JP3831080B2 - 光触媒シ−ト及びその製造方法 - Google Patents

光触媒シ−ト及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は抗菌、除菌、防汚、防臭、浄化等に使用する光触媒シ−ト及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
酸化物半導体である酸化チタン等の光触媒微粒子にバンドギャップ以上のエネルギ−を有する光を照射すると、励起により電子及び正孔が発生され、表面に近接した有機物や微生物が酸化により分解され、無機酸化物においては、最終酸化物にまで酸化されるに至る。
そこで、この光触媒微粒子をバインダ−で担持させた光触媒シ−トを所定の場所に配設し、空気中に浮遊する細菌や臭気性ガスを分解して抗菌、除菌、防汚、防臭、浄化等を行うことが提案されている。
【0003】
従来、ビニルエ−テル−フルオロオレフィンコポリマ−やビニルエステル−フルオロオレフィンコポリマ−等のフッ素系ポリマ−とイソシアネ−ト系硬化剤等の架橋剤と光触媒微粒子との溶剤溶液を支持体上に塗布し、架橋反応で硬化させて光触媒層を形成することが公知である(特開平7−171408号)。
この光触媒層は、難分解性であるフッ素系ポリマ−をバインダ−としているから、活性化光触媒微粒子でバインダ−が酸化劣化されるのをよく防止でき、光触媒微粒子の安定な結着が期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光触媒微粒子の表面の大部分がバインダ−で覆われ、光触媒微粒子と空気との直接的な接触がそれだけ少なくなるので、空気中の細菌等に対する光触媒微粒子の酸化分解効率の低下が避けられない。
【0005】
ところで、フッ素系ポリマ−の製膜法として、フッ素系ポリマ−のディスパ−ジョンを塗布し、加熱により塗布膜中の溶媒を蒸発させ、更に加熱焼成によりフッ素系ポリマ−粒子間を焼結することが知られている。この膜製法では、焼成に、前記した架橋硬化法に較べ相当に高温(370〜390℃)の加熱が必要である。
しかしながら、本発明者の検討結果によれば、フッ素系ポリマ−とし特にポリテトラフルオロエチレンを使用し、このポリテトラフルオロエチレン粉末と光触媒微粒子とのディスパ−ジョンを塗布し、焼成して得た光触媒層は、上記架橋硬化法による光触媒層に較べて著しく優れた分解性能を呈することが判明した。この高分解性能の原因を解明するために、その光触媒層の組織を顕微鏡で観察したところ、光触媒微粒子と樹脂との間に空気層が存在し、この空気層が繋がって連続気泡状を成していることが判明した。
【0006】
上記空気層の形成は、ポリテトラフルオロエチレンポリマ−がビニルエ−テル−フルオロオレフィンコポリマ−やビニルエステル−フルオロオレフィンコポリマ−等のフッ素系ポリマ−に較べて難溶着性であり、しかも、光触媒微粒子に較べてポリテトラフルオロエチレンポリマ−の熱収縮率が著しく大きいために、焼成後の冷却時、光触媒微粒子と樹脂との界面が剥離され、樹脂の冷却収縮に伴いその剥離箇所の空間が拡大されていく結果であると推察される。
この推察の妥当性は、焼成による光触媒層の形成において、ポリテトラフルオロエチレンポリマ−に代えパ−フルオロアルキルビニルエ−テル−テトラフルオロエチレンコポリマ−を用いると、顕著な分解性能の低下が観られることからも、裏付けられる。
【0007】
本発明の目的は、上記知見に基づき、ポリテトラフルオロエチレン粉末と光触媒微粒子とを含有するディスパ−ジョンの塗布・焼成で光触媒層を形成することにより、酸化分解効率に優れた光触媒シ−トを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る光触媒シ−トは、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の焼成層内に光触媒微粒子が分散され、樹脂と光触媒微粒子との間に微小空気層が形成されて成る光触媒層の裏面に補強層が設けられ、該補強層の裏面に易接着性層が設けられ、該易接着性層の裏面に接着層が設けられていることを特徴とする。
