JPH0733942A - アクリル系樹脂用帯電防止剤及びそれを含有するアクリル系樹脂組成物 - Google Patents

アクリル系樹脂用帯電防止剤及びそれを含有するアクリル系樹脂組成物

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JPH0733942A
JPH0733942A JP18302893A JP18302893A JPH0733942A JP H0733942 A JPH0733942 A JP H0733942A JP 18302893 A JP18302893 A JP 18302893A JP 18302893 A JP18302893 A JP 18302893A JP H0733942 A JPH0733942 A JP H0733942A
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JP
Japan
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acrylic resin
antistatic agent
fatty acid
group
general formula
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JP18302893A
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Inventor
Makoto Yamauchi
誠 山内
Michiro Narita
道郎 成田
Hidetaka Ozaki
英高 尾崎
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式 【化1】 及び式 【化2】 (式中のR、R、Rはアルキル基又はアルケニル
基、m、pは2〜4の整数、n、qは1〜100、
、M、Mはアルカリ金属又は4個の炭化水素基
をもつホスホニウム基)で表わされるスルホン酸塩の中
から選ばれた少なくとも1種と、ポリアルキレングリコ
ールと、炭素数が6〜14の脂肪酸から誘導され、かつ
脂肪酸モノグリセリド含有率が70重量%以上の脂肪酸
グリセリド、炭素数が6〜14の脂肪酸から誘導された
脂肪酸ジエタノールアミド又は炭素数が6〜14のアル
キル基又はアルケニル基でN−置換されたジエタノール
アミンを主成分とする非イオン系界面活性剤とから成る
アクリル系樹脂用帯電防止剤である。 【効果】 アクリル系樹脂の透明性をそこなうことな
く、安定した帯電防止性能を付与することができ、特に
射出成形においても低添加量で安定した帯電防止性能を
成形後即時に発現させることができ、成形性にも優れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なアクリル系樹脂
用帯電防止剤及びそれを含有したアクリル系樹脂組成物
に関する。さらに詳しくは、本発明は、アクリル系樹脂
の押出成形に限らず、射出成形においても帯電防止性能
が成形後即時に発現しうるとともに、アクリル系樹脂の
透明性、成形性をそこなうことのないアクリル系樹脂用
帯電防止剤及びそれを含有した帯電防止性、透明性、成
形性に優れたアクリル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系樹脂は優れた透明性や光学特
性、良好な機械的性質や加工特性や外観などにより、フ
イルム、繊維、成形品などの材料として広く用いられ、
中でも照明器具、看板、装飾品などに多用されている。
しかしながら、このアクリル系樹脂は、一般に疎水性で
あって電気絶縁性が大きいため、静電気の蓄積により帯
電しやすく、その結果外観がそこなわれたり、加工、包
装、印刷、塗装などの工程における作業能率が低下する
のを免れない上、火花放電による事故の発生原因ともな
る。そこで、アクリル系樹脂の帯電防止方法が種々検討
されている。
【0003】ところで、一般的な合成樹脂用の内部添加
型の帯電防止剤としては、カチオン性、アニオン性、非
イオン性の界面活性剤が知られており、帯電防止効果は
これらの界面活性剤が合成樹脂表面にブリードアウトす
ることで発現するとされている。
【0004】しかし、アクリル系樹脂に対しては、該樹
脂の加工温度が比較的高いため、熱安定性に乏しいカチ
オン性界面活性剤を使用することは困難であるし、ま
た、該樹脂のガラス転移温度もポリエチレンやポリプロ
ピレンに比べて高いため、非イオン性界面活性剤を用い
る場合は多量の添加を必要とするが、その場合には耐熱
変形温度や透明性が低下し、樹脂本来の基本特性がそこ
なわれるし、該界面活性剤が樹脂表面に過剰にブリード
アウトし成形品をべとつかせ、実用に供しえなくなるの
を免れない。
【0005】一方、上記帯電防止性界面活性剤として、
熱安定性が要求される場合、アルキルスルホン酸金属塩
