JPH09253652A - 流動床型電解槽および水処理方法 - Google Patents

流動床型電解槽および水処理方法

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JPH09253652A
JPH09253652A JP6270096A JP6270096A JPH09253652A JP H09253652 A JPH09253652 A JP H09253652A JP 6270096 A JP6270096 A JP 6270096A JP 6270096 A JP6270096 A JP 6270096A JP H09253652 A JPH09253652 A JP H09253652A
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JP
Japan
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water
treated
electrolytic cell
fine particles
fluidized bed
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JP6270096A
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English (en)
Inventor
Nobutaka Goshima
伸隆 五嶋
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価にしかも効率よく、被処理水中の微生物
を電気化学的に処理する効率的な電解槽および水処理方
法の提供。 【解決手段】 炭素又はフェライトの微粒子を陽分極し
た部材に接触させながら、微生物を含む被処理水により
流動状態を維持しつつ、該被処理水中の微生物を殺菌す
ることを特徴とする流動床型電解槽および該電解槽を用
いる水処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被処理水例えば微生
物を含有する被処理水を電気化学的に処理するための流
動床型電解槽及び該流動床型電解槽を用いた水処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から各種用途に多種類の水溶液や他
の物質を溶解していない単独の水が使用されている。こ
れらの水溶液等は溶質が適度な養分を提供し、あるいは
該水溶液の液温が繁殖に好ましい比較的高温度である
と、細菌等の微生物が繁殖して該微生物は前記水溶液等
の性能劣化を起こしたり処理装置内に浮遊したり蓄積す
ることが多い。
【0003】例えば写真感光材料は画像露光の後、ペー
パー感光材料処理の場合は、発色現像、漂白定着、水洗
及び/又は安定化の処理工程を経て処理され次いで乾燥
される。そしてこのような写真処理工程においては、発
色現像液、漂白液、漂白定着液、定着液、安定液、水洗
水等の各種写真処理液が使用されているが、前記感光材
料はゼラチン質を含有し微生物繁殖に適した環境を提供
するため、前記写真処理液中に混入した微生物が繁殖し
て感光材料処理の効率を低下させるとともに得られるプ
リントに色むらが生じたり黴発生等により画像が汚染す
るという欠点が生じている。この微生物繁殖による写真
処理液の劣化の抑制は、従来から防黴剤の投入等により
前記微生物を殺菌して性能を賦活する方法が主流である
が、この方法では添加する防黴剤が多量に必要となり、
かつ該防黴剤が写真処理液や前記感光材料中に残留し易
くなり、感光材料に悪影響を及ぼすことがある。又前記
防黴剤の多くは人体に対して無害とは言い難く、種々の
法規制の下に管理された状態でなければその使用が困難
である。又このように選択した防黴剤も暫くするとその
防黴剤に対する抗菌が発生することがあり、再度この抗
菌に対して防黴剤を選択するという煩わしい問題が生ず
る。
【0004】更に夏季のスポーツとして最も一般的な水
泳の人気は衰えることなく、幅広い年齢層の人々に親し
まれており、水泳を楽しむために都市部ではプールが多
く利用されている。
【0005】このプールに使用されるプール水には人体
に有害な細菌類等の微生物が数多く生息し、該プール水
は利用者の眼や傷などに直接接触して疾患を生じさせる
