JP2980686B2 - 帯電防止剤組成物及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止剤組成物及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、新規な帯電防止剤組成物及びそれを含有す
る熱可塑性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、本発
明は、帯電防止性に優れ、成形性をそこなうことがな
く、透明樹脂に配合して成形した場合には成形品の透明
性をそこなうことがなく、さらに特殊な組成により特に
アクリル樹脂などの透明樹脂に配合すると押出成形に限
らず、射出成形においても帯電防止性能が成形後即時に
発現しうる帯電防止剤組成物及びそれを含有する、帯電
防止性、成形性及び場合により透明性に優れた熱可塑性
樹脂組成物に関する。
背景技術 熱可塑性樹脂、中でもアクリル樹脂は優れた透明性や
光学特性、良好な機械的性質や加工特性や外観などによ
り、フイルム、繊維、成形品などの材料として広く用い
られ、中でも照明器具、看板、装飾品などに多用されて
いる。しかしながら、このような熱可塑性樹脂は、一般
に疎水性であって電気絶縁性が大きいため、静電気の蓄
積により帯電しやすく、その結果外観がそこなわれた
り、加工、包装、印刷、塗装などの工程における作業能
率が低下するのを免れない上、火花放電による事故の発
生原因ともなる。そこで、熱可塑性樹脂、特にアクリル
樹脂の帯電防止方法が種々検討されている。
ところで、一般的な合成樹脂用の内部添加型の帯電防
止剤としては、カチオン性、アニオン性、非イオン性の
界面活性剤が知られており、帯電防止効果はこれらの界
面活性剤が合成樹脂表面にブリードアウトすることで発
現するとされている。
しかし、アクリル樹脂に対しては、該樹脂の加工温度
が比較的高いため、熱安定性に乏しいカチオン性界面活
性剤を使用することは困難であるし、また、該樹脂のガ
ラス転移温度もポリエチレンやポリプロピレンに比べて
高いため、非イオン性界面活性剤を用いる場合は多量の
添加を必要とするが、その場合には耐熱変形温度や透明
性が低下し、樹脂本来の基本特性がそこなわれるし、該
界面活性剤が樹脂表面に過剰にブリードアウトし成形品
をべとつかせ、実用に供しえなくなるのを免れない。
一方、上記帯電防止性界面活性剤として、熱安定性が
要求される場合、アルキルスルホン酸金属塩やアルキル
ベンゼンスルホン酸金属塩のようなアニオン性界面活性
剤が提案されている(特開昭49−73443号公報、特開昭5
2−47072号公報、特開昭54−37154号公報)。
しかしながら、これらの内部練り込み型帯電防止性界
面活性剤は、本来疎水性であるアクリル樹脂との相溶性
が十分でないため、透明性が低下し、外観がそこなわれ
るという欠点を有している。
また、アクリル樹脂に対してアルカンスルホネート、
アルキルベンゼンスルホネート及び脂肪酸モノグリセリ
ドを併用し、スルホン酸塩系アニオン性界面活性剤を帯
電防止剤組成物とすることにより透明性の低下を改良す
る方法が提案されているが(特開平1−197552号公
報)、その改良効果は必ずしも満足すべきものとはいえ
ない。
一方、ポリオレフィン又はポリスチレン用帯電防止剤
組成物として、アミン化合物で中和された遊離カルボキ
シル基を有するスルホン酸金属塩(特公昭58−19692号
公報)や、脂肪族アルコール又はポリエチレングリコー
ルでエステル化されたカルボキシル基を有するスルホン
酸金属塩(特公昭58−53658号公報)が提案されてい
る。
しかし、これらの帯電防止剤組成物は、アクリル樹脂
に適用すると透明性や分散性の低下により外観が良好で
なくなるのを免れない。
他方、これまでにアクリル樹脂成形品特に射出成形品
の帯電防止方法については、炭素鎖長が12以下の非イオ
ン系界面活性剤を使用する方法として、ラウリン酸モノ
グリセリドを他の非イオン系界面活性剤と併用する方法
(特公平2−14377号公報)、ジエタノールラウリルア
ミンを配合する方法(特開昭62−295944号公報)などが
提案されている。
しかしながら、これらの方法は、アクリル樹脂に対
し、非イオン系界面活性剤の添加量を4重量部以上にし
ないと、これを射出成形する場合、成形直後に十分な帯
電防止効果が得られないばかりか、アクリル樹脂の熱変
形温度を低下させ、また界面活性剤の揮発性が高いた
め、成形品表面にシルバーマークを発生させ、成形品表
面の外観をそこない、成形時の発煙が激しく作業環境上
不都合であるなど多数の不利がある。
本発明は、このような事情の下、アクリル樹脂などの
熱可塑性樹脂における従来公知の帯電防止剤組成物に比
べ、帯電防止性に優れ、成形性をそこなうことがなく、
