JPH1120720A - 主運転席と補助運転席とを有する車両の操舵装置 - Google Patents

主運転席と補助運転席とを有する車両の操舵装置

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JPH1120720A
JPH1120720A JP9215411A JP21541197A JPH1120720A JP H1120720 A JPH1120720 A JP H1120720A JP 9215411 A JP9215411 A JP 9215411A JP 21541197 A JP21541197 A JP 21541197A JP H1120720 A JPH1120720 A JP H1120720A
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正男 斎藤
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紀昭 須藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両前部に通常運転時に使用する主運転席を
備え、車両後部に後進時に使用する補助運転席を備えた
作業車において、補助運転席からの後進時の操舵を容易
にし、操舵車輪としての前輪側の過大な旋回変位による
周辺の器物の破損や作業者の負傷等を効果的に防止す
る。 【解決手段】 車両の運転者が、車両前部の主運転席を
離れて車両後部の補助運転席に移動して同運転席で操舵
を開始する以前に、操舵車輪としての前輪の最大舵角
を、主運転席での操舵時の最大舵角より小さく設定す
る。この結果、補助運転席での操舵時に、前輪側が過大
な回頭変位を行なうことがないので、安全性が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主運転席と補助運
転席とを有する車両の操舵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クレーン車、例えばオールテレン
クレーン車等の作業用車両においては、主として、通常
走行時に使用される主運転席と、クレーン作業等の作業
時に使用される補助運転席とを備えたものが多く、上記
主運転席を有する主運転室及び補助運転席を有する補助
運転室内には、通常、操舵用のステアリングホイール、
ブレーキ制御用のブレーキペダル、エンジン制御用のア
クセルペダル等が夫々設けられており、一例として、実
開昭64−32275号公開公報に、この種車両の操舵
装置が開示されている。
【0003】上記主運転席及び補助運転席を有する車両
の操舵装置においては、上記公開公報に記載されている
操舵装置と同様に、主運転席側には、ステアリングホイ
ールと操舵車輪即ち前輪の操舵機構との間に、機械的な
リンク機構を含む油圧式パワーステアリング装置を設け
ると共に、補助運転席側には、ステアリングホイールの
操舵回転方向及び回転角に応じた作動圧油を操舵車輪、
通常は前輪の操舵用油圧応動装置に供給し操舵するよう
にした所謂全油圧式操舵装置を設けたものが多い。
【0004】また、上記従来の車両では、前輪及び後輪
が何れも操舵可能に構成され、上記主運転席及び補助運
転席から操舵車輪としての前輪及び後輪を夫々操舵し得
るように構成されているので、構造極めて複雑であり、
かつ車両の製造コスト及びメンテナンスコストが著しく
高くなることを免れない。そこで、例えば、空港で駐機
している航空機に対し給水し或いは使用済の汚水を搬出
等の作業を行なう作業車の場合、通常のトラック等と同
様に、前輪のみを操舵車輪とし、同前輪を車両前部に設
けられた主運転席及び車両後部に設けられた補助運転席
の双方から随時操向操作し得るように構成して、車両の
構造を簡素化し製造コスト及びメンテナンスコストを低
減すると共に、重量の軽減を図ることが望ましい。
【0005】しかしながら上記空港用作業車の場合、上
記操舵車輪即ち前輪に近い車体前部に配置された主運転
席と、前輪から遠く離れた車体後部に配置されている補
助運転席とでは、操舵感覚が可成異なるため、運転者が
主運転席から補助運転席に移って操舵を行なうとき、操
舵量が大き過ぎると、予期しない車両の回頭運動、即ち
車両の前輪側が予想以上に大きく変位する回頭運動が生
起する可能性があり、車両周辺に存在する他の器物や人
員との不測の接触を防止するために高度の操舵技量と慎
重な操作とが必要となる不具合がある。特に、補助運転
席からの操舵制御系統に、構造簡単で安価な全油圧式の
操舵装置が採用されている場合、同操舵装置の性質上、
上記のような過大操舵が行なわれ易い傾向がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
主運転席及び補助運転席を有する車両における操舵装置
の欠点を改善するために創案されたもので、主運転席か
ら補助運転席に移動して操舵を行なう際に、補助運転席
での操舵時の最大舵角を、主運転席での操舵時の最大舵
角より小さく設定することによって、上述した車両の不
測の過大な回頭運動に起因する車両周辺の器物や人員と
の接触を効果的に防止することができるようにした操舵
装置を提供することを、主たる目的とするものである。
【0007】また本発明は、通常のトラック等と同様に
前輪を操舵車輪とし、同前輪を主運転席及び補助運転席
の任意の一方から操舵し得る構成を備え、かつ補助運転
席での操舵時の最大舵角を小さく設定することによっ
て、構造簡単で製造コストが安く、かつ軽量であり、さ
らに、補助運転席での操舵が容易で車両の安全な回頭運
動を確保することができる操舵装置を提供することを、
他の目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、車両に設けられた主運転席及び補助運転
席の任意の一方で行なわれる操向操作によって操舵され
る操舵車輪と、同操舵車輪が上記補助運転席における操
向操作によって操舵される状態であることを検出する運
転状態検出手段と、上記操舵車輪の最大舵角を変更し得
るように設けられた最大舵角可変手段と、上記運転状態
