JPH0884075A - 半導体集積回路、及びa/d変換回路 - Google Patents

半導体集積回路、及びa/d変換回路

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JPH0884075A
JPH0884075A JP24465194A JP24465194A JPH0884075A JP H0884075 A JPH0884075 A JP H0884075A JP 24465194 A JP24465194 A JP 24465194A JP 24465194 A JP24465194 A JP 24465194A JP H0884075 A JPH0884075 A JP H0884075A
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JP
Japan
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switch
effect transistor
field effect
analog switch
signal
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JP24465194A
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Inventor
Yoshihiko Takegawa
芳彦 武川
Atsuo Masumura
温夫 増村
Toru Kobayashi
亨 小林
Tatsuji Yoshida
達司 吉田
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Hitachi Microcomputer System Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Microcomputer System Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、アナログスイッチ切換え時
のノイズ低減を図る。 【構成】 nチャンネル型MOSトランジスタよりも、
それに並列接続されたpチャンネル型MOSトランジス
タのほうが後に動作される高電圧用スイッチSA1,S
B2,SC2と、pチャンネル型MOSトランジスタよ
りも、それに並列接続されたnチャンネル型MOSトラ
ンジスタのほうが後に動作される低電圧用スイッチSA
2,SB1,SC1とを、取扱う信号レベルに応じて使
分ける。高電圧用スイッチでは、pチャンネル型MOS
トランジスタが安定にオンされている期間内にnチャン
ネル型MOSトランジスタをオフさせ、また、低電圧用
スイッチでは、nチャンネル型MOSトランジスタが安
定にオンされている期間内にpチャンネル型MOSトラ
ンジスタをオフさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アナログ信号をディジ
タル信号に変換するためのA/D(アナログ/ディジタ
ル)変換回路、さらにはそれに含まれるアナログ部で発
生するスイッチングノイズの低減化技術に関するもの
で、例えば2分割逐次比較方式のA/D変換回路に適用
して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】A/D変換器は、ディジタル信号をアナ
ログ信号に変換するためのD/Aブロック部、このD/
Aブロック部の変換出力と外部からの入力アナログ電圧
とを比較するための比較回路、この比較回路の出力信号
に応じて比較データレジスタの記憶内容を書換えるため
の制御回路、比較データレジスタの記憶内容に応じてス
イッチの動作を制御するためのスイッチコントローラな
どを含む。D/Aブロック部は、複数の抵抗が直列接続
されて成る直列抵抗回路と、この複数の抵抗の直列接続
ノードを選択することによって、当該選択ノードの電位
を比較回路の一方の入力端子に伝達するためのスイッチ
とを含む。上記直列抵抗回路の電源端子には、接地ノー
ドの電位を基準とする所定の基準電圧が印加される。比
較データレジスタの記憶内容に応じてスイッチが選択的
にオンされることによって、D/Aブロック部から出力
された電圧と、外部から入力アナログ電圧とが比較さ
れ、その比較結果に応じて比較レジスタの記憶内容が更
新される。このような動作は、D/Aブロック部の出力
電圧と外部からの入力アナログ電圧とが等しくなるまで
繰返される。そして、上記出力電圧と外部からの入力ア
ナログ電圧とが等しくなった場合、比較レジスタの記憶
内容は、外部からの入力アナログ電圧のA/D変換値と
