JP2006289304A - 電気化学的水処理電極ユニット、電気化学的水処理電極構造体及び電気化学的水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の金属電極を使用する水処理では、金属電極にスケール成分が析出して有効電極面積が減少し、更に複数の金属電極の組立てにボルトを使用するため煩雑であった。スケール析出が殆ど無く、組立て及び分解の容易な電気化学的水処理用電極構造体を提供する。
【解決手段】 方形の金属電極11とその一辺に嵌合された絶縁性スペーサー12から成る複数の電極ユニット13を、前記絶縁スペーサーが交互に逆方向を向くように積層した電極構造体15。スケールが析出しやすい金属電極の部分をスペーサーで覆っているためスケール析出が抑制され、ボルトを使用しないため、組立て及び分解が容易である。
【選択図】 図3
【解決手段】 方形の金属電極11とその一辺に嵌合された絶縁性スペーサー12から成る複数の電極ユニット13を、前記絶縁スペーサーが交互に逆方向を向くように積層した電極構造体15。スケールが析出しやすい金属電極の部分をスペーサーで覆っているためスケール析出が抑制され、ボルトを使用しないため、組立て及び分解が容易である。
【選択図】 図3
Description
本発明は、各種用水の電気化学的処理に使用できる水処理用電極ユニット、水処理用電極構造体及び水処理用装置に関し、より詳細には複数の金属電極を使用してスクラバー水等の微生物を含む被処理水を処理して清澄化する際の金属電極表面へのスケール析出を最小限に抑制するとともに、前記複数の金属電極の組み立てを容易に行うことができる水処理用電極ユニット、水処理用電極構造体及び水処理用装置に関する。
純水、工業用水、井戸水、風呂水、プ−ル水、冷却水、洗浄水、生活排水、工場排水等の各種用水には程度の差こそあれ細菌等の各種微生物が棲息し、またミネラル等の無機物質や有機物質が溶解している。これらの水溶液は適度な養分を含むことから、該水溶液が微生物の繁殖に適した温度条件下に置かれると、微生物が繁殖し、水質低下を起こしたり、前記各水溶液が流通する配管等の内壁に微生物が付着、蓄積して前記配管を有する機器の機能を損なうことが多い。これら各種の用水では必要とされる殺菌レベルは異なるが、いずれの用水でも水中微生物数を低減させて水質の改良を行うことが必要とされている。
このような各種用水を殺菌処理する方法として、薬剤処理、オゾン処理、活性炭処理、紫外線照射処理、加熱処理等の種々の処理法が被処理水の種類に応じて選択して用いられている。しかし、いずれの方法も処理効果、操作性、安全性および環境負荷等の問題を抱え、満足の得られる方法ではなかった。
例えば、各種用水中の微生物の繁殖を抑制するための主流技術である薬剤による殺菌処理法は、その毒性から法的にも使用が厳しく規制される状況にあり、薬剤を取り扱う作業者の安全性や薬剤を含む被処理水が系外に排出された場合の環境汚染の問題などを抱えている。
例えば、各種用水中の微生物の繁殖を抑制するための主流技術である薬剤による殺菌処理法は、その毒性から法的にも使用が厳しく規制される状況にあり、薬剤を取り扱う作業者の安全性や薬剤を含む被処理水が系外に排出された場合の環境汚染の問題などを抱えている。
紫外線照射による殺菌処理法は一過性の殺菌で色度を有する水や多量のSSを含む水の殺菌には不十分であることが多い。
このように従来より用いられている殺菌処理法では処理効率の問題または安全性の問題があり、満足できる結果は得られなかった。
このように従来より用いられている殺菌処理法では処理効率の問題または安全性の問題があり、満足できる結果は得られなかった。
このような従来技術の欠点を解消するための薬剤等を使用しない新規な水処理方法として、多孔性金属電極を使用する電気化学的な水処理装置が提案されている。
この水処理装置に使用される電極として数種のタイプのものが提案されているが、最も効率的な電極は、チタン金網(ラス)等の複数の多孔性金属電極をドーナツ状又は額縁状のスペーサーを介して積層して構成した電極構造体であり、該電極構造体を筒状等の電解槽内に収容し、被処理水を該電解槽内に供給して前記金属電極に接触させて酸化あるいは還元作用により水の殺菌等の水の改質を行うようにしている。
この水処理装置に使用される電極として数種のタイプのものが提案されているが、最も効率的な電極は、チタン金網(ラス)等の複数の多孔性金属電極をドーナツ状又は額縁状のスペーサーを介して積層して構成した電極構造体であり、該電極構造体を筒状等の電解槽内に収容し、被処理水を該電解槽内に供給して前記金属電極に接触させて酸化あるいは還元作用により水の殺菌等の水の改質を行うようにしている。
この他に、複数の平板電極を縦向きに設置した業務用大型電気化学的水処理装置がある。図8に示す通り、複数の電極板、図示の例では、2枚の正極板1と2枚の負極板2を交互に組み合わせ、隣接する各電極板1、2間の四隅に丸形の塩化ビニル製スペーサー3を配置し、各電極板及び前記スペーサー3にボルト締め付け孔4を貫通させてボルトで締め付けて電極構造体5を構成している。そして2枚の正極板1の上部の図の右側に突出する部分に正極板用給電孔6が、2枚の負極板2の上部の図の左側に突出する部分に負極板用給電孔7がそれぞれ穿孔され、各給電孔6、7には、正極給電棒及び負極給電棒(図示略)が嵌合され、給電が行われる。
この電極構造体は前述の通りスペーサーや電極に締め付け用ボルト孔の穿孔が必要で、ボルト孔の穿孔が煩雑であるだけでなく、当該ボルト孔の近傍の端面部分(図8の斜線部分)にスケール成分が析出し易く、平板電極間に印加する電圧が高いと電極腐食が発生し易い。つまり正極板1の左端と負極板用給電孔7に挿入された負極給電棒間、及び負極板2の右端と正極板用給電孔6に挿入された正極給電棒間で放電し、前記斜線部分にスケールが析出しやすくなる。特に図8の例では、スケールが析出しやすい電極板1、2端部の被処理水の流れが中央より遅く、スケール析出が加速される。
