、図面を参照しながら、本発明の混合装置を説明する。
図1は、本実施形態に係る混合装置の一例の内部を示す断面図である。図1(B)は図1(A)のA’−A’線断面図である。
本発明の混合装置10は、全体として円筒状に形成され、1つの外管12と、前記外管12の内側に配置された少なくとも1つの内管16とを有する。
外管と内管の断面形状は任意であるが、円形、四角形又は多角形が好ましく、内管と外管が相似形状であることがより好ましく、共に円形であることが特に好ましい。以下、外管又は内管の内径とは、等価直径(equivalent diameter)を意味する。
図1は、本実施形態に係る混合装置の一例の内部を示す断面図である。図1(B)は図1(A)のA’−A’線断面図である。
本発明の混合装置10は、全体として円筒状に形成され、1つの外管12と、前記外管12の内側に配置された少なくとも1つの内管16とを有する。
外管と内管の断面形状は任意であるが、円形、四角形又は多角形が好ましく、内管と外管が相似形状であることがより好ましく、共に円形であることが特に好ましい。以下、外管又は内管の内径とは、等価直径(equivalent diameter)を意味する。
等価直径(equivalent diameter)は相当(直)径、とも呼ばれ、機械工学の分野で用いられる用語である。任意断面形状の配管(本発明では流路)に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の直径を等価直径という。等価直径(deq)は、A:配管の断面積、p:配管のぬれぶち長さ(周長)を用いて、deq=4A/pと定義される。円管に適用した場合、この等価直径は円管直径に一致する。等価直径は等価円管のデータを基に、その配管の流動あるいは熱伝達特性を推定するのに用いられ、現象の空間的スケール(代表的長さ)を表す。等価直径は、一辺aの正四角形管ではdeq=aとなる。
外管12の内側の等価直径(内径)は、内管16の外側の等価直径(外形)よりも大きい。外管12の内径は、適宜選択できるが、0.1〜10mmであることが好ましく、0.5〜5mmであることがより好ましい。この外管12の内部には、少なくとも1つの内管16を配置する。1つの外管12に対して、配置する内管16の数は1〜10本とすることができるが、1本であることも好ましい。外管12と内管16とが、それぞれ1本の場合には、両管を同心軸状に配置することが好ましい。
内管16の外径は、外管12の内径より小さい任意の寸法を選択できるが、外管12の内径の約1/10〜約2/3であることが好ましく、1/5〜1/2であることがより好ましい。
内管16の外径は、外管12の内径より小さい任意の寸法を選択できるが、外管12の内径の約1/10〜約2/3であることが好ましく、1/5〜1/2であることがより好ましい。
内管16は内管流路を構成することができ、内管供給口17と、液体排出口である複数の貫通孔20をその長手方向の先端近傍に有する。先端近傍とは、内管先端18と、内管先端から内管の等価直径の3倍離れた場所との間の領域をいう。デッドスペースを少なくするために、貫通孔の一部が、先端と、先端から内管の等価直径の2倍の距離だけ離れた場所との間の領域にあることが好ましい。貫通孔20の数も適宜選択できるが、2〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。貫通孔20の開口形状も任意であるが、加工の容易さから円形が好ましい。貫通孔20の開口部の大きさも、適宜選択できる。必要個数の貫通孔を内管の先端近傍に加工するためには、貫通孔の等価直径は、内管の等価直径の0.1〜0.8倍であることが好ましく、0.3〜0.6倍であることがより好ましい。
貫通孔20の開口面の垂直方向は、内管の長手方向に対して、種々の方向に設けることができる。なお、内管16の長手方向は、内管16が直線状である場合には軸方向に相当する。貫通孔20は、内管先端18を封止した円形状又は楕円状の端部平板内に設けることもできる。貫通孔20は、図2(d)に示すように内管先端18を封止して、内管先端18の近傍に、内管軸方向に垂直に内管16自体に設けることが好ましい。貫通孔は、多段に設けることができ、例えば、3個ずつの貫通孔を120°の間隔で上下段交互に配列して合計6個設けることができる。
なお、内管16は外管12の内部に支持枠21を介して固定されている。
貫通孔20の開口面の垂直方向は、内管の長手方向に対して、種々の方向に設けることができる。なお、内管16の長手方向は、内管16が直線状である場合には軸方向に相当する。貫通孔20は、内管先端18を封止した円形状又は楕円状の端部平板内に設けることもできる。貫通孔20は、図2(d)に示すように内管先端18を封止して、内管先端18の近傍に、内管軸方向に垂直に内管16自体に設けることが好ましい。貫通孔は、多段に設けることができ、例えば、3個ずつの貫通孔を120°の間隔で上下段交互に配列して合計6個設けることができる。
なお、内管16は外管12の内部に支持枠21を介して固定されている。
前記内管16の内管先端18は前記外管12の長手方向の途中に位置する。内管16と外管12の相対的な長さは、任意に選択できるが、内管先端18が、外管の長さL1の途中に位置し、外管先端14とは比較的長い距離だけ離れていることが好ましい。内管の長さL2は、外管の長さL1の1/2以下であることが好ましく、1/20〜1/4であることがより好ましい。本実施形態において、1つの外管12内に複数の内管16がある場合には、すべての内管16の長手方向先端は、いずれも、前記外管12の長手方向の途中に位置する。複数の内管16がある場合に、その長さL2は前記外管12の長手方向に同じである必要はなく、むしろ外管の長手方向に相互に少しずつ異なっていて、貫通孔20の位置が内管ごとに相互に異なる距離にある方が好ましい。