して利用される。
【0003】尚、A/D変換技術について記載された文
献の例としては、昭和59年11月30日に株式会社オ
ーム社から発行された「LSIハンドブック(第630
頁〜)」がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の逐次比較方式の
A/D変換回路においては、アナログスイッチの切換え
時にノイズが発生し易く、そのようなノイズが発生した
場合には、A/D変換結果に誤差を生ずる虞がある。そ
れについて本発明者が検討したところ、高電圧側のアナ
ログスイッチ、及び低電圧側のアナログスイッチに、同
一構成のものを適用しており、それが、スイッチ切換え
時のノイズ発生の原因であることが、見いだされた。
【0005】本発明の目的は、アナログスイッチの切換
え時に生ずるノイズを低減することにある。また、本発
明の別の目的は、A/D変換誤差を低減することにあ
る。
【0006】本発明の前記並びにその他の目的と新規な
特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるで
あろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0008】すなわち、nチャンネル型電界効果トラン
ジスタよりも、それに並列接続されたpチャンネル型電
界効果トランジスタのほうが後に動作される第1アナロ
グスイッチと、pチャンネル型電界効果トランジスタよ
りも、それに並列接続されたnチャンネル型電界効果ト
ランジスタのほうが後に動作される第2アナログスイッ
チとを含んで、半導体集積回路が構成されるとき、高電
位側電源に近いレベルの信号を取扱うスイッチとして上
記第1アナログスイッチを適用し、低電位側電源に近い
レベルの信号を取扱うスイッチとして上記第2アナログ
スイッチを適用する。
【0009】また、nチャンネル型電界効果トランジス
タよりも、それに並列接続されたpチャンネル型電界効
果トランジスタのほうが後に動作される第1アナログス
イッチと、pチャンネル型電界効果トランジスタより
も、それに並列接続されたnチャンネル型電界効果トラ
ンジスタのほうが後に動作される第2アナログスイッチ
とを含んで、A/D変換回路が構成されるとき、高電位
側電源に近いレベルの信号を取扱うスイッチとして上記
第1アナログスイッチを適用し、低電位側電源に近いレ
ベルの信号を取扱うスイッチとして上記第2アナログス
イッチを適用する。
【0010】
【作用】上記した手段によれば、アナログスイッチの入
力端子に印加される信号レベルが高電位側電源に近い場
合、nチャンネル型電界効果トランジスタよりもpチャ
ンネル型電界効果トランジスタのほうが後に動作され
る。このことが、pチャンネル型MOSトランジスタが
安定にオンされている期間内にnチャンネル型MOSト
ランジスタをオフさせ、状態切換え時のノイズ低減を達
成する。
【0011】また、アナログスイッチの入力端子に印加
される信号レベルが低電位側電源に近い場合、pチャン
ネル型電界効果トランジスタよりもnチャンネル型電界
効果トランジスタのほうが後に動作される。このこと
が、nチャンネル型MOSトランジスタが安定にオンさ
れている期間内にpチャンネル型MOSトランジスタを
オフさせ、状態切換え時のノイズ低減を達成する。
【0012】
【実施例】図2には本発明の一実施例であるA/D変換
回路が示される。
【0013】図2に示されるA/D変換回路は、特に制
限されないが、8ビット精度の2分割逐次比較方式のA
/D変換回路とされ、公知の半導体集積回路製造技術に
より、単結晶シリコン基板などの一つの半導体基板に形
成されている。
【0014】図2に示されるように、このA/D変換回
路は、D/Aブロック部24、比較部21、制御部2
2、逐次比較レジスタ23とを含む。
【0015】制御部22からの信号によって逐次比較レ
ジスタ23の最上位ビット(第8ビット)に、”1”が
セットされる。このセット情報に応じてD/Aブロック
部24から出力電圧Voが得られる。この出力電圧Vo
と、アナログ入力電圧Viとが比較部21で比較され
る。この比較において、Vo<Viの場合、制御部22
では、逐次比較レジスタ23の最上位ビットを”1”に
保ったまま、次のビット(第7ビット)が、”1”にセ
ットされる。それに応じてD/Aブロック部24の出力
電圧Voが上昇され、再び比較部21で、出力電圧Vo
と入力電圧Viとの比較が行われる。この比較におい
て、Vo>Viとなった場合には、逐次比較レジスタ2
3の第7ビットが、”0”に戻され、今度は第6ビット
が、”1”にセットされ、その場合のD/Aブロック部
