JPH09206756A - 炭素質固定床型三次元電極電解槽および水処理方法 - Google Patents

炭素質固定床型三次元電極電解槽および水処理方法

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JPH09206756A
JPH09206756A JP1778296A JP1778296A JPH09206756A JP H09206756 A JPH09206756 A JP H09206756A JP 1778296 A JP1778296 A JP 1778296A JP 1778296 A JP1778296 A JP 1778296A JP H09206756 A JPH09206756 A JP H09206756A
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fixed bed
water
treated
electrolytic cell
carbonaceous
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JP1778296A
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Takashi Murakami
隆 村上
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素質固定床型三次元電極電解槽を用いる被
処理水中の微生物を電気化学的に処理する方法におい
て、処理されない被処理水のない、電解槽および処理方
法の提供。 【解決手段】 微生物を含む被処理水を炭素質固定床型
三次元電極を通過させて、電気化学的に処理する炭素質
固定床型三次元電極電解槽において、該電解槽内に複数
の炭素質固定床型三次元電極と該炭素質固定床型三次元
電極を支えるガスケットが設置され、かつ、該炭素質固
定床型三次元電極と該電解槽容器との間の隙間が該炭素
質固定床型三次元電極の側面部において被処理水の出口
側が入口側より狭くなっていることを特徴とする炭素質
固定床型三次元電極電解槽。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被処理水例えば微生
物を含有する被処理水や金属イオン含有水溶液を電気化
学的に処理するためあるいは水溶液中の金属イオンを回
収するための炭素質固定床型三次元電極電解槽に関し、
より詳細にはその内部に複数個の炭素質固定床型三次元
電極を収容した縦型筒状体を容易に電解槽に装着しある
いは離脱できるようにした炭素質固定床型三次元電極電
解槽に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から各種用途に多種類の水溶液や他
の物質を溶解していない単独の水が使用されている。こ
れらの水溶液等は溶質が適度な養分を提供し、あるいは
該水溶液の液温が繁殖に好ましい比較的高温度である
と、細菌等の微生物が繁殖して該微生物は前記水溶液等
の性能劣化を起こしたり処理装置内に浮遊したり蓄積す
ることが多い。
【0003】例えば写真感光材料は画像露光の後、ペー
パー感光材料処理の場合は、発色現像、漂白定着、水洗
及び/又は安定化の処理工程を経て処理され次いで乾燥
される。そしてこのような写真処理工程においては、発
色現像液、漂白液、漂白定着液、定着液、安定液、水洗
水等の各種写真処理液が使用されているが、前記感光材
料はゼラチン質を含有し微生物繁殖に適した環境を提供
するため、前記写真処理液中に混入した微生物が繁殖し
て感光材料処理の効率を低下させるとともに得られるプ
リントに色むらが生じたり黴発生等により画像が汚染す
るという欠点が生じている。この微生物繁殖による写真
処理液の劣化の抑制は、従来から防黴剤の投入等により
前記微生物を殺菌して性能を賦活する方法が主流である
が、この方法では添加する防黴剤が多量に必要となり、
かつ該防黴剤が写真処理液や前記感光材料中に残留し易
