JP3520060B2 - 次亜塩素酸発生方法及び装置 - Google Patents

次亜塩素酸発生方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アノードとカソー
ド間に電流を流し、電解によって被処理水中に次亜塩素
酸を発生させる次亜塩素酸発生方法及び装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、特にプールなどにおいて使用
される被処理水は、貯留された水道水中に、消毒剤とし
て例えば塩素系の薬剤を投入し、被処理水の衛生を保っ
ている。しかし、係る薬剤投入の消毒方法では、常時、
被処理水中における薬剤の濃度を測定し、所定の値以下
の場合には、更に、薬剤を投入しなければ成らず、メン
テナンス作業が煩雑であるという問題があった。
【0003】一方、通常、被処理水の消毒、殺菌方法と
しては、電解により被処理水中に次亜塩素酸を発生さ
せ、係る次亜塩素酸による被処理水の殺菌が行われてい
る。この場合、例えば、被処理水が貯留されたプールな
どの近傍には、電解槽が設けられ、係る電解槽にて処理
された被処理水をプールに添加する。この電解槽には、
例えば一対の電極が処理水中に浸漬され、係る電極に電
圧を印加することにより、被処理水の電解を行う。
【0004】これにより、電解槽内の被処理水中に含ま
れる塩化物イオンが電解に供され、電極表面から、次亜
塩素酸が発生される。この次亜塩素酸により、被処理水
中に含有されるカビや細菌などの微生物の殺菌を行って
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、被処理水とし
て使用される水道水は、通常、塩素濃度が約20ppm
の希薄塩素水であるため、電解により次亜塩素酸を発生
させる場合、塩素発生効率が低く、実用には適さないと
いう問題があった。そのため、実用に適した塩素発生効
率を得るために、表面積の大きい貴金属電極又は多数の
貴金属電極を用いる必要があり、コストの高騰を招く問
題があった。更には、多数の電極を使用することによる
省エネルギー的問題を招いていた。
【0006】そこで、被処理水中に食塩などを添加した
濃塩素水を電解することにより、次亜塩素酸を発生させ
ることが考えられるが、係る場合には、被処理水の食塩
濃度が著しく高くなり、塩辛くなるという問題があっ
た。また、処理後の排水中に塩化物イオンが多量に含ま
れることにより、配管等に錆が発生しやすくなるため、
処理に問題があった。
【0007】また、電解槽で発生した被処理水をプール
内に貯留された被処理水中に添加するため、直接プール
内に貯留された被処理水が電極に接しない構成とされ
る。そのため、電極より直接生成される活性酸素などに
よる直接的な浄化効果が得られないという問題があっ
た。
【0008】そこで、本発明は従来の技術的課題を解決
するために成されたものであり、被処理水中に塩化物イ
オンを多く含むことなく、効率的に次亜塩素酸を発生さ
せ、被処理水の処理効率を向上させることができる次亜
塩素酸発生方法及び次亜塩素酸発生装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の次亜塩素酸発生
方法は、0.5cm以上2.0cm以下の間隔を存して
配置されたアノードとカソード間に前記カソードの電流
密度が0.5A/(dm) 2 以上2.0A/(dm) 2
下となるように電流を流し、被処理水を攪拌しながら
を行うことによって、塩化物イオンの濃度が1000
mg/l以下である前記被処理水中に次亜塩素酸を発生
させる次亜塩素酸発生方法において、前記アノードを構
成する材料として、貴金属又は金属酸化物を用いると共
に、前記カソードを構成する材料として、銅と亜鉛を含
有する合金又は、銅とニッケルを含有する合金を用いる
ことを特徴とする。
【0010】本発明によれば、アノードとカソード間に
電流を流し、電解によって被処理水中に次亜塩素酸を発
生させる次亜塩素酸発生方法であって、アノードを構成
する材料として貴金属又は金属酸化物を用いると共に、
被処理水の塩化物イオンの濃度を1000mg/l以下
とし、被処理水を攪拌しながら電解を行うので、従来比
して著しく次亜塩素酸の発生効率を向上させることがで
きるようになる。
【0011】これにより、実用に適した塩素発生効率を
得ることができるようになり、格別に表面積の大きい貴
金属電極や多数の貴金属電極を用いることなく、被処理
水の殺菌に適した次亜塩素酸を生成することができるよ
うになる。そのため、装置のコストの削減及び省エネル
ギー化を図ることができるようになる。
【0012】更に、被処理水の塩化物イオンの濃度を1
000mg/l以下とされるため、被処理水が塩辛くな
ることを未然に回避することができると共に、被処理水
が接触する配管等の錆の発生を解消することができるよ
うになる。
【0013】また、アノード及びカソードを、0.5c
m以上2.0cm以下の間隔を存して配置すると共に、
カソードの電流密度を、0.5A/(dm) 2 以上2.
