JP2545185B2 - 熱安定性に優れた帯電防止性ポリオレフィン系樹脂組成物及び該ポリオレフィン系樹脂組成物用の帯電防止剤 - Google Patents

熱安定性に優れた帯電防止性ポリオレフィン系樹脂組成物及び該ポリオレフィン系樹脂組成物用の帯電防止剤

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JP2545185B2
JP2545185B2 JP5011763A JP1176393A JP2545185B2 JP 2545185 B2 JP2545185 B2 JP 2545185B2 JP 5011763 A JP5011763 A JP 5011763A JP 1176393 A JP1176393 A JP 1176393A JP 2545185 B2 JP2545185 B2 JP 2545185B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱安定性に優れた帯電
防止性ポリオレフィン系樹脂組成物及び該樹脂組成物用
の帯電防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂は機械的性質に優
れ、しかも比重が小さく、耐化学薬品性にも優れている
ため、包装、輸送用資材、家庭用品、電気部品、機械部
品、自動車部品等に広く用いられている。
【0003】しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は静
電的に帯電し易いため、加工工程及び使用中の成形品表
面にほこり等が付着し、美しい外観が損われ易い欠点を
有している。
【0004】従来、このような静電気障害を除く方法と
してオレフィン系樹脂に帯電防止剤を練り込む方法が提
案されている。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン系樹脂にアルカンスルホン酸塩とス
テアリン酸アミンを併用する方法(特開昭58−637
37)、アルカンスルホン酸塩とメラミンを併用する方
法(特公昭59−19588)、及びアルカンスルホン
酸塩又はアルキルベンゼンスルホン酸塩と酸性基含有の
ポリエチレンワックス、プロピレンオリゴマ−を併用す
る方法(特公昭62−28179、特公平1−3741
4)などが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
は、いずれも射出成形、押出しシート成形等の成形加工
時に受ける熱履歴によって、添加した帯電防止剤の1部
が熱分解を起し、あるいはポリオレフィン系樹脂の分解
を誘発し、金型を腐食させたり、強い臭気を発生した
り、また、成形加工後の樹脂の熱劣化、帯電防止能の低
下の問題を有しているため、実用上十分満足できるもの
ではない。
【0006】すなわち、ポリオレフィン系樹脂に、帯電
防止剤を練り込んで帯電防止能を付与しようとすると、
溶融して成形する温度も150〜280℃程度で行う必
要があるため耐熱温度が高い帯電防止剤を使用しなけれ
ばならない。その点、アルカンスルホン酸金属塩は、耐
熱性が高く、かつ十分な帯電防止能を付与するため、ポ
リオレフィン系樹脂用の帯電防止剤として比較的適して
いるものの、いまだ十分ではない。すなわち、アルカン
スルホン酸金属塩の極く一部でも熱分解を起こすと、そ
れに伴い発生する酸が樹脂自身の劣化を促進し、金型を
腐食したり、臭気を発生したりし、樹脂の加工安定性を
損ない、また長期安定性を著しく低下させ、期待される
長期間に亘って優れた帯電防止効果を保持できない等の
問題を引き起すからである。
【0007】そこで、本発明の目的は、成形加工時に受
ける熱履歴に対して安定であり、また成形加工性が良
く、かつ安定した帯電防止及び酸化防止能を長期間保持
するポリオレフィン系樹脂組成物を提供することにあ
り、また、本発明のもう一つの目的は、前記の優れた機
能を有するポリオレフィン系樹脂組成物を製造する際に
用いられ、前記の優れた機能を付与するポリオレフィン
系樹脂組成物用の熱安定化・帯電防止剤を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、熱安定性
に優れ、長期にわたり優れた帯電防止効果を有するポリ
オレフィン系樹脂を得るために鋭意研究を重ねた結果、
ポリオレフィン系樹脂に対し、アルカンスルホン酸金属
塩と共に特定の酸化防止剤と特定の酸中和剤を添加する
ことが非常に有効であることを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち本発明は、 (1)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、 a.アルカンスルホン酸アルカリ金属塩及び/又はアル
