JPH11197669A - 電気化学的水処理用装置 - Google Patents

電気化学的水処理用装置

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JPH11197669A
JPH11197669A JP1487298A JP1487298A JPH11197669A JP H11197669 A JPH11197669 A JP H11197669A JP 1487298 A JP1487298 A JP 1487298A JP 1487298 A JP1487298 A JP 1487298A JP H11197669 A JPH11197669 A JP H11197669A
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water
electrode
electrolytic cell
metal
treated
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JP1487298A
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Norio Koike
紀夫 小池
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SHIKISHIMA KIKI KK
Original Assignee
SHIKISHIMA KIKI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の金属電極を使用する水処理用電解槽で
は、複数の金属電極相互の位置が一定せず、これにより
金属電極の寿命の短縮と電解条件の不安定化を招いてい
た。本発明は、この様な欠点のない水処理用電解槽を提
供することを目的とする。 【構成】 複数の金属電極9、12をガスケット14により
絶縁するとともに、多孔板20a及び20bを使用して所定
位置に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被処理水の電気化学的
処理装置に関し、より詳細には、微生物や有害不純物を
含有する各種被処理水の殺菌処理を行う複数の金属電極
を有する電解槽の前記複数の金属電極を安定に所定位置
に維持することにより該金属電極の長寿命化を図るとと
もに殺菌レベルをほぼ一定に維持できる電気化学的水処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、純水、水道水、工業用水、井戸
水、風呂水、プ−ル水、洗浄水、生活排水、工場排水等
の水には程度の差こそあれ細菌等の各種微生物が棲息し
あるいは溶質を溶解している。そしてこれらの水溶液は
前記溶質が適度の養分を提供し、あるいは該水溶液の温
度が微生物の繁殖に適した温度であると、前記微生物が
繁殖して前記水溶液の性能劣化を起こしたり、前記各水
溶液が流通する配管等の内壁に付着蓄積して前記配管を
有する機器の機能を損なうことが多い。従ってこれらの
水質の改良には水中に棲息する各種微生物を殺菌する必
要がある。例えば写真感光材料は画像露光の後、ペーパ
ー感光材料処理の場合には、発光現像、漂白定着、水洗
及び/又は安定化の各処理工程を経て処理され更に乾燥
される。
【0003】このような写真処理工程では、発色現像
液、漂白液、漂白定着液、定着液、安定液、水洗水等の
各種写真処理液が使用されているが、前記感光材料はゼ
ラチン質を含有し、微生物繁殖に適した環境にあり、前
記写真処理液中で繁殖した微生物は感光材料の効率を低
下させるとともに得られるプリントに色むらが生じた
り、微生物による画像汚染が生じたりする。この微生物
繁殖による写真処理液劣化の抑制は、従来から殺菌剤の
投入によっているが、この方法では多量の殺菌剤が必要
になり前記写真処理液や感光材中に殺菌剤が残留し易く
なり悪影響を及ぼすことがある。又前記殺菌剤の多くは
人体に対して無害とは言いがたく、種々の法的規制のも
とで使用されている。又このような殺菌剤も同一殺菌剤
を使用し続けると、この殺菌剤では殺菌できない耐性菌
が発生し、再度この耐性菌に対する殺菌剤を選択すると
