JPH11189769A - 帯電防止剤 - Google Patents

帯電防止剤

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JPH11189769A
JPH11189769A JP36069197A JP36069197A JPH11189769A JP H11189769 A JPH11189769 A JP H11189769A JP 36069197 A JP36069197 A JP 36069197A JP 36069197 A JP36069197 A JP 36069197A JP H11189769 A JPH11189769 A JP H11189769A
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JP36069197A
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Shigeo Kiuchi
茂夫 木内
Yasuo Takamizu
靖夫 高水
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックに練り込んで使用することがで
き、少量の添加量で優れた帯電防止性を発現し、かつ低
湿度下でも性能に優れた帯電防止剤を提供することを目
的とする。 【解決手段】 下記の(A)成分及び(B)成分を
(A)/(B)=25/1〜1/2(重量比)の割合で
含有する帯電防止剤を製造する。 (A)スルホン酸塩基を含有する特定の繰返し単位1及
び繰り返し単位2を必須構成単位として含有し、繰返し
単位1と繰返し単位2のモル比が、繰返し単位1/繰返
し単位2=98/2〜80/20の範囲であるポリマー
であって、かつ、その重量平均分子量が1,000〜
1,000,000の範囲である芳香族系ポリマー。 (B)特定の低分子界面活性剤型帯電防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止剤に関す
るものであり、詳しくは、プラスチックに練り込んで使
用することができ、低湿度下でも性能に優れた帯電防止
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック材料は、その優れた特性に
よって広い分野で使用されているが、電気絶縁性であり
静電気により帯電しやすいという性質がある。このた
め、プラスチック成型品に埃が付着してその外観を損ね
たり、また電気・電子機器などのケースや部品に使用し
た場合は、静電気の放電により機器の誤動作やICなど
の電子部品の故障の原因となる場合がある。このため、
プラスチックの帯電防止について従来から様々な技術が
開発されている。
【0003】例えば、界面活性剤型の帯電防止剤をプラ
スチックに添加することが一般的に行われている。しか
し、この方法では、短期的な帯電防止性には優れるもの
の長期的に帯電防止性を維持できず、また水洗後には急
激に帯電防止性が低下するという耐水洗性の問題があ
る。
【0004】また、持続的な帯電防止性を付与するため
に、プラスチックにカーボン繊維やカーボンブラック等
の導電性無機物質を練り込む方法があるが、この方法で
は、前記カーボン繊維等の黒色によりプラスチックが着
色するため、使用できるプラスチックの色調が黒色に限
定されるという問題がある。
【0005】一方、最近では、導電性ポリマーを用い、
これとプラスチックとをポリマーアロイとして持続性の
ある帯電防止性をプラスチックに付与する技術が提案さ
れている。例えば、特開昭61−185557号公報、
特開昭62−25164号公報および特開昭64−17
48号公報等に、エピクロロヒドリンゴムのようなエピ
ハロヒドリン系ポリマーを添加して帯電防止性を付与す
る技術が、また特開昭58−118836号公報に、ポ
リエーテルエステルアミドを添加して帯電防止性を付与
する技術が、それぞれ開示されている。しかし、これら
の技術では、導電性ポリマーを大量に添加しなければ充
分な帯電防止性を付与することができず、また大量に添
加すると、プラスチックの機械的物性を低下させるとい
う問題がある。
【0006】この他に、ポリスチレンスルホン酸の第3
級アミン塩をプラスチックに添加する方法があり(特開
昭48−65237号公報)、この方法では、添加量を
比較的少なくして帯電防止性を付与することができる
が、水洗後の帯電防止性がある程度維持されるものの未
だ不充分であり、また、帯電防止性発現までにある程度
時間がかかるという問題がある。
【0007】さらには、特開平8−104787号公報
には、ポリスチレンスルホン酸の第3級アミン塩と、硫
酸アミン塩とを併用することが開示されているが、帯電
防止能が未だ充分とは言えない。また、特公昭45−2
9240号公報には、耐水洗性の向上を目的として、ス
ルホン化ポリスチレンと固着剤とを併用する方法が開示
されている。しかし、この方法は、練り込む方法ではな
く、プラスチック表面に塗工する方法であり、しかも塗
工後熱処理を必要とするため、その実施が煩雑であり、
効率的な方法ではない。そして、特開昭59−3615
9号公報には、スルホン酸基の導入率が40〜100モ
ル%のポリスチレンスルホン酸ナトリウムを練り込みタ
イプの帯電防止剤として使用することが開示されている
が、この帯電防止剤は、水洗後の帯電防止性が未だ充分
でない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
課題を解決するためになされたもので、着色の問題がな
く、少量の添加量で優れた帯電防止性を短時間で発現