検出手段により補助運転席で操向操作が行なわれる状態
が検出されたときの最大舵角を、上記主運転席で操向操
作が行なわれるときの最大舵角より小さく設定するよう
に上記最大舵角可変手段の作動を制御する制御手段とを
備えたことを特徴とする主運転席と補助運転席とを有す
る車両の操舵装置を提案するものである。
【0009】上記構成により、運転者が主運転席を離れ
補助運転席に移動して操舵を開始しようとする際に、そ
の状態が運転状態検出手段により検知されると、上記制
御手段により最大舵角可変手段が作動されて主運転席で
操舵が行なわれる場合の最大舵角より十分小さい最大舵
角に設定されるので、補助運転席からの操舵に基づく車
両の回頭変位が緩和される。
【0010】本発明においては、上記操舵車輪が車両の
前輪であって後輪は操舵されない車輪であり、且つ上記
主運転席が車両の前部に設けられると共に、補助運転席
が車両の後部に設けられることが好ましい。この構成に
より、使用頻度が高い主運転席での操舵系統の構成及び
操舵性能を、通常の車両と略同等のものとすることがで
きると共に、車両構造の簡素化及び重量の軽減を図るこ
とができ、さらに主運転席と補助運転席との間に作動機
器及び設備を配設する十分なスペースが用意される。
【0011】また、本発明において、上記最大舵角可変
手段が、上記操舵車輪を支持するナックルに設けられた
ストッパ部材と、キングピンを介して上記ナックルを操
向可能に枢支する前車軸に設けられ上記ストッパ部材に
当接することによって上記主運転席での操舵時における
最大舵角を設定するストッパ受部と、上記ストッパ部材
及びストッパ受部間に挿入されることによって上記補助
運転席での操舵時における最大舵角を設定する出没自在
のスペーサ部材とから構成されることが好ましい。この
構成により、主運転席での操舵時における操舵車輪の最
大舵角を設定するために設けられている既存のストッパ
部材及びストッパ受部を活用し、同ストッパ部材及びス
トッパ受部間にスペース部材を挿入することによって補
助運転席での操舵時における最大舵角を小さく設定する
ことができるので、構造簡単な最大舵角可変手段が得ら
れる。
【0012】さらに、本発明において、上記運転状態検
出手段が、上記補助運転席に設けられ同補助運転席側か
らの操舵が可能な状態と同補助運転席側からの操舵が不
能な状態とに選択的に切換えられるスイッチ装置である
ことが好ましい。この構成によれば、補助運転席での操
舵を可能とするため同補助運転席に通常設けられている
既存の切換えスイッチ装置を上記運転状態検出手段とし
て活用するので、構造が簡単になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施形態を
図1ないし図8を参照して説明する。先ず、図1は空港
において駐機している航空機の下側に進入し、飲料水や
雑用水等を航空機に補給し、或いは汚水等を搬出する作
業車の概略側面図であって、車台フレーム10の前端部
分に主運転室12が設けられ、同主運転室12内には、
運転者が着座して運転操作を行なう主運転席14及び運
転者によって操作されるステアリングホイール16、ア
クセルペダル18、図示しない常用ブレーキ用のペダ
ル、パーキングブレーキ作動用のブレーキレバー、トラ
ンスミッション制御用の変速操作レバー、その他運転上
必要な諸装置、並びに給水及び排水ポンプ等作業機に必
要な種々の制御部材又は装置が設けられている。上記主
運転室12は、例えば航空機に到着するまでの通常走行
時には、平行リンク機構20を含む昇降機構により、図
中に2点鎖線で示されている高位置に保持されて良好な
運転視界を得ることができ、また航空機の下方に進入し
又はそこから退出する場合は、図中に実線で示した低位
置に保持される。
【0014】一方、車台フレーム10の後端には、エン
ジン22が装架され、同エンジン22の出力はトランス
ミッション24及びプロペラシャフト26を介して後車
軸28に伝達される。同後車軸28は、その車幅方向の
両端付近をメインリーフスプリング30及びペルパリー
フスプリング32を介して車台フレーム10に支持され
ると共に、後輪34を駆動する。同後輪34は、通常の
トラック等の後輪と同様に操舵されない車輪である。上
記エンジン22は、その整備、点検等に際して、図中に
2点鎖線で示されているチルトアップ位置まで廻動させ
ることができるエンジンフード36によって覆われ、同
エンジンフード36には、例えば航空機の汚水搬出及び
雑用水の補給作業が終了し同航空機の下側から後進し退
去する場合等、必要に応じ車両をその後部から運転でき
るようにした補助運転席38が設けられている。
【0015】上記補助運転席38は、図示の場合、運転
者が立ったままの姿勢で車両後方を向いて運転操作を行
なうように設けられており、従って、ここでの運転席な
る語は、座席を意味するものではなく、運転者が運転時
に位置する空間を意味するものである。しかしながら、
必要に応じ運転者が着座することができる簡易な丸椅子
のような座席を設けても良く、また、勿論エンジンフー
ド36とは別体の補助運転室を設け、その中に補助運転
席38をしつらえても良い。上記補助運転席38には、
ステアリングホイール40及びアクセルペダル42、並
びに、図示を省略されているブレーキペダルその他車両
の運転上必要な諸装置が設けられている。
【0016】なお、上記主運転室12に隣接する車台フ
レーム10の前端付近に、車幅方向に延在する前車軸4
4が配置され、同前車軸44は、その車幅方向両端付近
を、メインリーフスプリング46及びヘルパーリーフス
プリング48を介して車台フレーム10に支持されてい
る。前車軸44には、後に詳述するように操舵車輪とし
ての前輪50が取付けられている。また、上記主運転室
12とエンジンフード36との間の車台フレーム10上
に、図示を省略されている給水タンク及び昇降式作業台
等が配置されている。
【0017】上記作業車の操舵装置の概略構成が図2の
斜視図に示されている。前車軸44の車幅方向両端に、
キングピンを介してナックル52が、同キングピンの軸
線の周りに自在に廻動し得るように支持され、同ナック
ル52のスピンドル部に、上記前輪50が装着されるホ