ことがあるため、プール水には次亜塩素酸ソーダ等の薬
剤を投入して消毒を行って疾患の発生を防止している。
しかしながら前記薬剤として殺菌効果の強い次亜塩素酸
や液体塩素等の塩素系試薬が使用された場合、該塩素系
試薬はそれ自体あるいは分解物が刺激性を有し、該試薬
により殺菌等の効果が生じても、該試薬による眼の痛み
や皮膚のかぶれ等の副作用が発生し、特に抵抗力の弱い
幼児の場合は大きな問題となっている。又塩素系試薬は
分解するため永続使用することが出来ず毎日のようにプ
ール水に添加を続ける必要があり、かつプールに使用さ
れるプール水の量は莫大なものであるため、使用する薬
剤のコストも大きな負担となっている。
【0006】また近年の情報化社会の進展により各種紙
類特に高質紙の需要が増大している。この紙類は製紙用
パルプから各種工程を経て製造されるが、この工程中に
製紙前のパルプを洗浄して不要な成分を洗い流す工程が
ある。該パルプは適度な温度に維持されかつ適度な養分
を含むため、黴や細菌等の微生物が繁殖し易くこの黴や
細菌が多量に最終製品中に残存すると、紙類の褪色等の
性能の劣化が生ずる。従ってこの洗浄工程で使用される
莫大な量の洗浄水中には、防黴剤や殺菌剤が含有され最
終製品の性能劣化を極力防止するようにしている。しか
しこの方法では、防黴剤や殺菌剤のコストが高くなるだ
けでなく前記防黴剤や殺菌剤が製品中に残存して黴や細
菌類に起因する性能劣化とは別の性能劣化を来すことが
あるという問題点がある。
【0007】更に近年におけるマンションの等の集合住
宅あるいは多数の企業が集合して形成されるビル等の建
築物の増加に伴い、該建築物等に設置される各種冷暖房
設備の設置台数も飛躍的に増加している。このような多
数の冷暖房設備が設置されているマンションやビル等で
は、通常該冷暖房設備の冷却水の熱交換器用設備例えば
クーリングタワーがその屋上に設置されている。この熱
交換器設備の冷却水も長期間使用を継続すると黴や細菌
類等の微生物が繁殖し前記熱交換器の熱交換面に析出し
て熱交換性能を悪化させたり、微生物が塊状に発生して
配管等を閉塞することもある。又多量に発生する微生物
の廃棄物により配管や機器に腐食等の重大な問題を引き
起こすことがある。
【0008】更に近年の家庭用浴槽の普及や温泉ブーム
から浴場水の使用量が増大しているが、該浴場水は40
℃前後の微生物が最も繁殖し易い液温を有するため、入
浴に使用せずに単に放置しておくだけでも微生物が急速
に繁殖して汚染され、使用を継続出来なくなり、入浴を
繰り返すと人体の垢等が浮遊してこの傾向はより顕著に
なる。繁殖した微生物は微小であるため濾過操作では除
去しにくく、特に銭湯などではその使用量が膨大である
ため、汚染された浴場水の再生を簡単な処理操作で行う
ことが出来れば大幅なコストダウンが可能になる。
【0009】更に各種魚類資源として海や川に繁殖して
いる天然の魚類の他に最近では養殖場における養殖魚類
が注目され、養殖魚が市場に数多く供給されている。養
殖場におけるこれら魚類の飼育の際には、養魚用水中に
含まれる細菌や黴等の微生物が魚類を汚染し、あるいは
魚類に付着してその商品価値を低下させる等の悪影響を
抑制するために殺菌剤や防黴剤等が添加される。全部又
は大部分の微生物を死滅させるため、前記養魚用水へ多
量に添加された各種殺菌剤や防黴剤等の薬剤による魚類
の損傷を最小限に抑えるため、更にビタミン剤等の多量
の栄養剤が魚類に投与され、その上に餌が与えられる。
従って養殖場等で飼育される魚類は餌の量に比較して人
工的に投与される各種薬剤、ビタミン剤の添加が多く、
防黴剤や殺菌剤が魚類の体内に蓄積して人体に有害な各
種薬剤で汚染された魚類が市場に供給されることにな
る。
【0010】更に飲料水は、貯水池等の水源に貯水され
た水を浄水場で消毒処理した後、各家庭や飲料店等に上
水道を通して供給される。飲料水の前記消毒は塩素によ
る処理が一般的であるが、該塩素処理によると飲料水の
消毒は比較的良好に行われる反面、カルキ臭のために天
然の水の有するまろやかさが損なわれるという欠点が生
ずる。
【0011】以上のような欠点のない、水処理法とし
て、例えば、特開平3−224686号、同4−274
88号等に開示されている、電気化学的に処理する方法
がある。この方法によると、特殊な薬品等を使わず、大
量の水を効率よく処理することができる。しかし、これ
らの方法は、装置が複雑であり、高価なものとなり、普
