JPH11189564A - アダマンタノンの製造方法 - Google Patents
アダマンタノンの製造方法Info
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- JPH11189564A JPH11189564A JP35886797A JP35886797A JPH11189564A JP H11189564 A JPH11189564 A JP H11189564A JP 35886797 A JP35886797 A JP 35886797A JP 35886797 A JP35886797 A JP 35886797A JP H11189564 A JPH11189564 A JP H11189564A
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C49/00—Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
- C07C49/385—Saturated compounds containing a keto group being part of a ring
- C07C49/417—Saturated compounds containing a keto group being part of a ring polycyclic
- C07C49/423—Saturated compounds containing a keto group being part of a ring polycyclic a keto group being part of a condensed ring system
- C07C49/453—Saturated compounds containing a keto group being part of a ring polycyclic a keto group being part of a condensed ring system having three rings
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Abstract
アダマンタノンを製造する方法を提供する。 【解決手段】 アダマンタンを硫酸により酸化してアダ
マンタノンの製造方法において、反応系を一旦40〜6
0℃の温度範囲に30分以上保持した後、60〜90℃
まで昇温して反応させる。
Description
の原料として有用なアダマンタノンの製造方法に関す
る。詳しくは、アダマンタンを硫酸を用いて酸化し、ア
ダマンタノンを効率よく製造する方法に関する。
マンタノンを製造する方法(以下、単に「硫酸法」とも
いう。)は公知であり、1973年発行のオーガニック
シンセシス第53巻第8ページ{H. W. Geluk and V.
G. Keizer, Org. Synth.,53,8(1973)}には、該方法に
よりアダマンタノンを収率47〜48%で得たことが記
載されている。
いう安価で工業的に入手が容易な反応試剤を用いている
ばかりでなく、特殊な反応設備を特に必要としないとい
う点で、工業的なアダマンタノンの製造方法として極め
て魅力的な製造方法であるといえる。しかしながら、前
記したように、その収率は高々50%程度であり、工業
的な製造方法として採用するには反応効率の点で大きな
問題があった。
特長を損なうことなく、アダマンタノンの製造収率を大
幅に向上させることである。
課題に鑑み、硫酸法における反応条件について種々検討
を行った。先ず、反応温度について検討を行ったとこ
ろ、単に反応温度を変えるだけでは、その最高収率はや
はり高々50%であり上記課題を解決することは出来な
かった。ところで、本発明者等は上記反応温度の検討に
於いて、反応温度を高くした場合には、樹脂状物が大量
に生成することを確認した。そこで、本発明者等は、該
樹脂状物の生成がアダマンタノンの生成反応に影響を及
ぼすものと考え、該樹脂状物の生成を抑制しながらアダ
マンタノンの生成反応が十分に進行する条件について検
討を行った。その結果、反応系を特定の温度条件下で特
定時間保持した後に昇温して反応を行うと、最終的な反
応温度が高いにも拘わらず前記樹脂状物が生成ぜずにア
ダマンタノンの収率が飛躍的に向上することを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
酸化してアダマンタノンを製造するアダマンタノンの製
造方法において、反応系を40〜60℃の温度範囲に3
0分以上保持した後、60〜90℃まで昇温して反応さ
せることを特徴とするアダマンタノンの製造方法であ
る。
条件下で反応を行う以外は、前記の硫酸法と変わる点は
特にない。即ち、使用する原料等の反応試剤、反応装置
等は従来の硫酸法で使用されている公知のものが使用で
き、温度条件以外の反応条件等にも格別な特徴はない。
は、工業グレードおよび試薬グレードとして市販されて
いるものが何等制限無く使用できる。
用いられる99〜95重量%の濃度の硫酸が使用でき
る。なお、前記硫酸法では水が副生するため、使用する
硫酸の濃度が95%未満では反応速度が遅くなる傾向が