くなり、感光材料に悪影響を及ぼすことがある。又前記
防黴剤の多くは人体に対して無害とは言い難く、種々の
法規制の下に管理された状態でなければその使用が困難
である。又このように選択した防黴剤も暫くするとその
防黴剤に対する抗菌が発生することがあり、再度この抗
菌に対して防黴剤を選択するという煩わしい問題が生ず
る。
【0004】更に夏季のスポーツとして最も一般的な水
泳の人気は衰えることなく、幅広い年齢層の人々に親し
まれており、水泳を楽しむために都市部ではプールが多
く利用されている。
【0005】このプールに使用されるプール水には人体
に有害な細菌類等の微生物が数多く生息し、該プール水
は利用者の眼や傷などに直接接触して疾患を生じさせる
ことがあるため、プール水には次亜塩素酸ソーダ等の薬
剤を投入して消毒を行って疾患の発生を防止している。
しかしながら前記薬剤として殺菌効果の強い次亜塩素酸
や液体塩素等の塩素系試薬が使用され、該塩素系試薬は
それ自体あるいは分解物が刺激性を有し、該試薬により
殺菌等の効果が生じても、該試薬による眼の痛みや皮膚
のかぶれ等の副作用が発生し、特に抵抗力の弱い幼児の
場合は大きな問題となっている。又塩素系試薬は分解す
るため永続使用することが出来ず毎日のようにプール水
に添加を続ける必要があり、かつプールに使用されるプ
ール水の量は莫大なものであるため、使用する薬剤のコ
ストも大きな負担となっている。
【0006】また近年の情報化社会の進展により各種紙
類特に高質紙の需要が増大している。この紙類は製紙用
パルプから各種工程を経て製造されるが、この工程中に
製紙前のパルプを洗浄して不要な成分を洗い流す工程が
ある。該パルプは適度な温度に維持されかつ適度な養分
を含むため、黴や細菌等の微生物が繁殖し易くこの黴や
細菌が多量に最終製品中に残存すると、紙類の褪色等の
性能の劣化が生ずる。従ってこの洗浄工程で使用される
莫大な量の洗浄水中には、防黴剤や殺菌剤が含有され最
終製品の性能劣化を極力防止するようにしている。しか
しこの方法では、防黴剤や殺菌剤のコストが高くなるだ
けでなく前記防黴剤や殺菌剤が製品中に残存して黴や細
菌類に起因する性能劣化とは別の性能劣化を来すことが
あるという問題点がある。
【0007】更に近年におけるマンションの等の集合住
宅あるいは多数の企業が集合して形成されるビル等の建
築物の増加に伴い、該建築物等に設置される各種冷暖房
設備の設置台数も飛躍的に増加している。このような多
数の冷暖房設備が設置されているマンションやビル等で
は、通常該冷暖房設備の冷却水の熱交換器用設備例えば
クーリングタワーがその屋上に設置されている。この熱
交換器設備の冷却水も長期間使用を継続すると黴や細菌
類等の微生物が繁殖し前記熱交換器の熱交換面に析出し
て熱交換性能を悪化させたり、微生物が塊状に発生して
配管等を閉塞することもある。又多量に発生する微生物
の廃棄物により配管や機器に腐食等の重大な問題を引き
起こすことがある。
【0008】更に近年の家庭用浴槽の普及や温泉ブーム
から浴場水の使用量が増大しているが、該浴場水は40
℃前後の微生物が最も繁殖し易い液温を有するため、入
浴に使用せずに単に放置しておくだけでも微生物が急速
に繁殖して汚染され、使用を継続出来なくなり、入浴を
繰り返すと人体の垢等が浮遊してこの傾向はより顕著に
なる。繁殖した微生物は微小であるため濾過操作では除
去しにくく、特に銭湯などではその使用量が膨大である
ため、汚染された浴場水の再生を簡単な処理操作で行う
ことが出来れば大幅なコストダウンが可能になる。
【0009】更に各種魚類資源として海や川に繁殖して
いる天然の魚類の他に最近では養殖場における養殖魚類
が注目され、養殖魚が市場に数多く供給されている。養
殖場におけるこれら魚類の飼育の際には、養魚用水中に
含まれる細菌や黴等の微生物が魚類を汚染し、あるいは
魚類に付着してその商品価値を低下させる等の悪影響を
抑制するために殺菌剤や防黴剤等の全部又は大部分の微