スケール成分が発生した電極は、例えば塩酸水溶液でスケールを溶解し洗浄除去するが、塩酸が劇薬で作業が危険であること、及びボルトの着脱等が煩雑でメンテナンスの作業性が悪くなるといった問題点がある。
この電極構造体は前述の通りスペーサーや電極に締め付け用ボルト孔の穿孔が必要で、ボルト孔の穿孔が煩雑であるだけでなく、当該ボルト孔の近傍の端面部分(図8の斜線部分)にスケール成分が析出し易く、平板電極間に印加する電圧が高いと電極腐食が発生し易い。つまり正極板1の左端と負極板用給電孔7に挿入された負極給電棒間、及び負極板2の右端と正極板用給電孔6に挿入された正極給電棒間で放電し、前記斜線部分にスケールが析出しやすくなる。特に図8の例では、スケールが析出しやすい電極板1、2端部の被処理水の流れが中央より遅く、スケール析出が加速される。
スケール成分が発生した電極は、例えば塩酸水溶液でスケールを溶解し洗浄除去するが、塩酸が劇薬で作業が危険であること、及びボルトの着脱等が煩雑でメンテナンスの作業性が悪くなるといった問題点がある。
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、複数の金属電極ユニットを含み各電極ユニットを簡便に組立てて電気化学的水処理用電極を構成でき、しかもスケール析出量を低減させることのできる前記電極ユニットと水処理用電極構造体及び当該構造体を有する水処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、方形の金属電極、及び当該金属電極の少なくとも一辺の側面、上面及び下面に接触する絶縁性スペーサーを含んで成ることを特徴とする電気化学的水処理用電極ユニット、及び方形の金属電極、及び当該金属電極の一辺の側面、上面及び下面に接触する絶縁性スペーサーを含んで成る複数の電解用電極ユニットを、前記絶縁スペーサーが交互に逆方向を向くように積層したことを特徴とする電気化学的水処理用電極構造体、及び方形の平板状金属電極、及び当該金属電極の一辺の側面、上面及び下面に接触する絶縁性スペーサーを含んで成る複数の電気化学的水処理用電極ユニットを、前記絶縁スペーサーが交互に逆方向を向くように積層した電気化学的水処理用電極構造体を、前記平板状金属電極が被処理水の流れに対して平行に向くようにケーシング内に設置したことを特徴とする電気化学的水処理装置である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明では、複数の金属電極ユニットを積層して電気化学的水処理用電極構造体を構成する際に、新規なスペーサーを使用することにより、従来のようにボルト締めによらず電極ユニットの積層を可能にし、かつスケールの析出しやすい金属電極ユニットの部分をスペーサーで遮蔽してスケール析出を最小限に抑制する。
本発明では、複数の金属電極ユニットを積層して電気化学的水処理用電極構造体を構成する際に、新規なスペーサーを使用することにより、従来のようにボルト締めによらず電極ユニットの積層を可能にし、かつスケールの析出しやすい金属電極ユニットの部分をスペーサーで遮蔽してスケール析出を最小限に抑制する。
本発明における金属電極とは、チタン、タンタル、ニオブ、タングステン等の耐食性金属基体上に、金属系の触媒、例えば白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、ロジウム、鉛、ニッケル又はそれらの酸化物や導電性ダイヤモンドを単独又は混合物又は合金(例えばステンレス)として被覆した電極を意味する。
この金属電極は、平板状でも多孔性でも良い。被処理水の流れに対して金属電極を平行に設置する場合には電極面積を増加させるために平板電極が好ましく、直角方向に設置する場合には、液抜けを向上させるために多孔性電極とすることが好ましい。
この金属電極は、平板状でも多孔性でも良い。被処理水の流れに対して金属電極を平行に設置する場合には電極面積を増加させるために平板電極が好ましく、直角方向に設置する場合には、液抜けを向上させるために多孔性電極とすることが好ましい。
この場合の「多孔」とは、被処理水の流通に対する抵抗が殆ど零である程度の開口を有することを意味し、金網状、エクスパンドメッシュ状、パンチングメタル状、格子状等の形状がある。例えばエクスパンドメッシュを使用する場合、その開口サイズは短径が1.0〜6.0mm、長径が2.0〜12mm程度になるように調節することが好ましい。多孔性電極は平板状電極に比べて表面積が大きく被処理効率が高くなる。
多孔性電極は、それぞれの開口部表面積の総和を、該電極の表面積総和と開口部表面積の総和を加えた電極全面積で除した値の百分率で定義される開口率が10〜80%であることが好ましい。開口率が10%未満であると圧力損失が大きくかつ目詰まりが起こりやすくなるからであり、80%を超えると電極強度に支障が生じ変形や破損が生ずることがあり、又金属電極と被処理水の接触が不十分になることがあるからであり、目詰まり及び接触効率の両者を勘案して適切な開口率を設定することが望ましい。
本発明で使用する絶縁性スペーサーは、前記金属電極の少なくとも1辺、好ましくは1辺のみの側面、上面及び下面に接触するように設置して前記金属電極と一体化して金属電極ユニットを構成する。前記絶縁性スペーサーは被処理水に対する耐久性や通電時の安定性を考慮して樹脂製、特にポリ塩化ビニル(PVC)樹脂製とすることが好ましい。樹脂製のスペーサーは弾力があり、金属電極に弾性的に嵌合するため、他の手段を講ずることなく、絶縁性スペーサーと金属電極が強固に結合される。