いう煩わしい問題が生ずる。更に近年の健康意識の高揚
を背景に、遊泳プールが全国津々浦々まで普及し、幅広
い年令層の人々に親しまれている。
【0004】このプールに使用されるプール水には人体
に有害な細菌等の微生物が数多く棲息し、利用者の眼や
傷などに直接接触して疾患を生じさせることがあるた
め、プールには次亜塩素酸ソーダ等の薬剤を投入して滅
菌を行ない疾患の発生を防止している。しかしながら、
薬剤として使用されている次亜塩素酸ソーダや液体塩素
等はそれ自体あるいはその分解物が刺激性を有し、殺菌
効果はあるものの眼の痛みや皮膚のかぶれ等の副作用が
発生し、特に抵抗力の弱い幼児の場合には大きな問題と
なっている。又塩素系薬剤は分解するため毎日プールに
添加し続ける必要があり、使用する薬剤コストも大きな
負担となっている。又プールに使用される水量は膨大で
あり、天候不純に起因する水不足の際にはプール閉鎖に
追い込まれることもあり、プールの節水は重要な社会的
課題となっている。
【0005】更に近年の家庭風呂の普及や温泉ブームか
ら浴場水の使用量が増大しているが、該浴場水は40℃前
後の微生物が最も繁殖し易い液温を有するため、入浴に
使用せずに単に放置しておくだけでも微生物が急速に繁
殖して汚染され、使用を継続できなくなり、入浴を繰り
返すと人体の垢等が浮遊してこの傾向はより顕著にな
る。繁殖した微生物は微小であるため濾過操作では除去
しにくく、特に銭湯などではその使用量が膨大であるた
め、汚染された浴場水の再生を簡単な処理操作で行うこ
とができれば大幅なコストダウンが可能になる。又高齢
化社会を迎え、いつでも入浴できる24時間風呂が各家庭
に急速に普及しつつある。しかし24時間風呂は微生物が
最も繁殖し易い液温を有するため、市販されている24時
間風呂は浄化機能は優れているものの、殺菌性能に改善
課題を有しており、新規な殺菌装置の出現が嘱望されて
いる。
【0006】更に近年の情報化社会の進展により各種紙
類特に高質紙の需要が増大している。この紙類は製紙用
パルプから各種工程を経て製造されるが、この工程中に
製紙前のパルプを洗浄して不要な成分を洗い流す工程が
ある。該パルプは適度な温度に維持されかつ適度な養分
を含むため、黴や細菌等の微生物が繁殖し易くこの黴や
細菌が多量に最終製品中に残存すると、紙類の褪色等の
性能の劣化が生ずる。従ってこの洗浄工程で使用される
莫大な量の洗浄水中には、防黴剤や殺菌剤が含有され最
終製品の性能劣化を極力防止するようにしている。しか
しこの方法では、防黴剤や殺菌剤のコストが高くなるだ
けでなく前記防黴剤や殺菌剤が製品中に残存して黴や細
菌類に起因する性能劣化とは別の性能劣化を来すことが
あるという問題点がある。
【0007】更に近年におけるマンション等の集合住宅
あるいは多数の企業が集合して形成されるビル等の建築
物の増加に伴い、該建築物等に設置される各種冷暖房設
備の設置台数も飛躍的に増加している。このような多数
の冷暖房設備が設置されているマンションやビル等で
は、通常該冷暖房設備の冷却水の熱交換器用設備例えば
クーリングタワーがその屋上に設置されている。この熱
交換器設備の冷却水も長期間使用を継続すると黴や細菌
類等の微生物が繁殖し前記熱交換器の熱交換面に析出し
て熱交換性能を悪化させたり、微生物が塊状に発生して
配管等を閉塞することもある。又多量に発生する微生物
の排棄物により配管や機器に腐食等の重大な問題を引き
起こすことがある。更に同一薬剤を使用し続けるとその
薬剤では殺菌できない耐性菌が発生し、更に強力な薬剤
に変更する必要があるという厄介な問題が知られてい
る。又微生物を殺菌する薬剤が人間に無害とは言いがた
く、法的規制のもとで薬剤の種類や厳密な濃度管理が必
要で、環境安全意識の高い工場、病院、ホテル等では脱
薬剤の気運が急速に高まりつつある。
【0008】更に各種魚類資源として海や川に繁殖して
いる天然の魚類の他に最近では養殖場における養殖魚類
が注目され、養殖魚が市場に数多く供給されている。養
殖場におけるこれら魚類の飼育の際には、養魚用水中に
含まれる細菌や黴等の微生物が魚類を汚染し、あるいは
魚類に付着してその商品価値を低下させる等の悪影響を
抑制するために殺菌剤や防黴剤等の全部又は大部分の微
生物を死滅させるための各種薬剤が前記養魚用水へ多量