やアルキルベンゼンスルホン酸金属塩のようなアニオン
性界面活性剤が提案されている(特開昭49−7344
3号公報、特開昭52−47072号公報、特開昭54
−37154号公報)。
【0006】しかしながら、これらの内部練り込み型帯
電防止性界面活性剤は、本来疎水性であるアクリル系樹
脂との相容性が十分でないため、透明性が低下し、外観
がそこなわれるという欠点を有している。
【0007】また、アクリル系樹脂に対してアルカンス
ルホネート、アルキルベンゼンスルホネート及び脂肪酸
モノグリセリドを併用し、スルホン酸塩系アニオン性界
面活性剤を帯電防止剤とすることにより透明性の低下を
改良する方法が提案されているが(特開平1−1975
52号公報)、その改良効果は必ずしも満足すべきもの
とはいえない。
【0008】他方、ポリオレフィン又はポリスチレン用
帯電防止剤として、アミン化合物で中和された遊離カル
ボキシル基を有するスルホン酸金属塩(特公昭58−1
9692号公報)や、脂肪族アルコール又はポリエチレ
ングリコールでエステル化されたカルボキシル基を有す
るスルホン酸金属塩(特公昭58−53658号公報)
が提案されている。
【0009】しかし、これらの帯電防止剤は、アクリル
系樹脂に適用すると透明性や分散性の低下により外観が
良好でなくなるのを免れない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな事情の下、先にアクリル系樹脂の透明性をそこなう
ことなく、安定した帯電防止性を付与しうるアクリル系
樹脂組成物を提案した(特願平4−119948号公
報)が、このものは特に射出成形品において帯電防止性
能の基準となる1×1012Ω以下の表面抵抗値を得る
には、24時間程度の調湿時間が必要であり、即効性と
いう点で問題がある。
【0011】一方、これまでにアクリル系樹脂の特に射
出成形品の帯電防止方法については、炭素鎖長が12以
下の非イオン系界面活性剤を使用する方法として、ラウ
リン酸モノグリセリドを他の非イオン系界面活性剤と併
用する方法(特公平2−14377号公報)、ジエタノ
ールラウリルアミンを配合する方法(特開昭62−29
5944号公報)などが提案されている。しかしなが
ら、これらの方法は、アクリル系樹脂に対し、非イオン
系界面活性剤の添加量を4重量部以上にしないと、射出
成形直後に十分な帯電防止効果が得られないばかりか、
アクリル系樹脂の熱変形温度を低下させ、また界面活性
剤の揮発性が高いため、成形品表面にシルバーマークを
発生させ、成形品表面の外観をそこない、成形時の発煙
が激しく作業環境上不都合であるなど多数の不利があ
る。
【0012】本発明は、このような事情の下、アクリル
系樹脂における従来公知の帯電防止剤に比べ、射出成形
においても低添加量で安定した帯電防止性能が成形後即
時に発現し、しかも成形品の透明性及び成形性に優れた
アクリル系樹脂用帯電防止剤を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
好ましい特徴を有するアクリル系樹脂用帯電防止剤を開
発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するス
ルホン酸塩とポリアルキレングリコールと特定の非イオ
ン性界面活性剤とを組み合わせることにより、その目的
を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明
をなすに至った。
【0014】すなわち、本発明は、(A)(A‐1)一
般式(I)
【化3】 及び(A‐2)一般式(II)
【化4】 (式中のR、R及びRは炭素数6〜20の直鎖状
又は枝分れ状のアルキル基又はアルケニル基であって、
それらはたがいに同一であってもよいし、また異なって
いてもよく、m及びpは2〜4の整数、n及びqは1〜
100、mとnあるいはpとqはたがいに同一であって
もよいし、また異なっていてもよく、M 、M及びM
はアルカリ金属又は四個の炭化水素基をもつホスホニ
ウム基であって、それらはたがいに同一であってもよい
し、また異なっていてもよい)で表わされるスルホン酸
塩の中から選ばれた少なくとも1種と、(B)一般式
(III) HO{(CHO}H (III) (式中のrは2〜4の整数、sは2〜100である)で
表わされるポリアルキレングリコールと、(C)炭素数
が6〜14の脂肪酸から誘導され、かつ脂肪酸モノグリ
セリド含有率が70重量%以上の脂肪酸グリセリド、炭
素数が6〜14の脂肪酸から誘導された脂肪酸ジエタノ
ールアミド及び炭素数が6〜14のアルキル基又はアル
ケニル基でN−置換されたジエタノールアミンの中から
選ばれた少なくとも1種を主成分とする非イオン系界面
活性剤とから成るアクリル系樹脂用帯電防止剤を提供す
るものである。
【0015】本発明の帯電防止剤の組成成分である上記
(A)成分におけるR、R及びRはそれぞれ炭素