及に難点を有している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
にしかも効率よく、被処理水中の微生物を電気化学的に
処理する効率的な電解槽および処理方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0014】(1) 炭素又はフェライトの微粒子を陽
分極した部材に接触させながら、微生物を含む被処理水
により流動状態を維持しつつ、該被処理水中の微生物を
殺菌することを特徴とする流動床型電解槽。
【0015】(2) 前記微粒子の直径が0.5〜30
mmであることを特徴とする前記1記載の流動床型電解
槽。
【0016】(3) 前記陽分極した部材の電位が+
0.2〜+1.2V(vs.SHE)であることを特徴
とする前記1又は2記載の流動床型電解槽。
【0017】(4)陽極電極が円錐状である、前記1〜
3のいずれか1項記載の流動床型電解槽に微生物を含む
被処理水を供給し前記被処理水を電気化学的に処理する
被処理水の処理方法において、該流動床型電解槽を使用
する際に入口側から0.5〜5kgf/cm2の圧力で
被処理水を送水することを特徴とする水処理方法。
【0018】(5) 撹拌装置を有する、前記1〜3の
いずれか1項記載の流動床型電解槽に微生物を含む被処
理水を供給し前記被処理水を電気化学的に処理する被処
理水の処理方法において、該流動床型電解槽を使用する
際に該撹拌装置の回転速度が50〜2000rpmであ
ることを特徴とする水処理方法。
【0019】以下本発明を詳細に説明する。本発明の電
解槽は、直径が0.5〜30mmの、炭素又はフェライ
トの微粒子を陽分極した部材に接触させながら、微生物
を含む被処理水により流動状態を維持しながら、該被処
理水中の微生物を殺菌する流動床型電解槽である。
【0020】写真処理液、飲料水、プール水、熱交換器
用冷却水、浴場水及び養魚用水等の被処理水を本発明に
係わる電解槽で処理することにより被処理水殺菌等の改
質が行われる。
【0021】従来電解殺菌の効果は確認されているもの
の簡便な処理装置は実用化されていない。本発明の電解
槽により、被処理水中、細菌(バクテリア)、糸状菌
(黴)、酵母、変形菌、単細胞の藻類、原生動物、ウィ
ルス等の微生物の殺菌が行われその水質が改善される理
由は必ずしも明確ではないが、次のように推測すること
ができる。
【0022】前記被処理水のうち写真処理液は適度の塩
類、ゼラチン等の栄養源を有しかつ適度な温度に維持さ
れるので、前記写真処理液中で黴や細菌等が繁殖し易
く、又製紙洗浄水も同様に適度の養分と適度の温度を有
して微生物の繁殖に最適な環境となっている。更に家庭
用浴槽や銭湯で使用される浴場水は最も微生物の繁殖に
適した35〜45℃の温度に維持されるため僅少量の微
生物が短時間で莫大な数に繁殖する。即ち、これらの被
処理水は、微生物を含む雰囲気に接触して微生物が該被
処理水内に取り込まれ繁殖して、前述した通りの不都合
が生ずることになる。
【0023】前記被処理水を本発明の電解槽の入り口側
から供給すると、該被処理水中の微生物は前記電解槽の
中に浮遊し、かつ陽帯電している炭素又はフェライトの
微粒子に接触しそれらの表面で強力な酸化還元反応を受
け、その活動が弱まったり自身が死滅して殺菌が行われ
ると考えられる。
【0024】従って本発明の電解槽では、被処理水中の
微生物が電圧が印加された電解槽のの中に浮遊し、かつ
陽帯電している炭素又はフェライトの微粒子に接触すれ
ば充分であり、両極間に電流を流して水素及び酸素等の
ガス発生を伴う実質的な電解反応を生起させることは必
須ではなく、むしろ実質的な電解反応が生じない低い電
位を電極表面に印加することが好ましい。これは激しい
電解反応が生じた場合に被処理水成分にガス発生に起因
する化学的変化を与えてしまい、これにより複雑な作用
が被処理水に起こることがあり、一定の処理性能を常に
維持することが難しくなるからであり、更に微生物を殺
菌する以外のガス発生反応に無駄な電力を使うことにな
り不経済でもある。特に多量の酸素ガスや水素ガスの発
生が生ずる電位では、これらガス発生に伴う酸化還元反
応が例えば写真処理液との間で生じ、該写真処理液の写
真処理性能に著しい変化を与えてしまうことが多く、又
写真処理液に限らず、それら発生ガスが電極表面上を覆
ってしまい微生物が電極表面と接触又は吸着する効率も