カンスルホン酸アルカリ土類金属塩0.1〜5重量部、 b.ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.005〜5
重量部、 c.合成ゼオライト、合成ハイドロタルサイト、及び周
期律表第I族、第II族、希土類の塩基性金属酸化物又は
水酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上
0.01〜2重量部 を添加してなる熱安定性に優れた帯電防止性ポリオレフ
ィン系樹脂組成物であり、 (2)a.アルカンスルホン酸アルカリ金属塩及び/又
はアルカンスルホン酸アルカリ土類金属塩100重量
部、 b.ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1〜100
重量部、 c.合成ゼオライト、合成ハイドロタルサイト、及び周
期律表第I族、第II族、希土類の塩基性金属酸化物又は
金属水酸化物からなる群から選択された1種又は2種以
上1〜100重量部 からなるポリオレフィン系樹脂組成物用帯電防止剤であ
る。
【0009】本発明に使用するポリオレフィン系樹脂と
しては、特に制限はないが、低密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、4−メチ
ルペンテン−1及びこれらを主体とする共重合物又はア
イオノマ−樹脂等が挙げられる。
【0010】これらのポリオレフィン系樹脂は、通常の
方法で製造できる。
【0011】本発明で使用するアルカンスルホン酸アル
カリ金属塩及び/又はアルカンスルホン酸アルカリ土類
金属塩は、帯電防止剤としての役割を担うものであり、
一般式RSO3Mで表され、式中、Rはアルキル基、M
はアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。
【0012】Mは、アルカリ金属としては、リチウム、
ナトリウム、カリウム等が挙げられ、また、アルカリ土
類金属としては、カルシウム、バリウム、マグネシウム
等が挙げられ、中でも特にリチウム、ナトリウムが帯電
防止性に優れるので好ましい。
【0013】Rは、アルキル基であり、炭素数10〜1
8の直鎖飽和アルキル基で−SO3Mが2級炭素に結合
したものが、好ましく使用できる。特に炭素数10〜1
2の直鎖飽和アルキル基の2級アルカンスルホン酸金属
塩が、優れた帯電防止効果を有するのでより好ましい。
【0014】このようなアルカンスルホン酸金属塩は、
例えば、炭素数11の直鎖飽和炭化水素を亜硫酸ガス及
び酸素の存在下に紫外線を照射してアルカンスルホン酸
を製造した後、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水
酸化物と中和させ、精製して得ることができる。また、
塩素化パラフィンを硫酸化して製造する方法もあるが、
残存する塩化物が加熱時に塩化水素を発生するため、酸
中和剤の添加量を増さなくてはならなくなるので、この
方法はあまり好ましくない。
【0015】また、前記のアルカンスルホン酸金属塩
は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1
〜5重量部配合する。0.1重量部未満では帯電防止効
果が得られず、また5重量部を超えても添加量の増量に
見合うほどの帯電防止効果が得られない。より好ましく
は1〜5重量部である。
【0016】本発明で酸化防止剤として用いられるヒン
ダードフェノール系酸化防止剤は、例えば、ブチル化ヒ
ドロキシトルエン、n−オクタデシル−β−(4’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロ
ピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,
3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネ−ト]メタン等が挙げられる。中でも
特に、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]メタン、ブチル化ヒドロキシトルエン、n−オ
クタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
−t−ブチルフェニル)プロピオネートが好ましく使用
される。
【0017】また、上記ヒンダードフェノールとともに
他の公知の酸化防止剤を併用することもできる。ジラウ
リルチオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−
チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネ
ートのようなチオエーテル系酸化防止剤をヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤と組み合せて使用でき、0.01
〜0.1重量部程度の添加で、耐熱性、耐候性を含めた
長期安定性が向上する。
【0018】さらに、トリス(モノ及びジノニルフェニ
ル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトー
ルジフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイト、4,4’−ブチリデン−ビ
ス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデ
シル)フォスファイトのようなリン系酸化防止剤もヒン
ダードフェノール系酸化防止剤と組み合せて使用するこ
とができ、樹脂100重量部に対して0.05〜0.5
重量部程度の添加で加工安定性が向上する。
【0019】ヒンダードフェノール系酸化防止剤はポリ
オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.005〜
5重量部添加する。0.005重量部未満では酸化防止
効果が得られず、また5重量部を超えても添加量の増量
に見合うほどの酸化防止効果が得られない。より好まし
くは0.01〜2重量部である。
【0020】また、本発明では、酸中和剤として合成ゼ
オライト、合成ハイドロタルサイト及び周期律表第I
族、第II族、希土類の塩基性金属酸化物又は水酸化物か
らなる群から選択された1種又は2種以上を、ポリオレ
フィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜2重量
部、好ましくは0.1〜2重量部配合する0.01重量
部未満では酸中和効果が得られず、また2重量部を超え
ても添加量の増量に見合うほどの酸中和効果が得られな
い。これらの中で、特に合成ゼオライト、合成ハイドロ
タルサイトが好ましい。またこれらの酸中和物は、単独
で使用しても、適宜の割合で混合して使用してもよい。
【0021】前記の合成ゼオライトは、次の各一般式で
表される化合物である。
【0022】
【数1】
【0023】前記の合成ハイドロタルサイトは、次の一
般式で表わされるハイドロタルサイト
【0024】
【数2】
【0025】カチオン性成分とアニオン性成分の溶液を
共沈殿等により反応させて合成できる。これらの中では
Mg/Al系の塩基性炭酸塩が好ましく、医薬用の制酸
剤、樹脂用安定剤等として商品名DHT−4A(Mg
4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O)で市販されて
おり入手も容易である。
【0026】さらに、前記の周期律表第I族、第II族、
希土類の塩基性金属酸化物としてはリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、
亜鉛、ランタン、セリウムなどイオン電場強度の強い金
属の水酸化物、酸化物が挙げられる。
【0027】ポリオレフィン系樹脂に酸中和剤としてス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなど
の高級脂肪酸金属塩が使用されることは知られている。
しかし、脂肪酸金属塩を使用して、本発明と同等の効果
を得るためには多量の添加が必要となり、プレ−トアウ
ト現象などの弊害が発生するので好ましくないが、本発
明で用いる酸中和剤の一部を置き換える形で併用し、そ
の添加量を減ずることができる。
【0028】また、本発明のポリオレフィン系樹脂組成
物は、前記特定した添加剤が一つ欠けても、後述の実施
例で示すように期待する効果は得られない。つまり本発
明は、前記の3種の添加剤が過不足なく配合されて使用
されることによって、ポリオレフィン系樹脂組成物とし
て、あるいはその製造において、熱安定性及び成形加工
性が良く、かつ安定した帯電防止及び酸化防止能を長期
間維持する等の総合的、実用的に優れた効果を発揮する
ものである。
【0029】また、本願第2の発明は、ポリオレフィン
系樹脂に添加して、前述の優れたポリオレフィン系樹脂
組成物を得ることのできる添加剤であり、 a.アルカンスルホン酸アルカリ金属塩及び/又はアル
カンスルホン酸アルカリ土類金属塩100重量部、 b.ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1〜100
重量部、 c.合成ゼオライト、合成ハイドロタルサイト、及び周
期律表第I族、第II族、希土類の塩基性金属酸化物又は
水酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上1
〜100重量部 からなるポリオレフィン系樹脂組成物用熱安定化・帯電
防止剤である。
【0030】すなわち、(a):(b):(c)=0.
