JPH11205145A - Ad変換器 - Google Patents

Ad変換器

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JPH11205145A
JPH11205145A JP10005732A JP573298A JPH11205145A JP H11205145 A JPH11205145 A JP H11205145A JP 10005732 A JP10005732 A JP 10005732A JP 573298 A JP573298 A JP 573298A JP H11205145 A JPH11205145 A JP H11205145A
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Minoru Takeuchi
稔 竹内
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Mitsubishi Electric Corp
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/12Analogue/digital converters
    • H03M1/34Analogue value compared with reference values
    • H03M1/38Analogue value compared with reference values sequentially only, e.g. successive approximation type
    • H03M1/46Analogue value compared with reference values sequentially only, e.g. successive approximation type with digital/analogue converter for supplying reference values to converter
    • H03M1/466Analogue value compared with reference values sequentially only, e.g. successive approximation type with digital/analogue converter for supplying reference values to converter using switched capacitors
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
    • H03K5/00Manipulating of pulses not covered by one of the other main groups of this subclass
    • H03K5/22Circuits having more than one input and one output for comparing pulses or pulse trains with each other according to input signal characteristics, e.g. slope, integral
    • H03K5/24Circuits having more than one input and one output for comparing pulses or pulse trains with each other according to input signal characteristics, e.g. slope, integral the characteristic being amplitude
    • H03K5/2472Circuits having more than one input and one output for comparing pulses or pulse trains with each other according to input signal characteristics, e.g. slope, integral the characteristic being amplitude using field effect transistors
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体集積回路を用いて実現されているAD
変換器のチョッパ型比較回路には、アナログ信号の電圧
と参照電圧が交互に印加される複数のMOSキャパシタ
の直列接続体が存在する。このMOSキャパシタの容量
がMOSキャパシタの両電極間の電圧に依存して変化す
ることに起因するAD変換誤差を減少させる。 【解決手段】 MOSキャパシタC1の両電極間の電圧
に応じて、MOSキャパシタC2-2をMOSキャパシタ
C2-1に並列に接続しまたは非接続とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はAD変換器に関
し、特に、半導体集積回路上に形成され、アナログ信号
の電圧を検出するために複数のMOSキャパシタを直列
に接続して用いる逐次比較方式のAD変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】アナログ信号をデジタル信号に変換する
AD変換器には、様々な方式が存在する。例えば、特開
平5−29941号公報には直並列型AD変換器に係る
発明が開示されており、特開平9−83316号公報に
は2ステップパラレル方式のAD変換器が開示されてい
る。本願の発明は、逐次比較方式のAD変換器に係わる
ものである。逐次比較方式のAD変換器を開示している
文献として、例えば、特開平2−246621号公報、
特開平5−235767号公報、特開平6−53834
号公報がある。これら公報に開示されている発明の中
で、特開平6−53834号公報に記載されている発明
はAD変換器の非直線性誤差を減少するためになされた
もので、本願の発明と同じ目的を持つ。しかし、特開平
6−53834号公報の発明のAD変換器と本願の発明
のAD変換器とは、その方式において同じであるが、回
路構成が大きく異なるため、この公報に記載のAD変換
器を問題点の説明には用いていない。また、AD変換器
の製造工程において発生する誤差を補正する手段を開示
している文献として特開昭54−153560号公報が
ある。
【0003】図16は従来のAD変換器の構成の一例を
示す回路図である。図16に示すAD変換器1は、上記
の全ての公報に記載されているAD変換器とは回路構成
を大きく異にしている。AD変換器1は、複数の参照電
圧を発生する電圧発生回路2とアナログ信号VINのレベ
ルを例えば第1および第2の参照電圧から生成されるレ
ベルと比較する比較回路3と、電圧発生回路2が出力す
る参照電圧を制御するためのデータを記憶する逐次近似
レジスタSARで構成されている。
【0004】電圧発生回路2には、接地電圧GNDと基
準電圧VREFとの間を均しく分割して参照電圧(タップ電
圧)VT0〜VT15を発生する抵抗ラダー回路4が含まれ
る。つまり、抵抗ラダー回路4は、同じ抵抗値を持つ抵
抗R0〜R15が直列に接続されて構成される。比較回
路3は、チョッパ型比較回路である。比較回路3は、一
方電極と他方電極を持つMOSキャパシタC1と、一方
電極と他方電極を持つとともにその他方電極の方をMO
SキャパシタC1の他方電極に接続しているMOSキャ
パシタC2と、スイッチS-pre1,S-pre2,S-cmp1,S-cm
p2,S-chopと、入力端子と出力端子を持つとともにその
入力端子をMOSキャパシタC1,C2の接続点N1に