数6〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、これ
らは直鎖状のものであってもよいし、枝分れ状のもので
あってもよく、また、RとRとRはそれぞれ同一
であってもよいし、また異なっていてもよい。このよう
なものとしては、例えばヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペ
ンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、オ
クタデシル基、オクタデセニル基などが挙げられる。R
、R及びR の炭素数が6未満のものではアクリル
系樹脂との相容性に劣り、透明性をそこなうおそれがあ
るし、20を超えるものでは帯電防止性能が低下する。
【0016】また、(CH及び(CHは炭
素数2〜4のアルキレン基、例えばエチレン基、プロピ
レン基などであり、単独でも2種以上を組合せてもよい
ものであって、たがいに同一であってもよいし、また異
なっていてもよく、特に有利には該アルキレン基の全数
に対し70%以上の数のエチレン基を含有させるのがよ
い。また、n及びqは1〜100、好ましくは3〜80
であって、これらが100を超えると帯電防止効果のさ
らなる向上は見られない上に、アクリル系樹脂に配合す
ると樹脂の物性を損ない、経済的にも不利となるし、ま
た1未満、特に0のカルボン酸となる場合では耐熱性が
低下するなど取扱い性に問題を生じる。
【0017】前記(A‐1)成分及び(A‐2)成分の
スルホン酸塩は、相当するスルホン酸のアルカリ金属塩
又は四個の炭化水素基をもつホスホニウム塩であって、
塩残基の一般式(I)及び(II)中のM、M及び
はたがいに同一であってもよいし、また異なってい
てもよい。このアルカリ金属塩としては、ナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩などが好ましい。
【0018】上記ホスホニウム塩としては、例えば一般
式(IV)
【化5】 (式中のR,R,R及びRは、置換されていて
もよい、炭素数1〜18の直鎖状又は枝分れ状のアルキ
ル基又はフェニル基である)で表わされるものなどが挙
げられ、置換基としては水酸基、ハロゲン原子、アミノ
基などが挙げられる。このようなものとしては、例えば
テトラメチルホスホニウム塩、テトラエチルホスホニウ
ム塩、テトラブチルホスホニウム塩、トリメチルステア
リルホスホニウム塩、トリメチルドデシルホスホニウム
塩、トリメチルフェニルホスホニウム塩、トリフェニル
メチルホスホニウム塩、テトラフェニルホスホニウム
塩、ジ(2‐ヒドロキシエチル)ジブチルホスホニウム
塩、p‐ヒドロキシフェニルトリエチルホスホニウム塩
などを挙げることができる。これらのホスホニウム塩
は、特に高耐熱性の樹脂の組成物として有効である。
【0019】これらの(A‐1)成分や(A‐2)成
分、すなわち前記一般式(I)や一般式(II)で表わ
される各スルホン酸塩はそれぞれ1種用いてもよいし、
2種以上を組合せて用いてもよい。
【0020】本発明においては、上記(A‐1)及び
(A‐2)の少なくとも二成分を配合して用いることに
より、(A‐1)成分又は(A‐2)成分のみを単独で
用いる場合に比べ、帯電防止性、特に該性能の経時的安
定性や、透明性がより良好になり、有利である。
【0021】(A‐1)成分と(A‐2)成分との配合
重量比は、9:1〜1:9、好ましくは8:2〜2:8
の範囲で選ばれる。この比が9:1よりも高すぎると帯
電防止性が低下するし、また1:9よりも低すぎると透
明性が低下する。
【0022】前記(A‐1)成分及び(A‐2)成分
は、例えば一般式(V)
【化6】 (式中のRは炭素数6〜20の直鎖状又は枝分れ状の
アルキル基又はアルケニル基、Rは水素原子又はアル
キル基、Mは水素原子又は上記塩残基である)で表わさ
れる化合物を一般式(VI) HO−{(CHO}−H (VI) (式中のtは2〜4の整数であって、(CH)tのア
ルキレン基は単独であっても、また2種以上組み合わせ
たものでもよく、uは1〜100であって、{(C
O}のアルキレンオキシ基又はポリアルキレ
ンオキシ基は単独であっても、また2種以上組み合わせ
たものでもよい)のアルキレングリコール又はポリアル
キレングリコールと反応させるか、あるいは一般式
(V)の化合物の低級アルキルエステルを一般式(V
I)のグリコールとエステル交換反応させ、さらにMが
水素原子のものは、これらの反応生成物のスルホン酸を
所定の造塩反応に付すことによって製造することができ
る。
【0023】上記一般式(V)の化合物と一般式(V
I)のグリコールの使用割合は、モル比で0.5:1〜
2.0:1の範囲が好ましい。この場合、反応生成物は
上記(A‐1)成分、(A‐2)成分及び場合により後
述する(B)成分のポリアルキレングリコールを含んで
いて、そのままで本発明の配合成分を構成するので有利