特に透明樹脂に配合して成形した場合には成形品の透明
性をそこなうこがなく、さらに特殊な組成により特にア
クリル樹脂などの透明樹脂に配合すると押出成形に限ら
ず、射出成形においても帯電防止性能が成形後即時に発
現される帯電防止剤組成物を提供することを目的として
なされたものである。
発明の開示 本発明者らは、前記した好ましい特徴を有する帯電防
止剤組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の
構造を有する2種のスルホン酸塩を組み合わせることに
より、その目的を達成しうることを見出し、この知見に
基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、(A)一般式(I) 及び(B)一般式 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ独立して炭素原子数6
〜20の直鎖状又は枝分れ状のアルキル基又はアルケニル
基、A1及びA2はそれぞれ独立して炭素原子数2〜4のア
ルキレン基、m及びnはそれぞれ独立して6〜50の整
数、M1、M2及びM3はそれぞれ独立してアルカリ金属原子
又は4個の炭化水素基をもつホスホニウム基である) で表わされるスルホン酸塩を、(A)成分と(B)成分
との重量比9:1〜1:9の割合で組み合わせてなる帯電防止
剤組成物、及び熱可塑性樹脂にこの帯電防止剤組成物を
配合して成る熱可塑性樹脂組成物を提供するものであ
る。
この帯電防止剤組成物は組成成分である(A)成分及
び(B)成分におけるR1、R2及びR3はそれぞれ炭素原子
数6〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、これら
は直鎖状のものであってもよいし、枝分れ状のものであ
ってもよく、また、R1とR2とR3はそれぞれ同一であって
もよいし、また異なっていてもよい。このようなものと
しては、例えばヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシ
ル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、オクタデシ
ル基、オクタデセニル基などが挙げられる。R1、R2及び
R3の炭素原子数が6未満のものでは熱可塑性樹脂との相
溶性に劣り、透明性をそこなうおそれがあるし、20を超
えるものでは帯電防止性能が低下する。
また、(A)成分及び(B)成分におけるA1及びA2
炭素原子数2〜4のアルキレン基、例えばエチレン基、
プロピレン基などであり、これらのうちのいずれか1種
類であってもよいし、また2種類以上の組合せであって
もよいものであって、たがいに同一であってもよいし、
また異なっていてもよく、好ましくはA1及びA2の一方又
は両方のアルキレン基の全数の少なくとも70%以上をエ
チレン基とするのがよい。このエチレン基数が少なすぎ
ると帯電防止性が低下する傾向が見られる。また、m及
びnは6〜50、好ましくは9〜40であって、これらが50
を超えると帯電防止性が低下するし、また6未満では透
明性が低下する。
前記(A)成分及び(B)成分のスルホン酸塩は、相
当するスルホン酸のアルカリ金属塩又は4個の炭化水素
基をもつホスホニウム塩であって、塩残基の一般式
(I)及び(II)中のM1、M2及びM3はたがいに同一であ
ってもよいし、また異なっていてもよい。このアルカリ
金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム
塩などが好ましい。
上記ホスホニウム塩の塩残基としては、例えば一般式
(III) (式中のR4、R5、R6及びR7は、置換されていてもよい、
炭素原子数1〜18の直鎖状又は枝分れ状のアルキル基又
はフェニル基である) で表わされるホスホニウム基などが挙げられ、置換基と
しては水酸基、ハロゲン原子、アミノ基などが挙げられ
る。このようなものとしては、例えばテトラメチルホス
ホニウム基、テトラエチルホスホニウム基、テトラブチ
ルホスホニウム基、トリメチルステアリルホスホニウム
基、トリメチルドデシルホスホニウム基、トリメチルフ
ェニルホスホニウム基、トリフェニルメチルホスホニウ
ム基、テトラフェニルホスホニウム基、ジ(2−ヒドロ
キシエチル)ジブチルホスホニウム基、p−ヒドロキシ
フェニルトリエチルホスホニウム基などを挙げることが
できる。ホスホニウム塩は、特に高耐熱性の樹脂の組成
物として有効である。
これらの(A)成分及び(B)成分はそれぞれ1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明帯電防止剤組成物においては、(A)及び
(B)の少なくとも二成分を配合して用いるが、(A)
