JPH11198294A - 光触媒含有層積層熱可塑性フィルム - Google Patents

光触媒含有層積層熱可塑性フィルム

Info

Publication number
JPH11198294A
JPH11198294A JP10017799A JP1779998A JPH11198294A JP H11198294 A JPH11198294 A JP H11198294A JP 10017799 A JP10017799 A JP 10017799A JP 1779998 A JP1779998 A JP 1779998A JP H11198294 A JPH11198294 A JP H11198294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
containing layer
weight
thermoplastic film
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10017799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3911814B2 (ja
Inventor
Shinji Suzuki
慎司 鈴木
Yoshiaki Takegawa
善紀 武川
Juji Konagaya
重次 小長谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP01779998A priority Critical patent/JP3911814B2/ja
Publication of JPH11198294A publication Critical patent/JPH11198294A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3911814B2 publication Critical patent/JP3911814B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 消臭効果に即効性があり且つ長期にわたって
消臭効果を維持し、表面に傷がつきにくく、しかも消臭
剤による担体自体の分解・劣化の起こらない、耐久性の
消臭フィルムを提供すること。 【解決手段】 熱可塑性フィルム基材と該熱可塑性フィ
ルム基材の少なくとも片面に積層された光触媒含有層と
を含んでなる光触媒含有層積層熱可塑性フィルムであっ
て、該光触媒含有層が、光触媒酸化チタンを多孔質無機
不活性物質で被覆してなる無機複合粒子と平均粒径1〜
500nmの無機不活性粒子とを含んだ樹脂層よりな
り、該光触媒含有層に対して、該無機複合粒子の含有量
が1〜30重量%の範囲にあり且つ該無機不活性粒子の
含有量が30〜95重量%の範囲にあることを特徴とす
る、光触媒含有層積層熱可塑性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化チタンの持つ
光酸化又は光触媒作用により消臭効果を付与した、長期
間使用できる、耐久性及び耐擦傷性に優れた光触媒含有
層を積層してなる熱可塑性フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、臭気や香りに対する関心は益々高
まってきており、これに対して、旧来からの活性炭や多
孔性無機物等のような物理的吸着性物質や、化学反応に
よって臭気物質を無臭化又は低臭化する化学的消臭物
質、又は芳香剤スプレー若しくは芳香剤ゲルによる消臭
物質マスキング等が用いられている。しかし、これらは
いずれも短期の消臭効果しか期待できないものであっ
た。
【0003】一方、長期にわたって効果の得られる脱臭
・消臭剤として、最近、触媒系の脱臭・消臭剤や人工酵
素が開発されているが、加工方法や使用形態において種
々の制約を受けているのが実情である。
【0004】特に、強い触媒作用を有する微粒子状の酸
化チタン光触媒が消臭等の応用面において脚光を浴びて
いるが、その触媒作用が強過ぎる結果、有機物質に配合
して製品化したとき、期待する消臭等の効果とは別に、
微粒子状の酸化チタン光触媒の配合されたその有機物質
本体の分解や着色が起こってしまう。この理由から、有
機物質中への微粒子状酸化チタン光触媒の配合は、通常
0.001〜0.1重量%の範囲、多くとも1.0重量
%までしか行なうことができない。従って、本来目的と
する光触媒作用、即ち消臭等の効果も、自ずから限定さ
れざるを得なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実情
に鑑み、消臭フィルムであって、長期にわたって消臭効
果を維持し、フィルム表面に十分な硬度があって傷が付
きにくく、かつ消臭等における即効性にも優れ、しかも
消臭剤として配合された酸化チタンによる担体たる樹脂
自体の分解・劣化の起こらない、耐久性のある消臭フィ
ルムを提供することを目的とする。なお本発明は、実施
に際し用いる熱可塑性フィルム基材の厚みによる制限を
受けず、従って、本明細書にいう「フィルム」は、その
厚みを特に限定することを意図せず、比較的厚みのある
もの(一般に「シート」と呼ばれるもの)をも広く包含
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的の下に、本発
