JP3405861B2 - ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物

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JP3405861B2
JP3405861B2 JP21565095A JP21565095A JP3405861B2 JP 3405861 B2 JP3405861 B2 JP 3405861B2 JP 21565095 A JP21565095 A JP 21565095A JP 21565095 A JP21565095 A JP 21565095A JP 3405861 B2 JP3405861 B2 JP 3405861B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性の著しく改良さ
れたポリプロピレン樹脂組成物に関し、さらに詳しく
は、高度な透明性を付与することにより包装容器等とし
ての価値を著しく高めたポリプロピレン樹脂組成物、及
び透明性とともに帯電性も改良し、埃等の付着を防止し
たポリプロピレン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレン樹脂は、耐薬品性、水蒸気バリア性、耐熱性、
耐絶縁性等に優れているため、日用雑貨、自動車部品、
包装材料、工業部品等種々の分野にわたって広範囲に使
用されている。しかし、ポリプロピレン樹脂は結晶性で
あるため、結晶部と非晶部の屈折率の違いによる散乱光
により不透明となる。そのため包装用材料等一部の用途
では、商品価値を損ねることがある。
【0003】従来より、ポリプロピレン樹脂の透明性を
改良するために添加剤としてジベンジリデンソルビトー
ル、カルボン酸またはその金属塩等の結晶核剤が用いら
れてきた。結晶核剤の使用により、透明性、表面光沢等
の向上は見られるが、例えば前者の場合は樹脂物性の低
下は少ないが、透明性への充分な要求に応えるレベルに
は達しておらず、また後者の場合は樹脂物性の低下が起
こる。
【0004】このような結晶核剤の中でも、1,3,2,4 −
ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールは比較的高い核
剤効果により優れた透明性が実現できることが知られて
おり、一般に多く使用されている。しかし1,3,2,4 −ジ
(メチルベンジリデン)ソルビトールは、結晶核剤とし
ての性能は優れているが、欠点として高価である上に、
高度な透明性の要求を満足するレベルには至っていな
い。また、多量に使用した場合に加工時の臭気の問題や
昇華物、熱分解物等が成形機や製品へ付着して白粉を発
生させるなどの問題がある。
【0005】これらの欠点を改良する方法として、特公
昭61−36789 号公報にジベンジリデンソルビトールを使
用した場合の白粉発生防止方法として、種々の界面活性
剤を併用し、透明性を向上すると共に成形加工時の白粉
発生を防止する方法が開示されているが、この方法では
白粉の発生は抑えられるが、透明性を著しく改善するに
は至っていない。また、特公平6−874 号公報にジ−
(置換ベンジリデン)ソルビトールと高級アルコールを
併用することにより、より高度な透明性を付与する方法
が開示されているが、この方法でも同様、透明性を著し
く改善するには至っていない。かかる実状において、極
少量の添加でより高度な透明性を実現する技術の確立が
強く望まれてきた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリプロ
ピレン樹脂の透明性を向上させる手段を種々検討した結
果、結晶核剤と多価アルコールを併用することにより、
高度な透明性を付与することができ、なおかつ脂肪酸モ
ノグリセライドを主成分とする帯電防止剤を併用するこ
とにより、さらに高度な透明性を実現すると共に、帯電
防止効果を付与できることを見いだし本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、下記(1) 〜(5) に示す
ポリプロピレン樹脂組成物を提供するものである。
【0007】(1) ポリプロピレン樹脂 100重量部に対し
て、結晶核剤0.01〜1.0 重量部と多価アルコール0.01〜
0.1 重量部を配合してなることを特徴とする透明性の改
良されたポリプロピレン樹脂組成物。 (2) 結晶核剤が一般式(I)で表されるジ−(置換ベン
ジリデン)ソルビトールである上記(1) 記載のポリプロ
ピレン樹脂組成物。
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1及びR 2 は同一又は異なって、炭
素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン
原子を示す。m 及びn は同一又は異なって1〜3の整数
を示す。) (3) 多価アルコールがグリセリン、ソルビトール、ペン
タエリスリトール及びこれらの誘導体からなる群から選
ばれる1種又は2種以上である上記(1)又は(2)記載のポ
リプロピレン樹脂組成物。 (4) ポリプロピレン樹脂が、プロピレン単独重合体又は
全構成単量体成分の70重量%以上がプロピレンであるプ
ロピレン共重合体で、メルトフローレートが0.1〜 100
g/10分の樹脂である上記(1) 〜(3) のいずれかに記載
のポリプロピレン樹脂組成物。
【0010】(5) 更に、脂肪酸モノグリセライドを主成
分とする帯電防止剤を、ポリプロピレン樹脂 100重量部
に対して 0.1〜1.0 重量部配合してなることを特徴とす