生物を死滅させるための各種薬剤が前記養魚用水へ多量
に添加され、更に前記薬剤による魚類の損傷を最小限に
抑えるためにビタミン剤等の多量の栄養剤が魚類に投与
され、その上に餌が与えられる。従って養殖場等で飼育
される魚類は餌の量に比較して人工的に投与される各種
薬剤、ビタミン剤の添加が多く、防黴剤や殺菌剤が魚類
の体内に蓄積して人体に有害な各種薬剤で汚染された魚
類が市場に供給されることになる。
【0010】更に飲料水は、貯水池等の水源に貯水され
た水を浄水場で消毒処理した後、各家庭や飲料店等に上
水道を通して供給される。飲料水の前記消毒は塩素によ
る処理が一般的であるが、該塩素処理によると飲料水の
消毒は比較的良好に行われる反面、カルキ臭のために天
然の水の有するまろやかさが損なわれるという欠点が生
ずる。
【0011】以上のような欠点のない、水処理法とし
て、例えば、特開平3−224686号、同4−274
88号等に開示されている、電気化学的に処理する方法
である。この方法によると、特殊な薬品等を使わず、大
量の水を効率よく処理することができる。しかし、これ
らの方法において、電解槽と電極を固定する部分のガス
ケットに水漏れを起こし、しばしば、電気化学的に処理
されない微生物を含む水が、処理水として装置から出る
ことがあり、その改良が望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は炭素質固定床
型三次元電極電解槽を用いる被処理水中の微生物を電気
化学的に処理する方法において、より効率的な電解槽お
よび処理方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0014】(1) 微生物を含む被処理水を炭素質固
定床型三次元電極を通過させて、電気化学的に処理する
炭素質固定床型三次元電極電解槽において、該電解槽内
に複数の炭素質固定床型三次元電極と該炭素質固定床型
三次元電極を支えるガスケットが設置され、かつ、該炭
素質固定床型三次元電極と該電解槽容器との間の隙間が
該炭素質固定床型三次元電極の側面部において被処理水
の出口側が入口側より狭くなっていることを特徴とする
炭素質固定床型三次元電極電解槽。
【0015】(2) 前記炭素質固定床型三次元電極を
支えるガスケットが弾力性のあるガスケットであること
を特徴とする前記1記載の炭素質固定床型三次元電極電
解槽。
【0016】(3) 前記炭素質固定床型三次元電極を
支えるガスケットが全て同一サイズであることを特徴と
する前記2記載の炭素質固定床型三次元電極電解槽。
【0017】(4) 前記炭素質固定床型三次元電極を
支えるガスケットが、その内径は同一サイズで、被処理
水の入口側のガスケット幅が広く、かつ、出口側に向か
い連続的に狭くなるガスケットであることを特徴とする
前記2記載の炭素質固定床型三次元電極電解槽。
【0018】(5) 微生物を含む被処理水を前記1〜
4のいずれか1項記載の炭素質固定床型三次元電極電解
槽に供給し前記被処理水を電気化学的に処理する被処理
水の処理方法において、該炭素質固定床型三次元電極電
解槽を使用する際に入口側から0.5〜5kgf/cm
2の圧力で被処理水を送水することを特徴とする水処理
方法。
【0019】以下本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明は、複数個の炭素質固定床を収容す
る筒状体の下方の開口部の一部に支持体を設置すること
により前記筒状体からの前記複数の炭素質固定床の離脱
を容易に防止するようにした炭素質固定床型複極式電解
槽である。本発明に係わる該炭素質固定床型複極式電解
槽は被処理水の改質処理や水溶液中の銀イオンなどの金
属イオン回収等に使用することができる。
【0021】写真処理液、飲料水、プール水、熱交換器
用冷却水、浴場水及び養魚用水等の被処理水を本発明に
係わる電解槽で処理することにより被処理水殺菌等の改
質が行われ、又被処理水が低濃度銀イオン含有溶液であ
る該溶液から銀イオンが金属銀として回収される。