低下させ殺菌効率を悪くする。
【0025】従って本電解槽を被処理水の改質処理に使
用する場合には、印加電位を陽極電位が実質的な酸素発
生を伴わない+0.2〜+1.2V(vs.SCE)よ
り好ましくは+0.5〜+1.0V、陰極電位が実質的
に水素発生を伴わない0〜−1.0V(vs.SCE)
となるようにすることが望ましい。陽極の材料として
は、白金被覆チタン材、ニッケル材、ステンレス材、鉄
材等が挙げられるが、白金被覆チタン材が好ましい。陰
極の材料としては、陰極となるものであれば、いかなる
材料でも適用できるが、例えばステンレス、チタン、ニ
ッケル、銅あるいは白金族金属を被覆した金属材料等か
ら形成することができる。好ましくは、白金族金属を被
覆した金属材料が挙げられる。
【0026】本発明の電解槽内は、隔膜で区画して陽極
室と陰極室を形成される。隔膜は流通する被処理水の移
動を妨害しないように多孔質例えばその開口率が10%
以上95%以下好ましくは20%以上80%以下のもの
を使用することが望ましく、該隔膜は少なくとも前記被
処理水が透過できる程度の孔径の微細孔を有していなけ
ればならない。
【0027】本発明の電解槽において、浮遊する陽帯電
した本発明の炭素又はフェライトの微粒子は、電解槽内
に止まるように、目皿やフィルターを用いるが、本発明
の微粒子の粒径より小さい穴を多数有し、被処理水の移
動を妨害しないものであり、材質は電気の不伝導体が好
ましい。
【0028】被処理水の改質の場合、特にプール水や製
紙洗浄水のような大量処理の場合にガス発生が伴うと、
発生するガスつまり酸素ガスと水素ガスは通常爆発限界
内の混合比で発生し、爆発の危険を回避するために空気
等の不活性ガスで希釈することが望ましく、例えば電解
槽出口に発生する電解ガスの分離手段と分離後の該電解
ガスを空気で希釈して電解ガス濃度が4容量%以下にな
るよう希釈する手段を設置することができる。
【0029】プール水等の被処理水の場合、処理すべき
水量は莫大で例えば1時間当たり数トンとなるため、処
理能力の大きい本発明の電解槽の使用が望ましく、該電
解槽の使用により処理すべき被処理水との接触面積を増
大させることができ、これにより装置サイズを小さく
し、かつ電気化学的処理の効率を上げることができる点
で有利である。
【0030】本発明の炭素又はフェライトの微粒子の直
径は0.5〜30mmが好ましいが、より好ましくは
0.5〜15mmである。これらの微粒子は、実質的な
酸素発生を伴わない電位に印加された陽極と接触して、
陽帯電し、被処理水の流出速度の差或いは、撹拌等によ
り電解槽内部に浮遊している。
【0031】又前記電解槽に供給される被処理水の流量
は、本発明の炭素又はフェライトの微粒子が電解槽全体
に浮遊するように調整すればよい。
【0032】このような構成から成る電解槽は、例えば
写真処理液中の微生物の殺菌用として使用する場合に
は、発色現像槽、漂白槽、漂白定着槽、水洗工程槽や安
定化工程槽等の写真処理工程の一部又は全部の槽に接続
して、前記各処理槽中の写真処理液を前記電解槽に供給
し循環して処理を行う。
【0033】更に本発明の電解槽は、ビルやマンション
の屋上等に設置された熱交換器、あるいはプール、ある
いは製紙工程、更に養殖場や釣堀等、浄水場の貯留ライ
ンあるいは家庭や飲食店の水道の蛇口、又は銭湯や温泉
等の営業用浴場や家庭用の浴槽に設置して、それぞれの
被処理水を前記電解槽に導入し電気化学的に処理するこ
とにより、前記被処理水の殺菌等の改質処理を行うこと
ができる。
【0034】なお、本発明の電解槽では該電解槽に漏洩
電流が生じ該漏洩電流が電解槽から写真処理液等の被処
理水を通して他の部材例えば写真処理槽に流れ込み、該
写真処理槽中で好ましくない電気化学反応を誘起した
り、写真処理槽の壁面を電気化学的に腐食させ壁面構成
材料を溶出させることがあるため、電解槽内の陽陰極が
相対しない電極背面部及び/又は前記電解槽の出入口配
管内に、前記被処理液より導電性の高い部材をその一端
を接地可能なように設置して前記漏洩電流を遮断するこ
とができる。これは、他の被処理水に対しても有効であ
る。
【0035】又電解槽を一回通過させるだけでは十分に
細菌類が除去されない場合は処理済の被処理水を再度電
解槽を通すようにする。
【0036】次に添付図面に基づいて本発明に係わる円
筒型電解槽の好ましい例を説明するが、本発明の電解槽
