JP2000325958A - 電気化学的水処理方法 - Google Patents
電気化学的水処理方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属電極構造体を積層して成る水処理装置を
使用して被処理水を処理すると発生するガスが上方の金
属電極構造体の水平に位置する電極面に接触しかつ滞留
するため、ガス抜きが円滑に進行せず電極と接触する箇
所に被処理水が供給されず円滑な水処理が行えない。 【解決手段】 複数の金属電極ユニット1を、スペーサ
ー2を介して積層して成る金属電極構造体7を縦方向に
積層しかつ各金属電極構造体を水平面に対して傾斜させ
る。金属電極ユニット表面で生成し隣接する金属電極構
造体間の空間に存在するガスが金属電極構造体の最下方
の金属電極ユニットに接触しながら該金属電極ユニット
の傾斜に沿って上向きに移動できるため、ガス抜きを円
滑に行うことができるようになり、従って被処理水も円
滑に金属電極ユニットに供給され、処理効率が上昇す
る。
使用して被処理水を処理すると発生するガスが上方の金
属電極構造体の水平に位置する電極面に接触しかつ滞留
するため、ガス抜きが円滑に進行せず電極と接触する箇
所に被処理水が供給されず円滑な水処理が行えない。 【解決手段】 複数の金属電極ユニット1を、スペーサ
ー2を介して積層して成る金属電極構造体7を縦方向に
積層しかつ各金属電極構造体を水平面に対して傾斜させ
る。金属電極ユニット表面で生成し隣接する金属電極構
造体間の空間に存在するガスが金属電極構造体の最下方
の金属電極ユニットに接触しながら該金属電極ユニット
の傾斜に沿って上向きに移動できるため、ガス抜きを円
滑に行うことができるようになり、従って被処理水も円
滑に金属電極ユニットに供給され、処理効率が上昇す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理水の電気化
学的処理方法に関し、より詳細には複数の金属電極構造
体を積み重ねて使用する際の生成ガスのガス抜きを良好
に行いながら被処理水の電気化学的水処理を行うための
方法に関する。
学的処理方法に関し、より詳細には複数の金属電極構造
体を積み重ねて使用する際の生成ガスのガス抜きを良好
に行いながら被処理水の電気化学的水処理を行うための
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、純水、水道水、工業用水、井戸
水、風呂水、プ−ル水、洗浄水、生活排水、工場排水等
の水には程度の差こそあれ細菌等の各種微生物が棲息し
あるいは溶質を溶解している。そしてこれらの水溶液は
前記溶質が適度の養分を提供し、あるいは該水溶液の温
度が微生物の繁殖に適した温度であると、前記微生物が
繁殖して前記水溶液の性能劣化を起こしたり、前記各水
溶液が流通する配管等の内壁に付着蓄積して前記配管を
有する機器の機能を損なうことが多い。これら各種の用
水では必要とされる殺菌レベルは異なるが、いずれの用
水でも水中微生物数を低コストで減少させて水質の改良
を行なうことが必要とされている。
水、風呂水、プ−ル水、洗浄水、生活排水、工場排水等
の水には程度の差こそあれ細菌等の各種微生物が棲息し
あるいは溶質を溶解している。そしてこれらの水溶液は
前記溶質が適度の養分を提供し、あるいは該水溶液の温
度が微生物の繁殖に適した温度であると、前記微生物が
繁殖して前記水溶液の性能劣化を起こしたり、前記各水
溶液が流通する配管等の内壁に付着蓄積して前記配管を
有する機器の機能を損なうことが多い。これら各種の用
水では必要とされる殺菌レベルは異なるが、いずれの用
水でも水中微生物数を低コストで減少させて水質の改良
を行なうことが必要とされている。
【0003】このような多種多様な被処理水を処理する
方法として、薬剤添加、オゾン処理、活性炭処理、紫外
線照射処理、高温煮沸殺菌法、塩素添加法等の多くの手
法が被処理水の種類に応じて選択して用いられている。
しかしいずれの方法も、被処理水に悪影響を与える、処
理効率が十分でない、大量処理に不向きである等の欠点
があり、満足の得られる方法ではなかった。このような
従来技術の欠点を解消するための水処理方法として、複
極固定床式水処理用電解槽が発表されている(例えば、
特開平2−306242号公報)。
方法として、薬剤添加、オゾン処理、活性炭処理、紫外
線照射処理、高温煮沸殺菌法、塩素添加法等の多くの手
法が被処理水の種類に応じて選択して用いられている。
しかしいずれの方法も、被処理水に悪影響を与える、処
理効率が十分でない、大量処理に不向きである等の欠点
があり、満足の得られる方法ではなかった。このような
従来技術の欠点を解消するための水処理方法として、複
極固定床式水処理用電解槽が発表されている(例えば、
特開平2−306242号公報)。
【0004】しかしながら、前記複極固定床式水処電解
槽は固定床として多孔質電極を使用するため、固形質や
有機物更にイオン質の閉塞性物質を含有する被処理水の
処理が困難で、電解槽内の通水に伴う圧力損失が大き
く、大容量の給水ポンプが必要でエネルギーコストが高
い。又被処理水の閉塞性物質含有量が少ない場合でも、
長期間の使用中に殺菌性能の低下が起きるという問題点
もある。更に前記多孔質電極として炭素電極が使用さ
れ、該炭素電極は、消耗し易いという欠点を有し、長期
間使用を継続すると徐々に消耗して極間距離が増加して
電圧が増大し、最終的には交換しなければならなくな
る。この電極の交換は一般的に電解槽全体を分解して行
うことが必要であり、非常に煩雑な操作となり作業性が
著しく低下することが多い。又この固定床式水処理電解
槽以外に、金属電極を使用する箱型又は筒状の電気化学
的水処理装置も従来から使用されている。この水処理装
置に使用される電極として数種のタイプのものが提案さ
れているが、最も効率的な電極は、チタンラス等の複数
の多孔性電極ユニットをドーナツ状、額縁状又は格子状
のスペーサーを介して積層して構成した電極構造体であ
り、該電極構造体を前記筒状等の電解槽内に収容し、被
処理水を該電解槽内に供給して前記電極ユニットに接触
させて酸化あるいは還元作用により水の殺菌等の水の改
質を行うようにしている。
槽は固定床として多孔質電極を使用するため、固形質や
有機物更にイオン質の閉塞性物質を含有する被処理水の
処理が困難で、電解槽内の通水に伴う圧力損失が大き
く、大容量の給水ポンプが必要でエネルギーコストが高
い。又被処理水の閉塞性物質含有量が少ない場合でも、
長期間の使用中に殺菌性能の低下が起きるという問題点
もある。更に前記多孔質電極として炭素電極が使用さ
れ、該炭素電極は、消耗し易いという欠点を有し、長期
間使用を継続すると徐々に消耗して極間距離が増加して
電圧が増大し、最終的には交換しなければならなくな
る。この電極の交換は一般的に電解槽全体を分解して行
うことが必要であり、非常に煩雑な操作となり作業性が
著しく低下することが多い。又この固定床式水処理電解
槽以外に、金属電極を使用する箱型又は筒状の電気化学
的水処理装置も従来から使用されている。この水処理装
置に使用される電極として数種のタイプのものが提案さ
れているが、最も効率的な電極は、チタンラス等の複数
の多孔性電極ユニットをドーナツ状、額縁状又は格子状
のスペーサーを介して積層して構成した電極構造体であ
り、該電極構造体を前記筒状等の電解槽内に収容し、被
処理水を該電解槽内に供給して前記電極ユニットに接触
させて酸化あるいは還元作用により水の殺菌等の水の改
質を行うようにしている。
【0005】本出願人は、この金属電極を積層して構成
した電極構造体を処理すべき被処理水中に浸漬させるタ
イプの被処理水の電気化学的水処理方法を提案した(特
願平10−178131号)。この方法は、被処理水を電解槽内
部に供給し電解槽と接触させるという従来法と異なり、
被処理水中に電極構造体を浸漬するタイプであるため、
電解槽自体の準備及び設置の必要がなく装置の小型化が
可能になり、更に被処理水の電解槽への導入及び排出に
伴う配管やエネルギーが不要で、又水漏れ対策や電解槽
の設置スペースも不要になり、電極の交換や洗浄が殆ど
必要でなくなる。従ってエネルギー面でも設備面でも経
済的な運転が可能になる。
した電極構造体を処理すべき被処理水中に浸漬させるタ
イプの被処理水の電気化学的水処理方法を提案した(特
願平10−178131号)。この方法は、被処理水を電解槽内
部に供給し電解槽と接触させるという従来法と異なり、
被処理水中に電極構造体を浸漬するタイプであるため、
電解槽自体の準備及び設置の必要がなく装置の小型化が
可能になり、更に被処理水の電解槽への導入及び排出に
伴う配管やエネルギーが不要で、又水漏れ対策や電解槽
の設置スペースも不要になり、電極の交換や洗浄が殆ど
必要でなくなる。従ってエネルギー面でも設備面でも経
済的な運転が可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この電気化学的水処理
