JP2922255B2 - 微生物を含む被処理水の電気化学的処理方法 - Google Patents

微生物を含む被処理水の電気化学的処理方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、微生物を含有する各種被処理水の該微生物
に起因する各種性能劣化を抑制するために前記被処理水
を電気化学的に処理するための方法に関し、より詳細に
は発色現像処理、漂白処理、漂白定着処理、定着処理、
安定化処理及び水洗処理等の写真感光材料処理工程にお
いて使用される写真処理液、あるいはプール水、製紙洗
浄水、熱交換器冷却水、飲料水、養魚用水及び浴場水等
の微生物を含有する各種被処理水を固定床型三次元電極
電解槽を使用して電気化学的に処理することにより前記
被処理水中の微生物の滅菌を効果的に行うための方法に
関する。
(従来技術) 従来から各種用途に多種類の水溶液や他の物質を溶解
していない単独の水が使用されている。これらの水溶液
等は溶質が適度な養分を提供し、あるいは該水溶液の液
温が繁殖に好ましい比較的高温度であると、細菌等の微
生物が繁殖して該微生物は前記水溶液等の性能劣化を起
こしたり処理装置内に浮遊したり蓄積して処理装置の機
能を損なうことが多い。
例えば写真感光材料は画像露光の後、ペーパー感光材
料処理の場合は、発色現像、漂白定着、水洗及び/又は
安定化の処理工程を経て処理され次いで乾燥される。そ
してこのような写真処理工程においては、発色現像液、
漂白液、漂白定着液、定着液、安定液、水洗水等の各種
写真処理液が使用されているが、前記感光材料はゼラチ
ン質を含有し微生物繁殖に適した環境を提供するため、
前記写真処理液中に混入した微生物が繁殖して感光材料
処理の効率を低下させるとともに得られるプリントに色
むらが生じたり黴発生等により画像が汚染するという欠
点が生じている。この微生物繁殖による写真処理液の劣
化の抑制は、従来から防黴剤の投入等により前記微生物
を滅菌して性能を賦活する方法が主流であるが、この方
法では添加する防黴剤が多量に必要となり、かつ該防黴
剤が写真処理液や前記感光材料中に残留し易くなり、感
光材料に悪影響を及ぼすことがある。又前記防黴剤の多
くは人体に対して無害とは言い難く、種々の法規制の下
に管理された状態でなければその使用が困難である。又
このように選択した防黴剤も暫くするとその防黴剤に対
する抗菌が発生することになり、再度この抗菌に対して
防黴剤を選択するという煩わしい問題が生ずる。
更に夏季スポーツとして最も一般的な水泳の人気は衰
えることなく、幅広い年齢層の人々に親しまれており、
水泳を楽しむために都市部ではプールが多く利用されて
いる。
このプールに使用されるプール水には人体に有害な細
菌類等の微生物が数多く生息し、該プール水は利用者の
眼や傷などに直接接触して疾患を生じさせることがある
ため、プール水には次亜塩素酸ソーダ等の薬剤を投入し
て事前に滅菌を行って疾患の発生を防止している。しか
しながら前記薬剤として滅菌効果の強い次亜塩素酸や液
体塩素等の塩素系試薬が使用され、該塩素系試薬はそれ
自体あるいは分解物が刺激性を有し、該試薬により滅菌
等の効果が生じても、該試薬による眼の痛みや皮膚のか
ぶれ等の副作用が発生し、特に抵抗力の弱い幼児の場合
は大きな問題となっている。又塩素系試薬は分解するた
め永続使用することか出来ず毎日のようにプール水に添
加を続ける必要があり、かつプールに使用されるプール
水の量は莫大なものであるため、使用する薬剤のコスト
も大きな負担となっている。
更に近年の情報化社会の進展により各種紙類特に高質
紙の需要が増大している。この紙類は製紙用パルプから
各種工程を経て製造されるが、この工程中に製紙前のパ
ルプを洗浄して不要な成分を洗い流す工程がある。該パ
ルプは適度な温度に維持されかつ適度な養分を含むた
め、黴や細菌等の微生物が繁殖し易くこの黴や細菌が多
量に最終製品中に残存すると、紙類の褪色等の性能の劣
化が生ずる。従ってこの洗浄工程で使用される莫大な量
の洗浄水中には、防黴剤や殺菌剤が含有され最終製品の
性能劣化を極力防止するようにしている。しかしこの方
法では、防黴剤や殺菌剤のコストが高くなるだけでなく
前記防黴剤や殺菌剤が製品中に残存して黴や細菌類に起
因する性能劣化とは別の性能劣化を来すことがあるとい
う問題点がある。
更に近年におけるマンション等の集合住宅あるいは多
数の企業が集合して形成されるビル等の建築物の増加に
伴い、該建築物等に設置される各種冷暖房設備の設置台
数も飛躍的に増加している。このような多数の冷暖房設
備が設置されているマンションやビル等では、通常該冷
暖房設備の冷却水の熱交換器用設備例えばクーリングタ
ワーがその屋上に設置されている。この熱交換器設備の
冷却水も長期間使用を継続すると黴や細菌類等の微生物