この金属電極ユニットを積層するには、好ましくは、各金属電極ユニットの絶縁性スペーサーが交互に逆方向を向くようにする。1辺にのみ絶縁性スペーサーを装着した金属電極ユニットの場合、絶縁性スペーサーを装着した辺の金属電極ユニットの厚さは絶縁性スペーサーの厚さに等しく、対向辺の厚さは金属電極の厚さに等しい。このような金属電極ユニットを絶縁性スペーサーが交互に逆方向を向くように積層して電気化学的水処理用電極を構成すると、両端の厚さが実質的に同一になり、積層状態が安定する。
この金属電極ユニットを積層するには、好ましくは、各金属電極ユニットの絶縁性スペーサーが交互に逆方向を向くようにする。1辺にのみ絶縁性スペーサーを装着した金属電極ユニットの場合、絶縁性スペーサーを装着した辺の金属電極ユニットの厚さは絶縁性スペーサーの厚さに等しく、対向辺の厚さは金属電極の厚さに等しい。このような金属電極ユニットを絶縁性スペーサーが交互に逆方向を向くように積層して電気化学的水処理用電極を構成すると、両端の厚さが実質的に同一になり、積層状態が安定する。
この絶縁性スペーサーは基本的に隣接する金属電極間の電気絶縁を確保するためのもので、該電気絶縁性が保証されれば材質に限定はない。更に前記絶縁性スペーサーは金属電極の1辺全部を被覆するように装着することが望ましく、金属電極の上面及び下面との接触面積はスケール析出部の全部又は殆どを覆うように設定すれば良い。なお当該絶縁性スペーサーの厚さは1〜10mm程度であることが望ましい。
金属電極が多孔板例えばチタンラスの場合は前記絶縁性スペーサーは金属電極の強度補強の役割も果たす。このスペーサーは隣接する金属電極を電気的に絶縁するとともに、金属電極間に空間を形成し被処理水の流通と電解により生ずることのある酸素ガスや水素ガスのガス抜けを良好にする機能を有する。金属電極表面で生成する前記ガスは被処理水が前記金属電極表面に接触することを阻害し、かつ各金属電極への通電効率を低下させる。しかしスペーサーの存在により生成ガスが隣接する金属電極間の空間から金属電極の周囲へ容易に移動して水処理効率を上昇させる。なお本発明はガス発生を伴う処理に限定されるものではない。
金属電極が多孔板例えばチタンラスの場合は前記絶縁性スペーサーは金属電極の強度補強の役割も果たす。このスペーサーは隣接する金属電極を電気的に絶縁するとともに、金属電極間に空間を形成し被処理水の流通と電解により生ずることのある酸素ガスや水素ガスのガス抜けを良好にする機能を有する。金属電極表面で生成する前記ガスは被処理水が前記金属電極表面に接触することを阻害し、かつ各金属電極への通電効率を低下させる。しかしスペーサーの存在により生成ガスが隣接する金属電極間の空間から金属電極の周囲へ容易に移動して水処理効率を上昇させる。なお本発明はガス発生を伴う処理に限定されるものではない。
この水処理用電極構造体は積層された各金属電極が縦方向又は横方向のいずれに位置した状態でも使用でき、前記両端の絶縁性スペーサーが対向する壁面に接触するようにケーシング内に設置すれば、他の電極構造体固定手段を用いなくても良い。
本発明の金属電極ユニットでは、絶縁性スペーサーを設置した対向辺に、凹状溝を切り欠き、この凹状溝に直接給電棒などの給電体を接続し、又は補助電極を介して間接的に接続して、金属電極ユニットへの給電を行うことが望ましい。その際には、給電体に最も近い反対電位の電極板にスケールが析出しやすくなるが、前記金属電極ユニットではこのスケール析出が起こりやすい個所がスペーサーで覆われているため、スケール析出を実質的に防止できる。
本発明の金属電極ユニットでは、絶縁性スペーサーを設置した対向辺に、凹状溝を切り欠き、この凹状溝に直接給電棒などの給電体を接続し、又は補助電極を介して間接的に接続して、金属電極ユニットへの給電を行うことが望ましい。その際には、給電体に最も近い反対電位の電極板にスケールが析出しやすくなるが、前記金属電極ユニットではこのスケール析出が起こりやすい個所がスペーサーで覆われているため、スケール析出を実質的に防止できる。
複数の金属電極とスペーサーから成るこの電極構造体は、金属電極の枚数を変えることにより、供給する原料水の量や電解部内のスペースの状況により比較的自由にその厚さを増減させることができ、あるいは損傷した金属電極ユニットの交換ができる。その増減又は交換は、複数の金属電極ユニットの相互の位置関係がボルト等により固定されていないため、容易に行うことができる。例えば金属電極が縦方向に延びている場合は、単一の金属電極ユニットのみを取り出し更に新規の金属電極ユニットを挿入することができるため、金属電極ユニットの交換は極めて容易である。
積層された各金属電極ユニットへの給電は、単一電源又は複数の電源を使用してモノポーラタイプ又はバイポーラタイプにより行う。被処理水の電気伝導率が低い場合には、極間距離を小さくしないと電解に必要な電流が流れないのでモノポーラタイプ通電が適している。他方被処理水の電気伝導率が高い場合には、端子電極間の極間距離を大きく取れるので、中間電極を差し込んだバイポーラタイプ通電が好ましく、これにより金属電極の反応面積を大きくでき、同じ電気容量のトランスでも、中間電極1枚(2セル)で2倍、中間電極2枚(3セル)で3倍の反応面積となる(無効電流は無視)。電気伝導率が300μs/cm以上の被処理水の電気化学的処理の場合、バイポーラタイプ通電で効率良い処理ができる。電気伝導率が大きいほど、中間電極の数を増やして反応セル数を多くできる。
