JPH0671268A - 被処理水の電気化学的処理方法 - Google Patents

被処理水の電気化学的処理方法

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JPH0671268A
JPH0671268A JP20871191A JP20871191A JPH0671268A JP H0671268 A JPH0671268 A JP H0671268A JP 20871191 A JP20871191 A JP 20871191A JP 20871191 A JP20871191 A JP 20871191A JP H0671268 A JPH0671268 A JP H0671268A
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water
treated
electrolytic cell
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electrode type
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Nobutaka Goshima
伸隆 五嶋
Takeshi Takahashi
剛 高橋
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 微生物と、カルシウムイオン及び/又はマグ
ネシウムイオンを含有する被処理水を三次元電極上の析
出物の除去操作を行うことなく長期間被処理水の電気化
学的処理を行い、微生物及びカルシウムイオン等を含ま
ない清浄な被処理水を得る。 【構成】 微生物と、カルシウムイオン及び/又はマグ
ネシウムイオンを含有する被処理水をまず二次元陽極10
及び二次元陰極8を収容した二次元電極式電解槽6に供
給し被処理水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオ
ンを前記二次元陰極8上に析出させて除去し、その後こ
の被処理水を固定床型三次元電極式電解槽11に供給して
被処理水中の微生物の滅菌を行って被処理水中から除去
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物とカルシウムイ
オン及び/又はマグネシウムイオンを含有する被処理水
を二次元電極式電解槽と三次元電極式電解槽を使用して
電気化学的に処理することにより前記三次元電極式電解
槽の陰極面にカルシウムイオン及び/又はマグネシウム
イオンの水酸化物、酸化物あるいは炭酸塩を析出させず
に前記被処理水の電気化学的処理を行う方法に関し、よ
り詳細には前記被処理水をまず二次元電極式電解槽に供
給してカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオン
をそれらの酸化物、水酸化物及び炭酸塩等の塩として前
記二次元電極式電解槽の陰極上に析出させることにより
被処理水から除去し、前記イオンを含有しない被処理水
を三次元電極式電解槽に供給して微生物の滅菌等の電気
化学的な改質処理を行い三次元電極に目詰まりを生じさ
せることなく被処理水を処理する方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から各種用途に多種類の水溶液や他の
物質を溶解していない単独の水が使用されている。これ
らの水溶液等は溶質が適度な養分を提供し、あるいは該
水溶液の液温が繁殖に好ましい比較的高温度であると、
細菌等の微生物が繁殖して該微生物は前記水溶液等に必
要な本来の性能の劣化を起こしたり処理装置内に浮遊し
たり蓄積したりして処理装置の機能を損なうことが多
い。
【0003】例えば夏季スポーツとして最も一般的な水
泳の人気は衰えることなく、幅広い年齢層の人々に親し
まれており、水泳を楽しむために都市部ではプールが多
く利用されている。このプールに使用されるプール水に