接続しているCMOSインバータ5とで構成されてい
る。MOSキャパシタC1,C2は直列に接続されて一
つの直列接続体6を構成している。この直列接続体6の
一方端(MOSキャパシタC1の一方電極)にはスイッ
チS-pre1を介してアナログ信号VINが印加され、スイッ
チS-cmp1を介して第1の参照電圧が印加される。この第
1の参照電圧は、電圧発生回路2が発生する複数の参照
電圧の中から第1のスイッチ群7によって選択される。
また、直列接続体6の他方端(MOSキャパシタC2の
一方電極)には、スイッチS-pre2を介して接地電圧GN
Dが印加され、スイッチS-cmp2を介して第2の参照電圧
が印加される。この第2の参照電圧は、電圧発生回路2
が発生する複数の参照電圧の中から第2のスイッチ群8
によって選択される。
【0005】AD変換器1は、6ビットの分解能を有し
ており、その6ビットの分解能のうち4ビット分が抵抗
ラダー回路4の構成に係わり、2ビット分がMOSキャ
パシタC1,C2の構成に係わっている。なお、ここで
は、説明を簡単にするために、AD変換器1の回路図か
らはオフセットを調整する回路が省かれている。
【0006】AD変換器1は、逐次比較によって、最上
位ビットB5から順に値を決定する。最上位ビットB5
を“1”とするか“0”とするかは、アナログ信号VIN
が基準電圧VREFの2分の1より大きいか小さいかという
比較によって決定される。この明細書において、“”で
囲まれた数字は2進数であるものとする。次に、最上位
ビットB5の一つ下位にあるビットB4の値が決定さ
れ、値を決定するための対象が順次下位のビットへと移
っていく。このような逐次比較をするために、まず、第
2のスイッチ群8の中のスイッチS2-0を閉じたまま
で、第1のスイッチ群7の中のスイッチS1-8をまず閉
じ、続いて順次前回の電圧変化分の2分の1だけ電圧が
変化するようにスイッチの開閉を行う。すなわち、スイ
ッチS1-8に次いで、スイッチS1-4またはS1-12
を、次はスイッチS1-2、S1-6、S1-10またはS1-
14を、その次は、スイッチS1-1、S1-3、S1-5、S
1-7、S1-9、S1-11、S1-13またはS1-15を閉じ
る。第1のスイッチ群7の最終選択スイッチが確定する
と、第1のスイッチ群7のスイッチの選択動作を止め
て、第2のスイッチ群8の選択動作を行う。まずスイッ
チS2-2を閉じ、次にスイッチS2-1またはS2-3を閉
じる。
【0007】検出回路9は、各ビットB5〜B0の決定
段階において比較を実施する。電圧GNDを基準とする
アナログ信号VINをMOSキャパシタC1,C2に印加
したときのMOSキャパシタC1,C2の接続点N1の
電圧と、抵抗ラダー回路4で発生される電圧をMOSキ
ャパシタC1,C2に印加したときの接続点N1の電圧
とを比較する。その比較においてまず、検出回路9は、
スイッチS-chopを閉じて、MOSキャパシタC1,C2
の接続点N1の電圧がしきい値電圧に達するまでプリチ
ャージする。ここでしきい値電圧は、検出回路9が入力
端子に印加される電圧と比べるのに用いられる、すなわ
ち検出の基準とされる電圧であり、プリチャージ電圧と
一致する。図17はCMOSインバータ5の入力電圧と
出力電圧との関係を示すグラフである。図17は、CM
OSインバータ5に供給される電源電圧が0VとVDDで
あり、CMOSインバータ5のしきい値電圧が0.5V
DDであることを示している。プリチャージ時には、MO
SキャパシタC1の一方電極にはアナログ信号VINが印
加され、MOSキャパシタC2の一方電極には接地電圧
GNDが印加されている。
【0008】プリチャージが終了すると、比較回路3
は、スイッチS-chopを開いて入力インピーダンスを高く
することによりMOSキャパシタC1,C2の接続点N
1をフローティングの状態にし、接続点N1の電圧とし
きい値電圧VTH1とを比較する。このとき、MOSキャ
パシタC1の一方電極とMOSキャパシタC2の一方電
極には、抵抗ラダー回路4で生成される参照電圧VT0〜
VT15のいずれかの電圧がそれぞれ第1および第2の参
照電圧として印加されている。
【0009】次に、比較回路3のスイッチの動作と電圧
発生回路2のスイッチの動作とに言及しつつAD変換回
路の動作について図18を用いて説明を行う。図18は
従来のAD変換器1の動作を説明するためのタイミング
チャートである。時刻t1において、比較回路3のスイ
ッチS-chopが閉じる。このとき同時に、スイッチS-pre
1,S-pre2が閉じるとともにスイッチS-cmp1,S-cmp2が
開く。この状態では、スイッチS-chopを通して電荷が供
給されて、CMOSキャパシタC1,C2の接続点N1
の電圧が比較回路3(検出回路9)のしきい値電圧VTH
1に保たれる。しきい値電圧VTH1は、トランジスタT
R1,TR2で構成されているCMOSインバータ5の
しきい値電圧であって、プリチャージ時にはプリチャー
ジ電圧となる。CMOSキャパシタC1には、アナログ
信号VINとしきい値電圧VTH1との差に相当する電圧が印
加される。また、CMOSキャパシタC2には、しきい
値電圧VTH1と電圧GNDとの差に相当する電圧が印加
される。
【0010】時刻t2において、スイッチS-chopが開
く。CMOSインバータ5の入力インピーダンスが大き
く、つまり接続点N1がフローティングの状態であるた
め、接続点N1の電位は保たれる。時刻t2とt3の間
で、スイッチS-pre1,S-pre2が開くと同時にスイッチS-
cmp1,S-cmp2が閉じる。切り替え回路3の第1のスイッ
チ群7および第2のスイッチ群8の中のスイッチが、こ
の逐次近似レジスタSARのデータに従い、逐次近似レ
ジスタSARのデータとの間に表1,表2に示す関係を
持って選択的に閉じる。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】時刻t1〜t3の間では、逐次近似レジス
タSARに“100000”という値を持つデータが記
憶されている。従って、時刻t1〜t3の間では、スイ
ッチS1-8とスイッチS2-0が閉じている。スイッチS-
cmp1,S-cmp2が閉じている間に、比較回路3で比較が行
われる。このとき、CMOSキャパシタC1,C2の接
続点N1の電圧がしきい値電圧VTH1より高ければ出力
されるデジタル信号の最上位ビットB5の値が“1”に
確定し、低ければ“0”に確定する。
【0014】次の時刻t3〜t5の間に行われる比較で
は、デジタル信号の最上位ビットB5の値が“1”の場
合には逐次近似レジスタSARのデータは“11000
0”となり、その値が“0”の場合にはそのデータは
“010000”となる。時刻t3〜t5の間では、逐
次近似レジスタSARのデータが“110000”の場
合にはスイッチS1-12が閉じて比較が行われ、このデ
ータが“010000”の場合にはスイッチS1-4が閉
じて比較が行われる。上記のような逐次比較動作を続け
て、デジタル信号の最上位ビットB5から下位ビットへ
と順次各位のビットB5〜B0の値が決定される。
【0015】ところで、逐次比較動作における比較時、
MOSキャパシタC1,C2の接続点N1の電圧VN1は
数1で表される。数1において、[:]は2進数表示の
データから10進数表示の値を形成する記号である。例
えば[B5:B2]と書けば逐次比較レジスタSARの
ビットB5〜ビットB2からなる4桁で表示される値を
10進数で表示することを示す。また、[B1:B0]
と書けば逐次比較レジスタSARのビットB1〜ビット
B0からなる2桁で表示される値を10進数で表示する
ことを示す。例えば、逐次比較レジスタSARに記憶さ
れているデータが“110010”の場合、[B5:B
2]は12、[B1:B0]は2である。MOSキャパ