クーリングタワー水、温泉水、RO濃縮水のような電気伝導率が大きい被処理水の場合は、バイポーラタイプ通電が望ましく、同じ電流容量の直流電源で効率良く電気化学的水処理を行える。経済的には直流電源トランスの電流容量が小さい方が安価であり経済的メリットが大きい。
クーリングタワー水、温泉水、RO濃縮水のような電気伝導率が大きい被処理水の場合は、バイポーラタイプ通電が望ましく、同じ電流容量の直流電源で効率良く電気化学的水処理を行える。経済的には直流電源トランスの電流容量が小さい方が安価であり経済的メリットが大きい。
このような構成から成る電極構造体を収容した電気化学的水処理装置は、前述した通り、ボルト等による締着あるいは固定が不要であり、簡便に組み立てられる。この装置に被処理水を流しながら電極間に通電すると、被処理水中の微生物等が直接電極に接触して殺菌されるか、被処理水中に含まれる塩素等の電解により殺菌能力を有する次亜塩素酸イオン等の活性種が生成してこの活性種が前記微生物を殺菌して水処理が行われ、併せて水質改善が行われることがある。前記微生物としては、細菌(バクテリア)、糸状菌(黴)、酵母、変性菌、単細胞の藻類、原生動物、ウイルス等が含まれ、水質改善には、アンモニア等の不純物の分解などが含まれる。
電極構造体における電気化学的殺菌又は活性種生成は、安全面の理由で直流電圧42V以下で通電して行うことが望ましく、又電流密度が0.1〜2.0A/dm2 程度になるようにすると最適の効率が得られる。これは0.1A/dm2 未満では充分な殺菌や活性種生成が行われないことがあり、2.0A/dm2 を越えると電極寿命が短くなることがあるからである。
電極構造体における電気化学的殺菌又は活性種生成は、安全面の理由で直流電圧42V以下で通電して行うことが望ましく、又電流密度が0.1〜2.0A/dm2 程度になるようにすると最適の効率が得られる。これは0.1A/dm2 未満では充分な殺菌や活性種生成が行われないことがあり、2.0A/dm2 を越えると電極寿命が短くなることがあるからである。
前記電極構造体の金属電極にガス発生が生じる電流を供給すると、生成ガスは被処理水中に対流を生じさせ、この対流により被処理水全体を万遍なく金属電極表面に接触させて殺菌又は活性種生成効率を高めることができる。
本発明で活性種を生成させる場合は、その種類は処理すべき被処理水に応じて決定すれば良く、例えば次亜塩素酸イオン、オゾン、過酸化水素及び活性酸素等が含まれる。次亜塩素酸イオンを製造するためには、塩素イオン濃度の高い水道水、工業用水、地下水等には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化水素等の塩素含有化合物の添付無しでも可能であるが、塩素イオン濃度の低い水道水、工業用水、地下水、雨水、河川水、イオン交換水、純水等の場合には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化水素等の塩素含有化合物を添加することにより、効率良い製造が可能である。
オゾン水製造も同様にして行えば良いが、無隔膜型電解の場合、陽極酸化により生成するオゾンが対極である陰極に接触すると分解しやすく生成効率が低下することがある。
過酸化水素水も同様にして製造すれば良いが、無隔膜型電解の場合、陰極還元により生成する過酸化水素が対極である陽極に接触すると分解しやすく生成効率が低下することがある。
過酸化水素水も同様にして製造すれば良いが、無隔膜型電解の場合、陰極還元により生成する過酸化水素が対極である陽極に接触すると分解しやすく生成効率が低下することがある。
本発明に使用する電極構造体は長期間の運転に耐え洗浄は殆ど必要ないが、洗浄を行う場合には過酸化水素、キレート剤、無機酸や有機酸を用いたpH3以下の酸性水、pH9以上のアルカリ水のいずれかを単独で又は交互に流しても良い。
更に前述の通り本発明の電極構造体は個別に取り出せるため、ケーシングから取り出して洗浄しても良い。
更に前述の通り本発明の電極構造体は個別に取り出せるため、ケーシングから取り出して洗浄しても良い。
本発明の対象とする被処理水には、硬度成分が低く、より具体的にはCaCO3換算の全硬度で200mg/L以下で有害不純物(例えばフッ酸、シアン、酢酸等の有機物)を実質的に含まない水道水、工業用水、地下水、イオン交換水、純水、雨水などを含み、これら以外に白金族金属やその酸化物を溶解するシアンイオン含有メッキ用水、白金族金属やその酸化物、及びチタン等を溶解するフッ酸を含有するスクラバー水、白金族金属やその酸化物を溶解する酢酸等の有機物を含有する洗浄水、硬度成分が多いクーリングタワー濃縮水、各種不純物を含有する浄化処理前の工場循環水等が含まれるが、これらに限定されず、例えば次の用水が含まれる。
自然環境中の淡水や海水、人工的に作製された水溶液、希釈用水等、更に具体的な例としては、水道水、浄水、井戸水、雨水、回収水、加湿水、排水、側溝水、貯水、海水(微生物の制菌と貝殻、藻類、水母等の殺菌)、池の水、プール水、ボイラー水、高架水槽、飲料水、風呂水、ガス吸収塔水、冷却水、温水、水耕栽培水、噴水、写真現像液、養魚用水(鑑賞魚、養殖魚)、鑑賞動物及び養殖鳥用水、水エマルジョン、製紙用水、温泉水、砂糖液、果汁希釈水、染料インク希釈水、水溶性塗料希釈水、水溶性化粧品希釈水、酒希釈水、牛乳希釈水、ジュース希釈水、お茶希釈水、豆乳希釈水、入れ歯保管制菌水、コンタクトレンズ保管制菌水、歯ブラシ保管制菌水、各種化学物質含有水溶液、火力又は原子力発電所用水等、更に水中微生物個数をゼロにすることが必要又は好ましい食品用水、医薬品用水、磁気記録用ハードディスク洗浄用水、半導体洗浄用水、自動販売機水等も含まれ、更に岸壁、パイプや各種取水の殺菌用水の前処理用にも使用できる。