し、しかも周囲の湿度が低いところでも性能の低下がな
く、長期間維持することが可能な耐水洗性に優れた練り
込みタイプの帯電防止剤の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、導電性ポリマーを中心に一連の研究
を重ねた結果、(A)重量平均分子量の範囲並びにスル
ホン酸塩基の導入率及び導入位置を特定したスルホン酸
塩基含有芳香族ポリマーと(B)低分子界面活性剤型帯
電防止剤とを、特定の配合割合で用いることにより、プ
ラスチックに練り込んで使用することができ、少量の添
加量で優れた帯電防止性を長期間維持すること、さらに
は、従来のスルホン酸基含有芳香族ポリマーだけよりも
低湿度下で帯電防止性能に優れること、さらには、着色
の問題もなく、しかも水洗後においても優れた帯電防止
性を維持することを見出し本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の帯電防止剤は、下記の
(A)成分及び(B)成分を含有し、(A)成分と
(B)成分との配合割合が重量比で、(A)/(B)=
25/1〜1/2の範囲であることを特徴とする。
【0011】(A)下記の一般式(1)で表される繰返
し単位1及び下記の一般式(2)で表される繰り返し単
位2を必須構成単位として含有し、繰返し単位1と繰返
し単位2のモル比が、繰返し単位1/繰返し単位2=9
8/2〜80/20の範囲であるポリマーであって、か
つ、その重量平均分子量が1,000〜1,000,0
00の範囲である芳香族系ポリマー。
【0012】
【化3】 (式中、Xは水素又はメチル基であり、Mは有機アミン
類又は有機リン類であり、SO3M 基はベンゼン環の3
〜5位のいずれかにある)
【0013】
【化4】 (式中、Xは水素又はメチル基であり、Mは有機アミン
類及び有機リン類の少なくとも一方の塩基性有機基であ
り、nは0又は1の数であり、少なくとも一つのSO3
M 基はベンゼン環のオルト(o)位にある)
【0014】(B)ポリ(オキシエチレン)アルキルアミ
ン、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミド、グリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキル
スルホネート、α−オレフィンスルホネート、アルキル
ベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート及びアル
キルホスフェートからなる群より選ばれる1種以上の低
分子界面活性剤型帯電防止剤。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を詳しく説明す
る。
【0016】本発明の帯電防止剤に配合される(A)成
分において、繰返し単位2の態様としては、nが0の場
合、SO3M基は、ベンゼン環の2位又は6位のいずれ
かにあり、nが1の場合、(1)1つのSO3M 基がベ
ンゼン環の2位にあり、もう1つのSO3M 基が6位に
ある場合と、(2)1つのSO3M 基がベンゼン環の2
位又は6位のいずれかにあり、もう1つのSO3M 基が
ベンゼン環の3〜5位のいずれかにある場合とがある。
【0017】(A)成分を構成するスルホン酸塩基を含
有するモノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸
またはその塩、α−メチルスチレンスルホン酸またはそ
の塩、ビニルトルエンスルホン酸またはその塩等が挙げ
られ、これらは単独でまたは2種類以上併用することが
できる。このうちの2〜20モル%、好ましくは5〜1
5モル%がオルト位にスルホン酸塩基を有する繰返し単
位2であり、残りが繰返し単位1である。繰返し単位2
の割合が、2モル%未満では帯電防止能が不充分であ
り、一方、20モル%を超える場合にも同様に性能が満
足されない場合がある。
【0018】(A)成分において、スルホン酸塩基を構
成する塩は、有機アミン類及び有機リン類の少なくとも
一方の物質である。
【0019】スルホン酸塩基を構成する有機アミン類と
しては、例えば、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オク
チルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデ
シルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミ
ン、モノエタノールアミン等の第1級アミン;ジブチル
アミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジデシ
ルアミン、ジドデシルアミン、ジテトラデシルアミン、
ジヘキサデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジエタ
ノールアミン、モルホリン等の第2級アミン;トリブチ
ルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、
トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリテトラデ
シルアミン、トリヘキサデシルアミン、トリオクタデシ
ルアミン等の第3級アミン;およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。これらのうち帯電防止性の観点か
ら、ドデシルアミンなどの第1級アミンが好ましい。
【0020】また、スルホン酸塩基を構成する有機リン