24の出力電圧Voとアナログ入力電圧Viとの比較が
行われる。そして、Vo=Viとなった場合に、逐次比
較レジスタ23から、アナログ入力電圧Viに対応する
ディジタル出力が得られる。
【0016】図1には上記D/Aブロック部24と、比
較部21との詳細な構成例が示される。
【0017】上記D/Aブロック部24は次のように構
成される。
【0018】複数の抵抗素子R4,Rが直列接続されて
成る直列抵抗回路210が形成され、この直列抵抗回路
210の一端は高電位側電源Vccに結合され、他端は
低電位側電源Vssに結合される。そのような電圧印加
により、直列抵抗回路210の電圧出力端子から抵抗分
圧比に応じたレベルの直流電圧が得られる。ただし、高
電位側電源Vccに結合された電圧出力端子からの出力
電圧は、高電位側電源Vccレベルとされる。直列抵抗
回路210における抵抗素子R4は、抵抗素子Rの4倍
の抵抗値を有する。
【0019】上記直列抵抗回路210の電圧出力端子に
はスイッチ211〜228が結合され、このスイッチ2
11〜228が選択的にオンされることによって、対応
する電圧出力端子の電圧が後段の比較部21に伝達され
るようになっている。また、上記スイッチ211〜22
8の動作制御は、図1に示される逐次比較レジスタ23
の出力に基づいて行われるようになっている。
【0020】上記比較部21は次のように構成される。
【0021】コンパレータ231が設けられ、このコン
パレータ231の反転入力端子(−)と出力端子とを短
絡可能にアナログスイッチSW1が結合されている。こ
のアナログスイッチSW1はクロック信号T2によって
動作制御される。クロックT2がローレベルのとき、ア
ナログスイッチSW1がオフされて、比較動作が行われ
る。また、このコンパレータ231の反転入力端子に
は、キャパシタC4を介して低電位側電源Vssに結合
され、非反転入力端子(+)は低電位側電源Vssに結
合されている。さらに、上記直列抵抗回路210からの
出力電圧を取込むためにアナログスイッチSA1,SA
2,SB1,SB2が設けられ、A/D変換の対象とさ
れるアナログ信号を取込むためのアナログスイッチSC
1,SC2が設けられている。アナログスイッチSA1
は、キャパシタC1と、D/Aブロック部24における
スイッチ221〜224との間に設けられている。アナ
ログスイッチSA2は、キャパシタC1と、D/Aブロ
ック部24におけるスイッチ225〜228との間に設
けられている。アナログスイッチSB1は、キャパシタ
C2と、D/Aブロック部24におけるスイッチ215
〜218との間に設けられている。スイッチSB2は、
キャパシタC2と、D/Aブロック部24におけるスイ
ッチ211〜214との間に設けられている。上記アナ
ログスイッチSA1,SB1,SC1は、クロック信号
T1によって動作制御される。また、アナログスイッチ
SA2,SB2,SC2,SW1は、クロック信号T2
によって動作制御される。キャパシタC1,C3,C4
の静電容量をCとするとき、キャパシタC2は、C/1
6とされる。
【0022】A/D変換動作について説明する。
【0023】図1におけるスイッチ211〜218、2
21〜228の状態は、変換開始時の状態とされる。
【0024】クロック信号T1,T2は相補的な信号で
あり、一方がハイレベル(論理”1”に等しい)のと
き、他方はローレベル(論理”0”に等しい)となって
いる。動作的には、4ビットずつに分割して変換が行わ
れる。直列抵抗回路210は上下の4ビットに共通に使
用され、キャパシタで1/16に重みづけが行われるよ
うになっている。つまり、アナログスイッチSA1,S
A2の制御により、上位4ビットについてのA/D変換
が行われ、アナログスイッチSB1,SB2の制御によ
り下位4ビットについてのA/D変換が行われる。下位
側は、上位側のキャパシタC1に対して、C2=C1/
16に重み付けがなされることによって、上位側と区別
される。
【0025】A/D変換は、先ず、上位4ビットについ
ての変換が行われる。このとき、図1に示されるよう
に、スイッチ214,215がオン状態とされることに
よって、下位側のキャパシタC2に出入する電荷が0と
される。
【0026】スイッチ222,225がオンされること
によって、D/Aブロック部24の出力電圧Vo1が、
(8/16)Vccとなる。
【0027】クロック信号T2が、”1”のとき、アナ
ログスイッチSA2,SB2,SC2,SW1がオンさ
れ、キャパシタC1,C3には、(4/16)Vccが
充電される。
【0028】クロック信号T1が、”1”にされると、
キャパシタC1,C3の入力電圧が変り、電荷の充放電