0A/(dm) 2 以下とするので、通常、水道水の電解
によって生じるMg(OH) 2 の固形化及びカソードへ
の付着の反応速度を遅くすることにより、カソードへの
Mg(OH) 2 の固着を抑制することができるようにな
る。これにより、更に、次亜塩素酸発生効率を向上させ
ることができるようになる。
【0014】請求項2の発明の次亜塩素酸発生方法は、
請求項1の発明に加えて、被処理水の塩化物イオン濃度
を、100mg/l以上600mg/l以下とすること
を特徴とする。
【0015】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
に加えて、被処理水の塩化物イオン濃度を、100mg
/l以上600mg/l以下とするので、より一層、次
亜塩素酸発生効率を向上させることができるようにな
る。
【0016】請求項3の発明の次亜塩素酸発生方法は、
請求項1又は請求項2の発明に加えて、被処理水中に気
泡を発生させて当該被処理水を攪拌することを特徴とす
る。
【0017】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2の発明に加えて、被処理水中に気泡を発生させて
当該被処理水を攪拌するので、所謂プロペラにより構成
される攪拌手段によって被処理水を攪拌する場合と比し
て、著しく次亜塩素酸を生成することができるようにな
り、効率的に被処理水の殺菌を行うことができるように
なる。
【0018】請求項4の発明の次亜塩素酸発生方法は、
請求項1、請求項2又は請求項3の発明に加えて、アノ
ードを構成する材料として、白金、又は、イリジウム、
若しくは、パラジウムのうち少なくとも一つを含有する
導電性材料を用いることを特徴とする。
【0019】請求項4の発明によれば、請求項1、請求
項2又は請求項3の発明に加えて、アノードを構成する
材料として、白金、又は、イリジウム、若しくは、パラ
ジウムのうち少なくとも一つを含有する導電性材料を用
いるので、更にまた、次亜塩素酸発生効率を向上させる
ことができるようになる。
【0020】請求項5の発明の次亜塩素酸発生方法は、
請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の発明に加
えて、カソードの表面積を、少なくともアノードの表面
積よりも大きくすることを特徴とする。
【0021】請求項5の発明によれば、請求項1、請求
項2、請求項3又は請求項4の発明に加えて、カソード
の表面積を、少なくともアノードの表面積よりも大きく
するので、カソードの使用面積を拡張することができ、
電解によりカソード表面に生じるMg(OH) 2 などの
付着物による導電率の低下を回避することができるよう
になる。これにより、電解により生じる塩素及び次亜塩
素酸の発生効率を向上させることができるようになる。
【0022】請求項6の発明の次亜塩素酸発生装置は、
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5
の方法を実施するための次亜塩素酸発生装置であって、
被処理水中に浸漬されるアノード及びカソードと、被処
理水を攪拌するための攪拌手段を備え、アノードは板状
を呈すると共に、カソードはアノードを囲繞する形状と
され、当該カソードのアノードと平行に位置する平行部
は板状とされると共に、当該平行部以外の部分は、通水
性の構造とされていることを特徴とする。
【0023】請求項6の発明によれば、被処理水中に浸
漬されるアノード及びカソードと、被処理水を攪拌する
ための攪拌手段を備え、アノードは板状を呈すると共
に、カソードはアノードを囲繞する形状とされ、カソー
ドのアノードと平行に位置する平行部は板状とされると
共に、平行部以外の部分は、通水性の構造とされている
ので、カソードとアノード間に位置する被処理水に含ま
れる塩化物イオンが、アノードに向かって流れるため、
アノード周囲の塩化物イオン濃度を上昇させることがで
き、これにより、塩素発生効率を著しく向上させること
ができるようになる。
【0024】請求項7の発明の次亜塩素酸発生装置は、
請求項6の発明に加えて、カソードの平行部は所定の間
隔を存して複数設けられると共に、これら平行部間にそ
れぞれアノードが配置されていることを特徴とする。
【0025】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
に加えてカソードの平行部は所定の間隔を存して複数設
けられると共に、これら平行部間にそれぞれアノードが
配置されているので、被処理水が水道水などの希薄塩素
水であった場合でも、簡素な構造にて実用に適した次亜
塩素酸発生効率を得ることができる次亜塩素酸発生装置
を構成することができるようになる。
【0026】請求項8の発明の次亜塩素酸発生装置は、
請求項6又は請求項7の発明に加えて、被処理水の導電
率を検出する導電率検出手段を有する制御装置を備えた
ことを特徴とする。
【0027】請求項8の発明によれば、請求項6又は請
求項7の発明に加えて、被処理水の導電率を検出する導
電率検出手段を有する制御装置を備えたので、被処理水
の導電率に基づいて制御装置は被処理水の塩化物イオン
濃度を判別することができるようになる。これにより、
被処理水の塩化物イオン濃度を調整することが可能とな
る。
【0028】請求項9の発明の次亜塩素酸発生装置は、
請求項6又は請求項7の発明に加えて、アノード及びカ