類としては、例えば、テトラエチルホスホニウム、テト
ラブチルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、
テトラオクチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニ
ウム、メチルトリフェニルホスホニウム、ベンジルトリ
フェニルホスホニウム、メチルトリ−(m−トリル)ホ
スホニウム等が挙げられる。これらのうち帯電防止性お
よび耐熱性の観点から好ましいのは、テトラフェニルホ
スホニウム、ベンジルトリフェニルホスホニウムであ
る。
【0021】尚、本発明において、スルホン酸塩基の合
計の導入率は、芳香族系ポリマーの芳香環に対する導入
率をいい、スルホン酸塩基の導入位置は、前記スルホン
酸塩基含有芳香族ポリマーの芳香環に対する導入位置を
いう。その測定は、例えば、後述の方法により行うこと
ができる。
【0022】本発明の(A)成分は、繰返し単位1及び
2のみから構成することができるが、所望により他の繰
返し単位を共重合させることもできる。このような他の
繰返し単位としては、次のモノマーが挙げられる。例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
ビニルナフタレン等の芳香族炭化水素モノマー、ビニル
トルエンスルホン酸またはその塩、ビニルナフタレンス
ルホン酸またはその塩等の芳香族スルホン酸モノマー、
ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、シクロペンタ
ジエン等の共役ジエン類、ブタジエン、イソプレン、ペ
ンタジエン、シクロペンタジエン等の共役ジエンのスル
ホン化物またはその塩、エチレン、プロピレン、ブテ
ン、イソブチレン等のオレフィン類、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタ
コン酸、シトラコン酸またはこれらの酸の有機アミン
塩、およびこれらの酸とアルコール、ポリエチレングリ
コール、イセチオン酸等の水酸基含有化合物とのエステ
ル類が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独ある
いは2種以上を併用することができる。このなかで、帯
電防止性および樹脂との相溶性の観点から、ブタジエ
ン、イソプレン、アクリル酸とポリエチレングリコール
とのエステル、メタクリル酸とポリエチレングリコール
とのエステルが好ましい。また、これら他のモノマーを
導入する場合、繰返し単位1及び2の含有量は、50重
量%以上、好ましくは70〜98重量%とするのがよ
い。50重量%未満では帯電防止能が不充分な場合があ
る。
【0023】本発明における芳香族系ポリマー(A)
は、繰返し単位1と繰り返し単位2をを誘導できるモノ
マー、及び必要に応じて他のモノマーを公知の方法(ラ
ジカル重合、アニオン重合、カチオン重合など)により
重合して得られ、その重量平均分子量は1,000〜
1,000,000、好ましくは2,000〜500,
000の範囲である。この重量平均分子量の範囲を外れ
ると、帯電防止能が不充分となるからである。尚、重量
平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー
(GPC)法により測定できる。
【0024】芳香族系ポリマー(A)は、例えば、以下
に示す方法により製造できる。 (1)スルホン酸塩基を有さない繰返し単位1に対応す
るモノマーを重合した後、スルホン化する方法、(2)
スルホン酸塩基を有さない繰返し単位1に対応するモノ
マーと他のモノマーとを共重合した後、スルホン化する
方法、(3)繰返し単位1及び2のスルホン酸塩基を含
んだモノマーを共重合する方法、(4)繰返し単位1及
び2のスルホン酸塩基を含んだモノマーと他のモノマー
とを共重合する方法などである。
【0025】いずれの方法であってもよいが、これらの
方法の中でも、工業的には(1)及び(2)の方法で行
うのが経済的である。
【0026】本発明において、得られるポリマー中の繰
返し単位1及び繰り返し単位2の量(モル比)を特定の
範囲とするには、例えば、p−スチレンスルホン酸アミ
ン塩及び/又はm−スチレンスルホン酸アミン塩とo−
スチレンスルホン酸アミン塩とを共重合する方法やポリ
スチレンを無水硫酸によりスルホン化する方法等の方法
を採用するのが好ましい。
【0027】本発明で用いるポリマー中の繰返し単位1
及び繰返し単位2の含有量は、例えば次のようにして求
めることができる。先ず、ポリマー中の全スルホン酸塩
基含有量を元素分析計測定による炭素原子と硫黄原子の
比より算出し、さらに、パラ位に結合したスルホン酸塩
基の量は、NMRスペクトル測定による芳香族環のプロ
トン比から算出し、全スルホン酸塩基含有量からパラ位
に結合したスルホン酸塩基の量を差し引いて、オルト位
に結合したスルホン酸塩基の量として、繰返し単位2を
求める。
【0028】本発明の帯電防止剤に配合される(B)成
分は、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミン、ポリ(オ
キシエチレン)アルキルアミド、グリセリン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルスルホネー
ト、α−オレフィンスルホネート、アルキルベンゼンス
ルホネート、アルキルサルフェート及びアルキルホスフ
ェートからなる群より選ばれる1種以上の低分子界面活
性剤型帯電防止剤である。
【0029】ポリ(オキシエチレン)アルキルアミンのア