明者らは、光触媒能のある酸化チタンを不活性な多孔質
の無機材料で被覆してなる無機複合粒子と、所定の無機
不活性粒子とを併用して、これらを特定の条件を満たす
ように、樹脂と混合して基材である熱可塑性フィルム上
に積層することによって、迅速且つ長期にわたる優れた
消臭効果を発揮し、しかも酸化チタンによる樹脂の劣化
が防止された、十分な表面硬度を備えた消臭フィルムが
得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】即ち、本発明は、熱可塑性フィルム基材と
該熱可塑性フィルム基材の少なくとも片面に積層された
光触媒含有層とを含んでなる光触媒含有層積層熱可塑性
フィルムであって、該光触媒含有層が、光触媒酸化チタ
ンを多孔質無機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子
と平均粒径1〜500nmの無機不活性粒子とを含んだ
樹脂層よりなり、該光触媒含有層に対して、該無機複合
粒子の含有量が1〜30重量%の範囲にあり且つ該無機
不活性粒子の含有量が30〜95重量%の範囲にあるこ
とを特徴とする、光触媒含有層積層熱可塑性フィルムを
提供する。
【0008】また本発明の光触媒含有層積層熱可塑性フ
ィルムにおいて、特に好ましくは、光触媒酸化チタンを
多孔質無機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子の平
均粒径は、0.1μmから10μmである。
【0009】上記の構成になる本発明の光触媒含有層積
層熱可塑性フィルムは、光触媒酸化チタンを多孔質無機
不活性物質で被覆してなる無機複合粒子を使用したこと
により、光触媒含有層と熱可塑性樹脂フィルムとの接着
界面や光触媒含有層中において、熱可塑性樹脂フィルム
やバインダーが酸化チタンの光触媒作用により破壊され
て光触媒含有層が剥離・変色する等の不都合が起こら
ず、酸化チタンの持つ光触媒作用による消臭の効果を発
揮し、長期使用に適した耐久性を有する。加えて、平均
粒径が1〜500nmである無機不活性粒子を30〜9
5重量%の範囲内で含有させてあるため、該光触媒含有
層の悪臭物質吸着能力が向上し消臭能力に即効性が加わ
ると共に、悪臭物質が酸化チタン表面まで拡散して行き
易くなるため、酸化チタンの光触媒作用による悪臭物質
の分解効率も向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明にいう「熱可塑性フィル
ム」は、有機高分子を溶融押出しして得たフィルム、ま
た、更に必要に応じて縦方向又は横方向に1軸又は2軸
延伸、熱固定して得られたフィルムであってよい。上記
有機高分子からなるフィルムとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、空洞含有ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、空洞含有ポリエステ
ル、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポ
リアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスルフ
ォン、ポリフェニレンオキサイド等が挙げられる。ま
た、これらの有機高分子は、他の有機高分子と共重合さ
せたものや、ブレンドしたものであってもよい。
【0011】更に、この有機高分子には、公知の添加
剤、例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、
着色剤等が添加されてもよい。
【0012】本発明で用いられる「光触媒酸化チタン」
とは、酸化チタンの粒径を1〜50nm程度の微粒子と
し、単位重量当たりの表面積を大きくして反応性を高め
たもので、紫外線及び酸素と水の存在下に強い消臭作
用、抗菌・殺菌作用をもたらすものである。更に、この
光触媒酸化チタンに、金、白金、パラジウム、銅、酸化
ニッケル等の金属及び金属酸化物を担持させておくこと
により光触媒機能を促進させてもよい。
【0013】本発明において、「多孔質無機不活性物
質」は、光触媒酸化チタンの微粒子に多孔質の保護被覆
を施すことにより「無機複合粒子」を構成している。こ
のため、これに用いられる多孔質無機不活性物質は、形
成された無機複合粒子が樹脂への配合時の外力によって
破壊されないだけの強度を有する必要がある。更に、該
多孔質無機不活性物質は、酸化チタンの光触媒作用に対
してはそれ自身安定でなければならず、しかも、光触媒
含有層の形成に用いる樹脂に対しては不活性でなければ
ならない。このような多孔質無機物質としては、シリ
カ、アルミナ、シリカ-アルミナ及び酸化亜鉛等が挙げ
られる。これらは単独で、又は2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0014】多孔質無機不活性物質からなる保護被覆層
の有する孔径は、0.5〜100nm程度であることが
好ましく、1〜30nmであることが更に好ましい。孔
径があまり大きいと樹脂が酸化チタンに接触して分解さ
れて異臭や着色の原因となり、逆に孔径が余りに小さい
と、臭気物質の分子径がそれより大きい場合に当該臭気