ソード間の電流値を検出する電流値検出手段を有する制
御装置を備えたことを特徴とする。
【0029】請求項9の発明によれば、請求項6又は請
求項7の発明に加えて、アノード及びカソード間の電流
値を検出する電流値検出手段を有する制御装置を備えた
ので、電極間に流れる電流値に基づいて制御装置は、被
処理水の塩化物イオン濃度を判別することができるよう
になる。これにより被処理水の塩化物イオン濃度を調整
することが可能となる。
【0030】請求項10の発明の次亜塩素酸発生装置
は、請求項8又は請求項9の発明に加えて、飽和塩化ナ
トリウム水溶液、又は、飽和塩化カリウム水溶液、若し
くは、飽和塩化カルシウム水溶液を被処理水に投入する
ための塩化物イオン濃度調整手段を備え、制御装置は、
導電率検出手段が検出する被処理水の導電率、又は、電
流値検出手段が検出するアノード及びカソード間の電流
値に基づき、塩化物イオン濃度調整手段からの投入量を
制御することにより、被処理水の塩化物イオン濃度を調
整することを特徴とする。
【0031】請求項10の発明によれば、請求項8又は
請求項9の発明に加えて、飽和塩化ナトリウム水溶液、
又は、飽和塩化カリウム水溶液、若しくは、飽和塩化カ
ルシウム水溶液を被処理水に投入するための塩化物イオ
ン濃度調整手段を備え、制御装置は、導電率検出手段が
検出する被処理水の導電率、又は、電流値検出手段が検
出するアノード及びカソード間の電流値に基づき、塩化
物イオン濃度調整手段からの投入量を制御することによ
り、被処理水の塩化物イオン濃度を調整するので、判別
した濃度に基づいて自動的に被処理水の塩化物イオン濃
度を調整することができるようになる。
【0032】
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を詳述する。図1は本発明の次亜塩素酸発生方法
を実現するための次亜塩素酸発生装置1の概要を示す説
明図である。本実施例における次亜塩素酸発生装置1
は、例えばプールなどの図示しない貯留槽に貯留された
被処理水としての水道水の殺菌を行うものであり、該貯
留槽と連通して設けられる処理槽2に設置される。これ
ら貯留槽と処理槽2に貯留される被処理水は、図示しな
いポンプなどにより、貯留槽及び処理槽2内を循環され
る。
【0034】この処理槽2は、矩形体を呈しており、内
部には処理室5が形成される。この処理槽2の側壁を構
成する一面の下部には、前記貯留槽から流出された被処
理水を処理室5内に流入させるための流入口3が形成さ
れている。また、前記流入口3が形成される処理槽2の
側壁と対向する位置の側壁の上部には、処理室5内の被
処理水を貯留槽内に流出させるための流出口4が形成さ
れている。
【0035】そして、この処理室5内の被処理水中に
は、少なくとも一部が浸漬されるアノード6とカソード
7が配設されている。これらアノード6及びカソード7
には、これらアノード6及びカソード7に通電するため
の図示しない電源が設けられると共に、アノード6及び
カソード7及びこれらに流れる電流値を制御する制御装
置22が設けられる。
【0036】前記アノード6は、貴金属又は金属酸化
物、例えば白金、又は、イリジウム、若しくは、パラジ
ウムのうち少なくとも一つを含有する導電性材料により
構成される板状の電極である。尚、本実施例で用いるア
ノード6は、パラジウムにより構成される板状の電極で
あるものとする。
【0037】前記カソード7は、銅と亜鉛を含有する合
金又は、銅とニッケルを含有する合金により構成される
電極である。尚、本実施例で用いるカソード7は、銅と
亜鉛の合金である真鍮により構成される板状の電極であ
る。ここで、カソード7の板状電極は、少なくとも前記
アノード6よりも表面積の大きいものとする。
【0038】本実施例における次亜塩素酸発生装置1で
は、カソード7は、前記流入口3及び流出口4が形成さ
れた側壁に対し、面積の広い面、即ち平行部7Aが垂直
に成るように所定間隔を存して複数設置される。そし
て、これらカソード7の平行部7A間にそれぞれアノー
ド8が配置される。このとき、カソード7とアノード6
との間隔は、0.5cm以上2.0cm以下となるよう
に配置されるものとする。これにより、アノード8の面
積の広い面、即ち、平行部は、カソード7の平行部7A
により囲繞されるかたちとなる。
【0039】尚、このとき、カソード7とアノード6と
の間隔は、0.5cm以上2.0cm以下となるように
配置されているため、カソード7にて囲繞される被処理
水は、アノード6に向かって塩化物イオンが流れ易い状
態となり、アノード6周囲における塩化物イオンの濃度
が上昇される。そのため、アノード6における塩素発生
効率が向上し、これに伴って次亜塩素酸発生効率が向上
される。
【0040】以上の構成により、カソード7の平行部7
Aが所定の間隔を存して複数設けられると共に、これら
平行部7A間にそれぞれアノード6が配置されるとい
う、簡素な構造にて実用に適した次亜塩素酸発生効率を
得ることができる次亜塩素酸発生装置を構成することが
できるようになる。
【0041】更に、カソード7は、図2及び図3に示す
如く連結部材8、8により各カソード7の連結を行って
もよい。この連結部材8、8は、各カソード7の側面、
即ち前記処理槽2に形成される流入口3及び流出口4と
対向する面を連結するものであり、伝導性材料にて構成
される。また、この連結部材8、8は、前記伝導性材料
にて格子状に形成され、カソード7の平行部7A以外の