である。
【0024】この本発明の配合成分として好適な前記反
応生成物を得るための反応条件については、脱水エステ
ル化反応の場合、常圧又は減圧下、反応温度50〜15
0℃、好ましくは80〜120℃で、反応時間30分〜
20時間、好ましくは2〜12時間が適当である。ま
た、エステル交換反応の場合、常圧又は減圧下、反応温
度50〜150℃、好ましくは80〜120℃で、反応
時間10分〜20時間、好ましくは30分〜6時間が適
当である。
【0025】これらの反応は無溶媒又は四塩化炭素やキ
シレンなどの溶媒中で行われる。反応温度、反応時間は
モル比、減圧度などによって適宜選択される。
【0026】エステル交換反応では、その常用の触媒例
えばp−トルエンスルホン酸、硫酸などの酸触媒や、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム
などの塩基触媒が用いられる。出発物質が未中和物の場
合は特に酸触媒を加えなくてもよい。
【0027】また、上記造塩反応方法については特に制
限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例え
ば上記反応生成物のスルホン酸に、アルカリ金属の水酸
化物、炭酸塩、炭酸水素塩などを作用させることによ
り、該スルホン酸のアルカリ金属塩が得られる。
【0028】また、ホスホニウム塩は、該スルホン酸の
アルカリ金属塩にホスホニウム化合物のハロゲン塩を作
用させて複分解するか、水酸化ホスホニウム化合物を直
接作用させることにより得ることができる。
【0029】本発明の帯電防止剤の組成成分である
(B)成分の前記一般式(III)の化合物において、
rは2〜4の整数、好ましくは2又は3であって、(C
のアルキレン基は単独であっても2種以上組み
合わせたものでもよい。また、sは2〜100好ましく
は3〜80の範囲で選ばれ、{(CHO}のポ
リオキシアルキレン基は単独であっても、また2種以上
組み合わせたものでもよい。このような化合物として、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
エチレングリコール‐プロピレングリコール共重合体な
どが挙げられる。
【0030】本発明の帯電防止剤の組成成分である
(C)成分の非イオン性界面活性剤は、炭素数が6〜1
4の脂肪酸から誘導され、かつ脂肪酸モノグリセリド含
有率が70重量%以上の脂肪酸グリセリド、炭素数が6
〜14の脂肪酸から誘導された脂肪酸ジエタノールアミ
ド及び炭素数が6〜14のアルキル基又はアルケニル基
でN−置換されたジエタノールアミンの中から選ばれた
少なくとも1種を主成分とするものである。これらの炭
素数が少なすぎると揮発性が高くなって発煙等の問題が
生じるし、また多すぎると帯電防止性能の即効性が得ら
れない。
【0031】この(C)成分の脂肪酸グリセリドについ
ては、脂肪酸モノグリセリドの含有率が70重量%以上
であることが必要であり、その範囲内で脂肪酸ジグリセ
リド及び脂肪酸トリグリセリドを含有することができ
る。脂肪酸モノグリセリドの含有率が70重量%未満で
は帯電防止性能の即効性が得られない。
【0032】これらの非イオン性界面活性剤としては、
例えばカプロン酸モノグリセリド、カプロン酸ジグリセ
リド、カプロン酸トリグリセリド、オクチル酸モノグリ
セリド、オクチル酸ジグリセリド、オクチル酸トリグリ
セリド、デカン酸モノグリセリド、デカン酸ジグリセリ
ド、デカン酸トリグリセリド、ラウリン酸モノグリセリ
ド、ラウリン酸ジグリセリド、ラウリン酸トリグリセリ
ド、ミリスチン酸モノグリセリド、ミリスチン酸ジグリ
セリド、ミリスチン酸トリグリセリド、カプロン酸ジエ
タノールアミド、オクチル酸ジエタノールアミド、デカ
ン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミ
ド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ジエタノールヘ
キシルアミン、ジエタノールオクチルアミン、ジエタノ
ールラウリルアミン、ジエタノールミリスチルアミンな
どが挙げられる。
【0033】本発明の帯電防止剤には、副次的成分とし
て、例えばエチレングリコールステアリン酸エステル、
ポリエチレングリコールステアリン酸エステル、ポリエ
チレングリコールラウリン酸エステル、パルミチン酸モ
ノグリセリド、パルミチン酸ジグリセリド、パルミチン
酸トリグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ステ
アリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、
ペンタエリトリトールモノステアリン酸エステル、ペン
タエリトリトールジラウリン酸エステル、ステアリルア
ルコール、ラウリルアルコール、オクチルアルコール、