は人体に有害な大腸菌や細菌類等の微生物が数多く生息
し、該プール水は利用者の眼や傷などに直接接触して疾
患を生じさせることがあるため、プール水には次亜塩素
酸ソーダ等の薬剤を投入して事前に滅菌を行って疾患の
発生を防止している。しかしながら前記薬剤として滅菌
効果の強い次亜塩素酸や液体塩素等の塩素系試薬が使用
され、該塩素系試薬はそれ自体あるいは分解物が刺激性
を有し、該試薬により殺菌等の効果が生じても、該試薬
による眼の痛みや皮膚のかぶれ等の副作用が発生し、特
に抵抗力の弱い幼児の場合は大きな問題となっている。
又塩素系試薬は分解するため永続使用することができず
毎日のようにプール水に添加を続ける必要があり、かつ
プールに使用されるプール水の量は莫大なものであるた
め、使用する薬剤のコストも大きな負担となっている。
【0004】更に近年の情報化社会の進展により各種紙
類特に高質紙の需要が増大している。この紙類は製紙用
パルプから各種工程を経て製造されるが、この工程中に
製紙前のパルプを洗浄して不要な成分を洗い流す工程が
ある。該パルプは適度な温度に維持されかつ適度な養分
を含むため、黴や細菌等の微生物が繁殖し易くこの黴や
細菌が多量に最終製品中に残存すると、紙類の褪色等の
性能の劣化が生ずる。従ってこの洗浄工程で使用される
莫大な量の洗浄水中には、防黴剤や殺菌剤が含有され最
終製品の性能劣化を極力防止するようにしている。しか
しこの方法では、防黴剤や殺菌剤のコストが高くなるだ
けでなく前記防黴剤や殺菌剤が製品中に残存して黴や細
菌類に起因する性能劣化とは別の性能劣化を来すことが
あるという問題点がある。更に近年におけるマンション
等の集合住宅あるいは多数の企業が集合して形成される
ビル等の建築物の増加に伴い、該建築物等に設置される
各種冷暖房設備の設置台数も飛躍的に増加している。こ
のような多数の冷暖房設備が設置されているマンション
やビル等では、通常該冷暖房設備の冷却水の熱交換器用
設備例えばクーリングタワーがその屋上に設置されてい
る。この熱交換器設備の冷却水も長期間使用を継続する
と黴や細菌類等の微生物が繁殖し前記熱交換器の熱交換
面に析出して熱交換性能を悪化させたり、微生物が塊状
に発生して配管等を閉塞したり熱交換能力を低下させる
こともある。又多量に発生する微生物の排棄物により配
管や機器に腐食等の重大な問題を引き起こすことがあ
る。
【0005】更に近年の家庭用浴槽の普及や温泉ブーム
から浴場水の使用量が増大しているが、該浴場水は40℃
前後の微生物が最も繁殖し易い液温を有するため、入浴
に使用せずに単に放置しておくだけでも微生物が急速に
繁殖して汚染され、使用を継続できなくなり、入浴を繰
り返すと人体の垢等が浮遊してこの傾向はより顕著にな
る。繁殖した微生物は微小であるため濾過操作では除去
しにくく、特に銭湯などではその使用量が膨大であるた
め、汚染された浴場水の再生を簡単な処理操作で行うこ
とができれば大幅なコストダウンが可能になる。更に各
種魚類資源として海や川に繁殖している天然の魚類の他
に最近では養殖場における養殖魚類が注目され、養殖魚
が市場に数多く供給されている。養殖場におけるこれら
魚類の飼育の際には、養魚用水中に含まれる細菌や黴等
の微生物が魚類を汚染し、あるいは魚類に付着してその
商品価値を低下させる等の悪影響を抑制するために殺菌
剤や防黴剤等の全部又は大部分の微生物を死滅させるた
めの各種薬剤が前記養魚用水へ多量に添加され、更に前
記薬剤による魚類の損傷を最小限に抑えるためにビタミ
ン剤等の多量の栄養剤が魚類に投与され、その上に餌が
与えられる。従って養殖場等で飼育される魚類は餌の量
に比較して人工的に投与される各種薬剤、ビタミン剤の
添加が多く、防黴剤や殺菌剤が魚類の体内に蓄積して人
体に有害な各種薬剤で汚染された魚類が市場に供給され
ることになる。
【0006】更に飲料水は、貯水池等の水源に貯水され
た水を浄水場で滅菌処理した後、各家庭や飲食店等に上