【0022】従来電解殺菌の効果は確認されているもの
の実用化はされていない。本発明の電解槽により、被処
理水中、細菌(バクテリア)、糸状菌(黴)、酵母、変
形菌、単細胞の藻類、原生動物、ウィルス等の微生物の
殺菌が行われその水質が改善される理由は必ずしも明確
ではないが、次のように推測することができる。
【0023】前記被処理水のうち写真処理液は適度の塩
類、ゼラチン等の栄養源を有しかつ適度な温度に維持さ
れるので、前記写真処理液中で黴や細菌等が繁殖し易
く、又製紙洗浄水も同様に適度の養分と適度の温度を有
して微生物の繁殖に最適な環境となっている。更に家庭
用浴槽や銭湯で使用される浴場水は最も微生物の繁殖に
適した35〜45℃の温度に維持されるため僅少量の微
生物が短時間で莫大な数に繁殖する。即ち、これらの被
処理水は、微生物を含む雰囲気に接触して微生物が該被
処理水内に取り込まれ繁殖して、前述した通りの不都合
が生ずることになる。
【0024】前記被処理水を炭素質固定床型三次元電極
電解槽に供給すると、該被処理水中の微生物は液流動に
よって前記電解槽の炭素質固定床や給電用電極ターミナ
ル等に接触しそれらの表面で強力な酸化還元反応を受け
たり高電位の電極に接触し、その活動が弱まったり自身
が死滅して殺菌が行われると考えられる。
【0025】従って本発明の電解槽では、被処理水中の
微生物が電圧が引加された炭素質固定床に接触又は吸着
すれば充分であり、両極間に電流を流して水素及び酸素
等のガス発生を伴う実質的な電解反応を生起させること
は必須ではなく、むしろ実質的な電解反応が生じない低
い電位を電極表面に印加することが好ましい。これは激
しい電解反応が生じた場合に被処理水成分にガス発生に
起因する化学的変化を与えてしまい、これにより複雑な
作用が被処理水に起こることがあり、一定の処理性能を
常に維持することが難しくなるからであり、更に微生物
を殺菌する以外のガス発生反応に無駄な電力を使うこと
になり不経済でもある。特に多量の酸素ガスや水素ガス
の発生が生ずる電位では、これらガス発生に伴う酸化還
元反応が例えば写真処理液との間で生じ、該写真処理液
の写真処理性能に著しい変化を与えてしまうことが多
く、又写真処理液に限らず、それら発生ガスが電極表面
上を覆ってしまい微生物が電極表面と接触又は吸着する
効率も低下させ殺菌効率を悪くする。
【0026】従って本電解槽を被処理水の改質処理に使
用する場合には、印加電位を陽極電位が実質的な酸素発
生を伴わない+0.2〜+1.2V(vs.SCE)、
陰極電位が実質的に水素発生を伴わない0〜−1.0V
(vs.SCE)となるようにすることが望ましいが、
液中物質が酸化還元反応を受けず液性の変化が生じない
場合や又その反応量がさほど問題にならない場合には陽
極電位を+2.0V(vs.SHE)より卑な電位と
し、陰極電位が−2.0V(vs.SHE)より貴な電
位とすることも出来る。又本電解槽を銀などの金属回収
用として使用する場合には陽極上で金属イオンの還元が
生ずるに十分な陽極電位を印加すればよい。
【0027】被処理水の改質の場合、特にプール水や製
紙洗浄水のような大量処理の場合にガス発生が伴うと、
発生するガスつまり酸素ガスと水素ガスは通常爆発限界
内の混合比で発生し、爆発の危険を回避するために空気
等の不活性ガスで希釈することが望ましく、例えば電解
槽出口に発生する電解ガスの分離手段と分離後の該電解
ガスを空気で希釈して電解ガス濃度が4容量%以下にな
るよう希釈する手段を設置することができる。
【0028】プール水等の被処理水の場合、処理すべき
水量は莫大で例えば1時間当たり数トンとなるため、処
理能力の大きい本発明の炭素質固定床型複極式電解槽の
使用が望ましく、該電解槽の使用により処理すべき被処
理水との接触面積を増大させることができ、これにより
装置サイズを小さくし、かつ電気化学的処理の効率を上
げることができる点で有利である。
【0029】本発明の炭素質固定床型三次元電極電解槽