に添加され、更に前記薬剤による魚類の損傷を最小限に
抑えるためにビタミン剤等の多量の栄養剤が魚類に投与
され、その上に餌が与えられる。従って養殖場等で飼育
される魚類は餌の量に比較して人工的に投与される各種
薬剤、ビタミン剤の添加が多く、防黴剤や殺菌剤が魚類
の体内に蓄積して人体に有害な各種薬剤で汚染された魚
類が市場に供給されることになる。
【0009】更に飲料水は、貯水池等の水源に貯水され
た水を浄水場で滅菌処理した後、各家庭や飲食店等に上
水道を通して供給される。飲料水の前記滅菌は塩素ガス
による処理が一般的であるが、該塩素処理によると飲料
水の滅菌は比較的良好に行われる反面、残留塩素の影響
により処理された飲料水に異物質が混和したような違和
感が生じて天然の水の有するまろやかさが損なわれると
いう欠点が生ずる。飲料水は人間の健康に直結するもの
で、それに含有される細菌の殺菌や黴の繁殖の防止つま
り微生物の死滅除去は不可欠であり、該殺菌や防黴の方
法としては前述の塩素による方法が主流である。しかし
都市部の水道滅菌はその原水となる河川水、湖水等が各
種有機物等で汚染され微生物の死滅に必要な量以上の塩
素を添加するため、有機ハロゲン化物、次亜塩素酸イオ
ン及び残留塩素等の有効塩素成分を生起するという弊害
を生じている。該塩素法による前記欠点を解消するため
に、塩素法以外の殺菌方法が提案されている。
【0010】例えば前記飲料水をオゾン添加処理や活性
炭吸着処理することにより改質する方法が提案されてい
るが、処理すべき飲料水が例えば浄水場の水である場合
には処理量が莫大である。又浄水場で処理しても水道管
末端の蛇口に至るまでに再度微生物が繁殖するという問
題がある。このように飲料水等の従来の改質処理方法
は、主として塩素法によるものであり、該方法では次亜
塩素酸イオンが生成しあるいは塩素ガスが残留していわ
ゆるカルキ臭が生じ、処理後の飲料水等の味が悪くなる
という欠点があり、このカルキ臭を除去するに該カルキ
臭源である次亜塩素酸イオン(有効塩素)を活性炭等に
吸着させる方法が使用されている。しかしこの方法で
は、活性炭の吸着能力の限界があり、しばらく使用する
と有効塩素分解が生じなくなるという寿命の点で致命的
な欠点があり、又活性炭の交換といった煩雑な操作が必
要であるとともに、完全なカルキ臭の除去が達成できな
いことがある。
【0011】従って前述の通り人体に有害な有機塩素化
合物や飲料水の味を損ない易い次亜塩素酸イオン等を生
じさせ易い塩素処理に代わり得る人体に害がなくかつ天
然水に近い味を有する飲料水の処理方法が要請されてい
る。これらの現象を防止するために従来は防黴剤や沈澱
抑制剤等の各種薬剤を被処理水中に投入したり各種フィ
ルタを配管途中に設置したりしているが、前記薬剤投入
は前述の通り薬剤の残留による被処理水への悪影響や薬
剤使用のコスト面での問題点が指摘されている。更に前
述の冷却水の場合と同様に、添加薬剤に対する抗菌が暫
くすると発生し、次の薬剤を検討する必要が生ずるとい
う問題点を抱えている。
【0012】前記薬剤添加の他に、オゾン殺菌や紫外線
殺菌、あるいは酸性水を使用する殺菌も行なわれてい
る。オゾン殺菌は劇的な殺菌効果があり耐性菌の発生も
ないが、エネルギーコストオゾン設備費が高く、人体に
有害で濃度管理等の運転に厳重な注意が必要である。又
酸化作用が強力で、タンク、配管、ポンプ等の接液部は
高価な耐腐食性材料が必要になる。この悪影響を回避す
るためにオゾン殺菌装置の後にオゾン分解装置を設置す
ることもあるが、設備費が高く、管理維持費も嵩み、実
用化の妨げになっている。
【0013】紫外線殺菌も広く利用されているが、紫外
線の透過を妨害する固形分や色度のある水の殺菌は困難
で、殺菌可能な被処理水の種類に制約がある。又紫外線
ランプの寿命は短く定期的な交換が必要で、消費電力量
も多い。更に紫外線ランプ内面は常に清浄に管理するこ
とも殺菌性能維持のために必要で、特に停電休止時の紫
外線ランプ内面の清浄維持管理は煩雑である。このよう
な従来技術の欠点を解消するための水処理方法として、
複極固定床式水処電解槽が発表されている(例えば、特
開平2−306242号公報、特開平3−224684号公報、特開