グリセリンモノステアリン酸コハク酸エステル、ジエタ
ノールステアリルアミン、ジエタノールパルミチルアミ
ン、パルミチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジ
エタノールアミドなどを含有させることができる。これ
らは単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0034】本発明の帯電防止剤において、各成分の好
適な配合比は、重量基準で{(A‐1)+(A‐2)}
/(B)が90/10〜30/70好ましくは85/1
5〜40/60、{(A‐1)+(A‐2)}+(B)
/(C)が20/80〜80/20好ましくは25/7
5〜75/25の範囲である。この範囲を逸脱すると十
分な効果が得られにくくなる。
【0035】本発明の帯電防止剤が適用しうるアクリル
系樹脂としては、例えばメタクリル酸メチル単独重合
体、あるいはメタクリル酸メチルと、50重量%以下の
アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、アクリ
ル酸、メタクリル酸、スチレン、アクリロニトリル、ブ
タジエンなどとの共重合体などが挙げられる。アクリル
酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチルなどが、またメタクリル
酸エステルとしては、例えばメタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどが挙
げられる。また、前記アクリル系樹脂には、成形品の強
度を向上させること等を目的として、ゴム成分、例えば
ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴムなどを常法により配合するこ
ともできる。
【0036】本発明の帯電防止剤は、あらかじめ高濃度
に樹脂に練り込んだマスターバッチを作製し、成形時に
希釈して用いることができるが、このマスターバッチは
アクリル系樹脂100重量部に対して6〜50重量部好
ましくは10〜40重量部配合して作製することができ
る。この配合量が50重量部より多い場合にはマスター
バッチ作製時の均一分散化が困難となる上に、帯電防止
剤の濃度が高過ぎるために希釈時の分散性が良好でなく
なる。
【0037】本発明の帯電防止剤を前記アクリル系樹脂
に配合することにより、帯電防止性、透明性、成形性に
優れたアクリル系樹脂組成物が調製される。この際の帯
電防止剤の配合量については通常の使用目的の場合、ア
クリル系樹脂100重量部に対し、上記(A‐1)、
(A‐2)、(B)及び(C)の配合成分を合計0.5
〜6.0重量%、好ましくは1.0〜4.0重量部とな
るように添加するのが好ましい。この量が0.5重量部
未満では帯電防止性の付与効果が十分に発揮されない
し、6重量部を超えると帯電防止効果のさらなる向上は
みられない上に、アクリル系樹脂の物性に悪影響を及ぼ
し、好ましくない。
【0038】この調製方法としては、アクリル系樹脂に
所定の配合成分を練り込むのがよい。この練り込み方法
については特に制限はなく、従来公知の方法、例えばア
クリル系樹脂と配合成分とをブレンドしたのち、押出機
で溶融混練する方法や、あらかじめ配合成分をアクリル
系樹脂に高濃度に練り混んだマスターバッチを調製し、
これを成形時に希釈する方法などを用いることができ
る。
【0039】前記アクリル系樹脂組成物の調製の際、必
要に応じ慣用されている種々の添加成分を併用して配合
することができる。このような添加成分としては、例え
ばトリスノニルフェニルホスファイト、トリフェニルホ
スファイトなどのリン系酸化防止剤、3,3′‐チオジ
プロピオン酸ジオクタデシル、3,3′‐チオジプロピ
オン酸ジドデシルなどの硫黄系酸化防止剤、ブチル化ヒ
ドロキシトルエン、テトラキス[メチレン‐3‐
(3′,5′‐ジ‐t‐ブチル‐4′‐ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール系酸化
防止剤、紫外線吸収剤、核剤、エチレンビスアミド、モ
ノアルキルアミド、モンタン酸ワックス、ポリオレフィ
ンワックス、脂肪酸金属塩などの滑剤、オキサゾール
系、クマリン系などの蛍光増白剤、硫酸バリウム、酸化
チタン、炭酸カルシウムなどの樹脂強度補強又は光散乱
性無機フィラー、その他着色剤などが挙げられる。
【0040】このようにして調製されたアクリル系樹脂
組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形など種々の
成形方法により成形することができ、例えば照明用器
具、電気計器、電子機器などのカバーや部品、メーター
カバー、フイルム、シート、パネル、ファイバーなどの
成形品の素材として好適に用いられる。
【0041】
【発明の効果】本発明のアクリル系樹脂用帯電防止剤
は、アクリル系樹脂の透明性をそこなうことなく、安定