シタC1の容量がMOSキャパシタC2の4倍であると
すると、つまりC1=C2×4の条件を数1に適用する
と数2が導かれる。
【0016】
【数1】
【0017】
【数2】
【0018】比較回路3の出力は、接続点N1の電圧VN
1がしきい値電圧VTH1より低い場合、すなわち、次の数
3に記述されている条件を満足する場合には“1”とな
る。
【0019】
【数3】
【0020】AD変換器1に入力されるアナログ信号VI
Nと、AD変換器1から出力されるデジタル信号OUT
で表示される電圧との間には数4の関係が成り立つ。A
D変換器1によれば、デジタル信号OUTは、数4の関
係を満足する最大の値に決定される。
【0021】
【数4】
【0022】換言すれば、逐次近似レジスタSARに特
定のデータ[B5:B0]が得られている場合、アナロ
グ信号VINは数5で与えられる範囲にある。
【0023】
【数5】
【0024】さて、上記の数1〜数5に表されている関
係は、図16に示すAD変換器1の構成要素、例えば抵
抗や容量が理想的な特性を持つ場合に成り立つ。しか
し、現実のAD変換器1の構成要素は必ずしも理想的な
特性を持つものではない。特に、半導体集積回路上にA
D変換器1を実現しようとした場合、直列接続体6にM
OSキャパシタC1、C2が頻繁に用いられる。このよ
うなMOSキャパシタC1,C2は、例えば図19に示
すような構成を持っており、そのため例えば図20に示
すような容量‐バイアス電圧特性を持っている。図19
は従来のAD変換器で用いられているMOSキャパシタ
の断面構成を示す模式図である。図20は拡散層の電位
を基準とするゲート電極電圧(横軸)とMOSキャパシ
タの容量(縦軸)との関係を示すグラフである。図19
にはゲート酸化膜11を挟んでゲート電極10と拡散層
12が形成され、ゲート電極10と拡散層12の間で容
量を持つMOSキャパシタが示されている。ゲート電極
10とゲート酸化膜11と拡散層12を形成するための
基体となっているシリコン基板13には、AD変換器の
他の構成要素も形成される。
【0025】図19に示すMOSキャパシタを図16の
MOSキャパシタC1,C2に使用する場合、寄生容量
の弊害を避けるためゲート電極10はCMOSインバー
タ5の入力端子(トランジスタTR1,TR2のゲート
電極)に接続される。アナログ信号VINの電圧が高く、
そのため基準電圧VREFを入力する端子に近い側に存する
第1のスイッチ群7のスイッチ(例えばS1-15)が導
通している場合、MOSキャパシタC1の拡散層12の
電位がゲート電極10の電位より高くなり、MOSキャ
パシタC1の容量がMOSキャパシタC2の容量の4倍
に満たなくなる。このため、AD変換器1は、AD変換
の際に、[B1:B0]が0でない場合に誤差を生じ
る。従って、逐次近似レジスタSARに得られているデ
ジタル信号[B5:B0]が示す電圧とアナログ信号VI
Nとの間には数6に示す関係が生じる。数6において、
ΔV1およびΔV2は、それぞれ[B5:B0]+1と
[B5:B0]において生じる誤差であり、([B5:
B0]+1)、[B5:B0]が3のとき最大となり、
これらが0のとき最小となる。
【0026】
【数6】
【0027】AD変換器1において、第1のスイッチ群
7のうちのいずれかのスイッチが閉じるが、閉じている
スイッチが基準電圧VREFに近い電圧を選択するものであ
るほど、MOSキャパシタC1の容量変化に起因する誤
差は大きくなる。図21は、数6の結果、すなわちAD
変換の誤差特性を示すグラフであり、デジタル信号の値
と誤差との関係を示している。
【0028】MOSキャパシタC1の容量変化に起因す
る誤差を抑制するには、MOSキャパシタC1のバイア
ス電圧依存性を小さくすればよい。そのためには、MO
Sキャパシタの拡散層12の不純物濃度を上げる方法が
一般的である。不純物を注入器を用いて注入する場合、
単位時間当たりの注入量が増やせなければ長時間注入す
る必要が生じ、生産能力の低下を招く。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】従来のAD変換器は以
上のように構成されており、MOSキャパシタの容量が
MOSキャパシタの両電極間に印加される電圧に依存し
て変化するため、アナログ信号とデジタル信号が示す値
の間に誤差を生じるという問題がある。
【0030】この発明は上記の問題点を解消するために
なされたものであり、MOSキャパシタを使用しながら
MOSキャパシタの容量変化に起因する誤差を抑制し
て、精度の高いAD変換器を得ることを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るAD変
換器は、所定の電圧を基準として第1および第2の参照
電圧を発生する電圧発生回路と、相互に直列に接続され
ている複数のMOSキャパシタで構成されていて一方端
および他方端を持つ直列接続体を有し、該直列接続体の
所定の接続点の電圧をプリチャージ電圧に印加するとと
もにアナログ信号および前記所定の電圧をそれぞれ前記
直列接続体の前記一方端および前記他方端に印加して電
荷の供給を行い、前記プリチャージ電圧の印加を止める
とともに前記アナログ信号および前記所定の電圧に替え
て前記第1および第2の参照電圧を前記直列接続体の前
記一方端および前記他方端にそれぞれ印加するときに前
記所定の接続点に発生する電圧を予め定められているし
きい値電圧と比較する比較回路とを備え、前記直列接続
体は、前記所定の接続点と前記直列接続体の前記一方端
との間に存する容量に対して異なる容量を前記所定の接
続点と前記直列接続体の前記他方端との間に持ち、前記
比較回路は、前記直列接続体の一方端と前記接続点間の
容量と前記直列接続体の他方端と前記接続点間の容量と
の比を、前記第1および第2の参照電圧の少なくとも一
方の値に応じて調整することを特徴とする。
【0032】第2の発明に係るAD変換器は、第1の発
明のAD変換器において、前記電圧発生回路は、前記第
2の参照電圧を前記所定の電圧に固定して比較回路にお
ける比較が繰り返される度に前記第1の参照電圧の値を
前回の変化分の2分の1ずつ変化させ、続いて前記第1
の参照電圧の変化を止めて比較回路における比較が繰り
返される度に前記第2の参照電圧の値を前回の変化分の
2分の1ずつ変化させ、前記比較回路は、前記所定の接
続点と前記直列接続体の前記一方端との間に存する容量
よりも小さな容量を前記所定の接続点と前記直列接続体
の前記他方端との間に持ち、前記第1の参照電圧の所定
の値を境として前記直列接続体との接続と非接続を切り
替えて、前記直列接続体の前記一方端と前記接続点間の
容量と前記直列接続体の前記他方端と前記接続点間の容
量との比を調整するための調整用キャパシタをさらに有
することを特徴とする。
【0033】第3の発明に係るAD変換器は、所定の電
圧を基準として第1および第2の参照電圧を発生する電
圧発生回路と、相互に直列に接続されている複数のMO
Sキャパシタで構成されていて一方端および他方端を持
つ直列接続体を有し、該直列接続体の所定の接続点の電
圧をプリチャージ電圧に印加するとともにアナログ信号
および前記所定の電圧をそれぞれ前記直列接続体の前記
一方端および前記他方端に印加して電荷の供給を行い、
前記プリチャージ電圧の印加を止めるとともに前記アナ
ログ信号および前記所定の電圧に替えて前記第1および
第2の参照電圧を前記直列接続体の前記一方端および前
記他方端にそれぞれ印加するときに前記所定の接続点に
発生する電圧を予め定められているしきい値電圧と比較
する比較回路とを備え、前記直列接続体は、前記所定の
接続点と前記直列接続体の前記一方端との間に存する容
量よりも小さい容量を前記所定の接続点と前記直列接続
体の前記他方端との間に持ち、前記比較回路は、前記直