イールハブ54及びブレーキドラム56が回転自在に支
持されている。左右の前輪50を支持するナックル52
の何れか一方、図示の場合、右方のナックル52に第1
のナックルアーム58が取付けられ、同ナックルアーム
58の先端自由端部に第1のドラッグリンク60の後端
が枢着されている。
【0018】上記第1ドラッグリンク60の前端は、前
輪即ち操舵車輪50の第1の油圧操舵装置を構成するパ
ワーステアリングブースタ62の出力部材を形成するピ
ットマンアーム64の自由端部に枢着されている。ま
た、上記左右のナックル52には、タイロッドアーム6
6が夫々突設され(図2では右方のナックルのタイロッ
ドアーム66のみが図示されている)、左右のタイロッ
ドアーム66の自由端部には、操舵時に左右の前輪50
の舵角を実質的に等しくするためのタイロッド68の両
端が枢着されている。上記パワーステアリングブースタ
62は、図示の場合、自体周知のインテグラル型パワー
ステアリングブースタが示されているが、セミインテグ
ラル型及びリンケージ型パワーステアリング装置を用い
ることもできる。
【0019】上記主運転席14に着座した運転者によっ
て操作されるステアリングホイール16に連結されたス
テアリングシャフト70には、自在接手72を介して入
出力の方向を変換するベベルギヤボックス74が連結さ
れている。同ベベルギヤボックス74の横方向出力端に
は、前後端に自在接手76及び78を備えたユニバーサ
ルシャフト80が接続され、同ユニバーサルシャフト8
0の後方自在接手78は、上記パワーステアリングブー
スタ62の入力端に連結されている。
【0020】上記左右の前輪50を支持するナックル5
2の他方、図示の場合、左側のナックル52に第2のナ
ックルアーム82が取付けられ、同ナックルアーム82
の先端自由端部に第2のドラッグリンク84の後端が枢
着されている。同第2ドラッグリンク84の前端は、前
輪即ち操舵車輪50の第2の油圧操舵装置を構成する油
圧式ギヤボックス86の出力部材を形成する第2のピッ
トマンアーム88の自由端部に枢着されている。
【0021】上記油圧式ギヤボックス86は、図3に概
念的に示されているように、自体周知のインテグラルパ
ワーステアリング装置からコントロールバルブ部分を除
き油圧応動装置部分だけを残したものに相当する構成を
備えており、一例として図示の場合、シリンダ90と、
同シリンダ90内に摺動自在に嵌装されその外周に噛合
歯を設けたパワーピストン92と、同パワーピストン9
2の外周の噛合歯に噛合するセクタギヤを有し同パワー
ピストン92の変位によって回転されるセクタシャフト
94とを備え、同セクタシャフト94には出力部材を構
成する上記第2ピットマンアーム88が固着されてい
る。
【0022】さらに,上記第2ピットマンアーム88に
は、図4の部分的側面図に良く示されているように、そ
の長さを調整し得るように構成されたセンサ作動ロッド
96の一端がボールジョイント98を介して枢着され、
同センサ作動ロッド96の他端は、車台フレーム10の
サイドレール10′に固着された舵角センサ100の入
力レバー102にボールジョイント104を介して枢着
されている。
【0023】上記舵角センサ100は、ピットマンアー
ム88に上記センサ作動ロッド96を介して連動する入
力レバー102の廻動変位によって、同ピットマンアー
ム88、従って操舵車輪としての前輪50が、左舵、右
舵又は中立の何れの状態にあるかを検知するもので、図
3に概念的に示されているように、上記ピットマンアー
ム88が左舵方向に廻動したときに閉成されるスイッチ
100Lと、同ピットマンアーム88が右舵方向に廻動
したときに閉成されるスイッチ100Rとを備え、これ
らのスイッチ100L及び100Rは、ピットマンアー
ム88が中立位置にあるときは、何れも開路するように
構成されている。なお、図3では便宜的に各スイッチ1
00L及び100Rの作動ロッドが、直接ピットマンア
ーム88と協働するように画かれているが、実際には、
上述したように、舵角センサ100の入力レバー102
と協働する。
【0024】また、前記補助運転席38に設けられたス
テアリングホイール40のステアリングシャフト106
には、自体公知の全油圧型ステアリングユニット108
が連結され、同ステアリングユニット108は後述する
ように、上記第2油圧操舵装置を構成する油圧式ギヤボ
ックス86に接続されてその作動を制御する。上記パワ
ーステアリングブースタ62及び全油圧型ステアリング
ユニット108の油圧供給管路110a及び112a
は、第1の電磁作動の油圧切換弁114を介して択一的
に油圧ポンプ又は圧油源116に接続される。同油圧ポ
ンプ116は、車両のエンジン22によって駆動され又
は適宜の電源、例えば車載バッテリ118(図3参照)
により給電される電動モータによって駆動され、オイル
タンク120内に貯溜された作動油を加圧して吐出管路
122を介し上記第1の油圧切換弁114に供給する。
【0025】上記パワーステアリングブースタ62の戻
り管路110bは、第1のコネクタ124を介してオイ
ルタンク120に接続されている。また、上記全油圧型
ステアリングユニット108の左舵出力管路112Lは
第2の電磁作動の油圧切換弁126に接続され、同油圧
切換弁126の作動により上記油圧式ギヤボックス86
の右舵入力管路128R又は第2のコネクタ130を介
し上記オイルタンク120に連通される。さらに上記全
油圧型ステアリングユニット108の右舵出力管路11
2Rは、第3の電磁作動の油圧切換弁132に接続さ
れ、同油圧切換弁132の作動により上記油圧式ギヤボ
ックス86の左舵入力管路128L又は上記第2コネク
タ130を介しオイルタンク120に連通される。
【0026】さらに、上記第1油圧切換弁114と油圧
式ギヤボックス86との間に、第4の電磁作動の油圧切
換弁134が配設され、同油圧切換弁134は、後に詳
細に説明するように、車両の運転者が主運転席14から
離席したのち、補助運転席38で操舵を行なうに先立
ち、前記舵角センサ100と協働して上記油圧式ギヤボ
ックス86を中立位置に強制的に駆動し、操舵車輪とし
