JP4716617B2 - 水処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、プール、浴場の浴槽といった大型の水槽から、ビルの屋上などに配置される給水槽、一般家庭用の浴槽といった小型の水槽まで、種々の水槽に貯留された被処理水を滅菌処理することができる、新規な水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば屋内外に設置されたプール、あるいは旅館の浴場や公衆浴場における浴槽などは、その水質を維持するために定期的に、いわゆるカルキ(サラシ粉、高度サラシ粉)や次亜塩素酸ソーダ(NaCIO)の水溶液を投入して滅菌処理をする必要がある。
【0003】
しかし従来は、この作業を、プールや浴場の従業者などが手作業で行っており、しかもカルキや次亜塩素酸ソーダの水溶液は刺激性を有するため、とくに営業時間内に投入する際には十分に注意しながら作業を行わねばならないなど、処理をするのに大変な労力を要するという問題があった。
【0004】
そこで、本願出願人は、上述のような各水槽に貯留された被処理水を電解槽に導き、電気化学反応により滅菌処理する水処理装置を発明した。この発明した水処理装置では、電極を有する電解槽へ被処理水を供給し、被処理水に対して電気化学反応(いわゆる電気分解)を施す。施された電気化学反応により、塩素ガス、次亜塩素酸(HCIO)、次亜塩素酸イオン等が発生し、それらが被処理水に溶けることによって、被処理水が滅菌されるようになっている。
【0005】
そして、このように電解槽を用い、電気化学反応により水槽内の被処理水を滅菌する水処理装置として、本願出願人は先に特開2001-170638の如く水処理装置を提案した。この水処理装置では、NACL溶液が貯留されたNACL槽からNACL溶液を電解槽に導入し、被処理水に溶けているNACL濃度を高めて電気分解反応を促進するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に食塩水を電気分解して次亜塩素酸を生成する場合、濃度の高い食塩水を電気分解した方が効率が良い。しかし、上記構成のように、電気分解反応を促進させるために被処理水にNACL溶液を添加して電解槽内の塩分濃度を高めると、電気分解されずにそのまま水槽に戻される未反応のままの塩分も多くなるので、水槽内の被処理水の塩分濃度が上昇する。水槽の塩分濃度が上昇すると、水が塩辛いと使用者から苦情がでたり、塩分による配管材の腐食の問題が懸念されるので、水槽に補給水を行って、塩分の濃度を薄めて水槽の水質改善を行う必要があった。
【0007】
しかし、上記NACL溶液は消耗するのでその補給を行わなければならず、また、上記の補給水には上水を使用することから、水槽の維持管理において、経済的に不利であった。
【0008】
本発明はこの点に着目してなされたものであって、その目的とするところは、水質を向上し、且つ補給水や電気分解反応促進用の補給塩分の使用量を削減できる水処理装置および水処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被処理水を貯留する水槽と、循環ポンプにより前記被処理水を循環させる主循環経路と、前記被処理水を電気化学反応によって滅菌処理する電解槽と、前記主循環経路から分岐して前記被処理水を前記電解槽に送ると共に、前記電解槽で滅菌処理された前記被処理水を前記主循環経路に還流させる水処理経路と、前記被処理水に含まれる溶解性物質を濃縮分離する濃縮装置と、前記主循環経路から分岐して前記被処理水を前記濃縮装置に送ると共に、前記濃縮装置を透過した透過水を前記主循環経路に還流させる脱塩経路と、前記濃縮装置で濃縮分離された濃縮液を前記電解槽に供給する供給路とを備え、上記課題を解決するものである。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、従来は電解槽に供給された電解質溶液(塩分)のうち、電気分解されずに電解槽を通過した塩分を多く含んだ被処理水によって、水槽の塩分濃度が高くなる虞があったが、濃縮装置によって塩分が除去されるので、水槽の塩分濃度の上昇を抑えることができる。