物質が酸化チタンまで到達せず、該触媒により分解する
ことができなくなるためである。
【0015】光触媒酸化チタンの微粒子に多孔質無機不
活性物質で保護被覆を施してなる無機複合粒子の平均粒
径は、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5
〜5μmであることが更に好ましい。無機複合粒子の粒
径が0.1μmより小さいと多孔質無機不活性物質によ
る保護コーティング層が簿くなり過ぎて、光触媒含有層
を構成する樹脂を光触媒酸化チタンの光触媒作用から保
護することが困難となる場合がある。これに対し、無機
複合粒子の粒径が10μmより大きいと光触媒含有層表
面が粗くなり過ぎ、塗膜表面が過度に弱くなる場合があ
る。
【0016】光触媒酸化チタンを多孔質無機不活性物質
で被覆してなる無機複合粒子は、光触媒含有層中に1〜
30重量%の範囲で含有されていることが好ましく、3
〜10重量%の範囲で含有されていることが更に好まし
い。即ち、無機複合粒子の含量を1〜30重量%の範囲
とすることにより、長期にわたる消臭効果が維持できる
と共に、光触媒含有層の表面を傷付きやすくすることも
なく、光触媒含有層の基材への接着性も優れたものとす
ることができる。即ち、該光触媒含有層中における該無
機複合粒子の含量が1重量%より少ないと、酸化チタン
の光触媒作用の効果が弱くなり消臭効果が得られにくく
なり、また、該光触媒含有層中の該無機複合粒子の含量
が30重量%を上回ると、該光触媒含有層の強度が弱く
なって、傷に弱いフィルムとなり易い。
【0017】本明細書における「無機不活性粒子」と
は、光触媒含有層を構成する樹脂に対して不活性である
と共に、酸化チタンの光触媒作用に対しても安定な無機
物質の粒子をいう。そのような無機不活性粒子として
は、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ及び酸化亜鉛
等の微粒子が挙げられる。それらは、単独で用いてもよ
く、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】本発明において用いられる無機不活性粒子
の平均粒径は、1〜500nmの範囲にあることが好ま
しく、10〜50nmの範囲にあることが更に好まし
い。該無機不活性粒子の平均粒径を1nmより小さくす
ることは技術的に困難であり、また、該無機不活性粒子
の平均粒径が500nmを上回ると、光触媒含有層の表
面硬度が不足し、傷付きやすくなる。
【0019】上記光触媒含有層中の平均粒径1〜500
nmの無機不活性粒子の含量は、30〜95重量%であ
ることが好ましい。含量をこの範囲とすることにより、
消臭効果の即効性が得られると共に、光触媒含有層の表
面硬度の低下を防止することができる。即ち、平均粒径
1〜500nmの無機不活性粒子の含量が30重量%よ
り少ないと消臭効果の即効性が得にくく、また、含量が
95重量%を超えると光触媒含有層の表面硬度が低下
し、傷付きやすくなる。
【0020】本発明における光触媒含有層を構成する樹
脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れを用い
ることもできる。代表例としては、下記の樹脂またはそ
れらの混合物や共重合物を挙げることができる。すなわ
ち、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、オレフイン系樹脂、フツ素系樹脂、ビニル系樹
脂、塩素系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿
素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド系樹脂、各種
グラフト樹脂等である。
【0021】本発明において、光触媒含有層を形成する
には、光触媒含有層の形成に用いる樹脂溶液に前記無機
複合粒子及び無機不活性粒子を混合してから熱可塑性樹
脂フィルムに塗布する方法や、光触媒含有層の形成に用
いる樹脂中に前記無機複合粒子及び無機不活性粒子を混
合し分散させた後、溶融押出しする方法で、基材となる
熱可塑性フィルムと同時に押出す共押出し法、基材フィ
ルム上に別途押出しして積層する押出しラミネート法、
予め製造したフィルムを各種ラミネート法で積層するド
ライラミネート法などいずれの方法を用いてもよい。し
かし、前記無機複合粒子及び無機不活性粒子を含有する
樹脂溶液を熱可塑性樹脂フィルムに塗布する方法が、材
料選択の幅が広いことや光触媒含有の樹脂層を容易にか
つ均−に形成しやすいこと等から、好ましい。
【0022】前記無機複合粒子及び無機不活性粒子を含
有する樹脂溶液を熱可塑性樹脂フィルムに塗布するに
は、一般的なロールコート法やダイコート法、バーコー
ト法、ディップコート法等、任意の方法を選択してよ
い。塗布は、該フィルム製膜後に別工程として行なって
もよく、また、該フィルム製膜工程内で塗布乾燥延伸を
行うインラインコート法として行なってもよい。
【0023】光触媒含有層を塗布法にて形成する場合、
用いる樹脂は、有機溶剤や水に溶解あるいは水に分散す
る樹脂が好ましいがそれらに限定されない。また電子線
硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等を使用してもよい。ただ