本発明の電気化学的水処理用電極構造体単独で被処理水処理を行っても十分な効果を生ずるが、前記処理を紫外線殺菌、オゾン殺菌、薬剤殺菌等と併用すると更に確実に短時間で被処理水の処理を行うことができる。
このように本発明によると、前述した被処理水に含まれる多種の微生物や有害不純物を効率良く殺菌又は分解するだけでなく、カルシウム、マグネシウム、シリコン、鉄等の金属イオンが酸化物、水酸化物、炭酸塩に変化し、シリカ等のコロイド粒子が大きくなることに依るスケール障害の防止といった処理も可能である。
このように本発明によると、前述した被処理水に含まれる多種の微生物や有害不純物を効率良く殺菌又は分解するだけでなく、カルシウム、マグネシウム、シリコン、鉄等の金属イオンが酸化物、水酸化物、炭酸塩に変化し、シリカ等のコロイド粒子が大きくなることに依るスケール障害の防止といった処理も可能である。
以上述べたように、本発明は従来存在しない新規形状のスペーサーを使用して金属電極ユニットや電気化学的水処理用電極構造体を構成する。この電極構造体はボルト締めや固定が不要であり、簡便に組み立て及び分解ができる。更に給電体との位置関係にも依るが、通常最もスケールが析出しやすい金属電極の箇所をスペーサーで被覆しているため、スケール析出が起こりにくい。
次いで本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の金属電極ユニットを例示する横断平面図、図2は図1の金属電極ユニットの正面図、図3は図1及び2の金属電極ユニットを複数個積層して構成した電気化学的水処理用電極構造体の一例を示す横断平面図である。
図1は、本発明の金属電極ユニットを例示する横断平面図、図2は図1の金属電極ユニットの正面図、図3は図1及び2の金属電極ユニットを複数個積層して構成した電気化学的水処理用電極構造体の一例を示す横断平面図である。
図1及び2に示すように、平板状の金属電極11の左端側の辺全体の側面、上面及び下面を、断面視「コ」字状のPVC樹脂製の絶縁性スペーサー12が覆って金属電極ユニット13を構成している。この金属電極ユニット13の右辺側中央には、給電体接続用切り欠き14が形成されている。
図1及び2に示した金属電極ユニット13は、例えば図3に示すように10枚が積層されて電気化学的水処理用電極構造体15を構成する。この際、隣接する金属電極ユニット13はその絶縁性スペーサー12が逆方向を向くようにして積層され、金属電極11間に被処理水流通用の空間が形成される。例えば図3の例では、上から奇数番目(つまり、1番目、3番目、5番目、7番目及び9番目)の金属電極ユニット13(陽極とする)は左側に絶縁性スペーサー12が位置するように配置され、上から偶数番目(つまり、2番目、4番目、6番目、8番目及び10番目)の金属電極ユニット13’(陰極とする)は右側に絶縁性スペーサー12が位置するように配置される。
図1及び2に示した金属電極ユニット13は、例えば図3に示すように10枚が積層されて電気化学的水処理用電極構造体15を構成する。この際、隣接する金属電極ユニット13はその絶縁性スペーサー12が逆方向を向くようにして積層され、金属電極11間に被処理水流通用の空間が形成される。例えば図3の例では、上から奇数番目(つまり、1番目、3番目、5番目、7番目及び9番目)の金属電極ユニット13(陽極とする)は左側に絶縁性スペーサー12が位置するように配置され、上から偶数番目(つまり、2番目、4番目、6番目、8番目及び10番目)の金属電極ユニット13’(陰極とする)は右側に絶縁性スペーサー12が位置するように配置される。
奇数番目の金属電極(陽極)ユニット13の右端に形成された給電体接続用切り欠き14には、陽極給電棒16が接続され、給電が行われる。更に偶数番目の金属電極(陰極)ユニット13’の左端に形成された給電体接続用切り欠きには、陰極給電棒17が接続され、給電が行われる。なお各金属電極の極性は通電方向を逆にすることにより反転させても良い。
図4は図3の電気化学的水処理用電極構造体を角筒形のケーシングに収容した状態を示す模式的斜視図である。
このケーシング18の中央の上部開口19及び下部開口20は、縦及び横の長さがそれぞれ図3の電極構造体15の縦及び横の長さと実質的に等しくなって、電気化学的水処理用装置を構成している。
このケーシング18の中央の上部開口19及び下部開口20は、縦及び横の長さがそれぞれ図3の電極構造体15の縦及び横の長さと実質的に等しくなって、電気化学的水処理用装置を構成している。
この装置を構成するためには、ケーシング18の上部開口19から複数の電極構造体15を、奇数番目を左側に絶縁性スペーサー12が位置するように、偶数番目を右側に絶縁性スペーサー12が位置するように配置すれば良く、ボルト締め等は不要である。
この装置の下部開口20から被処理水を供給しながら電極構造体15間に通電すると、被処理水が平板状の金属電極表面と接触して被処理水中の微生物が直接殺菌され、あるいは塩素電解により生じる次亜塩素酸により殺菌されて、上部開口19から取り出される。
この装置の下部開口20から被処理水を供給しながら電極構造体15間に通電すると、被処理水が平板状の金属電極表面と接触して被処理水中の微生物が直接殺菌され、あるいは塩素電解により生じる次亜塩素酸により殺菌されて、上部開口19から取り出される。
図5は、図3の電気化学的水処理用電極構造体の変形例を示す横断平面図である。
図示の例では、金属電極11の対向する2辺に絶縁性スペーサー12が嵌合されて金属電極ユニット13”が構成され、計5個の金属電極ユニット13”の隣接する絶縁性スペーサー12どうしが接触して電気化学的水処理用電極構造体15’が構成され、金属電極11間に被処理水流通用空間が形成される。
この電気化学的水処理用電極構造体15’も同じようにケーシングに収容され、被処理水の電気化学的処理に使用される。