る上記(1) 〜(4) のいずれかに記載の透明性及び帯電性
の改良されたポリプロピレン樹脂組成物。
【0011】本発明において、結晶核剤としては、ソル
ビトールと置換芳香族アルデヒドとの縮合反応で得られ
る、前記一般式(I)で表されるジ−(置換ベンジリデ
ン)ソルビトールが好ましく用いられるが、一般式
(I)中のR1及びR2で示されるアルキル基としては、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
t−ブチル基等が、アルコキシ基としてはメトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基等が、ハロゲン原子とし
ては塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0012】さらに、本発明においては、公知の他の結
晶核剤や有機結晶化促進剤を併用することにより更に透
明性を向上させることができる。これらの結晶核剤や有
機結晶化促進剤として、次のような化合物を例示するこ
とができる。結晶核剤としては、芳香族リン酸の金属塩
である、式(II)で表されるリン酸ビス(4−t−ブチ
ルフェニル)ナトリウム、式(III) で表されるリン酸
2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナ
トリウム等が挙げられる。
【0013】
【化3】
【0014】また有機結晶化促進剤としては、脂肪族カ
ルボン酸、芳香族カルボン酸又はこれらの金属塩が挙げ
られる。脂肪族カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロ
ピオン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪族モノカルボン
酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸が
挙げられる。芳香族カルボン酸としては、フェニル酢
酸、安息香酸、メチル安息香酸、p−ターシャリブチル
安息香酸、イソプロピル安息香酸、o−トルイル酸、m
−トルイル酸、p−トルイル酸、p−クロロ安息香酸、
o−ブロモ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−ブロモ
安息香酸、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、
p−ニトロ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、サ
リチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、m−アミノ安息香
酸、p−アミノ安息香酸、o−メトキシ安息香酸、m−
メトキシ安息香酸等の芳香族カルボン酸が挙げられる。
またこれらの金属塩としては、例えばカリウム、ナトリ
ウム、リチウム等の周期律表第I族の金属の塩、亜鉛、
カルシウム、マグネシウム等の第II族の金属の塩、アル
ミニウム等の第III 族の金属の塩が挙げられる。
【0015】本発明の組成物中の結晶核剤の配合量は、
ポリプロピレン樹脂 100重量部に対して0.01〜1.0 重量
部、好ましくは0.05〜0.5重量部、更に好ましくは0.05
〜0.3重量部である。結晶核剤の配合量が0.01重量部未
満であると、透明性改良効果が不充分であり、1.0 重量
部より多いと、結晶核剤が高価であるので経済的に不利
であるばかりか、透明性改良効果が飽和し、それ以上の
効果が上がらず、また成型時の臭気の問題や、成型時の
昇華物や分解物の成形機や製品への付着、成形品表面へ
のブリード等の問題があり好ましくない。
【0016】本発明で使用する多価アルコールとして
は、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール
及びこれらの縮合物やこれらのアルキレンオキサイド付
加物等が挙げられる。ソルビトールに関しては、その誘
導体としてソルビタンやソルバイドがあるが、これらの
単独あるいは混合物も本発明に好適に用いることができ
る。
【0017】グリセリンやペンタエリスリトール等の縮
合物としては、グリセリン縮合物の場合、その縮合度が
2〜10のものが好ましく、より好ましい縮合度は2〜5
のものである。また、ペンタエリスリトールの縮合物の
場合、その縮合度は2以下のものが好ましい。縮合度が
この範囲より大きくなると透明性の改良効果がなくなる
と共に、樹脂との相溶性が悪化し好ましくない。具体的
には、グリセリンの縮合物としてジグリセリンやトリグ
リセリン、ペンタエリスリトールの縮合物としてジペン
タエリスリトールが挙げられる。
【0018】グリセリン、ソルビトール、ペンタエリス
リトール等のアルキレンオキサイド付加物としては、エ
チレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加
物が挙げられる。これらアルキレンオキサイドの付加モ
ル数としては1〜20モルが好ましく、より好ましくは1
〜10モルである。アルキレンオキサイドの付加モル数
が、20モルより大きくなると透明性の改良効果がなくな
ると共に、樹脂との相溶性が悪化し好ましくない。ま
た、一般にアルキレンオキサイドを付加すると、付加モ
ル数に分布を持った混合物として得られるが、これらの
混合物についても本発明に好適に用いることができる。
これらの多価アルコールは、単独あるいは2種類以上を
併用して用いても構わない。
【0019】本発明の組成物中の多価アルコールの配合
量は、ポリプロピレン樹脂 100重量部に対して0.01〜0.