装置は、発生するガスが被処理水内を対流して被処理水
の攪拌が行われるため、被処理水全体が電極構造体に接
触して効率的に処理が行われる。そして該電極構造体
は、被処理水が収容される容器、貯水槽や天然の池など
に浮遊させ、容器壁に吊支し、又は底面に載置され、前
記被処理水と接触し該被処理水の処理が行われる。この
際、電極構造体を構成する電極の枚数を増加したり、又
複数の電極構造体を使用するなどして処理すべき被処理
水の増量に対応している。このとき前記容器や池などの
底面の面積が小さいと、前記電極構造体を縦方向に積み
重ねて処理量を増加させることができるが、特に上下に
隣接する電極構造体間の空間が小さいと発生するガスが
円滑に電極構造体外に散逸せず該空間内に残りやすくな
る。該空間内にガスが残存すると、該空間内に被処理水
が進入できず、従って被処理水の処理効率が低下する。
又この空間に存在するガスがその上の電極構造体内に進
入して更にガスの除去効率が低下することがある。本発
明はこの空間に滞留するガスを円滑に電極構造体間から
取り出し、効率良く被処理水の処理を可能にする電気化
学的水処理方法を提供することを目的とする。
装置は、発生するガスが被処理水内を対流して被処理水
の攪拌が行われるため、被処理水全体が電極構造体に接
触して効率的に処理が行われる。そして該電極構造体
は、被処理水が収容される容器、貯水槽や天然の池など
に浮遊させ、容器壁に吊支し、又は底面に載置され、前
記被処理水と接触し該被処理水の処理が行われる。この
際、電極構造体を構成する電極の枚数を増加したり、又
複数の電極構造体を使用するなどして処理すべき被処理
水の増量に対応している。このとき前記容器や池などの
底面の面積が小さいと、前記電極構造体を縦方向に積み
重ねて処理量を増加させることができるが、特に上下に
隣接する電極構造体間の空間が小さいと発生するガスが
円滑に電極構造体外に散逸せず該空間内に残りやすくな
る。該空間内にガスが残存すると、該空間内に被処理水
が進入できず、従って被処理水の処理効率が低下する。
又この空間に存在するガスがその上の電極構造体内に進
入して更にガスの除去効率が低下することがある。本発
明はこの空間に滞留するガスを円滑に電極構造体間から
取り出し、効率良く被処理水の処理を可能にする電気化
学的水処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明方法の構成は、触媒で表面処理した複数の金属電極ユ
ニットを、電気絶縁性スペーサーを介して積層して成る
金属電極構造体を被処理水中に浸漬し、ガスを発生させ
ながら該被処理水の電気化学的処理を行う方法におい
て、複数個の前記金属電極構造体を縦方向に積み重ねか
つ各金属電極構造体を水平面に対して傾斜させたことを
特徴とする被処理水の電気化学的処理方法であり、金属
電極構造体を傾斜させる代わりに、又はそれに加えて隣
接する金属電極構造体間の空間に傾斜させた案内板を設
置しても良い。
明方法の構成は、触媒で表面処理した複数の金属電極ユ
ニットを、電気絶縁性スペーサーを介して積層して成る
金属電極構造体を被処理水中に浸漬し、ガスを発生させ
ながら該被処理水の電気化学的処理を行う方法におい
て、複数個の前記金属電極構造体を縦方向に積み重ねか
つ各金属電極構造体を水平面に対して傾斜させたことを
特徴とする被処理水の電気化学的処理方法であり、金属
電極構造体を傾斜させる代わりに、又はそれに加えて隣
接する金属電極構造体間の空間に傾斜させた案内板を設
置しても良い。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。前述の通り
ガス発生を伴う水処理において、発生ガスが円滑に除去
されないと被処理水の流通が阻害され、従って処理効率
が減少する。特に複数の金属電極ユニットから成る金属
電極構造体を縦方向に複数個積み重ねる場合には、隣接
する金属電極構造体間の空間内に発生ガスが滞留して円
滑な被処理水流通が達成されていない。本発明者はこの
問題点を解決するために、複数の金属電極ユニットから
成る金属電極構造体を縦方向に複数個積み重ねた状態で
被処理水中に浸漬し、この被処理水を金属電極構造体の
金属電極ユニットに接触させて処理する際に、前記複数
の金属電極構造体を傾斜させ又は前記空間に傾斜した案
内板を設置する手法を提案する。
ガス発生を伴う水処理において、発生ガスが円滑に除去
されないと被処理水の流通が阻害され、従って処理効率
が減少する。特に複数の金属電極ユニットから成る金属
電極構造体を縦方向に複数個積み重ねる場合には、隣接
する金属電極構造体間の空間内に発生ガスが滞留して円
滑な被処理水流通が達成されていない。本発明者はこの
問題点を解決するために、複数の金属電極ユニットから
成る金属電極構造体を縦方向に複数個積み重ねた状態で
被処理水中に浸漬し、この被処理水を金属電極構造体の
金属電極ユニットに接触させて処理する際に、前記複数
の金属電極構造体を傾斜させ又は前記空間に傾斜した案
内板を設置する手法を提案する。
【0009】上下に隣接する金属電極構造体間の空間に
存在するガスは、従来型の金属電極構造体の場合、上方
の金属電極構造体の下面に接触して水平方向に移動しに
くいため、その位置に滞留し被処理水の流通を妨げてい
る。これに対し、本発明のように金属電極構造体を傾斜
させると、発生ガスが接触している金属電極構造体の下
面も傾斜し、この傾斜に沿って発生ガスが上向きに移動
しやすくなり、ガスの滞留が防止され、該金属電極構造
体で発生したガスが更に上の金属電極構造体内に進入す
るという不都合も解消される。この金属電極構造体を傾
斜させず、前記空間に傾斜した案内板を設置してもほぼ
同様の効果が得られる。つまり下部金属電極構造体で発
生したガスが前記案内板の下面に沿って上方に移動し、
前記空間から除去される。
存在するガスは、従来型の金属電極構造体の場合、上方
の金属電極構造体の下面に接触して水平方向に移動しに
くいため、その位置に滞留し被処理水の流通を妨げてい
る。これに対し、本発明のように金属電極構造体を傾斜
させると、発生ガスが接触している金属電極構造体の下
面も傾斜し、この傾斜に沿って発生ガスが上向きに移動
しやすくなり、ガスの滞留が防止され、該金属電極構造
体で発生したガスが更に上の金属電極構造体内に進入す
るという不都合も解消される。この金属電極構造体を傾
斜させず、前記空間に傾斜した案内板を設置してもほぼ
同様の効果が得られる。つまり下部金属電極構造体で発
生したガスが前記案内板の下面に沿って上方に移動し、
前記空間から除去される。
【0010】金属電極構造体を傾斜させるには、通常の
ように、金属電極構造体の一方の端部を台の表面に置い
て所定の角度になるようにすれば良い。傾斜角(θ)は
特に限定されないが、5〜30°程度が望ましい。5°未
満であると傾斜による発生ガス除去の促進効果が小さ
く、30°を超えると30°以下の場合と除去効率にさほど
の差がないばかりか金属電極構造体自体が不安定にな
り、転倒防止のための手段が必要になることがある。案
内板は隣接する金属電極構造体の短絡防止のために電気
絶縁性であれば、その形状や材質も特に限定されず、発
生ガスが接触して該案内板の下面に沿って上向きに移動
でき、更に被処理水に対して不活性であれば、どのよう
な板でも良く、ガスが透過しない程度の孔を有していて
も良い。
ように、金属電極構造体の一方の端部を台の表面に置い
て所定の角度になるようにすれば良い。傾斜角(θ)は
特に限定されないが、5〜30°程度が望ましい。5°未
満であると傾斜による発生ガス除去の促進効果が小さ
く、30°を超えると30°以下の場合と除去効率にさほど
の差がないばかりか金属電極構造体自体が不安定にな
り、転倒防止のための手段が必要になることがある。案
内板は隣接する金属電極構造体の短絡防止のために電気
絶縁性であれば、その形状や材質も特に限定されず、発
生ガスが接触して該案内板の下面に沿って上向きに移動
でき、更に被処理水に対して不活性であれば、どのよう
な板でも良く、ガスが透過しない程度の孔を有していて
も良い。
【0011】本発明方法を使用して被処理水の電気化学
的処理を行うためには、電極として金属電極ユニット、
好ましくは液抜けを良くするため及び接触効率を向上さ
せるために多孔性金属電極ユニットを使用する。この場
合の「多孔」とは、被処理水の流通に対する抵抗が殆ど
零である程度の開口を有することを意味し、網状、エク
スパンドメッシュ状、パンチングメタル状、格子状等の
形状がある。例えばエクスパンドメッシュを使用する場
合、その開口サイズは短径が1.0 〜4.0 mm、長径が2.0
〜5.0 mm程度になるように調節することが好ましい。多
孔性電極は平板無孔電極に比べて表面積が大きく酸化効
率が高くなるとともに、被処理水が多孔を通過する際に
乱流が発生し、これが被処理水を攪拌して被処理水の金
属電極ユニットとの接触効率を高めていると推測でき