部分の通水性を確保することができる構成とされてい
る。
【0042】尚、本発明におけるカソード7は、上記実
施例以外に、アノード6と所定間隔を存してアノード6
の側面周囲を板状のカソード7により、例えば、360
度にわたって囲繞する円筒状又は、略円筒状を呈するも
のであってもよいものとする。
【0043】このとき、少なくともアノード6の表面積
を一番広く有する面、即ち、前面及び後面に対し平行に
位置するカソード7の平行部以外の部分は、通水性を有
する構造、例えば、網目構造又は孔構造とされているも
のとする。尚、これ以外に、カソード7全体が通水性を
有する構造とされていてもよいものとする。
【0044】これにより、カソード7にて囲繞される被
処理水は、アノード6に向かって塩化物イオンが流れる
構成とされるため、アノード6周囲における塩化物イオ
ンの濃度が上昇される。そのため、アノード6における
塩素発生効率が向上し、これに伴って次亜塩素酸発生効
率が向上される。
【0045】一方、処理室5の下部には、処理室5内の
被処理水を攪拌するための攪拌装置が設けられる。本実
施例におけるこの攪拌装置は、気泡を発生することによ
り被処理水の攪拌を行う気泡発生装置9により構成され
る。この気泡発生装置9の運転は、前記アノード6及び
カソード7の通電と連動して行うものとする。
【0046】一方、カソード7とアノード6との間に
は、図1に示す如く、被処理水の導電率を検出する導電
率検出手段として導電率センサ20が設けられており、
この導電率センサ20は、前記制御装置22に接続され
ているものとする。尚、この導電率センサ20に替わっ
てアノード6とカソード7間の電流値を検出する電流値
検出手段としての電流値検出装置21を制御装置22に
接続しても良いものとする。
【0047】一方、この制御装置22には、塩化物イオ
ン濃度調整手段としてのポンプ23が接続されている。
このポンプ23は、飽和塩化ナトリウム水溶液、又は飽
和塩化カリウム水溶液、若しくは、飽和塩化カルシウム
水溶液のいずれか又はこれらの混合物を受容した調整液
タンク24に接続されている。また、このポンプ23
は、運転されることにより、調整液タンク24内の水溶
液を前記処理槽2内に搬送するものである。
【0048】そして、制御装置22が、前記アノード6
及びカソード7に低電圧、例えば10Vを印加した状態
で、前記導電率センサ20により、被処理水の導電率が
所定の値より大きくなった場合には、前記ポンプ23を
作動し、調整液タンク24内の水溶液を処理槽2内に搬
送する。そして、導電率センサ20により、被処理水の
導電率が所定の値より小さくなった場合には、制御装置
22は、前記ポンプ23の作動を停止する。
【0049】これにより、被処理水の導電率に基づいて
被処理水の塩化物イオン濃度を判別し、所定の塩化物イ
オン濃度、本実施例では、1000mg/l以下の塩化
物イオン濃度に調整することができる。また、本実施例
では、制御装置22は、ポンプ23の運転制御により調
整液タンク24内の飽和塩化ナトリウム水溶液、又は飽
和塩化カリウム水溶液、若しくは、飽和塩化カルシウム
水溶液のいずれか又はこれらの混合物の処理槽内への投
入量を制御することができ、処理水を1000mg/l
以下の塩化物イオン濃度に自動的に調整することができ
るようになる。
【0050】尚、塩化物イオン濃度の調整は、前記導電
率センサ20の出力に基づいて行う以外に、上記アノー
ド6とカソード7との間の電流値を検出する前記電流値
検出装置21の出力に基づいて行っても良いものとす
る。即ち、制御装置22が、前記アノード6及びカソー
ド7に低電圧、例えば10Vを印加した状態で、電流値
検出装置21により、アノード6とカソード7間の通電
電流値が所定の値より大きくなった場合には、前記ポン
プ23を作動し、調整液タンク24内の水溶液を処理槽
2内に搬送する。
【0051】そして、電流値検出装置21によりアノー
ド6とカソード7間の通電電流値が、所定の値より小さ
くなった場合には、制御装置22は、前記ポンプ23の
作動を停止する。これにより、被処理水を所定の塩化物
イオン濃度、本実施例では1000mg/l以下の塩化
物イオン濃度に調整しても良い。
【0052】これにより、アノード6とカソード7間の
通電電流値に基づいて被処理水の塩化物イオン濃度を判
別し、1000mg/l以下の塩化物イオン濃度に調整
することができる。また、本実施例では、制御装置22
は、ポンプ23の運転制御により調整液タンク24内の
飽和塩化ナトリウム水溶液、又は飽和塩化カリウム水溶
液、若しくは、飽和塩化カルシウム水溶液のいずれか又
はこれらの混合物の処理槽内への投入量を制御すること
ができ、処理水を所定の塩化物イオン濃度に自動的に調
整することができるようになる。
【0053】そのため、特にプールなどに用いられる被
処理水が1000mg/lより多い場合には、プールの
水(被処理水)が塩辛くなると共に、プール周辺の配管
等に錆を生じるという問題があるが、本発明により、プ
ールの水(被処理水)が著しく高い塩分濃度となり、塩
辛くなることを未然に回避することができるようにな
る。また、配管等の錆を未然に回避することができるよ
うになる。
【0054】また、詳細は後述するように、より一層、
高い次亜塩素酸効率を得るため、被処理水の塩化物イオ
ンの濃度を100mg/l以上600mg/l以下に調
整しても良い。尚、本実施例では被処理水の塩化物イオ
ンの濃度は200mg/lであるものとする。また、被