請求項2に係る光触媒シートは、請求項1の光触媒シートにおいて、光触媒層の表面粗さRzが4μm以下とされている。
請求項3に係る光触媒シートは、請求項1または2の光触媒シ−トにおいて、補強層が着色顔料または充填剤を含有するポリテトラフルオロエチレン樹脂の焼成層であり、易接着性層がコロイダルシリカを含有する熱溶融性パ−フロロ樹脂の焼成層である。
請求項4に係る光触媒シートは、請求項1乃至3何れかの光触媒シ−トにおいて、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の焼成層内の焼結された樹脂粒子間に間隙が残存している。
請求項5に係る光触媒シ−トの製造方法は、ポリテトラフルオロエチレン粉末と光触媒微粒子とのディスパ−ジョンをキャスティング用キャリヤに塗布し、この塗布層を乾燥、焼成及び冷却して光触媒層を形成し、更に、充填剤または無機顔料とポリテトラフルオロエチレン粉末とのディスパ−ジョンを光触媒層上に塗布、乾燥、焼成及び冷却して補強層を形成し、更にパ−フロロ樹脂粉末とコロイダルシリカとのディスパ−ジョンを塗布、乾燥、焼成及び冷却して易接着層を形成し、この易接着層に粘着剤を塗布し、更に剥離紙を接着し、而るのち、キャスティング用キャリヤを剥離することを特徴とする。
請求項6に係る光触媒シ−トの製造方法は、ポリテトラフルオロエチレン粉末と光触媒微粒子とのディスパ−ジョンをキャスティング用キャリヤに塗布し、この塗布層を乾燥、焼成及び冷却して光触媒層を形成し、更に、充填剤または無機顔料とポリテトラフルオロエチレン粉末とのディスパ−ジョンを光触媒層上に塗布、乾燥、焼成及び冷却して補強層を形成し、更にパ−フロロ樹脂粉末とコロイダルシリカとのディスパ−ジョンを塗布、乾燥、焼成及び冷却して易接着層を形成し、而るのち、キャスティング用キャリヤを剥離し、更に、前記の易接着層に粘着剤を塗布し、更に剥離紙を接着することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る光触媒シ−トの一例を示している。
図1において、1はポリテトラフルオロエチレン樹脂の焼成層内に光触媒微粒子が分散され、樹脂と光触媒微粒子との間に微小空気層が形成されて成る光触媒層を示し、ポリテトラフルオロエチレン粉末と光触媒微粒子とを含有したディスパ−ジョンをキャスティング用キャリヤに塗布し、加熱により塗布層中の溶媒を蒸発除去し、更に加熱焼成によりポリテトラフルオロエチレン粒子間を焼結し、ついで冷却し、キャスティング用キャリヤから剥離することによって形成してあり、光触媒微粒子とポリテトラフルオロエチレン樹脂との間の空気層の生成は、上記冷却時でのポリテトラフルオロエチレン樹脂の光触媒微粒子よりも大なる熱収縮及びポリテトラフルオロエチレン樹脂の光触媒微粒子に対する非融着性に依存している。
【0010】
上記光触媒微粒子には、優れた光触媒活性を呈するアナタ−ゼ型酸化チタン微粒子を使用することが好ましい。また、光触媒微粒子の活性を高めるために、アルカリ金属イオンを担持させることができる。
上記ポリテトラフルオロエチレン粉末の粒径は、0.2〜0.3μm、光触媒微粒子の粒径は、0.007〜0.5μmであり、焼成によりポリテトラフルオロエチレンの粒子間が焼結され、その焼成の温度でのポリテトラフルオロエチレン粒子の流動が実質状生じないためにポリテトラフルオロエチレン粒子の焼結箇所に間隙が形成され易く、この間隙が上記空気層に繋がって光触媒層組織の連続気泡化が促される。而して、ポリテトラフルオロエチレン樹脂と光触媒微粒子との空気層の厚みは、数ナノメ−タ〜数ミクロンの微細間隙であり、水等の液体の通過は生じないが、連続気泡のために空気は充分に出入りし得る。