ての前輪50を中立即ち直進状態に復帰させるように作
動する。
【0027】次に、図3の油圧回路(実線で示す)及び
電気回路(点線で示す)図において、136は車両のト
ランスミッション24がニュートラルに操作されたとき
に閉成され、その他の前進及び後進変速段に操作された
ときに開路されるトランスミッションスイッチ、138
は主運転席14の周辺に配置されたパーキングブレーキ
レバーが操作されてパーキングブレーキが作動状態のと
きに閉成されると共にパーキングブレーキが解除されて
いるときに開路されるパーキングブレーキスイッチ、1
40は上記主運転席14に運転者が着座するときに開路
されると共に、運転者が主運転席から離席したときに閉
成されるシートスイッチであり、これらのスイッチ13
6ないし140は、上記第1油圧切換弁114及び上記
舵角センサ100内のスイッチ100L,100Rを含
む第4油圧切換弁134の付勢回路(以下、場合により
第1付勢回路という)の電源118側に直列に介装され
ている。
【0028】また、車両の補助運転席38には、同運転
席に移動した運転者が、押しボタン142aをスプリン
グ142bに抗して押圧しているときだけ閉成され、同
運転者が押しボタン142aを押圧することをやめたと
き、即ち操作力が除かれたときに、上記スプリング14
2bにより自動的に開路される手動のスイッチ装置14
2が設けられ、同スイッチ装置142は、上記第1、第
2及び第3油圧切換弁114,126及び132の付勢
回路(以下場合により第2付勢回路という)内に介装さ
れている。さらに、スイッチ装置142は、その閉路に
よって前輪50が補助運転席38のステアリングホイー
ル40を操向操作することによって操舵可能な状態であ
ることを示す運転状態検出手段を構成している。なお、
図3において符号Sは車両のキースイッチを示す。
【0029】次に、図5ないし図7に良く示されている
ように、上記ナックル52は前輪50を図示しないベア
リング装置を介して回転自在に支持するスピンドル部5
2aと、略平らな板状の基部52bと、同基部52bの
上下両端部に夫々車幅方向内方に向って突設され、キン
グピン146の上下両端部を相対回転可能に支持する上
下のキングピン支持腕52cとを備え、上記キングピン
146は前車軸44の車幅方向の端部に支持されてい
る。
【0030】また、ナックル52の基部50bには、車
幅方向内方に向って延びた調整ボルト148が螺合され
てストッパ部材を構成している。また、前車軸44のキ
ングピン146より車幅方向内方部分に、上記ストッパ
部材148と協働する隆起部150が設けられ、同隆起
部150はストッパ受部を構成している。
【0031】上記ナックル52がキングピン146の軸
線O−Oの回りに廻動して、上記ストッパ部材即ち調整
ボルト148の頭部頂面が上記ストッパ受部150に当
接することによって、ナックル52、従って同ナックル
52に支持された前輪50の最大舵角が設定される。同
最大舵角は、調整ボルト148の螺合深さを調整して所
要の舵角に調定されたのち、ロックナット152を締付
けて同ボルト148を固定することによって設定され
る。
【0032】図5ないし図7は、左方の前輪50の取付
部分を示し、上記ストッパ部材148とストッパ受部1
50の協働により、左方前輪50の左舵方向の最大舵角
が設定され、左方前輪50の左舵最大舵角が設定される
と、前記タイロッドアーム66及びタイロッド68を介
して右方前輪50の左舵方向の最大舵角が実質的に同一
舵角に設定される。図示はされていないが、右方の前輪
50のナックル52にも、上記と同様のストッパ部材1
48が設けられ、また右方のナックル52をキングピン
146を介して枢支する前車軸44の右端部分には上記
と同様のストッパ受部150が設けられており、右方ナ
ックル52のストッパ部材148とストッパ受部150
との協働によって、右方の前輪50の右舵方向の最大舵
角が設定される。右方の前輪50の右舵最大舵角が設定
されることによって、タイロッドアーム66及びタイロ
ッド68を介して左方前輪50の右舵方向の最大舵角が
実質的に同一舵角に設定される。
【0033】図6及び図7に良く示されているように、
上記調整ボルト148を固定するロックナット152を
利用してナックル52の基部52bにブラケット154
の一端が固着され、同ブラケット154の他端にエアシ
リンダ装置156が取付けられている。同エアシリンダ
装置156のピストン軸158の先端自由端部にスペー
サ部材160が装着されており、エアシリンダ装置15
6とそのピストン軸158に装着されたスペーサ部材1
60とによって、左舵用の最大舵角可変手段が構成され
ている。なお、右方前輪50側にも上記と実質的に同一
のエアシリンダ装置156及びスペーサ部材160とか
らなる右舵用の最大舵角可変手段が配設されている。
【0034】図6及び図7に実線で示されているよう
に、上記ピストン軸158がシリンダ内に縮入している
第1位置では、上記スペーサ部材160がストッパ部材
148とストッパ受部150との間に挿入されず、従っ
て左右の前輪50は、通常の大きい最大舵角で操舵され
る。また、上記ピストン軸158がシリンダから伸出し
た第2位置では、図6に一点鎖線で示されているよう
に、スペーサ部材160がストッパ部材148即ち調整
ボルトの頭部に接する位置に変位する。
【0035】この結果、図5の部分的断面図に示されて
いるように、ナックル52がキングピン146の回りに
廻動したとき、ストッパ受部150にスペーサ部材16
0が当接し、換言すればストッパ部材148とストッパ
受部150との間にスペーサ部材160が挿入された形
となるので、ナックル52、従って前輪50の最大舵角
がスペーサ部材160の厚さ分だけ小さく設定されるこ
ととなる。
【0036】上記左右の前輪50を支持する左右のナッ
クル52に夫々設けられた上記シリンダ装置156の制
御装置又は制御手段は図8の概略構成図に示すとおりで
ある。同図中、符号162は第1の電磁切換弁、164
は第2の電磁切換弁、166はコネクタ、168は圧縮
空気タンク又は圧縮空気源、170はソレノイド170
aと同ソレノイドにより開閉されるリレースイッチ17