水道を通して供給される。飲料水の前記滅菌は塩素ガス
による処理が一般的であるが、該塩素処理によると飲料
水の滅菌は比較的良好に行われる反面、残留塩素の影響
により処理された飲料水に異物質が混和したような違和
感が生じて天然の水の有するまろやかさが損なわれると
いう欠点が生ずる。飲料水は人間の健康に直結するもの
で、それに含有される細菌の殺菌や黴の繁殖の防止つま
り微生物の死滅除去は不可欠であり、該殺菌や防黴の方
法としては前述の塩素による方法が主流である。しかし
都市部の水道滅菌はその原水となる河川水、湖水等が各
種有機物等で汚染され微生物の死滅に必要な量以上の塩
素を添加するため、有機ハロゲン化物、次亜塩素酸イオ
ン及び残留塩素等の有効塩素成分を生起するという弊害
を生じている。該塩素法による前記欠点を解消するため
に、塩素法以外の殺菌方法が提案されている。例えば前
記飲料水をオゾン添加処理や活性炭吸着処理することに
より改質する方法が提案されているが、処理すべき飲料
水が例えば浄水場の水である場合には処理量が莫大であ
る。又浄水場で処理しても水道管末端の蛇口に至るまで
に再度微生物が繁殖するという問題がある。
【0007】本出願人は、前述の各種被処理水中の微生
物を除去するために被処理水を高表面積の三次元電極を
収容した電解槽に供給し該被処理水中の微生物を電解槽
内の前記三次元電極と接触させることにより死滅させて
前記被処理水の電気化学的処理を行う方法を提案した。
この方法による電気化学的処理では薬剤等の被処理水中
への残存を生じさせることなく確実に被処理水の改質を
行うことができる。しかも使用する電極が多孔質の三次
元電極であるため、被処理水が該三次元電極内を流通し
て十分に電極と接触して高処理効率で、前記被処理水の
処理を行うことを可能にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】しかし被処理水が水
道水等のカルシウムイオンやマグネシウムイオンを含有
していると、該イオンが前記電解槽内の三次元陰極表面
にそれらの水酸化物や酸化物等として析出することが多
い。この析出物は多孔質三次元電極の陰極側の目詰まり
を生じさせることがある。陰極側に目詰まりが生ずると
被処理水の陰極との接触が阻害されるだけでなく、被処
理水の円滑な流通を確保しにくくなり、単位時間当たり
の処理能力が減少するという欠点が生ずる。
【0009】
【発明の目的】本発明は、簡便かつ安価に微生物を含有
する被処理水の電気化学的処理を行う際に生ずることの
ある三次元電極の陰極側の目詰まりを解消して、長期間
に亘り高い処理効率で被処理水の処理を行うことのでき
る方法を提供することを目的とする。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明は、微生物と、
カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを含有
する被処理水を二次元電極を有する二次元電極式電解槽
に供給し該二次元電極式電解槽の陰極上に前記カルシウ
ムイオン及び/又はマグネシウムイオンをそれらの水酸
化物や酸化物等として析出させて前記被処理水から除去
した後、該被処理水を固定床型三次元電極を有する三次
元電極式電解槽に供給し、前記被処理水を電気化学的に
処理して前記微生物の滅菌を行うことを特徴とする被処
理水の電気化学的処理方法である。なお本発明では電極
等の表面上で実質的な電気化学反応を生起しない場合が
あるため本発明に使用される槽は電気化学的処理槽とい
うべきであるが、一般呼称に従って電解槽と称する。
【0011】以下本発明を詳細に説明する。本発明は、
カルシウムやマグネシウム等のイオンと微生物を含む被
処理水を三次元電極式電解槽に供給して電気化学的処理
を行う前に板状、網状あるいは充填粒子等の二次元電極
を有する二次元電極式電解槽に供給し該二次元電極式電
解槽の陰極上に前記カルシウム等を水酸化物あるいは酸
化物等として析出させて被処理水から除去することによ