【0011】
特に、濃縮装置によって被処理水から分離濃縮された濃縮水中には、高濃度の塩分や濃縮された溶解性の汚れ成分が含まれており、電解槽において、この塩分を多く含んだ濃縮液を電気分解することにより、電気分解反応が促進され被処理水の滅菌が効果的に行われるようになる。しかも、電解槽に供給される高濃度の塩分は被処理水にもともと含まれている塩分を濃縮したものであるので、新たに塩分を添加することなく効率的に電気分解を行うことができるようになると共に、水槽の被処理水全体としての塩分濃度が上昇しないので、補給水を必要とせず経済的に有利となる。
【0012】
また、塩分を多く含む濃縮液は貯留槽に貯えられ、被処理水供給経路から導かれた被処理水でもって希釈される。これにより、電解槽における電気分解に対して最も効率的となる塩分濃度となるように、濃縮液の濃度が調整される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形態にかかる水処理装置1を、プールや浴場の浴槽などの大型の水槽2に組みこんだ構造を簡略化して示す図である。
【0014】
図に見るように水槽2には、循環ポンプ22によって多量の被処理水を常時、図中二重実線の矢印で示す方向に循環させるための主循環経路20が設置されている。
【0015】
21は砂ろ過のためのフィルター、23は熱交換器である。水処理装置1の水処理経路10は、図中実線の矢印で示すように、上記主循環経路20の、フィルター21と熱交換器23の間の分岐点J1から分岐して、複数枚の電極板からなる電極組E1と、微細気泡除去用のフィルター12とを内蔵した、電解槽を兼ねる気液分離槽13を経たのち、上記分岐点J1より下流側の合流点J2で、再び上記主循環経路20に合流するように接続されている。
【0016】
上記水処理経路10の分岐点J1から気液分離槽13に至る途上には順に、開閉弁B1、流量調節のための調整弁B2、脱塩経路40への分岐点J3、調整弁B3、流量計S1、電磁弁B4、導電率センサ11、残留塩素センサ26、被処理水送水路への分岐点J4、塩素イオンを含む電解質溶液の供給路との合流点J5、および逆止弁B10が配置されている。また、上記のうち調整弁B2と調整弁B3との間の位置には、分岐点J3で分岐して循環ポンプP3及び濃縮装置30を介した後ポンプP4を通って気液分離槽13の下流側の合流点J6で水処理経路10に合流する脱塩経路40が接続されている。
【0017】
この脱塩経路40に設けられた前記濃縮装置30にはこの濃縮装置30で分離された濃縮液を前記気液分離槽13へ導くための導入路41の一端が接続され、他端は貯留槽42に接続されている。
【0018】
前記濃縮装置30内では脱塩経路40によって導かれた被処理水が内部に設けられた逆浸透膜31によって濃縮分離される。具体的には、循環ポンプP3によって加圧された被処理水が濃縮装置30の逆浸透膜31に送られる。この逆浸透膜31では、被処理水中に溶解している各種有機物やイオン類が除去されて水質が向上した透過水と、逆に各種有機物やイオン類が濃縮されて水質が低下した濃縮液とに分離される。そして逆浸透膜31を透過した透過水はそのまま脱塩経路40を通って合流点J6で水処理経路10に合流し、水槽2に戻される。一方、逆浸透膜31を透過しなかった濃縮液は導入路41に導かれて貯留槽42に送られる。
【0019】
前記水処理経路10の分岐点J4、J5にはそれぞれ被処理水送水路43と電解質溶液供給路44とが配置されており、この被処理水送水路43と電解質溶液供給路44は、いずれも貯留槽42に接続されている。また、被処理水送水路43上には電磁弁B6が、そして電解質溶液供給路44には貯留槽42内の電解質溶液を気液分離槽13に送り込むためのポンプP2が配置されている。
【0020】
前記貯留槽42には、前記濃縮装置30で被処理水から分離濃縮された高濃度の塩分や濃縮された被処理水の汚れ成分を含む濃縮液が貯留されている。この貯留槽42内の塩分などの電解質溶液は、被処理水送水路43から供給される被処理水でもって撹拌、希釈されて所望濃度の電解質溶液となるように、導電率センサ11によって測定された被処理水のイオン濃度や、電極組E1に流れる電流値等に基づいて制御される。