0bとを備えたリレー装置、172及び174はコネク
タである。なお、図6及び図7において符号176は前
輪50に設けられたドラムブレーキのバックプレートで
ある。
【0037】上記操舵装置の作動態様を、主として図3
の油圧回路及び電気回路図及び図8の空気回路及び電気
回路図を参照して説明する。先ず、作業車の運転者が主
運転席14に着座して運転している場合、トランスミッ
ション24が前進又は後進の何れかの変速段に選択され
ているので、トランスミッションスイッチ136は開路
し、またパーキングブレーキは作動していないのでパー
キングブレーキスイッチ138は開路し、さらに主運転
席14に運転者が着座しているのでシートスイッチ14
0も開路している。従って、第1油圧切換弁114及び
舵角センサ100のスイッチ100L,100R、並び
に第4油圧切換弁134を含む第1付勢回路は電源11
8から遮断されている。また、補助運転席38のスイッ
チ装置142は勿論操作されず開路しているので、第1
油圧切換弁114、第2油圧切換弁126及び第3油圧
切換弁132を含む第2付勢回路も電源118から遮断
されている。
【0038】このとき、3位置式の第1油圧切換弁11
4は中立位置114Nにあり、2位置式の第2及び第3
油圧切換弁126及び132は夫々休止位置126N及
び132Nにある。また、全油圧型ステアリングユニッ
ト108は図示の中立又は休止位置にある。従って、油
圧ポンプ116から吐出管路122に供給された作動圧
油は、中立位置114Nにある第1油圧切換弁114を
経てパワーステアリングブースタ62の油圧供給管路1
10aに供給され、運転者がステアリングホイール16
を左又は右方向に廻動させることによって、第1ピット
マンアーム64が左舵又は右舵方向に廻動し、第1ドラ
ッグリンク60及び第1ナックルアーム58並びにタイ
ロッド68を介して、左右の前輪50がステアリングホ
イール16の操作方向及び操作量に応じて左舵又は右舵
方向に所要の舵角で操舵される。パワーステアリングブ
ースタ62の戻り作動圧油は、戻り管路110b及び第
1コネクタ124を経てオイルタンク120に流れる。
【0039】上記前輪50の左舵又は右舵操舵に伴ない
油圧式ギヤボックス86の第2ピットマンアーム88
が、第2ナックルアーム82及び第2ドラッグリング8
4を介して従動回転することとなるが、上記ギヤボック
ス86のシリンダ90の右舵圧力室90Rが、右舵入力
管路128Rから休止位置126Nにある第2油圧切換
弁126及び中立位置134Nにある第4油圧切換弁1
34を経て第2コネクタ130及び第1コネクタ124
を通りオイルタンク120に連通すると共に、上記シリ
ンダ90の左舵圧力室90Lが、左舵入力管路128L
から休止位置132Nにある第3油圧切換弁132及び
中立位置134Nにある第4油圧切換弁134を経て第
2コネクタ130及び第1コネクタ124を通りオイル
タンク120に連通し大気に開放されている。従って、
上記第2ピットマンアーム88の従動回転は小さな抵抗
で円滑に行なわれる。
【0040】一方、上記主運転席14のステアリングホ
イール16を操作して操舵が行なわれているときは、補
助運転席38のスイッチ装置142が操作されず開路し
ているので、図8に示した制御装置又は手段に含まれて
いるリレー装置170のソレノイド170aが消勢され
ており、常閉のリレースイッチ170bが閉路してい
る。従って、第1電磁切換弁162が付勢されると共
に、第2電磁切換弁164が消勢されている。
【0041】上記第1電磁切換弁162の付勢により、
圧縮空気源168内の圧縮空気が、第1電磁切換弁16
2を通りコネクタ172を経て左右のナックル52に夫
々設けられたエアシリンダ装置156のピストン上側の
圧力室に供給されると共に、各エアシリンダ装置156
のピストン下側の圧力室はコネクタ174及び第2電磁
切換弁164を経て大気に連通される。このため左右の
エアシリンダ装置156のピストン軸158が夫々シリ
ンダ内に縮入し、スペーサ部材160は図6及び図7に
実線で示されている休止又は不作動位置にあるので、左
右の前輪50は通常の大きい最大舵角内で操舵される。
【0042】上記のように、主運転席14のステアリン
グホイール16を操作して操舵を行ない、かつアクセル
ペダル18その他の走行制御装置を操作して駐機してい
る航空機の下側に作業車を進入させ、所要の作業が終了
したのち、航空機の下側から退去することとなるが、こ
の際、航空機の周辺には、点検、整備等のための作業者
が頻繁に往来するので、運転者が主運転席14に着座し
たままで後方を視認しながら後進し退去することは、安
全上問題がある。そこで、作業車の後進退去時に、運転
者が補助運転席38に移動し、後進方向を向いてステア
リングホイール40を操作して操舵を行ない、かつアク
セルペダル42等の走行制御装置を操作して、航空機か
ら十分離れた安全な地点まで作業車を移動させ、その
後、再び主運転席14に移って通常の運転を行なうこと
が安全上有利である。
【0043】運転者が主運転席14から補助運転席38
に移動する場合、主運転室に設けられているトランスミ
ッション24の変速操作レバーはニュートラルに操作さ
れ、かつパーキングブレーキが作動されるので、トラン
スミッションスイッチ136が閉成されると共に、パー
キングブレーキスイッチ138が閉成される。また、そ
の後運転者が補助運転席38に移動するために、主運転
席14から離席することによって、シートスイッチ14
0が閉成され、第1付勢回路が電源118に接続され
る。
【0044】第1付勢回路が電源118に接続されるこ
とによって、第1油圧切換弁114が、復帰作動位置1
14Aに切換えられる。また、このとき前輪50が右舵
操舵されていると、舵角センサ100の右舵スイッチ1
00Rを介して、第4油圧切換弁134が右舵位置13
4Rに切換えられる。この結果、油圧ポンプ116から
吐出された作動圧油が、復帰作動位置114Aに切換え
られている第1油圧切換弁114から右舵位置134R
に切換えられている第4油圧切換弁134を通り第2油
圧切換弁134に供給され、さらに未だスイッチ装置1