1〜5:0.005〜5:0.01〜2(重量部)の割
合で混合した添加剤組成物であり、ポリオレフィン系樹
脂ポリマーの成形時に添加、混練して前述の優れた性能
を有するポリオレフィン系樹脂組成物を容易に製造する
ことができる。なお、ポリオレフィン系樹脂ポリマーは
その製造、出荷段階で既に酸化防止剤が配合されて流通
されている場合があるが、このような場合には、(b)
の酸化防止剤をその分だけ減じて添加剤組成物を調製す
ればよい。
【0031】本発明の組成物の製造にあたっては、ポリ
オレフィン系樹脂(ポリマー)、アルカンスルホン酸ア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤及び酸中和剤を所定量、ヘンシェルミ
キサー、タンブラーなどを用いて室温〜100℃で1分
ないし1時間混合し、引続きバンバリーミキサー、ロー
ル、ニーダー、あるいは単軸又は二軸の押出機などを用
い150〜280℃(I)で、10秒〜5分混練し、押
出して、ペレット状のポリオレフィン系樹脂組成物を製
造する。このようにして得られたペレット状のポリオレ
フィン系樹脂組成物を目的に応じ、射出成形、押出成形
などの成形法により、ポリオレフィン系樹脂組成物の成
形品を製造する。なお、添加剤は、ペレット成形後に添
加することもできるが、高熱に曝される前に添加する方
が好ましい。また、混練機能を十分に備えた成形機を用
いた場合には、ペレットを成形することなく、直接成形
品の製造を行うこともできる。
【0032】このようにして製造された本発明のポリオ
レフィン系樹脂組成物においては、それに含まれる特定
中和剤と特定の酸化防止剤との相乗効果により、樹脂と
帯電防止剤であるアルカンスルホン酸金属塩の酸化劣化
が効果的に抑制され、たとえその高温での成形時におい
て、それらが熱分解を受けて酸性物質を発生しても、こ
れは組成物中の特定の中和剤により中和されるので、前
記酸性物質による前記アルカンスルホン酸金属塩の分解
が抑制され、帯電防止効果及び酸化防止効果は長期間保
持されるものである。又成形時酸性物質が発生しても直
ちに中和されるので、金型腐食も防止することができ
る。
【0033】本発明の組成物には必要に応じて、通常ポ
リオレフィン系樹脂に添加される各種の添加物、例えば
酸化防止剤、光安定剤、滑剤、顔料等を本発明の効果を
阻害しない範囲内で適宜併用することができる。
【0034】ポリオレフィン系樹脂を用いて成形材料を
製造する場合、従来から公知の無機充填材を使用するこ
とができる。この充填材としては、ガラス繊維、溶融シ
リカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸カル
シウム、タルク、ガラスビーズ、ガラス粉、亜鉛華、炭
酸カルシウム、粘土及び表面が絶縁膜で覆われた金属粉
などがある。
【0035】本発明の樹脂組成物においても上記無機充
填材を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもか
まわない。無機充填材は、シラン系、チタネート系等の
表面処理剤により処理しておくことが好ましい。
【0036】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は上
記特定三成分の添加により、成形加工時と成形品使用時
にわたり、耐熱性が改良され、二次成形加工も含めて様
々な成形工程において、変色、臭気発生、成形機の腐食
などの不具合がなく、成形プロセス、成形条件上の制約
が減るため経済性を高めることができる。
【0037】さらに成形品は優れた帯電防止能を有する
ので、静電気による塵埃の吸着がなく、また、帯電防止
剤を加えたことによる寿命低下も抑制されるため、自動
車、精密機器、電子、電機製品の部品として極めて好適
である。
【0038】
【実施例】次に本発明の実施例について説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0039】以下に示すように試験片を作製し、その物
性、帯電圧半減期、表面抵抗率、腐食性、臭気、加圧安
定性、熱老化性の試験を行い評価した。なお、試験片の
作製方法及び評価試験の方法は下記の通りである。
【0040】1)試料の調製と試験片の作製 (1)ポリエチレン(PE−A)樹脂の調製 チグラ−触媒の存在下80℃、常圧のエチレンガスを重
合させ、ポリエチレン(PE−A)を得た。
【0041】(2)ポリプロピレン(PP−A)樹脂の
調製 チグラ−触媒の存在下、80℃、10kg/m2の条件
でプロピレンを重合させ、ポリプロピレン(PP−A)
を得た。
【0042】試験片の作製は上記PE−AまたはPP−
Aを用いて下記の方法で行った。
【0043】PE−A又はPP−A100重量部に炭素
数11の2級アルカンスルホン酸ナトリウム(日鉱石油
化学製、SAS195)、及びその他の添加剤を表1又
は表2に示す割合で混合し、この混合物を熱風循環乾燥
機で80℃、1時間乾燥後、40mmφ(L/D=3
2)単軸押出機(田辺プラスチック機社製、VS40−
32)を用い、180℃でペレット化した。このペレッ
トを90℃で3時間乾燥し、100t射出成形機(東芝
機械社製、IS−100FIV)によって、シリンダ温度
PE−Aについては180220℃、又、PP−Aに