し、塗布、乾燥における大気汚染の軽減や塗布設備の費
用面、塗膜中の残留溶剤の問題等から、水溶性または水
分散性の樹脂が好ましい。
【0024】本発明において、光触媒含有層に他の機能
を付与するために各種添加剤や機能性樹脂を混合しても
よい。例えば、光触媒含有層の強度を高めるため各種架
橋剤を加えて反応させてもよく、帯電防止剤等の界面活
性剤、ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子や
導電性ウィスカーやlTO微粒子、無機滑剤や有機潤滑
剤、他の消臭剤、各種抗菌粒子、抗菌性を有する高分
子、吸水性を有する高分子等をそれぞれの目的に応じて
混合することができる。
【0025】本発明における光触媒含有層の厚みは、特
に制限はないが、通常0.01〜100μm程度であ
り、塗布法により形成した場合は0.1〜20μmであ
るのが好ましく、1〜10μmであるのが更に好まし
い。即ち、厚みが0.1μmより薄いと、上記無機複合
粒子の樹脂への定着性が不良になり該無機複合粒子の脱
落等の問題が起こる。また、厚みが20μmを超える場
合には、原料コストの上昇に見合うだけの消臭効果の向
上が見られないので好ましくない。
【0026】光触媒含有層を形成する組成物を溶融押出
して積層する押出しラミネート法又は予め製膜した光触
媒層を積層するドライラミネート法で形成した光触媒含
有層の厚みは1〜100μm程度が望ましい。
【0027】光触媒含有層には、更に、印刷層やガスバ
リアー性を有さない物質よりなる被覆層を設けてもよ
い。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明は当該実施例に限定される
ものではない。
【0029】本発明で採用した測定評価法は下記の通り
である。 (1)消臭能力評価 容量5000ccのテフロン製バッグ中に、下記の実施
例及び比較例で得られたフィルムのA4サイズ試料を入
れ、アンモニアを濃度500ppmになる様注入し、暗
室内においてフィルム試料上での紫外線強度0.3mW
/cm2になるようブラックライトにて照射し、2時間
後及び24時間後のアンモニアの濃度を検知管により調
べた。
【0030】(2)接着性評価 実施例、比較例で得られたフィルムにつき、セロテープ
剥離テストを行った。セロテープ剥離テストは、光触媒
含有層面に2mm碁盤目を入れ、その部分にセロハンテ
ープ(商品名RT−18:ニチバン(株)製)を均一に
貼着した後180度方向に剥離し、光触媒含有層の剥離
の有無を目視により調べた。
【0031】<実施例1>光触媒酸化チタンを多孔質無
機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子(五洋紙工
(株)製消臭剤「GYT」、平均粒径7μm)1重量%
に対し、シリカゾル(日産化学工業(株)製「スノーテ
ックス」、固形分20%、平均粒径20nm)60重量
%、及びポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製
PVA−105を水に溶解し10重量%に調整したも
の)39重量%を加え、塗布剤とした。該塗布剤を、基
材とした東洋紡績(株)製PETフィルムE5100
(100μm厚)に塗布し、150℃にて3分間乾燥
し、塗布厚み5μmの光触媒含有層積層フィルムを得
た。該光触媒含有層の組成(重量%)は、無機複合粒子
/シリカ/ポリビニルアルコール=5.9/71.0/
23.1である。
【0032】<実施例2>光触媒酸化チタンを多孔質無
機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子(五洋紙工
(株)製消臭剤「GYT」、平均粒径7μm)1重量%
に対し、シリカゾル(日産化学工業(株)製「スノーテ
ックス」、固形分20%、平均粒径20nm)60重量
%、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製PV
A−105を水に溶解し10重量%に調整したもの)3
8重量%、及びメラミン系架橋剤(住友化学工業(株)
製「スミマール」、固形分80重量%)2重量%を加
え、塗布剤とした。該塗布剤を、基材とした東洋紡績
(株)製PETフィルムE5100(100μm厚)に
塗布し、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み5μmの
光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含有層の組
成(重量%)は、無機複合粒子/シリカ/ポリビニルア
ルコール/メラミン系架橋剤=5.4/65.2/2
0.7/8.7である。
【0033】<比較例1>光触媒酸化チタンを多孔質無
機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子(五洋紙工
(株)製消臭剤「GYT」、平均粒径7μm)0.1重
量%に対し、シリカゾル(日産化学工業(株)製「スノ
ーテックス」、固形分20%、平均粒径20nm)50
重量%、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製
PVA−105を水に溶解し10重量%に調整したも