平4− 18980号公報、特開平4− 108592 号公報、特開
平4−114785号公報、特開平4−114787号公報)。
【0014】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、前記
複極固定床式水処電解槽は固定床として多孔質電極を使
用するため、固形質や有機物更にイオン質の閉塞性物質
を含有する被処理水の処理が困難で、電解槽内通水に伴
う圧力損失が大きく、大容量の給水ポンプが必要でエネ
ルギーコストが高く、多孔質電極の使用枚数にも制約が
ある。又被処理水の閉塞性物質含有量が少ない場合で
も、長期間の使用中に殺菌性能の低下が起きるという問
題点もある。更に前記多孔質電極として炭素電極が使用
され、該炭素電極は、消耗し易いという欠点を有し、長
期間使用を継続すると徐々に消耗して極間距離が増加し
て電圧が増大し、最終的には交換しなければならなくな
る。この電極の交換は一般的に電解槽全体を分解して行
うことが必要であり、非常に煩雑な操作となり作業性が
著しく低下する。
【0015】本発明者は、前述の炭素電極無しで該炭素
電極に起因する欠点を解消し、複数の金属電極をガスケ
ットを介して積層する新しい電気化学的水処理方法及び
装置を提案した。この装置の殺菌性能を高レベルで安定
的に維持するためには、被処理水の水質特に電気伝導度
に応じて金属電極間間隔を最適に保ち、又金属電極に流
れる電流密度分布を少なくするため金属電極間の平行度
を確保する必要がある。金属電極間間隔はガスケット厚
さにより一般に1〜10mmに調節されているが、電解槽内
を被処理水が流れる際に金属電極に水圧が掛かり、金属
電極間の平行度が保たれなくなると金属電極に流れる電
流密度分布が大きくなり、電流密度の大きな部分の金属
電極表面の白金系触媒が消耗し、この結果殺菌効率が低
下することが分かった。従来の金属電極を使用する水処
理用電解槽では、電解槽の上蓋と下蓋に固定したリング
又はリブで金属電極を固定し、上蓋と下蓋から給電して
いるために、電解槽内を流れる被処理水の水圧により金
属電極が変形し、金属電極間間隔と平行度が変わり、こ
の結果電解槽の寿命が短くなることがある。本発明は、
前述の従来技術の欠点を解消し、複数の金属電極を使用
する水処理用電解槽における金属電極の位置ずれが生じ
ないようにして金属電極寿命の長期化と殺菌性能の安定
化を達成できる前記水処理用電解槽を提供することをも
目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、開孔率が30〜70%の多孔板を排水側又は排
水側及び給水側の両面に配し、この多孔板でガスケット
を介して積層した複数の多孔金属電極を押さえ、被処理
水給水口から被処理水を供給し、直流電流を流した前記
金属電極に前記被処理水を通して殺菌することを特徴と
する電気化学的水処理用装置、及び前記多孔板が電解槽
側壁とネジで接合している電気化学的水処理用装置、及
び前記多孔板が電解槽側壁に内接するリングで固定され
ている電気化学的水処理用装置、及び前記金属電極への
給電を電解槽側壁からの給電棒により行うようにした電
気化学的水処理用装置である。なお本発明では電極表面
上で実質的な酸化還元反応のような電気化学反応を生起
していないことがあるので本発明に係わる槽は電気化学
的処理装置というべきであるが、一般呼称に従って電解
槽と称する。以下本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明による装置を使用して被処理水の電
気化学的処理を行なうためには、電極として金属電極を
使用する。この穴開き金属電極は主として給電を担当す
る金属端子電極と、主として被処理水処理を担当する金
属中間電極とに区分でき、本発明では1対の金属端子電
極ペアのみで穴開き金属電極を構成し、あるいは1対の
金属端子電極ペアとその間に設置される1対又は2対以
上の金属中間電極ペアで構成する。本発明における穴開
き金属電極の「穴開き」とは、被処理水の流通に対する
抵抗が殆ど零である程度の開口を有することを意味し、
網状、エクスパンドメッシュ状、パンチングメタル状、
格子状等の形状を有している。例えばエクスパンドメッ
シュを使用する場合、その開口サイズは短径が0.5 〜2.