が繁殖し前記熱交換器の熱交換面に析出して熱交換性能
を悪化させたり、微生物が塊状に発生して配管等を閉塞
することもある。又多量に発生する微生物の排棄物によ
り配管や機器に腐食等の重大な問題を引き起こすことが
ある。
更に近年の家庭用浴槽の普及や温泉ブームから浴場水
の使用量が増大しているが、該浴場水は40℃前後の微生
物が最も繁殖し易い液温を有するため、入浴に使用せず
に単に放置しておくだけでも微生物が急速に繁殖して汚
染され、使用を継続出来なくなり、入浴を繰り返すと人
体の垢等が浮遊してこの傾向はより顕著になる。繁殖し
た微生物は微小であるため濾過操作では除去しにくく、
特に銭湯などではその使用量が膨大であるため、汚染さ
れた浴場水の再生を簡単な処理操作で行うことが出来れ
ば大幅なコストダウンが可能になる。
更に各種魚類資源として海や川に繁殖している天然の
魚類の他に最近では養殖場における養殖魚類が注目さ
れ、養殖魚が市場に数多く供給されている。養殖場にお
けるこれら魚類の飼育の際には、養魚用水中に含まれる
細菌や黴等の微生物が魚類を汚染し、あるいは魚類に付
着してその商品価値を低下させる等の悪影響を抑制する
ために殺菌剤や防黴剤等の全部又は大部分の微生物を死
滅させるための各種薬剤が前記養魚用水へ多量に添加さ
れ、更に前記薬剤による魚類の損傷を最小限に抑えるた
めにビタミン剤等の多量の栄養剤が魚類に投与され、そ
の上に餌が与えられる。従って養殖場等で飼育される魚
類は餌の量に比較して人工的に投与される各種薬剤、ビ
タミン剤の添加が多く、防黴剤や殺菌剤が魚類の体内に
蓄積して人体に有害な各種薬剤で汚染された魚類が市場
に供給されることになる。
又養魚用水中には通常の水と同様に約10ppm程度の溶
存酸素が存在し、魚類はこの酸素を摂取して成長してい
く。
更に飲料水は、貯水池等の水源に貯水された水を浄水
場で滅菌処理した後、各家庭や飲食店等に上水道を通し
て供給される。飲料水の前記滅菌は塩素ガスによる処理
が一般的であるが、該塩素処理によると飲料水の滅菌は
比較的良好に行われる反面、残留塩素の影響により処理
された飲料水に異物質が混和したような違和感が生じて
天然の水の有するまろやかさが損なわれるという欠点が
生ずる。
飲料水は人間の健康に直結するもので、それに含有さ
れる細菌の滅菌や黴の繁殖の防止つまり微生物の大部分
又は全部を死滅させることが不可欠であり、該滅菌等の
方法としては前述の塩素による方法が主流であるが、該
塩素法による前記欠点を解消するために塩素法以外の滅
菌方法が提案されている。
例えば前記飲料水をオゾン添加処理しあるいは活性炭
吸着処理して改質する方法が提案されているが、処理す
べき飲料水が例えば浄水場の水である場合には処理量が
莫大となる欠点がある。又浄水場で処理しても未端の蛇
口に至るまでに再度微生物が繁殖するという問題があ
り、今のところ塩素処理に優る方法はない。しかし都市
部の水道水滅菌では、その原水となる河川水や湖水等が
各種有機物等で汚染されているため、微生物の滅菌に必
要な量以上の塩素を添加することになり、有機ハロゲン
化物等を生成させるという弊害が生じている。
これらの現象を防止するために従来は防黴剤や沈澱抑
制剤等の各種薬剤を被処理水中に投入したり各種フィル
タを配管途中に設置したりしているが、前記薬剤投入は
前述の通り薬剤の残留による被処理水への悪影響や薬剤
使用のコスト面での問題点が指摘されている。更に添加
薬剤に対する抗菌が暫くすると発生し、次の薬剤を検討
する必要が生ずるという問題点を抱えている。
前述した通り、殺菌剤や防黴剤の薬剤投入による写真
処理液、プール水、製紙洗浄水、熱交換器冷却水、飲料
水、養魚場水及び浴場水等の滅菌処理では薬剤の残存の
問題が不可避で該残存薬剤により微生物がもたらす以外
の不都合が生ずることがあり、かつ使用する薬剤も高価
なものであることが多く特に大量処理の必要があるプー
ル水、製紙洗浄水及び浴場水等では経済的観点からもし
ても、より簡便かつ安価に微生物を含有する被処理水の
滅菌処理を可能にする方法の出現が望まれている。
(発明が解決しようとする問題点) 本出願人は、前述の欠点を解消し、薬剤を使用するこ
となく被処理水中の微生物を固定床型三次元電極電解槽
を使用して電気化学的に滅菌するための方法を提案した
(特願平1−326846号)。この方法は非常に効果的な滅
菌方法であるが、直流電圧を使用して処理を行うと、特
に前記三次元電極が炭素質電極であり陽極反応として酸
素発生反応を伴うと該三次元電極の陽分極する側のみが
消耗してしまうという欠点があり、更に陰分極する側に
被処理水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンが
それらの水酸化物として析出して前記三次元電極を閉塞