42が操作されていないため休止位置132Nにある第
2油圧切換弁132を経て油圧式ギヤボックス86のシ
リンダ90の左舵圧力室90Lに供給される。一方、シ
リンダ90の右舵圧力室90Rは、休止位置126Nに
ある第1油圧切換弁126から上記第4油圧切換弁13
4の右舵位置134Rにおける戻り通路を経て第2及び
第1コネクタ130及び124を介しオイルタンク12
0に連通される。
【0045】シリンダ90の左舵圧力室90Lに作動圧
油が供給されることによって、パワーピストン92が右
動し、第2ピットマンアーム88が中立位置に復帰し
て、前輪50が中立即ち直進状態に自動的に強制駆動さ
れる。同ピットマンアーム88が中立位置に復帰する
と、舵角センサ100の右舵スイッチ100Rが開成さ
れる。右舵スイッチ100Rの開路により、第4油圧切
換弁134が消勢されて再び中立位置134Nに切換え
られるので、上記左舵圧力室90Lへの作動圧油の供給
が遮断され、第2ピットマンアーム88に従って前輪5
0が中立位置に保持される。
【0046】運転者が主運転席14を離席したとき、前
輪50が左舵操舵されているときは、舵角センサ100
の左舵スイッチ100Lが閉成されているので、第1油
圧切換弁114が復帰作動位置114Aに切換えられる
と共に、第4油圧切換弁134が左舵位置134Lに切
換えられる。この結果、シリンダ90の右舵圧力室90
Rに行動圧油が供給され、パワーピストン92が左動し
て第2ピットマンアーム88が上記と同様に中立位置に
強制的に駆動され、前輪50が直進状態となる。第2ピ
ットマンアーム88が中立位置に復帰することによっ
て、上記左舵スイッチ100Lが開路され、第4油圧切
換弁134が上記と同様に中立位置134Nに復帰す
る。なお、作業車が航空機の下方に進入し、所要の作業
が終わったとき、前輪50が偶々中立位置にあるとき
は、上記中立復帰作動は勿論行なわれない。
【0047】上述したように、前輪50が中立状態に復
帰したのち、補助運転席38に移動した運転者は、前記
スイッチ装置142の押しボタン142aを押し続け、
パーキングブレーキを解除すると共に、トランスミッシ
ョンの変速操作レバーを後進位置に操作する。上記パー
キングブレーキの解除及びトランスミッション24の後
進位置へのシフト操作は、手動でも良く、また上記スイ
ッチ装置142の押しボタン142aを押すことによっ
て、自動的に行なうこともできる。上記パーキングブレ
ーキの解除によりパーキングブレーキスイッチ138が
開路し、またトランスミッション24が後進位置に操作
されることによってトランスミッションスイッチ136
が開路されるので、第1付勢回路が消勢されると共に、
上記スイッチ装置142の押しボタン142aが押圧さ
れているので同スイッチ装置が閉成されて第2付勢回路
が電源118に接続される。また、スイッチ装置142
の閉成によって図8におけるリレー装置170のソレノ
イド170aが付勢されると共に第2電磁切換弁164
が付勢される。
【0048】一方、上記ソレノイド170aの付勢によ
り、リレースイッチ170bが開路されて第1電磁切換
弁162が消勢される。従って、圧縮空気源168内の
圧縮空気が第2電磁切換弁164を通りコネクタ174
を経て左右のナックル52に設けられたエアシリンダ装
置156のピストン下側の圧力室に夫々供給されると共
に、各エアシリンダ装置156のピストン上側の圧力室
がコネクタ172から第1電磁切換弁162を経て夫々
大気に連通される。この結果、左右のエアシリンダ装置
156のピストン軸158がシリンダ外に伸出し、スペ
ーサ部材160が図6に一点鎖線で示されているように
ストッパ部材148を構成する調整ボルトの頭部に接す
る作動位置に変位し、既に説明したように前輪50の最
大舵角が、通常時より十分小さい舵角に設定される。こ
のとき、左右の前輪50が上述したように中立位置に強
制的に復帰されているので、上記スペーサ部材160の
作動位置への変位が妨げられることはない。
【0049】第2付勢回路が電源118に接続されるこ
とによって、第1油圧切換弁114が後部運転位置11
4Bに切換えられると共に、第2及び第3油圧切換弁1
26及び132が夫々後部運転位置126B及び132
Bに切換えられる。上記第1油圧切換弁114の後部運
転位置114Bへの切り換えによって、油圧ポンプ11
6から吐出された作動圧油は、吐出管路122から供給
管路112aを通って全油圧型ステアリングユニット1
08のコントロールバルブ144に供給される。
【0050】補助運転席38のステアリングホイール4
0が操作されず中立位置にあるときは、コントロールバ
ルブ144が中立位置144Nに保持されているので、
左舵及び右舵出力管112L及び112Rの何れにも作
動圧油が供給されず、供給管路112aに供給された作
動圧油は、戻り管路112bから第1コネクタ124を
経てオイルタンク120に還流し、油圧式ギヤボックス
86は図示の中立位置に保持されている。
【0051】次に、上記スイッチ装置142の押しボタ
ン142aを押したままステアリングホイール40を操
舵のため右方に廻動させると、コントロールバルブ14
4が切換位置144Rに切り換えられてステアリングホ
イールの廻動角に応じた油量の作動圧油がメータリング
ギヤ144aにより調量されて右舵出力管路112Rに
吐出され、後部運転位置132Bに切り換えられている
第3油圧切換弁132から油圧式ギヤボックス86の左
舵圧力室90Lに供給される。一方、同油圧ギヤボック
ス86の右舵圧力室90Rは、後部運転位置126Bに
切り換えられている第2油圧切換弁126からコントロ
ールバルブ144の切換位置144Rにおける弁ポート
を通り、戻り管路112bから第1コネクタ124を経
てオイルタンク120に流出する。
【0052】この結果、パワーピストン92が図3にお
いて右方に移動し、セクタシャフト94が左舵方向に回
転し、第2ピットマンアーム88、第2ドラッグリンク
84、第2ナックルアーム82及びナックル52を介し
て操舵車輪即ち前輪50が前進方向に関して左舵操舵さ
れる。図1に示されているように、ステアリングホイー