における電極は一般に炭素質固定床型三次元電極と給電
用電極を含み、該炭素質固定床型三次元電極は前述の使
用する電解槽に応じた形状を有し、前記被処理水が透過
可能な多孔質材料、例えば粒状、球状、フェルト状、織
布状、多孔質ブロック状等の形状を有する活性炭、グラ
ファイト、炭素繊維等の炭素系材料から、あるいは同形
状を有するニッケル、銅、ステンレス、鉄、チタン等の
金属材料、更にそれらの金属材料に貴金属のコーティン
グを施した材料から形成された複数個の好ましくは粒
状、球状、繊維状、フェルト状、織布状、多孔質ブロッ
ク状、スポンジ状の誘電体である炭素質固定床とするこ
とができる。
【0030】これら複数の積層された炭素質固定床は上
下両端が開口する筒状体に収容する。該筒状体は、長期
間の使用又は再度の使用にも耐え得る電気絶縁材料で形
成することが好ましく、特に合成樹脂であるポリエピク
ロルヒドリン、ポリビニルメタクリレート、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化エチレ
ン、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ABS樹脂、
アクリル樹脂等が使用できる。更に透明又は半透明な材
料で成形すると、前記炭素質固定床の消耗状態を視認で
きるためより好都合である。
【0031】この筒状体に収容された前記複数の炭素質
固定床はその直径が前記筒状体の内径も同等かやや小径
であるため、該筒状体のみを把持して前記炭素質固定床
の交換等の操作を行うと該炭素質固定床が下方の開口部
から離脱して所定数の炭素質固定床を筒状体内に収容で
きなくなる。
【0032】従って本発明に係わる電解槽では、前記筒
状体の下方或いは上部の開口部の一部を閉塞するように
支持体を設置して前記炭素質固定床の離脱つまり筒状体
からの落下等を防止することが好ましい。該支持体の形
状は前記複数の炭素質固定床の移動を抑制するだけの強
度を有すれば特に限定されず、前記筒状体の下端部にド
ーナツ状体を該ドーナツ状体が開口部の一部を塞ぐよう
に溶接や接着等により固定したり、あるいはこれと同一
形状の部材を一体成型したり、十字型の部材を筒状体の
下端の円周部分に跨がるよう接着等により固定したり、
あるいは網状体を同様に前記閉口部内に設置したりする
ことができる。又前記ドナーツ状体及び筒状体にネジを
刻設して両部材をネジ止めして相互に固定することもで
きる。又開口部の上部も同様にネジ止めにより支持体を
設置することができ、これらより前記炭素質固定床をよ
り安定な状態で前記筒状体内に収容することができる。
【0033】なお該支持体の被処理水の流れ方向に垂直
方向の断面積は、開口部の開口面積の3〜50%とする
ことが望ましく、3%未満であると強度不足による該支
持体の筒状体からの離脱が生じ易くなり、又50%を越
えると被処理水の流通を阻害するとともに電解電圧の上
昇を招き易くなる。
【0034】該炭素質固定床を直流又は交流電場内に置
き、両端に設置した平版状又はエキスパンドメッシュ状
やパーフェレーティッドプレート状等の多孔板体から成
る給電用電極ターミナル間に直流電圧あるいは交流電圧
を印加して前記炭素質固定床を分極させ該炭素質固定床
の一端及び他端にそれぞれ陽極及び陰極を分極により形
成させて成る三次元電極を収容した炭素質固定床型複極
式電解槽とすることが可能であり、この他に単独で陽極
としてあるいは陰極として機能する三次元材料を交互に
短縮しないように設置しかつ電気的に接続して炭素質固
定床型複極式電解槽とすることができる。
【0035】前記給電用陽極ターミナルの材質として
は、例えばカーボングラファイト材(炭素繊維、カーボ
ンクロス、グラファイト等)、炭素複合材(炭素に金属
を粉状で混ぜ焼結したもの等)、活性炭素繊維不織布
(例えばKE−1000フェルト、東洋紡株式会社)又
はこれに白金、パラジウムやニッケル等を担持させた材
料、更に寸法安定性電極(白金族酸化物被覆チタン
材)、白金被覆チタン材、ニッケル材、ステンレス材、