ある。また、99%以上の濃度の硫酸を使用した場合に
は、タール分が生成しやすくなる傾向がある。
は、特に限定されないが、一般にアダマンタンを懸濁さ
せ得るのに必要な量、例えばアダマンタン100gに対
して300ml以上の硫酸を用いるのが好適である。こ
の様な量比が好適であるのは、一般にアダマンタノンを
硫酸に懸濁させて反応を行った方が反応が進行しやすい
と言う理由による。なお、大過剰に硫酸を用いても使用
量に見合った効果が得られるわけではなく、後処理に手
間がかかるため、アダマンタン100gに対する硫酸の
使用量は300ml〜2L程度であるのが好ましい。
中にアダマンタンが昇華するのを防ぐ等の目的で、必要
に応じて溶媒を使用する事も可能である。しかし、その
場合には硫酸に対して安定な溶媒を選択することが必要
である。このような溶媒としては、例えば、2塩化エチ
レン等のハロゲン化アルキルやニトロベンゼン、クロロ
ベンゼン等の不活性基置換ベンゼン等が挙げられる。ま
た、反応系内の水分量を一定にするため、系内にモレキ
ュラーシーブ、硫酸マグネシウムや硫酸ソーダ等の脱水
剤を添加したり、反応中に生成する水を留去しながら反
応を行うことも可能である。
生じるため、反応は一般に常圧で行うのが好ましいが、
水分や溶媒の留去のために減圧下で反応する事も可能で
ある。また、反応装置としては、十分な撹拌が出来て加
熱が可能な装置であり、硫酸に耐える材質を使用してい
るものであれば、何ら制限なく用いられる。例えば、通
常のガラスライニング釜が好適に用いられる。
0〜60℃の温度範囲に30分以上保持した(以下、該
条件下で起こる反応を単に「1段目反応」ともいう。)
後、60〜90℃まで昇温して反応(以下、該昇温過程
及び昇温後に起こる反応を単に「2段目反応」ともい
う。)させる点に最大の特徴を有する。比較的低温で一
定時間以上1段目反応を行うことにより、その後昇温し
て60〜90℃の高温下で2段目反応させても、前記樹
脂状物の生成が抑制されて目的の反応が優先的に進行す
るようになる。
度)が40℃未満の時には、その後昇温したときに樹脂
状物の生成が避けられず、該反応温度が60℃を越える
ときには最初から樹脂状物が生成してしまい本発明の効
果が得られない。また、40〜60℃での保持時間が3
0分未満の時には、やはり樹脂状物の生成が避けられな
い。1段目反応に於ける反応温度及び該温度での保持時
間は上記範囲内であれば等に限定されないが、該反応温
度が50〜60℃であり該温度での保持時間が2時間以
上の時には、本発明の効果が特に高い。なお、1段目反
応に於ける反応温度は必ずしも一定に保つ必要はなく、
60℃を超えない温度であれば変動しても良い。ただ
し、このとき温度が40℃未満となるときにはその温度
に於ける保持時間は上記1段目の反応に於ける保持時間
には含めない。
0〜60℃で30分以上保持して前記1段目反応を行っ
た後、60〜90℃まで昇温して2段目反応を行う。2
段目反応の反応温度が60℃未満の時には樹脂状物は生
成しないが目的物の生成収率は高くならない。また、2
段目反応の反応温度が90℃を越えるときには1段目反
応を行っても樹脂状物の生成が避けられず所期の目的が
達成できない。該2段目反応の更に好ましい反応温度6
5〜80℃である。なお、1段目反応を60℃で行った
場合には2段目反応は60℃を越える温度(好ましくは
65℃以上)で行う必要がある。
度は特に限定されないが、本発明者等の検討によると、
目的物の選択性を上げるためにはゆっくり昇温する方が
好ましい。しかし、昇温速度を小さくすると反応時間は
長くなるので、両者のバランスを考慮すると平均上記昇
温速度は0.01〜1℃/分であるのが好適である。な
お、ここで平均昇温速度とは最高温度に達するまでの平
均昇温速度を意味する。例えば、段階的に昇温を行った
場合には、該平均昇温速度は(最高温度−1段目反応終
了時温度)/(1段目反応終了後から最高温度に達する
までに要した時間)で定義される。
度等によって異なり一概に決定することは出来ないが、
一般に反応が飽和(終了)してから反応系を長時間高温
下にさらすことは好ましくない。このため、2段目反応
を行うに際しては、小スケールで予備的な実験を行い、
反応をガスクロマトグラフィーにより追跡して、反応が
終了するまでの時間を把握しておくのが好ましい。一般
には、昇温速度等を調節して反応時間が24時間以内に
なるように制御することが望ましい。
ンタノンは常法に従って分離することができる。即ち、
2段目反応終了後、生成したアダマンタノンを含む混合
物を冷水または氷にあけた後、分離してくる粗アダマン
タノンを濾別または抽出操作によって単離することがで
きる。さらに精製が必要な場合には再結晶、減圧蒸留、
水蒸気蒸留や昇華精製などの方法で精製することができ
る。
例および比較例を挙げて説明するが、今発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
60℃で4時間加熱攪拌し、1段目反応を行った。その
後、70℃で6時間、80℃で1時間加熱攪拌し(平均
昇温速度0.04℃/分)、2段目反応を行った。放冷
後、200mlの氷に反応混合物をあけ、エーテル20
0mlで2回抽出した。エーテル層を飽和食塩水200