は、この電解槽に限定されるものではない。
【0037】図1は、本発明に係わる流動床型電解槽の
1例の縦断面図であり、図2は、本発明に係わる流動床
型電解槽の別の例の縦断面図を示す。
【0038】図1において、1は円錐形の陽極で、A点
の処理液の上昇速度VAはB点の速度VBより遅い。好ま
しいVB/VAは、2〜10であり、より好ましくは4〜
8である。陰極2は、電解隔膜9により本発明の微粒子
8と隔離され、微粒子が陰極と接触して電荷を失わない
ようになっている。目皿6は本発明の微粒子が電解槽の
下部容器に移らないように、フィルター7は、本発明の
微粒子が電解槽から外へ流失しないように設置される。
電解槽の上部容器3と下部容器3′は、目皿と、ガスケ
ット11を介して漏水のないように、密着される。陽極
1は、目皿6の中心に動かないように設置され、外部か
ら、+0.2〜+1.2V(vs.SHE)印加され、
陰極に負電荷を負荷する。入り口4から、0.5〜5k
gf/cm2の圧力で送水された、被処理水は、目皿を
通過し、出口5までの間に、陽帯電した微粒子8と接触
し、被処理水は、殺菌される。尚、上部容器3と下部容
器3′の材料は、長期間の使用又は再度の使用にも耐え
得る電気絶縁材料で形成することが好ましく、特に合成
樹脂であるポリエピクロルヒドリン、ポリビニルメタク
リレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化エチレン、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂等が使用できる。更
に透明又は半透明な材料で成形すると、前記炭素材料の
消耗状態や、動作状態を視認できるためより好都合であ
る。
【0039】図2は、本発明の別の態様を示す。図2に
おいて、1、1′は陽極で、2は陰極で、電解隔膜9に
より本発明の微粒子8と隔離され、微粒子が陰極と接触
して電荷を失わないようになっている。フィルター7
は、本発明の微粒子が電解槽から外へ流失しないように
設置される。陽極1は、図1と同様に、外部から、+
0.2〜+1.2V(vs.SHE)印加され、陰極に
負電荷を負荷する。入り口4から、0.5〜5kgf/
cm2の圧力で送水された、被処理水は、出口5までの
間に、陽帯電した微粒子8と接触し、被処理水は、殺菌
される。この際に微粒子8が浮遊するように、撹拌機1
0が、50〜2000rpmで回転する。尚、容器3の
材料は図1の材料と同じものが選ばれ、やはり透明又は
半透明な材料で成形することが好ましい。本発明の殺菌
をより完璧にするために、ループ回路を構成することが
好ましい。
【0040】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき説明するが、本
発明の実施態様はこれに限定されない。
【0041】実施例1 1分間に2リットル被処理水が処理できる、図1に示し
た本発明の電解槽を試作した。この電解槽の上部容器3
と下部容器3′は、透明な硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の
直径100mm厚さ10mmで、上部容器3の高さは2
00mm、下部容器3′の高さは50mmである。白金
被覆チタン材の円錐形の陽極1は、B点までは外径が7
0mm厚さ2mmの円筒状で、B点からA点までテーパ
ーをつけ円錐状にしてある。B点までの高さは40m
m、B点からA点までの高さは80mmとした。陰極2
も白金被覆チタン材の直径70mmの円盤である。陰極
は開孔径50μmで開孔率が70%のテトロン製織布で
微粒子との接触を避けている陰極室内に配置した。目皿
6は外周部に0.1〜0.4mmの細孔を有する厚さ1
0mmの硬質ポリ塩化ビニル樹脂製で、フィルター7
は、開孔径100μmで開孔率が70%のポーラスグラ
ス製である。電解槽の上部容器3と下部容器3′は、目
皿と、ゴム製のガスケット11を介して漏水のないよう
に、密着した。この電解槽は、同一能力をもつ特開平4
−27488号の実施例1記載の電解槽の約4分の1の
値段で製造できた。
【0042】この電解槽を用い、直径0.8mmの炭素
微粒子を用い、陽極電圧を表1のように変化し、写真処
理液(水洗水)を2リットル/min、圧力を変化して
供給し、5回ループして、制菌性能試験及び酸素ガス発