鉄材等から形成される材質がある。又該給電用陽極ター
ミナルに対向し負の直流電圧を与える給電用陰極ターミ
ナルは、例えば白金、ステンレス、チタン、ニッケル、
銅、ハステロイ、グラファイト、炭素材、軟銅あるいは
白金族金属を被覆した金属材料等から形成されることが
できる。
【0036】前記炭素質固定床として活性炭、グラファ
イト、炭素繊維等の炭素系材料を使用しかつ陽極から酸
素ガスを発生させながら被処理水を処理する場合には、
前記炭素質固定床が酸素ガスにより酸化され炭酸ガスと
して溶解し易くなる。これを防止するためには前記炭素
質固定床の陽分極する側にチタン等の基材上に酸化イリ
ジウム、酸化ルテニウム等の白金族金属酸化物を被覆し
通常不溶性金属電極として使用される多孔質材料又は網
状材料を接触状態で設置し、酸素発生が主として該材料
上で生ずるようにすればよい。
【0037】処理すべき被処理水が流れる電解槽内に液
が炭素質固定床に接触せずに流通できる空隙があると被
処理水の処理効率が低下するため、炭素質固定床等は電
解槽内の被処理水の流れがショートパスしないように配
置することが望ましい。
【0038】又前記電解槽に供給される被処理水の流量
は、該被処理水が効率的に電極等の表面と接触できるよ
うに規定すればよく、完全な層流であると横方向の移動
が少なく炭素質固定床表面との接触が少なくなるため、
乱流状態を形成するようにすることが好ましく、500
以上のレイノルズ数を有する乱流とすることが特に好ま
しい。
【0039】前記電解槽内を隔膜で区画して陽極室と陰
極室を形成しても、隔膜を使用せずにそのまま通電を行
うこともできるが、隔膜を使用せず炭素質固定床(炭素
質固定床電極)の極間距離あるいは該炭素質固定床と前
記給電用電極ターミナルとのの間隔を狭くする場合には
短絡防止のため電気絶縁性の例えばドーナツ状で被処理
水の流通を妨げない例えば有機高分子材料で作製した網
状スペーサを炭素質固定床間及び該炭素質固定床と給電
用電極ターミナル間等に挿入することができる。又隔膜
を使用する場合には流通する被処理水の移動を妨害しな
いように多孔質例えばその開口率が10%以上95%以
下好ましくは20%以上80%以下のものを使用するこ
とが望ましく、該隔膜は少なくとも前記被処理水が透過
できる程度の孔径の微細孔を有していなければならな
い。
【0040】このような構成から成る電解槽は、例えば
写真処理液中の微生物の殺菌用として使用する場合に
は、発色現像槽、漂白槽、漂白定着槽、水洗工程槽や安
定化工程槽等の写真処理工程の一部又は全部の槽に接続
して、前記各処理槽中の写真処理液を前記電解槽に供給
し循環して処理を行う。又写真処理液からの銀回収用と
して使用する場合も同様に写真処理槽に近接させて設置
し、銀イオンを含む定着液等を前記電解槽に供給しなが
ら退電して銀を回収することができる。
【0041】更に本発明の電解槽は、ビルやマンション
の屋上等に設置された熱交換器、あるいはプール、ある
いは製紙工程、更に養殖場や釣堀等、浄水場の貯留ライ
ンあるいは家庭や飲食店の水道の蛇口、又は銭湯や温泉
等の営業用浴場や家庭用の浴槽に設置して、それぞれの
被処理水を前記電解槽に導入し電気化学的に処理するこ
とにより、前記被処理水の殺菌等の改質処理を行うこと
ができる。
【0042】なお、本発明の電解槽では該電解槽に漏洩
電流が生じ該漏洩電流が電解槽から写真処理液等の被処
理水を通して他の部材例えば写真処理槽に流れ込み、該
写真処理槽中で好ましくない電気化学反応を誘起した
り、写真処理槽の壁面を電気化学的に腐食させ壁面構成
材料を溶出させることがあるため、電解槽内の陽陰極が
相対しない電極背面部及び/又は前記電解槽の出入口配
管内に、前記被処理液より導電性の高い部材をその一端
を接地可能なように設置して前記漏洩電流を遮断するこ
とができる。これは、他の被処理水に対しても有効であ
る。
【0043】又電解槽を一回通過させるだけでは十分に
細菌類が除去されない場合や十分に銀イオンが回収され