ミンとしては、炭素数8〜20のモノアルキルアミンが
好ましく、また、エチレンオキシドの付加モル数は2〜
50モルが好ましい。具体的には、オクチルアミンのエ
チレンオキシド付加体、ドデシルアミンのエチレンオキ
シド付加体、テトラデシルアミンのエチレンオキシド付
加体、ヘキサデシルアミンのエチレンオキシド付加体、
オクタデシルアミンのエチレンオキシド付加体、ヤシ油
アルキルアミン(ココアミン)のエチレンオキシド付加
体、牛脂アルキルアミンのエチレンオキシド付加体、水
添牛脂アルキルアミンのエチレンオキシド付加体等が挙
げられる。
【0030】ポリ(オキシエチレン)アルキルアミドのア
ミドを構成する脂肪酸としては、炭素数8〜22の脂肪
酸が好ましく、また、エチレンオキシドの付加モル数は
2〜50モルが好ましい。具体的には、ラウリン酸アミ
ドのエチレンオキシド付加体、ミリスチン酸アミドのエ
チレンオキシド付加体、パルミチン酸アミドのエチレン
オキシド付加体、ステアリン酸アミドのエチレンオキシ
ド付加体、オレイン酸アミドのエチレンオキシド付加
体、ヤシ油アルキル脂肪酸アミドのエチレンオキシド付
加体、牛脂アルキル脂肪酸アミドのエチレンオキシド付
加体、水添牛脂アルキル脂肪酸アミドのエチレンオキシ
ド付加体等が挙げられる。
【0031】グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪
酸としては、炭素数8〜22の脂肪酸が好ましい。具体
的には、グリセリンラウリン酸モノエステル、グリセリ
ンミリスチン酸モノエステル、グリセリンパルミチン酸
モノエステル、グリセリンステアリン酸モノエステル、
グリセリンオレイン酸モノエステル、グリセリンヤシ油
アルキル脂肪酸モノエステル、グリセリン牛脂アルキル
脂肪酸モノエステル、グリセリン水添牛脂アルキル脂肪
酸モノエステル等が挙げられる。
【0032】ソルビタン脂肪酸エステルを構成する脂肪
酸としては、炭素数8〜22の脂肪酸が好ましい。具体
的には、ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタ
ンミリスチン酸モノエステル、ソルビタンパルミチン酸
モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、
ソルビタンオレイン酸モノエステル、ソルビタンヤシ油
アルキル脂肪酸モノエステル、ソルビタン牛脂アルキル
脂肪酸モノエステル、ソルビタン水添牛脂アルキル脂肪
酸モノエステル等が挙げられる。
【0033】アルキルスルホネートのアルキル基として
は、炭素数8〜22の分岐鎖状もしくは直鎖状のものが
好ましく、また、対イオンとしては、ナトリウム、カリ
ウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等が
好ましい。
【0034】α−オレフィンスルホネートを構成するα
−オレフィンとしては、炭素数8〜22のα−オレフィ
ンが好ましく、また、対イオンとしては、ナトリウム、
カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛
等が好ましい。
【0035】アルキルベンゼンスルホネートのアルキル
基としては、炭素数8〜22の分岐鎖状もしくは直鎖状
のものが好ましく、また、対イオンとしては、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、
亜鉛等が好ましい。
【0036】アルキルサルフェートのアルキル基として
は、炭素数8〜22の分岐鎖状もしくは直鎖状のものが
好ましく、また、対イオンとしては、ナトリウム、カリ
ウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等が
好ましい。
【0037】アルキルホスフェートのアルキル基として
は、炭素数8〜22の分岐鎖状もしくは直鎖状のものが
好ましく、また、対イオンとしては、ナトリウム、カリ
ウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等が
好ましい。
【0038】(A)成分と(B)成分との配合割合は重
量比で、(A)/(B)=25/1〜1/2の範囲であ
り、好ましくは10/1〜2/1の範囲である。
【0039】つぎに、本発明の帯電防止剤が適用できる
プラスチックスの種類としては、例えば、ポリスチレン
樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS樹
脂)、メチルメタクリレート・スチレン共重合樹脂(M
S樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共
重合樹脂(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂が挙げられ
る。これらのプラスチックスの中でも、特に、ゴム成分
を有する耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)およびAB
S樹脂が好ましい。
【0040】本発明の帯電防止剤の配合割合は、プラス
チックス100重量部に対して、通常、1〜20重量
部、好ましくは1〜15重量部、より好ましくは2〜1
0重量部である。すなわち、1重量部未満では充分な帯
電防止性が得られず、20重量部を超えるとプラスチッ
クス本来の物性を低下させるおそれがあるからである。
【0041】本発明の帯電防止剤を各種プラスチックス
に添加する際には、必要に応じて高級アルコール、脂肪