図示の例では、金属電極11の対向する2辺に絶縁性スペーサー12が嵌合されて金属電極ユニット13”が構成され、計5個の金属電極ユニット13”の隣接する絶縁性スペーサー12どうしが接触して電気化学的水処理用電極構造体15’が構成され、金属電極11間に被処理水流通用空間が形成される。
この電気化学的水処理用電極構造体15’も同じようにケーシングに収容され、被処理水の電気化学的処理に使用される。
図6は、多孔性金属電極を使用する電気化学的水処理用装置を例示する縦断正面図である。
ラス等の多孔性金属電極21は、多孔性であること以外は図1〜3の平板状電極と同じように方形の1辺が絶縁性スペーサー12で覆われ金属電極ユニット13を構成し。更に図3に示すように絶縁性スペーサー12が交互に逆方向を向くように、11枚が積層されて電気化学的水処理用電極構造体22を構成している。この電極構造体22は、各金属電極21が横向きになるようにかつ絶縁性スペーサー12が内壁に接触するようにケーシング23内に収容されて電気化学的水処理装置24を構成している。
この水処理装置24の下面中央の被処理水供給口から被処理水を供給しながら金属電極21に通電すると、被処理水が各金属電極21の孔を通過しながら該金属電極21に接触して被処理水の殺菌処理等が行われる。
ラス等の多孔性金属電極21は、多孔性であること以外は図1〜3の平板状電極と同じように方形の1辺が絶縁性スペーサー12で覆われ金属電極ユニット13を構成し。更に図3に示すように絶縁性スペーサー12が交互に逆方向を向くように、11枚が積層されて電気化学的水処理用電極構造体22を構成している。この電極構造体22は、各金属電極21が横向きになるようにかつ絶縁性スペーサー12が内壁に接触するようにケーシング23内に収容されて電気化学的水処理装置24を構成している。
この水処理装置24の下面中央の被処理水供給口から被処理水を供給しながら金属電極21に通電すると、被処理水が各金属電極21の孔を通過しながら該金属電極21に接触して被処理水の殺菌処理等が行われる。
図7は、平板金属電極を使用する電気化学的水処理用装置を例示する縦断正面図である。
この電気化学的水処理用装置31は、円盤状の底板32上に、上下にフランジ33を有し側面に被処理水供給口34が形成された円筒状のケーシング35を連結し、更にこのケーシング35上に、中央に被処理水取出口36を有する蓋体37を載置し、更に底板32とケーシング35の下部フランジ33、及び蓋体37とケーシング35の上部フランジ33をそれぞれボルト(図示略)で締着して構成されている。このケーシング内には、その横断平面図を図3に示した金属電極11と絶縁性スペーサー12から成る複数の金属電極ユニット13から成る電極構造体15が収容されている。
この電気化学的水処理用装置31に、被処理水供給口34から被処理水を供給しながら前記電極構造体15に通電すると、同様に被処理水が平板状の金属電極11表面と接触して被処理水中の微生物が直接殺菌され、あるいは塩素電解により生じる次亜塩素酸により殺菌されて、上部の被処理水取出口36から取り出される。
この電気化学的水処理用装置31は、円盤状の底板32上に、上下にフランジ33を有し側面に被処理水供給口34が形成された円筒状のケーシング35を連結し、更にこのケーシング35上に、中央に被処理水取出口36を有する蓋体37を載置し、更に底板32とケーシング35の下部フランジ33、及び蓋体37とケーシング35の上部フランジ33をそれぞれボルト(図示略)で締着して構成されている。このケーシング内には、その横断平面図を図3に示した金属電極11と絶縁性スペーサー12から成る複数の金属電極ユニット13から成る電極構造体15が収容されている。
この電気化学的水処理用装置31に、被処理水供給口34から被処理水を供給しながら前記電極構造体15に通電すると、同様に被処理水が平板状の金属電極11表面と接触して被処理水中の微生物が直接殺菌され、あるいは塩素電解により生じる次亜塩素酸により殺菌されて、上部の被処理水取出口36から取り出される。
次に本発明に係わる電気化学的水処理用電極構造体を使用する被処理水処理の実施例を説明するが、該実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例1]
熱交換器から循環する冷却塔内の冷却塔水の殺菌処理を次の条件で行った。
熱交換器から循環する冷却塔内の冷却塔水の殺菌処理を次の条件で行った。
(1)冷却塔装置
冷却能力:200冷凍トン
循環水量:150t/hr
保有水量:2t
冷却能力:200冷凍トン
循環水量:150t/hr
保有水量:2t
(2)冷却水の平均水質
pH:7.4
電気伝導率:820μs/cm
全硬度:298mgCaCO3/L
カルシウム濃度:160mg/L
塩素イオン濃度:120mg/L
総菌数:約104個/ml
pH:7.4
電気伝導率:820μs/cm
全硬度:298mgCaCO3/L
カルシウム濃度:160mg/L
塩素イオン濃度:120mg/L
総菌数:約104個/ml
(3)電気化学的水処理用装置
図3に示した電極構造体を図7のケーシングに収容して電気化学的水処理装置を構成した。金属電極は、厚さ1mm、幅196mm、高さ100mmのチタン平板の表面を酸化イリジウムと白金で被覆(被覆厚さ1μm)した電極10枚を使用し、各金属電極の片端部全長を、幅12mm、片面厚さ3.35mm、切り込み深さ10mmのPVC製スペーサーで被覆した。
更に各金属電極の対向辺には幅10mm、深さ5mmの凹状溝を穿ち、5枚の金属電極の前記凹状溝に図3に示すように10×10×35.8mmのチタン製角棒状補助電極を溶接し、この補助電極の中心部に横方向から給電体をネジ込み等で取り付けた。他の5枚の金属電極も同様に加工した。