して被処理水の流通を阻害するという欠点が生ずる。
(発明の目的) 本発明は、直流電圧の印加により生ずる上述の欠点を
解消して円滑に前記被処理水を電気化学的に処理出来る
方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、微生物を含む被処理水を固定床型三次元電
極電解槽に供給し、前記被処理水を電気化学的に処理す
る方法において、10ヘルツ以下の交流電圧を印加して処
理を行うことを特徴とする微生物を含む被処理水の電気
化学的処理方法である。なお本発明では電極表面上で実
質的な酸化還元反応のような電気化学反応を生起してい
ないことがあるので本発明方法に使用される槽は電気化
学的処理装置というべきであるが、一般呼称に従って電
解槽と称する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、写真処理液等の各種被処理水を固定床型三
次元電極電解槽に供給し該電解槽に交流電圧を印加し前
記写真処理液等の被処理水中の微生物の滅菌を行うこと
を特徴とするものである。本発明の微生物には、細菌
(バクテリア)、糸状菌(黴)、酵母、変形菌、単細胞
の藻類、原生動物、ウイルス等が含まれる。
前記被処理水のうち写真処理液は適度の塩類、ゼラチ
ン等の栄養源を有しかつ適度な温度に維持されるので、
前記写真処理液中で黴や細菌等が繁殖し易く、又製紙洗
浄水も同様に適度の養分と適度の温度を有して微生物の
繁殖に最適な環境となっている。更に家庭用浴槽や銭湯
で使用される浴場水は最も微生物の繁殖に適した35〜45
℃の温度に維持されるため僅少量の微生物が短時間で莫
大な数に繁殖する。これら写真処理液等以外の被処理水
も微生物を含む雰囲気に接触して微生物が該被処理水内
に取り込まれ繁殖して、前述した通りの不都合が生ずる
ことになる。
前記処理水を固定床型三次元電極電解槽に供給する
と、該被処理水中の微生物は液流動によって前記電解槽
の陽極や陰極あるいは後述する誘電体や固定床形成用粒
子等に接触しそれらの表面で強力な酸化還元反応を受け
たり高電位の電流に接触し、その活動が弱まったり自身
が死滅して滅菌が行われると考えられる。
従って本発明方法では、被処理水中の微生物が電圧が
印加された電極や誘電体や固定床形成用粒子等に接触す
れば充分であり、両極間に電流を流して水素及び酸素等
のガス発生を伴う実質的な電解反応を生起させることは
必須ではなく、むしろ実質的な電解反応が生じない低い
電位を電極表面に印加することが好ましい。これは実質
的な電解反応が生じた場合に被処理水成分にガス発生に
起因する化学的変化を与えてしまい、これにより複雑な
作用が写真処理液等の被処理水に起こることがあり、一
定の処理性能を常に維持することが難しくなるからであ
り、更に微生物を滅菌する以外のガス発生反応に無駄な
電力を使うことになり不経済でもある。特に多量の酸素
ガスや水素ガスの発生が生ずる電位では、これらガスに
よる酸化還元反応が例えば写真処理液との間で生じ、該
写真処理液の写真処理性能に著しい変化を与えてしまう
ことが多く、又それら発生ガスが電極表面上を覆ってし
まい微生物が電極表面と接触する効率も低下させ滅菌効
率を悪くする。
従って本発明においては被処理水の処理の面のみから
は、印加電位を陽極電位が実質的な酸素発生を伴わない
+0.2〜+1.2V(vs.SCE)、陰極電位が実質的に水素発
生を伴わない0〜−1.0V(vs.SCE)となるようにするこ
とが望ましく、液中物質が酸化還元反応を受けず液性の
変化が生じない場合や又その反応量がさほど問題になら
ない場合には、陽極電位を+2.0V(vs.SHE)より卑な電
位とし、陰極電位が−2.0V(vs.SHE)より貴な電位とす
ることも出来る。
しかし被処理水の電気化学的処理では電解条件によっ
ては陽分極する面から酸素ガスが発生し三次元電極が該
酸素ガスに対する耐性を有しない材料により成形されて
いると、前記三次元電極の陽分極する面のみが酸素ガス
との反応により消耗する。更に印加する電極電圧にかか
わらず前記三次元電極の陰分極する側には被処理水のカ
ルシウムイオンやマグネシウムイオンがそれらの水酸化
物として電析して電解の継続につれて多孔質状の前記三
次元電極を閉塞して被処理水の流通を阻害することにな
る。
これらの欠点を解消するために、本発明では直流電圧
の代わりに前記電解槽に交流電圧を印加する。交流電圧
を印加すると、前記三次元電極の陽陰に分極する面が間
歇的に交替するため該三次元電極の一方面のみが酸素ガ
スと反応して消耗することがなくなり、陰分極面に析出
した水酸化カルシウムや水酸化マグネシウムも該面が陽
分極する際に酸化されてそれぞれカルシウムイオン及び
マグネシウムイオンとして溶解し前記三次元電極上に蓄