列接続体の前記一方端と前記所定の接続点との間にかか
る電圧を小さくなる方向にシフトさせるための電圧シフ
ト手段をさらに有することを特徴とする。
【0034】第4の発明に係るAD変換器は、第3の発
明のAD変換器において、前記電圧シフト手段は、前記
プリチャージ電圧および前記しきい値電圧を同じ値だけ
シフトすることを特徴とする。
【0035】第5の発明に係るAD変換器は、第4の発
明のAD変換器において、前記比較回路は、前記所定の
接続点に接続されている制御電極、第1の電源に接続さ
れている第1の電流電極、および前記比較回路の出力端
子に接続されている第2の電流電極を持つ第1のトラン
ジスタと、前記所定の接続点に接続されている制御電
極、第2の電源に接続されている第1の電流電極、およ
び前記比較回路の前記出力端子に接続されている第2の
電流電極を持つ第2のトランジスタと、前記第1のトラ
ンジスタの前記制御電極と前記第2の電流電極間に接続
され、前記直列接続体の前記所定の接続点を前記プリチ
ャージ電圧にするときに閉じ、前記所定の接続点に発生
する電圧を予め定められているしきい値電圧と比較する
ときに開いているスイッチをさらに有し、前記電圧シフ
ト手段は、前記第1のトランジスタのトランジスタ増幅
係数を前記第2のトランジスタのトランジスタ増幅係数
よりも小さくする構成を含むことを特徴とする。
【0036】第6の発明に係るAD変換器は、所定の電
圧を基準として第1および第2の参照電圧を発生する電
圧発生回路と、相互に直列に接続されている複数のMO
Sキャパシタで構成されていて一方端および他方端を持
つ直列接続体を有し、該直列接続体の所定の接続点の電
圧をプリチャージ電圧に印加するとともにアナログ信号
および前記所定の電圧をそれぞれ前記直列接続体の前記
一方端および前記他方端に印加して電荷の供給を行い、
前記プリチャージ電圧の印加を止めるとともに前記アナ
ログ信号および前記所定の電圧に替えて前記第1および
第2の参照電圧を前記直列接続体の前記一方端および前
記他方端にそれぞれ印加するときに前記所定の接続点に
発生する電圧を予め定められているしきい値電圧と比較
する比較回路とを備え、前記直列接続体は、前記所定の
接続点と前記直列接続体の前記一方端との間に存する容
量よりも小さい容量を前記所定の接続点と前記直列接続
体の前記他方端との間に持ち、前記電圧発生回路は、前
記直列接続体の前記一方端と前記所定の接続点との間の
容量の変化により前記直列接続体に生じる電荷量の変化
を補償するように、前記所定の電圧および前記第2の参
照電圧のうちの少なくとも一方を調整することを特徴と
する。
【0037】第7の発明に係るAD変換器は、第6の発
明のAD変換器において、前記電圧発生回路は、前記所
定の接続点と前記直列接続体の前記一方端との間にかか
る電圧と前記所定の接続点と前記直列接続体の前記他方
端との間にかかる電圧の差が所定の値を超えないように
前記所定の電圧および前記第2の参照電圧を調整する調
整回路を有することを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は実施の形態
1によるAD変換器の構成の概要を示すブロック図であ
る。図1において、直列接続体6Aは相互の容量比を調
整可能なMOSキャパシタC1A,C2Aで構成されて
おり、AD変換器1の他の構成で図16と同一符号のも
のは図16の同一符号部分に相当する部分である。
【0039】図1に記載されている複数のMOSキャパ
シタC1A,C2Aは、少なくとも一方の容量を変更で
きるように構成され、相互の容量比を調整できるように
構成されている。図1のAD変換器1Aでは、MOSキ
ャパシタC1A,C2Aのいずれもが容量を変化できる
ように記載されているが、いずれか一方の容量が固定さ
れていてもよい。図1のMOSキャパシタC1A,C2
Aは、それらに印加される電圧によってMOSキャパシ
タC1A,C2Aの容量比が変化するのを補償するよう
に、MOSキャパシタC1,C2のうちの少なくとも一
方の容量を変化させる。この容量の変更は、一回であっ
てもよくまた複数回であってもよい。
【0040】図2は実施の形態1によるAD変換器の第
1の態様を示す回路図である。図2のAD変換器1Bに
おいて、並列に接続されているMOSキャパシタC2‐
1,C2-2の容量の和は、同じバイアス電圧を印加しつ
つ測定する場合には、MOSキャパシタC1の容量の4
分の1である。このMOSキャパシタC2-2が直列接続
体6Bの容量を調整するための調整用キャパシタであ
る。また、MOSキャパシタC2‐1の容量は、MOS
キャパシタC1の一方電極(拡散領域)に基準電圧VREF
の16分の15の電圧が印加されているときのMOSキ
ャパシタC1の容量の4分の1である。
【0041】MOSキャパシタC2-2は、スイッチS4
およびS5により、MOSキャパシタC2-1と並列に接
続されたり、MOSキャパシタC2-1から切り放された
りする。スイッチS4およびS5の動作は、逐次近似レ
ジスタSARのビットB5〜ビットB2の値により表3
に示す状態に設定される。
【0042】
【表3】
【0043】AD変換器1Bの動作は、スイッチS4,
S5の開閉を除き、図16のAD変換器の動作と同じで
ある。このスイッチS4,S5の開閉動作について説明
する。アナログ信号VINが基準電圧VREFの64分の47
以下の場合には、スイッチS4が閉じ、スイッチS5が
開いている。そのため、MOSキャパシタC2-1とC2
-2は並列に接続される。MOSキャパシタC2-1とC2
-2の合成容量は、図16のMOSキャパシタC2と同じ
になる。AD変換器1Bにおいても、MOSキャパシタ
C1の一方電極に印加される電圧が基準電圧VREFの64
分の47以下であれば、MOSキャパシタC1の容量変
化がなく、MOSキャパシタC1のバイアス電圧に依存
する誤差は生じない。
【0044】一方、アナログ信号VINが基準電圧VREFの
64分の47よりも大きい場合には、スイッチS4が開
き、スイッチS5が閉じる。そのため、MOSキャパシ
タC1には、MOSキャバシタC2-1のみが直列に接続
される。MOSキャパシタC1の一方電極(拡散領域)
に印加される電圧が基準電圧VREFの16分の15である
ときに、MOSキャパシタC1の容量がMOSキャパシ
タC2-1の4倍になるように設定されているので、第1
のスイッチ群7のスイッチS1-15が閉じるときにAD
変換誤差が最小になる。
【0045】従って、アナログ信号VINが、基準電圧VRE
Fの64分の60以上で誤差はほぼ0となる。それ以下
ではMOSキャパシタC2-1の容量がMOSキャパシタ
C1の容量の4分の1以下になっているので、アナログ
信号VINが基準電圧VREFの64分の47付近の場合とは
逆の符号を持つ誤差が発生する。前述のような、AD変
換器1Bにおいて、表3の規則に従って動作をさせたと
きに生じる誤差は、図3のグラフに実線で示されてい
る。なお、図3のグラフに点線で示されている誤差は、
図16のAD変換器1に生じる誤差である。
【0046】AD変換器1Bでは、2つのCMOSキャ
パシタC2-1,C2-2を用い、その一方の接続・非接続
を選択することによってMOSキャパシタC1に直列に
接続するMOSキャパシタの容量を調整しているが、M
OSキャパシタC1に直列に接続するMOSキャパシタ
を3つ以上に分割してもよい。3つ以上に分割されてい
るMOSキャパシタの容量を用い、逐次近似レジスタS
ARのデータを用いて電圧発生回路2が発生する電圧を
さらにきめ細かく調整すれば、AD変換誤差をさらに減
少させることができる。
【0047】なお、上記の第1の態様では、図1のAD
変換器におけるMOSキャパシタC2Aの容量のみを変
更する場合について説明したが、図4に示すように、M
OSキャパシタC1Aの容量を変更するように構成して