る。該金属電極ユニットは、それぞれの開口部表面積の
総和を、該電極の表面積総和と開口部表面積の総和を加
えた電極全面積で除した値の百分率で定義される開口率
が10〜80%であることが好ましい。開口率が10%未満で
あると圧力損失が大きくかつ目詰まりが起こりやすくな
るからであり、80%を超えると電極強度に支障が生じ変
形や破損が生ずることがあり、又金属電極ユニットと被
処理水の接触が不十分になることがあるからであり、目
詰まり及び接触効率の両者を勘案して適切な開口率を設
定することが望ましい。しかし本発明では無孔板状の電
極ユニットの使用を排除するものではない。
的処理を行うためには、電極として金属電極ユニット、
好ましくは液抜けを良くするため及び接触効率を向上さ
せるために多孔性金属電極ユニットを使用する。この場
合の「多孔」とは、被処理水の流通に対する抵抗が殆ど
零である程度の開口を有することを意味し、網状、エク
スパンドメッシュ状、パンチングメタル状、格子状等の
形状がある。例えばエクスパンドメッシュを使用する場
合、その開口サイズは短径が1.0 〜4.0 mm、長径が2.0
〜5.0 mm程度になるように調節することが好ましい。多
孔性電極は平板無孔電極に比べて表面積が大きく酸化効
率が高くなるとともに、被処理水が多孔を通過する際に
乱流が発生し、これが被処理水を攪拌して被処理水の金
属電極ユニットとの接触効率を高めていると推測でき
る。該金属電極ユニットは、それぞれの開口部表面積の
総和を、該電極の表面積総和と開口部表面積の総和を加
えた電極全面積で除した値の百分率で定義される開口率
が10〜80%であることが好ましい。開口率が10%未満で
あると圧力損失が大きくかつ目詰まりが起こりやすくな
るからであり、80%を超えると電極強度に支障が生じ変
形や破損が生ずることがあり、又金属電極ユニットと被
処理水の接触が不十分になることがあるからであり、目
詰まり及び接触効率の両者を勘案して適切な開口率を設
定することが望ましい。しかし本発明では無孔板状の電
極ユニットの使用を排除するものではない。
【0012】そして前記金属電極ユニットがエクスパン
ドメッシュ等の楕円形や菱形状の孔、つまり短径と長径
を有する孔の場合は、孔の長径側に沿って金属電極ユニ
ット及び金属電極構造体が傾斜するように、つまり短径
側の両端が同じ高さになるように金属電極構造体を傾斜
させることが望ましい。このような態様では、前記空間
内の発生ガスは金属電極構造体の最下方の金属電極ユニ
ットに接触しその下面に沿って移動するが、この場合に
長径方向に金属電極ユニットが傾斜しているとガスの移
動方向の抵抗が小さくなり(ガスが接触する多孔性金属
の格子状の金属ワイヤの数が少なくなる)、円滑なガス
除去が達成できる。前記金属電極ユニットは、チタン等
の耐食性金属基体上に、触媒、例えば白金、イリジウ
ム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、ロジウム又
はそれらの酸化物を単独又は混合物等の白金族金属やそ
の酸化物として被覆し電極性能を向上させる事が望まし
い。
ドメッシュ等の楕円形や菱形状の孔、つまり短径と長径
を有する孔の場合は、孔の長径側に沿って金属電極ユニ
ット及び金属電極構造体が傾斜するように、つまり短径
側の両端が同じ高さになるように金属電極構造体を傾斜
させることが望ましい。このような態様では、前記空間
内の発生ガスは金属電極構造体の最下方の金属電極ユニ
ットに接触しその下面に沿って移動するが、この場合に
長径方向に金属電極ユニットが傾斜しているとガスの移
動方向の抵抗が小さくなり(ガスが接触する多孔性金属
の格子状の金属ワイヤの数が少なくなる)、円滑なガス
除去が達成できる。前記金属電極ユニットは、チタン等
の耐食性金属基体上に、触媒、例えば白金、イリジウ
ム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、ロジウム又
はそれらの酸化物を単独又は混合物等の白金族金属やそ
の酸化物として被覆し電極性能を向上させる事が望まし
い。
【0013】本発明では、複数枚の金属電極ユニットを
スペーサーを介して積層し、各金属電極ユニット及び各
スペーサーをこれらを通る電気絶縁性締着材、通常はボ
ルト及びナットにより締着し、各金属電極ユニット相互
を連結して金属電極構造体を構成する。またこの代わり
に、積層した金属電極ユニットの左右の両端部を該ユニ
ットよりサイズの大きい断面視「コ」字状の支持用樹脂
フレームで挟み込み、両フレームを締着して金属電極構
造体を構成しても良い。複数の金属電極ユニットとスペ
ーサーから成るこの金属電極構造体は、金属電極ユニッ
トの枚数を変えることにより、処理すべき被処理水の量
や設置場所のスペースの状況により比較的自由にその厚
さを増減させることができる。その増減はボルト及びナ
ットを使用することが最適である電気絶縁性締着材や支
持用フレームにより容易に行うことができる。金属電極
ユニットの枚数を変えて金属電極構造体の厚さを変える
だけでなく、金属電極ユニット自体又はスペーサーの厚
さを変えることが望ましいこともあり、この場合も同様
に電気絶縁性締着材の着脱や支持用フレームにより容易
に目的を達成できる。
スペーサーを介して積層し、各金属電極ユニット及び各
スペーサーをこれらを通る電気絶縁性締着材、通常はボ
ルト及びナットにより締着し、各金属電極ユニット相互
を連結して金属電極構造体を構成する。またこの代わり
に、積層した金属電極ユニットの左右の両端部を該ユニ
ットよりサイズの大きい断面視「コ」字状の支持用樹脂
フレームで挟み込み、両フレームを締着して金属電極構
造体を構成しても良い。複数の金属電極ユニットとスペ
ーサーから成るこの金属電極構造体は、金属電極ユニッ
トの枚数を変えることにより、処理すべき被処理水の量
や設置場所のスペースの状況により比較的自由にその厚
さを増減させることができる。その増減はボルト及びナ
ットを使用することが最適である電気絶縁性締着材や支
持用フレームにより容易に行うことができる。金属電極
ユニットの枚数を変えて金属電極構造体の厚さを変える
だけでなく、金属電極ユニット自体又はスペーサーの厚
さを変えることが望ましいこともあり、この場合も同様
に電気絶縁性締着材の着脱や支持用フレームにより容易
に目的を達成できる。
【0014】なお前記金属電極構造体は電気絶縁性締着
材や支持用フレームを使用する態様に限定されるもので
はない。本発明では多孔性の金属電極ユニット(例えば
チタンラス)を使用することが望ましいが、該多孔性金
属電極ユニットは強度面では十分でない。従って例えば
両端の金属電極ユニットの各外側表面に無孔板状の又は
額縁状の補強板を当てがって撓みやすい金属電極ユニッ
トを強化することがある。この際に前記補強板を前記金
属電極ユニットより大きな板とし該補強板の外縁を前記
ユニットの外周より外側に位置させ、両補強板の例えば
四隅をボルトナットで締着するようにしても良い。更に
前記補強板自体は金属電極ユニットと同じ大きさとし、
各補強板の四隅に例えば前述の支持用フレーム等の補助
具を当て、前記金属電極ユニットより外側に出た前記補
助具間をボルトナットで締着するようにしても良い。補
強板を使用する態様ではボルトナット等の締着具が金属
電極ユニットと接触しないため、導電性の締着具を使用
しても良い。
材や支持用フレームを使用する態様に限定されるもので
はない。本発明では多孔性の金属電極ユニット(例えば
チタンラス)を使用することが望ましいが、該多孔性金
属電極ユニットは強度面では十分でない。従って例えば
両端の金属電極ユニットの各外側表面に無孔板状の又は
額縁状の補強板を当てがって撓みやすい金属電極ユニッ
トを強化することがある。この際に前記補強板を前記金
属電極ユニットより大きな板とし該補強板の外縁を前記
ユニットの外周より外側に位置させ、両補強板の例えば
四隅をボルトナットで締着するようにしても良い。更に
前記補強板自体は金属電極ユニットと同じ大きさとし、
各補強板の四隅に例えば前述の支持用フレーム等の補助
具を当て、前記金属電極ユニットより外側に出た前記補
助具間をボルトナットで締着するようにしても良い。補
強板を使用する態様ではボルトナット等の締着具が金属
電極ユニットと接触しないため、導電性の締着具を使用
しても良い。
【0015】使用するスペーサーは隣接する金属電極ユ
ニット間の電気絶縁を確保するためのものであるが、金
属電極表面で発生するガスのガス抜けを良くし、被処理
水と金属電極ユニットとの接触を良くするためには複数
の帯状スペーサーとし、傾斜方向に平行にかつ少なくと
も傾斜の上端側を開放状態とすることが好ましい。使用
するスペーサーの枚数は金属電極ユニットの数に依存す
るが、ガス抜きを良好にするためには2〜4枚が望まし
く、5枚以上になると金属電極ユニット表面で発生する
ガスが抜けにくく、金属電極ユニット間に大きな気泡と
なって存在し、殺菌効率を低下させる。帯状スペーサー