処理水の塩化物イオンの濃度が200mg/lである場
合に、特に、塩化物イオンがアノードに向かって流れる
ため、塩素発生効率が最適なものとなり、これに伴っ
て、次亜塩素酸発生効率も最適なものとなる。
【0055】尚、本実施例では、被処理水の塩化物イオ
ン濃度を制御装置22により自動的に調整しているが、
これ以外に、管理人が被処理水の塩化物イオンを測定
し、これに対して、食塩等の塩化物イオン調整剤を添加
しても良い。尚、本発明では、食塩等の塩化物イオン調
整剤は、一旦調整されることにより、被処理水全体を新
規に貯留しない限り、再度塩化物イオン調整剤を加える
必要はない。
【0056】以上の構成により、処理槽2内の処理室5
にプールなどの貯留槽から被処理水を流入させ、処理槽
2に形成された流出口4の位置まで、貯留槽を貯留し、
前記制御装置により電源をONとし、各アノード6及び
カソード7に通電する。尚、このときの、カソード7の
電流密度は、0.5A/(dm)2以上2.0A/(d
m)2以下とされているものとする。
【0057】このとき、攪拌装置としての気泡発生装置
9も運転され、処理室5内に気泡を発生させ、これによ
り、被処理水の攪拌が行われるものとする。尚、貯留槽
から流入する被処理水は、常時、貯留槽から流入され、
処理室5内を循環したのに流出口4を介して貯留槽に帰
還するものとする。
【0058】これにより、被処理水中に含まれる微生物
は一般的に負電位に帯電していることから正電位とされ
たアノード6に引き寄せられるようになる。また、アノ
ード6では、被処理水中に所定量含まれる塩化物イオン
が電子を放出して塩素を生成する。その後、この塩素
は、水に溶解し次亜塩素酸を生成する。これにより、ア
ノード6の近傍ではこの塩素又は次亜塩素酸によって被
処理水中の微生物が殺菌されるようになる。
【0059】また、アノード6は、上述の如く白金、又
は、イリジウム、若しくは、パラジウムのうち少なくと
も一つを含有する伝導性材料により構成されていると共
に、カソード7は、銅と亜鉛を含有する合金又は、銅と
ニッケルを含有する合金により構成されているため、ア
ノード6及びカソード7の導電率を向上させることがで
き、塩素及び次亜塩素酸の発生効率を向上させることが
できるようになる。
【0060】更に、通常、被処理水としての水道水を電
解した場合に、カソード7近傍がアルカリ性となりMg
(OH)2などが溶解度との関係で固形化しカソード7
に付着し、カソード7の使用面積が減縮された場合であ
っても、上述の如くカソード7の表面積は、アノード6
の表面積よりも大きく形成されているため、カソード7
の使用面積を拡張することができ、導電率の低下を回避
することができるようになる。これにより、電解により
生じる塩素及び次亜塩素酸の発生効率を向上させること
ができるようになる。
【0061】ここで、被処理水の塩化物イオンの濃度に
対する塩素発生効率について、図4を参照して説明す
る。図4は、アノード6に白金イリジウムを使用してお
り、カソード7にチタンを使用している。
【0062】これによると、被処理水である水道水をそ
のままの塩化物イオン濃度でアノード6及びカソード7
に通電し、電解を行った場合、通常の水道水の塩化物イ
オン濃度は、約20mg/lであるため、塩素発生効率
は約30%であることが分かる。
【0063】これに対し、被処理水に含まれる塩化物イ
オン濃度を100mg/lに調整し、電解を行うと塩素
発生効率は約43%であった。また、被処理水に含まれ
る塩化物イオン濃度を200mg/lに調整し、電解を
行うと塩素発生効率は約50%であった。更に、被処理
水に含まれる塩化物イオン濃度を400mg/lに調整
し、電解を行うと塩素発生効率は約58%であり、塩化
物イオン濃度を600mg/lに調整し、電解を行った
場合であっても塩素発生効率は約60%であった。
【0064】これにより、被処理水の塩化物イオン濃度
は、塩素発生効率が実用に適さないほど低い水道水に対
して、塩化物イオン濃度が100mg/l以上600m
g/l以下である場合に、塩素発生効率が高いことが分
かる。そのため、塩化物イオン濃度が100mg/l以
上600mg/l以下である被処理水では、効率的に塩
素を発生することができ、これに伴い、塩素が水に溶解
することにより生成される次亜塩素酸を効率的に発生さ
せることができるようになる。
【0065】また、次亜塩素酸は、酸化還元反応により
塩素に戻るため、一旦、被処理水の塩化物イオン濃度が
調整された後は、新たに塩化物イオン濃度を調整する必
要が無く、メンテナンス作業性を向上させることができ
るようになる。
【0066】次に、図5を参照して、カソード7に用い
られる伝導性材料の違いに対する塩素発生効率について
説明する。図5は各カソード7に対する塩素発生効率を
示した表である。図5では各カソード7に対し、アノー
ド6は、パラジウムにより構成されていると共に、処理
室5下部に設置された気泡発生装置9により被処理水の
攪拌を行いながら電解を行っている。
【0067】これにより、従来の次亜塩素酸発生装置に
おいて使用された白金とイリジウムの合金を用いたカソ
ードでは、塩素発生効率は76%であった。また、チタ
ンをカソードに用いた場合の塩素発生効率は79%であ
った。これに対し、カソード7に銅と亜鉛の合金である
真鍮を用いた場合の塩素発生効率は、91%であり、銅
とニッケルの合金をカソード7に用いた場合の塩素発生
効率は86%であった。