もよく、また両方の容量を変更するように構成してもよ
く、印加される電圧によって起こるMOSキャパシタの
容量変化を打ち消すように作用すれば、AD変換誤差を
減少させることができる。図4のAD変換器1Cにおい
ては、容量を変更できるMOSキャパシタC1Aは、ス
イッチS6と、スイッチS6が閉じているときに並列に
接続されるCMOSキャパシタC1-1とC1-2と、スイ
ッチS6が開いているときにMOSキャパシタC1-2の
両電極間を接続するスイッチS7とで構成されている。
このCMOSキャパシタC1-2が直列接続体6Cの容量
を調整するための調整用キャパシタである。
【0048】AD変換器1CのMOSキャパシタC1-1
は、同じバイアス電圧を印加しつつ測定する場合には、
MOSキャパシタC2の4倍の容量を有する。また、M
OSキャパシタC1Aの容量は、MOSキャパシタC1
-1とC1-2を並列に接続して、MOSキャバシタC1A
の一方電極(拡散領域)に基準電圧VREFの16分の15
の電圧を印加しつつ測定する場合には、MOSキャパシ
タC2の容量の4倍である。
【0049】実施の形態2.次に、実施の形態2による
AD変換器について図5を用いて説明する。図5は実施
の形態2によるAD変換器の構成の概要を示すブロック
図である。図5のAD変換器1Dにおいては、比較回路
3Dが改良されている。比較回路3Dは、MOSキャパ
シタC1の一方電極または他方電極の少なくとも一方に
電圧シフト手段20または電圧シフト手段21を備えて
おり、AD変換器1Dのその他の構成について図16の
AD変換器1と同一符号の部分は図16の同一符号部分
に相当する部分である。
【0050】AD変換器1Dの電圧シフト手段20は、
スイッチS-pre1またはS-cmp1を通して入力される電圧
を常に一定の値だけ小さくしてMOSキャパシタC1の
一方電極に印加する。AD変換器1Dの電圧シフト手段
21は、プリチャージの際に、検出回路9からMOSキ
ャバシタC1の他方電極に印加されるプリチャージ電圧
を常に一定の値αだけ大きくする。また、電圧シフト手
段21は、比較時には、MOSキャパシタC1の他方電
極の電圧を常に一定の値αだけ小さくして検出回路9に
与える。つまり電圧シフト手段21は、検出回路9が検
出するしきい値電圧を一定の値αだけ大きくする。
【0051】AD変換器1Dは、MOSキャパシタC1
の一方電極の電圧を小さくする電圧シフト手段20かま
たはMOSキャパシタC1の他方電極の電圧を大きくす
る電圧シフト手段21の少なくとも一方の手段を備えて
構成されている。そのため、AD変換器1Dは、CMO
SキャパシタC1の両電極間に印加される電圧を小さく
して、MOSキャパシタC1の容量変化を抑制すること
ができ、AD変換誤差を小さくすることができる。な
お、MOSキャパシタC1の一方電極および他方電極の
電圧を小さくしたり大きくしたりするためには、プリチ
ャージ時および比較時のいずれにおいても同じ大きさだ
けそれぞれの電圧をシフトするものでなければならな
い。
【0052】次に、CMOSキャパシタC1の一方電極
の電圧を低くする構成について、図6を用いて説明す
る。図6は実施の形態2によるAD変換器の構成の第1
の態様を示す回路図である。図6のAD変換器1Eは、
スイッチS-pre1とS-cmp1の前段に電圧シフト回路20E
を備えて構成されている。電圧シフト回路20Eは、ス
イッチS-pre1とS-cmp1の前段に設けられているが、図5
の電圧シフト回路20のようにスイッチS-pre1とS-cmp1
の後段に設けてもよい。電圧シフト回路20Eは、アナ
ログ信号VINおよび第1の参照電圧(第1のスイッチ群
7で選択される参照電圧)をシフトさせるか否かを選択
するためのスイッチS8,S9と、アナログ信号VINお
よび第1の参照電圧をシフトさせるためのトランジスタ
TR5,TR6および抵抗R20,R21とを備えて構
成されている。DA変換器1Eは、電圧シフト回路20
Eを備えている以外の構成については、図16のAD変
換器1と同じである。
【0053】AD変換器1Eは、例えば、アナログ信号
VINの電圧がVREF/2を越えている場合に、トランジス
タTR5,TR6によって電圧をシフトしてアナログ信
号VINおよび第1の参照電圧をMOSキャパシタC1の
一方電極に印加する状態を選択する。AD変換器1Eに
おいて、例えば、アナログ電圧VINから基準電圧VREFの
15%を差し引く設定をする。この場合、図16のMO
SキャパシタC1の一方電極の電圧と図6のMOSキャ
パシタC1の一方電極の電圧が等しくなるとき、逐次近
似レジスタSARの値にして12の差が生じる。このよ
うな条件の下では、AD変換器1Eの誤差特性は、図7
の実線に示すように、点線で示すAD変換器1の誤差特
性に比べてAD変換値で12だけ右にシフトしたものと
なる。従って、AD変換器1Eの誤差は減少する。
【0054】なお、そのようなシフトを行うためには、
第1のスイッチ群7の選択の規則を改正する必要があ
る。基準電圧VREFの15%を差し引くという条件の場
合、スイッチS-cmp3がダイオードD1を選択していると
きには、図16のAD変換器1が選択する第1のスイッ
チ群7のスイッチよりも3つ添字の少ないスイッチを選
択しなければならない。例えば、AD変換器1がスイッ
チS1-13を選択するアナログ信号VINが入力した場合、
AD変換器1EはスイッチS1-10を選択する。なお、
AD変換器1Eは、アナログ信号VINの電圧がVREF/2
を越えない場合には、AD変換器1と同様の動作を行
う。
【0055】図8には、MOSキャパシタC1の他方電
極の電圧を大きくするための電圧シフト手段を備えるA
D変換器の一態様が示されている。図8のAD変換器1
Fが図16のAD変換器1と異なる点は、CMOSイン
バータ5の前段に電圧シフト回路21Fを備えて構成さ
れいる点である。電圧シフト回路21Fは、電源から電
源電圧VDDを印加されるソースとMOSキャパシタC
1,C2の接続点N1に接続されているゲートとCMO
Sインバータ5の入力端子に接続されているドレインと
を持つMOSトランジスタTR7とMOSトランジスタ
TR7のドレインと接地電圧GNDを供給する配線との
間に接続されている抵抗R22とで構成されている。D
A変換器1Fの構成は、電圧シフト回路21Fが接続点
N1とCMOSインバータ5の入力端子との間に挿入さ
れる以外、図16のAD変換器1と同じである。
【0056】AD変換器1Fは、例えば、アナログ信号
VINの電圧がVREF/2を越えている場合に、トランジス
タTR7によって電圧をシフトしてプリチャージ電圧お
よびしきい値電圧を大きくする方向にシフトする。AD
変換器1Fにおいて、例えば、プリチャージ電圧および
しきい値電圧を15%大きくして、VREF×0.65に設
定する。この場合、図16のMOSキャパシタC1の他
方電極と図6のMOSキャパシタC1の他方電極が等し
くなるとき、逐次近似レジスタSARの値にして12の
差が生じる。このような条件の下では、AD変換器1F
の誤差特性は、図7の実線に示すようになり、AD変換
器1Eと同様に改善される。
【0057】図9には、CMOSキャパシタC1の他方
電極の電圧を大きくするための電圧シフト手段を備える
AD変換器の第3の態様が示されている。図9のAD変
換器1Gが図16のAD変換器1と異なる点は、CMO
Sインバータ5GのトランジスタTR3,TR4の構成
にある。図8のAD変換器1Fでは、電圧シフト回路2
1FとCMOSインバータ5によってプリチャージ電圧
としきい値電圧を大きくしたが、図9のCMOSインバ
ータ5Gは、電圧シフト回路21FとCMOSインバー
タ5の両方の機能を備えるシフト手段である。
【0058】そのために、トランジスタTR4のMOS