の厚さは1〜10mm程度が望ましく、1mm未満では電極表
面に析出することのある前記カルシウム化合物等により
又は物理的外力による変形で電極間に短絡が生ずる恐れ
があり、又10mmを越えると殺菌等に必要な電流が流れに
くくなるからである。又幅は3〜8mmが望ましく、3mm
未満ではスペーサーが変形して均一な電極間距離が保ち
にくくなり、8mmを越えると金属電極ユニットのガス抜
け抵抗が大きくなると共に金属電極ユニットの有効反応
面積を減少させる。帯状スペーサー間の間隔は40〜100
mmが望ましく、40mm未満では有効反応面積が少なくな
り、100 mmを越えると金属電極ユニット間の間隔が均一
に保てなくなり短絡の危険が生ずると共に、電流密度が
不均一となり金属電極の寿命が短くなる。前記スペーサ
ーは複数の帯状スペーサー以外に、例えば額縁状スペー
サーの傾斜する上端側に相当する辺の部分を除外した
「U」字状にしても良く、前記金属電極構造体で発生す
るガスのガス抜けを阻害しない任意形状のスペーサーが
使用できる。
ニット間の電気絶縁を確保するためのものであるが、金
属電極表面で発生するガスのガス抜けを良くし、被処理
水と金属電極ユニットとの接触を良くするためには複数
の帯状スペーサーとし、傾斜方向に平行にかつ少なくと
も傾斜の上端側を開放状態とすることが好ましい。使用
するスペーサーの枚数は金属電極ユニットの数に依存す
るが、ガス抜きを良好にするためには2〜4枚が望まし
く、5枚以上になると金属電極ユニット表面で発生する
ガスが抜けにくく、金属電極ユニット間に大きな気泡と
なって存在し、殺菌効率を低下させる。帯状スペーサー
の厚さは1〜10mm程度が望ましく、1mm未満では電極表
面に析出することのある前記カルシウム化合物等により
又は物理的外力による変形で電極間に短絡が生ずる恐れ
があり、又10mmを越えると殺菌等に必要な電流が流れに
くくなるからである。又幅は3〜8mmが望ましく、3mm
未満ではスペーサーが変形して均一な電極間距離が保ち
にくくなり、8mmを越えると金属電極ユニットのガス抜
け抵抗が大きくなると共に金属電極ユニットの有効反応
面積を減少させる。帯状スペーサー間の間隔は40〜100
mmが望ましく、40mm未満では有効反応面積が少なくな
り、100 mmを越えると金属電極ユニット間の間隔が均一
に保てなくなり短絡の危険が生ずると共に、電流密度が
不均一となり金属電極の寿命が短くなる。前記スペーサ
ーは複数の帯状スペーサー以外に、例えば額縁状スペー
サーの傾斜する上端側に相当する辺の部分を除外した
「U」字状にしても良く、前記金属電極構造体で発生す
るガスのガス抜けを阻害しない任意形状のスペーサーが
使用できる。
【0016】又金属電極ユニットが多孔板例えばチタン
ラスの場合は前記スペーサーは金属電極ユニットの強度
補強の役割も果たす。しかし金属電極ユニットが2枚で
前記補強板を使用する場合には各金属電極ユニットが補
強板で補強されるためスペーサーで補強する必要はなく
なり、この場合にはスペーサーは単に電気絶縁用であれ
ば良い。このスペーサーは隣接する金属電極ユニットを
電気的に絶縁するとともに、電解により生ずる酸素ガス
や水素ガスのガス抜けを良好にする機能を有する。金属
電極ユニット表面で生成する前記ガスは被処理水が前記
金属電極ユニット表面に接触することを阻害し、かつ各
金属電極ユニットへの通電効率を低下させる。しかしス
ペーサーの存在により生成ガスが隣接する金属電極ユニ
ット間の空間から金属電極構造体の周囲へ容易に移動し
て処理効率を上昇させる。
ラスの場合は前記スペーサーは金属電極ユニットの強度
補強の役割も果たす。しかし金属電極ユニットが2枚で
前記補強板を使用する場合には各金属電極ユニットが補
強板で補強されるためスペーサーで補強する必要はなく
なり、この場合にはスペーサーは単に電気絶縁用であれ
ば良い。このスペーサーは隣接する金属電極ユニットを
電気的に絶縁するとともに、電解により生ずる酸素ガス
や水素ガスのガス抜けを良好にする機能を有する。金属
電極ユニット表面で生成する前記ガスは被処理水が前記
金属電極ユニット表面に接触することを阻害し、かつ各
金属電極ユニットへの通電効率を低下させる。しかしス
ペーサーの存在により生成ガスが隣接する金属電極ユニ
ット間の空間から金属電極構造体の周囲へ容易に移動し
て処理効率を上昇させる。
【0017】更に該生成ガスは被処理水中に対流を生じ
させ、この対流により被処理水全体を万遍なく金属電極
ユニット表面に接触させることが可能になる。従って大
量の被処理水を処理する際にも別個の攪拌装置を設置す
ることなく、前記被処理水の処理が可能になる。この金
属電極構造体は、基本的にはそのまま被処理水中に浸漬
し、該金属電極構造体に通電して該金属電極構造体表面
で前記被処理水の処理、つまり微生物殺菌等を行なう。
この金属電極構造体には安全面の理由で直流電圧42V以
下で通電することが望ましく、又電流密度が0.1 〜1.0
A/dm2 程度になるようにすると最適の処理効率が得られ
る。これは0.1 A/dm2 未満では充分な殺菌が行なわれな
いことがあり、1.0 A/dm2 を越えると電極寿命が短くな
ることがあるからである。通電は極性を維持したまま行
なっても良いが、純水以外の水の場合には例えば2〜18
0 分ごとに極性を反転させて析出するカルシウム化合物
やマグネシウム化合物等を溶解させることができる。継
続通電時間が2分未満では殺菌効率が悪く電極寿命も短
くなりがちであり、180 分を越えると前記化合物の析出
量が多くなるからである。カルシウム等の除去を目的と
する場合には通電を停止して析出したカルシウム等を剥
離した後、再度通電を開始すれば良い。
させ、この対流により被処理水全体を万遍なく金属電極
ユニット表面に接触させることが可能になる。従って大
量の被処理水を処理する際にも別個の攪拌装置を設置す
ることなく、前記被処理水の処理が可能になる。この金
属電極構造体は、基本的にはそのまま被処理水中に浸漬
し、該金属電極構造体に通電して該金属電極構造体表面
で前記被処理水の処理、つまり微生物殺菌等を行なう。
この金属電極構造体には安全面の理由で直流電圧42V以
下で通電することが望ましく、又電流密度が0.1 〜1.0
A/dm2 程度になるようにすると最適の処理効率が得られ
る。これは0.1 A/dm2 未満では充分な殺菌が行なわれな
いことがあり、1.0 A/dm2 を越えると電極寿命が短くな
ることがあるからである。通電は極性を維持したまま行
なっても良いが、純水以外の水の場合には例えば2〜18
0 分ごとに極性を反転させて析出するカルシウム化合物
やマグネシウム化合物等を溶解させることができる。継
続通電時間が2分未満では殺菌効率が悪く電極寿命も短
くなりがちであり、180 分を越えると前記化合物の析出
量が多くなるからである。カルシウム等の除去を目的と
する場合には通電を停止して析出したカルシウム等を剥
離した後、再度通電を開始すれば良い。
【0018】前記金属電極構造体は水中で使用されるた
め、該金属電極構造体に給電するためには、実際上は給
電体が必要になる。この給電体は、被処理水の外から前
記金属電極ユニットに通電するための部材で、該給電体
は十分な導電性と被処理水に対する耐性がある金属であ
れば特にその材質は限定されないが、耐性の面からチタ
ンを使用することが好ましい。該給電体と前記金属電極
ユニットの接続には通常の電気溶接等が利用される。
め、該金属電極構造体に給電するためには、実際上は給
電体が必要になる。この給電体は、被処理水の外から前
記金属電極ユニットに通電するための部材で、該給電体
は十分な導電性と被処理水に対する耐性がある金属であ
れば特にその材質は限定されないが、耐性の面からチタ
ンを使用することが好ましい。該給電体と前記金属電極
ユニットの接続には通常の電気溶接等が利用される。
【0019】本発明による微生物の殺菌機構は次のよう
であると推測できる。第1に、微生物が陽極表面に衝突
して死滅する。第2に前記電極表面で被処理水に含まれ
る微量塩素が酸化されて次亜塩素酸が発生し、又水電解
により活性酸素が発生する。これらの次亜塩素酸や活性
酸素により被処理水中の微生物が殺菌され、微量不純物
も分解する。本発明に係わる電気化学的処理では従来の
水処理用装置である電解槽とは異なり、電極を被処理水
中に浸漬する構成であるため、電解槽自体の準備及び設
置の必要がなく、被処理水の電解槽への導入及び排出に
伴う配管やエネルギーが不要であり、又水漏れ対策や電
解槽の設置スペースも不要になり、電極の交換や洗浄が
殆ど必要でなくなる。電極の洗浄が必要となった際に
は、被処理水以外の液中に汚染した電極を入れて極性を
反転させて析出物を溶解して洗浄するか、あるいは前記
電極を被処理水の外に出して清水を噴射して洗浄でき
る。
であると推測できる。第1に、微生物が陽極表面に衝突
して死滅する。第2に前記電極表面で被処理水に含まれ