り、三次元電極式電解槽に供給される被処理水中にカル
シウムイオンやマグネシウムイオン等が含まれないよう
にし、これにより三次元電極式電解槽の三次元電極の目
詰まりを生じさせることなく、従って該目詰まりを回避
するための操作を必要とすることなく、長期間前記被処
理水の処理を行い得るようにしたことを特徴とする。本
発明は熱交換器用冷却水や滅菌処理前の飲料水等に好ま
しく適用できるが、その他にもプール水、製紙洗浄水、
浴場水及び養魚用水等に使用することが可能である。
微生物を含む被処理水を固定床型三次元電極式電解槽に
供給すると被処理水が三次元電極に接触して被処理水中
の微生物は液流動によって前記電解槽の陽極や陰極ある
いは後述する誘電体や固定床形成用粒子等に接触しそれ
らの表面で強力な酸化還元反応を受けたり高電位の電流
に接触し、その活動が弱まったり自身が死滅して滅菌が
行われると考えられる。
【0012】そして該被処理水にカルシウムイオン及び
/又はマグネシウムイオンが含まれると、微生物の滅菌
と同時に被処理水中の前記カルシウム及びマグネシウム
イオンが陰極に接触してそれらの塩つまり水酸化物や酸
化物等として陰極表面に析出する。これらの析出物は前
述の通り陰極側に目詰まりを生じさせ円滑な液流通を阻
害するといった問題を生じさせる。この析出物は通電を
停止して陰極から物理的に剥ぎ落としあるいは薬剤に溶
解させて除去し、あるいは通電方向を逆にして逆転前の
陰極に還元的に析出した析出物を逆転後の陽極上で酸化
しイオンとして再溶解させて除去することができる。し
かし通電を停止し電解槽を分解して析出物を除去するこ
とは被処理水の処理操作が停止して作業効率が低下する
だけでなく電解槽の分解及び組立てが多大な労力を要す
るため避けることが望ましく、更に通電方向を逆転させ
ることによる析出物の再溶解は余剰部材を必要としない
という利点がある反面、一時的であるが処理操作が中断
するという欠点がある。
【0013】本発明はこのカルシウムイオン及び/又は
マグネシウムイオンの電気的な析出を被処理水の処理用
三次元電極式電解槽とは別個の二次元電極式電解槽によ
り行い、前記三次元電極式電解槽には殆どカルシウムイ
オン等に起因する析出物が生じないようにすることによ
り、通電を停止しあるいは通電方向の逆転を行うことな
く被処理水の電気化学的処理を行えるようにしている。
本発明の二次元電極式電解槽は、カルシウムイオン及び
/又はマグネシウムイオンをそれらの塩として析出させ
被処理水から除去するための電解槽で、両極とも板状あ
るいは網状等の析出物により目詰まりが生じない形状と
し、望ましくは被処理水が十分該電極と接触するように
両極とも複数の電極体の基端同士を連結した櫛形とし陽
極体及び陰極体が交互に位置するようにそして該陽極体
及び陰極体の方向が被処理水の流通方向に対してほぼ垂
直になるよう二次元電極式電解槽内に配置することが好
ましい。使用する陽極の材質は従来の陽極材料をそのま
ま使用することができ、例えば白金族金属酸化物被覆チ
タン材(寸法安定性電極)、炭素材、ニッケル材等を使
用することができ、又陰極の材質もニッケル材等の従来
の陰極材料をそのまま使用することができる。
【0014】本発明で使用する三次元電極式電解槽に
は、複極式三次元電極電解槽及び単極式三次元電極電解
槽が含まれ、複極式三次元電極電解槽を使用することが
好ましい。本発明の三次元電極電解槽における三次元電
極は、前記被処理水が透過可能な多孔質材料、例えば粒
状、球状、フェルト状、織布状、多孔質ブロック状、多
数の貫通孔を形成した中実体等の形状を有する活性炭、
グラファイト、炭素繊維、ポーラスカーボン等の炭素系
材料から、あるいは同形状を有するニッケル、銅、ステ
ンレス、鉄、チタン等の金属材料、更にそれら金属材料
に貴金属のコーティングを施した材料から形成された複
数個の誘電体から成ることが好ましく、該三次元電極は
直流電場内に置かれ、両端に設置した平板状又はエキス