内管16の内管供給口17は、送液装置に接続可能である。
また、外管12と内管16との間には外周流路19が構成される空隙を有する。外周流路19の供給口、すなわち、外管供給口13は、送液装置に接続可能である。外周流路19は内管16の先端近傍に設けられた貫通孔20と合流して、合流流路25を構成して、1つの外管排出口14に至る。
一つの実施形態として、図3に示すように、多段に直列に接続した混合装置において、前段混合装置の外管排出口を、後続する混合装置の外管供給口に接続することが好ましく、また、前段と後段の途中に混合ミキサーを設けることが好ましい。
外管及び内管の材質は特に問わず、金属、合成樹脂、ガラスなどを例示できるが、ガラス管、石英ガラス管等が、多くの液体と反応せず、また、外部から内部を観察可能であるために好ましい。
また、外管12と内管16との間には外周流路19が構成される空隙を有する。外周流路19の供給口、すなわち、外管供給口13は、送液装置に接続可能である。外周流路19は内管16の先端近傍に設けられた貫通孔20と合流して、合流流路25を構成して、1つの外管排出口14に至る。
一つの実施形態として、図3に示すように、多段に直列に接続した混合装置において、前段混合装置の外管排出口を、後続する混合装置の外管供給口に接続することが好ましく、また、前段と後段の途中に混合ミキサーを設けることが好ましい。
外管及び内管の材質は特に問わず、金属、合成樹脂、ガラスなどを例示できるが、ガラス管、石英ガラス管等が、多くの液体と反応せず、また、外部から内部を観察可能であるために好ましい。
既に説明したように、内管はその先端近傍に複数の貫通孔を有する。
図2は、本実施形態に係る混合装置において貫通孔の具体例を示す概念的な拡大図である。
図2に以下の(1)〜(4)具体例に対応する拡大図を、それぞれ、(a)〜(d)として示した。
具体例として、(1)内管の長手方向先端を斜めに封止した楕円状の端部平板内に複数の貫通孔をこの平板に垂直に設けた場合(図2(a))、(2)内管の長手方向先端を円錐状に封止した円錐内にこの円錐面に垂直に複数の貫通孔を設けた場合(図2(b))、(3)内管の長手方向先端を半球状に封止した半球内にこの半球面に垂直に複数の貫通孔を設けた場合(図2(c))、(4)既に述べたように、内管の長手方向先端を円板状に封止し、先端近傍の内管にその軸方向に垂直に複数の貫通孔を設けた場合(図2(d))、を例示することができる。図2(d)の形態が、工作の容易性から好ましい。
複数の貫通孔は、その垂直方向が内管の軸方向(流れ方向)となす角度をαとした場合、αは 0<α≦90° の関係式を満たすように設けることが好ましい。
図2に例示した複数の貫通孔において、図2(d)においては、α=90°の関係にある。
図2は、本実施形態に係る混合装置において貫通孔の具体例を示す概念的な拡大図である。
図2に以下の(1)〜(4)具体例に対応する拡大図を、それぞれ、(a)〜(d)として示した。
具体例として、(1)内管の長手方向先端を斜めに封止した楕円状の端部平板内に複数の貫通孔をこの平板に垂直に設けた場合(図2(a))、(2)内管の長手方向先端を円錐状に封止した円錐内にこの円錐面に垂直に複数の貫通孔を設けた場合(図2(b))、(3)内管の長手方向先端を半球状に封止した半球内にこの半球面に垂直に複数の貫通孔を設けた場合(図2(c))、(4)既に述べたように、内管の長手方向先端を円板状に封止し、先端近傍の内管にその軸方向に垂直に複数の貫通孔を設けた場合(図2(d))、を例示することができる。図2(d)の形態が、工作の容易性から好ましい。
複数の貫通孔は、その垂直方向が内管の軸方向(流れ方向)となす角度をαとした場合、αは 0<α≦90° の関係式を満たすように設けることが好ましい。
図2に例示した複数の貫通孔において、図2(d)においては、α=90°の関係にある。
本実施形態の混合装置において、前記外管及び/又は内管の温度を制御する温度制御手段を有する混合装置が好ましい。温度制御の手段として、混合装置全体を温度調節した(温)水浴に浸けることが例示できる。制御温度は任意に選択でき、0〜95℃の温度範囲内の所望の温度に設定することができる。多段の混合装置とする場合には、各段の混合装置の制御温度が異なるように設定することができる。
本実施形態において、前記内管を回転させる回転手段を有する混合装置としてもよい。この場合外管を固定して、内管を一定方向に回転してもよく、また内管を周期的に時計方向及び反時計方向に回転してもよい。
別の実施形態として、前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載した混合装置を2以上直列に接続して前記(5)又は(6)に記載した多段の混合装置とすることができる。
この場合前記(1)〜(4)いずれか1つに記載の混合装置を直列に多段に接続し、第1段の混合装置の外管排出口が第2段の混合装置の外管供給口に接続され、第1段の混合装置の内管流路及び第2段の混合装置の内管流路に流体、好ましくは共通の液体、を送液する送液装置を備えた混合装置が例示できる。
この場合前記(1)〜(4)いずれか1つに記載の混合装置を直列に多段に接続し、第1段の混合装置の外管排出口が第2段の混合装置の外管供給口に接続され、第1段の混合装置の内管流路及び第2段の混合装置の内管流路に流体、好ましくは共通の液体、を送液する送液装置を備えた混合装置が例示できる。
図3に、前記(5)に記載した混合装置の一例として、3段の混合装置の模式的な概念図を示す。この3段の混合装置は、3つの混合装置M1、M2及びM3を直列に接続したものである。前記(6)に記載したように、M1及びM2の間とM2とM3の間にはそれぞれ混合ミキサーを挿入することが好ましい。M1、M2及びM3は、いずれも外管12、22、32及び内管16、26、36を各1つずつ組み合わせて構成され、内管16、26、36の先端近傍には複数の貫通孔20を有する。