る微量塩素が酸化されて次亜塩素酸が発生し、又水電解
により活性酸素が発生する。これらの次亜塩素酸や活性
酸素により被処理水中の微生物が殺菌され、微量不純物
も分解する。本発明に係わる電気化学的処理では従来の
水処理用装置である電解槽とは異なり、電極を被処理水
中に浸漬する構成であるため、電解槽自体の準備及び設
置の必要がなく、被処理水の電解槽への導入及び排出に
伴う配管やエネルギーが不要であり、又水漏れ対策や電
解槽の設置スペースも不要になり、電極の交換や洗浄が
殆ど必要でなくなる。電極の洗浄が必要となった際に
は、被処理水以外の液中に汚染した電極を入れて極性を
反転させて析出物を溶解して洗浄するか、あるいは前記
電極を被処理水の外に出して清水を噴射して洗浄でき
る。
【0020】本発明方法に使用する装置は長期間の運転
に耐え洗浄は殆ど必要ないが、洗浄を行なう場合には過
酸化水素、オゾン水、次亜塩素酸、pH3以下の酸性
水、pH9以上のアルカリ水のいずれかを使用できる。
本発明による方法を使用すると、被処理水中の微生物の
殺菌や他の水質改善を達成できる。前記微生物として
は、細菌(バクテリア)、糸状菌(黴)、酵母、変形
菌、単細胞の藻類、原生動物、ウイルス等が含まれ、水
質改善には、アンモニア等の不純物の分解などが含まれ
る。
に耐え洗浄は殆ど必要ないが、洗浄を行なう場合には過
酸化水素、オゾン水、次亜塩素酸、pH3以下の酸性
水、pH9以上のアルカリ水のいずれかを使用できる。
本発明による方法を使用すると、被処理水中の微生物の
殺菌や他の水質改善を達成できる。前記微生物として
は、細菌(バクテリア)、糸状菌(黴)、酵母、変形
菌、単細胞の藻類、原生動物、ウイルス等が含まれ、水
質改善には、アンモニア等の不純物の分解などが含まれ
る。
【0021】本発明の対象となる被処理水は特に限定さ
れず、日常生活用、産業活動の多くの分野で広く使用す
ることができ、前記被処理水の種類としては例えば自然
環境中の淡水や海水、人工的に作成された水溶液、希釈
用水等があり、更に具体的な例としては工業用水、水道
水、浄水、井戸水、雨水、回収水、加湿水、排水、側溝
水、貯水、海水(微生物の制菌と貝殻、藻類、水母等の
殺菌)、池の水、プール水、ボイラー水、クーリングタ
ワー水、スクラバー水、高架水槽、飲料水、風呂水、ガ
ス吸収塔水、冷却水、温水、水耕栽培水、噴水、写真現
像液、養魚用水(鑑賞魚、養殖魚)、鑑賞動物及び養殖
鳥用水、水エマルジョン、製紙用水、温泉水、砂糖液、
果汁希釈水、染料インク希釈水、水溶性塗料希釈水、水
溶性化粧品希釈水、酒希釈水、牛乳希釈水、ジュース希
釈水、お茶希釈水、豆乳希釈水、入れ歯保管制菌水、コ
ンタクトレンズ保管制菌水、歯ブラシ保管制菌水、各種
化学物質含有水溶液、火力又は原子力発電所用水等を挙
げることができ、更に水中微生物個数をゼロにすること
が必要又は好ましい食品用水、医薬品用水、磁気記録用
ハードディスク洗浄用水、半導体洗浄用水、自動販売機
水等も含まれる。更に岸壁、各種取水口の殺菌用の水の
前処理用にも使用できる。
れず、日常生活用、産業活動の多くの分野で広く使用す
ることができ、前記被処理水の種類としては例えば自然
環境中の淡水や海水、人工的に作成された水溶液、希釈
用水等があり、更に具体的な例としては工業用水、水道
水、浄水、井戸水、雨水、回収水、加湿水、排水、側溝
水、貯水、海水(微生物の制菌と貝殻、藻類、水母等の
殺菌)、池の水、プール水、ボイラー水、クーリングタ
ワー水、スクラバー水、高架水槽、飲料水、風呂水、ガ
ス吸収塔水、冷却水、温水、水耕栽培水、噴水、写真現
像液、養魚用水(鑑賞魚、養殖魚)、鑑賞動物及び養殖
鳥用水、水エマルジョン、製紙用水、温泉水、砂糖液、
果汁希釈水、染料インク希釈水、水溶性塗料希釈水、水
溶性化粧品希釈水、酒希釈水、牛乳希釈水、ジュース希
釈水、お茶希釈水、豆乳希釈水、入れ歯保管制菌水、コ
ンタクトレンズ保管制菌水、歯ブラシ保管制菌水、各種
化学物質含有水溶液、火力又は原子力発電所用水等を挙
げることができ、更に水中微生物個数をゼロにすること
が必要又は好ましい食品用水、医薬品用水、磁気記録用
ハードディスク洗浄用水、半導体洗浄用水、自動販売機
水等も含まれる。更に岸壁、各種取水口の殺菌用の水の
前処理用にも使用できる。
【0022】これら各種の被処理水処理のうち火力又は
原子力発電所用水等の海水の処理に関しては従来の海水
処理とは異なる手法を採用できる。従来の海水を冷却水
として使用する、例えば火力発電所用水処理では、その
中に藻や貝が繁殖している海水を冷却水ラインに導入す
ると、特にその導入口に海水中に繁殖する藻や貝が付着
する。この藻や貝を除去するため、従来は前記冷却水と
は別の海水を電解槽で電解して次亜塩素酸イオンを含む
海水に変換し、この海水を前記導入口に供給して、前記
藻等を除去している。この手法でもある程度の不純物除
去を達成できるが、完全な除去は不可能で、不純物が前
記冷却ラインを循環して配管の管壁に付着し堆積してし
まうという欠点がある。
原子力発電所用水等の海水の処理に関しては従来の海水
処理とは異なる手法を採用できる。従来の海水を冷却水
として使用する、例えば火力発電所用水処理では、その
中に藻や貝が繁殖している海水を冷却水ラインに導入す
ると、特にその導入口に海水中に繁殖する藻や貝が付着
する。この藻や貝を除去するため、従来は前記冷却水と
は別の海水を電解槽で電解して次亜塩素酸イオンを含む
海水に変換し、この海水を前記導入口に供給して、前記
藻等を除去している。この手法でもある程度の不純物除
去を達成できるが、完全な除去は不可能で、不純物が前
記冷却ラインを循環して配管の管壁に付着し堆積してし
まうという欠点がある。
【0023】本発明では、冷却ライン等に付着する不純
物を別の薬剤を準備して除去するという思想ではなく、
当初から不純物の発生や付着を防止することを意図する
ものである。つまり海水を取水する個所に本発明の金属
電極構造体を複数個積み重ねて浸漬しかつ通電しなが
ら、その周辺部で冷却用等の海水を取水する。前記通電
により次亜塩素酸イオンが発生し、藻や貝が棲息できな
い状態となるため、前記金属電極本体が浸漬している周
辺には藻や貝が進入できず、取水する海水には当初から
不純物が存在していないことになる。従ってその海水を
取水して各種冷却用等に使用しても取水口や冷却ライン
等に不純物が付着したり堆積したりすることがなく、不
純物含有量がほぼゼロである海水を入手できる。この態
様でも海水に通電することでガスが発生するが、前記複
数の積み重ねた金属電極構造体間の空間にガスが滞留し
にくく、円滑な海水処理が実施できる。又前述した通り
浄水場用水を飲料水として各家庭等に供給する際には多
くの困難が伴い、特に次亜塩素酸濃度をほぼ一定に維持
することは従来技術では多大なコストと人手を要するこ
とであった。本発明では、従来のように次亜塩素酸添加
基地に次亜塩素酸製造装置を設置するのではなく、前記
した金属電極本体を各基地の貯水タンクに浸漬し通電す
るのみで飲料水の殺菌するとともに次亜塩素酸濃度を任
意の所望値まで上昇させることができる。この手法は従
来の各基地に次亜塩素酸製造装置を設置することに比較
して大幅なコストダウンが可能であり、カルキ臭の少な
い快適な水道水を各家庭に供給できる画期的な方法であ
る。この態様でも同様に発生ガスの除去を円滑に行うこ
とができ、処理効率が上昇する。
物を別の薬剤を準備して除去するという思想ではなく、
当初から不純物の発生や付着を防止することを意図する
ものである。つまり海水を取水する個所に本発明の金属
電極構造体を複数個積み重ねて浸漬しかつ通電しなが
ら、その周辺部で冷却用等の海水を取水する。前記通電
により次亜塩素酸イオンが発生し、藻や貝が棲息できな
い状態となるため、前記金属電極本体が浸漬している周
辺には藻や貝が進入できず、取水する海水には当初から
不純物が存在していないことになる。従ってその海水を
取水して各種冷却用等に使用しても取水口や冷却ライン
等に不純物が付着したり堆積したりすることがなく、不
純物含有量がほぼゼロである海水を入手できる。この態
様でも海水に通電することでガスが発生するが、前記複
数の積み重ねた金属電極構造体間の空間にガスが滞留し
にくく、円滑な海水処理が実施できる。又前述した通り
浄水場用水を飲料水として各家庭等に供給する際には多
くの困難が伴い、特に次亜塩素酸濃度をほぼ一定に維持
することは従来技術では多大なコストと人手を要するこ
とであった。本発明では、従来のように次亜塩素酸添加
基地に次亜塩素酸製造装置を設置するのではなく、前記
した金属電極本体を各基地の貯水タンクに浸漬し通電す
るのみで飲料水の殺菌するとともに次亜塩素酸濃度を任
意の所望値まで上昇させることができる。この手法は従
来の各基地に次亜塩素酸製造装置を設置することに比較
して大幅なコストダウンが可能であり、カルキ臭の少な
い快適な水道水を各家庭に供給できる画期的な方法であ
る。この態様でも同様に発生ガスの除去を円滑に行うこ