ない場合等は処理済の被処理水を再度電解槽を通すよう
にしてもよい。
【0044】次に添付図面に基づいて本発明に係わる炭
素質固定床型三次元電極電解槽の好ましい例を説明する
が、本発明の電解槽は、この電解槽に限定されるもので
はない。
【0045】図1は、本発明に係わる炭素質固定床型三
次元電極電解槽の縦断面図、図2は、従来の炭素質固定
床型三次元電極電解槽の縦断面図、図3は、本発明に係
わる別の構成の炭素質固定床型三次元電極電解槽の縦断
面図、図3のa部を拡大した縦断面図を図4に示す。こ
れらに、各図において、例えばカーボングラファイト電
極の炭素質固定床1が積層され、その炭素質固定床は、
金属電極(例えば白金メッキされたチタンメッシュ)2
及び2′でサンドウィッチされる。炭素質固定床と金属
電極は弾性のあるガスケット(例えばゴム製)3により
保持され、電解槽の内面に密着する。電解槽の下部(I
N)から被処理水が0.5〜5kgf/cm2の圧力で
送水され、電極4及び4′に外部より電圧をかけること
により、被処理水は、殺菌され、上部の(OUT)から
取り出す。
【0046】図1において、電解槽は円筒で、その内径
は、下部が広く、上部に向かって連続的に細くなってい
る。炭素質固定床1と金属電極2及び2′は、同一直径
をもっているが、これを支えるガスケットは、内径は炭
素質固定床及び金属電極の直径と略同一であるが、外径
(ガスケットの幅)は、下部に使用するものは広く、上
部で使用するものは狭くしてある。その結果、電解槽に
炭素質固定床、金属電極、ガスケットをセットし、下部
より、被処理水を圧入すると、弾性をもつガスケット
は、上部に向かい、若干移動し、電解槽とガスケットが
緊密に圧着する。その結果、被処理水は、すべて炭素質
固定床を通過し、被処理水は全て処理される。
【0047】図2は、従来の炭素質固定床型三次元電極
電解槽の縦断面図であるが、図1のような、電解槽にテ
ーパーがなく、ガスケットも同一サイズであるので、被
処理水の圧力が高くなると、電解槽とガスケットの間に
リークを生じ、固定床を通過せずに処理されない水が排
出される。
【0048】図3は、本発明に係る別のタイプの炭素質
固定床型三次元電極電解槽の縦断面図であるが、電解槽
が階段状にテーパー加工され、その階段1つ1つに炭素
質固定床と電極を設置する。電解槽のa部を拡大した図
が図4である。図4において、炭素質固定床1、電極2
及び2′は図1と同様に同一サイズであるが、ガスケッ
ト3は、図1のガスケットと異なり全て同じ形状であ
り、同一サイズである。炭素質固定床、電極及びガスケ
ットを図1と同様にセットして、図3に示す階段状の各
ステップに設置し、下部より、被処理水を圧入すると、
弾性をもつガスケットは、上部に向かい、若干移動し、
電解槽の階段状のテーパーによりガスケットが緊密に圧
着し、ガスケット部分からの水漏れがなくなる。
【0049】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき説明するが、本
発明の実施態様はこれに限定されない。
【0050】実施例1 図1に示した本発明の電解槽および図2に示した比較の
電解槽を作成した。固定床はポーラスカーボングラファ
イト、厚み9mm、直径196mmである。
【0051】制菌性能試験はイオン交換水から普通寒天
培地(栄研化学製)にて分離された一般細菌を液体培地
(普通ブイヨン培地、栄研化学製)を用いて3日間培養
し、菌体を5000rpmにて遠心分離した後、純水で
洗浄し、再度遠心分離した。これをあらかじめためてお
いた水道水(残留塩素濃度が0.02ppm以下)に添
加し被処理水とした。これを本発明の電解槽および比較
の電解槽に3.5kg/cm2の圧力で送水し、電解槽
通過前後の被処理水を採水し、これに含まれる生菌数を
普通寒天培地(栄研化学製)を用いた寒天平板法にて測
定し、結果を表1に示す。被処理水は、生菌数の異なる
2種類、1及び2を用いた。
【0052】
【表1】
【0053】表1から、本発明の電解槽の方が明らかに