した帯電防止性能を付与することができ、特に射出成形
においても低添加量で安定した帯電防止性能を成形後即
時に発現させることができ、成形性にも優れるという顕
著な効果を奏する。
【0042】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0043】なお成形品の性能は次のようにして評価し
た。 (1)表面抵抗値 東亜電波(株)極超絶縁計SM‐10Eを使用して求め
た。 (2)帯電防止性能 表面抵抗を測定し、測定値をx(Ω)としたとき、以下
の判定基準で評価した。 ◎:x<1×1011 ○:1×1011≦x<1×1012 △:1×1012≦x<1×1013 ×:x≧1×1013
【0044】実施例1〜15、比較例1〜6 アクリル系樹脂[クラレ(株)製、G1−P]に、表1
に示す種類及び配合重量比〔(A‐1)/(A‐2)=
80/20、「成分の配合重量比」の欄中の括弧内は
(C‐1)/(C‐2)比である〕の配合成分から成る
各帯電防止剤を表2に示す添加量で加え、ヘンシェルミ
キサーで予備混合して得た混合物を、ベント式二軸押出
し機を用いて230℃で溶融混練した。その際、ベント
から出る発煙の程度を目視で確認した。
【0045】次に得られたストランドをペレッタイザー
でカットし、ペレット化した。ペレットを乾燥したの
ち、射出成形機により240℃で射出成形し、100×
100×2mmの試験片を作成した。試験片作成後、2
3℃、65%RHの条件下、即時にその表面抵抗値を測
定した。また、試験片の成形性については目視により成
形品の表面状態を判定した。その結果を表2及び表3に
示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1中の各記号は以下のとおりの意味を有
する。LMG:ラウリン酸モノグリセリド、SA:ステ
アリルアルコール、LDG:ラウリン酸ジグリセリド、
SMG:ステアリン酸モノグリセリド、LDAd:ラウ
リン酸ジエタノールアミド、LDAn:ラウリルジエタ
ノールアミン。また、表中のR,R及びRはアル
キル基の炭素数によりCk(kは炭素数)と表示した。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(A‐1)一般式 【化1】 及び(A‐2)一般式 【化2】 (式中のR、R及びRは炭素数6〜20の直鎖状
    又は枝分れ状のアルキル基又はアルケニル基であって、
    それらはたがいに同一であってもよいし、また異なって
    いてもよく、m及びpは2〜4の整数、n及びqは1〜
    100、mとnあるいはpとqはたがいに同一であって
    もよいし、また異なっていてもよく、M 、M及びM
    はアルカリ金属又は四個の炭化水素基をもつホスホニ
    ウム基であって、それらはたがいに同一であってもよい
    し、また異なっていてもよい)で表わされるスルホン酸
    塩の中から選ばれた少なくとも1種と、(B)一般式 HO{(CHO}H (式中のrは2〜4の整数、sは2〜100である)で
    表わされるポリアルキレングリコールと、(C)炭素数
    が6〜14の脂肪酸から誘導され、かつ脂肪酸モノグリ
    セリド含有率が70重量%以上の脂肪酸グリセリド、炭
    素数が6〜14の脂肪酸から誘導された脂肪酸ジエタノ
    ールアミド及び炭素数が6〜14のアルキル基又はアル
    ケニル基でN−置換されたジエタノールアミンの中から
    選ばれた少なくとも1種を主成分とする非イオン系界面
    活性剤とから成るアクリル系樹脂用帯電防止剤。
  2. 【請求項2】 各成分(A‐1)、(A‐2)、
    (B)、(C)が、配合重量比で、次の関係式 {(A‐1)+(A‐2)}/(B)=90/10〜3
    0/70 及び関係式 {(A‐1)+(A‐2)+(B)}/(C)=20/
    80〜80/20 を満たす請求項1記載のアクリル系樹脂用帯電防止剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のアクリル系樹脂用
    帯電防止剤をアクリル系樹脂に配合して成るアクリル系
    樹脂組成物。
JP18302893A 1993-07-23 1993-07-23 アクリル系樹脂用帯電防止剤及びそれを含有するアクリル系樹脂組成物 Pending JPH0733942A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6966072B1 (en) 1999-11-15 2005-11-22 Toyohiro Kobayashi Hat with shading cover and hood with shading cover

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