なお、多段混合装置の段数に特に制限はないが、3段以上の混合装置が好ましく、3〜5段の混合装置とすることがより好ましい。
なお、多段混合装置の段数に特に制限はないが、3段以上の混合装置が好ましく、3〜5段の混合装置とすることがより好ましい。
後に詳しく述べるように、本実施形態の混合装置の外管供給口に樹脂好ましくは合成樹脂の有機溶媒溶液を供給して、内管にこの有機溶媒溶液とわずかに相溶性を有する水又は水溶性溶液を送液して、両液を不均一に混合するために使用することができる。「水溶性溶液」とは、水と水混和性有機溶媒との混合物を意味するものとする。
本実施形態の多段混合装置において、図3に示したように、第1段混合装置の外管排出口14と第2段の混合装置の外管供給口23の間に混合ミキサー38を備えることが好ましい。また、第2段の混合装置の外管排出口24と第3段の混合装置の外管供給口33の間に混合ミキサー39を備えることも好ましい。第3段以降の混合装置がある場合も同様である。
混合ミキサーとしては、適宜選択できるが、静止型の管内混合器が好ましく、東レエンジニアリング(株)から市販されている、マイクロハイミキサー(登録商標)が例示できる。このマイクロハイミキサーモジュールには、5エレメントと10エレメントのものがあり、いずれも使用可能である。
混合ミキサーを使用することにより、W/O型分散液又はO/W型分散液の分散相の小粒径化と均一化を加速することができる。
混合ミキサーとしては、適宜選択できるが、静止型の管内混合器が好ましく、東レエンジニアリング(株)から市販されている、マイクロハイミキサー(登録商標)が例示できる。このマイクロハイミキサーモジュールには、5エレメントと10エレメントのものがあり、いずれも使用可能である。
混合ミキサーを使用することにより、W/O型分散液又はO/W型分散液の分散相の小粒径化と均一化を加速することができる。
上記(1)〜(6)いずれか1つに記載の混合装置は、W/O型分散液を得る混合方法に使用できる。本実施形態の混合方法は、上記(1)〜(6)いずれか1つに記載の混合装置を準備する工程、及び、第1段の混合装置の外管と内管の間に位置する外周流路に樹脂の有機溶剤溶液を送液し、内管流路に水又は水溶性溶液を送液して、合流流路においてW/O型分散液を得る工程を含むことを特徴とする。
ここで、W/O型分散液とは、水及び/又は水溶性成分からなる液滴が、親油性成分からなる連続相中に分散された分散液をいう。なお、O/W型分散液とは、親油性成分からなる液滴が、水及び/又は水溶性(水混和性)成分からなる連続相中に分散された分散液をいう。
親油性成分としては、樹脂、好ましくは合成樹脂、より好ましくは疎水性の合成樹脂の有機溶媒溶液が例示できる。ここで、有機溶媒としては疎水性の有機溶媒、又は疎水性の有機溶媒と水混和性溶媒との混合物が含まれる。水はイオン交換水が好ましく、水溶性成分としては水と水混和性の有機溶媒との混合物が例示できる。
合成樹脂及び疎水性の有機溶媒について、以下に説明する。
ここで、W/O型分散液とは、水及び/又は水溶性成分からなる液滴が、親油性成分からなる連続相中に分散された分散液をいう。なお、O/W型分散液とは、親油性成分からなる液滴が、水及び/又は水溶性(水混和性)成分からなる連続相中に分散された分散液をいう。
親油性成分としては、樹脂、好ましくは合成樹脂、より好ましくは疎水性の合成樹脂の有機溶媒溶液が例示できる。ここで、有機溶媒としては疎水性の有機溶媒、又は疎水性の有機溶媒と水混和性溶媒との混合物が含まれる。水はイオン交換水が好ましく、水溶性成分としては水と水混和性の有機溶媒との混合物が例示できる。
合成樹脂及び疎水性の有機溶媒について、以下に説明する。
(樹脂)
本実施形態において使用できる樹脂としては合成樹脂が好ましく、疎水性の合成樹脂がより好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィン(共)重合体、ポリスチレン、α−ポリメチルスチレン等の芳香族エチレン性不飽和化合物重合体、ポリメチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル重合体、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの共重合樹脂が挙げられる。合成樹脂として、芳香族エチレン性不飽和化合物重合体、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン共重合樹脂、及び、ポリエステル樹脂が好ましい。これらの樹脂は、必要に応じて単独重合体を用いてもこれらを2種類以上を併用してもよく、また、ランダム共重合体やブロック共重合体を単独で使用しても、又は2種以上を併用してもよい。これらの合成樹脂は、帯電安定性や現像耐久性の観点から、静電荷像現像用トナーの結着樹脂として有用である。
本実施形態において使用できる樹脂としては合成樹脂が好ましく、疎水性の合成樹脂がより好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィン(共)重合体、ポリスチレン、α−ポリメチルスチレン等の芳香族エチレン性不飽和化合物重合体、ポリメチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル重合体、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの共重合樹脂が挙げられる。合成樹脂として、芳香族エチレン性不飽和化合物重合体、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン共重合樹脂、及び、ポリエステル樹脂が好ましい。これらの樹脂は、必要に応じて単独重合体を用いてもこれらを2種類以上を併用してもよく、また、ランダム共重合体やブロック共重合体を単独で使用しても、又は2種以上を併用してもよい。これらの合成樹脂は、帯電安定性や現像耐久性の観点から、静電荷像現像用トナーの結着樹脂として有用である。