酸アマイド、脂肪酸金属石鹸等の滑剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、シリコン誘導体、ブロッキング防止剤、着
色剤、充填材、可塑剤、他の公知の帯電防止剤、その他
の添加剤等を併用することができる。これらの添加剤の
配合割合はプラスチックス100重量部に対して、0.
05〜30重量部添加するのが適当である。
【0042】本発明の帯電防止剤の形態は特に制限する
ものではなく、例えば、粉末状、ワックス状、ペースト
状のいずれであってもよい。
【0043】そして、本発明の帯電防止剤を用いたプラ
スチックの成形加工は、まず、ペレットまたは粉末状の
プラスチックスと共にヘンシェルミキサーなどで均一に
混合するか、もしくは、押出機などで帯電防止剤が添加
されたコンパウンドを調製した後、これら混合物若しく
はコンパウンドを各種成型器に供給して成型することに
より行うことができる。また、本発明の帯電防止剤を高
濃度に添加したマスターバッチを調製し、これを希釈し
て使用することも可能である。
【0044】本発明の帯電防止剤を添加したプラスチッ
クスは、プレス成型、射出成型、押出成型、ブロー成
型、カレンダー成型等の一般的なプラスチックの成形法
によりシートフィルムをはじめ種々の形状の成型品に加
工することができる。
【0045】
【実施例】つぎに、実施例について比較例と併せて説明
する。
【0046】まず、下記の合成例1、2により本発明の
帯電防止剤に配合するポリマー(A〜L)をそれぞれ合
成した。尚、ポリマー(A〜L)の重量平均分子量、及
び繰返し単位1と2の比率の測定は次の方法で行った。
【0047】(1)ポリマーの重量平均分子量 標準物質として標準ポリスチレンを用い、分離カラムと
してTSK−G4000HXLとG2500HXL
(7.8mmID×30cm、東ソー社製)を使用し、
紫外線検出器(測定波長266nm)を用いてゲル浸透
クロマトグラフィー(GPC)法により求めた。
【0048】(2)ポリマー中の繰返し単位1と繰返し
単位2の比率の測定 ポリマーが芳香族炭化水素モノマーのホモポリマーのス
ルホン化物の場合は、元素分析計(カルロエルバ社製E
A−1108型)により測定した炭素原子と硫黄原子の
比から芳香環1ユニット当たりのスルホン酸塩基導入率
を計算した(該水溶性ポリマー中に硫酸塩を含む場合
は、イオンクロマトグラフィーでその量を定量し、その
硫黄原子量を元素分析計で得た硫黄原子量より差し引い
た)。また、芳香環のパラ位のスルホン酸塩基導入率
は、 1H−NMRスペクトル(日本電子(株)製JNM
−EX270型)を測定し、7.6ppm付近のピーク
強度(a)と8.1ppm付近のピーク強度(b)か
ら、(b/2)/(a/3+b/2)×100の式によ
り求めた。芳香環のオルト位のスルホン酸塩基の導入率
は、元素分析計で求めたスルホン酸塩基の導入率からパ
ラ位の導入率を差し引いた値をその導入率とした。
【0049】ポリマーが芳香族炭化水素モノマーと共役
ジエンとの共重合体のスルホン化物の場合は、共役ジエ
ンモノマーユニットのスルホン酸塩基導入率を100%
とし、芳香族炭化水素モノマーユニットのスルホン酸塩
基導入率を元素分析計により測定した炭素原子と硫黄原
子の比から計算した(該水溶性ポリマー中に硫酸塩を含
む場合は、イオンクロマトグラフィーでその量を定量
し、その硫黄原子量を元素分析計で得た硫黄原子量より
差し引いた)。また、芳香環のパラ位のスルホン酸塩基
導入率は、 1H−NMRスペクトルを測定し、7.6p
pm付近のピーク強度(a)と8.1ppm付近のピー
ク強度(b)から、(b/2)/(a/3+b/2)×
100の式により求めた。芳香環のオルト位のスルホン
酸塩基の導入率は、元素分析計で求めたスルホン酸塩基
の導入率からパラ位の導入率を差し引いた値をその導入
率とした。
【0050】合成例1 重量平均分子量7,000のポリスチレン100重量部
を1,2−ジクロロエタン400重量部に溶解し、更に
アセトフェノン1.0重量部を添加して原料溶液を調製
した。この原料溶液をタービン型撹拌機付きのスルホン
化反応器にスルホン化剤であるSO3 とともに連続的に
供給して、45℃でスルホン化反応を行った。この場
合、供給速度は、原料溶液24g/分、SO3 4.25
g/分である。また、ポリスチレン中のスチレン単位に
対するSO3 のモル比は1.15である。また、反応器
はジャケット付きで容量400mlのものを使用した。
得られたスルホン化物から溶媒を留去後、さらに乾燥し
て粉末状のポリスチレンスルホン酸を得た。これをエタ
ノールに溶解し、ドデシルアミンで中和後、濃縮、乾燥
し、ポリスチレンスルホン酸ドデシルアミン塩を固形物
として得た。得られたポリスチレンスルホン酸ドデシル
アミン塩(ポリマーA)の重量平均分子量は28,00
0であった。また、得られたポリスチレンスルホン酸を
分析した結果、スチレン単位に対する全スルホン酸塩基
導入率は102モル%、パラ位へのスルホン酸塩基導入
率は90モル%、オルト位へのスルホン酸塩基導入率は
12モル%であった。
【0051】他方、ポリマーC、D、H、I、J、K及
びLの合成は、表1に示すように、原料ポリマー及び中
和する塩基が異なる以外はポリマーAの合成と全く同様
にして、そのスルホン化物を得た。
【0052】尚、表1において、スルホン酸を中和して
いる有機アミン、有機リンとしてはポリマーAはドデシ
ルアミン、Cはドデシルアミン/ジエタノールオクタデ
シルアミン=8/2の混合物、Dはトリドデシルアミ
ン、Hはテトラデシルアミン、Iはトリテトラデシルア
ミン、Jはジオクタデシルアミン、Kはテトラブチルホ
スホニウム、Lはトリデシルアミンである。