【0021】
水処理経路10の、気液分離槽13から合流点J2に至る途上には順に、気液分離槽13内から被処理水を送出することで、被処理水を水処理経路10内で循環させるための送出用ポンプP1、流量計S4、調整弁B7、逆流防止のための逆止弁B8、流量調整のための調整弁B9が配置されている。
【0022】
気液分離槽13は、その主体をなす箱状の槽本体13と、この槽本体13の上部開口を塞いで気液分離槽13の上面部を構成する蓋体13eとで構成されており、このうち槽本体13内は、前述した微細気泡除去用のフィルター12によって、3つの気液分離領域13a、13b、13cに区画されている。
【0023】
そしてこの3つの気液分離領域13a、13b、13cのうち、最上流側の気液分離領域13a内に、前述した複数枚の電極板からなる電極組E1が配置されて、気液分離槽13が、電気化学反応のための無隔膜の電解槽として兼用されている。また最下流側の気液分離領域13cの底部には、被処理水の送出口13dが形成されており、この送出口13dからの、水処理経路10の後半部分を形成する配管上に、前述した送出用ポンプP1が配置されている。
【0024】
蓋体13eのうち、気液分離領域13cの直上位置には、フィルター12で被処理水から分離された、微細気泡に起源するガスを槽外へ強制的に排出するための、吸い込み型のブロアF1を途中に配置した排気管34が接続されており、一方、気液分離領域13aの直上位置には、上記ブロアF1によって、槽外へ排出されるガスに代えて、槽内に空気を導入するための、図示しない空気導入口が形成されているとともに、水処理経路10の前半部分を形成する配管が接続されている。
【0025】
また、蓋体13eの略中央位置には、気液分離領域13a内の水位を一定範囲に制御する水位検出手段としての水位センサW1が配置されている。図2は図1に示す水処理装置の電気的な構成を示すブロック図である。水処理装置には、マイクロコンピュータなどで構成された制御部45が備えられていている。残留塩素センサ26、導電率センサ11、水位センサW1の出力は制御部45へ与えられる。制御部内にはメモリ、及びタイマが備えられている。
【0026】
制御部45ではこれら与えられる検知信号に応じ、予め定める動作プログラムに従って水処理装置1の動作を制御する。具体的には、制御信号をドライバ46へ与え、そしてドライバ46は、与えられる信号に基づいて、電極組E1への通電出力(通電電流)、通電時間等の通電制御を行い、かつ各弁B1〜B11の開閉および調整、並びに各ポンプP1〜P4、22の駆動制御、ブロアモータF1の通電制御を行う。
【0027】
上記各部を備えた水処理装置1を用いて、水槽2内の被処理水を滅菌処理するには、まず循環ポンプ22を作動させて、主循環経路20内を、図1に二重実線の矢印で示すように多量の被処理水を常時、循環させながら、送出用ポンプP1〜P4を作動させるとともに、弁B1〜B11を開く。
【0028】
そうすると、主循環経路20内を循環している被処理水の一部が、水処理経路10内に流入して、まず調整弁B2を通って流量が調整され、ついで流量計S1で流量が、そして残留塩素センサ26で残留塩素濃度が、それぞれ測定される。上記調整弁B2による流量の調整は、流量計S1の測定流量に応じて調整される。
【0029】
次に被処理水は、気液分離槽13の最上流側の気液分離領域13aに送られて、当該領域13a内で、残留塩素センサ26によって測定された残留塩素濃度の測定結果などに基づいて電極組E1に通電することで、電気化学反応によって滅菌処理されたのち、フィルター12を透過して下流側の気液分離領域13cに順次、送られて行く間に、前記のフィルター12によって微細気泡が除去されて、見た目もきれいな澄んだ状態とされる。
【0030】
また、この際に被処理水から除去された微細気泡に起源するガスは、ブロアF1を運転することで発生する、空気導入口(図示せず)から流れる空気の流れに乗って気液分離槽13内から除去され、排気管34を通って、室外へ排出される。
【0031】