上記ディスパ−ジョン中の光触媒微粒子の配合量が多すぎると、ポリテトラフルオロエチレンによる光触媒微粒子間の結着強度が不充分となるので、ポリテトラフルオロエチレン粉末/光触媒微粒子の混合比は、3/7〜8/2とすることが好ましい。
【0011】
上記光触媒層は、上記した通り、ディスパ−ジョンのキャスティング用キャリヤへの塗布、乾燥、焼成、冷却、キャスティング用キャリヤからの剥離により製作され、光触媒層の表面平滑性はキャスティング用キャリヤの平滑性で規制される。而るに、光触媒層の表面粗さが大きすぎると、防汚に支障となり、また表面積が大となりその表面に突出する光触媒微粒子が多くなって光触媒微粒子の脱落防止上も好ましくないので、光触媒層の表面粗さRz(JIS B 0601)は2μm以下とし、キャスティング用キャリヤの表面粗さRzは4μm以下とすることが好ましい。
このキャスティング用キャリヤには、上記表面粗さ以外に、上記焼成時の加熱によっても変形等を生じない耐熱性及び剥離性が要求され、金属箔や金属シ−トが適切である。
【0012】
上記キャスティング用キャリヤへのディスパ−ジョンの塗布には、キャリヤをディスパ−ジョン中に浸漬して引き上げる方法、ディスパ−ジョンをスプレ−する方法、ディスパ−ジョンを刷毛塗する方法、ディスパ−ジョンを流延する方法、ロ−ルコ−タにより塗布する方法等を使用できる。上記ディスパ−ジョンの濃度は、塗布方法に応じて設定されるが、通常40%〜60%とされる。
【0013】
図1において、2は補強層であり、上記キャスティング用キャリヤからの剥離時の張力に耐え得る強度を付与し、また、光触媒シ−トに所望の厚みを付与するために使用され、例えば、耐摩耗性充填剤や無機顔料を添加したポリテトラフルオロエチレン粉末のディスパ−ジョンの塗布、乾燥、焼成、冷却により形成できる。その厚みは、例えば、10〜40μmとされる。
3は易接着性層であり、例えば、加熱溶融性パ−フロロ樹脂粉末(例えば、パ−フルオロアルキルビニルエ−テル−テトラフルオロエチレンコポリマ−やヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレンコポリマ−の粉末。粒径0.2〜0.3μm)とコロイダルシリカ(粒径0.01〜0.02μm)とを含有するディスパ−ジョンの塗布、乾燥、焼成、冷却により形成できる。その厚みは、例えば、1〜5μmとされる。この易接着性層においては、パ−フロロ樹脂とコロイダルシリカとの間が密着され、その間での空隙の発生が実質上ないので、緻密組織である。
4は接着層であり、粘着剤層を使用することが好ましく、シリコ−ン系、アクリル系等の通常の粘着剤を使用できる。
5は接着層4に接着した剥離紙である。
【0014】
図1に示す光触媒シ−トの製造には、ポリテトラフルオロエチレン粉末と光触媒微粒子とのディスパ−ジョンをキャスティング用キャリヤに塗布し、この塗布層を乾燥、焼成及び冷却して光触媒層1を形成し、更に、充填剤または無機顔料とポリテトラフルオロエチレン粉末とのディスパ−ジョンを光触媒層層上に塗布、乾燥、焼成及び冷却して補強層2を形成し、更にパ−フロロ樹脂粉末とコロイダルシリカとのディスパ−ジョンを塗布、乾燥、焼成及び冷却して易接着層3を形成し、この易接着層3に粘着剤4を塗布し、更に剥離紙5を接着してから、光触媒シ−トをキャスティング用キャリヤから剥離する方法、上記易接着層3の形成後に、三層(光触媒層1と補強層2と易接着性層3)を一体的にキャスティング用キャリヤから剥離し、更に粘着剤4の塗布及び剥離紙5の接着を行う方法によることができる。
【0015】
本発明に係る光触媒シ−トにおいては、ディスパ−ジョンの光触媒微粒子と樹脂バインダ−との間に空気層が存在し、この空気層が光触媒層の連続気泡組織のために外気と通じているから、空気が光触媒微粒子の外表面にほぼ全面で接触して通過し、空気中の細菌や有害ガスを活性化光触媒微粒子で効率よく酸化分解できる。
また、光触媒微粒子を担持している樹脂が難分解性のポリテトラフルオロエチレンであるから、樹脂バインダ−を崩壊無く長期安定に保持でき、かつ、光触媒微粒子を樹脂層の気泡内に抱き込ませてあるから、光触媒微粒子を長期にわたり安定に担持できる。