この各5枚の金属電極2組を、蓋体を取除いた図7のケーシング内に、一方が他方の金属電極の組とスペーサーが逆方向を向くように収容した。この際に2組の金属電極は平面的に重なり合う部分がないため、上下方向から互いを挿入することにより容易に収容できた。
図3に示した電極構造体を図7のケーシングに収容して電気化学的水処理装置を構成した。金属電極は、厚さ1mm、幅196mm、高さ100mmのチタン平板の表面を酸化イリジウムと白金で被覆(被覆厚さ1μm)した電極10枚を使用し、各金属電極の片端部全長を、幅12mm、片面厚さ3.35mm、切り込み深さ10mmのPVC製スペーサーで被覆した。
更に各金属電極の対向辺には幅10mm、深さ5mmの凹状溝を穿ち、5枚の金属電極の前記凹状溝に図3に示すように10×10×35.8mmのチタン製角棒状補助電極を溶接し、この補助電極の中心部に横方向から給電体をネジ込み等で取り付けた。他の5枚の金属電極も同様に加工した。
この各5枚の金属電極2組を、蓋体を取除いた図7のケーシング内に、一方が他方の金属電極の組とスペーサーが逆方向を向くように収容した。この際に2組の金属電極は平面的に重なり合う部分がないため、上下方向から互いを挿入することにより容易に収容できた。
(4)電気化学的水処理条件
冷却塔の貯水タンクの水を循環ポンプで糸巻き濾過器に掛けて異物を除去した後に、前記電気化学的水処理装置に送って、電気化学的に処理し、その後、冷却塔の貯水タンクに戻した。
循環処理水量は5t/hr(循環水の一部を使用)、最大電流はDC10A、最大電圧はDC25Vとなるように極性を反転させながら通電し、通電時間はプラス、マイナス共30分とした。
冷却塔の貯水タンクの水を循環ポンプで糸巻き濾過器に掛けて異物を除去した後に、前記電気化学的水処理装置に送って、電気化学的に処理し、その後、冷却塔の貯水タンクに戻した。
循環処理水量は5t/hr(循環水の一部を使用)、最大電流はDC10A、最大電圧はDC25Vとなるように極性を反転させながら通電し、通電時間はプラス、マイナス共30分とした。
(5)結果
この条件で被処理水の電気化学的処理を行い、運転開始1年後の冷却塔貯水タンク内の水をサンプリングして、JIS寒天培地培養法で菌(微生物)数を測定したところ、163個/mlであった。測定時の電流はDC20A、電圧はDC16Vで安定し、金属電極表面にはスケールの付着は殆ど無く、金属電極表面の色には変化が無かった。
この条件で被処理水の電気化学的処理を行い、運転開始1年後の冷却塔貯水タンク内の水をサンプリングして、JIS寒天培地培養法で菌(微生物)数を測定したところ、163個/mlであった。測定時の電流はDC20A、電圧はDC16Vで安定し、金属電極表面にはスケールの付着は殆ど無く、金属電極表面の色には変化が無かった。
[比較例1]
実施例1のスペーサーの代わりに、図8に示した丸ワッシャー状のPVCスペーサー(外径13mm、内径7mm)を10枚の金属電極間に挟み、樹脂製ボルト及びナットで締着したこと以外は実施例1と同じ条件で被処理水の電気化学的処理を行った。
実施例1と同じ条件で被処理水の電気化学的処理を行ったところ、運転開始1年後の菌数は103個/ml、電流はDC4A、電圧はDC25Vであった。
実施例1のスペーサーの代わりに、図8に示した丸ワッシャー状のPVCスペーサー(外径13mm、内径7mm)を10枚の金属電極間に挟み、樹脂製ボルト及びナットで締着したこと以外は実施例1と同じ条件で被処理水の電気化学的処理を行った。
実施例1と同じ条件で被処理水の電気化学的処理を行ったところ、運転開始1年後の菌数は103個/ml、電流はDC4A、電圧はDC25Vであった。
金属電極を分解したところ、丸形PVCスペーサーの周囲の金属電極表面、及び金属電極端部に白色の無機物が多量に析出し、金属電極の析出面の一部が変色し、溶損破損が観察された。
樹脂製ボルトを外し、金属電極を5重量%の塩酸水溶液に浸漬したところ、前記白色無機物は溶解除去できたが、劇薬の塩酸を使用する危険な作業であった。
樹脂製ボルトを外し、金属電極を5重量%の塩酸水溶液に浸漬したところ、前記白色無機物は溶解除去できたが、劇薬の塩酸を使用する危険な作業であった。
[実施例2]
温泉水の殺菌処理を次の条件で行った。
温泉水の殺菌処理を次の条件で行った。
(1)源泉
源泉貯水タンクの貯水量:30t
平均使用量:7t/hr
源泉貯水タンクの貯水量:30t
平均使用量:7t/hr
(2)源泉の水質
pH:7.1
電気伝導率:1650μs/cm
全硬度:386mgCaCO3/L
カルシウム濃度:180mgCaCO3/L
シリカ濃度:52mgSiO2/L
塩素イオン(Cl-)濃度:165mg/L
鉄濃度:0.09mg/L
pH:7.1
電気伝導率:1650μs/cm
全硬度:386mgCaCO3/L
カルシウム濃度:180mgCaCO3/L
シリカ濃度:52mgSiO2/L
塩素イオン(Cl-)濃度:165mg/L
鉄濃度:0.09mg/L
(3)電気化学的水処理装置
金属電極を20枚使用したこと以外は、実施例1と同じ装置を使用した。
金属電極を20枚使用したこと以外は、実施例1と同じ装置を使用した。
(4)電気化学的水処理条件
源泉貯水タンクの温泉水をポンプで砂濾過器に掛けて異物を除去した後に、前記電気化学的水処理装置に送って、電気化学的に処理し、その後、源泉貯水タンクに戻した。
循環処理水量は10t/hr、最大電流はDC20A、最大電圧はDC25Vとなるように極性を反転させながら通電し、通電時間はプラス、マイナス共30分とした。
源泉貯水タンクの温泉水をポンプで砂濾過器に掛けて異物を除去した後に、前記電気化学的水処理装置に送って、電気化学的に処理し、その後、源泉貯水タンクに戻した。