が行われる。C1=C3=Cであるので、アナログ入力
電圧Viが(8/16)Vccより小さければ、コンパ
レータ231の出力電圧OUTは、OUT>0となる。
このとき、逐次比較レジスタ23の最上位ビットが、”
1”にセットされる。
【0029】しかし、アナログ入力電圧Viが出力電圧
Vo1より大きければ、スイッチ221がオンされ、ま
た、アナログ入力電圧Viが出力電圧Vo1より小さけ
れば、スイッチ223ががオンされる。この場合、出力
電圧Vo1は、(12/16)Vcc、又は(4/1
6)Vccとなる。以下同様にして第2ビットが決定さ
れる。
【0030】上記のように第1ビット、第2ビットが決
定された後、次の第3ビット、第4ビットの変換が行わ
れる。この変換には、D/Aブロック部24のスイッチ
228〜225が使用される。抵抗直列回路210の下
から4個目までの抵抗の値をRとするとき、上の4個の
抵抗の値は4Rとされる。従って、スイッチ228〜2
25を切換えることによって、出力電圧Vo1の変化
は、(1/16)Vccずつ4ステップ分であり、それ
によって第3ビット、第4ビットを決定することができ
る。
【0031】尚、下位側4ビット(第5ビット〜第8ビ
ット)の変換には、直列抵抗回路21のスイッチ211
〜218が使用される。この変換手順は、上記した第1
ビット〜第4ビットについての変換と同様であるので、
その説明を省略する。
【0032】次に、上記アナログスイッチの詳細な構成
について説明する。
【0033】図1に示されるアナログスイッチSA1,
SB2,SC2などのように、高電位側電源Vccに近
いレベルの信号を取扱うための高電圧用アナログスイッ
チ、及びアナログスイッチSA2,SB1,SC1など
のように、低電位側電源Vssに近いレベルの信号を取
扱うための低電圧用アナログスイッチとして、同一構成
のものを適用した場合には、アナログスイッチの状態切
換え時にノイズが発生する。本発明者の検討によれば、
このノイズは、アナログスイッチがオン状態からオフ状
態に切換えられるときに発生することが明らかとされ、
本実施例では、以下のように高電圧用、低電圧用とし
て、互いに異なる構成のスイッチを適用することによ
り、スイッチの状態切換え時のノイズの低減を図ってい
る。
【0034】図3には高電圧用アナログスイッチの構成
例が示される。
【0035】pチャンネル型MOSトランジスタ31と
nチャンネル型MOSトランジスタ32とが互いに並列
接続されており、クロック端子33から入力されたクロ
ックがnチャンネル型MOSトランジスタ32のゲート
電極に入力され、また、インバータ32により反転され
てからpチャンネル型MOSトランジスタ31のゲート
電極に入力される。pチャンネル型MOSトランジスタ
31、nチャンネル型MOSトランジスタ32のソース
電極は、信号を取込むための入力端子34に結合され
る。また、pチャンネル型MOSトランジスタ31のド
レイン電極とnチャンネル型MOSトランジスタ32の
ドレイン電極は、信号を出力するための出力端子35に
結合されている。
【0036】入力端子33に高電圧が印加されるのを前
提として、クロック端子33の論理がハイレベルの場合
に、pチャンネル型MOSトランジスタ31、及びnチ
ャンネル型MOSトランジスタ32の双方がオン状態と
されるが、安定状態であるMOSトランジスタは、MO
Sトランジスタのオン条件である、 VGS−Vth>0 より、pチャンネル型MOSトランジスタ31である。
VGSはゲート・ソース間電圧、Vthはしきい値電圧
である。このことから、pチャンネル型MOSトランジ
スタ31がオン状態の期間内(安定状態)に、nチャン
ネル型MOSトランジスタ31をオフするようにすれ
ば、寄生容量CGDの影響を抑えることができる。図3
に示される構成では、クロック端子33からMOSトラ
ンジスタのゲート電極までのクロック信号遅延に着目し
た場合、nチャンネル型MOSトランジスタ32より
も、インバータ36を経由する分だけ、pチャンネル型
MOSトランジスタ31のゲート電極への信号伝達が遅
れる。つまり、図3に示される構成によれば、nチャン
ネル型MOSトランジスタ32に比べてpチャンネル型
MOSトランジスタ31が後に動作するようになり、p
チャンネル型MOSトランジスタ31がオン状態の期間
内(安定状態)に、nチャンネル型MOSトランジスタ
31をオフすることができるので、高電位側電源Vcc
に近いレベルの信号を取扱うための高電圧用アナログス
イッチとして、状態切換え時のノイズの少ないものが実
現できる。
【0037】図4には低電圧用アナログスイッチの構成
例が示される。
【0038】pチャンネル型MOSトランジスタ41と