0 mm、長径が1.0 〜4.0 mm程度になるように調節するこ
とが好ましい。前記穴開き金属電極は、チタン等の耐食
性金属基体上に、白金族金属やその酸化物を被覆した貴
金属電極とすることが望ましい。
【0018】前記両金属電極は、それぞれの開口部表面
積の総和を、該金属電極の表面積総和と開口部表面積の
総和を加えた金属電極全面積で除した値の百分率で定義
される開口率が10〜80%であることが好ましい。開口率
が10%未満であると目詰まりが起こりやすくなるからで
あり、80%を超えると電極強度に支障が生ずることがあ
るからである。従来の炭素電極を使用する三次元固定床
型炭素電極を使用する電解槽では前記炭素電極が水平方
向に位置するように、かつ被処理水が下から上へ流通す
るように電解槽を水平にして使用することが望ましい。
これは被処理水と炭素電極の接触効率を向上させるとと
もに発生するガスが炭素電極の目詰まりを加速するため
前記ガスを円滑に電解槽外に取り出すためである。本発
明の金属電極は水平方向に設置することが望ましいが、
上下方向に設置しても良い。本発明では、多孔板をリン
グを使用して、又は該多孔板の周囲と電解槽内部側面の
対応箇所にネジを切り両者を螺合することにより、前記
多孔板を排水側又は排水側と給水側の両面に配して水圧
による金属電極の変形を防ぎかつ電解槽下蓋と電解槽本
体の締め付け力の増減が金属電極自体に及ばないように
している。従って金属電極の変形を防ぎ金属電極間間隔
と平行度を一定に維持し、安定した電解が可能になると
ともに、金属電極の寿命が長くなる。又金属電極への給
電を電解槽側面から行うことにより前記締めつけ力の増
減が金属電極自体に及ばないようになり、更に好結果が
得られる。本発明における多孔板の開孔率(全断面積に
対する空孔部の合計断面積比率)は30〜70%とする。こ
れは開孔率が30%未満であると被処理水の流通が阻害さ
れやすくなり、70%を越えると多孔板の機械的強度が損
なわれる恐れがあるからである。
【0019】本発明による微生物の殺菌機構は次のよう
であると推測できる。第1に、微生物が帯電した特にプ
ラスに帯電した穴開き金属電極表面つまり陽極表面に衝
突して死滅する。第2に前記穴開き金属電極表面で被処
理水に含まれる微量塩素が酸化されて次亜塩素酸が発生
し、又水電解により活性酸素が発生する。これらの次亜
塩素酸や活性酸素により被処理水中の微生物が殺菌さ
れ、微量不純物も分解する。本発明による微生物殺菌効
率が高いのは、平板電極に比べて穴開き金属電極は表面
積が大きく酸化効率が高くなるとともに、被処理水が多
孔を通過する際に乱流が発生し、これが被処理水を攪拌
し、電極との接触効率を高めていると推測できる。
【0020】本発明による装置を使用すると、被処理水
中の微生物の殺菌や他の水質改善を達成できる。前記微
生物としては、細菌(バクテリア)、糸状菌(黴)、酵
母、変形菌、単細胞の藻類、原生動物、ウイルス等が含
まれ、水質改善には、CODやBODの分解等が含まれ
る。本発明の対象となる被処理水は特に限定されない
が、例えば工業用水、水道水、井戸水、雨水、回収水、
排水、海水、池の水、プール水、飲料水、風呂水、ガス
吸収塔水、冷却水、水耕栽培水、噴水、写真現像液、養
魚用水、水エマルジョン、製紙用水、温泉水、砂糖液、
果汁、染料インク、酒、牛乳、お茶、豆乳、各種化学物
質含有水溶液がある。又農薬を溶解した水を処理して農
薬分解を行なうこともできる。
【0021】本発明に係わる電気化学的処理では薬剤を
使用しなくても良いため、被処理水の塩素濃度が高くな
ることがなく、人体に無害であるとともに、耐性菌が発
生することがない。更に腐食性の物質の使用や発生がな