の)47.9重量%、及びメラミン系架橋剤(住友化学
工業(株)製「スミマール」、固形分80重量%)2重
量%を加え、塗布剤とした。該塗布剤を、基材とした東
洋紡績(株)製PETフィルムE5100(100μm
厚)に塗布し、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み5
μmの光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含有
層の組成(重量%)は、無機複合粒子/シリカ/ポリビ
ニルアルコール/メラミン系架橋剤=0.6/60.6
/29.0/9.7である。
【0034】<比較例2>光触媒酸化チタンを多孔質無
機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子(五洋紙工
(株)製消臭剤「GYT」、平均粒径7μm)10重量
%に対し、シリカゾル(日産化学工業(株)製「スノー
テックス」、固形分20%、平均粒径20nm)44重
量%、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製P
VA−105を水に溶解し10重量%に調整したもの)
44重量%、及びメラミン系架橋剤(住友化学工業
(株)製「スミマール」、固形分80重量%)2重量%
を加え、塗布剤とした。該塗布剤を、基材とした東洋紡
績(株)製PETフィルムE5100(100μm厚)
に塗布し、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み5μm
の光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含有層の
組成(重量%)は、無機複合粒子/シリカ/ポリビニル
アルコール/メラミン系架橋剤=40.3/35.5/
17.7/6.5である。
【0035】<比較例3>光触媒酸化チタンを多孔質無
機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子(五洋紙工
(株)製消臭剤「GYT」、平均粒径7μm)1重量%
に対し、シリカゾル(平均粒径1μmの球状シリカを水
に分散させたもの。固形分20%)60重量%、ポリビ
ニルアルコール水溶液((株)クラレ製PVA−105
を水に溶解し10重量%に調整したもの)38重量%、
及びメラミン系架橋剤(住友化学工業(株)製「スミマ
ール」、固形分80重量%)2重量%を加え、塗布剤と
した。該塗布剤を、基材とした東洋紡績(株)製PET
フィルムE5100(100μm厚)に塗布し、150
℃にて3分間乾燥し、塗布厚み5μmの光触媒含有層積
層フィルムを得た。該光触媒含有層の組成(重量%)
は、無機複合粒子/シリカ/ポリビニルアルコール/メ
ラミン系架橋剤=5.4/65.2/20.7/8.7
である。
【0036】<比較例4>光触媒酸化チタンを多孔質無
機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子(五洋紙工
(株)製消臭剤「GYT」、平均粒径7μm)1重量%
に対し、シリカゾル(日産化学工業(株)製「スノーテ
ックス」、固形分20%、平均粒径20nm)15重量
%、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製PV
A−105を水に溶解し10重量%に調整したもの)8
0重量%、及びメラミン系架橋剤(住友化学工業(株)
製「スミマール」、固形分80重量%)4重量%を加
え、塗布剤とした。該塗布剤を、基材とした東洋紡績
(株)製PETフィルムE5100(100μm厚)に
塗布し、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み5μmの
光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含有層の組
成(重量%)は、無機複合粒子/シリカ/ポリビニルア
ルコール/メラミン系架橋剤=6.6/19.7/5
2.6/21.0である。
【0037】<比較例5>光触媒酸化チタンを多孔質無
機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子(五洋紙工
(株)製消臭剤「GYT」、平均粒径7μm)0.1重
量%に対し、シリカゾル(日産化学工業(株)製「スノ
ーテックス」、固形分20%、平均粒径20nm)96
重量%、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製
PVA−105を水に溶解し10重量%に調整したも
の)3.7重量%、及びメラミン系架橋剤(住友化学工
業(株)製「スミマール」、固形分80重量%)0.2
重量%を加え、塗布剤とした。該塗布剤を、基材とした
東洋紡績(株)製PETフィルムE5100(100μ
m厚)に塗布し、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み
5μmの光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含
有層の組成(重量%)は、無機複合粒子/シリカ/ポリ
ビニルアルコール/メラミン系架橋剤=0.5/96.