積し該三次元電極を閉塞することがなくなる。
しかし周波数の比較的高い交流電圧を印加すると滅菌
率が低下して本発明の処理方法自体の価値を減殺してし
まう。従って本発明方法では比較的低周波数の交流電圧
つまり10ヘルツ以下の周波数の交流電圧を使用して被処
理水の電気化学的処理を行う。
この10ヘルツ以下の低周波数交流電圧は従来の周波数
変換器を使用して形成することが出来る。
プール水や製紙洗浄水のような大量処理の場合にガス
発生が伴うと、発生するガスつまり酸素ガスと水素ガス
は通常爆発限界内の混合比で発生し、爆発の危険を回避
するために空気等の不活性ガスで希釈することが望まし
く、例えば電解槽出口に発生する電解ガスの分離手段と
分離後の該電解ガスを空気で希釈して水素ガス濃度が4
容量%以下になるよう希釈する手段を設置することがで
きる。
大量処理が必要な被処理水の処理用に使用する電解槽
は、複極型固定床式三次元電極電解槽とすることが好ま
しい。これらの被処理水の場合、処理すべき水量は莫大
で例えば1時間当たり数トンとなるため、電解槽単位体
積当たりの処理能力の高い電解槽である複極型固定床式
電解槽の使用が望ましく、該電解槽の使用により処理す
べき被処理水との接触面積を増大させることができ、こ
れにより装置サイズを小さくし、かつ電解の効率を上げ
ることができる点で有利である。
例えば通常の養魚用水には約10ppmの酸素しか溶存し
ていないが、酸素ガスを発生させながら電気化学的処理
を行うと前記養魚用水中の溶存酸素量が増加して魚類の
酸素摂取量が増加することにより、魚類の運動量が増加
し餌を多量に摂取するようになり魚類の成長速度が加速
される。このように多量の酸素ガスが発生する処理の場
合には陽分極する面の消耗量が大きく、本発明方法のよ
うに低周波数の交流電圧を使用して処理を行うことによ
り、三次元電極の一方面のみの消耗を抑制することが可
能になる。
本発明方法に使用する電解槽は、固定床型三次元電極
電解槽つまり固定床型単極式電解槽及び固定床式複極式
電解槽であり、これらの電解槽では該電解槽の三次元電
極が莫大な表面積を有するため電極表面と写真処理液等
の被処理水との接触面積を増大させることが出来、これ
により装置サイズを小さくし、かつ電気化学的処理の効
率を上げることができる点で有利である。
本発明の固定床型三次元電極電解槽における電極は一
般に三次元電極と給電用電極を含み、本発明方法により
低周波数の交流電圧を印加することにより前記三次元電
極は前記給電用電極に面する陰陽分極する面の陽分極及
び陰分極が交互に生じ、前記給電用電極はその極性が周
波数に応じて変化する。該三次元電極は前述の使用する
電解槽に応じた形状を有し、固定床型複極式電解槽を使
用する場合には、前記被処理水が透過可能な多孔質材
料、例えば粒状、球状、フェルト状、織布状、多孔質ブ
ロック状等の形状を有する活性炭、グラファイト、炭素
繊維等の炭素系材料から、あるいは同形状を有するニッ
ケル、銅、ステンレス、鉄、チタン等の金属材料、更に
それら金属材料に貴金属のコーティングを施した材料か
ら形成された複数個の好ましくは粒状、球状、繊維状、
フェルト状、織布状、多孔質ブロック状、スポンジ状の
誘電体を交流電場内に置き、両端に設置した平板状又は
エキスパンドメッシュ状やパーフォレーティッドプレー
ト状等の多孔板体から成る給電用電極間に交流電圧を印
加して前記誘電体を分極させ該誘電体の一端及び他端に
それぞれ陽極及び陰極を形成させて成る三次元電極を収
容した固定床型複極式電解槽とすることが可能であり、
この他に単独で陽極としてあるいは陰極として機能する
三次元材料を交互に短絡しないように設置しかつ電気的
に接続して固定床型複極式電解槽とすることができる。
前述の通り本発明方法によりガス発生を伴う電気化学
的処理を行っても三次元電極の一方面のみが消耗するこ
とはないが、特に前記三次元電極として活性炭、グラフ
ァイト、炭素繊維等の炭素系材料を使用しかつ陽極から
酸素ガスを発生させながら被処理水を処理する場合に
は、前記三次元電極の消耗量が多くなる。これを防止す
るためには前記三次元電極の陽分極する側にチタン等の
基材上に酸化イリジウム、酸化ルテニウム等の白金族金
属酸化物を被覆して通常不溶性金属電極として使用され
る多孔質材料を接触状態で設置し、酸素発生が主として
該多孔質材料上で生ずるようにすればよく、このように
することにより更に有効に三次元電極の消耗を抑制する
ことが出来る。
又他のタイプの固定床型複極式電解槽として、例えば
円筒状の電解槽本体内に給電用陽極及び陰極を設置し、
該給電用両極間に、三次元電極として機能する多数の導
電性固定床形成用粒子と該固定床形成用粒子より少数の
電気絶縁性の合成樹脂等から成る絶縁粒子とをほぼ均一
に混在させた電解槽がある。該電解槽では両給電用電極