成分又は(B)成分のみを単独で用いる場合に比べ、帯
電防止性、特に該性能の経時的安定性や、透明性がより
良好になり、有利である。
(A)成分と(B)成分との配合重量比は、9:1〜1:
9、好ましくは8:2〜2:8の範囲で選ばれる。この比が9:1
よりも高すぎると帯電防止性が低下するし、また1:9よ
りも低すぎると透明性が低下する。
前記(A)成分及び(B)成分は、例えば一般式(I
V) (式中のR8は炭素原子数6〜20の直鎖状又は枝分れ状の
アルキル基又はアルケニル基、R9は水素原子又はアルキ
ル基、Mは水素原子又は上記塩残基である) で表わされる化合物を一般式(V) HO−(AO)−H …(V) (式中のAは炭素原子数2〜4のアルキレン基、vは6
〜50である) で表わされるポリアルキレングリコールと反応させる
か、あるいは一般式(IV)の化合物の低級アルキルエス
テルを一般式(V)のポリアルキレングリコールとエス
テル交換反応させ、さらにMが水素原子の場合には、こ
れらの反応生成物のスルホン酸を所定の造塩反応に付す
ことによって製造することができる。
上記一般式(IV)の化合物と一般式(V)のポリアル
キレングリコールの使用割合は、モル比で0.5:1〜2.0:1
の範囲が好ましい。この場合、これらの反応生成物は、
(A)成分、(B)成分を含んでいて、そのままで本発
明の帯電防止剤組成物の好適な組成を有するので有利で
ある。
前記反応生成物を得るための反応条件については、脱
水エステル化反応の場合、常圧又は減圧下、反応温度50
〜150℃、好ましくは80〜120℃で、反応時間30分〜20時
間、好ましくは2〜12時間が適当である。また、エステ
ル交換反応の場合、常圧又は減圧下、反応温度50〜150
℃、好ましくは80〜120℃で、反応時間10分〜20時間、
好ましくは30〜6時間が適当である。
これらの反応は無溶媒又は四塩化炭素やキシレンなど
の溶媒中で行われる。反応温度、反応時間はモル比、減
圧度などによって適宜選択される。
エステル交換反応では、その常用の触媒例えばp−ト
ルエンスルホン酸、硫酸などの酸触媒や、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの塩基
触媒が用いられる。出発物質が未中和物の場合は特に酸
触媒を加えなくてもよい。
また、上記造塩反応方法については特に制限はなく、
従来公知の方法を用いることができる。例えば上記反応
生成物のスルホン酸に、アルカリ金属の水酸化物、炭酸
塩、炭酸水素塩などを作用させることにより、該スルホ
ン酸のアルカリ金属塩が得られる。
また、ホスホニウム塩は、該スルホン酸のアルカリ金
属塩にホスホニウム化合物のハロゲン塩を作用させて複
分解するか、水酸化ホスホニウム化合物を直接作用させ
ることにより得ることができる。
本発明の帯電防止剤組成物には、副次的成分として、
例えばエチレングリコールステアリン酸エステル、ポリ
エチレングリコールステアリン酸エステル、ポリエチレ
ングリコールラウリン酸エステル、パルミチン酸モノグ
リセリド、パルミチン酸ジグリセリド、パルミチン酸ト
リグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリ
ン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペン
タエリトリトールモノステアリン酸エステル、ペンタエ
リトリトールジラウリン酸エステル、ステアリルアルコ
ール、ラウリルアルコール、オクチルアルコール、グリ
セリンモノステアリン酸コハク酸エステル、ジエタノー
ルステアリルアミン、ジエタノールパルミチルアミン、
パルミチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタ
ノールアミドなどを含有させることができる。これらは
1種用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
本発明の帯電防止剤組成物は、熱可塑性樹脂に対し、
その本来の性質や成形性をそこなうことなく、帯電防止
性を付与することができる。この熱可塑性樹脂について
は特に制限はないが、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、
ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などの透明樹脂
が、その透明性がそこなわれないので、好ましい。これ
らの透明樹脂のうちのアクリル樹脂としては、例えばメ
タクリル酸メチル単独重合体、あるいはメタクリル酸メ
チルと、50重量%以下のアクリル酸エステル又はメタク
リル酸メチル以外のメタクリル酸エステル、アクリル