【0068】これにより、カソード7を構成する導電性
材料を銅と亜鉛の合金又は銅とニッケルの合金とするこ
とにより、より一層塩素発生効率を向上させることがで
きるようになる。これに伴い、次亜塩素酸の発生効率を
向上させることができ、効率的に被処理水の殺菌を行う
ことができるようになる。
【0069】次に、カソード7の電流密度に対する塩素
発生効率について、図6を参照して説明する。図6で
は、アノード6はパラジウムにより構成されていると共
に、カソード7は銅と亜鉛の合金である真鍮により構成
されている。また、処理室5下部に設置された気泡発生
装置9により被処理水の攪拌を行いながら電解を行って
いる。
【0070】これによると、カソード7の電流密度が約
0.8A/(dm)2である場合の塩素発生効率は約9
0%であり、カソード7の電流密度が約1.3A/(d
m) 2である場合の塩素発生効率は約83%であり、カ
ソード7の電流密度が約1.8A/(dm)2である場
合の塩素発生効率は約86%であった。
【0071】これは、被処理水である水道水の電解によ
り生じるカソード7へのMg(OH)2の固形化及び付
着の反応速度は、カソード7の電流密度に依存するため
である。そのため、カソード7の電流密度を0.5A/
(dm)2以上2.0A/(dm)2とすることにより、
カソード7へのMg(OH)2の固形化及び付着の反応
速度を遅くし、カソード7へのMg(OH)2の固着を
抑制することができるようになる。これにより、更に、
次亜塩素酸発生効率を向上させることができるようにな
る。
【0072】また、被処理水の攪拌による塩素発生効率
について説明する。従来の次亜塩素酸発生装置、即ち、
アノード6及びカソード7に白金とイリジウムの合金を
用い、カソード7の電流密度を約1.8A/(dm)2
とした場合ににおける塩素発生効率は、約12%であっ
た。
【0073】また、アノード6にパラジウムを用い、カ
ソード7に銅と亜鉛の合金である真鍮を用いた場合の次
亜塩素酸発生装置であって、塩素発生効率が最適である
と考えられるカソード7の電流密度を0.8A/(d
m)2とした場合の塩素発生効率は約60%であった。
【0074】これに対し、本発明における次亜塩素酸発
生装置において、アノード6にパラジウムを用い、カソ
ード7に銅と亜鉛の合金である真鍮を用い、処理槽2の
下部に、所謂プロペラの回転により被処理水の攪拌を行
う攪拌装置により、被処理水の攪拌を行いながら、電解
を行った場合の塩素発生効率は約80%であった。尚、
この場合におけるカソード7の電流密度は0.8A/
(dm)2であったものとする。
【0075】これにより、他の条件は同じであるとし
て、攪拌装置によって被処理水の攪拌を行いながら被処
理水の電解を行った場合と、攪拌を行わずに被処理水の
電解を行った場合とでは、明らかに攪拌を行った場合の
方が塩素発生効率が高いことが分かる。
【0076】そのため、被処理水の攪拌を行いながら電
解を行うことにより、高効率にて塩素を発生させること
ができるようになり、これに伴って、塩素が水に溶解す
ることにより、次亜塩素酸を高効率で得ることができる
ようになる。これにより、高効率で発生する次亜塩素酸
により、効率的に被処理水の除菌を行うことができるよ
うになる。
【0077】これに対し、他の条件は、上記と同様に、
即ちアノード6にパラジウムを用い、カソード7に銅と
亜鉛の合金である真鍮を用い、前記プロペラによる攪拌
装置に変わって、処理槽2の下部に、気泡を発生させる
ことにより被処理水の攪拌を行う気泡発生装置9によ
り、被処理水の攪拌を行いながら、電解を行った場合の
塩素発生効率は約90%であった。尚、この場合におけ
るカソード7の電流密度は0.8A/(dm)2であっ
たものとする。
【0078】これにより、他の条件は同じであるとし
て、プロペラによる攪拌装置によって被処理水の攪拌を
行いながら電解を行った場合と、気泡発生装置9によっ
て被処理水の攪拌を行いながら電解を行った場合とで
は、明らかに気泡により被処理水の攪拌を行った場合の
方が塩素発生効率が高いことが分かる。
【0079】そのため、被処理水の攪拌を気泡により行
いながら電解を行うことにより、高効率にて塩素を発生
させることができるようになり、これに伴って、塩素が
水に溶解することにより、より一層、次亜塩素酸を高効
率で得ることができるようになる。これにより、高効率
で発生する次亜塩素酸により、効率的に被処理水の除菌
を行うことができるようになる。
【0080】尚、本実施例では、複数のアノード6及び
カソード7を用いて被処理水の塩素及び次亜塩素酸の発
生を行い、殺菌処理を行っているが、一対のアノード6
及びカソード7によっても実用に適した塩素発生効率及
び次亜塩素酸発生効率を得ることができるようになる。
【0081】これにより、格別に表面積の大きい貴金属
電極や多数の貴金属電極を用いることなく、被処理水の
殺菌に適した次得安粗餐を生成することができるように
なる。そのため、装置のコスト削減及び省エネルギー化
を図ることができるようになる。
【0082】尚、本実施例では、プールに貯留される被
処理水における次亜塩素酸の発生方法又は装置について
説明したが、これ以外に本発明の次亜塩素酸発生方法及
び装置は、例えば、生け簀や水槽、風呂などに貯留され
る被処理水であっても同様の効果を得ることができるも
のとする。
【0083】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、0.