(疎水性有機溶媒)
有機溶媒は、上記の合成樹脂、好ましくは疎水性合成樹脂を溶解する疎水性有機溶媒である。疎水性有機溶媒に、水と混和性を有する水性有機溶媒を併用することができる。
疎水性有機溶媒としては、蟻酸エステル類、酢酸エステル類、酪酸エステル類、ケトン類、エーテル類、ベンゼン類、ハロゲン化炭素類が含まれる。具体的には、蟻酸、酢酸、酪酸等の低級アルコールとのエステル類、アセトン、MEK(メチルエチルケトン)、MPK(メチルプロピルケトン)、MIPK(メチルイソプロピルケトン)、MBK(メチルブチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)等のメチル低級アルキルケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族溶媒、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン等のハロゲン化炭素類などを単独であるいは2種以上組合せて用いることが可能である。入手し易さや留去時の回収容易性、環境への配慮の点から、ハロゲン原子を含まず、わずかに水とも相溶する性質を有する、低沸点の酢酸エステル類(酢酸エチル)やメチル低級アルキルケトン類(メチルエチルケトン)が好ましく用いられる。これらの疎水性有機溶媒に、イソプロピルアルコールなどの水溶性有機溶媒を少量併用することが好ましい。
有機溶媒は、上記の合成樹脂、好ましくは疎水性合成樹脂を溶解する疎水性有機溶媒である。疎水性有機溶媒に、水と混和性を有する水性有機溶媒を併用することができる。
疎水性有機溶媒としては、蟻酸エステル類、酢酸エステル類、酪酸エステル類、ケトン類、エーテル類、ベンゼン類、ハロゲン化炭素類が含まれる。具体的には、蟻酸、酢酸、酪酸等の低級アルコールとのエステル類、アセトン、MEK(メチルエチルケトン)、MPK(メチルプロピルケトン)、MIPK(メチルイソプロピルケトン)、MBK(メチルブチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)等のメチル低級アルキルケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族溶媒、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン等のハロゲン化炭素類などを単独であるいは2種以上組合せて用いることが可能である。入手し易さや留去時の回収容易性、環境への配慮の点から、ハロゲン原子を含まず、わずかに水とも相溶する性質を有する、低沸点の酢酸エステル類(酢酸エチル)やメチル低級アルキルケトン類(メチルエチルケトン)が好ましく用いられる。これらの疎水性有機溶媒に、イソプロピルアルコールなどの水溶性有機溶媒を少量併用することが好ましい。
(水溶性有機溶媒)
疎水性有機溶媒に水溶性有機溶媒を少量併用することが好ましい。
水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール等の低級アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;エーテル類、ジオール類、THF(テトラヒドロフラン)等が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)が好ましい。
水溶性有機溶媒を、樹脂溶液中に添加することができる。この場合、水溶性有機溶媒の使用量は、疎水性有機溶媒の5〜30容量%であることが好ましく、10〜20容量%であることが好ましい。また、水溶性有機溶媒をイオン交換水に混合使用しても構わない。
水溶性溶液が、(イオン交換)水と水溶性有機溶媒との混合液からなる場合には、水溶性溶液中の水溶性有機溶媒の含有量は1〜50重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましい。
疎水性有機溶媒に水溶性有機溶媒を少量併用することが好ましい。
水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール等の低級アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;エーテル類、ジオール類、THF(テトラヒドロフラン)等が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)が好ましい。
水溶性有機溶媒を、樹脂溶液中に添加することができる。この場合、水溶性有機溶媒の使用量は、疎水性有機溶媒の5〜30容量%であることが好ましく、10〜20容量%であることが好ましい。また、水溶性有機溶媒をイオン交換水に混合使用しても構わない。
水溶性溶液が、(イオン交換)水と水溶性有機溶媒との混合液からなる場合には、水溶性溶液中の水溶性有機溶媒の含有量は1〜50重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましい。
(粘度差)
本発明者らは、特許文献1又は2に開示されているような、二重管の混合装置を用いて、粘度差のある複数の流体を連続的に混合した場合、内管の先端において詰まりが発生することを見出している。具体的には、合成樹脂の有機溶剤溶液と、この合成樹脂の貧溶媒となる水とを、内管の先端が円形状に開口された二重管を用いて混合する場合には、合流部である内管先端において樹脂が析出し、その結果内管が閉塞する。合成樹脂の有機溶剤溶液が高粘性であるのに対して、水が低粘性であり、両液の静的粘度の差が、50mPa・s以上あるためであると推定している。