nチャンネル型MOSトランジスタ42とが互いに並列
接続されており、クロック端子43から入力されたクロ
ックが、インバータ46,47を介して、nチャンネル
型MOSトランジスタ42のゲート電極に入力され、ま
た、インバータ46を介して、pチャンネル型MOSト
ランジスタ41のゲート電極に入力される。pチャンネ
ル型MOSトランジスタ41、nチャンネル型MOSト
ランジスタ42のソース電極は、信号を取込むための入
力端子44に結合される。また、pチャンネル型MOS
トランジスタ41のドレイン電極とnチャンネル型MO
Sトランジスタ42のドレイン電極は、信号を出力する
ための出力端子45に結合されている。
【0039】入力端子44に低電圧が印加されるのを前
提として、クロック端子43の論理がハイレベルの場合
に、pチャンネル型MOSトランジスタ41、及びnチ
ャンネル型MOSトランジスタ42の双方がオン状態と
されるが、安定状態であるMOSトランジスタは、MO
Sトランジスタのオン条件である、 VGS−Vth>0 から、nチャンネル型MOSトランジスタ42である。
このことから、nチャンネル型MOSトランジスタ42
がオン状態の期間内(安定状態)に、pチャンネル型M
OSトランジスタ41をオフするようにすれば、寄生容
量CGDの影響を抑えることができる。図4に示される
構成では、クロック端子43からMOSトランジスタの
ゲート電極までのクロック信号遅延に着目した場合、イ
ンバータ47の存在により、nチャンネル型MOSトラ
ンジスタ42のほうがpチャンネル型MOSトランジス
タ41よりも後に動作する。それにより、nチャンネル
型MOSトランジスタ42がオン状態の期間内(安定状
態)に、pチャンネル型MOSトランジスタ41をオフ
することができるので、低電位側電源Vssに近いレベ
ルの信号を取扱うための低電圧用アナログスイッチとし
て、状態切換えの際のノイズの少ないものが実現でき
る。
【0040】次に、本発明者によって行われたシミュレ
ーション結果について説明する。
【0041】図5〜図10にはクロック信号CKと、ス
イッチ出力端子(OUT)電圧波形との関係が示され
る。
【0042】説明の便宜上、図3に示される高電圧用ア
ナログスイッチをAタイプとし、図4に示される低電圧
用アナログスイッチをBタイプとしている。
【0043】図5、図6に示される特性波形は、アナロ
グスイッチの入力端子に、0.16Vを印加した場合で
ある。図5のAタイプ(高電圧用)の場合、スイッチの
状態変化による電圧差は、2.32Vであるのに対し
て、図6のBタイプ(低電圧用)の場合、電圧差は、わ
ずか0.367Vである。
【0044】図7、図8に示される特性波形は、アナロ
グスイッチの入力端子に、5.34Vを印加した場合で
ある。図7のAタイプの(高電圧用)の場合、スイッチ
の状態変化による電圧差は、0.63Vであるのに対し
て、図8のBタイプ(低電圧用)の場合、電圧差は、
1.52Vである。
【0045】図9、図10に示される特性波形は、アナ
ログスイッチの入力端子に、2.50Vを印加した場合
である。図9のAタイプの(高電圧用)の場合、スイッ
チの状態変化による電圧差は、1.09Vであるのに対
して、図10のBタイプ(低電圧用)の場合、電圧差
は、0.59Vである。
【0046】図11には、以上のシミュレーション結果
の一覧が示される。
【0047】アナログスイッチの状態切換えの際の電圧
差はノイズとなるから、この電圧差は、可能な限り小さ
いほうが良い。図11から明らかなように、入力(I
N)端子の電圧が5.34Vのように、高い場合には、
BタイプよりもAタイプのほうが電圧差が小さく、ノイ
ズの点で有利である。また、入力端子の電圧が0.16
Vのように、低い場合には、AタイプよりもBタイプの
ほうが電圧差が小さく、ノイズの点で有利である。
【0048】以上のシミュレーション結果からも明らか
なように、高電圧側にはAタイプ(図3の構成)を採用
し、低電圧側にはBタイプ(図4の構成)を採用するこ
とによって、アナログスイッチの状態切換え時のノイズ
を低減することができ、それにより、A/D変換結果の
誤差低減を図ることができる。
【0049】上記実施例によれば、以下の作用効果を得
ることができる。
【0050】(1)nチャンネル型MOSトランジスタ
32よりも、それに並列接続されたpチャンネル型MO
Sトランジスタ31のほうが後に動作される高電圧用ア
ナログスイッチと、pチャンネル型MOSトランジスタ
41よりも、それに並列接続されたnチャンネル型MO
Sトランジスタ42のほうが後に動作される低電圧用ア
ナログスイッチとが設けられる場合において、高電位側