パンドメッシュ状やパーフォレーティッドプレート状等
の多孔板体から成る給電用陽陰極間に直流電圧を印加し
て前記誘電体を分極させ該誘電体の一端及び他端にそれ
ぞれ正及び負の電荷が形成されて分極する。この他に給
電用陽極及び陰極とは別個に、単独で陽極としてあるい
は陰極として機能する三次元材料を交互に短絡しないよ
うに設置しかつ電気的に接続して複極型固定床式電解槽
とすることができる。なお前述の多数の貫通孔を形成し
た中実体を三次元電極として使用する場合には、流通す
る被処理水の移動を妨害しないようにその開口率を10%
以上95%以下好ましくは20%以上80%以下とし、貫通孔
の開孔径は被処理水が透過できる程度の孔径の微細孔と
することが好ましい。
【0015】単極式三次元電極電解槽の場合には、陽極
及び陰極の少なくとも一方を前記三次元電極により構成
し、他方は板状あるいは棒状の電極としてもよい。本発
明の三次元電極式電解槽では、被処理水中の微生物が電
圧が印加された電極や誘電体や固定床形成用粒子等に接
触すれば充分であり、両極間に電流を流して水素及び酸
素等のガス発生を伴う実質的な電解反応を生起させるこ
とは必須ではなく、むしろ実質的な電解反応が生じない
低い電位を電極表面に印加することが好ましい。これは
実質的な電解反応が生じた場合に被処理水成分にガス発
生に起因する化学的変化を与えてしまい、これにより複
雑な作用が前記被処理水に起こることがあり、一定の処
理性能を常に維持することが難しくなるからであり、更
に微生物を滅菌する以外のガス発生反応に無駄な電力を
使うことになり不経済でもあり、更に前述の通り使用電
極が炭素電極であると、発生する酸素ガスにより電極の
劣化が起こりやすいからである。
【0016】従って本発明においては、印加電位を陽極
電位が実質的な酸素発生を伴わない+0.2 〜+1.2 V(v
s.SCE)、陰極電位が実質的に水素発生を伴わない0〜−
1.0V(vs.SCE)となるようにすることが望ましいが、液
中物質が酸化還元反応を受けず液性の変化が生じない場
合や又その反応量がさほど問題にならない場合には、陽
極電位を+2.0 V(vs.SHE)より卑な電位とし、陰極電位
が−2.0 V(vs.SHE)より貴な電位とすることもできる。
この電位範囲では若干のガス発生がありこのガス発生に
より実際に被処理水の改質処理が行われていることを確
認することができる。前記誘電体として活性炭、グラフ
ァイト、炭素繊維等の炭素系材料を使用しかつ陽極から
酸素ガスを発生させながら被処理水を処理する場合に
は、前記誘電体が酸素ガスにより酸化され炭酸ガスとし
て溶解し易くなる。これを防止するためには前記誘電体
の陽分極する側にチタン等の基材上に酸化イリジウム、
酸化ルテニウム等の白金族金属酸化物を被覆し通常不溶
性金属電極として使用される多孔質材料を接触状態で設
置し、酸素発生が主として該多孔質材料上で生ずるよう
にすればよい。
【0017】前記誘電体又は給電用陽陰極以外の陽極及
び陰極を接近させて電圧の低下を意図する際には、短絡
防止のため電気絶縁性のスペーサとして例えば有機高分
子材料で作製した網状スペーサ等を挿入することが好ま
しい。処理すべき被処理水が流れる電解槽内に該被処理
水が前記誘電体や陽極又は陰極にに接触せずに流通でき
る比較的大きな空隙があると被処理水の処理効率が低下
するため、前記誘電体等は電解槽内の被処理水の流れが
ショートパスしないように配置することが望ましい。こ
のような構成から成る二次元電極式電解槽及び三次元電
極電解槽は、処理すべき被処理水の種類に応じて該被処
理水の処理が必要な箇所に近接させて被処理水の流通順
に二次元電極式電解槽→三次元電極式電解槽のように設
置する。
【0018】微生物及びカルシウムイオン及び/又はマ
グネシウムイオンを含む前記被処理水を第1に前記二次
元電極式電解槽に供給すると、該イオンが二次元電極式
電解槽の陰極上で還元されてそれらの酸化物や水酸化物
等として該陰極上に析出する。そしてこれらのイオンが