本実施形態の混合方法は、樹脂の有機溶剤溶液(樹脂溶液)とこの樹脂に対する貧溶媒(水)とを混合する場合であって、両液の静的粘度の差が、50mPa・s以上あるような組み合わせの2液を混合する場合にも好ましく使用でき、100〜500mPa・sあるような組み合わせの2液を混合する場合により好ましく使用できる。
本発明者らは、特許文献1又は2に開示されているような、二重管の混合装置を用いて、粘度差のある複数の流体を連続的に混合した場合、内管の先端において詰まりが発生することを見出している。具体的には、合成樹脂の有機溶剤溶液と、この合成樹脂の貧溶媒となる水とを、内管の先端が円形状に開口された二重管を用いて混合する場合には、合流部である内管先端において樹脂が析出し、その結果内管が閉塞する。合成樹脂の有機溶剤溶液が高粘性であるのに対して、水が低粘性であり、両液の静的粘度の差が、50mPa・s以上あるためであると推定している。
本実施形態の混合方法は、樹脂の有機溶剤溶液(樹脂溶液)とこの樹脂に対する貧溶媒(水)とを混合する場合であって、両液の静的粘度の差が、50mPa・s以上あるような組み合わせの2液を混合する場合にも好ましく使用でき、100〜500mPa・sあるような組み合わせの2液を混合する場合により好ましく使用できる。
(転相乳化)
本実施形態の混合装置、好ましくは多段混合装置は、樹脂の有機溶剤溶液、好ましくは合成樹脂の疎水性(親油性)有機溶媒溶液を転相乳化するために使用することができる。さらに転相乳化した後に、有機溶剤溶液の分散物から、有機溶媒を水又は水溶性溶液に抽出する工程を実施して、樹脂の水性分散物を得る工程を後続させることにより、樹脂粒子分散物を製造することができる。
この転相乳化工程は、合成樹脂等の有機溶剤溶液に少量の水を加えて、まずW/O型分散液を得た後に、さらに段階的に加水して転相を生じさせて、O/W型分散液を得る工程をいう。
3段の多段混合装置を使用する場合には、第1段の混合装置において、樹脂溶液に水を加えてW/O型分散液を製造し、第2段の混合装置において、又は、好ましくは第3段の混合装置において、このW/O型分散液をO/W型分散液に転相することができる。
しかしながら、容器中での混合する、いわゆるバッチ方式の転相乳化方法では、乳化のスケールが大きくなるにつれて、剪断、混合の操作が難しくなり、乳化の系にムラが生じる。これは転相乳化する系の場所によって、転相する臨界点に達するタイミングが異なることに起因すると考えられる。このタイミングの差が生じるために、合一、微細化がさらに起こる場所が発生することになり、転相乳化系の乱れが生じて、転相物の乱れを引き起こしてしまうものと推定される。
本実施形態の混合装置、好ましくは多段混合装置は、樹脂の有機溶剤溶液、好ましくは合成樹脂の疎水性(親油性)有機溶媒溶液を転相乳化するために使用することができる。さらに転相乳化した後に、有機溶剤溶液の分散物から、有機溶媒を水又は水溶性溶液に抽出する工程を実施して、樹脂の水性分散物を得る工程を後続させることにより、樹脂粒子分散物を製造することができる。
この転相乳化工程は、合成樹脂等の有機溶剤溶液に少量の水を加えて、まずW/O型分散液を得た後に、さらに段階的に加水して転相を生じさせて、O/W型分散液を得る工程をいう。
3段の多段混合装置を使用する場合には、第1段の混合装置において、樹脂溶液に水を加えてW/O型分散液を製造し、第2段の混合装置において、又は、好ましくは第3段の混合装置において、このW/O型分散液をO/W型分散液に転相することができる。
しかしながら、容器中での混合する、いわゆるバッチ方式の転相乳化方法では、乳化のスケールが大きくなるにつれて、剪断、混合の操作が難しくなり、乳化の系にムラが生じる。これは転相乳化する系の場所によって、転相する臨界点に達するタイミングが異なることに起因すると考えられる。このタイミングの差が生じるために、合一、微細化がさらに起こる場所が発生することになり、転相乳化系の乱れが生じて、転相物の乱れを引き起こしてしまうものと推定される。
転相乳化する場合には、樹脂の有機溶剤溶液(「樹脂溶液」ともいう。)に、多段の混合装置を用いて、段階的に水又は水溶性溶液を加えていくことが好ましく、イオン交換水を加えていくことがより好ましい。加える水の総容量は、樹脂溶液の容量の0.8〜3倍が好ましく、1.0〜2.0倍がより好ましい。
樹脂溶液の樹脂固形分の量は、樹脂溶液の100ml中に10〜60gであることが好ましく、30〜50gであることがより好ましい。この場合、転相乳化するための水の総容量は、樹脂量に対して、約2倍以上が好ましく、2.0〜3.0倍がより好ましい。
樹脂溶液の樹脂固形分の量は、樹脂溶液の100ml中に10〜60gであることが好ましく、30〜50gであることがより好ましい。この場合、転相乳化するための水の総容量は、樹脂量に対して、約2倍以上が好ましく、2.0〜3.0倍がより好ましい。
3段の混合装置を使用する場合に、各段ごとの加水量は適宜選択できるが、一例を挙げれば、第1段において、単位時間に外周流路(外管)に供給される樹脂溶液の容量100容量部に対して、単位時間に内管に水の20〜65容量部を供給することが好ましく、水の40〜60容量部を供給することがより好ましい。
また第2段の混合装置において、第1段の合流流路から排出されるW/O型分散液を第2段の混合装置の外周流路に全量供給して、さらに単位時間内に内管に水の10〜55容量部を供給することが好ましく、10〜30容量部を供給することがより好ましい。