1 重量部、好ましくは0.01〜0.07重量部である。多価ア
ルコールの配合量が0.01重量部未満であると、透明性改
良効果が得られず、0.1 重量部より多いと、透明性改良
効果が飽和に達し、成型時の揮発による金型や製品表面
の汚染等の問題が生じてくる。
【0020】本発明に用いられるポリプロピレン樹脂と
しては、プロピレンの単独重合体の他に、プロピレンと
他のα−オレフィン、例えばエチレン、ブテン−1、4
−メチルペンテン−1、ヘキセン−1等とのランダム共
重合体又はブロック共重合体を用いることができる。こ
れらの中で、プロピレン単独重合体又は全構成単量体成
分の70重量%以上がプロピレンであるプロピレン共重合
体が好ましく、成形性等からメルトフローレートが 0.1
〜 100g/10分のものが特に好ましい。
【0021】本発明において、前記の結晶核剤と多価ア
ルコールとの組み合わせとしては、次のような組み合わ
せが好適なものとして例示されるが、本発明はこれらの
組み合わせに限定されるものではない。 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとグ
リセリン 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとソ
ルビトール 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとペ
ンタエリスリトール 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとグ
リセリンエチレンオキサイド5モル付加物 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとソ
ルビトールエチレンオキサイド6モル付加物 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとペ
ンタエリスリトールエチレンオキサイド8モル付加物 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとジ
グリセリン 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとト
リグリセリン 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとグ
リセリン及びグリセリンエチレンオキサイド5モル付加
物 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとソ
ルビトール及びソルビトールエチレンオキサイド6モル
付加物 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとペ
ンタエリスリトール及びペンタエリスリトールエチレン
オキサイド8モル付加物 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとジ
グリセリン及びグリセリンエチレンオキサイド5モル付
加物 1,3,2,4 −ジ(メチルベンジリデン)ソルビトールとト
リグリセリン及びソルビトールエチレンオキサイド6モ
ル付加物。
【0022】更に本発明のポリプロピレン樹脂組成物
は、脂肪酸モノグリセライドを主成分とする帯電防止剤
を添加することにより、高度な透明性と帯電防止効果を
両立させることができる。本発明に用いられる帯電防止
剤中の脂肪酸モノグリセライドの割合は30重量%以上が
好ましい。脂肪酸モノグリセライドの割合が30重量%未
満であると多価アルコールとの併用による透明性改良効
果が不十分となる。本発明において、帯電防止剤として
用いられる脂肪酸モノグリセライドとしては、下記一般
式 (IV) で表される脂肪酸モノグリセライドが挙げられ
る。
【0023】
【化4】
【0024】(式中、R3は炭素数7〜21の脂肪族炭化水
素基を示す。) また、脂肪酸モノグリセライドと併用される他の帯電防
止剤としては、下記一般式(V)で表される N,N−ビス
(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、一般式 (V
I) で表される N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ア
ルキルアミド等が挙げられる。
【0025】
【化5】
【0026】(式中、R4は炭素数14〜22の脂肪族炭化水
素基、R5は炭素数11〜21の脂肪族炭化水素基を示す。) 一般式 (IV) で表される脂肪酸モノグリセライドにおい
て、R3は炭素数7〜21の脂肪族炭化水素基であるが、帯
電防止性能の発現、樹脂との相溶性の点から炭素数11〜
21のアルキル基が好ましく、最も好ましくは、炭素数15
と17(R3-CO-基が、ステアロイル基及び/又はパルミト
イル基)の場合である。
【0027】具体的には一般式 (IV) で表される脂肪酸
モノグリセライドを合成する際に使用される脂肪酸が、
ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン
酸、ベヘニン酸等であるものが挙げられる。また、一般
に用いられる例えば工業用ステアリン酸などでは、ステ
アリン酸とパルミチン酸の混合物であるが、このような