一方、滅菌処理が完了し、微細気泡が除去された被処理水は、送出用ポンプP1の働きによって、最下流側の気液分離領域13cから、その底部に設けた送出口13dを通って槽外に送出され、流量計S4、調整弁B7、逆止弁B8、および調整弁B9を通って合流点J2で主循環経路20に戻され、水槽2に還流される。
【0032】
また、水処理経路10に流入した被処理水の一部は、分岐点J3で脱塩経路40に流入して、循環ポンプP3で加圧された後、濃縮装置30に送られて濃縮装置30の逆浸透膜31でもって透過水と濃縮水とに分離される。
【0033】
逆浸透膜31を透過した透過水は循環ポンプP4によって合流点J6で水処理経路10に戻され、水槽2に環流される。一方、逆浸透膜31を透過しなかった濃縮液は調整弁B11を通って貯留槽42に送られる。
【0034】
この濃縮液には、遊泳者や入浴者などの水槽の利用者によって持ち込まれた不純物(例えば、汗に由来する塩化ナトリウム等の各種塩類、各種細菌類、各種ウイルスなど)が高濃度で存在する。そのため、この貯留槽42に溜められた濃縮液は必要に応じて被処理水を混合することで希釈される。
【0035】
即ち、貯留槽42内に溜められた濃縮液には前述のように塩化ナトリウム等の電解質が高濃度で存在しているので、前記導電率センサ11によって測定されたイオン濃度や電極組E1に流れる電流値などに基づいて、気液分離槽13における電気分解処理が効率的に行われるような電解質溶液濃度となるように、被処理水送水路43から供給された被処理水と混合されて希釈される。貯留槽42内で所定濃度に希釈された濃縮液は、電解質溶液供給路44を通って分岐点J5で水処理経路10に送り込まれて被処理水に混合された後、気液分離槽13内に供給される。
【0036】
気液分離槽13内では、貯留槽42から供給された濃縮液に含まれる電解質によって、電気化学反応が効率的に行われる他、貯留槽42から供給された濃縮液には、被処理水から分離された汚れ成分が濃縮されて存在するので、電気分解によって発生する活性酸素や次亜塩素酸が効率よく利用されて、その酸化、殺菌作用でもって、濃縮液が混合された被処理水が効果的に滅菌される。
【0037】
特に、電気分解によって発生する活性酸素は寿命が非常に短い為、電気分解によって発生した直後に汚れ成分と反応しないと、滅菌効力を失ってしまう性質を有するが、気液分離槽13内に直接高濃度の汚れ成分を供給する構成によって、より一槽効果的な滅菌が行えるようになる。
【0038】
図3はこの発明の他の実施例にかかる水処理装置の構成を示す図である。この水処理装置1の先の例との主な相違点は、気液分離槽13を備えた水処理経路10に代えて、バッチ処理用電解槽14を有した点にある。
【0039】
このバッチ処理用電解槽14には、複数枚の電極板からなる電極組E2が内蔵されており、このバッチ処理用電解槽14内に食塩などの塩素イオンを含み且つ電気化学反応を促進する作用を有する電解質の水溶液を満たした状態で、電極組E2に通電して一定時間前記電解質溶液を電解処理することで、滅菌作用を有する滅菌液を製造し、製造した滅菌液を貯留タンク14dに貯留するようになっている。そして、貯留タンク14d内の滅菌液を随時主循環路20に供給するための供給経路35が接続されている。
【0040】
詳しくは、分岐点J1で主循環路20から分岐して開閉弁B1と、脱塩経路への分岐点J7と、被処理水送水路への分岐点J8と、調整弁B11と、電磁弁B12と、塩素イオンを含む電解質溶液の供給路との合流点J9と、バッチ処理用電解槽14と、送出用ポンプP9とを経た後、逆止弁B13、調整弁B14を通って再び主循環路20と合流するように、供給経路35が形成されている。
【0041】
また、前記供給経路35の前記電磁弁B12とバッチ処理用電解槽14との間に位置する分岐点J9には、後述する塩水タンク50からの供給路51が定量ポンプP6を介して接続されている。前記塩水タンク50には、電磁弁B11の上流に位置する分岐点J8において前記供給経路35から分岐した被処理水送水路52が接続されており、調整弁B15を介して電磁弁B16と水位センサーW3によって常に一定水位となるように被処理水が供給される。
【0042】