また第3段の混合装置において、第2段の合流流路から排出される分散液を第2段の混合装置の外周流路に全量供給して、さらに単位時間内に内管に水の20〜80容量部を供給することが好ましく、25〜45容量部を供給することがより好ましい。
なお、第1段の混合装置の外周流路に単位時間に供給される樹脂溶液、好ましくは樹脂固形分30〜50g/100ml樹脂溶液、の100容量部に対して、第1〜3段の混合装置の内管から単位時間内に供給される水の総量は、100〜200容量部であることが好ましく、100〜150容量部であることが好ましい。
各段の水の供給量にも依存するが、第2段又は第3段の混合装置において、転相が認められることが一般的である。
既に説明したように、多段の混合装置において、各段の混合装置の排出口と後続する段の混合装置の供給口の間に、混合ミキサーを設けることが好ましい。
また第2段の混合装置において、第1段の合流流路から排出されるW/O型分散液を第2段の混合装置の外周流路に全量供給して、さらに単位時間内に内管に水の10〜55容量部を供給することが好ましく、10〜30容量部を供給することがより好ましい。
また第3段の混合装置において、第2段の合流流路から排出される分散液を第2段の混合装置の外周流路に全量供給して、さらに単位時間内に内管に水の20〜80容量部を供給することが好ましく、25〜45容量部を供給することがより好ましい。
なお、第1段の混合装置の外周流路に単位時間に供給される樹脂溶液、好ましくは樹脂固形分30〜50g/100ml樹脂溶液、の100容量部に対して、第1〜3段の混合装置の内管から単位時間内に供給される水の総量は、100〜200容量部であることが好ましく、100〜150容量部であることが好ましい。
各段の水の供給量にも依存するが、第2段又は第3段の混合装置において、転相が認められることが一般的である。
既に説明したように、多段の混合装置において、各段の混合装置の排出口と後続する段の混合装置の供給口の間に、混合ミキサーを設けることが好ましい。
(樹脂粒子の水性分散物)
転相乳化工程の後に、乳化された樹脂溶液分散物から疎水性溶媒を水相に移動させる工程を後続させて、合成樹脂の水性分散物を得ることができる。
本実施形態の転相乳化法によれば、分散物の平均粒径を、好ましくは約100〜約500nm、より好ましくは100〜200nmとすることができる。また、この転相乳化法によれば、分散物の粒径分布を通常のバッチ方法によるよりも狭くすることができ、粒径の標準偏差を1.1〜1.3の狭い範囲にすることができる。
転相乳化工程の後に、乳化された樹脂溶液分散物から疎水性溶媒を水相に移動させる工程を後続させて、合成樹脂の水性分散物を得ることができる。
本実施形態の転相乳化法によれば、分散物の平均粒径を、好ましくは約100〜約500nm、より好ましくは100〜200nmとすることができる。また、この転相乳化法によれば、分散物の粒径分布を通常のバッチ方法によるよりも狭くすることができ、粒径の標準偏差を1.1〜1.3の狭い範囲にすることができる。
(層流形成)
管の中の流れが層流になるか乱流になるかは流れの様子を示す無次元数であるレイノルズ数(Reynolds number)が、ある臨界値以下であるかによって決まることが知られている。すなわちレイノルズ数が小さいほど層流を形成しやすい。管内の流れのレイノルズ数Reは次式で表される。
Re=D<vx>ρ/μ
Dは管の等価直径、<vx>は断面平均速度、ρは流体の密度、μは流体の粘度を表す。この式からわかるように等価直径が小さいほどレイノルズ数は小さくなるので、μmサイズの等価直径の場合は安定な層流を形成しやすくなる。また、密度や粘度の液物性もレイノルズ数に影響し、密度が小さく、粘度が大きいほどレイノルズ数は小さくなるので層流を形成しやすい。
臨界値を示すレイノルズ数を臨界レイノルズ数(critical Reynolds number)と呼ぶ。この臨界レイノルズ数は必ずしも一定とはいえないが、凡そ次の値が基準となる。
Re<2,300 層流
Re>3,000 乱流
3,000>Re>2,300 過渡状態
本実施形態の混合方法の場合、外管の合流流路において、Re数が2,300以下となり、層流を形成するような操作条件が好ましい。多段混合装置を使用する場合には、管の等価直径の大きさを問わず、各段の外管の合流流路において層流を形成することが好ましい。
管の中の流れが層流になるか乱流になるかは流れの様子を示す無次元数であるレイノルズ数(Reynolds number)が、ある臨界値以下であるかによって決まることが知られている。すなわちレイノルズ数が小さいほど層流を形成しやすい。管内の流れのレイノルズ数Reは次式で表される。
Re=D<vx>ρ/μ
Dは管の等価直径、<vx>は断面平均速度、ρは流体の密度、μは流体の粘度を表す。この式からわかるように等価直径が小さいほどレイノルズ数は小さくなるので、μmサイズの等価直径の場合は安定な層流を形成しやすくなる。また、密度や粘度の液物性もレイノルズ数に影響し、密度が小さく、粘度が大きいほどレイノルズ数は小さくなるので層流を形成しやすい。
臨界値を示すレイノルズ数を臨界レイノルズ数(critical Reynolds number)と呼ぶ。この臨界レイノルズ数は必ずしも一定とはいえないが、凡そ次の値が基準となる。
Re<2,300 層流
Re>3,000 乱流
3,000>Re>2,300 過渡状態
本実施形態の混合方法の場合、外管の合流流路において、Re数が2,300以下となり、層流を形成するような操作条件が好ましい。多段混合装置を使用する場合には、管の等価直径の大きさを問わず、各段の外管の合流流路において層流を形成することが好ましい。
(比較例1)