制菌効率に優れていることが判明した。
【0054】実施例2 実施例1と同様に、水圧を0.5kgf/cm2にした
以外は同じ方法で試験を実施した。その結果を下記表2
に示す。
【0055】
【表2】
【0056】本発明の電解槽によって、高い制菌効率を
得ることが可能となった。
【0057】実施例3 実施例1における、図1に示す本発明の電解槽にかえ
て、図3に示す本発明の電解槽を使用した以外は同様に
して、制菌効率の測定を行い結果を表3に示す。固定床
はポーラスカーボングラファイト、厚み9mm、直径1
96mmである。被処理水は、実施例1の被処理水の生
菌数とは異なる3を用いた。
【0058】
【表3】
【0059】表3から、本発明の電解槽の方が明らかに
制菌効率に優れていることが判明した。
【0060】
【発明の効果】本発明により、炭素質固定床型三次元電
極電解槽を用いる被処理水中の微生物等を電気化学的に
処理する方法において、処理されない被処理水のない、
電解槽および処理方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる炭素質固定床型三次元電極電解
槽の縦断面図である。
【図2】従来の炭素質固定床型三次元電極電解槽の縦断
面図である。
【図3】本発明に係わる別の形式の炭素質固定床型三次
元電極電解槽の縦断面図である。
【図4】図3のa部を拡大した縦断面図である。
【符号の説明】
1 炭素質固定床 2 電極 2′ 電極 3 ガスケット 4 電極(外部から電力供給用) 4′ 電極(外部から電力供給用)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物を含む被処理水を炭素質固定床型
    三次元電極を通過させて、電気化学的に処理する炭素質
    固定床型三次元電極電解槽において、該電解槽内に複数
    の炭素質固定床型三次元電極と該炭素質固定床型三次元
    電極を支えるガスケットが設置され、かつ、該炭素質固
    定床型三次元電極と該電解槽容器との間の隙間が該炭素
    質固定床型三次元電極の側面部において被処理水の出口
    側が入口側より狭くなっていることを特徴とする炭素質
    固定床型三次元電極電解槽。
  2. 【請求項2】 前記炭素質固定床型三次元電極を支える
    ガスケットが弾力性のあるガスケットであることを特徴
    とする請求項1記載の炭素質固定床型三次元電極電解
    槽。
  3. 【請求項3】 前記炭素質固定床型三次元電極を支える
    ガスケットが全て同一サイズであることを特徴とする請
    求項2記載の炭素質固定床型三次元電極電解槽。
  4. 【請求項4】 前記炭素質固定床型三次元電極を支える
    ガスケットが、その内径は同一サイズで、被処理水の入
    口側のガスケット幅が広く、かつ、出口側に向かい連続
    的に狭くなるガスケットであることを特徴とする請求項
    2記載の炭素質固定床型三次元電極電解槽。
  5. 【請求項5】 微生物を含む被処理水を請求項1〜4の
    いずれか1項記載の炭素質固定床型三次元電極電解槽に
    供給し前記被処理水を電気化学的に処理する被処理水の
    処理方法において、該炭素質固定床型三次元電極電解槽
    を使用する際に入口側から0.5〜5kgf/cm2
    圧力で被処理水を送水することを特徴とする水処理方
    法。
JP1778296A 1996-02-02 1996-02-02 炭素質固定床型三次元電極電解槽および水処理方法 Pending JPH09206756A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100389731B1 (ko) * 2001-02-02 2003-07-02 (주)워터-텍 전기화학적 정수시스템

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