【0053】合成例2 スチレン10重量部、p−スチレンスルホン酸とテトラ
デシルアミンとの中和塩80重量部、o−スチレンスル
ホン酸とテトラデシルアミンとの中和塩10重量部を、
トルエン400重量部に溶解させた。これを窒素置換し
た後、過酸化ベンゾイル1.5重量部を加え、90℃で
6時間重合させた。得られたポリスチレンスルホン酸テ
トラデシルアミン塩(ポリマーB)の重量平均分子量は
200,000であった。
【0054】他方、ポリマーE、F、Gの合成は、表1
に示すように、それぞれ対応するモノマーをポリマーB
の合成と同様にして、その重合物を得た。
【0055】
【表1】ポリマー モノマー組成(モル%) Mw×103 Mw/Mn A スチレン(100) 7 2.5 B スチレン(10) 200 3.5 p-スチレンスルホン酸テトラデシルアミン塩(80) o-スチレンスルホン酸テトラデシルアミン塩(10) C スチレン(70) 20 2.1 イソプレン(30) D α−メチルスチレン(90) 15 2.0 メタクリル酸のPEG200エステル(10) E p-スチレンスルホン酸ドデシルアミン塩(75) 70 3.0 o-スチレンスルホン酸ドデシルアミン塩(5) イソプレンのスルホン化物ドデシルアミン塩(20) F p-スチレンスルホン酸ジデシルアミン塩(92) 160 3.5 o-スチレンスルホン酸ジデシルアミン塩(3) アクリル酸ジエタノールアミン塩(5) G p-スチレンスルホン酸テトラフェニル 400 3.0 ホスホニウム塩(97) o-スチレンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩(3) H α−メチルスチレン(50) 30 2.5 イソプレン(40) メタクリル酸のPEG400エステル(10) I スチレン(60) 50 2.8 ブタジエン(20) メタクリル酸(20) J スチレン(90) 40 2.2 無水マレイン酸(10) K スチレン(100) 10 2.7 L スチレン(100) 20 3.0
【0056】このようにして得られたポリマーA〜Lに
ついて、芳香環へのスルホン酸塩基の導入率、繰返し単
位1と繰返し単位2とのモル比(単位1/単位2)、重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(M
w/Mn)を表2に示す。
【0057】
【表2】 ポリマー 芳香環へのスルホン酸塩基 単位1/単位2 Mw×103 Mw/Mn 導入率(モル%) 総導入率 単位1 単位2 (モル比) A 102 90 12 88/12 28 4.5 B − − − 89/11 − − C 86 78 8 91/9 80 2.5 D 90 75 15 83/17 64 2.4 E − − − 94/6 − − F − − − 97/3 − − G − − − 97/3 − − H 80 76 4 95/5 100 3.5 I 88 74 14 84/16 170 4.0 J 90 72 18 80/20 160 3.5 K 100 98 2 98/2 40 4.8 L 100 80 20 80/20 80 5.0 *ポリマーB、E〜Gについては、モノマーとしてスチ
レンスルホン酸塩を使用したため、芳香環へのスルホン
酸塩基の導入率は省略した。また、同ポリマーにおい
て、Mw及びMw/Mnについては、表1の記載と重複
するため、その記載を省略した。
【0058】つぎに、上記ポリマーA〜Lを配合して表
3に示すように、本発明の帯電防止剤及び比較品を調製
した。本発明の帯電防止剤及び比較品について、下記の
3種類の樹脂に使用した場合の性能を評価した。
【0059】
【表3】帯電防止剤 ポリマー 低分子界面活性剤 配合割合* I A パラフィン(平均炭素数14)スルホン酸Na 5/1 II B グリセリンモノステアレート 5/1 III C ドデシルベンゼンスルホン酸Na 20/1 IV D ラウリル硫酸Na 25/1 V E N,N-ジエトキシココアミン 1/1 VI F ポリオキシエチレン(n=15)牛脂アミン 2/1 VII G ジエトキシ水添牛脂アミン 10/1 VIII H ジエトキシステアリン酸アミド 1/2 IX I ソルビタンモノラウレート 12/1 X J オクチルホスフェート 25/1 XI K ポリオキシエチレン(n=15)ココアミン 4/1 XII L テトラデセンスルホン酸Na 1/2 XIII A パラフィン(平均炭素数14)スルホン酸Na 30/1 IXV A パラフィン(平均炭素数14)スルホン酸Na 1/3 XV B グリセリンモノステアレート 28/1 XVI B グリセリンモノステアレート 1/4 XVII E N,N-ジエトキシココアミン 50/1 XVIII E N,N-ジエトキシココアミン 1/5 *重量比(ポリマー/低分子界面活性剤)
【0060】(耐衝撃性ポリスチレン樹脂)耐衝撃性ポ
リスチレン100重量部に対し、下記の表4に示す帯電
防止剤をそれぞれ加え、200℃で5分間ロール練りし
た後、プレス成型して、6つの耐衝撃性ポリスチレン板
を得た。これらの耐衝撃性ポリスチレン板を、それぞれ
25℃・60%RH(相対湿度)の雰囲気下で24時間
調湿した後、ハイレスター型抵抗測定装置(三菱油化社
製)を用いて、印加電圧500Vで電圧印加1分後の表
面固有抵抗値を測定した。次に、この耐衝撃性ポリスチ
レン板を、25℃・20%RH(相対湿度)の雰囲気下
で24時間調湿した後、ハイレスター型抵抗測定装置
(三菱油化社製)を用いて、印加電圧500Vで電圧印
加1分後の表面固有抵抗値を測定した。さらに、この耐
衝撃性ポリスチレン板を30分間超音波洗浄した後、表