間に通電して電位を印加すると、固定床形成用粒子が前
記誘電体と同様に分極しその一端が正に又他端が負に帯
電して各固定床形成用粒子に電位が生し、各粒子に被処
理水中の微生物を滅菌する機能が付与される。なお前記
絶縁粒子は、前記両給電用電極が導電性の前記固定床形
成用粒子により電気的に接続されて短絡することを防止
する機能を有する。この電解槽においても前記固定床形
成用粒子のうち給電用陽極に近い側が陰分極し給電用陰
極に近い側が陽分極して陽分極側が消耗し易く陰分極側
に水酸化カルシウム等の電析が生じ易く交流電圧を印加
することにより、これらの現象を最小限に抑えることが
出来る。
又単極式固定床型電解槽を使用する場合には、前記し
た三次元電極又は単独で陽極としてあるいは陰極として
機能する三次元材料各1個を隔膜を介してあるいは介さ
ずに電解槽内に設置するようにする。
いずれの形態の電極を使用する場合でも、処理すべき
被処理水が流れる電解槽内に液が電極や誘電体や微粒子
に接触せずに流通できる空隙があると被処理水の処理効
率が低下するため、電極等は電解槽内の被処理水の流れ
がショートパスしないように配置することが望ましい。
前記電解槽内を隔膜で区画して陽極室と陰極室を形成
しても、隔膜を使用せずにそのまま通電を行うこともで
きるが、隔膜を使用せずかつ電極の極間距離あるいは誘
電体と電極、又は誘電体相互の間隔を狭くする場合には
短絡防止のため電気絶縁性のスペーサとして例えば有機
高分子材料で作製した網状スペーサ等を両極間あるいは
前記誘電体間等に挿入することができる。又隔膜を使用
する場合には流通する被処理水の移動を妨害しないよう
に多孔質例えばその開口率が10%以上95%以下好ましく
は20%以上80%以下のものを使用することが望ましく、
該隔膜は少なくとも前記被処理水が透過できる程度の孔
径の微細孔を有していなければならない。
前記電解槽に供給される写真処理液の流量は、該写真
処理液が効率的に電極等の表面と接触できるように規定
すればよく、完全な層流であると横方向の移動が少なく
電極、誘電体及び微粒子表面との接触が少なくなるた
め、乱流状態を形成するようにすることが好ましく、50
0以上のレイノルズ数を有する乱流とすることが特に好
ましい。
このような構成から成る電解槽は、例えば写真処理液
中の微生物の滅菌用として使用する場合には、発色現像
槽、漂白槽、漂白定着槽、水洗工程槽や安定化工程槽等
の写真処理工程の一部又は全部の槽に接続して、前記各
処理槽中の写真処理液を前記電解槽に供給し循環しなが
ら10ヘルツ以下の低周波数の交流電圧を印加しながら処
理を行う。これにより前述の通り、三次元電極の陰陽分
極する箇所が定期的に交替し陽分極する側のみが消耗し
たり陰分極する側のみに金属水酸化物が電析して三次元
電極を閉塞したりすることがなくなる。
なお、本発明方法に使用する電極槽では該電解槽に漏
洩電流が生じ該漏洩電流が電解槽から写真処理液等の被
処理水を通して他の部材例えば写真処理槽に流れ込み、
該写真処理槽中で好ましくない電気化学反応を誘起した
り、写真処理槽の壁面を電気化学的に腐食させ壁面構成
材料を溶出させることがあるため、電解槽内の陽陰極が
相対しない電極背面部及び/又は前記電解槽の出入口配
管内に、前記被処理水より導電性の高い部材をその一端
を接地可能なように接地して前記漏洩電流を遮断するこ
とができる。
次に添付図面に基づいて本発明に使用できる電解槽の
好ましい例を説明するが、本発明方法に使用されあるい
は本発明装置を構成する電解槽は、この電解槽に限定さ
れるものではない。
第1図及び第2図は、本発明方法の電解槽として使用
可能な固定床型複極式電解槽の一例を示す概略縦断面図
であり、第1図は交流電圧の半サイクル印加時の三次元
電極である固定床の分極状態を示し、第2図は引き続く
半サイクル印加時の固定床の分極状態を示している。
第1図において、上下にフランジ1を有する円筒形の
電解槽本体2の内部上端近傍及び下端近傍にはそれぞれ
メッシュ状の給電用上部電極ターミナル3と給電用下部
電極ターミナル4が設けられている。電解槽本体2は、
長期間の使用又は再度の使用にも耐え得る電気絶縁材料
で形成することが好ましく、特に合成樹脂であるポリエ
ピクロルヒドリン、ポリビニルメタクリレート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化エ
チレン、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等が好まし
く使用できる。前記両電極ターミナル3、4は陽極及び
陰極の両機能を有し、陰陽両分極に対して安定性のある
例えば白金や白金被覆炭素材等で形成することが好まし
い。
前記両電極ターミナル3、4間には複数個の図示の例