混合脂肪酸より得られるモノグリセライド混合物も好適
に用いられる。また、本発明で用いられる脂肪酸モノグ
リセライドは、脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応
などで、容易に得ることができるが、一般にエステル化
反応ではモノエステル、ジエステル、トリエステルの混
合物として得られる。本発明に用いられる脂肪酸モノグ
リセライドとしては、このような混合物を用いても構わ
ないが、精製したモノエステル含量の多い、いわゆる高
純度脂肪酸モノグリセライドであることが帯電防止効果
の発現性、樹脂への練り込み時の相溶性の点でより好ま
しい。
【0028】一方、上記の一般式(V)で表される N,N
−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミンにおいて、
R4は炭素数14〜22の脂肪族炭化水素基であるが、帯電防
止性能の発現、樹脂との相溶性の点から、炭素数16〜22
のものが好ましく、具体例として、テトラデシル、ヘキ
サデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル等の基
を挙げることができる。中でも、最も好ましくは、炭素
数18(R4- 基がステアリル基) の場合である。これらの
N,N−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミンは、ア
ルキルアミンにエチレンオキサイドを2モル付加させる
反応等により容易に得られるが、一般にエチレンオキサ
イドの付加モル数に分布を持った混合物として得られ、
さらにはアルキル基についても原料に由来するアルキル
分布を持った混合物として得られるが、これらの混合物
についても本発明に好適に用いられる。
【0029】上記の一般式 (VI) で表されるN,N −ビス
(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミドにおいて、R5
は炭素数11〜21の脂肪族炭化水素基であるが、帯電防止
性能の発現、樹脂との相溶性の点から、炭素数11〜17の
ものが好ましく、最も好ましくは、15と17(R5-CO-基
が、ステアロイル基及び/又はパルミトイル基)の場合
である。具体的には一般式 (VI) で表されるN,N −ビス
(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミドを合成する際
に使用される脂肪酸が、ラウリン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸等であるものが
挙げられる。これらのN,N −ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)アルキルアミドは、脂肪酸あるいは脂肪酸アルキル
エステルとジエタノールアミンとからアミド化やアミノ
リシスにより容易に得られるが、一般に、原料のアルキ
ル基に由来するアルキル分布を持った混合物として得ら
れ、これらの混合物についても本発明に好適に用いられ
る。
【0030】本発明組成物中の帯電防止剤の配合量とし
ては、ポリプロピレン樹脂 100重量部に対して 0.1〜1.
0 重量部、好ましくは 0.2〜0.5 重量部である。帯電防
止剤の配合量が 0.1重量部未満であると、帯電防止効果
が得られず、 1.0重量部より多いと、帯電防止剤のブリ
ード過多による成型品表面のベタツキや白化の発生が生
じ好ましくない。本発明に係わる帯電防止剤は帯電防止
性能の向上のみならず、透明性も向上させる効果があ
る。
【0031】本発明の組成物には、発明の効果を阻害し
ない範囲内で、他の成分として公知の樹脂加工用安定
剤、透明化促進助剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収
剤、顔料、分散剤、滑剤などを添加することもできる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、通常の混練方法
により製造することができる。例えば、ポリプロピレン
樹脂に、結晶核剤、多価アルコール、更に必要応じて帯
電防止剤や、酸化防止剤、顔料等の他の添加剤を配合し
た物をミキサーやブレンダー等の混合機で混合した後、
押出機でペレット化することにより本発明のポリプロピ
レン樹脂組成物のペレットを得ることができる。得られ
たペレットは各種成形品の材料となるが、成形方法は特
に限定されることなく、射出成形機、押出成形機、プレ
ス成形機などにより目的とする成形品に加工することが
できる。もちろん、結晶核剤や帯電防止剤を、ポリプロ
ピレン樹脂とともに押出加工せず直接成形に供しても構
わない。さらには、結晶核剤や帯電防止剤の高濃度に練
り込んだマスターペレットや、例えば結晶核剤と帯電防
止剤の溶融混合物を冷却したベルト等に滴下する等の方
法で粒状にしたものを成型加工の際、樹脂とブレンドし
て成型に供しても構わない。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例などによ
りなんら限定されるものではない。なお、「部」は特に
示さない限り「重量部」を意味するものとする。