電源Vccに近いレベルの信号を取扱うスイッチとして
上記高電圧用アナログスイッチを適用し、低電位側電源
Vssに近いレベルの信号を取扱うスイッチとして上記
低電圧用アナログスイッチを適用することにより、高電
圧用アナログスイッチにおいては、pチャンネル型MO
Sトランジスタが安定にオンされている期間内にnチャ
ンネル型MOSトランジスタをオフさせ、また、低電圧
用アナログスイッチにおいては、nチャンネル型MOS
トランジスタが安定にオンされている期間内にpチャン
ネル型MOSトランジスタをオフさせることができるの
で、アナログ状態切換え時のノイズ発生を抑えることが
できる。
【0051】(2)上記(1)の作用効果は、特にA/
D変換回路において、A/D変換誤差を低減する上で有
効とされる。
【0052】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲におい
て種々変更可能であることは言うまでもない。
【0053】例えば、上記実施例では、nチャンネル型
MOSトランジスタよりもpチャンネル型MOSトラン
ジスタを後に動作させるための手段として、インバータ
36を利用し、pチャンネル型MOSトランジスタより
もnチャンネル型MOSトランジスタを後に動作させる
ための手段として、インバータ47を利用したが、この
インバータの他に、若しくはインバータとともに、信号
遅延機能を有する適宜の素子を利用することができる。
【0054】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野である2分割
逐次比較方式のA/D変換回路に適用した場合について
説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、
他の方式のA/D変換回路、さらには各種半導体集積回
路に広く適用することができる。
【0055】本発明は、少なくとも複数のアナログスイ
ッチを備えることを条件に適用することができる。
【0056】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0057】すなわち、アナログスイッチの入力端子に
印加される信号レベルが高電位側電源に近い場合におい
て、nチャンネル型電界効果トランジスタよりもpチャ
ンネル型電界効果トランジスタが後に動作されることに
よって、pチャンネル型MOSトランジスタが安定にオ
ンされている期間内にnチャンネル型MOSトランジス
タをオフさせることができ、また、アナログスイッチの
入力端子に印加される信号レベルが低電位側電源に近い
場合において、pチャンネル型電界効果トランジスタよ
りもnチャンネル型電界効果トランジスタが後に動作さ
れることによって、nチャンネル型MOSトランジスタ
が安定にオンされている期間内にpチャンネル型MOS
トランジスタをオフさせることができるので、アナログ
スイッチの状態切換え時のノイズ低減を図ることができ
る。
【0058】さらに、そのようなアナログスイッチが適
用されたA/D変換回路においては、アナログスイッチ
の状態切換えの際のノイズ低減により、A/D変換誤差
の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるA/D変換回路におけ
る主要部の構成例回路図である。
【図2】上記A/D変換回路の全体的な構成例ブロック
図である。
【図3】上記A/D変換回路に適用される高電圧用アナ
ログスイッチの構成例回路図である。
【図4】上記A/D変換回路に適用される低電圧用アナ
ログスイッチの構成例回路図である。
【図5】上記アナログスイッチのシミュレーション結果
の特性図である。
【図6】上記アナログスイッチのシミュレーション結果
の特性図である。
【図7】上記アナログスイッチのシミュレーション結果
の特性図である。
【図8】上記アナログスイッチのシミュレーション結果
の特性図である。
【図9】上記アナログスイッチのシミュレーション結果
の特性図である。
【図10】上記アナログスイッチのシミュレーション結
果の特性図である。
【図11】上記アナログスイッチのシミュレーション結
果の説明図である。
【符号の説明】
21 比較部 22 制御部 23 逐次比較レジスタ 24 D/Aブロック部 31,41 pチャンネル型MOSトランジスタ 32,42 nチャンネル型MOSトランジスタ 36,46,47 インバータ 210 直列抵抗回路 231 コンパレータ C1,C2,C3,C4 キャパシタ SA1,SA2,SB1,SB2,SC1,SC2,S
W1 アナログスイッチ