酸、メタクリル酸、スチレン、アクリロニトリル、ブタ
ジエンなどとの共重合体などが挙げられ、さらに成形品
の強度を向上させること等を目的として、ゴム成分、例
えばポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、アク
リロニトリル−ブタジエンゴムなどを常法により配合し
たものでもよい。アクリル酸エステルとしては、例えば
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ルなどが、またメタクリル酸エステルとしては、例えば
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸シクロヘキシルなどが挙げられる。
本発明の帯電防止剤組成物は、あらかじめ目的とする
熱可塑性樹脂組成物中の濃度よりも高濃度に熱可塑性樹
脂に練り込んだマスターバッチを作製し、その計算量を
成形時に添加して用いることができる。このマスターバ
ッチは熱可塑性樹脂100重量部に対して本発明の帯電防
止剤組成物を6〜50重量部好ましくは10〜40重量部配合
して作製することができる。この配合量が50重量部より
多い場合にはマスターバッチ作製時の均一分散化が困難
となる上に、帯電防止剤組成物の濃度が高過ぎるために
添加時の分散性が良好でなくなる。
本発明の帯電防止剤組成物を熱可塑性樹脂に配合する
ことにより、帯電防止性、成形性に優れた熱可塑性樹脂
組成物が調製され、特に熱可塑性樹脂として透明樹脂を
使用すると、さらに透明性にも優れた樹脂組成物が調製
される。この際の帯電防止剤組成物の配合量については
通常の使用目的の場合、熱可塑性樹脂100重量部に対
し、上記所定配合成分を合計0.5〜6.0重量部、好ましく
は1.0〜4.0重量部となるように添加するのが好ましい。
この量が0.5重量部未満では帯電防止性の付与効果が十
分に発揮されないし、6.0重量部を超えると帯電防止効
果のさらなる向上はみられない上に、熱可塑性樹脂の物
性に悪影響を及ぼし、好ましくない。
この調製方法としては、熱可塑性樹脂に所定の配合成
分を練り込むのがよい。この練り込み方法については特
に制限はなく、従来公知の方法、例えばアクリル樹脂等
の熱可塑性樹脂と配合成分とをブレンドしたのち、押出
機で溶融混練後押出す方法や、あらかじめ配合成分を熱
可塑性樹脂に高濃度に練り込んだマスターバッチを調製
し、これを成形時に添加する方法などを用いることがで
きる。
前記熱可塑性樹脂組成物の調製の際、必要に応じ慣用
されている種々の添加成分を併用して配合することがで
きる。このような添加成分としては、例えばトリ(ノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト
などのリン系酸化防止剤、3,3′−チオジプロピオン酸
ジオクタデシル、3,3′−チオジプロピオン酸ジドデシ
ルなどの硫黄系酸化防止剤、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−
ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタンなどのフェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤、
核剤、エチレンビスアミド、モノアルキルアミド、モン
タン酸ワックス、ポリエチレンワックスなどのポリオレ
フィンワックス、高級脂肪酸金属塩などの滑剤、オキサ
ゾール系、クマリン系などの蛍光増白剤、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの樹脂強度補強又
は光散乱性無機フィラー、その他着色剤などが挙げられ
る。
このようにして調製された熱可塑性樹脂組成物は、射
出成形、押出成形、ブロー成形など種々の成形方法によ
り成形することができ、例えば照明用器具、電気計器、
電子機器などのカバーや部品、メーターカバー、フィル
ム、シート、パネル、オプティカルファイバーのような
ファイバーなどの成形品の素材として好適に用いられ
る。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
なお成形品の性能は各試験片について次のようにして
求め、評価した。
(1)表面抵抗及び帯電防止性能の評価 東亜電波(株)極超絶縁計SM−10Eを使用し、成形直
後、あるいは成形品を23℃、65%RHの恒温・恒湿室で1
日あるいは6ケ月保持したのち、それぞれ表面抵抗を測
定した。また、試料によっては、この測定値をx(Ω)
としたとき、以下の判定基準で帯電防止性能を評価し
た。
A:x<1×1011 B:1×1011≦x<1×1012 C:1×1012≦x<1×1013 D:x≧1×1013 (2)曇価 JIS K7013に準拠して求めた。