従って、空気中の細菌や有害ガスを長期にわたり効率よく酸化分解できる。
【0016】
特に、上記実施例の光触媒シ−トにおいては、上記補強層が光触媒層と同様に連続気泡化されても、活性化光触媒微粒子による酸化分解で発生する水酸ラジカルや活性酸素が、緻密組織の易接着層のために接着剤層から確実に遮断されるから、光触媒微粒子の活性化に基づく接着剤層の劣化を防止でき、長期の安定な接着使用を保証できる。
勿論、積層状態で保管しても、剥離紙によって光触媒層と粘着剤層との直接接触を防止できるから、保管中での紫外線の入射で光触媒微粒子が活性化しても、接着剤層を安定に保持できる。
【0017】
本発明に係る光触媒シ−トの使用中での活性化(励起)は、紫外線の照射の外、プラズマ照射によっても行うことができる。
本発明に係る除菌、防汚、防臭、浄化等に使用でき、具体的には、空気浄化装置や冷蔵庫内に粘着固定し、建物の内装材から発生する溶剤ガスの分解除去や果物や農作物の熟成を速めるエチレンの分解除去等に使用できる。
なお、紫外線の照射条件が比較的緩い場合、本発明に係る光触媒シ−トは、補強層の裏面にスパッタリングやコロナ処理等の易接着化処理を施し、この処理面に接着剤層を設ける形態で実施することもできる。
【0018】
【実施例】
〔実施例〕
ポリテトラフルオロエチレン粉末(粒子径ほぼ0.25μm)とアナタ−ゼ型酸化チタン微粒子(粒子径0.02μm)を重量比6:4で含有する固形分濃度40%の水ディスパ−ジョンを調製した。
このディスパ−ジョンに厚さ50μm、表面粗さRz3.8μmのステンレス箔を浸漬し引上げ、100℃×60秒の加熱で水を蒸発・除去し、更に390℃×90秒の加熱で焼成し、厚み7μmの光触媒層を形成した。
次に、ポリテトラフルオロエチレン粉末の水ディスパ−ジョンに緑色無機顔料を10重量%添加し、このディスパ−ジョンへの上記光触媒層付きステンレス箔の浸漬・引上げ、100℃×60秒での水の蒸発除去、390℃×90秒での焼成の一連の処理を二回行って、厚み21μmの補強層を形成した。
次に、パ−フルオロアルキルビニルエ−テル−テトラフルオロエチレン共重合体の水ディスパ−ジョンにコロイダルシリカ(粒径0.01〜0.02μm)を20重量%添加し、このディスパ−ジョンへの浸漬・引上げ、100℃×60秒での水の蒸発除去、390℃×90秒での焼成を行って厚さ2μmの緻密な易接着性層を形成した。
これらの三層の積層厚みは30μmであり、この積層体をステンレス箔から剥離し、易接着性層にアクリル系粘着剤を乾燥厚さ50μmで塗布して光触媒シ−トを得た。この光触媒シ−トの光触媒層の表面粗さRzは1.8μmであった。
【0019】
この光触媒シ−トの5cm×5cm片に対し、大腸菌濃度105個/ミリリットルの菌液0.5ミリリットルを光触媒層上に滴下し、ブラックライト(紫外線強度0.1mW/cm2)を照射し、寒天培養してコロニ−数を測定する殺菌試験を行ったところ、1時間照射で菌数10個以下に減少した。光照射なしの場合、3時間経過後でも、菌数は殆ど減少せず、ほぼ105個のままであった。
また、市販の15Wのブラックライトをセットした内容積4リットルの密閉容器中に、光触媒シ−トの5cm×5cm片を光触媒層をブラックライトに向けて配置し、悪臭物質としてアセトアルデヒド100ppmを注入した後、ブラックライトを点灯して1mW/cm2の紫外線を照射し、所定時間の照射後、ガスクロマトグラフを用いて容器内のアセトアルデヒド濃度を測定するアセトアルデヒド分解試験を行ったところ、60分紫外線照射でアセトアルデヒド濃度が30ppmに減少した。
【0020】
〔比較例〕
実施例に対し、光触媒層形成用の水ディスパ−ジョン中のポリテトラフルオロエチレンに代え、パ−フルオロアルキルビニルエ−テル−テトラフルオロエチレン共重合体を使用した以外、実施例と同じとした。
実施例と同様にして殺菌試験を行い、光照射1時間後の菌数を測定したところ、約104個であった。