【0033】実施例1〜5及び比較例1〜3 ポリプロピレン樹脂としてプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体(東燃化学(株)製、PJ-420TX)100 重量部
に対して、表1に示す結晶核剤及びアルコールを、表1
に示す重量部数配合し、スーパーミキサーで混合後、25
mm押出機でペレット化した。このペレットを用いて射出
成形機にて50×100 ×2.5mm のテストピースを成形し、
下記方法により透明性を評価した。結果を表1に示す。 <透明性の評価方法>JIS-K6714 に準拠して、日本電色
工業(株)製デジタル濁度計(NDH-20D)を用いて、透明
性(ヘイズ)を測定した。
【0034】
【表1】
【0035】注) *1 ゲルオールMD:1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデ
ン)ソルビトール(新日本理化(株)製) *2 ソルビトールEO6 :ソルビトールエチレンオキサイ
ド6モル付加物 実施例6〜12及び比較例4〜5 ポリプロピレン樹脂としてプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体(東燃化学(株)製、PJ-420TX)100 重量部
に対して、表2に示す結晶核剤、多価アルコール及び帯
電防止剤を、表2に示す重量部数配合し、実施例1と同
様にテストピースを成形した。得られたテストピースに
ついて、実施例1と同様に透明性を評価し、下記方法に
より帯電防止性を評価した。結果を表2に示す。 <帯電防止性の評価方法>25℃、50%RHに調整された恒
温・恒湿室にて、高抵抗計(ヒューレット・パッカード
社製4329A型)を用いて表面固有抵抗値を測定し、宍戸
静電気(株)製スタチックオネストメーターを用いて、
帯電圧半減期を測定した。
【0036】
【表2】
【0037】注) *1 表1に同じ *2 表1に同じ *3 帯電防止剤の略称は以下の通りである C18MG :ステアリン酸モノグリセライド C18DEA:ステアリルジエタノールアミン C18DEAmd:ステアリルジエタノールアミド
【0038】
【発明の効果】本発明の結晶核剤と多価アルコールを併
用したポリプロピレン樹脂組成物を用いた成形品は、結
晶核剤を単独で用いた物と比較して著しく高度な透明性
を有し、さらに脂肪酸モノグリセライドを主成分とする
帯電防止剤を併用することにより、より高度な透明性と
帯電防止効果をも付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭61−36789(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 3/00 - 13/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン樹脂100重量部に対し
    て、結晶核剤0.01〜1.0重量部と、グリセリン、ソルビ
    トール、ペンタエリスリトール、又はこれらのエチレン
    オキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物(付
    加モル数1〜20モル)、縮合度2〜10のグリセリン縮合
    物、縮合度2以下のペンタエリスリトール縮合物からな
    る群から選ばれる1種又は2種以上の多価アルコール0.
    01〜0.1 重量部を配合してなることを特徴とする透明性
    の改良されたポリプロピレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 結晶核剤が一般式(I)で表されるジ−
    (置換ベンジリデン)ソルビトールである請求項1記載
    のポリプロピレン樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1及びR 2 は同一又は異なって、炭素数1〜8の
    アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示す。
    m 及びn は同一又は異なって1〜3の整数を示す。)
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン樹脂が、プロピレン単独
    重合体又は全構成単量体成分の70重量%以上がプロピレ
    ンであるプロピレン共重合体で、メルトフローレートが
    0.1〜 100g/10分の樹脂である請求項1又は2記載の
    ポリプロピレン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 更に、脂肪酸モノグリセライドを主成分
    とする帯電防止剤を、ポリプロピレン樹脂 100重量部に
    対して 0.1〜1.0 重量部配合してなることを特徴とする
    請求項1〜のいずれか一項に記載の透明性及び帯電性
    の改良されたポリプロピレン樹脂組成物。
JP21565095A 1995-08-24 1995-08-24 ポリプロピレン樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3405861B2 (ja)

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