く、設備費及び運転管理費とも安価である。更に目詰ま
りを起こしやすくかつ崩落による損傷も考慮しなければ
ならない炭素電極を使用しないため、電極寿命が永く、
かつ被処理水の汚染(TOC濃度の悪化)等の水質劣化
を防止できる。目詰まりが生じにくいため圧力損失が小
さくなり、金属中間電極の枚数を自由に増加させること
が可能になり、電極枚数の増減による殺菌効率や不純物
分解効率の微調整を容易に行なえる。
【0022】本発明装置は長期間の運転に耐え洗浄は殆
ど必要ないが、洗浄を行なう場合には過酸化水素、オゾ
ン水、次亜塩素酸、pH3以下の酸性水、pH9以上の
アルカリ水のいずれかを単独で又は交互に流しても良
い。又本発明方法は該方法単独で実施しても十分な効果
が生ずるが、該方法を紫外線殺菌、オゾン殺菌、薬剤殺
菌等と併用すると更に確実に短時間で被処理水の処理を
行なうことができる。
【0023】例えば本発明の電解槽の電圧及び電流を所
定値に保ち、被処理水を通すと電解槽内部の電気化学的
作用により被処理水中に棲息する微生物は殺菌される。
しかし電解条件や菌種によっては若干量の微生物は殺菌
されずに電解槽出口から排出されることがある。この排
出された処理済水を紫外線殺菌装置により処理すると1
パスで100 %の殺菌効率が得られる。この殺菌効率は電
気化学的処理単独では得にくく、かつ紫外線殺菌装置単
独では絶対に得られない効率である。電気化学的処理と
紫外線処理によるほぼ完全な殺菌効果の原因は明確では
ないが、次のように推測できる。紫外線殺菌装置は微生
物のDNAを破壊することにより殺菌すると言われ、電
気化学的処理は細胞の破壊による殺菌と言われている。
このように殺菌原理の違う殺菌法の組合せによる相乗効
果とも考えられる。しかし、本発明者が電気化学的処理
後の水中に棲息する微生物の存在状態を培養法で調べた
ところ、処理前と比較して処理後の培養斑点のサイズが
小さく均一に分散しており、電気化学的処理により、紫
外線殺菌装置で殺菌され易い状態に微生物の状態が変化
していることも殺菌効率向上の一因となっていると考え
られる。
【0024】次に本発明に係わる電気化学的水処理装置
の具体例を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明
の電気化学的水処理装置の一例を示す縦断面図、図2は
図1の上部の多孔板とリングとリブの関係を示す平面図
である。図1に示すように、電気絶縁性材料(合成樹
脂)で形成された円筒状の電解槽本体1の下蓋2の中央
には被処理水導入口3が、又該本体1の上蓋4には被処
理水取出口5がそれぞれ形成されている。前記下蓋2と
電解槽の側壁との接合部にはドーナツ状のガスケット6
が当設され、該ガスケット6上には前記側壁と密着する
ようにドーナツ状の下部リング7が当設されている。こ
の下部リング7上にはリブ17で補強された下部多孔板20
aが設置され、この多孔板20a上には1枚の下部端子電
極8と5枚のエクスパンドメッシュからなる金属中間電
極9が5枚のドーナツ状の金属電極間隔調節用ガスケッ
ト10を介して積層されている。
【0025】この5枚の金属中間電極9の最上段の電極
9の周縁部にはドーナツ状のチタンリング11が接触し、
更に該チタンリング11上には5枚のエクスパンドメッシ
ュからなる金属中間電極12と1枚の上部端子電極13が5
枚のドーナツ状の金属電極間隔調節用ガスケット14を介
して積層されている。前記上部端子電極13の上面には上
部多孔板20bが設置され、該多孔板20bは電解槽内部側
面に固定された上部リング15と補強用リブ17で静止状態
に維持されている。前記下部端子電極8には前記側壁を