生状況を測定した。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1から、本発明の電解槽は、制菌効率に
おいて、十分実用性があることが判明した。なお、圧力
が5kgf/cm2以上になるとガスケット部分から漏
水を起こし測定が不能となった。また、0.5kgf/
cm2以下では、炭素微粒子の浮遊が少ないため、制菌
効率が悪化したものと推定する。
【0045】実施例2 1分間に2リットル被処理水が処理できる、図2に示し
た本発明の電解槽を試作した。この電解槽の容器3は、
透明な硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の直径200mm厚さ
10mmで、容器3の高さは250mmである。白金被
覆チタン材の直径100mmの円盤状の陽極1と、中心
に撹拌棒を通す穴をもつ円盤状の陽極1′を持ち、陰極
2も白金被覆チタン材の一辺が70mmの容器に平行し
て湾曲した正方形である。陰極は開孔径50μmで開孔
率が70%のテトロン製織布で微粒子との接触を避けて
いる陰極室内に設置した。フィルター7は、開孔径10
0μmで開孔率が70%のポーラスグラス製である。撹
拌機10は、外部モーターにより、回転が自由に制御で
きる。この電解槽は、同一能力をもつ特開平4−274
88号の実施例1記載の電解槽の約3分の1の値段で製
造できた。
【0046】この電解槽を用い、直径の異なる炭素微粒
子を用い、陽極電圧を表2のように変化し、細菌を1m
l当たり約160個含む写真処理液を、2リットル/m
inで供給し、5回ループして、制菌性能試験及び酸素
ガス発生状況を測定した。撹拌機の回転速度は表2に示
す。なお、撹拌速度が2000rpm以上になると、電
解槽の上部から被処理水が飛び出し実験は不能となっ
た。
【0047】
【表2】
【0048】表2から、本発明の電解槽は、制菌効率に
おいて、十分実用性があることが判明した。なお、撹拌
速度が200rpm以下では、炭素微粒子の浮遊が少な
いため、制菌効率が悪化したものと推定する。又、粒子
径が0.5mm以下では陽極から十分なる電荷を受ける
ことが出来ず制菌効率が悪化したものと推定される。
【0049】
【発明の効果】本発明により、安価にしかも効率よく、
被処理水中の微生物を電気化学的に処理する効率的な電
解槽および処理方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる流動床型電解槽の縦断面図であ
る。
【図2】本発明に係わる別方式の流動床型電解槽の縦断
面図である。
【符号の説明】
1,1′ 陽極 2 陰極 3,3′ 容器 4 入り口 5 出口 6 目皿 7 フィルター 8 微粒子 9 隔膜 10 撹拌機 11 ガスケット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素又はフェライトの微粒子を陽分極し
    た部材に接触させながら、微生物を含む被処理水により
    流動状態を維持しつつ、該被処理水中の微生物を殺菌す
    ることを特徴とする流動床型電解槽。
  2. 【請求項2】 前記微粒子の直径が0.5〜30mmで
    あることを特徴とする請求項1記載の流動床型電解槽。
  3. 【請求項3】 前記陽分極した部材の電位が+0.2〜
    +1.2V(vs.SHE)であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の流動床型電解槽。
  4. 【請求項4】 陽極電極が円錐状である、請求項1〜3
    のいずれか1項記載の流動床型電解槽に微生物を含む被
    処理水を供給し前記被処理水を電気化学的に処理する被
    処理水の処理方法において、該流動床型電解槽を使用す
    る際に入口側から0.5〜5kgf/cm2の圧力で被
    処理水を送水することを特徴とする水処理方法。
  5. 【請求項5】 撹拌装置を有する、請求項1〜3のいず
    れか1項記載の流動床型電解槽に微生物を含む被処理水
    を供給し前記被処理水を電気化学的に処理する被処理水
    の処理方法において、該流動床型電解槽を使用する際に
    該撹拌装置の回転速度が50〜2000rpmであるこ
    とを特徴とする水処理方法。
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