内径1,000μmの外管となるガラス管と、外径350μmで内径250μmの内管となるヒューズドキャピラリーチューブ(ジーエルサイエンス(株)製)を前記ガラス管の中央にシリカチューブがくるように同心軸状に配置した。A液(水;静止粘度100mPa・s)を内管流路に送液し、B液(樹脂溶液;静止粘度400mPa・s)を内管外周に送液できるように液体クロマトグラフ用部品を図1に示すように組み立てることにより、混合装置としてのマイクロリアクターを作製した。ガラス管中央に挿入されているシリカチューブの長さは約1cmであってその先端を、約20cmの長さの前記外管の長手方向の途中に位置せしめた。また、前記内管の先端は、長さ方向に垂直に切断され、円形に開放されていた。内管及び外菅への定量送液には、シリンジポンプを使用した。
マイクロリアクターへの液供給は、内管側にA液(蒸留水)を約15ml/min送液し、同時に内管と外管の間の外周流路にB液(樹脂溶液)を約8ml/min送液した。その結果、内管末端に樹脂が析出し閉塞してしまった。
なお、樹脂溶液としては、ポリエステル樹脂を、有機溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)及びイソプロピルアルコールの混合液(容積混合比8:1.25)に溶解した溶液を使用した。樹脂溶液中の樹脂濃度は、45g/100mlであった。
内径1,000μmの外管となるガラス管と、外径350μmで内径250μmの内管となるヒューズドキャピラリーチューブ(ジーエルサイエンス(株)製)を前記ガラス管の中央にシリカチューブがくるように同心軸状に配置した。A液(水;静止粘度100mPa・s)を内管流路に送液し、B液(樹脂溶液;静止粘度400mPa・s)を内管外周に送液できるように液体クロマトグラフ用部品を図1に示すように組み立てることにより、混合装置としてのマイクロリアクターを作製した。ガラス管中央に挿入されているシリカチューブの長さは約1cmであってその先端を、約20cmの長さの前記外管の長手方向の途中に位置せしめた。また、前記内管の先端は、長さ方向に垂直に切断され、円形に開放されていた。内管及び外菅への定量送液には、シリンジポンプを使用した。
マイクロリアクターへの液供給は、内管側にA液(蒸留水)を約15ml/min送液し、同時に内管と外管の間の外周流路にB液(樹脂溶液)を約8ml/min送液した。その結果、内管末端に樹脂が析出し閉塞してしまった。
なお、樹脂溶液としては、ポリエステル樹脂を、有機溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)及びイソプロピルアルコールの混合液(容積混合比8:1.25)に溶解した溶液を使用した。樹脂溶液中の樹脂濃度は、45g/100mlであった。
(実施例1)
図1に示す混合装置の構成を変更し、内管末端の開放口を閉塞して、内管の先端近傍に内管中心軸と垂直方向に流体が流出するように、図2(d)に示すような貫通孔を設けた、混合装置を作製した。前記内管であるヒューズドキャピラリーチューブの先端を同質材料により封止して、先端近傍に直径約130μmの円形の貫通孔を2段に合計6個設けた。3個ずつの貫通孔の中心は内管の中心軸と垂直な断面内に等間隔に上下2段に交互に配置した。
比較例1と同じ組成のA液及びB液を、いずれも同じ送液量でこの混合装置に供給した。この結果、内管末端に樹脂が析出することはなく、連続的に安定したO/W型分散液を得ることができた。
図1に示す混合装置の構成を変更し、内管末端の開放口を閉塞して、内管の先端近傍に内管中心軸と垂直方向に流体が流出するように、図2(d)に示すような貫通孔を設けた、混合装置を作製した。前記内管であるヒューズドキャピラリーチューブの先端を同質材料により封止して、先端近傍に直径約130μmの円形の貫通孔を2段に合計6個設けた。3個ずつの貫通孔の中心は内管の中心軸と垂直な断面内に等間隔に上下2段に交互に配置した。
比較例1と同じ組成のA液及びB液を、いずれも同じ送液量でこの混合装置に供給した。この結果、内管末端に樹脂が析出することはなく、連続的に安定したO/W型分散液を得ることができた。
(実施例2)
図3に模式的に示すような、3段に直列に接続した混合装置(マイクロリアクター)を作製した。混合装置全体を約40℃に維持するように温度調節した。
第1段の混合装置では、蒸留水を内管流路Aに約8ml/min、比較例1と同じ樹脂溶液を外周流路Bに約15ml/min、それぞれ供給して、得られた混合液をC液とした。
続いて第2段の混合装置において、外周流路にC液を約23ml/min、内管流路に蒸留水を約2ml/minで送液し、得られた混合液をD液とした。
引き続き第3段において、外周流路にD液を約25ml/min、内管流路に蒸留水を約5ml/min送液した。混合液として樹脂粒子の水系分散媒体を得た。
図3に模式的に示すような、3段に直列に接続した混合装置(マイクロリアクター)を作製した。混合装置全体を約40℃に維持するように温度調節した。
第1段の混合装置では、蒸留水を内管流路Aに約8ml/min、比較例1と同じ樹脂溶液を外周流路Bに約15ml/min、それぞれ供給して、得られた混合液をC液とした。
続いて第2段の混合装置において、外周流路にC液を約23ml/min、内管流路に蒸留水を約2ml/minで送液し、得られた混合液をD液とした。
引き続き第3段において、外周流路にD液を約25ml/min、内管流路に蒸留水を約5ml/min送液した。混合液として樹脂粒子の水系分散媒体を得た。
(実施例3)
図2に示す混合装置において第1段の混合装置の外管排出口と第2段の混合装置の外管供給口との間に、静止型管内混合器としてマイクロハイミキサーモジュール(5エレメント)(東レエンジニアリング(株)製)を接続した。第2段と第3段の混合装置の間にもこのマイクロハイミキサーモジュールを接続した3段の混合装置を作製した。この混合装置全体の温度は約40℃に調節した。