面の水分を拭き取り、25℃・60%RHの雰囲気下で
24時間調湿した後、前述と同様にして表面固有抵抗値
を測定した。その結果も下記の表4に示す。表4におい
て、表面固有抵抗値の小さいほど帯電防止効果が高いこ
とを示し、以下の表5および表6も同様である。尚、低
湿度下でも表面固有抵抗値の小さい方が帯電防止効果が
高いことを示す。また、対照として、帯電防止剤無添加
の耐衝撃性ポリスチレン板を前述と同様に作製し、前述
と同様の評価を行った。
【0061】
【表4】 帯電防止剤 表面固有抵抗値(Ω) 種類 添加量* 25℃,60%RH 25℃,20%RH 25℃,60%RH(洗浄後) 無添加品 − 1016< 1016< 1016< I 5 2×1011 3×1011 3×1011 IV 3 3×1011 4×1011 3×1011 VI 4.5 4×1011 5×1011 4×1011 XI 5 4×1011 6×1011 4×1011 XIII 5 2×1011 8×1012 3×1011 IXV 3 3×1011 3×1011 9×1013 ポリマーA 5 2×1011 3×1013 3×1011 パラフィン 1 3×1011 3×1011 5×1014 スルホン酸Na(平均炭素数14) *樹脂に対する重量%
【0062】表4の結果から、実施例の帯電防止剤
(I,IV,VI,XI)及び比較例の帯電防止剤(ポリマー
A単独)を用いた耐衝撃性ポリスチレン板では、少量の
添加量で優れた帯電防止性が得られ、水洗後において
も、この効果を維持したことがわかる。しかしながら、
比較例の帯電防止剤(ポリマーA単独)を用いた耐衝撃
性ポリスチレン板では、実施例の帯電防止剤を用いた耐
衝撃性ポリスチレン板より低湿度下での帯電防止能に劣
っていた。また、比較例の帯電防止剤(パラフィンスル
ホン酸ナトリウム単独)を用いた耐衝撃性ポリスチレン
樹脂板では、水洗後の帯電防止性が劣っていた。尚、ポ
リマーAと低分子界面活性剤の配合割合が本発明の範囲
内にない比較例の帯電防止剤(XIII、 IXV)を用いた耐
衝撃性ポリスチレン板も実施例の帯電防止剤を用いた耐
衝撃性ポリスチレン板に比べて劣るものであった。
【0063】(ABS樹脂)ABS樹脂100重量部に
対し、下記の表5に示す帯電防止剤をそれぞれ加え、2
20℃で5分間ロール練りした後、プレス成型して、6
つのABS樹脂板を得た。これらのABS樹脂板を、そ
れぞれ25℃・60%RH(相対湿度)の雰囲気下で2
4時間調湿した後、ハイレスター型抵抗測定装置(三菱
油化社製)を用いて、印加電圧500Vで電圧印加1分
後の表面固有抵抗値を測定した。次に、このABS樹脂
板を25℃・20%RH(相対湿度)の雰囲気下で24
時間調湿した後、ハイレスター型抵抗測定装置(三菱油
化社製)を用いて、印加電圧500Vで電圧印加1分後
の表面固有抵抗値を測定した。さらに、このABS樹脂
板を30分間超音波洗浄した後、表面の水分を拭き取
り、25℃・60%RHの雰囲気下で24時間調湿した
後、前述と同様にして表面固有抵抗値を測定した。その
結果も下記の表5に示す。また、対照として、帯電防止
剤無添加のABS樹脂板を前述と同様に作製し、前述と
同様の評価を行った。
【0064】
【表5】 帯電防止剤 表面固有抵抗値(Ω) 種類 添加量* 25℃,60%RH 25℃,20%RH 25℃,60%RH(洗浄後) 無添加品 − 1016< 1016< 1016< II 6 2×1011 4×1011 2×1011 III 5 2×1011 5×1011 3×1011 VII 8 3×1011 6×1011 3×1011 IX 10 3×1011 5×1011 5×1011 XV 6 2×1011 9×1012 4×1011 XVI 5 3×1011 3×1011 2×1014 ポリマーB 6 2×1011 3×1013 3×1011 グリセリン 1 3×1011 4×1011 5×1014 モノステアレート *樹脂に対する重量%
【0065】表5の結果から、実施例の帯電防止剤(I
I,III,VII,IX)及び比較例の帯電防止剤(ポリマー
B単独)を用いたABS樹脂板では、前記ポリスチレン
板と同様に、少量の添加量で優れた帯電防止性が得ら
れ、水洗後においても、この効果を維持したことがわか
る。しかしながら、比較例の帯電防止剤(ポリマーB単
独)を用いたABS樹脂板では、実施例の帯電防止剤を
用いたABS樹脂板より低湿度下での帯電防止能に劣っ
ていた。また、比較例の帯電防止剤(グリセリンモノス
テアレート単独)を用いたABS樹脂板では、水洗後の
帯電防止性が劣っていた。尚、ポリマーBと低分子界面
活性剤の配合割合が本発明の範囲内にない比較例の帯電
防止剤(XV、 XVI)を用いたABS樹脂板も実施例の帯
電防止剤を用いたABS樹脂板に比べて劣るものであっ
た。
【0066】(GPグレードポリスチレン樹脂)GPグ
レードのポリスチレン樹脂100重量部に対し、下記の
表6に示す帯電防止剤をそれぞれ加え、200℃で5分
間ロール練りした後、プレス成型して、6つのポリスチ
レン樹脂板を得た。これらのポリスチレン樹脂板を、そ
れぞれ25℃・60%RHの雰囲気下で24時間調湿し
た後、ハイレスター型抵抗測定装置(三菱油化社製)を
用いて、印加電圧500Vで電圧印加1分後の表面固有
抵抗値を測定した。次に、このポリスチレン樹脂板を2
5℃・20%RH(相対湿度)の雰囲気下で24時間調
湿した後、ハイレスター型抵抗測定装置(三菱油化社
製)を用いて、印加電圧500Vで電圧印加1分後の表
面固有抵抗値を測定した。さらに、このポリスチレン樹
脂板を30分間超音波洗浄した後、表面の水分を拭き取