除去された微生物を含む被処理水を三次元電極式電解槽
に供給すると、前述の通り被処理水中の微生物は液流動
によって前記電解槽の陽極や陰極あるいは誘電体等に接
触しそれらの表面で強力な酸化還元反応を受けたり高電
位の電流に接触し、その活動が弱まったり自身が死滅し
て滅菌が行われる。しかもこの場合被処理水中に殆どカ
ルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンが含まれ
ていないため三次元電極上にこれらのイオンに起因する
析出物が生じて目詰まりが起こることがないため、運転
を停止したり通電方向を逆転したりすることなく、被処
理水の改質処理を継続できる。
【0019】なお本発明の電解槽特に三次元電極では該
電解槽に漏洩電流が生じ該漏洩電流が電解槽から処理す
べき被処理水を通して他の金属製部材例えば熱交換器に
流れ込み、該部材に溶出等の電気化学的な腐食を生じさ
せることがある。そのため電解槽内の給電用陽陰極が相
対しない該電極背面部及び/又は前記電解槽の出入口配
管内に、被処理水より導電性の高い部材をその一端を接
地可能なように設置して前記漏洩電流を遮断することが
できる。又熱交換器用冷却水等には配管内を流れる間に
固形の不純物が混入することがあり、上記した電気化学
的処理の他に該不純物を除去するために二次元電極式電
解槽又は三次元電極式電解槽の前後にフィルターを設置
することが望ましい。
【0020】次に添付図面に基づいて本発明方法に使用
できる電解槽の好ましい例を説明するが、本発明方法に
使用できる電解槽は、この電解槽に限定されるものでは
ない。図1は、二次元電極式電解槽と固定床型複極式三
次元電極式電解槽とを組み合わせた本発明方法の電解槽
として使用可能な電解槽の一例を示す概略縦断面図であ
る。底板1中央にフィルター2を有する被処理水供給口
3を、又天板4中央に被処理水取出口5をそれぞれ有す
る円筒状の二次元電極式電解槽本体6内には、計5枚の
水平方向に位置する板状又は網状の陰極体7の基端同士
を連結して成る櫛形の二次元陰極8、及び前記隣接する
陰極体7間に挿入された計4枚の水平方向に位置する板
状又は網状の陽極体9の基端同士を連結して成る櫛形の
二次元陽極10が互いに短絡しないように収容されてい
る。
【0021】このような構成から成る二次元電極式電解
槽本体6の上部には、次のような構成から成る三次元電
極式電解槽本体11が設置されている。底板12中央に前記
被処理水取出口5と一体化された被処理水供給口13を、
又天板14中央にフィルター15を有する被処理水取出口16
をそれぞれ有する円筒状の三次元電極式電解槽本体11の
内部上端近傍及び下端近傍にはそれぞれメッシュ状の給
電用陽極17と給電用陰極ターミナル18が設けられてい
る。該両給電用電極17、18には複数個の図示の例では3
個のスポンジ状の固定床19が積層され、かつ該固定床19
間及び該固定床19と前記両給電用電極17、18間に4枚の
メッシュ状隔膜又はスペーサー20が挟持されている。各
固定床19は電解槽本体11の内壁に密着し固定床19の内部
を通過せず、固定床19と電解槽本体11の側壁との間を流
れる被処理水の漏洩流がなるべく少なくなるように配置
されている。
【0022】このような構成から成る1対の電解槽の二
次元電極式電解槽本体6に下方から矢印で示すように微
生物及びカルシウムイオンやマグネシウムイオンを含む
被処理水を供給しながら通電を行うと、まず被処理水供
給口3のフィルター2で被処理水中の固形不純物が除去
される。そして二次元電極式電解槽本体6内に供給され
た被処理水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオン
は二次元陰極8に接触して還元され酸化物、水酸化物及
び炭酸塩等として該陰極8上に析出し被処理水から除去
される。カルシウムイオン等が除去された被処理水は被
処理水取出口5及び被処理水供給口13を通って三次元電