では3個のスポンジ状の固定床5が積層され、かつ該固
定床5間及び該固定床5と前記両電極ターミナル3、4
間に4枚の多孔質の隔膜あるいはスペーサー6が挾持さ
れている。各固定床5は電解槽本体2の内壁に密着し固
定床5の内部を通過せず、固定床5と電解槽本体2の側
壁との間を流れる写真処理液の漏洩流がなるべく少なく
なるように配置されている。隔膜を使用する場合には該
隔膜として織布、素焼板、粒子焼結プラスチック、多孔
板、イオン交換膜等が用いられ、スペーサーとして電気
絶縁性材料で作製された織布、多孔板、網、棒状材等が
使用される。
このような構成から成る電解槽に下方から矢印で示す
ように例えば写真処理工程の水洗工程からの水洗水を供
給しながら交流電圧を印加すると、該交流電圧の半サイ
クル印加時は第1図に示すように前記上部電極ターミナ
ル3が給電用陽極として又前記下部電極ターミナル4が
給電用陰極としてそれぞれ機能し、前記各固定床5が図
示の如く下面が正に上面が負に分極して固定床5内及び
固定床5間に電位が生じ、該電解槽内を流通する水洗水
はこの電位を有する固定床5に接触してその中に含有さ
れる黴や細菌の滅菌等の改質処理が行われて該電解槽の
上方から取り出され、該水洗水は再度水洗工程へ循環供
給され再度水洗水として使用される。この場合に特に固
定床5形成物質として炭素質材料を使用していると、該
固定床5の陽分極する面、図示の例では固定床5の下面
が発生することのある酸素ガスと反応して消耗し、又該
固定床5の陰分極する面、図示の例では固定床5の上面
に水酸化カルシウム等が電析する。
続いてこの電解槽に交流電圧を印加すると、交流電圧
の次の半サイクルでは極性が反転して第2図に示すよう
に、前記上部電極ターミナル3が陰極として又前記下部
電極ターミナル4が陽極として機能し、前記固定床5の
上面が消耗するとともに該面に電析した水酸化カルシウ
ム等が陽極酸化されて被処理水に溶解して電解槽外に取
り出される。
第1図及び第2図に示した電解槽は、写真処理液の他
に、前述のプール水をはじめとする他の被処理水につい
ても同様にして使用することが出来る。
第3図は、本発明に使用できる複極型固定床式電解槽
の他の例を示すもので、該電解槽は第1図及び第2図の
電解槽の固定床5の給電用陰極4に向かう側つまり陽分
極する側にメッシュ状の不溶性金属材料7を密着状態で
設置したものであり、他の部材は第1図と同一であるの
で同一符号を付して説明を省略する。なおこの第3図は
交流電圧印加の半サイクルにおける第1図と同じ通電状
態を示すもので、引き続く半サイクルの通電状態を示す
図面は省略する。
直流電圧が印加された固定床5はその両端部において
最も大きく分極が生じ、ガス発生が伴う場合には該両端
部において最も激しくガス発生が生ずる。従って最も強
く陽分極するつまり最も激しく酸素ガスが発生する固定
床5の給電用陰極ターミナル、図示の場合には下部電極
ターミナル4に向かう端部には最も速く溶解が生じる。
図示の通りこの部分に不溶性金属材料7を設置しておく
と、該不溶性金属材料7の過電圧が固定床5を形成する
炭素系材料の過電圧より低いため殆どの酸素ガスが前記
不溶性金属材料7から発生し固定床5は殆ど酸素ガスと
接触しなくなるため、前記固定床5の溶解は効果的に抑
制される。引き続く半サイクルでは極性が反転して第2
図の場合と同様に固定床の一方面のみの消耗と固定床の
閉塞が抑制される。又該電解槽2に供給された被処理水
は第1図の場合と同様に処理され滅菌が行われる。
第4図は、本発明に使用できる複極型固定床式電解槽
の他の例を示すものである。
上下にフランジ11を有する円筒形の電解槽本体12の内
部上端近傍及び下端近傍にはそれぞれメッシュ状の給電
用上部電極ターミナル13と給電用下部電極ターミナル14
が設けられている。電極槽本体12は、長時間の使用又は
再度の使用にも耐え得る電気絶縁材料特に合成樹脂で形
成することが好ましい。
前記両給電用電極ターミナル13、14間には、導電性材
料例えば炭素系材料で形成された多数の固定床形成用粒
子15と該固定床形成用粒子15より少数の例えば合成樹脂
製の絶縁粒子18とがほぼ均一に混在している。該絶縁粒
子18は、前記両給電用電極ターミナル13及びが完全に短
絡することを防止する機能を有している。
このような構成から成る電解槽に下方から矢印で示す
ように被処理水を供給しながら通電を行うと、前記各固
定床形成用粒子15が交流電圧の半サイクルにおいて給電
用陽極ターミナルとして機能する側が負に又給電用陰極
ターミナルとして機能する側が正に分極して表面積が莫
大な三次元電極として機能し、第1図及び第2図の電解
槽と同様にして前被処理水中の黴や細菌等の微生物の滅
菌等の改質処理が行われてかつ固定床の一方面のみの消
耗と固定床の閉塞が抑制されて、該電解槽の上方から取