通る給電棒18から、又前記上部端子電極13には前記側壁
を通る給電棒19からそれぞれ給電され、被処理水導入口
3から供給される被処理水を電解処理するようになって
いる。図中、21は多孔板20に穿設された通水孔、22は多
孔板20の中心部に穿設された金属電極用のボルト及びナ
ット連結孔である。図示の電解槽では、上部端子電極13
と下部端子電極8はそれぞれ上部多孔板20b及び下部多
孔板20aと接し、上部多孔板20bは電解槽内部側面に固
定した上部リング15とリブ17により抑えられているため
水圧による変形がなく、フランジの締着力の強弱にかか
わらず常に一定位置に保持される。従って隣接する金属
電極の間隔が変化することがなく、電流密度が均一にな
り、金属電極の寿命を延ばすことができ、長期間安定し
た水処理が可能になる。
【0026】
【実施例】本発明に係わる電気化学的水処理用装置によ
る被処理水処理の実施例を記載するが、本実施例は本発
明を限定するものではない。
【0027】
【実施例1】図1に示した10枚の金属中間電極とそれを
挟む上下1対の端子電極を有する透明な硬質ポリ塩化ビ
ニル樹脂製の高さ50cm、内径20cmの電解槽を使用して試
験用被処理水の処理を行った。端子電極と金属中間電極
は同一部材とし、チタン金網(開口長径2.5 mm、短径1.
5 mm、厚さ1mmのエクスパンドメッシュで、開口率40
%)に白金−イリジウム合金を0.5 μm厚でめっきして
電極とした。多孔板は硬質塩化ビニール樹脂製で、板厚
が5mmで、直径5mmの孔を孔の総面積が多孔板の全断面
積に対して60%となるように開けた。上部端子電極と5
枚の上部の金属中間電極は、厚さ2mmのドーナツ状のガ
スケットで離間させて絶縁し、同様に下部端子電極と5
枚の下部の金属中間電極は、厚さ2mmのドーナツ状のガ
スケットで離間させて絶縁し、上下の端子電極及び金属
中間電極の間はドーナツ状のチタンリングにより距離を
おいた。又端子電極には電解槽の上蓋及び下蓋を通して
通電するようにした。
【0028】100 冷却トンの冷却能力を有するクーリン
グタワーのタンク貯水を150 μmのフィルターを通した
後、電解槽に2トン/時の供給量で流し、各金属中間電
極には1.0 Aの直流電流が加わるように定電流通電し
た。電解槽の運転開始前のクーリングタワータンク貯水
の総菌数は105 個/mlであったが、上記電解条件下での
水処理により通電開始後次第に菌数が低下し、48時間後
にはタンク貯水の総菌数は102 〜103 個/mlに低下し
た。電解槽の目詰まりはなく、水圧も一定に維持され
た。運転を12カ月継続したところ、電解槽の電気抵抗が
上昇し始め、タンク貯水の総菌数も増加傾向となった。
【0029】
【比較例1】端子電極及び金属中間電極を接続したリブ
を従来のように電解槽上蓋にフランジで固定するように
したこと以外は実施例1と同一の電解槽を使用して同一
条件で熱交換器用の冷却水の処理を行ったところ、総菌
数は103 〜104 個/mlであった。運転を8カ月継続した
ところ、金属電極の消耗が観察され始め、電解槽の電気
抵抗が上昇し始め、タンク貯水の総菌数も増加傾向とな
った。
【0030】
【実施例2】上下の端子電極への通電を電解槽の側壁を
通して行ったこと以外は実施例1と同一条件で同一の電
解槽を使用して同一条件で熱交換器用の冷却水の処理を
行ったところ、タンク貯水の総菌数は102 〜103 個/ml
で、金属電極の寿命は18カ月にのびた。実施例1及び2
には、多孔板をリングで固定する場合を例示したが、そ
の代わりに多孔板を電解槽内部側面にネジで固定しても
実施例1及び2と同様な効果が得られた。
【0031】
【発明の効果】本発明は、開孔率が30〜70%の多孔板を