とができ、処理効率が上昇する。
【0024】本発明によると、前述した多種の被処理水
に含まれる微生物や有害不純物を効率良く殺菌するだけ
でなく、CODやBODの分解除去、更に微量農薬を含
有する被処理水から電気化学的に農薬を分解除去し、着
色被処理水の色を薄くするといった処理も可能である。
更に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化水素、次亜塩
素酸あるいは臭化ナトリウム等の塩素化合物又は臭素化
合物を添加して前述の水処理を行うと次亜塩素酸や次亜
臭素酸を含有する殺菌水が製造できる。この殺菌水は床
洗浄水、機器洗浄水、容器洗浄水、野菜洗浄水、肉洗浄
水、果物洗浄水等として使用できる。
に含まれる微生物や有害不純物を効率良く殺菌するだけ
でなく、CODやBODの分解除去、更に微量農薬を含
有する被処理水から電気化学的に農薬を分解除去し、着
色被処理水の色を薄くするといった処理も可能である。
更に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化水素、次亜塩
素酸あるいは臭化ナトリウム等の塩素化合物又は臭素化
合物を添加して前述の水処理を行うと次亜塩素酸や次亜
臭素酸を含有する殺菌水が製造できる。この殺菌水は床
洗浄水、機器洗浄水、容器洗浄水、野菜洗浄水、肉洗浄
水、果物洗浄水等として使用できる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に本発明に係わる電気化学的水
処理方法に使用する金属電極構造体の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。図1は本発明方法に使用できる
積み重ねた複数の金属電極構造体の一実施形態を例示す
るもので、図1はその縦断面図、図2は図1のA−A線
横断面図、図3はB−B線縦断面図である。1は、長方
形のチタン製のエクスパンドメッシュ(短径3mm、長径
4mm程度が最適)の表面に、例えば白金とイリジウムの
混合物を担持した金属電極ユニットで、この金属電極ユ
ニット1は複数枚、図示の例では4枚(最上方及び最下
方の2枚は給電用電極を兼ねる)が、隣接する前記金属
電極ユニット1間にスペーサー2を挟んで上下方向に積
層されている。このスペーサー2は図3に示すように間
隔をおいて平行に配置された4本の帯状スペーサー2a
から成り、隣接する帯状スペーサー2aの上下両端はそ
れぞれ開放されている。このようなスペーサーを使用す
ると、発生ガスが金属電極ユニット1を透過して上方へ
抜けると同時に隣接する金属電極ユニット1間の空間を
該金属電極ユニットに沿って右方に移動してスペーサー
の開放端からもガスが除去され、良好なガス抜きが行わ
れる。最上方及び最下方の金属電極ユニット1のそれぞ
れの上面及び下面には、中央に被処理水流通用の開口3
aを有する1対の額縁状補強板3が周囲が金属電極ユニ
ット1から突出するように設置され、該補強板3の四隅
には通孔が穿設されている。上下の補強板3の対応する
通孔間が電気導電性のボルト4及びナット5で締着さ
れ、かつ下方の補強板3の四隅に支持杆6が連設されて
金属電極構造体7が構成されている。なお8は上方の補
強板3の四隅に形成された支持杆6係合用溝である。
処理方法に使用する金属電極構造体の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。図1は本発明方法に使用できる
積み重ねた複数の金属電極構造体の一実施形態を例示す
るもので、図1はその縦断面図、図2は図1のA−A線
横断面図、図3はB−B線縦断面図である。1は、長方
形のチタン製のエクスパンドメッシュ(短径3mm、長径
4mm程度が最適)の表面に、例えば白金とイリジウムの
混合物を担持した金属電極ユニットで、この金属電極ユ
ニット1は複数枚、図示の例では4枚(最上方及び最下
方の2枚は給電用電極を兼ねる)が、隣接する前記金属
電極ユニット1間にスペーサー2を挟んで上下方向に積
層されている。このスペーサー2は図3に示すように間
隔をおいて平行に配置された4本の帯状スペーサー2a
から成り、隣接する帯状スペーサー2aの上下両端はそ
れぞれ開放されている。このようなスペーサーを使用す
ると、発生ガスが金属電極ユニット1を透過して上方へ
抜けると同時に隣接する金属電極ユニット1間の空間を
該金属電極ユニットに沿って右方に移動してスペーサー
の開放端からもガスが除去され、良好なガス抜きが行わ
れる。最上方及び最下方の金属電極ユニット1のそれぞ
れの上面及び下面には、中央に被処理水流通用の開口3
aを有する1対の額縁状補強板3が周囲が金属電極ユニ
ット1から突出するように設置され、該補強板3の四隅
には通孔が穿設されている。上下の補強板3の対応する
通孔間が電気導電性のボルト4及びナット5で締着さ
れ、かつ下方の補強板3の四隅に支持杆6が連設されて
金属電極構造体7が構成されている。なお8は上方の補
強板3の四隅に形成された支持杆6係合用溝である。
【0026】このような構成から成る金属電極構造体7
が、各支持杆6の下端を直下の金属電極構造体7の上方
の補強板3の係合溝8に係合することにより、図示の例
では計3個が縦方向に積み重ねられ、かつ上位の金属電
極構造体7の最下方の金属電極ユニット1と中位の金属
電極構造体7の最上方の金属電極ユニット1、及び中位
の金属電極構造体7の最下方の金属電極ユニット1と下
位の金属電極構造体7の最上方の金属電極ユニット1を
それぞれ導線9で接続して単極型の電気化学的水処理装
置を構成している。図示の例と異なり、3個の金属電極
構造体に別個に通電するようにしても良い。下位の金属
電極構造体7の右側の2本の支持杆6(図1では1本の
支持杆6のみを図示している)を支持台10上に置くこと
により、各金属電極構造体7を、該金属電極構造体7と
該金属電極構造体7が載置されかつ被処理水が満たされ
た容器等の底面11とで形成される傾斜角がθとなるよう
に傾斜させている。このとき、金属電極ユニット1のエ
クスパンドメッシュの長径側が図1及び図2で左右方向
に向くようにしている。
が、各支持杆6の下端を直下の金属電極構造体7の上方
の補強板3の係合溝8に係合することにより、図示の例
では計3個が縦方向に積み重ねられ、かつ上位の金属電
極構造体7の最下方の金属電極ユニット1と中位の金属
電極構造体7の最上方の金属電極ユニット1、及び中位
の金属電極構造体7の最下方の金属電極ユニット1と下
位の金属電極構造体7の最上方の金属電極ユニット1を
それぞれ導線9で接続して単極型の電気化学的水処理装
置を構成している。図示の例と異なり、3個の金属電極
構造体に別個に通電するようにしても良い。下位の金属
電極構造体7の右側の2本の支持杆6(図1では1本の
支持杆6のみを図示している)を支持台10上に置くこと
により、各金属電極構造体7を、該金属電極構造体7と
該金属電極構造体7が載置されかつ被処理水が満たされ
た容器等の底面11とで形成される傾斜角がθとなるよう
に傾斜させている。このとき、金属電極ユニット1のエ
クスパンドメッシュの長径側が図1及び図2で左右方向
に向くようにしている。
【0027】上位の金属電極構造体7の最上方の金属電
極ユニット1は正電源(図示略)に接続され、又下位の
金属電極構造体7の最下方の金属電極ユニット1は負電
源(図示略)に接続されている。最上方及び最下方の金
属電極ユニット7間に通電すると中間の2枚の金属電極
ユニット1は最上方及び最下方の金属電極ユニット1間
に印加される電圧により、電極ユニットの下面が正に上
面が負に帯電する。処理されるべき被処理水は主として
この金属電極ユニット1の下面(正に帯電)に接触して
該被処理水中の微生物殺菌(酸化)が行なわれ更にその
近傍では該被処理水の電気分解に依る発生期の酸素や塩
素イオンの酸化に伴い発生する次亜塩素酸イオンに依る
微生物殺菌やBOD、COD及び農薬、アンモニア等の
酸化分解が行われる。この電気化学的水処理の間に各金
属電極ユニット1からは水素ガスや酸素ガスが発生す
る。中位及び下位の金属電極構造体7の各金属電極ユニ
ット1から発生するガスは、その上に隣接する金属電極
構造体7との空間に達し、かつ該金属電極構造体7の最
下方の金属電極ユニット1の下面に沿って図の右方向に
向かって移動し、前記空間から除去される。このとき図
示の例ではスペーサーの上端が開放されているため、よ
り良好なガス抜きが行われる。この円滑なガス除去がな
いと発生ガスが前記空間や金属電極ユニット1間に滞留
して被処理水の金属電極構造体7内への供給が阻害さ
れ、被処理水の処理効率が低下するのに対し、図示の例
における傾斜した金属電極構造体7を使用すると、円滑
なガス除去が行われ従って金属電極構造体7内への円滑
な被処理水供給が確保され、最大限の効率で被処理水処
理を行うことができる。
極ユニット1は正電源(図示略)に接続され、又下位の
金属電極構造体7の最下方の金属電極ユニット1は負電