り出される。
第5図は、本発明に使用できる単極型固定床式電解槽
を例示するものである。
上下にフランジ21を有する円筒形の電解槽本体22の内
部上端近傍及び下端近傍にはそれぞれメッシュ状の給電
用上部電極ターミナル23と給電用下部電極ターミナル24
が設けられている。電解槽本体22は、長時間の使用又は
再度の使用にも耐え得る電気絶縁材料特に合成樹脂で形
成することが好ましい。
前記両給電用電極ターミナル23、24間には、隔膜26を
挟んで導電性材料例えば炭素繊維をフェルト状に成形し
た1対の固定床25が1対の電極室内に充填され、前記両
電極室内のフェルト状炭素繊維はそれぞれ前記両給電用
電極ターミナル23及び24に電気的に接続され、交流電圧
の印加方向に応じて陽極室内の固定床は正に陰極室内の
固定床は負に帯電される。
この電解槽に下方から矢印で示すように被処理水を供
給しながら交流電圧を印加すると、第1図から第4図の
場合と同様に固定床25が表面積が莫大な三次元電極とし
て機能して被処理水中の黴や細菌等の微生物の滅菌等の
改質処理が行われて該電解槽の上方から取り出される。
(実施例) 以下に本発明方法による被処理水処理の実施例を記載
するが、該実施例は本発明方法を限定するものではな
い。
実施例1 第1図及び第2図に示した電解槽3槽(E−1、E−
2、E−3)を発色現像槽(CD)、漂白槽(BL)、定着
槽(ST)及び水洗槽から成るフィルムプロセッサー(ノ
ーリツ鋼機製QSF−450Lフィルムプロセッサー)の水洗
槽と水洗水補充配管途中に水洗水循環ポンプ51を介して
第6図に示すよう配置し、第1表に示すように印加する
交流電圧の周波数を変化させた。
各電解槽E−1、E−2、E−3は、塩化ビニル樹脂
製の高さ100mm、内径50mmのフランジ付円筒形であり、
該円筒体の内部に開孔率60%の炭素繊維から成る直径50
mm、厚さ10mmの固定床3個を、開口率85%で直径50mm及
び厚さ1.5mmのポリエチレン樹脂製隔膜4枚で挟み込
み、上下両端の隔膜にそれぞれ白金をその表面にメッキ
したチタン製である直径48mm厚さ1.0mmの1対のメッシ
ュ状電極ターミナルを接触させて設置した。各電解槽E
−1、E−2、E−3の循環水量は3.5l/分とした。
開始後6時間処理を継続した時点での滅菌率〔(電解
槽入口の細菌数)−(電解槽出口の細菌数)/(電解槽
入口の細菌数)〕をそれぞれの周波数について測定し、
更に開始後8時間経過後に通電を停止して電解槽を分解
し、各固定床への析出物の有無及び固定床の表面状態を
観察した。その結果を第1表に纏めた。
第1表から明らかなように、直流電圧(周波数0)を
使用すると滅菌率は十分に高いが固定床に電析する物質
がありかつ固定床の片面のみが消耗することが判る。周
波数が2〜10の間では周波数が増加するにつれて僅かに
滅菌率の低下が生ずるのみで析出物がなくかつ固定床も
両面が僅かに消耗するのみで直流電圧を使用する場合と
比較して長期間電解槽を分解することなく処理を行うこ
とが出来る。しかし周波数が10を越えると滅菌率の低下
が顕著となり効果的な滅菌処理を行うことが出来なくな
る。
実施例2 第3図に示した電解槽3槽を使用して実施例1と同様
にして電気化学的処理を行った。
使用した電解槽は、実施例1の電解槽の各固定床の上
下両面に、チタン基材に酸化イリジウムを被覆したメッ
シュ状の厚さ1.0mmの不溶性金属材料を密着状態で設置
したこと以外は実施例1の電解槽と同一とした。
実施例1と同一条件で電気化学的処理を行い、開始後
__時間処理を継続した時点での滅菌率を0、2、4、
6、8、10、12、14及び16ヘルツのそれぞれの周波数に
ついて測定し、更に開始後8時間経過後に通電を停止し
て電解槽を分解し、各固定床への析出物の有無及び固定
床の表面状態を観察したところ、滅菌率は実施例1の場
合とほぼ同等であり、析出物は周波数0のときに固定床
の一方面の不溶性金属材料上に付着しているのが観察さ
れかつ該付着物の存在しない方の不溶性金属材料が密着
している固定床部分に僅かの消耗が観察され、それ以外
の周波数では析出物及び固定床の消耗とも観察されなか
った。
(発明の効果) 本発明方法は、写真処理液をはじめとする各種被処理
水を固定床型三次元電極電解槽に供給し、前記被処理水
を電気化学的に処理する際に交流電圧を印加して処理を
行う方法である(請求項1)。
本発明は種々の被処理水を対象とするが、例示した被
処理水のうち写真処理液は適度の塩類、ゼラチン等の栄
養源を有しかつ適度な温度に維持されるので、前記写真
処理液中で微生物が繁殖し易く、又製紙洗浄水も微生物
の繁殖に最適な環境となっている。更に浴場水は最も微
生物の繁殖に適した35〜45℃の温度に維持されるため僅
少量の微生物が短時間で莫大な数に繁殖する。これら以