実施例1〜11、比較例1〜6 アクリル樹脂[住友化学(株)製、スミペックスB−
EX]に、表1に示す種類の配合成分を表2に示す量で加
え、ヘンシェルミキサーで予備混合した。この混合物を
ベント式二軸押出し機を用いて230℃で溶融混練し、得
られたストランドをペレタイザーでカットし、ペレット
化した。
ペレットを乾燥したのち、ベント式押出成形機により
幅1300mm、厚さ2mmの押出成形板を得た。この板をカッ
トし100×100×2mmのプレートを作成した。このプレー
トを23℃、65%RHの恒温・恒湿室で1日調湿したのち表
面抵抗値及び曇価を測定した結果を表2に示す。
実施例12〜18、比較例7〜13 アクリル系樹脂[クラレ(株)製、パラペットG1−
P]に、表1に示す種類の配合成分又は比較物質を表3
に示す量で加え、ヘンシェルミキサーで予備混合して得
た混合物、あるいは無添加の該アクリル系樹脂自体を、
ベント式二軸押出し機を用いて230℃で溶融混練後押出
し、得られたストランドをペレタイザーでカットし、ペ
レット化した。ペレットを乾燥したのち、射出成形機に
より260℃で射出成形し、100×100×2mmのプレートを作
成した。このプレートを実施例1と同様の方法で評価し
た。その結果も表3に示す。
実施例19〜26 表4に示す各種透明樹脂に、実施例19〜22では配合組
成No.1からなる帯電防止剤組成物を2重量%配合し、ま
た実施例23〜26では配合組成No.1の混合成分と平均重合
度9のポリエチレングリコールとの等重量混合物を2.5
重量%配合して各種樹脂組成物を調製し、これを実施例
1の方法に準じてそれぞれ成形し、成形品の性能を求め
た。その結果を表4に示す。
産業上の利用可能性 本発明の帯電防止組成物は、熱可塑性樹脂に配合する
と、安定して優れた帯電防止性能を付与することがで
き、しかも成形性も良好にすることができる。また、熱
可塑性樹脂にアクリル系樹脂等の透明樹脂を使用する
と、その透明性がそこなわれないという顕著な効果が奏
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 正博 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライ オン株式会社内 (72)発明者 尾崎 英高 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライ オン株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/16 C08K 5/42 CA(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 及び(B)一般式 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ独立して炭素原子数6
    〜20の直鎖状又は枝分れ状のアルキル基又はアルケニル
    基、A1及びA2はそれぞれ独立して炭素原子数2〜4のア
    ルキレン基、m及びnはそれぞれ独立して6〜50の整
    数、M1、M2及びM3はそれぞれ独立してアルカリ金属原子
    又は4個の炭化水素基をもつホスホニウム基である) で表わされるスルホン酸塩を、(A)成分と(B)成分
    との重量比9:1〜1:9の割合で組み合わせることを特徴と
    する帯電防止剤組成物。
  2. 【請求項2】A1又はA2で示されるアルキレン基の全数の
    少なくとも70%がエチレン基である請求の範囲第1項記
    載の帯電防止剤組成物。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂と、請求の範囲第1項又は第
    2項記載の帯電防止剤とから成る熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】帯電防止剤の配合量が熱可塑性樹脂に対し
    0.5〜6.0重量%である請求の範囲第3項記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂がアクリル系樹脂である請求
    の範囲第3項又は第4項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂が塩化ビニル系樹脂、ポリエ
    ステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂である請求の範
    囲第3項又は第4項記載の熱可塑性樹脂組成物。
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