排水側又は排水側及び給水側の両面に配し、この多孔板
でガスケットを介して積層した複数の多孔金属電極を押
さえ、被処理水給水口から被処理水を供給し、直流電流
を流した前記金属電極に前記被処理水を通して殺菌する
ことを特徴とする電気化学的水処理用装置(請求項1)
である。前述の通り、多孔板により金属電極を抑えるこ
とにより、電解槽の蓋体を締め付ける際の締着力が金属
電極に及ぶことが殆どなくなり、従って金属電極の位置
が常に一定に保たれ、安定した水処理を長寿命の金属電
極で行うことが可能になる。
【0032】前記多孔板を一定位置に保持する手段とし
て、例えば多孔板の周縁に刻設したネジを電解槽内壁の
対応個所に刻設したネジに螺合する手段(請求項2)及
びリングを使用する手段(請求項3)があり、いずれの
場合でも効果的に金属電極の一定位置での保持を可能に
する。更に各金属電極への通電を電解槽側面からの給電
棒により行うと(請求項4)、電解槽の蓋体を締め付け
る際の締着力が金属電極に及ぶことが殆どなくなり、よ
り確実に金属電極の位置設定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気化学的水処理装置の一例を示す縦
断面図。
【図2】図1の上部の多孔板とリングとリブの関係を示
す平面図。
【符号の説明】
1・・・電解槽本体 2・・・下蓋 3・・・被処理水
導入口 4・・・上蓋5・・・被処理水取出口 6・・
・ガスケット 7・・・下部リング 8・・・下部端子
電極 9・・・金属中間電極 10・・・金属電極間隔調
節用ガスケット 11・・・チタンリング 12・・・金属
中間電極 13・・・上部端子電極 14・・・金属電極間
隔調節用ガスケット 15・・・上部リング 16、17・・
・リブ18、19・・・給電棒 20a、20b・・・多孔板
21・・・通水孔 22・・・連結孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開孔率が30〜70%の多孔板を排水側又は
    排水側及び給水側の両面に配し、この多孔板でガスケッ
    トを介して積層した複数の多孔金属電極を押さえ、被処
    理水給水口から被処理水を供給し、直流電流を流した前
    記金属電極に前記被処理水を通して殺菌することを特徴
    とする電気化学的水処理用装置。
  2. 【請求項2】 前記多孔板が電解槽側壁とネジで接合し
    ている請求項1に記載の電気化学的水処理用装置。
  3. 【請求項3】 前記多孔板を電解槽側壁に内接するリン
    グで固定した請求項1に記載の電気化学的水処理用装
    置。
  4. 【請求項4】 金属電極への給電を電解槽側壁からの給
    電棒により行うようにした請求項1から3までのいずれ
    かに記載の電気化学的水処理用装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100446371B1 (ko) * 2001-11-13 2004-09-01 주식회사 지인테크놀로지 수중 미생물 살균장치
KR100840529B1 (ko) 2006-07-10 2008-06-23 임건재 전기화학적 방법에 의한 난분해성 유기물질 제거장치

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KR100446371B1 (ko) * 2001-11-13 2004-09-01 주식회사 지인테크놀로지 수중 미생물 살균장치
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