8/1.9/0.8である。
【0038】(評価結果)実施例1及び2で得られた光
触媒含有層積層フィルムについては、上記消臭能力評価
において、バッグ中のアンモニア濃度の急激な低下が見
られ、2時間後には初期濃度の1/10以下となり、2
4時間後には1ppm以下になっていた。また、紫外線
照射後も、基材と光触媒含有層との間の接着性は良好で
あった。
【0039】比較例1(無機複合粒子を光触媒含有層中
に0.6重量%しか含有しない。)で得られた光触媒含
有層積層フィルムについての消臭能力評価では、2時間
後のアンモニア濃度減少は実施例1及び2と同程度であ
ったが、2時間後から24時間後までの間での濃度減少
が極めて僅かしか認められなかった。
【0040】比較例2(無機複合粒子を光触媒含有層中
に40.3重量%も含有する。)で得られた光触媒含有
層積層フィルムについての消臭能力評価では、2時間後
及び24時間後共に、実施例1及び2と同等のアンモニ
ア濃度減少が見られた。しかしながら、光触媒含有層の
強度は弱く、セロテープ剥離試験を行なうと、光触媒含
有層が剥離した。
【0041】比較例3(無機不活性粒子として用いたシ
リカの平均粒径が1μmであることを除き、実施例2と
同じ構成である。)で得られた光触媒含有層積層フィル
ムは、光触媒含有層の強度が弱く、指で触っただけで剥
離した。このように光触媒含有層の強度が弱すぎたた
め、消臭能力評価の対象とはならなかった。
【0042】比較例4(無機不活性粒子としてのシリカ
を、光触媒含有層中に19.7重量%しか含有しな
い。)で得られた光触媒含有層積層フィルムについての
消臭能力評価では、特に初期のアンモニア濃度減少が、
実施例1及び2に比べて顕著に遅く、また24時間後に
おいても依然として相当高いアンモニア濃度を保ってい
た。但し、基材に対する光触媒含有層の接着性に関する
限り、紫外線照射後も良好であった。
【0043】比較例5(無機不活性粒子としてのシリカ
を、光触媒含有層中に96.8重量%も含有する。)で
得られた光触媒含有層積層フィルムは、光触媒含有層の
強度が弱く、指で触っただけで剥離した。このように光
触媒含有層の強度が弱すぎたため、消臭能力評価の対象
とはならなかった。
【0044】実施例及び比較例についての評価結果を次
の表1にまとめる。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】以上の構成になる本発明により、酸化チ
タンの優れた消臭効果を、即効性及び持続性をもって発
揮させながら、酸化チタンを保持する樹脂の破壊を防止
し且つ十分な表面硬さを備えた、耐久性のある消臭シー
トが提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09C 1/36 C09C 1/36 C09D 7/12 C09D 7/12 Z 201/00 201/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性フィルム基材と該熱可塑性フィル
    ム基材の少なくとも片面に積層された光触媒含有層とを
    含んでなる光触媒含有層積層熱可塑性フィルムであっ
    て、該光触媒含有層が、光触媒酸化チタンを多孔質無機
    不活性物質で被覆してなる無機複合粒子と平均粒径1〜
    500nmの無機不活性粒子とを含んだ樹脂層よりな
    り、該光触媒含有層に対して、該無機複合粒子の含有量
    が1〜30重量%の範囲にあり且つ該無機不活性粒子の
    含有量が30〜95重量%の範囲にあることを特徴とす
    る、光触媒含有層積層熱可塑性フィルム。
  2. 【請求項2】該無機複合粒子の平均粒径が0.1〜10
    μmであることを特徴とする、請求項1の光触媒含有層
    積層熱可塑性フィルム。
  3. 【請求項3】該光触媒含有層を構成する樹脂が架橋され
    た樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2の光触
    媒含有層積層熱可塑性フィルム。
JP01779998A 1998-01-14 1998-01-14 光触媒含有層積層熱可塑性フィルム Expired - Fee Related JP3911814B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01779998A JP3911814B2 (ja) 1998-01-14 1998-01-14 光触媒含有層積層熱可塑性フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01779998A JP3911814B2 (ja) 1998-01-14 1998-01-14 光触媒含有層積層熱可塑性フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11198294A true JPH11198294A (ja) 1999-07-27