り、25℃・60%RHの雰囲気下で24時間調湿した
後、前述と同様にして表面固有抵抗値を測定した。その
結果も下記の表6に示す。また、対照として、帯電防止
剤無添加のポリスチレン樹脂板を前述と同様に作製し、
前述と同様の評価を行った。
【0067】
【表6】 帯電防止剤 表面固有抵抗値(Ω) 種類 添加量* 25℃,60%RH 25℃,20%RH 25℃,60%RH(洗浄後) 無添加品 − 1016< 1016< 1016< V 4 2×1011 3×1011 2×1011 VIII 4 3×1011 5×1011 3×1011 X 10.2 4×1011 5×1011 4×1011 XII 7.2 3×1011 6×1011 4×1011 XVII 4 2×1011 1×1013 2×1011 XVIII 3 3×1011 3×1011 3×1014 ポリマーE 4 2×1011 3×1013 2×1011 N,N-ジエトキ 2 3×1011 4×1011 5×1014 シココアミン *樹脂に対する重量%
【0068】表6から、実施例の帯電防止剤(V,VII
I,X,XII)及び比較例の帯電防止剤(ポリマーE)を
用いたポリスチレン樹脂板では、前記耐衝撃性ポリスチ
レン板およびABS樹脂板と同様に、少量の添加量で優
れた帯電防止性が得られ、水洗後においても、この効果
を維持したことがわかる。しかしながら、比較例の帯電
防止剤(ポリマーE)を用いたポリスチレン樹脂板で
は、実施例の帯電防止剤を用いたポリスチレン樹脂板よ
り、低湿度下での帯電防止能に劣っていた。また、比較
例の帯電防止剤(N,N−ジエトキシココアミン)を用
いたポリスチレン樹脂板では、水洗後の帯電防止性が劣
っていた。尚、ポリマーEと低分子界面活性剤の配合割
合が本発明の範囲内にない比較例の帯電防止剤(XVII、
XVIII)を用いたポリスチレン樹脂板も実施例の帯電防
止剤を用いたポリスチレン樹脂板に比べて劣るものであ
った。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明の帯電防止剤は、
プラスチックに練り込んで使用することができ、着色の
問題がなく、少量の添加量で速やかに優れた帯電防止性
を発現し、かつ低湿度下でも性能に優れ、しかもこの効
果を長期間維持し、耐水洗性にも優れる。このため、本
発明の帯電防止剤の使用により、様々な用途のプラスチ
ック成型品等に対し、低コストで簡単に優れた帯電防止
性を長期間付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/16 107 C09K 3/16 107D C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 25/18 C08L 25/18

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分及び(B)成分を含有
    し、(A)成分と(B)成分との配合割合が重量比で、
    (A)/(B)=25/1〜1/2の範囲である帯電防
    止剤。 (A)下記の一般式(1)で表される繰返し単位1及び
    下記の一般式(2)で表される繰り返し単位2を必須構
    成単位として含有し、繰返し単位1と繰返し単位2のモ
    ル比が、繰返し単位1/繰返し単位2=98/2〜80
    /20の範囲であるポリマーであって、かつ、その重量
    平均分子量が1,000〜1,000,000の範囲で
    ある芳香族系ポリマー。 【化1】 (式中、Xは水素又はメチル基であり、Mは有機アミン
    類又は有機リン類であり、SO3M 基はベンゼン環の3
    〜5位のいずれかにある) 【化2】 (式中、Xは水素又はメチル基であり、Mは有機アミン
    類及び有機リン類の少なくとも一方の塩基性有機基であ
    り、nは0又は1の数であり、少なくとも一つのSO3
    M 基はベンゼン環のオルト(o)位にある) (B)ポリ(オキシエチレン)アルキルアミン、ポリ(オ
    キシエチレン)アルキルアミド、グリセリン脂肪酸エス
    テル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルスルホネー
    ト、α−オレフィンスルホネート、アルキルベンゼンス
    ルホネート、アルキルサルフェート及びアルキルホスフ
    ェートからなる群より選ばれる1種以上の低分子界面活
    性剤型帯電防止剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1324082C (zh) * 2002-08-05 2007-07-04 理研维生素株式会社 可生物降解的聚酯树脂组合物和它的薄膜、片材以及其它模制品
US7910673B2 (en) 2008-08-12 2011-03-22 Sony Corporation Antistatic agent for thermoplastic resin and antistatic resin composition
WO2016084954A1 (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 日本乳化剤株式会社 熱可塑性樹脂用帯電防止剤および熱可塑性樹脂組成物
KR20170066386A (ko) * 2014-09-26 2017-06-14 아크조 노벨 케미칼즈 인터내셔널 비.브이. 폴리머 첨가제의 마스터배치의 제조방법

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