ル40を操作する運転者は、車両の後方を向いて運転し
ており、車両は後進しているので、前輪50を左舵操舵
することによって、車両は右方に旋回し、結果的に右舵
操舵が行なわれることとなる。
【0053】同様に、上記スイッチ装置142の押しボ
タン142aを押したままステアリングホイール40を
左方に操舵廻動させると、コントロールバルブ144が
切換位置144Lに切り換えられてステアリングホイー
ルの廻動角に応じた油量の作動圧油が、メータリングギ
ヤ144aにより調量されて左舵出力管路112Lに吐
出され、後部運転位置126Bに切り換えられている第
2油圧切換弁126から油圧式ギヤボックス86の右舵
圧力室90Rに供給される。一方、同油圧式ギヤボック
ス86の左舵圧力室90Lは、後部運転位置132Bに
切り換えられている第3油圧切換弁132からコントロ
ールバルブ144の切換位置144Lにおける弁ポート
を通り、戻り管路112bから第1コネクタ124を経
てオイルタンク120に流出する。
【0054】この結果、パワーピストン92が図3にお
いて左方に変位し、セクタシャフト94が右舵方向に回
転し、第2ピットマンアーム88、第2ドラッグリンク
84、第2ナックルアーム82及びナックル52を介し
て前輪50が前進方向に関して右舵操舵される。車両は
後進しているので、上記前輪50の右舵操舵により車両
は左方に旋回し、結果的に左舵操舵が行なわれることと
なる。上記右舵及び左舵操舵の何れの場合でも、上述し
たようにスイッチ装置142の閉成即ち運転状態検出手
段により補助運転席38で操舵が行なわれる状態が検出
されることによって、最大舵角可変手段が作動して最大
舵角が通常運転時の最大舵角より十分小さい舵角に設定
されるので、急激な回頭変位、換言すれば後進走行に当
って前輪50側が大きな旋回変位を起すことがないの
で、作業車周辺の器物や作業者等との接触を効果的に防
止することができる利点がある。また、上記補助運転席
38で操舵が開始される際に、前述したように前輪50
が中立位置に強制的に復帰されていて、中立位置から操
舵が開始されることも、安全性の一層の向上に有益であ
る。
【0055】上述したように、補助運転席38での操舵
及び運転操作により、作業車が駐機している航空機から
十分な距離離れた地点に達したときに停止させ、トラン
スミッションをニュートラルにシフトすると共に、パー
キングブレーキを作動させたのち、上記スイッチ装置1
42の押しボタン142aから手を離すと、スプリング
142bにより同スイッチ装置142が開路する。その
後、運転者は前方の主運転席14に戻り、前述した通常
の運転操作を行なうこととなる。
【0056】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、特許請求の範囲内で上記実施形態に種々の変
更、修正を加え実施することができる。例えば、運転者
が主運転席14から補助運転席38に移動して、同補助
運転席38で操舵を開始する以前に、前輪50を強制的
に中立位置に復帰させる装置が設けられているが、この
強制的中立復帰装置又は手段を省いて、図3に示した電
気回路のうち上記第1付勢回路を省くと共に油圧回路を
簡素化することができる。この場合、運転者が主運転席
14を離れ補助運転席38に移動する以前に、ステアリ
ングホイール16を操作して必ず前輪50を手動で中立
位置に復帰させ、又は上記最大舵角可変手段を構成する
スペーサ部材160がストッパ部材148とストッパ受
部150との間に挿入されることが妨げられない十分小
さい舵角まで戻すことを運転マニュアル等により励行す
るか、又は上記スペーサ部材160が進入し得ない大き
な舵角の場合ブザー等の警報装置を作動させて、舵角を
中立又はそれに近い小さい舵角に戻すことを促すように
すれば良い。
【0057】また、上記最大舵角可変手段に含まれるス
ペーサ部材160及びエアシリンダ装置156は、配置
スペースの関係からナックル52に設けられることが好
ましいが、スペース的に可能な場合、他の車両構成部
材、例えば前車軸44側に配置しても良い。さらに、ス
ペーサ部材160を出没自在に駆動するアクチュエータ
として、上記エアシリンダ装置156に代え油圧シリン
ダ装置や電磁的アクチュエータ等を採用することができ
る。なおまた、上記実施形態では、複動型のエアシリン
ダ装置156が用いられているが、ピストン軸158の
シリンダ内への縮入又はシリンダ外への伸出の何れか一
方を、同シリンダ内に収容されたリターンスプリングに
よって行ない、圧縮空気回路の簡素化を図っても良い。
さらに、本発明は、例示した空港用作業車以外の主運転
席と補助運転席とを有する種々の車両に広く適用するこ
とができる。
【0058】
【発明の効果】叙上のように、本発明に係る主運転席と
補助運転席とを有する車両の操舵装置は、車両に設けら
れた主運転席及び補助運転席の任意の一方で行なわれる
操向操作によって操舵される操舵車輪と、同操舵車輪が
上記補助運転席における操向操作によって操舵される状
態であることを検出する運転状態検出手段と、上記操舵
車輪の最大舵角を変更し得るように設けられた最大舵角
可変手段と、上記運転状態検出手段により補助運転席で
操向操作が行なわれる状態が検出されたときの最大舵角
を、上記主運転席で操向操作が行なわれるときの最大舵
角より小さく設定するように上記最大舵角可変手段の作
動を制御する制御手段とを備えたことを特徴とし、運転
者が主運転席から補助運転席に移動して同補助運転席か
ら操舵を行なう際の最大舵角を小さく設定することによ
り、車両の過大な回頭変位を防止することができるの
で、車両周辺の器物や作業者との接触を効果的に防止
し、安全性を向上し得る利点がある。
【0059】本発明において、上記操舵車輪が車両の前
輪であって後輪は操舵されない車輪であり、且つ上記主
運転席が車両の前部に設けられると共に、補助運転席が
車両の後部に設けられることにより、使用頻度が高い主
運転での操舵装置の構成及び操舵性能を、通常の車両と
略同等にすることができ、また主運転席と補助運転席と
の間に、タンクや作業機器及び作業用設備のための十分
なスペースを確保しながら、補助運転席での操舵を容易