また、前記開閉弁B1と調整弁B11との間の位置には、分岐点J7で分岐して循環ポンプP7および濃縮装置30を介して循環ポンプP8、逆止弁B17を通った後、合流点J11で主循環経路20に合流する脱塩経路40が接続されている。
【0043】
この脱塩経路40に設けられた前記濃縮装置30には、濃縮装置30と前記塩水タンク50とをつなぐ導入路53が接続されており、濃縮装置30で分離濃縮された濃縮液は導入路53を介して塩水タンク50へ送出される。一方、濃縮装置30を透過した透過水は脱塩経路40の後半の配管を通り、循環ポンプP8によって主循環経路20に合流した後、水槽2に戻される。
【0044】
バッチ処理用電解槽14は、その主体となる箱状のケース本体14aと、このケース本体14aの上部開口を塞いでバッチ処理用電解槽14の上面部を構成する蓋体14bとで構成されている。ケース本体内には電解槽14cとなる方形状の樹脂製箱が別区画で設けられており、ケース本体内の前記電解槽14c以外の空間は電解槽14cで生成された滅菌液を貯留するための貯留タンク14dとして兼用されている。
【0045】
前記電解槽14cには複数枚の電極板からなる電極組E2が無隔膜の状態で配置されており、前記塩水タンク50からの濃縮液と主循環路20からの被処理水とで生成された電解質溶液を電解槽14c内に供給するための供給経路35の前半部分の配管が、前記蓋体14bを貫通して電解槽14c内に挿入されている。
【0046】
前記貯留タンク14dを兼用するケース本体14aの最下流側には、滅菌液の供給経路35の後半部分の配管がその吸込口35aを貯留タンク14dの底部に位置させて配置されており、途中に送出用ポンプP9が接続されている。
【0047】
また、本体ケース14aの最下流側の直上位置の蓋体14bには、電解槽14cでの電解により発生したガスを、本体ケース14a外へ強制的に排出するための吸込み型のブロアF2を途中に配置した排気管33が接続されている。
【0048】
また、蓋体14bの略中央位置には、貯留タンク14d内の滅菌液の水位を一定範囲に制御する水位検出手段としての水位センサW2が配置されている。定量ポンプP6および電磁弁B12が駆動されて電解質溶液が電解槽14cに供給されると、電解槽14c内では供給された電解質溶液が電気分解されて次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンからなる滅菌液が製造される。そして製造された滅菌液が電解槽14cに満水となり電解槽14c上部より溢れて、電解槽14c周囲に配置されている貯留タンク14dに貯えられる。
【0049】
上記水位センサW2は、貯留タンク14dの滅菌液の水位を検知して、定量ポンプP6の駆動および電磁弁B12の開閉を調整することで、電解槽14cに流入する電解質溶液の流入量を調節し、それによって電解槽14cから溢れ出す滅菌液を制御して、貯留タンク14dに供給される滅菌液の量を調節し、貯留タンク14d内の滅菌液の水位を所定水位に制御するものである。
【0050】
上記バッチ処理用電解槽14を備えた水処理装置の動作は次の通りである。水槽2内の水は循環ポンプ22で汲み出され、フィルタ21で有機物が除去された後、分岐点J1で熱交換器23を通って水槽2に還流される水と、供給経路35へ流入する水とに分かれる。
【0051】
そして、供給経路35に流入した水の一部は分岐点J7で脱塩経路40に流入し、循環ポンプP7によって加圧されて濃縮装置30に送られる。濃縮装置30では、内部に設けられた逆浸透膜31によって透過水と濃縮水とに分離される。
【0052】
逆浸透膜31を透過した透過水は循環ポンプP8によって合流点J11で主循環路20に戻され、水槽2に環流される。一方、逆浸透膜31を透過しなかった濃縮液は調整弁B18を通って塩水タンク50に送られる。
【0053】
塩水タンク50に送られる濃縮液には上述の如く被処理水に溶解している汚れ成分や塩分が濃縮されて含まれているので、塩水タンク50に溜められた濃縮液は必要に応じて被処理水を混合することで希釈される。
【0054】