ついては230〜250℃、金型温度60℃で射出成形
して、実施例及び比較例の試験片として、50mmφ×
3mmの平板を得た。
【0044】2)帯電圧半減期 上記の平板を23℃、50%RHで1週間状態調節し、
スタティックオネストメーター(シシド静電気製)を用
いて帯電圧半減期を測定した。印可電圧は−10KVで
ある。
【0045】3)表面抵抗率 上記平板を23℃、50%RHで1週間状態調節し、高
抵抗抵抗計ハイレスタIP(三菱油化製)を用いて表面
抵抗率を測定した。印可電圧は500V,10secで
ある。
【0046】4)腐食性(鋼板腐食試験) 試験管に入れたペレットを250℃で加熱溶融し、次い
で、軟鋼製の試験片を18℃に冷却しながら溶融したポ
リオレフィン系樹脂組成物直上に90分間曝し、揮発凝
縮した物質による腐食状態を顕微鏡で観察し、腐食の有
無(不良/良)を判定した。
【0047】5)臭気ペレット成形時の臭気発生状況を
ポリオレフィン系樹脂単独で行ったブランク の場合と比較して、次の基準で評価した。
【0048】(1)弱:ブランクと同等ないし極くわず
かに臭気が感じられる。
【0049】(2)やや強:臭気が感じられる (3)強:強く臭気が感じられる 6)加工安定性 押出機で3回繰返し押出し成形を行い、外観形状の変
化、色相の安定性を評価した。
【0050】7)熱老化性 ギヤーオーブン(東洋精機製作所製)を用い、長期安定
性の指標としての熱老化性を、試験温度はPE−A、P
P−Aいずれも140℃にて、外観上、老化が認められ
るまでの時間を測定し、評価した。
【0051】実施例1〜5及び比較例1〜9 PE−A樹脂100重量部に各成分を種々の割合で配合
したものの結果を表1に示す。実施例1〜5において、
良好な帯電防止能及び耐腐食性、臭気発生防止の効果が
認められる。各成分の配合が不適当で、また配合量が低
い、比較例1〜9では帯電防止能及び耐腐食性等に欠点
を有する。
【0052】
【表1】
【0053】実施例6〜10及び比較例10〜18 PP−A樹脂100重量部に各成分を種々の割合で配合
したものの結果を表2に示す。実施例6〜10におい
て、良好な帯電防止能及び耐腐食性、臭気発生防止の効
果が認められる。各成分の配合が不適当で、また配合量
が低い、比較例10〜18では帯電防止能及び耐腐食性
等に劣っている。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】本発明は、ポリオレフィン系樹脂にアル
カンスルホン酸アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、
特定の酸化防止剤及び酸中和剤を配合したものであり、
優れた帯電防止及び酸化防止効果が長期間に亘って保持
され、さらに、臭気、金型腐食などの問題もなくなるの
で、包装資材、家庭用品、自動車、電機製品の部品の成
形用として極めて好適に使用されるものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/42 C08K 5/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    し、 a.アルカンスルホン酸アルカリ金属塩及び/又はアル
    カンスルホン酸アルカリ土類金属塩0.1〜5重量部、 b.ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.005〜5
    重量部、 c.合成ゼオライト、合成ハイドロタルサイト、及び周
    期律表第I族、第II族、希土類の塩基性金属酸化物又は
    水酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上
    0.01〜2重量部 を添加してなる熱安定性に優れた帯電防止性ポリオレフ
    ィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 a.アルカンスルホン酸アルカリ金属塩
    及び/又はアルカンスルホン酸アルカリ土類金属塩10
    0重量部、 b.ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1〜100
    重量部、 c.合成ゼオライト、合成ハイドロタルサイト、及び周
    期律表第I族、第II族、希土類の塩基性金属酸化物又は
    水酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上1
    〜100重量部 からなるポリオレフィン系樹脂組成物用帯電防止剤。
JP5011763A 1993-01-27 1993-01-27 熱安定性に優れた帯電防止性ポリオレフィン系樹脂組成物及び該ポリオレフィン系樹脂組成物用の帯電防止剤 Expired - Lifetime JP2545185B2 (ja)

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JPH04175353A (ja) * 1990-07-18 1992-06-23 Chisso Corp 自動車用ポリプロピレン複合材

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