トランジスタ増幅係数(β:MOStransistor gain fa
ctor)は、効果を十分に引き出すために例えば、トラン
ジスタTR3のβの2倍またはそれ以上に設定されてい
る。このようなトランジスタTR3,TR4で構成され
ているCMOSインバータ5Gのしきい値電圧VTH2
は、図10に示すように電源電圧VDD側に移行する。図
10で実線で示されているのが、CMOSインバータ5
Gの入出力特性である。なお、図16に示す従来のCM
OSインバータ5は、同じβを持つトランジスタTR
1,TR2で構成されており、従来のCMOSインバー
タ5のしきい値電圧VTH1は、図10において点線で示
すように0.5VDDである。
【0059】次に、図9に示すAD変換器1Gの精度が
図16のAD変換器1の精度より改善されている理由に
ついて説明する。そのために、図9のAD変換器1Gと
図16のAD変換器1が比較動作をしている状態につい
て検討する。比較動作を行っているとき、図9のCMO
Sインバータ5Gの入力電圧が図16のCMOSインバ
ータ5の入力電圧に等しくなるのは、逐次近似レジスタ
SARの値が図16のAD変換器1に対して図9のAD
変換器1Gが、{80×(VTH2−VTH1)/VREF}だけ
大きい場合である。
【0060】従って、例えばCMOSインバータ5Gの
しきい値電圧VTH2を(VTH1+VREF×0.15)に設定
すると、CMOSインバータ5とCMOSインバータ5
Gの入力電圧が等しくなるとき、逐次近似レジスタSA
Rの値にして12の差が生じる。このような条件の下で
は、図9のAD変換器1Gの誤差特性は、図7に示すよ
うに、図8のAD変換器1Fと同様に改善される。
【0061】以上説明したように、実施の形態2の第3
の態様のAD変換器1Gによれば、検出回路9Gのしき
い値電圧を大きくすることによって、MOSキャパシタ
C1の容量のバイアス電圧依存性によるAD変換精度の
悪化を軽減することができる。図16のAD変換器1と
図9のAD変換器1Gの構成を比較しても、CMOSイ
ンバータ5Gを構成しているトランジスタの特性が変更
されているだけであり、このような簡単な変更でAD変
換精度の悪化を軽減できる。
【0062】なお、上記実施の形態2の第3の態様で
は、検出回路9Gのしきい値電圧を大きくする構成とし
て、CMOSインバータ5Gの閾値を高くする場合につ
いて説明したが、他の態様であっても検出回路9Gのし
きい値電圧を大きくするとともにMOSキャパシタC
1,C2の接続点N1のプリチャージ電圧を大きくする
ものであれば同様の効果を奏する。例えば、CMOSイ
ンバータ5を駆動する電源電圧を変更してCMOSイン
バータ5のしきい値電圧を大きくしてもよい。
【0063】実施の形態3.図11は実施の形態3によ
るAD変換器の構成の概要を示すブロック図である。図
11において、2Hは電圧発生回路であり、その他図1
6と同一符号の部分は図16の同一符号部分に相当する
部分である。図11の電圧発生回路2Hは、図16の電
圧発生回路2がスイッチS-cmp1,S-cmp2に対してのみ参
照電圧を供給するのに対し、スイッチS-pre2に対しても
電圧を供給する点で異なる。つまり、図11の電圧発生
回路2Hは、MOSキャバシタC1のバイアス電圧とM
OSキャパシタC2のバイアス電圧が近くなるように、
スイッチS-pre2に印加されている電圧を発生する。電圧
発生回路2Hは、例えば、スイッチS-cmp1に印加する第
1の参照電圧が変化を続け、スイッチS-cmp1とスイッチ
S-pre2の電位差が所定の値を超えるような電圧が選択さ
れている場合には、スイッチS-pre2に印加する電圧とス
イッチS-cmp1の電位差が小さくなるように、スイッチS-
pre2に印加する電圧を変更する。そのために、AD変換
器1Hは、MOSキャパシタC2の一方電極に印加され
る電圧、すなわち第2の参照電圧および所定の電圧の双
方を大きくする。
【0064】スイッチS-cmp1に印加する電圧と、スイッ
チS-pre1に印加する電圧の差が所定の値を超えないよう
に設定することで、MOSキャパシタC2の容量をバイ
アス電圧に依存して変化させることができ、バイアス電
圧に依存してMOSキャパシタC1の容量が変化するこ
とによる接続点の電圧の変化を減少させることができ
る。このようにMOSキャパシタC1,C2の容量比の
変動を小さくすることによって、MOSキャパシタC
1,C2に蓄積される電荷量が調整でき、直列接続体6
に発生する電圧を正しくしてAD変換誤差を減少させる
ことができる。
【0065】図12は実施の形態3によるAD変換器の
第1の態様を示す回路図である。図12において、30
はスイッチS6-0〜S6-3で構成されて抵抗ラダー回路
4で発生する参照電圧VT12〜VT15を選択するための
第3のスイッチ群、S11‐1,S12‐1はスイッチ
S-cmp2に印加する電圧を切り替えるためのスイッチ、S
11-2,S12-2はスイッチS-pre2に印加する電圧を切
り替えるためのスイッチであり、電圧発生回路2Jの他
の構成要素である抵抗ラダー回路4並びに第1および第
2のスイッチ群7,8の構成および接続関係については
図16の電圧発生回路2と同じである。
【0066】第3のスイッチ群S3-0〜S3-3の開閉動
作は、表2に示されており、それぞれ対応する第2のス
イッチ群S2-0〜S2-3と同じである。第2のスイッチ
群8のスイッチS2-0〜S2-3で選択される電圧VT0〜
VT3、または第3のスイッチ群30のスイッチS3-0〜
S3-3で選択される電圧VT12〜VT15は、スイッチS-
cmp2を通してMOSキャパシタC2の一方電極に印加さ
れる。
【0067】スイッチS11‐1,S11-2,S12‐
1,S12-2の開閉動作は、表3に示すとおりである。
アナログ信号VINが基準電圧VREFの64分の47以下の
場合は、常にスイッチS11‐1,S11-2が閉じ、ス
イッチS12‐1,S12-2が開いている。このとき、
AD変換器1Jは図16のAD変換器1と等価となり、
AD変換誤差もAD変換器1と同じである。アナログ信
号VINが基準電圧VREF×47/64を超える場合は、ス
イッチS11‐1,S11-2が開き、スイッチS12‐
1,S12-2が閉じている。このとき、AD変換器1J
のMOSキャパシタC2の一方電極にはスイッチS-pre
2,S-cmp2を介して基準電圧VREFの16分の12〜16
分の15の値を持つ第2の参照電圧が印加される。一
方、AD変換器1JのMOSキャパシタC1にもスイッ
チS-pre1,S-cmp2を介して基準電圧VREFの16分の12
〜16分の15の値を持つ第1の参照電圧が印加され
る。そのため、MOSキャパシタC1,C2のバイアス
電圧の差は図16のAD変換器1のものよりも小さくな
るので、MOSキャパシタC1,C2の容量比は4対1
に近くなり、AD変換器1よりも近い値を有し、AD変
換誤差は図16のものよりも改善される。特に、AD変
換器1Jにおいて、アナログ信号の電圧が基準電圧VREF
に63/63,58/64または53/64を乗じた値
になっているときは、MOSキャパシタC1,C2のバ
イアス電圧が同じ大きさとなるので、MOSキャパシタ
C1,C2のバイアス電圧依存性に係わるAD変換誤差
は理論上零になる。図13はAD変換器1Jの誤差特性
を示すグラフである。図13において、点線で示してい
る図16のAD変換器1の誤差特性に対し、実線で示す
AD変換器1Jの誤差特性が改善されていることが分か
る。
【0068】図14は、実施の形態3によるAD変換器
の第2の態様を示す回路図である。図12のAD変換器
1Jが、第2の参照電圧群および所定の電圧をそれぞれ
2通り用意しているのに対し、図14のAD変換器1K
は、第2の参照電圧群および所定の電圧をそれぞれ4通