即ち、塩水タンク50内に溜められた濃縮液には塩化ナトリウム等の電解質が高濃度で存在しているので、電極組E2に流れる電流値に基づき定量ポンプP6の流量及び電磁弁B12の開閉を調整することで電解槽14cにおける電気分解処理が効率的に行われるような所定の電解質溶液濃度となるように電解槽14cに供給される電解質溶液の濃度が最適値となるように調整が行われる。
【0055】
即ち、分岐点J1から供給経路35に流入した被処理水の一部は調整弁B15、電磁弁B16を通って塩水タンク50へ送られ、塩水タンク50に予め投入されていた電解質を含む濃縮液を希釈して前記所定濃度の電解質溶液を生成し、ポンプP6の働きによって分岐点J9で供給経路35に送り込まれた後、電解槽14cへ供給される。電解槽14cに送られた電解質溶液は、電解槽14c内で電極組E2に通電することで高濃度の滅菌液となった後、貯留タンク14dに順次送られる。
【0056】
このとき、塩水タンク50から供給された濃縮液には、被処理水から分離された汚れ成分が濃縮されて存在するので、電気分解によって発生する活性酸素や次亜塩素酸によって効果的に滅菌される。
【0057】
そして、貯留タンク14dが所定水位になったら電解質溶液の供給を停止しそのまま待機する。貯留タンク14d内に貯留された滅菌液は、残留塩素センサ(図示せず)によって測定された水槽2内の残留塩素濃度の測定結果などに基づいて、必要に応じて送出用ポンプP9の働きによって、随時、吸込口35aを通ってバッチ処理用電解槽14外に送出され、合流点J2で主循環経路20に戻され、水槽2に還流される。
【0058】
尚、本実施例では、濃縮装置に逆浸透膜を利用したが、これに限らず、例えば、濃縮装置に蒸留装置を利用して、純水と塩分や汚れ成分が濃縮された濃縮液とに分離することによっても上記実施例と同様の効果を得ることができるようになる。
【0059】
また、濃縮装置としてイオン交換樹脂を利用しても良い。イオン交換樹脂は使用するに伴い、被処理水中のイオンや種々の汚れ成分により次第に劣化し、イオン交換能力が弱くなるが、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を別々にイオン交換樹脂に接触させることによってイオン交換樹脂を再生し、再生に用いた塩酸と水酸化ナトリウムを混合した溶液は塩化ナトリウム水溶液となるので、これを電解槽に供給して電気分解反応に利用するようにしても良い。
【0060】
この発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる水処理装置を簡略化して示す図である。
【図2】図1の水処理装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の他の実施形態にかかる水処理装置を簡略化して示す図である。
【符号の説明】
1 水処理装置
2 水槽
13 気液分離槽(電解槽)
30 濃縮装置
Claims (5)
- 被処理水を貯留する水槽と、循環ポンプにより前記被処理水を循環させる主循環経路と、前記被処理水を電気化学反応によって滅菌処理する電解槽と、前記主循環経路から分岐して前記被処理水を前記電解槽に送ると共に、前記電解槽で滅菌処理された前記被処理水を前記主循環経路に還流させる水処理経路と、前記被処理水に含まれる溶解性物質を濃縮分離する濃縮装置と、前記主循環経路から分岐して前記被処理水を前記濃縮装置に送ると共に、前記濃縮装置を透過した透過水を前記主循環経路に還流させる脱塩経路と、前記濃縮装置で濃縮分離された濃縮液を前記電解槽に供給する供給路とを備えたことを特徴とする水処理装置。
- 前記濃縮装置で濃縮分離された濃縮液を貯留する貯留槽を前記供給路の途中に備えたことを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
- 前記主循環経路から分岐した前記被処理水を前記貯留槽に供給する被処理水送水路を備えたことを特徴とする請求項2に記載の水処理装置。
- 前記濃縮装置は、被処理水中に溶解した塩分を濃縮分離することを特徴とする請求項3に記載の水処理装置。
- 前記濃縮装置は逆浸透膜を備えていることを特徴とする請求項4に記載の水処理装置。
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