5cm以上2.0cm以下の間隔を存して配置された
ノードとカソード間に前記カソードの電流密度が0.5
A/(dm) 2 以上2.0A/(dm) 2 以下となるよう
電流を流し、被処理水を攪拌しながら電解を行うこと
によって、塩化物イオンの濃度が1000mg/l以下
である前記被処理水中に次亜塩素酸を発生させる次亜塩
素酸発生方法において、前記アノードを構成する材料と
して、貴金属又は金属酸化物を用いると共に、前記カソ
ードを構成する材料として、銅と亜鉛を含有する合金又
は、銅とニッケルを含有する合金を用いるので、従来比
して著しく次亜塩素酸の発生効率を向上させることがで
きるようになる。
【0084】これにより、実用に適した塩素発生効率を
得ることができるようになり、格別に表面積の大きい貴
金属電極や多数の貴金属電極を用いることなく、被処理
水の殺菌に適した次亜塩素酸を生成することができるよ
うになる。そのため、装置のコストの削減及び省エネル
ギー化を図ることができるようになる。
【0085】そして、被処理水の塩化物イオンの濃度を
1000mg/l以下とされるため、被処理水が塩辛く
なることを未然に回避することができると共に、被処理
水が接触する配管等の錆の発生を解消することができる
ようになる。
【0086】更に、アノード及びカソードを、0.5c
m以上2.0cm以下の間隔を存して配置すると共に、
カソードの電流密度を、0.5A/(dm) 2 以上2.
0A/(dm) 2 以下とするので、通常、水道水の電解
によって生じるMg(OH) 2 の固形化及びカソードへ
の付着の反応速度を遅くすることにより、カソードへの
Mg(OH) 2 の固着を抑制することができるようにな
る。これにより、更に、次亜塩素酸発生効率を向上させ
ることができるようになる。
【0087】請求項の発明によれば、請求項1の発明
に加えて、被処理水の塩化物イオンの濃度を、100m
g/l以上600mg/l以下とするので、より一層次
亜塩素酸発生効率を向上させることができるようにな
る。
【0088】請求項の発明によれば、請求項1又は
求項2の発明に加えて、被処理水中に気泡を発生させて
当該被処理水を攪拌するので、所謂プロペラにより構成
される攪拌手段によって被処理水を攪拌する場合と比し
て、著しく次亜塩素酸を生成することができるようにな
り、効率的に被処理水の殺菌を行うことができるように
なる。
【0089】請求項4の発明によれば、請求項1、請求
項2又は請求項3の発明に加えて、アノードを構成する
材料として、白金、又は、イリジウム、若しくは、パラ
ジウムのうち少なくとも一つを含有する導電性材料を用
いるので、更にまた、次亜塩素酸発生効率を向上させる
ことができるようになる。
【0090】請求項の発明によれば、請求項1、請求
項2、請求項3又は請求項4の発明に加えて、カソード
の表面積を、少なくともアノードの表面積よりも大きく
するので、カソードの使用面積を拡張することができ、
電解によりカソード表面に生じるカルキなどの付着物に
よる導電率の低下を回避することができるようになる。
これにより、電解により生じる塩素及び次亜塩素酸の発
生効率を向上させることができるようになる。
【0091】請求項の発明によれば、被処理水中に浸
漬されるアノード及びカソードと、被処理水を攪拌する
ための攪拌手段を備え、アノードは板状を呈すると共
に、カソードはアノードを囲繞する形状とされ、カソー
ドのアノードと平行に位置する平行部は板状とされると
共に、平行部以外の部分は、通水性の構造とされている
ので、カソードとアノード間に位置する被処理水に含ま
れる塩化物イオンが、アノードに向かって流れるため、
アノード周囲の塩化物イオン濃度を上昇させることがで
き、これにより、塩素発生効率を著しく向上させること
ができるようになる。
【0092】請求項の発明によれば、請求項の発明
に加えてカソードの平行部は所定の間隔を存して複数設
けられると共に、これら平行部間にそれぞれアノードが
配置されているので、簡素な構造にて実用に適した次亜
塩素酸発生効率を得ることができる次亜塩素酸発生装置
を構成することができるようになる。
【0093】請求項の発明によれば、請求項又は請
求項の発明に加えて、被処理水の導電率を検出する導
電率検出手段を有する制御装置を備えたので、被処理水
の導電率に基づいて制御装置は被処理水の塩化物イオン
濃度を判別することができるようになる。これにより、
被処理水の塩化物イオン濃度を調整することが可能とな
る。
【0094】請求項の発明によれば、請求項又は請
求項の発明に加えて、アノード及びカソード間の電流
値を検出する電流値検出手段を有する制御装置を備えた
ので、電極間に流れる電流値に基づいて制御装置は、被
処理水の塩化物イオン濃度を判別することができるよう
になる。これにより被処理水の塩化物イオン濃度を調整
することが可能となる。
【0095】請求項10の発明によれば、請求項又は
請求項の発明に加えて、飽和塩化ナトリウム水溶液、
又は、飽和塩化カリウム水溶液、若しくは、飽和塩化カ
ルシウム水溶液を被処理水に投入するための塩化物イオ
ン濃度調整手段を備え、制御装置は、導電率検出手段が
検出する被処理水の導電率、又は、電流値検出手段が検
出するアノード及びカソード間の電流値に基づき、塩化
物イオン濃度調整手段からの投入量を制御することによ
り、被処理水の塩化物イオン濃度を調整するので、判別