極式電解槽本体11に供給される。該三次元電極式電解槽
本体11内の前記各固定床19は図示の如く下面が正に上面
が負に分極して各固定床19の下面及び上面にそれぞれ多
孔質陽極及び多孔質陰極が形成され、前記被処理水はこ
の多孔質陽極に接触して滅菌が行われた後、微生物やカ
ルシウムイオン及びマグネシウムイオンを含まない清浄
な被処理水として被処理水取出口16から槽外に取り出さ
れる。
【0023】
【実施例】次に本発明方法による被処理水の電気化学的
処理の実施例を例示するが、該実施例は本発明を限定す
るものではない。
【実施例1】図1の電解槽を使用して試験用被処理水の
処理を行った。三次元電極式電解槽として透明な硬質ポ
リ塩化ビニル樹脂製の高さ50mm、内径50mmの電解槽
を使用し、二次元電極式電解槽として透明な硬質ポリ塩
化ビニル樹脂製の縦50mm×横50mm×高さ50mmの電
解槽を使用し、両電解槽を被処理水取出口及び供給口を
兼ねる内径15mmの管により連結した。三次元電極式電
解槽内には、炭素繊維から成る開孔率60%で直径49m
m、厚さ10mmの固定床3個を、各固定床の下面に直径
49mm、厚さ1mmでチタン板に白金を被覆して成る補
助電極を密着設置した状態で収容した。これらの固定床
を、開孔率85%で直径50mm、厚さ1mmのポリエチレ
ン樹脂製スペーサ4枚で挟み込んだ。
【0024】二次元電極式電解槽内には、縦40mm、横
40mm、厚さ1.0 mmの5枚のニッケル製網状陰極体の
基端同士を連結した高さ25mmの二次元陰極及び縦35m
m、横35mm、厚さ1.0 mmの4枚の白金族金属酸化物
被覆チタン材製網状陽極体の基端同士を連結した高さ19
mmの二次元陽極を図示の通り設置した。水道水に細菌
を添加して細菌数を750 個/ミリリットルになるように
し、かつ塩化カルシウム及び塩化マグネシウムを溶解し
てカルシウムイオン濃度及びマグネシウムイオン濃度が
それぞれ103 mg/リットル及び87mg/リットルとし
た試験用被処理水を準備した。供給量を2.5 リットル/
分に、初期電圧値を20.0Vに、電流値を60mAにそれぞ
れ固定して前記試験用被処理水のワンパス処理を行い、
二次元電極式電解槽及び三次元電極式電解槽から取り出
される被処理水中の細菌数、カルシウムイオン濃度及び
マグネシウムイオン濃度を経時的に測定したところ、表
1に示す結果が得られた。24時間経過後に電解槽を分解
して固定床の陰分極側を観察したが析出物は見られなか
った。
【0025】
【表1】
【0026】
【実施例2】実施例1の二次元電極式電解槽内の櫛形電
極を、対向する1枚の縦40mm、横40mm、厚さ1.0 m
mのニッケル製板状陽極及び1枚の縦40mm、横40m
m、厚さ1.0 mmの白金族金属酸化物被覆チタン材製板
状陰極2枚としたこと以外は実施例1と同一条件で試験
用被処理水の処理を行い、二次元電極式電解槽及び三次
元電極式電解槽から取り出される被処理水中の細菌数、
カルシウムイオン濃度及びマグネシウムイオン濃度を経
時的に測定したところ、表2に示す結果が得られた。24
時間経過後に電解槽を分解して固定床の陰分極側を観察
したところ僅少量の析出物が見られたが、被処理水の流
通には影響がなかった。
【0027】
【表2】
【0028】表1及び表2から三次元電極式電解槽によ
る被処理水の滅菌処理等の前に二次元電極式電解槽で該
被処理水を処理すると、該二次元電極式電解槽内の陰極
にカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンが析
出して殆どが被処理水から除去され、長期間使用しても
三次元電極式電解槽に目詰まりが生じないことが判っ
た。
【0029】
【発明の効果】本発明は、微生物と、カルシウムイオン
及び/又はマグネシウムイオンを含有する被処理水を二
次元電極を有する二次元電極式電解槽に供給し該二次元
電極式電解槽の陰極上に前記カルシウムイオン及び/又
はマグネシウムイオンをそれらの水酸化物等として析出