フロントページの続き (72)発明者 小林 亨 東京都小平市上水本町5丁目22番1号 株 式会社日立マイコンシステム内 (72)発明者 吉田 達司 東京都小平市上水本町5丁目22番1号 株 式会社日立マイコンシステム内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスイッチを含む半導体集積回路に
    おいて、 上記スイッチは、nチャンネル型電界効果トランジスタ
    よりも、それに並列接続されたpチャンネル型電界効果
    トランジスタのほうが後に動作される第1アナログスイ
    ッチと、pチャンネル型電界効果トランジスタよりも、
    それに並列接続されたnチャンネル型電界効果トランジ
    スタのほうが後に動作される第2アナログスイッチとを
    含み、 高電位側電源に近いレベルの信号を取扱うスイッチとし
    て、上記第1アナログスイッチを適用し、低電位側電源
    に近いレベルの信号を取扱うスイッチとして、上記第2
    アナログスイッチを適用して成ることを特徴とする半導
    体集積回路。
  2. 【請求項2】 信号レベルの逐次比較のために所定のタ
    イミングで動作制御される複数のスイッチを有し、入力
    アナログ信号をディジタル信号に変換するためのA/D
    変換回路において、 上記スイッチは、nチャンネル型電界効果トランジスタ
    よりも、それに並列接続されたpチャンネル型電界効果
    トランジスタのほうが後に動作される第1アナログスイ
    ッチと、pチャンネル型電界効果トランジスタよりも、
    それに並列接続されたnチャンネル型電界効果トランジ
    スタのほうが後に動作される第2アナログスイッチとを
    含み、 高電位側電源に近いレベルの信号を取扱うスイッチとし
    て、上記第1アナログスイッチを適用し、低電位側電源
    に近いレベルの信号を取扱うスイッチとして、上記第2
    アナログスイッチを適用して成ることを特徴とするA/
    D変換回路。
  3. 【請求項3】 複数の抵抗素子が互いに直列接続して成
    る直列抵抗回路における抵抗素子の端子電圧を選択的に
    取出し可能なD/Aブロック部と、このD/Aブロック
    部の出力電圧によって充電される第1キャパシタと、入
    力アナログ信号によって充電される第2キャパシタと、
    上記第1キャパシタ及び第2キャパシタの端子電位を比
    較するためのコンパレータと、上記D/Aブロック部と
    第1キャパシタとの間、及び上記D/Aブロック部と第
    2キャパシタとの間に、それぞれ配置されたスイッチと
    を有し、上記コンパレータの出力信号に基づいて上記入
    力アナログ信号に対応するディジタル信号を得るための
    A/D変換回路において、 上記スイッチは、nチャンネル型電界効果トランジスタ
    よりも、それに並列接続されたpチャンネル型電界効果
    トランジスタのほうが後に動作される第1アナログスイ
    ッチと、pチャンネル型電界効果トランジスタよりも、
    それに並列接続されたnチャンネル型電界効果トランジ
    スタのほうが後に動作される第2アナログスイッチとを
    含み、 高電位側電源に近いレベルの信号を取扱うスイッチとし
    て、上記第1アナログスイッチを適用し、低電位側電源
    に近いレベルの信号を取扱うスイッチとして、上記第2
    アナログスイッチを適用して成ることを特徴とするA/
    D変換回路。
JP24465194A 1994-09-13 1994-09-13 半導体集積回路、及びa/d変換回路 Withdrawn JPH0884075A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6100837A (en) * 1998-01-14 2000-08-08 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha A-D converter
KR101228827B1 (ko) * 2010-12-27 2013-02-01 주식회사 실리콘웍스 축차근사형 아날로그/디지탈 변환기

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6100837A (en) * 1998-01-14 2000-08-08 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha A-D converter
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