した濃度に基づいて自動的に被処理水の塩化物イオン濃
度を調整することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の次亜塩素酸発生装置の概略説明図であ
る。
【図2】カソードの斜視図である。
【図3】次亜塩素酸発生装置の概略図である。
【図4】塩化物イオン濃度に対する塩素発生効率を示す
図である。
【図5】各種カソードに対する塩素発生効率を示した表
である。
【図6】各条件におけるカソードの電流密度に対する塩
素発生効率を示す図である。
【符号の説明】
1 次亜塩素酸発生装置 2 処理槽 3 流入口 4 流出口 5 処理室 6 アノード 7 カソード 7A 平行部 8 連結部材 9 気泡発生装置 20 導電率センサ 21 電流値検出装置 22 制御装置 23 ポンプ 24 調整液タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河内 基樹 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開2000−42557(JP,A) 特開 平7−256264(JP,A) 特開 平7−313985(JP,A) 特開2000−254651(JP,A) 特開2000−218271(JP,A) 特開 平4−94785(JP,A) 特開2001−170641(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/46 C25B 1/26 C25B 9/00 C25B 11/02 C25B 11/08

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.5cm以上2.0cm以下の間隔を存
    して配置されたアノードとカソード間に前記カソードの
    電流密度が0.5A/(dm) 2 以上2.0A/(d
    m) 2 以下となるように電流を流し、被処理水を攪拌し
    ながら電解を行うことによって、塩化物イオンの濃度が
    1000mg/l以下である前記被処理水中に次亜塩素
    酸を発生させる次亜塩素酸発生方法において、 前記アノードを構成する材料として、貴金属又は金属酸
    化物を用いると共に、 前記カソードを構成する材料として、銅と亜鉛を含有す
    る合金又は、銅とニッケルを含有する合金を用いること
    を特徴とする次亜塩素酸発生方法。
  2. 【請求項2】前記被処理水の塩化物イオン濃度を、10
    0mg/l以上600mg/l以下とすることを特徴と
    する請求項1の次亜塩素酸発生方法。
  3. 【請求項3】前記被処理水中に気泡を発生させて当該被
    処理水を攪拌することを特徴とする請求項1又は請求項
    2の次亜塩素酸発生方法。
  4. 【請求項4】前記アノードを構成する材料として、白
    金、又は、イリジウム、若しくは、パラジウムのうち少
    なくとも一つを含有する導電性材料を用いることを特徴
    とする請求項1、請求項2又は請求項3の次亜塩素酸発
    生方法。
  5. 【請求項5】前記カソードの表面積を、少なくとも前記
    アノードの表面積よりも大きくすることを特徴とする
    求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の次亜塩素酸
    発生方法。
  6. 【請求項6】前記被処理水中に浸漬される前記アノード
    及びカソードと、前記被処理水を攪拌するための攪拌手
    段を備え、 前記アノードは板状を呈すると共に、 前記カソードは前記アノードを囲繞する形状とされ、当
    該カソードの前記アノードと平行に位置する平行部は板
    状とされると共に、当該平行部以外の部分は、通水性の
    構造とされている ことを特徴とする請求項1、請求項
    2、請求項3、請求項4又は請求項5の方法を実施する
    ための次亜塩素酸発生装置
  7. 【請求項7】前記カソードの平行部は所定の間隔を存し
    て複数設けられると共に、 これら平行部間にそれぞれ前記アノードが配置 されてい
    ることを特徴とする請求項6の次亜塩素酸発生装置。
  8. 【請求項8】前記被処理水の導電率を検出する導電率検
    出手段を有する制御装置を備えたことを特徴とする請求
    項6又は請求項7の次亜塩素酸発生装置。
  9. 【請求項9】前記アノード及びカソード間の電流値を検
    出する電流値検出手段を有する制御装置を備えたことを
    特徴とする請求項又は請求項の次亜塩素酸発生装
    置。
  10. 【請求項10】飽和塩化ナトリウム水溶液、又は、飽和
    塩化カリウム水溶液、若しくは、飽和塩化カルシウム水
    溶液を前記被処理水に投入するための塩化物イオン濃度
    調整手段を備え、 前記制御装置は、前記導電率検出手段が検出する前記被
    処理水の導電率、又は、前記電流値検出手段が検出する
    前記アノード及びカソード間の電流値に基づき、前記塩
    化物イオン濃度調整手段からの投入量を制御することに
    より、前記被処理水の塩化物イオン濃度を調整する こと
    を特徴とする請求項又は請求項の次亜塩素酸発生装
    置。
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