りずつ用意している。第3のスイッチ群30a,30b
が追加されると共に、第3のスイッチ群30a,30b
の選択を行うためのスイッチS12-3,S12-4が追加
されている。そのため、スイッチS-cmp2を介してMOS
キャパシタC2の一方電極に印加される第2の参照電圧
として、VT4〜VT7,VT8〜VT11の2つの組が新たに
選択可能となっている。また、スイッチS-cmp2に印加す
るための所定の電圧を選択するためのスイッチS11-
3,S11-4が追加されている。そのため、スイッチS-p
re2を介してMOSキャパシタC2の一方電極に印加さ
れる所定の電圧として、VT0(GND),VT4,VT8,
VT12が選択可能となっている。逐次近似レジスタSA
Rのデータとこれらの動作との関係が表4,表5に示さ
れている。
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】このように、第3のスイッチ群30a,3
0bを増やして逐次近似レジスタの値によってきめ細か
く制御することによって、AD変換器1KのAD変換誤
差がAD変換器1Jに比べて改善される。
【0072】なお、上記実施の形態3による第1および
第2の態様の第3のスイッチ群30または30,30
a,30bが選択する電圧については、上記で説明した
以外の電圧になるよう構成されてもよく、MOSキャバ
シタC1のバイアス電圧とMOSキャパシタC2のバイ
アス電圧が近くなるように設定すれば効果を奏する。
【0073】実施の形態4.図15は、実施の形態4に
よるAD変換器の一態様を示す回路図である。図15の
AD変換器1Lの電圧発生回路2Lは、図16のAD変
換器1に対し、抵抗ラダー回路4Lをさらに備える。そ
して、AD変換器1が第2のスイッチ群8によって抵抗
ラダー回路4から第2の参照電圧を選択していたのに対
し、AD変換器1Jは、第2のスイッチ群8Lによって
抵抗ラダー回路4Lから第2の参照電圧を選択する。
【0074】抵抗ラダー回路4Lは、スイッチS13に
よって抵抗R15´‐1〜R15´‐nの選択を行い、
抵抗ラダー回路4Lの合成抵抗の値を変更することがで
きるように構成されている。この合成抵抗の値を変更す
ることで、第2のスイッチ群8Lが選択する第2の参照
電圧VT1´〜VT3´の値を変更することができるように
構成されている。第2の参照電圧VT1´〜VT3´の変更
は、MOSキャパシタC1,C2のバイアス電圧依存性
によってMOSキャパシタC1,C2の蓄積電荷量が変
化するのを補償するように行われる。MOSキャパシタ
C1,C2の容量比が変化しても、MOSキャパシタC
1,C2に蓄積される電荷量を調整して、直列接続体6
に発生する電圧を正しくしてAD変換誤差を減少させる
ことができる。
【0075】なお、上記実施の形態1〜4では、電圧発
生回路2〜2Lに、抵抗ラダー回路4〜4Lを用いてい
るが、複数の第1の参照電圧および複数の第2の参照電
圧、また場合に応じて所定の電圧も発生させるものであ
ればよく、上記の構成に限定されるものではない。ま
た、上記実施の形態1〜4では、比較回路3〜3Gの検
出回路9〜9Gは、CMOSインバータ5〜5Gを用い
て構成されているが、MOSキャパシタC1,C2の接
続点N1に比較時に使用するしきい値電圧と等しいプリ
チャージ電圧をプリチャージできれば他の構成であって
もよく、上記の構成に限定されるものではない。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載のA
D変換器によれば、MOSキャパシタがバイアス電圧に
依存して起こす容量変化を起因として直列接続体の一方
端と所定の接続点間の容量と直列接続体の他方端と所定
の接続点間の容量との比が変化するのを抑制し、直列接
続体に発生する電圧を正しくしてAD変換誤差を減少さ
せることができるという効果がある。
【0077】請求項2に記載のAD変換器によれば、比
較回路が順次比較を繰り返す度に、第1の参照電圧を前
回の変化分の2分の1ずつ変化させる構成において、調
整用キャパシタの接続と非接続によって直列接続体の容
量を変換させるため、接続と非接続を切り替える回数を
最小に抑えることができ、AD変換器の構成を簡単にで
きるという効果がある。
【0078】請求項3に記載のAD変換器によれば、電
圧シフト手段によって、直列接続体の一方端と所定の接
続点との間にかかる電圧を小さくするため、MOSキャ
パシタのバイアス電圧に依存して発生する直列接続体の
一方端と所定の接続点との間の容量変化を抑制すること
ができ、直列接続体に発生する電圧を正しくしてAD変
換誤差を減少させることができるという効果がある。
【0079】請求項4に記載のAD変換器によれば、プ
リチャージ電圧およびしきい値電圧を大きくすることに
よって、バイアス電圧依存によるMOSキャパシタの容
量変化を小さくでき、直列接続体に発生する電圧を正し
くしてAD変換誤差を減少させることができるという効
果がある。
【0080】請求項5に記載のAD変換器によれば、例
えば、比較回路を構成するトランジスタのサイズを変更
するだけでプリチャージ電圧および所定の電圧を大きく
することができ、回路の複雑化を防止できるという効果
がある。
【0081】請求項6に記載のAD変換器によれば、所
定の電圧および第2の参照電圧のうちの少なくとも一方
を調整することによって、直列接続体の一方端と所定の
接続点との間の容量の変化により直列接続体に生じる電
荷量の変化を補償することができ、直列接続体に発生す
る電圧を正しくしてAD変換誤差を減少させることがで
きるという効果がある。
【0082】請求項7に記載のAD変換器によれば、調
整回路によって所定の電圧および第2の参照電圧を調整
して、所定の接続点と直列接続体の一方端との間にかか
る電圧と所定の接続点と直列接続体の他方端との間にか
かる電圧の差が所定の値を超えないようにでき、簡単な
回路で、直列接続体の一方端と所定の接続点との間の容
量の変化により直列接続体に生じる電荷量の変化を補償
することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1によるAD変換器の構成の概要
を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1によるAD変換器の第1の態様
を示す回路図である。
【図3】 図2のAD変換器におけるMOSキャパシタ
の容量変化に起因する誤差の特性を示すグラフである。
【図4】 実施の形態1によるAD変換器の第2の態様
を示す回路図である。
【図5】 実施の形態2によるAD変換器の構成の概要
を示すブロック図である。
【図6】 実施の形態2によるAD変換器の構成の第1
の態様を示す回路図である。
【図7】 図6のAD変換器におけるMOSキャパシタ
の容量変化に起因するAD変換の誤差特性を示すグラフ
である。
【図8】 実施の形態2によるAD変換器の構成の第2
の態様を示す回路図である。
【図9】 実施の形態2によるAD変換器の構成の第3
の態様を示す回路図である。
【図10】 図9のAD変換器のCMOSインバータの
入出力特性を示すグラフである。
【図11】 実施の形態3によるAD変換器の構成の概
要を示すブロック図である。
【図12】 実施の形態3によるAD変換器の第1の態
様を示す回路図である。
【図13】 図12のAD変換器におけるMOSキャパ
シタの容量変化に起因するAD変換の誤差特性を示すグ
ラフである。
【図14】 実施の形態3によるAD変換器の第2の態
様を示す回路図である。
【図15】 実施の形態4によるAD変換器の一態様を
示す回路図である。
【図16】 従来のAD変換器の構成の一例を示す回路
図である。
【図17】 従来のCMOSインバータ5の入力出力特
性を示すグラフである。