かつ安全に行ない得る利点がある。また、本発明におい
て、上記最大操角可変手段が、上記操舵車軸を支持する
ナックルに設けられたストッパ部材と、キングピンを介
して上記ナックルを操向可能に枢支する前車軸に設けら
れ上記ストッパ部材に当接することによって上記主運転
席での操舵時における最大舵角を設定するストッパ受部
と、上記ストッパ部材及びストッパ受部間に挿入される
ことによって上記補助運転席での操舵時における最大舵
角を設定する出没自在のスペーサ部材とから構成されて
いることにより、上記最大舵角可変手段の配置が容易
で、かつ既存のナックル及び前車軸に大きな構造変更を
施す必要がないので、製造コストが安い利点がある。さ
らに、本発明において、上記運転状態検出手段が、上記
補助運転席に設けられ同補助運転席側からの操舵が可能
な状態と同補助運転席側からの操舵が不能な状態とに選
択的に切換えられるスイッチ装置であることが好まし
く、この構成により補助運転席での操舵に際して操作さ
れるように設けられている通常のスイッチ装置を利用す
ることができるので、構造簡単で安価な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る操舵装置を適用した空港用作業車
の概略側面図である。
【図2】図1に示した作業車の操舵装置全体を抽出して
示した概略斜視図である。
【図3】図2に示した操舵装置全体の油圧回路及び電気
回路図である。
【図4】図1に示した作業車の前輪の舵角センサ取付部
分を示した部分的側面図である。
【図5】図1に示した作業車における前輪の最大舵角可
変手段を示す要部断面図(図6のV−V線に沿う断面)
である。
【図6】図5に示した最大舵角可変手段を含む前輪支持
部分を示す正面図である。
【図7】図5におけるナックルを車体内方から外側に向
って視た側面図である。
【図8】図5ないし図7に示した最大舵角可変手段の制
御手段を示した概略構成図である。
【符号の説明】
10…車台フレーム、12…主運転室、14…主運転
席、16…ステアリングホイール、18…アクセルペダ
ル、22…エンジン、24…トランスミッション、26
…プロペラシャフト、28…後車軸、34…後輪、36
…エンジンフード、38…補助運転席、40…ステアリ
ングホイール、42…アクセルペダル、50…前輪(操
舵車輪)、52…ナックル、58…第1ナックルアー
ム、60…第1ドラッグリンク、62…パワーステアリ
ングブースタ、64…第1ピットマンアーム、68…タ
イロッド、70…ステアリングシャフト、74…ベベル
ギヤボックス、80…ユニバーサルシャフト、82…第
2ナックルアーム、84…第2ドラッグリンク、86…
油圧式ギヤボックス、88…第2ピットマンアーム、9
0…シリンダ、92…パワーピストン、96…センサ作
動ロッド、100…舵角センサ、108…全油圧型ステ
アリングユニット、114…第1油圧切換弁、116…
油圧ポンプ又は油圧源、118…電源、120…オイル
タンク、126…第2油圧切換弁、132…第3油圧切
換弁、134…第4油圧切換弁、136…トランスミッ
ションスイッチ、138…パーキングブレーキスイッ
チ、140…シートスイッチ、142…スイッチ装置、
144…コントロールバルブ、146…キングピン、1
48…調整ボルト(ストッパ部材)、150…ストッパ
受部、156…エアシリンダ装置、160…スペーサ部
材。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に設けられた主運転席及び補助運転
    席の任意の一方で行なわれる操向操作によって操舵され
    る操舵車輪と、同操舵車輪が上記補助運転席における操
    向操作によって操舵される状態であることを検出する運
    転状態検出手段と、上記操舵車輪の最大舵角を変更し得
    るように設けられた最大舵角可変手段と、上記運転状態
    検出手段により補助運転席で操向操作が行なわれる状態
    が検出されたときの最大舵角を、上記主運転席で操向操
    作が行なわれるときの最大舵角より小さく設定するよう
    に上記最大舵角可変手段の作動を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする主運転席と補助運転席とを有す
    る車両の操舵装置。
  2. 【請求項2】 上記操舵車輪が車両の前輪であって後輪
    は操舵されない車輪であり、且つ上記主運転席が車両の
    前部に設けられると共に、補助運転席が車両の後部に設
    けられたことを特徴とする請求項1記載の主運転席と補
    助運転席とを有する車両の操舵装置。
  3. 【請求項3】 上記最大舵角可変手段が、上記操舵車輪
    を支持するナックルに設けられたストッパ部材と、キン
    グピンを介して上記ナックルを操向可能に枢支する前車
    軸に設けられ上記ストッパ部材に当接することによって
    上記主運転席での操舵時における最大舵角を設定するス
    トッパ受部と、上記ストッパ部材及びストッパ受部間に
    挿入されることによって上記補助運転席での操舵時にお
    ける最大舵角を設定する出没自在のスペーサ部材とから
    構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の主運転席と補助運転席とを有する車両の操舵装
    置。
  4. 【請求項4】 上記運転状態検出手段が、上記補助運転
    席に設けられ同補助運転席側からの操舵が可能な状態と
    同補助運転席側からの操舵が不能な状態とに選択的に切
    換えられるスイッチ装置であることを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載の主運転席と補助運転席とを有する
    車両の操舵装置。
JP21541197A 1997-07-04 1997-07-04 主運転席と補助運転席とを有する車両の操舵装置 Expired - Fee Related JP3887897B2 (ja)

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