源(図示略)に接続されている。最上方及び最下方の金
属電極ユニット7間に通電すると中間の2枚の金属電極
ユニット1は最上方及び最下方の金属電極ユニット1間
に印加される電圧により、電極ユニットの下面が正に上
面が負に帯電する。処理されるべき被処理水は主として
この金属電極ユニット1の下面(正に帯電)に接触して
該被処理水中の微生物殺菌(酸化)が行なわれ更にその
近傍では該被処理水の電気分解に依る発生期の酸素や塩
素イオンの酸化に伴い発生する次亜塩素酸イオンに依る
微生物殺菌やBOD、COD及び農薬、アンモニア等の
酸化分解が行われる。この電気化学的水処理の間に各金
属電極ユニット1からは水素ガスや酸素ガスが発生す
る。中位及び下位の金属電極構造体7の各金属電極ユニ
ット1から発生するガスは、その上に隣接する金属電極
構造体7との空間に達し、かつ該金属電極構造体7の最
下方の金属電極ユニット1の下面に沿って図の右方向に
向かって移動し、前記空間から除去される。このとき図
示の例ではスペーサーの上端が開放されているため、よ
り良好なガス抜きが行われる。この円滑なガス除去がな
いと発生ガスが前記空間や金属電極ユニット1間に滞留
して被処理水の金属電極構造体7内への供給が阻害さ
れ、被処理水の処理効率が低下するのに対し、図示の例
における傾斜した金属電極構造体7を使用すると、円滑
なガス除去が行われ従って金属電極構造体7内への円滑
な被処理水供給が確保され、最大限の効率で被処理水処
理を行うことができる。
【0028】図4は本発明方法に使用できる積み重ねた
複数の金属電極構造体の他の実施形態を示す縦断面図で
ある。本実施形態は図1の実施形態の改良に係るもので
あり、図1と同一部材には同一符号を付して説明を省略
する。図4の実施形態では、図1の支持台は存在せず、
各金属電極構造体7は水平に位置している。上位の金属
電極構造体7と中位の金属電極構造体7間の空間、及び
中位の金属電極構造体7と下位の金属電極構造体7間の
空間には、それぞれ傾斜した案内板12が設けられてい
る。中位及び上方の金属電極構造体7の上方の補強板3
の左端近傍の表面には案内板支持用溝13が形成され、か
つ同一補強板3の右端近傍表面には案内板支持台14が載
置され、前記案内板12を定位置に保持している。金属電
極ユニット1自体は傾斜せず、該金属電極ユニット1に
沿ってガス抜きが行われるのではないため、スペーサー
がガス抜きを阻害することはなく、従ってスペーサーは
図1〜3のように複数本で構成しても、従来のように単
一の額縁状のもので構成しても良く、図4では額縁状ス
ペーサー2を示している。前記案内板12は、金属電極ユ
ニット1表面で発生し、隣接する金属電極構造体7間の
空間に達するガスをその下面に沿って移動させて前記空
間から除去する。従って図1の実施形態と同様に円滑な
ガス除去と円滑な被処理水供給が確保され、最大限の効
率で被処理水処理を行うことができる。
複数の金属電極構造体の他の実施形態を示す縦断面図で
ある。本実施形態は図1の実施形態の改良に係るもので
あり、図1と同一部材には同一符号を付して説明を省略
する。図4の実施形態では、図1の支持台は存在せず、
各金属電極構造体7は水平に位置している。上位の金属
電極構造体7と中位の金属電極構造体7間の空間、及び
中位の金属電極構造体7と下位の金属電極構造体7間の
空間には、それぞれ傾斜した案内板12が設けられてい
る。中位及び上方の金属電極構造体7の上方の補強板3
の左端近傍の表面には案内板支持用溝13が形成され、か
つ同一補強板3の右端近傍表面には案内板支持台14が載
置され、前記案内板12を定位置に保持している。金属電
極ユニット1自体は傾斜せず、該金属電極ユニット1に
沿ってガス抜きが行われるのではないため、スペーサー
がガス抜きを阻害することはなく、従ってスペーサーは
図1〜3のように複数本で構成しても、従来のように単
一の額縁状のもので構成しても良く、図4では額縁状ス
ペーサー2を示している。前記案内板12は、金属電極ユ
ニット1表面で発生し、隣接する金属電極構造体7間の
空間に達するガスをその下面に沿って移動させて前記空
間から除去する。従って図1の実施形態と同様に円滑な
ガス除去と円滑な被処理水供給が確保され、最大限の効
率で被処理水処理を行うことができる。
【0029】実施例 次に本発明に係る電気化学的水処理方法による被処理水
の処理に関する実施例を記載するが、該実施例は本発明
を限定するものではない。
の処理に関する実施例を記載するが、該実施例は本発明
を限定するものではない。
【0030】(実施例1)表面に白金及び酸化イリジウ
ムを被覆した厚さ1mm、幅200 mm、長さ500 mmのチタン
ラス(チタン多孔板、短径2.5 mm、長径3.5 mmのエクス
パンドメッシュ)の間に厚さ2mm、幅5mm、長さ200 mm
のテフロン(登録商標)製帯状スペーサー8枚を65.7mm
間隔で配し、チタンラスを4枚重ね合わせ、チタンラス
の外周部に穿設した直径7mmの通孔8個に直径6mmの樹
脂ボルトを挿入し他端を樹脂ナットで締着した金属電極
構造体を10トンタンク底面に2個積み重ね、傾斜角10°
で配置し、金属電極構造体間にポリ塩化ビニル製の厚さ
1mm、幅250 mm、長さ550 mmの案内板を設けた。
ムを被覆した厚さ1mm、幅200 mm、長さ500 mmのチタン
ラス(チタン多孔板、短径2.5 mm、長径3.5 mmのエクス
パンドメッシュ)の間に厚さ2mm、幅5mm、長さ200 mm
のテフロン(登録商標)製帯状スペーサー8枚を65.7mm
間隔で配し、チタンラスを4枚重ね合わせ、チタンラス
の外周部に穿設した直径7mmの通孔8個に直径6mmの樹
脂ボルトを挿入し他端を樹脂ナットで締着した金属電極
構造体を10トンタンク底面に2個積み重ね、傾斜角10°
で配置し、金属電極構造体間にポリ塩化ビニル製の厚さ
1mm、幅250 mm、長さ550 mmの案内板を設けた。
【0031】前記10トンタンクに培養法による総菌数10
7 個/mlの工場貯水を10トン導入し、最大出力電圧DC
30V、最大出力電流DC8Aの定電流定電圧直流電源を
各金属電極構造体に結線し直流電流を流した。2台の金
属電極構造体に流れる直流電流はDC8Aで安定し、10
時間後の被処理水の総菌数は検出下限以下に低下してい
た。
7 個/mlの工場貯水を10トン導入し、最大出力電圧DC
30V、最大出力電流DC8Aの定電流定電圧直流電源を
各金属電極構造体に結線し直流電流を流した。2台の金
属電極構造体に流れる直流電流はDC8Aで安定し、10
時間後の被処理水の総菌数は検出下限以下に低下してい
た。
【0032】(比較例1)金属電極構造体2個を水平に
して配置したこと以外は実施例1と同一条件で処理を行
った。直流電流はDC5A〜DC8Aの間を不安定に変
化し、10時間後の被処理水中の総菌数は103 個/mlであ
った。
して配置したこと以外は実施例1と同一条件で処理を行
った。直流電流はDC5A〜DC8Aの間を不安定に変
化し、10時間後の被処理水中の総菌数は103 個/mlであ
った。
【0033】(比較例2)金属電極構造体2個を水平に
して配置し、案内板を設けなかったこと以外は実施例1
と同一条件で処理を行った。直流電流はDC3A〜DC
8Aの間を不安定に変化し、特に上段の金属電極構造体
に流れる電流は不安定で低い傾向があった。10時間後の
被処理水中の総菌数は105 個/mlまでしか下がらなかっ
た。
して配置し、案内板を設けなかったこと以外は実施例1
と同一条件で処理を行った。直流電流はDC3A〜DC
8Aの間を不安定に変化し、特に上段の金属電極構造体
に流れる電流は不安定で低い傾向があった。10時間後の
被処理水中の総菌数は105 個/mlまでしか下がらなかっ
た。
【0034】
【発明の効果】本発明は、触媒で表面処理した複数の金
属電極ユニットを、電気絶縁性スペーサーを介して積層
した金属電極構造体を被処理水中に浸漬し、ガスを発生
させながら該被処理水の電気化学的処理を行う方法にお
いて、複数個の前記金属電極構造体を縦方向に積み重
ね、かつ各金属電極構造体を水平面に対して傾斜させた
ことを特徴とする被処理水の電気化学的処理方法(請求
項1)である。このような構成を採用することにより、
つまり金属電極構造体を傾斜させるという比較的簡単な
手法により、発生ガスの円滑な除去及びこれによる被処
理水の円滑な供給と処理が達成できる。
属電極ユニットを、電気絶縁性スペーサーを介して積層
した金属電極構造体を被処理水中に浸漬し、ガスを発生
させながら該被処理水の電気化学的処理を行う方法にお
いて、複数個の前記金属電極構造体を縦方向に積み重
ね、かつ各金属電極構造体を水平面に対して傾斜させた
ことを特徴とする被処理水の電気化学的処理方法(請求
項1)である。このような構成を採用することにより、
つまり金属電極構造体を傾斜させるという比較的簡単な
手法により、発生ガスの円滑な除去及びこれによる被処
理水の円滑な供給と処理が達成できる。