第1段の内管流路に蒸留水を約8ml/minで送液し、また、外周流路に樹脂溶液を約15ml/minで供給して、第1段で混合された混合物をC液とした。
続いて第2段において外管流路にC液を約23ml/分で送液し、内管流路に新たに蒸留水を約2ml/minで送液し、得られた混合液をD液とした。
引き続き第3段において外管流路にD液を約25ml/分で送液し、内管流路に蒸留水を約5ml/min送液した。第3段の混合装置の排出口から、樹脂粒子の水系分散媒体を得た。
図2に示す混合装置において第1段の混合装置の外管排出口と第2段の混合装置の外管供給口との間に、静止型管内混合器としてマイクロハイミキサーモジュール(5エレメント)(東レエンジニアリング(株)製)を接続した。第2段と第3段の混合装置の間にもこのマイクロハイミキサーモジュールを接続した3段の混合装置を作製した。この混合装置全体の温度は約40℃に調節した。
第1段の内管流路に蒸留水を約8ml/minで送液し、また、外周流路に樹脂溶液を約15ml/minで供給して、第1段で混合された混合物をC液とした。
続いて第2段において外管流路にC液を約23ml/分で送液し、内管流路に新たに蒸留水を約2ml/minで送液し、得られた混合液をD液とした。
引き続き第3段において外管流路にD液を約25ml/分で送液し、内管流路に蒸留水を約5ml/min送液した。第3段の混合装置の排出口から、樹脂粒子の水系分散媒体を得た。
(比較例2)
(水系分散媒体の製造)
実施例2及び3で使用したのと同じ樹脂溶液約17gを容器に入れ、この中に蒸留水を約15ml/分(約800ml/h)の速度で滴下しながら混合撹拌して樹脂粒子の水系分散媒体を得た。
(水系分散媒体の製造)
実施例2及び3で使用したのと同じ樹脂溶液約17gを容器に入れ、この中に蒸留水を約15ml/分(約800ml/h)の速度で滴下しながら混合撹拌して樹脂粒子の水系分散媒体を得た。
実施例2及び3、並びに比較例2により得られた樹脂粒子の水性分散物について、中心粒径(D50v)(nm単位)及び粒径の標準偏差(体積平均粒度分布指標GSDv)を求めたところ以下の結果が得られた。
実施例2又は3による混合装置による混合の方が、比較例2による容器での混合よりも、中心粒径が小さくて、標準偏差の小さい、樹脂粒子の水性分散物を与えることが判明した。
10:混合装置
12,22,32:外管
13,23,33:外管供給口
14,24,34:外管排出口(外管先端)
16,26,36:内管
17,27,37:内管供給口
18:内管先端
19:外周流路
20:貫通孔
21:支持枠
25:合流流路
30:多段混合装置
38,39:混合ミキサー
L1:外管の長さ
L2:内管の長さ
M1:第1段混合装置
M2:第2段混合装置
M3:第3段混合装置
12,22,32:外管
13,23,33:外管供給口
14,24,34:外管排出口(外管先端)
16,26,36:内管
17,27,37:内管供給口
18:内管先端
19:外周流路
20:貫通孔
21:支持枠
25:合流流路
30:多段混合装置
38,39:混合ミキサー
L1:外管の長さ
L2:内管の長さ
M1:第1段混合装置
M2:第2段混合装置
M3:第3段混合装置
Claims (9)
- 外管と、
前記外管の内側に配置された少なくとも1つの内管とを有し、
前記内管の長手方向先端は前記外管の長手方向の途中に位置し、
前記内管はその先端近傍に複数の貫通孔を有する、ことを特徴とする
混合装置。 - 前記複数の貫通孔の垂直方向が前記内管の長手方向とα(0<α≦90°)の角度を有するように設けられた請求項1に記載の混合装置。
- 前記外管及び/又は前記内管の温度を制御する温度制御手段を有する請求項1又は2に記載の混合装置。
- 前記内管を回転させる回転手段を有する請求項1〜3いずれか1つに記載の混合装置。
- 請求項1〜4いずれか1つに記載の混合装置が多段に接続され、
第1段の混合装置の外管排出口が第2段の混合装置の外管供給口に接続され、
第1段の混合装置の内管流路及び第2段の混合装置の内管流路に流体を送液する送液装置を備えた多段混合装置。 - 第1段の混合装置の外管排出口と第2段の混合装置の外管供給口との間に混合ミキサーを備えた請求項5に記載の多段混合装置。
- 請求項1〜6いずれか1つに記載の混合装置を準備する工程、及び、
第1段の混合装置の外管と内管との間に位置する外周流路に樹脂の有機溶剤溶液を送液し、内管流路に水溶性溶液を送液して、合流流路においてW/O型分散液を得る工程、を含むことを特徴とする
混合方法。 - 請求項5又は6に記載の多段混合装置を準備する工程、
第1段の混合装置の外管と内管との間に位置する外周流路に樹脂の有機溶剤溶液を送液し、内管流路に水溶性溶液を送液して、合流流路においてW/O型分散液を得る工程、
第2段以降の混合装置の外周流路に前段の混合装置の合流流路から排出される前記W/O型分散液を次段階の混合装置に送液し、内管流路に水溶性溶液を送液する工程、及び、
第2段以降の混合装置の合流流路において、W/O型分散液を転相して、O/W型分散液を得る転相工程、を含むことを特徴とする
転相乳化方法。 - 請求項8に記載の転相乳化方法における転相工程により得られたO/W型分散液から有機溶媒を水溶性溶液に抽出する工程、及び、最終段の混合装置の合流流路から樹脂粒子の水性分散物を得る工程を含むことを特徴とする、樹脂粒子分散物の製造方法。
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- 2008-11-18 JP JP2008294686A patent/JP2010119938A/ja active Pending
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