循環処理水量は10t/hr、最大電流はDC20A、最大電圧はDC25Vとなるように極性を反転させながら通電し、通電時間はプラス、マイナス共30分とした。
(5)結果
この条件で被処理水の電気化学的処理を行い、運転開始1年後の源泉貯水タンク内の水をサンプリングして、JIS寒天培地培養法で菌(微生物)数を測定したところ、菌は検出されなかった。測定時の電流はDC20A、電圧はDC16Vで安定し、金属電極表面にはスケールの付着は非常に少なく、金属電極表面の色には変化が無かった。
この条件で被処理水の電気化学的処理を行い、運転開始1年後の源泉貯水タンク内の水をサンプリングして、JIS寒天培地培養法で菌(微生物)数を測定したところ、菌は検出されなかった。測定時の電流はDC20A、電圧はDC16Vで安定し、金属電極表面にはスケールの付着は非常に少なく、金属電極表面の色には変化が無かった。
[比較例2]
金属電極の枚数を20枚としたこと以外は比較例1と同じ装置を用い、実施例2と同じ条件で被処理水の処理を行った。
運転開始1年後の総菌数は12個/ml、電流はDC9A、電圧はDC25Vであった。
金属電極の枚数を20枚としたこと以外は比較例1と同じ装置を用い、実施例2と同じ条件で被処理水の処理を行った。
運転開始1年後の総菌数は12個/ml、電流はDC9A、電圧はDC25Vであった。
金属電極を分解したところ、丸形PVCスペーサーの周囲の金属電極表面、特に金属電極端部に白色の無機物が多量に析出し、金属電極の析出面の一部が変色し、溶損破損が観察された。
樹脂製ボルトを外し、金属電極を5重量%の塩酸水溶液に浸漬したところ、前記白色無機物は溶解除去できたが、劇薬の塩酸を使用する危険な作業であった。
樹脂製ボルトを外し、金属電極を5重量%の塩酸水溶液に浸漬したところ、前記白色無機物は溶解除去できたが、劇薬の塩酸を使用する危険な作業であった。
11……金属電極 12……絶縁性スペーサー 13、13’、13”……金属電極ユニット 15、15’……電極構造体 18……ケーシング 21……金属電極 22……電極構造体 23……ケーシング 24……電気化学的水処理装置 31……電気化学的水処理用装置 35……ケーシング
Claims (4)
- 方形の金属電極、及び当該金属電極の少なくとも一辺の側面、上面及び下面に接触する絶縁性スペーサーを含んで成ることを特徴とする電気化学的水処理用電極ユニット。
- 方形の金属電極、及び当該金属電極の一辺の側面、上面及び下面に接触する絶縁性スペーサーを含んで成る複数の電気化学的水処理用電極ユニットを、前記絶縁スペーサーが交互に逆方向を向くように積層したことを特徴とする電気化学的水処理用電極構造体。
- 電気化学的水処理用電極ユニットの絶縁性スペーサーを設置した対向辺に給電体を接続した請求項2記載の電気化学的水処理用電極構造体。
- 方形の平板状金属電極、及び当該金属電極の一辺の側面、上面及び下面に接触する絶縁性スペーサーを含んで成る複数の電気化学的水処理用電極ユニットを、前記絶縁スペーサーが交互に逆方向を向くように積層した電気化学的水処理用電極構造体を、前記平板状金属電極が被処理水の流れに対して平行に向くようにケーシング内に設置したことを特徴とする電気化学的水処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005116136A JP2006289304A (ja) | 2005-04-13 | 2005-04-13 | 電気化学的水処理電極ユニット、電気化学的水処理電極構造体及び電気化学的水処理装置 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008237168A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Institute Of National Colleges Of Technology Japan | 観賞魚用水槽の水質制御装置 |
JP2011518038A (ja) * | 2008-04-23 | 2011-06-23 | 青▲島▼海▲徳▼威科技有限公司 | 一種の微電流電気分解滅菌滅藻装置と方法 |
JP2012086167A (ja) * | 2010-10-20 | 2012-05-10 | Toshiba Corp | 過酸化水素水の生成装置および除菌システム |
KR101871308B1 (ko) * | 2017-03-28 | 2018-08-02 | 한동하이드로 주식회사 | 살균·환원수 전해조용 전극 구조 유닛 및 이를 포함하는 전극 모듈 |
CN111847595A (zh) * | 2019-04-30 | 2020-10-30 | 西藏神州瑞霖环保科技股份有限公司 | 一种纳米电化学反应装置 |
JP2021518254A (ja) * | 2018-03-21 | 2021-08-02 | アクシン ウォーター テクノロジーズ インコーポレイテッドAxine Water Technologies Inc. | 廃水処理用のバイポーラ電極を備えた電解セル |
KR102657253B1 (ko) * | 2018-03-21 | 2024-04-16 | 악신 워터 테크놀로지스 아이엔씨. | 폐수 처리를 위한 바이폴라 전극을 구비한 전해조 |
-
2005
- 2005-04-13 JP JP2005116136A patent/JP2006289304A/ja active Pending
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