【0035】又金属電極ユニットが楕円孔又は菱形孔を
有する多孔性板である場合に該孔の長径に沿って金属電
極構造体を傾斜させるようにすると(請求項2)、ガス
抜けがより円滑に行える。使用するスペーサーはガス抜
けを良好にするために傾斜する上端側が開放された構造
(請求項3)、例えば複数本の帯状スペーサーを平行に
傾斜方向に沿って並べたり、あるいは「U」字状のスペ
ーサーを上端側が開放された構造になるよう配置するこ
とが望ましい。又前記金属電極構造体の傾斜に代え、又
はこれとともに隣接する金属電極構造体間の空間に案内
板を傾斜して設置すると(請求項4)、同様に発生ガス
の円滑な除去及びこれによる被処理水の円滑な供給と処
理が達成できる。
有する多孔性板である場合に該孔の長径に沿って金属電
極構造体を傾斜させるようにすると(請求項2)、ガス
抜けがより円滑に行える。使用するスペーサーはガス抜
けを良好にするために傾斜する上端側が開放された構造
(請求項3)、例えば複数本の帯状スペーサーを平行に
傾斜方向に沿って並べたり、あるいは「U」字状のスペ
ーサーを上端側が開放された構造になるよう配置するこ
とが望ましい。又前記金属電極構造体の傾斜に代え、又
はこれとともに隣接する金属電極構造体間の空間に案内
板を傾斜して設置すると(請求項4)、同様に発生ガス
の円滑な除去及びこれによる被処理水の円滑な供給と処
理が達成できる。
【図1】本発明方法に使用できる積み重ねた複数の金属
電極構造体の一実施形態を例示する縦断面図。
電極構造体の一実施形態を例示する縦断面図。
【図2】図1のA−A線横断面図。
【図3】図1のB−B線縦断面図。
【図4】本発明方法に使用できる積み重ねた複数の金属
電極構造体の他の実施形態を例示する縦断面図。
電極構造体の他の実施形態を例示する縦断面図。
1 金属電極ユニット 2 スペーサー 3 補強板 4 ボルト 5 ナット 6 支持杆 7 金属電極構造体 8 係合溝 9 導線 10 支持台 11 底面 12 案内板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 520 C02F 1/50 520L 520P 531 531P 531B 540 540B 550 550D 560 560F
Claims (4)
- 【請求項1】 触媒で表面処理した複数の金属電極ユニ
ットを、電気絶縁性スペーサーを介して積層して成る金
属電極構造体を被処理水中に浸漬し、ガスを発生させな
がら該被処理水の電気化学的処理を行う方法において、
複数個の前記金属電極構造体を縦方向に積み重ねかつ各
金属電極構造体を水平面に対して傾斜させたことを特徴
とする被処理水の電気化学的処理方法。 - 【請求項2】 金属電極ユニットが楕円孔又は菱形孔を
有する多孔性板から成り、前記孔の長径に沿って金属電
極構造体を傾斜させるようにした請求項1に記載の方
法。 - 【請求項3】 スペーサーの上向き傾斜する端部の少な
くとも一部を開放した請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 触媒で表面処理した複数の金属電極ユニ
ットを、電気絶縁性スペーサーを介して積層して成る金
属電極構造体を被処理水中に浸漬し、ガスを発生させな
がら該被処理水の電気化学的処理を行う方法において、
複数個の前記金属電極構造体を縦方向に積み重ねかつ隣
接する金属電極構造体間の空間に案内板を傾斜させて設
置したことを特徴とする被処理水の電気化学的処理方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11139859A JP2000325958A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 電気化学的水処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11139859A JP2000325958A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 電気化学的水処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000325958A true JP2000325958A (ja) | 2000-11-28 |
Family
ID=15255210
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11139859A Pending JP2000325958A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 電気化学的水処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000325958A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006142263A (ja) * | 2004-11-24 | 2006-06-08 | Proud:Kk | 有機排水処理方法および有機排水処理用電極反応槽 |
JP2006205139A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | Pentel Corp | 循環水制御方法 |
JP2008161795A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Ai Denshi Kogyo:Kk | オゾン水生成器 |
JP2009101259A (ja) * | 2007-10-21 | 2009-05-14 | Mk Kaihatsu Kk | 循環水及び循環水を使用する設備の防汚方法及び防汚装置 |
JP2010185018A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-08-26 | Hoshizaki Electric Co Ltd | 農作物用の洗浄液 |
CN102206833A (zh) * | 2010-03-31 | 2011-10-05 | 株式会社微酸性电解水研究所 | 一种电解方法及电解装置 |
JP2015188797A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-02 | 水青工業株式会社 | ガス溶存水生成装置 |
JP2016000376A (ja) * | 2014-06-11 | 2016-01-07 | 水青工業株式会社 | ガス溶存水生成装置 |
-
1999
- 1999-05-20 JP JP11139859A patent/JP2000325958A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006142263A (ja) * | 2004-11-24 | 2006-06-08 | Proud:Kk | 有機排水処理方法および有機排水処理用電極反応槽 |
JP2006205139A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | Pentel Corp | 循環水制御方法 |
JP2008161795A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Ai Denshi Kogyo:Kk | オゾン水生成器 |
JP2009101259A (ja) * | 2007-10-21 | 2009-05-14 | Mk Kaihatsu Kk | 循環水及び循環水を使用する設備の防汚方法及び防汚装置 |
JP2010185018A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-08-26 | Hoshizaki Electric Co Ltd | 農作物用の洗浄液 |
CN102206833A (zh) * | 2010-03-31 | 2011-10-05 | 株式会社微酸性电解水研究所 | 一种电解方法及电解装置 |
JP2015188797A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-02 | 水青工業株式会社 | ガス溶存水生成装置 |
JP2016000376A (ja) * | 2014-06-11 | 2016-01-07 | 水青工業株式会社 | ガス溶存水生成装置 |
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---|---|---|---|
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|
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