させて前記被処理水から除去した後、該被処理水を固定
床型三次元電極を有する三次元電極式電解槽に供給し、
前記被処理水を電気化学的に処理することを特徴とする
被処理水の電気化学的処理方法である(請求項1)。
【0030】水道水に含まれるカルシウムイオンやマグ
ネシウムイオン等の配管の内壁への水酸化物、酸化物あ
るいは炭酸塩としての析出による配管の閉塞は大きな問
題となっているが、本発明方法によると微生物の他に前
記カルシウムイオン等を含有する被処理水を比較的電極
面積の小さい二次元電極式電解槽、次いで莫大な表面積
を有する分極した三次元電極式電解槽に供給すると、被
処理水中のカルシウムイオン等が二次元電極式電解槽の
二次元陰極に接触してその水酸化物等として析出して被
処理水から除去される。この被処理水を三次元電極式電
解槽に供給すると該被処理水中の微生物が該電解槽の三
次元電極に接触することにより微生物の滅菌が行われ、
該被処理水中にはカルシウムイオン等が殆ど含まれてい
ないためカルシウムの水酸化物等の析出による三次元電
極の目詰まりが生ずることが殆どなく、電解槽の分解及
び組立てあるいは通電方向の逆転等を行うことなく微生
物及びカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオン
を含む被処理水から前記微生物及びカルシウムイオン等
を除去して清浄な被処理水を得ることができる。
【0031】本発明方法は被処理水がカルシウムイオン
やマグネシウムイオンの混入を嫌う熱交換器用冷却水や
飲料水の場合に特に効果があり(請求項2)、例えば水
道水を本発明方法により処理した後に熱交換器用冷却水
として使用すると、該熱交換器用冷却水にカルシウムイ
オン等の含有がなくカルシウムイオン等がその水酸化物
等として熱交換面に析出して熱交換効率を低下させるこ
とがなくなり、かつ熱交換器の配管の閉塞も防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の電解槽として使用可能な二次元電
極式電解槽と三次元電極式電解槽の組み合わせを示す縦
断面図。
【符号の説明】
6・・二次元電極式電解槽本体 7・・・陰極体 8・
・・二次元陰極 9・・・陽極体 10・・・二次元陰極
11・・・三次元電極式電解槽本体 17・・・給電用陽
極 18・・・給電用陰極 19・・・固定床 20・・・ス
ペーサーそす
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物と、カルシウムイオン及び/又は
    マグネシウムイオンを含有する被処理水を二次元電極を
    有する二次元電極式電解槽に供給し該二次元電極式電解
    槽の陰極上に前記カルシウムイオン及び/又はマグネシ
    ウムイオンをそれらの塩として析出させて前記被処理水
    から除去した後、該被処理水を固定床型三次元電極を有
    する三次元電極式電解槽に供給し、前記被処理水を電気
    化学的に処理して前記微生物の滅菌を行うことを特徴と
    する被処理水の電気化学的処理方法。
  2. 【請求項2】 被処理水が熱交換器用冷却水及び/又は
    飲料水である請求項1に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103910414A (zh) * 2014-04-23 2014-07-09 中国核工业华兴建设有限公司 一种组合电解反应器及其废水处理方法
CN110255785A (zh) * 2019-07-13 2019-09-20 杭州胜于蓝环保科技有限公司 电催化系统及运用于该系统的医化废水出水处理方法
CN112811731A (zh) * 2021-01-07 2021-05-18 上海碧州环保能源科技有限公司 一种厌氧膜生物反应器防污堵系统

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