mlで2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、エーテルを減圧下留去し、アダマンタノン9.7g
(収率88%)で得た。
た。結果も表1に併記した。
実施例1と同様に行った。しかし、エーテルに不溶の樹
脂状物が大量に生成し、アダマンタノンは僅かに2.0
g(収率20%)しか得られなかった。
に実施した。この時のアダマンタノンの収率は45%で
あった。
様に実施した。この時のアダマンタノンの生成は痕跡量
であり、98%の未反応のアダマンタンが回収された。
50℃で5時間行った他は実施例1と同様に実施した。
この時のアダマンタノンの生成は痕跡量であり、98%
の未反応のアダマンタンが回収された。
00℃で3時間行った他は実施例1と同様に実施した。
この時は、エーテルに不溶の樹脂状物が大量に生成し、
アダマンタノンの収率は僅かに13%であった。
法の特長を保ったまま、アダマンタノンの単離収率を大
幅に向上させることが出来る。
Claims (2)
- 【請求項1】 アダマンタンを硫酸により酸化してアダ
マンタノンを製造するアダマンタノンの製造方法におい
て、反応系を40〜60℃の温度範囲に30分以上保持
した後、60〜90℃まで昇温して反応させることを特
徴とするアダマンタノンの製造方法。 - 【請求項2】 反応系を40〜60℃の温度範囲に30
分以上保持した後、60〜90℃まで昇温するに際し
て、最高温度に達するまでの平均昇温速度が0.01〜
1℃/分である請求項1記載のアダマタノンの製造方
法。
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---|---|---|---|
JP35886797A JP3772009B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | アダマンタノンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP35886797A JP3772009B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | アダマンタノンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11189564A true JPH11189564A (ja) | 1999-07-13 |
JP3772009B2 JP3772009B2 (ja) | 2006-05-10 |
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Family Applications (1)
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JP35886797A Expired - Fee Related JP3772009B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | アダマンタノンの製造方法 |
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JP (1) | JP3772009B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001083419A1 (fr) * | 2000-04-28 | 2001-11-08 | Tokuyama Corporation | Procede de preparation de cetones alicycliques et d'esters alicycliques substitues par alkyle |
JP2008280315A (ja) * | 2007-05-14 | 2008-11-20 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 2−アダマンタノンの製造方法 |
-
1997
- 1997-12-26 JP JP35886797A patent/JP3772009B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US6781016B2 (en) | 2000-04-28 | 2004-08-24 | Tokuyama Corporation | Process for the preparation of alicyclic ketones and an alkyl-substituted alicyclic esters |
KR100677838B1 (ko) * | 2000-04-28 | 2007-02-05 | 가부시끼가이샤 도꾸야마 | 지환식 케톤 및 알킬치환 지환식 에스테르의 제조 방법 |
JP2008280315A (ja) * | 2007-05-14 | 2008-11-20 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 2−アダマンタノンの製造方法 |
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