外の被処理水も微生物を含む雰囲気に接触して微生物が
該被処理水内に取り込み易い環境にあり、取り込んだ微
生物が繁殖すると、前述した通りの不都合が生ずる。
前記被処理水を固定床型三次元電極電解槽に供給する
と、該被処理水中の微生物は電位を与えられた陽極や陰
極あるいは誘電体や固定床形成用粒子等に接触しそれら
の表面で強力な酸化還元反応を受けたり高電位の電流に
接触し、その活動が弱まったり自身が死滅して滅菌が行
われる。
従って通常の被処理水処理では、印加電位を陽極電位
が実質的な酸素発生を伴わない+0.2〜+1.2V(vs.SC
E)、陰極電位が実質的に水素発生を伴わない0〜−1.0
V(vs.SCE)とすれば十分であるが(請求項3)、陽極
電位を+2.0V(vs.SHE)より卑な電位とし、陰極電位が
−2.0V(vs.SHE)より貴な電位となり(請求項2)ガス
発生が生じてしまうことがある。
その場合には発生するガス特に酸素ガスにより三次元
電極である固定床の陽分極する側に消耗が生ずるが、本
発明方法では低周波数の交流電圧を印加して前記固定床
の両面を交互に陽分極及び陰分極させて特定面が常に陽
分極して酸素ガスに接触するようにしていない。従って
その消耗を最小限に抑え、これにより比較的長期間に亘
り電解槽を分解することなく被処理水の処理を行うこと
を可能にしている。更に前記固定床の陰分極する面には
被処理水のカルシウムイオンやマグネシウムイオンの還
元により水酸化カルシウムや水酸化マグネシウムが析出
するが、交流の半サイクルで極性が変わり陽分極して前
記析出物が酸化されて溶解するため前記固定床の閉塞が
生ずることがない。
本発明方法では、前記固定床の陽分極及び陰分極する
面に、チタン基材等に白金族金属等を被覆して成る不溶
性金属材料を密着させて設置すると(請求項4)、ガス
発生が固定床ではなく、前記不溶性金属材料上で生ずる
ため前記固定床の消耗量を大きく減少させることが出来
る。
本発明方法に使用する固定床型三次元電極電解槽の固
定床を構成する材料として、安価なグラファイト、炭素
系材料、活性炭等を使用することが出来(請求項5)、
これらの物質は消耗し易いが、本発明方法によりその消
耗を効率的に抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明に使用出来る電解槽の一例
を示す縦断面図、第3図は同じく他の電解槽を例示する
縦断面図、第4図は同じく更に他の電解槽を例示する縦
断面図、第5図は同じく更に他の電解槽を例示する縦断
面図、第6図は実施例における電解槽と写真処理槽の連
結状態を示すフローチャートである。 1……フランジ、2……電解槽本体 3……給電用上部電極ターミナル 4……給電用下部電極ターミナル 5……固定床、6……スペーサー 7……不溶性金属材料 11……フランジ、12……電解槽本体 13……給電用上部電極ターミナル 14……給電用下部電極ターミナル 15……固定床形成用粒子、18……絶縁粒子 21……フランジ、22……電解槽本体 23……給電用上部電極ターミナル 24……給電用下部電極ターミナル 25……固定床、26……隔膜 51……ポンプ E−1、E−2、E−3……電解槽
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 1/46 - 1/48

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物を含む被処理水を固定床型三次元電
    極電解槽に供給し、前記被処理水を電気化学的に処理す
    る方法において、10ヘルツ以下の交流電圧を印加して処
    理を行うことを特徴とする微生物を含む被処理水の電気
    化学的処理方法。
  2. 【請求項2】固定床型三次元電極電解槽の陽極電位が+
    2.0V(vs.SHE)より卑で、陰極電位が−2.0V(vs.SHE)
    より貴である請求項1に記載の処理方法。
  3. 【請求項3】固定床型三次元電極電解槽の陽極電位が+
    1.2V(vs.SHE)より卑で+0.2V(vs.SHE)より貴であり
    陰極電位が−1.0V(vs.SHE)より貴である請求項1に記
    載の処理方法。
  4. 【請求項4】固定床型三次元電極電解槽が、不溶性金属
    材料を三次元電極の両側に密着させて設置した電解槽で
    ある請求項1から3までのいずれかに記載の処理方法。
  5. 【請求項5】固定床型三次元電極電解槽の固定床がグラ
    ファイト、炭素系材料、活性炭及び金属から成る群から
    選択される材料で構成される請求項1から4までのいず
    れかに記載の処理方法。
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