また、実施例と同様にしてアセトアルデヒド分解試験を行い、60分紫外線照射後でのアセトアルデヒド濃度を測定したところほぼ90ppmであった。
【0021】
このように、比較例が実施例に較べ、殺菌性及びアセトアルデヒド分解性等に劣るのは、パ−フルオロアルキルビニルエ−テル−テトラフルオロエチレン共重合体が光触媒微粒子によく加熱融着し、光触媒微粒子の表面の大部分がパ−フルオロアルキルビニルエ−テル−テトラフルオロエチレン共重合体で覆われる結果であると推定される。
【0022】
なお、実施例品においては、3mW/cm2×2000時間の過酷な紫外線照射のもとでも、接着剤層に何等の異常も観られず、剥離は生じなかったが、易接着性層を省略し、補強層の裏面をスパッタリング処理し、この処理面に粘着剤層を設けたものでは、3mW/cm2×100時間の紫外線照射で粘着剤層に剥離が生じた。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係る光触媒シ−トにおいては、光触媒微粒子とバインダ−樹脂との間に微細空気層が存在し、その空気層と樹脂層の連続気泡との繋りにより外部の空気が光触媒微粒子のほぼ全面に接触して流通するから、その空気中細菌等に対する活性光触媒微粒子の酸化分解効率を向上できる。
また、光触媒微粒子が樹脂バンンダ−内に抱えられ、かつ樹脂自体が難分解性であるから、光触媒微粒子を安定に担持できる。
従って、本発明に係る光触媒シ−トによれば、長期間優れた効率で除菌、防汚、防臭、浄化を行い得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光触媒シ−トを示す図面である。
【符号の説明】
1 光触媒層
2 補強層
3 易接着性層
4 粘着剤層
5 剥離紙

Claims (6)

  1. ポリテトラフルオロエチレン樹脂の焼成層内に光触媒微粒子が分散され、樹脂と光触媒微粒子との間に微小空気層が形成されて成る光触媒層の裏面に補強層が設けられ、該補強層の裏面に易接着性層が設けられ、該易接着性層の裏面に接着層が設けられていることを特徴とする光触媒シ−ト。
  2. 光触媒層の表面粗さRzが4μm以下である請求項1記載の光触媒シ−ト。
  3. 補強層が着色顔料または充填剤を含有するポリテトラフルオロエチレン樹脂の焼成層であり、易接着性層がコロイダルシリカを含有する熱溶融性パ−フロロ樹脂の焼成層である請求項1または2記載の光触媒シ−ト。
  4. ポリテトラフルオロエチレン樹脂の焼成層内の焼結された樹脂粒子間に間隙が残存している請求項1乃至3何れか記載の光触媒シ−ト。
  5. ポリテトラフルオロエチレン粉末と光触媒微粒子とのディスパ−ジョンをキャスティング用キャリヤに塗布し、この塗布層を乾燥、焼成及び冷却して光触媒層を形成し、更に、充填剤または無機顔料とポリテトラフルオロエチレン粉末とのディスパ−ジョンを光触媒層上に塗布、乾燥、焼成及び冷却して補強層を形成し、更にパ−フロロ樹脂粉末とコロイダルシリカとのディスパ−ジョンを塗布、乾燥、焼成及び冷却して易接着層を形成し、この易接着層に粘着剤を塗布し、更に剥離紙を接着し、而るのち、キャスティング用キャリヤを剥離することを特徴とする光触媒シ−トの製造方法。
  6. ポリテトラフルオロエチレン粉末と光触媒微粒子とのディスパ−ジョンをキャスティング用キャリヤに塗布し、この塗布層を乾燥、焼成及び冷却して光触媒層を形成し、更に、充填剤または無機顔料とポリテトラフルオロエチレン粉末とのディスパ−ジョンを光触媒層上に塗布、乾燥、焼成及び冷却して補強層を形成し、更にパ−フロロ樹脂粉末とコロイダルシリカとのディスパ−ジョンを塗布、乾燥、焼成及び冷却して易接着層を形成し、而るのち、キャスティング用キャリヤを剥離し、更に、前記の易接着層に粘着剤を塗布し、更に剥離紙を接着することを特徴とする光触媒シ−トの製造方法。
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