【図18】 従来のAD変換器の動作を説明するための
タイミングチャートである。
【図19】 従来のAD変換器で用いられているMOS
キャパシタの断面構成を示す模式図である。
【図20】 図19のMOSキャパシタにおける容量‐
バイアス電圧特性の一例を示すグラフである。
【図21】 従来のAD変換器のAD変換の誤差特性を
示すグラフである。
【符号の説明】
1〜1L AD変換器、2〜2L 電圧発生回路、3〜
3G 比較回路、4,4L 抵抗ラダー回路、5,5G
CMOSインバータ、6,6A,6B 直列接続体、
7 第1のスイッチ群、8,8L 第2のスイッチ群、
9,9G 検出回路、20,20E,21,21F 電
圧シフト回路、30,30a,30b第3のスイッチ
群、C1,C2,C1A,C2A,C2-1,C2-2 M
OSキャパシタ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の電圧を基準として第1および第2
    の参照電圧を発生する電圧発生回路と、 相互に直列に接続されている複数のMOSキャパシタで
    構成されていて一方端および他方端を持つ直列接続体を
    有し、該直列接続体の所定の接続点の電圧をプリチャー
    ジ電圧に印加するとともにアナログ信号および前記所定
    の電圧をそれぞれ前記直列接続体の前記一方端および前
    記他方端に印加して電荷の供給を行い、前記プリチャー
    ジ電圧の印加を止めるとともに前記アナログ信号および
    前記所定の電圧に替えて前記第1および第2の参照電圧
    を前記直列接続体の前記一方端および前記他方端にそれ
    ぞれ印加するときに前記所定の接続点に発生する電圧を
    予め定められているしきい値電圧と比較する比較回路と
    を備え、 前記直列接続体は、 前記所定の接続点と前記直列接続体の前記一方端との間
    に存する容量に対して異なる容量を前記所定の接続点と
    前記直列接続体の前記他方端との間に持ち、 前記比較回路は、 前記直列接続体の一方端と前記接続点間の容量と前記直
    列接続体の他方端と前記接続点間の容量との比を、前記
    第1および第2の参照電圧の少なくとも一方の値に応じ
    て調整することを特徴とするAD変換器。
  2. 【請求項2】 前記電圧発生回路は、 前記第2の参照電圧を前記所定の電圧に固定して比較回
    路における比較が繰り返される度に前記第1の参照電圧
    の値を前回の変化分の2分の1ずつ変化させ、続いて前
    記第1の参照電圧の変化を止めて比較回路における比較
    が繰り返される度に前記第2の参照電圧の値を前回の変
    化分の2分の1ずつ変化させ、 前記比較回路は、 前記所定の接続点と前記直列接続体の前記一方端との間
    に存する容量よりも小さな容量を前記所定の接続点と前
    記直列接続体の前記他方端との間に持ち、 前記第1の参照電圧の所定の値を境として前記直列接続
    体との接続と非接続を切り替えて、前記直列接続体の前
    記一方端と前記接続点間の容量と前記直列接続体の前記
    他方端と前記接続点間の容量との比を調整するための調
    整用キャパシタをさらに有することを特徴とする、請求
    項1に記載のAD変換器。
  3. 【請求項3】 所定の電圧を基準として第1および第2
    の参照電圧を発生する電圧発生回路と、 相互に直列に接続されている複数のMOSキャパシタで
    構成されていて一方端および他方端を持つ直列接続体を
    有し、該直列接続体の所定の接続点の電圧をプリチャー
    ジ電圧に印加するとともにアナログ信号および前記所定
    の電圧をそれぞれ前記直列接続体の前記一方端および前
    記他方端に印加して電荷の供給を行い、前記プリチャー
    ジ電圧の印加を止めるとともに前記アナログ信号および
    前記所定の電圧に替えて前記第1および第2の参照電圧
    を前記直列接続体の前記一方端および前記他方端にそれ
    ぞれ印加するときに前記所定の接続点に発生する電圧を
    予め定められているしきい値電圧と比較する比較回路と
    を備え、 前記直列接続体は、 前記所定の接続点と前記直列接続体の前記一方端との間
    に存する容量よりも小さい容量を前記所定の接続点と前
    記直列接続体の前記他方端との間に持ち、 前記比較回路は、 前記直列接続体の前記一方端と前記所定の接続点との間
    にかかる電圧を小さくなる方向にシフトさせるための電
    圧シフト手段をさらに有することを特徴とするAD変換
    器。
  4. 【請求項4】 前記電圧シフト手段は、 前記プリチャージ電圧および前記しきい値電圧を同じ値
    だけシフトすることを特徴とする、請求項3に記載のA
    D変換器。
  5. 【請求項5】 前記比較回路は、 前記所定の接続点に接続されている制御電極、第1の電
    源に接続されている第1の電流電極、および前記比較回
    路の出力端子に接続されている第2の電流電極を持つ第
    1のトランジスタと、 前記所定の接続点に接続されている制御電極、第2の電
    源に接続されている第1の電流電極、および前記比較回
    路の前記出力端子に接続されている第2の電流電極を持
    つ第2のトランジスタと、 前記第1のトランジスタの前記制御電極と前記第2の電
    流電極間に接続され、前記直列接続体の前記所定の接続
    点を前記プリチャージ電圧にするときに閉じ、前記所定
    の接続点に発生する電圧を予め定められているしきい値
    電圧と比較するときに開いているスイッチをさらに有
    し、 前記電圧シフト手段は、 前記第1のトランジスタのトランジスタ増幅係数を前記
    第2のトランジスタのトランジスタ増幅係数よりも小さ
    くする構成を含む、請求項4に記載のAD変換器。
  6. 【請求項6】 所定の電圧を基準として第1および第2
    の参照電圧を発生する電圧発生回路と、 相互に直列に接続されている複数のMOSキャパシタで
    構成されていて一方端および他方端を持つ直列接続体を
    有し、該直列接続体の所定の接続点の電圧をプリチャー
    ジ電圧に印加するとともにアナログ信号および前記所定
    の電圧をそれぞれ前記直列接続体の前記一方端および前
    記他方端に印加して電荷の供給を行い、前記プリチャー
    ジ電圧の印加を止めるとともに前記アナログ信号および
    前記所定の電圧に替えて前記第1および第2の参照電圧
    を前記直列接続体の前記一方端および前記他方端にそれ
    ぞれ印加するときに前記所定の接続点に発生する電圧を
    予め定められているしきい値電圧と比較する比較回路と
    を備え、 前記直列接続体は、 前記所定の接続点と前記直列接続体の前記一方端との間
    に存する容量よりも小さい容量を前記所定の接続点と前
    記直列接続体の前記他方端との間に持ち、 前記電圧発生回路は、 前記直列接続体の前記一方端と前記所定の接続点との間
    の容量の変化により前記直列接続体に生じる電荷量の変
    化を補償するように、前記所定の電圧および前記第2の
    参照電圧のうちの少なくとも一方を調整することを特徴
    とするAD変換器。
  7. 【請求項7】 前記電圧発生回路は、 前記所定の接続点と前記直列接続体の前記一方端との間
    にかかる電圧と前記所定の接続点と前記直列接続体の前
    記他方端との間にかかる電圧の差が所定の値を超えない
    ように前記所定の電圧および前記第2の参照電圧を調整
    する調整回路を有することを特徴とする、請求項6に記
    載のAD変換器。
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