JP3911814B2 JP3911814B2 (ja) 2007-05-09

Family

ID=11953771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01779998A Expired - Fee Related JP3911814B2 (ja) 1998-01-14 1998-01-14 光触媒含有層積層熱可塑性フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3911814B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001302891A (ja) * 2000-04-21 2001-10-31 Toyobo Co Ltd 生分解性成形物の分解制御方法及びそれに用いる生分解性成形物
JP2002036418A (ja) * 2000-07-24 2002-02-05 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 光触媒機能を有するフィルム素材
JP2018083902A (ja) * 2016-11-24 2018-05-31 ダイヤプラスフィルム株式会社 消臭積層シート及び消臭樹脂製マット

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001302891A (ja) * 2000-04-21 2001-10-31 Toyobo Co Ltd 生分解性成形物の分解制御方法及びそれに用いる生分解性成形物
JP2002036418A (ja) * 2000-07-24 2002-02-05 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 光触媒機能を有するフィルム素材
JP2018083902A (ja) * 2016-11-24 2018-05-31 ダイヤプラスフィルム株式会社 消臭積層シート及び消臭樹脂製マット

Also Published As

Publication number Publication date
JP3911814B2 (ja) 2007-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI583553B (zh) 具有抗磨損的氣味吸收膜
JP2010084448A (ja) 可視光型光触媒機能を有する壁紙、及び該壁紙の製造方法。
JP3048892B2 (ja) 脱臭機能を有する樹脂組成物
JP6263927B2 (ja) 放射線滅菌処理用包装材料及びそれよりなる包装体
JPH07316342A (ja) 光触媒含有合成樹脂組成物及び該組成物層を含む積層体
JP3089223B2 (ja) 装飾シートおよびその製造方法
JP3931418B2 (ja) 光触媒含有層積層熱可塑性フィルム
JP6225491B2 (ja) 放射線滅菌処理用包装材料及びそれよりなる包装体
JP3911814B2 (ja) 光触媒含有層積層熱可塑性フィルム
CN114308050B (zh) 带光催化剂的基材及光催化装置
JP3461227B2 (ja) 二酸化チタンを含有したシリカ膜を有する物品
JP3990951B2 (ja) 光触媒含有基材
JPH10296920A (ja) 光触媒含有層を積層した熱可塑性樹脂フィルム
JPH1158624A (ja) 光触媒含有層積層熱可塑性樹脂フィルム及び積層金属板
JPH10264283A (ja) 貼り合わせ型光触媒シート
JP7155667B2 (ja) 消臭包装材料及び消臭包装体
JPH09182782A (ja) 消臭シート
JP2007160138A (ja) 光触媒組成物、該光触媒組成物を含む樹脂組成物及びその成形品
JP3831080B2 (ja) 光触媒シ−ト及びその製造方法
JP2012092473A (ja) 揮発性有機化合物を分解及び吸着する機能性壁紙
JP2000103002A (ja) 消臭機能を有する化粧材
JP7214992B2 (ja) 消臭シーラントフィルム及び消臭包装材料
JP2012167423A (ja) 可視光型光触媒機能を有する壁紙
JPH09168583A (ja) 消臭機能を有する粘着シート
JP2005153472A (ja) 積層板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140209

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees