JPH11185222A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents
磁気抵抗効果型磁気ヘッドInfo
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- JPH11185222A JPH11185222A JP34982997A JP34982997A JPH11185222A JP H11185222 A JPH11185222 A JP H11185222A JP 34982997 A JP34982997 A JP 34982997A JP 34982997 A JP34982997 A JP 34982997A JP H11185222 A JPH11185222 A JP H11185222A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 磁気記録媒体との摺動によりMR素子が摩耗
しても、長時間安定して動作させることのできる磁気抵
抗効果型磁気ヘッドを提供する。 【解決手段】 本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、
磁気記録媒体を摺動させて、当該磁気記録媒体からの信
号を再生する磁気抵抗効果型磁気ヘッドであり、磁気抵
抗効果素子と、上記磁気抵抗効果素子の一方の端部に接
続された第1の導体と、上記磁気抵抗効果素子の他方の
端部に接続された第2の導体とを有する。そして本発明
の磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、上記磁気抵抗効果素子
と上記第1の導体との接合面と、上記磁気抵抗効果素子
と上記第2の導体との接合面との間隔が、磁気記録媒体
との摺動面からの距離に従って次第に狭くなることを特
徴とする。
しても、長時間安定して動作させることのできる磁気抵
抗効果型磁気ヘッドを提供する。 【解決手段】 本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、
磁気記録媒体を摺動させて、当該磁気記録媒体からの信
号を再生する磁気抵抗効果型磁気ヘッドであり、磁気抵
抗効果素子と、上記磁気抵抗効果素子の一方の端部に接
続された第1の導体と、上記磁気抵抗効果素子の他方の
端部に接続された第2の導体とを有する。そして本発明
の磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、上記磁気抵抗効果素子
と上記第1の導体との接合面と、上記磁気抵抗効果素子
と上記第2の導体との接合面との間隔が、磁気記録媒体
との摺動面からの距離に従って次第に狭くなることを特
徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体と摺
動して情報の記録再生を行う磁気ヘッド装置に搭載され
る、磁気抵抗効果型磁気ヘッドに関する。
動して情報の記録再生を行う磁気ヘッド装置に搭載され
る、磁気抵抗効果型磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオテープレコーダ、デジタルオーデ
ィオテープレコーダ、データストレージ装置等に搭載さ
れる磁気ヘッド装置として、図24に示すように、磁気
記録媒体20に対して記録又は再生を行う1個以上の磁
気ヘッド21を、回転ドラム22に搭載したものが用い
られている。上記磁気ヘッド装置により情報の記録再生
を行う場合には、上記回転ドラム22を磁気テープ等の
磁気記録媒体20に接触させた状態で回転させることに
より、該回転ドラム22に搭載される磁気ヘッド21を
磁気記録媒体20に対して接触した状態で走査させて、
所定の記録トラックに対して情報の記録再生を行う。
ィオテープレコーダ、データストレージ装置等に搭載さ
れる磁気ヘッド装置として、図24に示すように、磁気
記録媒体20に対して記録又は再生を行う1個以上の磁
気ヘッド21を、回転ドラム22に搭載したものが用い
られている。上記磁気ヘッド装置により情報の記録再生
を行う場合には、上記回転ドラム22を磁気テープ等の
磁気記録媒体20に接触させた状態で回転させることに
より、該回転ドラム22に搭載される磁気ヘッド21を
磁気記録媒体20に対して接触した状態で走査させて、
所定の記録トラックに対して情報の記録再生を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
に磁気ヘッド21を磁気記録媒体20に対して接触した
状態で走査させると、磁気記録媒体20との摺動により
磁気ヘッド21の摺動面が摩耗してしまう。
に磁気ヘッド21を磁気記録媒体20に対して接触した
状態で走査させると、磁気記録媒体20との摺動により
磁気ヘッド21の摺動面が摩耗してしまう。
【0004】特にヘリカルスキャニング方式のように高
速で摺動する記録再生システムでは、ヘッド摺動面の摩
耗により出力が不安定になってしまう。また、ヘッド摺
動面の摩耗はヘッド寿命を決める上で極めて重要な問題
である。
速で摺動する記録再生システムでは、ヘッド摺動面の摩
耗により出力が不安定になってしまう。また、ヘッド摺
動面の摩耗はヘッド寿命を決める上で極めて重要な問題
である。
【0005】またこのシステムに磁気抵抗効果型素子
(以下、MR素子と称する。)を用いた再生用磁気ヘッ
ドを搭載することを想定した場合、MR素子の摩耗によ
り、感度低下、バイアス量の変化、安定動作性の低下、
抵抗値の変化等の致命的な問題を生じる恐れがある。
(以下、MR素子と称する。)を用いた再生用磁気ヘッ
ドを搭載することを想定した場合、MR素子の摩耗によ
り、感度低下、バイアス量の変化、安定動作性の低下、
抵抗値の変化等の致命的な問題を生じる恐れがある。
【0006】そのなかでも特に問題となるのが、MR素
子の形状変化により、MR素子の抵抗値が変動してしま
うことである。MR素子を用いた磁気ヘッドでは、MR
素子の初期抵抗値に対する、磁気抵抗効果による抵抗変
動の割合を電気信号として検出している。MR素子の摩
耗により初期抵抗値が変動しても検出を行うためには、
信号処理等により補正を行わなければならず、システム
上の大きな負担となる。
子の形状変化により、MR素子の抵抗値が変動してしま
うことである。MR素子を用いた磁気ヘッドでは、MR
素子の初期抵抗値に対する、磁気抵抗効果による抵抗変
動の割合を電気信号として検出している。MR素子の摩
耗により初期抵抗値が変動しても検出を行うためには、
信号処理等により補正を行わなければならず、システム
上の大きな負担となる。
【0007】このような問題に対し、これまでに基板材
料や基板の形状等を改良することでMR素子の摩耗を回
避する努力が行われてきたが、実用的に十分なレベルに
は達しておらず、磁気ヘッドを長時間安定して動作させ
ることは極めて困難な状況にある。
料や基板の形状等を改良することでMR素子の摩耗を回
避する努力が行われてきたが、実用的に十分なレベルに
は達しておらず、磁気ヘッドを長時間安定して動作させ
ることは極めて困難な状況にある。
【0008】本発明は上述したような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、磁気記録媒体との摺動により
MR素子が摩耗しても、長時間安定して動作させること
のできる磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することを目
的とする。
て提案されたものであり、磁気記録媒体との摺動により
MR素子が摩耗しても、長時間安定して動作させること
のできる磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気抵抗効果型
磁気ヘッドは、磁気記録媒体を摺動させて、当該磁気記
録媒体からの信号を再生する磁気抵抗効果型磁気ヘッド
であり、磁気抵抗効果素子と、上記磁気抵抗効果素子の
一方の端部に接続された第1の導体と、上記磁気抵抗効
果素子の他方の端部に接続された第2の導体とを有す
る。そして本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、上記
磁気抵抗効果素子と上記第1の導体との接合面と、上記
磁気抵抗効果素子と上記第2の導体との接合面との間隔
が、磁気記録媒体との摺動面からの距離に従って次第に
狭くなることを特徴とする。
磁気ヘッドは、磁気記録媒体を摺動させて、当該磁気記
録媒体からの信号を再生する磁気抵抗効果型磁気ヘッド
であり、磁気抵抗効果素子と、上記磁気抵抗効果素子の
一方の端部に接続された第1の導体と、上記磁気抵抗効
果素子の他方の端部に接続された第2の導体とを有す
る。そして本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、上記
磁気抵抗効果素子と上記第1の導体との接合面と、上記
磁気抵抗効果素子と上記第2の導体との接合面との間隔
が、磁気記録媒体との摺動面からの距離に従って次第に
狭くなることを特徴とする。
【0010】上述したような本発明に係る磁気抵抗効果
型磁気ヘッドでは、上記磁気抵抗効果素子と上記第1の
導体との接合面と、上記磁気抵抗効果素子と上記第2の
導体との接合面との間隔が、摺動面からの距離に従って
次第に狭くなっているので、上記磁気抵抗効果素子が摩
耗しても抵抗値が大きく変化するようなことはない。
型磁気ヘッドでは、上記磁気抵抗効果素子と上記第1の
導体との接合面と、上記磁気抵抗効果素子と上記第2の
導体との接合面との間隔が、摺動面からの距離に従って
次第に狭くなっているので、上記磁気抵抗効果素子が摩
耗しても抵抗値が大きく変化するようなことはない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
て説明する。
【0012】なお、以下の説明では、磁気記録媒体から
の余分な磁束がMR素子に入り込むのを防ぐために、M
R素子を絶縁層を介して軟磁性体で挟み込んだシールド
型の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを例に挙げて説明する。
また、以下の説明では、SAL(Soft Adjacent Laye
r)バイアス方式の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを例に挙
げて説明する。しかし本発明はこれに限定されるもので
はなく、シールド型以外の磁気抵抗効果型磁気ヘッド
や、SALバイアス方式以外の磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドについても適用可能である。
の余分な磁束がMR素子に入り込むのを防ぐために、M
R素子を絶縁層を介して軟磁性体で挟み込んだシールド
型の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを例に挙げて説明する。
また、以下の説明では、SAL(Soft Adjacent Laye
r)バイアス方式の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを例に挙
げて説明する。しかし本発明はこれに限定されるもので
はなく、シールド型以外の磁気抵抗効果型磁気ヘッド
や、SALバイアス方式以外の磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドについても適用可能である。
【0013】さらに、図面においては、特徴となる部分
を拡大して示している場合があり、実際の寸法と比率が
同じであるとは限らない。
を拡大して示している場合があり、実際の寸法と比率が
同じであるとは限らない。
【0014】本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッド
(以下、MRヘッドと称する。)の一構成例を図1に示
す。
(以下、MRヘッドと称する。)の一構成例を図1に示
す。
【0015】このMRヘッド1は、第1の基板2と、第
1の基板2上に形成された第1の絶縁膜3と、第1の絶
縁膜3上に形成されたMRヘッド素子4と、MRヘッド
素子4上に形成された第2の絶縁膜5と、第2の絶縁膜
5上に接着された第2の基板6とから構成される。
1の基板2上に形成された第1の絶縁膜3と、第1の絶
縁膜3上に形成されたMRヘッド素子4と、MRヘッド
素子4上に形成された第2の絶縁膜5と、第2の絶縁膜
5上に接着された第2の基板6とから構成される。
【0016】第1の基板2は、図1中矢印Aで示される
磁気記録媒体7との摺動方向前端側のガード材とMRヘ
ッド1の下層シールドとを兼ねるものである。また、第
2の基板6は、磁気記録媒体7との摺動方向後端側のガ
ード材とMRヘッド1の上層シールドとを兼ねるもので
ある。第1の基板2及び第2の基板6には、硬質の軟磁
性材料が使用される。
磁気記録媒体7との摺動方向前端側のガード材とMRヘ
ッド1の下層シールドとを兼ねるものである。また、第
2の基板6は、磁気記録媒体7との摺動方向後端側のガ
ード材とMRヘッド1の上層シールドとを兼ねるもので
ある。第1の基板2及び第2の基板6には、硬質の軟磁
性材料が使用される。
【0017】第1の絶縁膜3は、MRヘッド1の下層ギ
ャップとなり、また、第2の絶縁膜5は、MRヘッド1
の上層ギャップとなる。
ャップとなり、また、第2の絶縁膜5は、MRヘッド1
の上層ギャップとなる。
【0018】MRヘッド素子4は、第1の絶縁膜3及び
第2の絶縁膜5を介して、第1の基板2及び第2の基板
6に挟持されている。
第2の絶縁膜5を介して、第1の基板2及び第2の基板
6に挟持されている。
【0019】図1に示したMRヘッド1に用いられるM
Rヘッド素子4の一構成例を図2に示す。このMRヘッ
ド素子4は、平行な一対の辺が磁気記録媒体7との摺動
面1aと略平行になるように配された平面略台形のMR
素子部8と、MR素子部8の平行な一対の辺の両端部に
配された永久磁石膜9a,9bと、永久磁石膜9a,9
bから導出された引き出し導体10a,10bと、引き
出し導体10a,10bの一端部に配された外部端子1
1a,11bとを備える。
Rヘッド素子4の一構成例を図2に示す。このMRヘッ
ド素子4は、平行な一対の辺が磁気記録媒体7との摺動
面1aと略平行になるように配された平面略台形のMR
素子部8と、MR素子部8の平行な一対の辺の両端部に
配された永久磁石膜9a,9bと、永久磁石膜9a,9
bから導出された引き出し導体10a,10bと、引き
出し導体10a,10bの一端部に配された外部端子1
1a,11bとを備える。
【0020】MRヘッド素子4において、MR素子部8
は、磁気抵抗効果を有するMR素子と、SALバイアス
方式によってバイアス磁界を上記MR素子に印加するた
めの軟磁性膜(いわゆるSAL膜)とが積層されてな
る。この軟磁性膜は、MR素子にバイアス磁界を与え
て、検出信号の直線性を高める働きをする。
は、磁気抵抗効果を有するMR素子と、SALバイアス
方式によってバイアス磁界を上記MR素子に印加するた
めの軟磁性膜(いわゆるSAL膜)とが積層されてな
る。この軟磁性膜は、MR素子にバイアス磁界を与え
て、検出信号の直線性を高める働きをする。
【0021】上記MR素子としては、公知の軟磁性材料
が使用可能である。具体的には、NiFe、NiFeC
o、パーマロイ合金NiFe−X(XはTa、Cr、N
b、Rh、Zr、Mo、Al、Au、Pd、Pt、Si
等がある。また、Xとしてこれらの元素が複数種類含有
されてもよい。)、CoZr系アモルファス等が挙げら
れる。
が使用可能である。具体的には、NiFe、NiFeC
o、パーマロイ合金NiFe−X(XはTa、Cr、N
b、Rh、Zr、Mo、Al、Au、Pd、Pt、Si
等がある。また、Xとしてこれらの元素が複数種類含有
されてもよい。)、CoZr系アモルファス等が挙げら
れる。
【0022】そして上記MR素子部8は、平面形状が略
台形とされており、平行な一対の辺が磁気記録媒体7と
の摺動面と略平行になるように配され、平行な一対の辺
のうち長辺部分が、磁気記録媒体7との摺動面1aに露
出するようになされている。
台形とされており、平行な一対の辺が磁気記録媒体7と
の摺動面と略平行になるように配され、平行な一対の辺
のうち長辺部分が、磁気記録媒体7との摺動面1aに露
出するようになされている。
【0023】上記MR素子部8の形状は、図3に示され
るように平行な一対の辺のうち、長辺の長さがT、短辺
の長さがt、上記長辺及び短辺に垂直な方向(以下、高
さ方向と称する。)の長さがH、そして厚さがdとされ
ている。このときのMR素子の抵抗をR0とする。
るように平行な一対の辺のうち、長辺の長さがT、短辺
の長さがt、上記長辺及び短辺に垂直な方向(以下、高
さ方向と称する。)の長さがH、そして厚さがdとされ
ている。このときのMR素子の抵抗をR0とする。
【0024】そして図4に示されるように、上記MR素
子部8が磁気記録媒体7との摺動により高さ方向にhだ
け摩耗すると、短辺の長さt及び厚さdはそのままであ
るが、長辺の長さがT1、高さが(H−h)となる。こ
のときのMR素子の抵抗をR1とする。
子部8が磁気記録媒体7との摺動により高さ方向にhだ
け摩耗すると、短辺の長さt及び厚さdはそのままであ
るが、長辺の長さがT1、高さが(H−h)となる。こ
のときのMR素子の抵抗をR1とする。
【0025】上記MR素子部8の形状として、初期段階
での長辺の長さT、高さH、及び厚さdは、使用するシ
ステムに応じ、使用周波数、ダイナミックレンジ、磁気
記録媒体7の磁化量により適切な値に決定される。一
方、MR素子部8の短辺の長さtは、R0とR1とが略等
しくなるように決定される。このtの大きさは、MR素
子が摩耗しても、MR素子としての機能を失わない限界
の摩耗量等に依存する。
での長辺の長さT、高さH、及び厚さdは、使用するシ
ステムに応じ、使用周波数、ダイナミックレンジ、磁気
記録媒体7の磁化量により適切な値に決定される。一
方、MR素子部8の短辺の長さtは、R0とR1とが略等
しくなるように決定される。このtの大きさは、MR素
子が摩耗しても、MR素子としての機能を失わない限界
の摩耗量等に依存する。
【0026】実際には、膜厚や形状によりMR素子の抵
抗率が異なることや、MR素子部8中を流れるセンス電
流が必ずしも均一ではないため、計算によりtを求める
ことは難しく、実験を行うことによりMR素子部8の形
状を決定することが好ましい。
抗率が異なることや、MR素子部8中を流れるセンス電
流が必ずしも均一ではないため、計算によりtを求める
ことは難しく、実験を行うことによりMR素子部8の形
状を決定することが好ましい。
【0027】具体的には、例えば、MR素子部8の長辺
の長さTを約5μm、高さHを約4μm、膜厚dを約9
5nm、限界摩耗量を約2.5μmとしたとき、短辺の
長さtは約4μm程度となる。
の長さTを約5μm、高さHを約4μm、膜厚dを約9
5nm、限界摩耗量を約2.5μmとしたとき、短辺の
長さtは約4μm程度となる。
【0028】永久磁石膜9a,9bは、図2に示すよう
に、上記MR素子部8の平行な一対の辺の両端部に設け
られ、永久磁石膜9a,9bからの磁場の影響によりM
R素子を単磁区化し、MR素子内における磁壁の移動に
よるバルクハウゼンノイズの発生を防止するものであ
る。
に、上記MR素子部8の平行な一対の辺の両端部に設け
られ、永久磁石膜9a,9bからの磁場の影響によりM
R素子を単磁区化し、MR素子内における磁壁の移動に
よるバルクハウゼンノイズの発生を防止するものであ
る。
【0029】これらの永久磁石膜9a,9bには例えば
CoNiPt、CoCrPt等、保磁力が1000エル
ステッド以上である材料を用いることが好ましい。
CoNiPt、CoCrPt等、保磁力が1000エル
ステッド以上である材料を用いることが好ましい。
【0030】ところで、上記永久磁石膜9a,9bは導
電性を有しているので、このMRヘッド1において、セ
ンス電流は後述する引き出し導体10a,10bから永
久磁石膜9a,9bを介してMR素子部8に供給され
る。そして、実際に磁気記録媒体7からの磁界を検出す
る感磁部となる部分は、永久磁石膜9a,9b間に設け
られたMR素子部8である。したがって、永久磁石膜9
aと永久磁石膜9bとの間隔がトラック幅となり、永久
磁石膜9a,9bによってトラック幅が規制されること
になる。
電性を有しているので、このMRヘッド1において、セ
ンス電流は後述する引き出し導体10a,10bから永
久磁石膜9a,9bを介してMR素子部8に供給され
る。そして、実際に磁気記録媒体7からの磁界を検出す
る感磁部となる部分は、永久磁石膜9a,9b間に設け
られたMR素子部8である。したがって、永久磁石膜9
aと永久磁石膜9bとの間隔がトラック幅となり、永久
磁石膜9a,9bによってトラック幅が規制されること
になる。
【0031】ここで、永久磁石膜9aはMR素子部8の
一方の端部に接続され、また永久磁石膜9bはMR素子
部8の他方の端部に接続される。そして永久磁石膜9a
とMR素子部8との接合面と、永久磁石膜9bとMR素
子部8との接合面との間隔、すなわちトラック幅が、磁
気記録媒体との摺動面からの距離に従って次第に狭くな
っている。
一方の端部に接続され、また永久磁石膜9bはMR素子
部8の他方の端部に接続される。そして永久磁石膜9a
とMR素子部8との接合面と、永久磁石膜9bとMR素
子部8との接合面との間隔、すなわちトラック幅が、磁
気記録媒体との摺動面からの距離に従って次第に狭くな
っている。
【0032】引き出し導体10a,10bは、導電性膜
からなり、MR素子部8及び永久磁石膜9a,9bへセ
ンス電流を供給するための電極である。この引き出し導
体10a,10bは、長手方向が高さ方向となるように
設けられた略長方形状をしており、磁気記録媒体7との
摺動面には露出していない。引き出し導体10a,10
bの長手方向の一端部は上記永久磁石膜9a,9bと接
続しており、この引き出し導体10a,10bを介して
上記永久磁石膜9a,9b及びMR素子部8にセンス電
流が供給される。
からなり、MR素子部8及び永久磁石膜9a,9bへセ
ンス電流を供給するための電極である。この引き出し導
体10a,10bは、長手方向が高さ方向となるように
設けられた略長方形状をしており、磁気記録媒体7との
摺動面には露出していない。引き出し導体10a,10
bの長手方向の一端部は上記永久磁石膜9a,9bと接
続しており、この引き出し導体10a,10bを介して
上記永久磁石膜9a,9b及びMR素子部8にセンス電
流が供給される。
【0033】外部端子11a,11bは外部と電気的接
続をとるためのものであり、引き出し導体10a,10
bの長手方向の他端部に形成される。
続をとるためのものであり、引き出し導体10a,10
bの長手方向の他端部に形成される。
【0034】このようなMRヘッド1を用いて磁気記録
媒体7から記録信号を読み出す際には、引き出し導体1
0a,10bの一端部に形成された外部端子11a,1
1bから引き出し導体10a,10bを介して第1のM
R素子部8にセンス電流を供給し、摺動面に沿ってMR
素子部8にセンス電流を流す。そしてこのセンス電流に
より、磁気記録媒体7からの磁界によって生じるMR素
子部8の抵抗変化を検出し、これによって磁気記録媒体
7からの記録信号を再生する。このとき、上記MR素子
部8は磁気記録媒体との摺動により摩耗するが、上記M
R素子部8の抵抗値はほとんど変化しないため、MRヘ
ッド1は安定に動作することができる。
媒体7から記録信号を読み出す際には、引き出し導体1
0a,10bの一端部に形成された外部端子11a,1
1bから引き出し導体10a,10bを介して第1のM
R素子部8にセンス電流を供給し、摺動面に沿ってMR
素子部8にセンス電流を流す。そしてこのセンス電流に
より、磁気記録媒体7からの磁界によって生じるMR素
子部8の抵抗変化を検出し、これによって磁気記録媒体
7からの記録信号を再生する。このとき、上記MR素子
部8は磁気記録媒体との摺動により摩耗するが、上記M
R素子部8の抵抗値はほとんど変化しないため、MRヘ
ッド1は安定に動作することができる。
【0035】以下、上述したような構成を有するMRヘ
ッド1の製造方法について説明する。
ッド1の製造方法について説明する。
【0036】まず、例えば直径が約3インチ、厚みが約
2mmの円盤状の第1の基板2を用意する。この第1の
基板2は摺動方向前端側のガード材とMRヘッド1の下
層シールドとを兼ねるもので、硬質の軟磁性材料が使用
される。硬質の軟磁性材料として具体的には、例えばN
i−Znフェライトや、Mn−Znフェライト等があ
る。ここで、この第1の基板2上には後述するように多
数のMRヘッド素子4が形成されるため、表面粗度を向
上させるために、第1の基板2の表面に対して鏡面処理
を施しておく。
2mmの円盤状の第1の基板2を用意する。この第1の
基板2は摺動方向前端側のガード材とMRヘッド1の下
層シールドとを兼ねるもので、硬質の軟磁性材料が使用
される。硬質の軟磁性材料として具体的には、例えばN
i−Znフェライトや、Mn−Znフェライト等があ
る。ここで、この第1の基板2上には後述するように多
数のMRヘッド素子4が形成されるため、表面粗度を向
上させるために、第1の基板2の表面に対して鏡面処理
を施しておく。
【0037】次に、図5及び図6に示すように、表面が
鏡面状態とされた上記第1の基板2上に、下層ギャップ
となる絶縁膜3をスパッタリング等により形成する。こ
の絶縁膜3の材料としては、絶縁特性や耐摩耗性等を考
慮すると、例えばAl2O3等が好適である。また、この
絶縁膜3の厚みはシステムで扱う周波数等に応じて決定
され、例えば約190nmとする。
鏡面状態とされた上記第1の基板2上に、下層ギャップ
となる絶縁膜3をスパッタリング等により形成する。こ
の絶縁膜3の材料としては、絶縁特性や耐摩耗性等を考
慮すると、例えばAl2O3等が好適である。また、この
絶縁膜3の厚みはシステムで扱う周波数等に応じて決定
され、例えば約190nmとする。
【0038】次に、図7及び図8に示すように、上記絶
縁膜3上に、MR素子部8となるMR素子部用薄膜8a
を形成する。上述したように、MR素子部8は、いわゆ
るSALバイアス方式によってバイアス磁界をMR素子
に印加するために、MR素子と、MR素子へバイアス磁
界を印加するための軟磁性膜(いわゆるSAL膜)とが
積層されてなる。具体的には、例えばTaを5nmと、
NiFeNbを43nmと、Taを5nmと、NiFe
を40nmと、Taを1nmとをこの順にスパッタリン
グ等により成膜してMR素子部用薄膜8aを形成する。
ここでNiFeが磁気抵抗効果をもつMR膜となり、ま
たNiFeNbがMR膜にバイアス磁界を印加する軟磁
性膜となる。上記MR素子部8のバイアス方式、MR素
子部8を構成する各膜の材料や膜厚はこれに限られるも
のではなく、システム等の要求に応じて任意に変更可能
である。
縁膜3上に、MR素子部8となるMR素子部用薄膜8a
を形成する。上述したように、MR素子部8は、いわゆ
るSALバイアス方式によってバイアス磁界をMR素子
に印加するために、MR素子と、MR素子へバイアス磁
界を印加するための軟磁性膜(いわゆるSAL膜)とが
積層されてなる。具体的には、例えばTaを5nmと、
NiFeNbを43nmと、Taを5nmと、NiFe
を40nmと、Taを1nmとをこの順にスパッタリン
グ等により成膜してMR素子部用薄膜8aを形成する。
ここでNiFeが磁気抵抗効果をもつMR膜となり、ま
たNiFeNbがMR膜にバイアス磁界を印加する軟磁
性膜となる。上記MR素子部8のバイアス方式、MR素
子部8を構成する各膜の材料や膜厚はこれに限られるも
のではなく、システム等の要求に応じて任意に変更可能
である。
【0039】次に、図9、図10及び図11に示すよう
に、MR素子部8となる部分の両端側に永久磁石膜9
a,9bを形成する。この永久磁石膜9a,9bにより
上記MR素子が磁気的に安定化される。なお、図10及
び図11、並びに後掲する図12乃至図17では、1つ
のMRヘッド素子に対応する部分、すなわち図9中の円
Bの部分を拡大して示している。
に、MR素子部8となる部分の両端側に永久磁石膜9
a,9bを形成する。この永久磁石膜9a,9bにより
上記MR素子が磁気的に安定化される。なお、図10及
び図11、並びに後掲する図12乃至図17では、1つ
のMRヘッド素子に対応する部分、すなわち図9中の円
Bの部分を拡大して示している。
【0040】永久磁石膜9a,9bを形成するには、ま
ず、上記MR素子部用薄膜8a上にレジストを塗布し、
フォトリソグラフィ技術により、永久磁石膜9a,9b
となる部分のみレジストが除去されたレジストパターン
を形成する。具体的には、1つのMRヘッド素子4に対
して、長手方向に並べられた2つの略台形状の開口部を
有するレジストパターンを形成する。ここで、この開口
部の間隔によりMRヘッド1のトラック幅が決定され
る。具体的には初期のトラック幅Tを例えば5μmとす
る。また、このトラック幅は、高さ方向にしたがって次
第に小となるようにされている。この開口部の大きさは
例えば、平行な一対の辺の短辺t1を40μm、高さt2
を10μmとする。
ず、上記MR素子部用薄膜8a上にレジストを塗布し、
フォトリソグラフィ技術により、永久磁石膜9a,9b
となる部分のみレジストが除去されたレジストパターン
を形成する。具体的には、1つのMRヘッド素子4に対
して、長手方向に並べられた2つの略台形状の開口部を
有するレジストパターンを形成する。ここで、この開口
部の間隔によりMRヘッド1のトラック幅が決定され
る。具体的には初期のトラック幅Tを例えば5μmとす
る。また、このトラック幅は、高さ方向にしたがって次
第に小となるようにされている。この開口部の大きさは
例えば、平行な一対の辺の短辺t1を40μm、高さt2
を10μmとする。
【0041】次に、上記レジストパターンをマスクとし
てエッチングを行い、マスクから露出している部分のM
R素子部用薄膜8aを除去する。エッチングはドライ方
式でもウェット方式でも構わないが、加工のしやすさ等
を考慮すると、イオンエッチングが好適である。次に、
上記レジストパターンを残存させたまま、永久磁石膜を
スパッタリング等により全面に成膜する。この永久磁石
膜の材料としては、保磁力が1000エルステッド以上
ある材料が好ましい。保磁力が1000エルステッド以
上ある材料として具体的には、例えばCoNiPt、C
oCrPt等がある。最後に、レジストを当該レジスト
上に成膜された永久磁石膜とともに除去することによ
り、所定パターンの永久磁石膜9a,9bがMR素子用
薄膜8a中に埋め込まれた状態となる。
てエッチングを行い、マスクから露出している部分のM
R素子部用薄膜8aを除去する。エッチングはドライ方
式でもウェット方式でも構わないが、加工のしやすさ等
を考慮すると、イオンエッチングが好適である。次に、
上記レジストパターンを残存させたまま、永久磁石膜を
スパッタリング等により全面に成膜する。この永久磁石
膜の材料としては、保磁力が1000エルステッド以上
ある材料が好ましい。保磁力が1000エルステッド以
上ある材料として具体的には、例えばCoNiPt、C
oCrPt等がある。最後に、レジストを当該レジスト
上に成膜された永久磁石膜とともに除去することによ
り、所定パターンの永久磁石膜9a,9bがMR素子用
薄膜8a中に埋め込まれた状態となる。
【0042】次に、図12及び図13に示すように、M
R素子部8、及びMR素子部8にセンス電流を供給する
引き出し導体10a,10bを形成する。具体的には、
まず、上記MR素子部用薄膜8a上にレジストを塗布
し、フォトリソグラフィ技術により、最終的にMR素子
部8となる部分と引き出し導体10a,10bとなる部
分、及び永久磁石膜9a,9bが形成された部分のみレ
ジストが残存されたレジストパターンを形成する。具体
的には、引き出し導体10a,10bとなる部分は、例
えば短辺t3が80μm、長辺t4が2mmの略長方形状
とされ、長手方向の一端部が上記永久磁石膜9a,9b
に接続している。そして、短辺方向に、引き出し導体1
0aの端部から引き出し導体10bの端部までの長さt
5は例えば200μmとする。また、上記永久磁石膜9
a,9bの間が、MR素子部8となる部分である。MR
素子部8となる部分は略台形状であり、具体的には、例
えば、長辺Tを約5μm、短辺tを約4μm、高さHを
約4μmとする。
R素子部8、及びMR素子部8にセンス電流を供給する
引き出し導体10a,10bを形成する。具体的には、
まず、上記MR素子部用薄膜8a上にレジストを塗布
し、フォトリソグラフィ技術により、最終的にMR素子
部8となる部分と引き出し導体10a,10bとなる部
分、及び永久磁石膜9a,9bが形成された部分のみレ
ジストが残存されたレジストパターンを形成する。具体
的には、引き出し導体10a,10bとなる部分は、例
えば短辺t3が80μm、長辺t4が2mmの略長方形状
とされ、長手方向の一端部が上記永久磁石膜9a,9b
に接続している。そして、短辺方向に、引き出し導体1
0aの端部から引き出し導体10bの端部までの長さt
5は例えば200μmとする。また、上記永久磁石膜9
a,9bの間が、MR素子部8となる部分である。MR
素子部8となる部分は略台形状であり、具体的には、例
えば、長辺Tを約5μm、短辺tを約4μm、高さHを
約4μmとする。
【0043】次に上記レジストパターンをマスクとして
エッチングを行い、マスクから露出しているMR素子部
用薄膜8aを除去する。エッチングはドライ方式でもウ
ェット方式でも構わないが、加工のしやすさ等を考慮す
ると、イオンエッチングが好適である。
エッチングを行い、マスクから露出しているMR素子部
用薄膜8aを除去する。エッチングはドライ方式でもウ
ェット方式でも構わないが、加工のしやすさ等を考慮す
ると、イオンエッチングが好適である。
【0044】次に、引き出し導体10a,10bとなる
部分をより電気抵抗の小さい導電性膜に置き換える。ま
ず、レジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術によ
り、引き出し導体10a,10bとなる部分のみレジス
トが塗布されたレジストパターンを形成する。次にこの
レジストパターンをマスクとしてエッチングを行い、マ
スクから露出している引き出し導体10a,10bとな
る部分のMR素子部用薄膜8aを除去する。エッチング
はドライ方式でもウェット方式でも構わないが、加工の
しやすさ等を考慮すると、イオンエッチングが好適であ
る。引き出し導体10a,10bとなる部分のMR素子
部用薄膜8aを除去した後、上記レジストパターンを残
存させたまま導電性膜を成膜する。具体的には、例えば
Tiを15nmと、Cuを70nmと、Tiを15nm
とをこの順にスパッタリング等により成膜して導電性膜
を形成する。次に、レジストを当該レジスト上に形成さ
れた導電性膜とともに除去することにより、引き出し導
体10a,10bの部分に導電性膜が形成された状態と
なる。
部分をより電気抵抗の小さい導電性膜に置き換える。ま
ず、レジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術によ
り、引き出し導体10a,10bとなる部分のみレジス
トが塗布されたレジストパターンを形成する。次にこの
レジストパターンをマスクとしてエッチングを行い、マ
スクから露出している引き出し導体10a,10bとな
る部分のMR素子部用薄膜8aを除去する。エッチング
はドライ方式でもウェット方式でも構わないが、加工の
しやすさ等を考慮すると、イオンエッチングが好適であ
る。引き出し導体10a,10bとなる部分のMR素子
部用薄膜8aを除去した後、上記レジストパターンを残
存させたまま導電性膜を成膜する。具体的には、例えば
Tiを15nmと、Cuを70nmと、Tiを15nm
とをこの順にスパッタリング等により成膜して導電性膜
を形成する。次に、レジストを当該レジスト上に形成さ
れた導電性膜とともに除去することにより、引き出し導
体10a,10bの部分に導電性膜が形成された状態と
なる。
【0045】次に、図14及び図15に示すように、上
層ギャップとなる絶縁膜5をスパッタリング等により形
成する。この絶縁膜5の材料としては、絶縁特性や耐摩
耗性等を考慮すると、例えばAl2O3等が好適である。
また、この絶縁膜5の厚みはシステムで扱う周波数等に
応じて決定され、例えば約180nmとする。
層ギャップとなる絶縁膜5をスパッタリング等により形
成する。この絶縁膜5の材料としては、絶縁特性や耐摩
耗性等を考慮すると、例えばAl2O3等が好適である。
また、この絶縁膜5の厚みはシステムで扱う周波数等に
応じて決定され、例えば約180nmとする。
【0046】次に、図16及び図17に示すように、引
き出し導体10a,10bの一端部に、外部との電気的
接続をとるための外部端子11a,11bを形成する。
具体的にはまず、レジストを塗布し、フォトリソグラフ
ィ技術により、外部端子11a,11bとなる部分のみ
レジストが除去されたレジストパターンを形成する。具
体的に、外部端子11a,11bが形成される部分は、
上記引き出し導体10a,10bの長手方向で、永久磁
石膜9a,9bと接続していないほうの端部である。ま
た、外部端子11a,11bの長さt6は、引き出し導
体10a,10bの端部から例えば約50μmとする。
次に、上記レジストをマスクとして、マスクから露出し
ている絶縁膜5をエッチングにより除去する。エッチン
グはドライ方式でもウェット方式でも構わないが、加工
のしやすさ等を考慮すると、イオンエッチングが好適で
ある。
き出し導体10a,10bの一端部に、外部との電気的
接続をとるための外部端子11a,11bを形成する。
具体的にはまず、レジストを塗布し、フォトリソグラフ
ィ技術により、外部端子11a,11bとなる部分のみ
レジストが除去されたレジストパターンを形成する。具
体的に、外部端子11a,11bが形成される部分は、
上記引き出し導体10a,10bの長手方向で、永久磁
石膜9a,9bと接続していないほうの端部である。ま
た、外部端子11a,11bの長さt6は、引き出し導
体10a,10bの端部から例えば約50μmとする。
次に、上記レジストをマスクとして、マスクから露出し
ている絶縁膜5をエッチングにより除去する。エッチン
グはドライ方式でもウェット方式でも構わないが、加工
のしやすさ等を考慮すると、イオンエッチングが好適で
ある。
【0047】次に、上記レジストパターンを残存させた
状態で、外部端子用導電性膜を成膜する。具体的には、
例えばCuを500nmと、Auを500nmとをこの
順にスパッタリング等により成膜して外部端子用導電性
膜を形成する。次に、レジストを当該レジスト上に形成
された外部端子用導電性膜とともに除去することで、引
き出し導体10a,10bの端部に外部端子11a,1
1bが形成された状態となる。
状態で、外部端子用導電性膜を成膜する。具体的には、
例えばCuを500nmと、Auを500nmとをこの
順にスパッタリング等により成膜して外部端子用導電性
膜を形成する。次に、レジストを当該レジスト上に形成
された外部端子用導電性膜とともに除去することで、引
き出し導体10a,10bの端部に外部端子11a,1
1bが形成された状態となる。
【0048】以上の工程で、第1の基板2上にMRヘッ
ド素子4を形成する薄膜工程が終了し、図18に示すよ
うに、第1の基板2上に多数のMRヘッド素子4が形成
された状態となる。
ド素子4を形成する薄膜工程が終了し、図18に示すよ
うに、第1の基板2上に多数のMRヘッド素子4が形成
された状態となる。
【0049】次に、図19及び図20に示すように、多
数のMRヘッド素子4が形成された第1の基板2をMR
ヘッド素子毎に切断する。第1の基板2は、例えば長辺
t7が約2mm、短辺t8が約250μm、厚さt9が約
0.8mmのチップ状に切り出される。
数のMRヘッド素子4が形成された第1の基板2をMR
ヘッド素子毎に切断する。第1の基板2は、例えば長辺
t7が約2mm、短辺t8が約250μm、厚さt9が約
0.8mmのチップ状に切り出される。
【0050】そして、図21に示すように、MRヘッド
素子毎に切り出された第1の基板2上に、例えば厚さt
10が約0.7mmの第2の基板6を貼り付ける。この第
2の基板6は摺動方向後端側のガード材とMRヘッド1
の上層シールドとを兼ねるものとなる。第2の基板6の
貼り付けには、例えば樹脂等の接着剤が用いられる。こ
のとき、この第2の基板6の長さt11を第1の基板2の
長さt7よりも短くして、MRヘッド素子の外部端子1
1a,11bを露出させて外部端子11a,11bへの
接続が行われるようにする。また、この第2の基板6に
は硬質の軟磁性材料が使用される。第2の基板6に使用
される硬質の軟磁性材料として具体的にはNi−Znフ
ェライト等がある。
素子毎に切り出された第1の基板2上に、例えば厚さt
10が約0.7mmの第2の基板6を貼り付ける。この第
2の基板6は摺動方向後端側のガード材とMRヘッド1
の上層シールドとを兼ねるものとなる。第2の基板6の
貼り付けには、例えば樹脂等の接着剤が用いられる。こ
のとき、この第2の基板6の長さt11を第1の基板2の
長さt7よりも短くして、MRヘッド素子の外部端子1
1a,11bを露出させて外部端子11a,11bへの
接続が行われるようにする。また、この第2の基板6に
は硬質の軟磁性材料が使用される。第2の基板6に使用
される硬質の軟磁性材料として具体的にはNi−Znフ
ェライト等がある。
【0051】最後に、摺動面1aとなる面に対して研削
加工を施し、円弧状とすることにより、図1に示される
ようなMRヘッド1が完成する。このとき、MR素子部
8の摺動面1a側の端部が、摺動面1aに露出するよう
にする。
加工を施し、円弧状とすることにより、図1に示される
ようなMRヘッド1が完成する。このとき、MR素子部
8の摺動面1a側の端部が、摺動面1aに露出するよう
にする。
【0052】このMRヘッド1を使用する際は、図22
に示すように、MRヘッド1をチップベース12に貼り
付けるとともに、上述したように形成した外部端子11
a,11bと、チップベース13に設けられた端子12
a,12bとを電気的に接続する。そして、MRヘッド
1は、このようにチップベース12に取り付けられた上
で、回転ドラムに取り付けられて使用される。
に示すように、MRヘッド1をチップベース12に貼り
付けるとともに、上述したように形成した外部端子11
a,11bと、チップベース13に設けられた端子12
a,12bとを電気的に接続する。そして、MRヘッド
1は、このようにチップベース12に取り付けられた上
で、回転ドラムに取り付けられて使用される。
【0053】上述したようなMRヘッド1は、例えばヘ
リカルスキャニング方式等、テープ状の磁気記録媒体と
高速で摺動して情報の記録再生を行うシステムに用いら
れるときに、MR素子の摩耗が大きく、特に有効であ
る。しかし、このMRヘッド1は、ディスク状の磁気記
録媒体と摺動して情報の記録再生を行うシステムに用い
ることも可能である。
リカルスキャニング方式等、テープ状の磁気記録媒体と
高速で摺動して情報の記録再生を行うシステムに用いら
れるときに、MR素子の摩耗が大きく、特に有効であ
る。しかし、このMRヘッド1は、ディスク状の磁気記
録媒体と摺動して情報の記録再生を行うシステムに用い
ることも可能である。
【0054】上述したような構成を有する、略台形状の
MR素子を用いたMRヘッド、及び略長方形状のMR素
子を用いた従来のMRヘッドについての走行試験を行っ
た。
MR素子を用いたMRヘッド、及び略長方形状のMR素
子を用いた従来のMRヘッドについての走行試験を行っ
た。
【0055】走行試験は、ドラムテスターを用いて行っ
た。MRヘッドと磁気記録媒体との相対速度を約5m/
分程度とし、MR素子中に流すセンス電流の大きさを1
0mAとした。
た。MRヘッドと磁気記録媒体との相対速度を約5m/
分程度とし、MR素子中に流すセンス電流の大きさを1
0mAとした。
【0056】走行時間とMR素子の抵抗値との関係を図
23に示す。従来の略長方形状のMR素子を用いたMR
ヘッドでは、長時間走行すると、磁気記録媒体との摺動
によりMR素子の高さが減少し、そのため抵抗値が増加
してしまう。また、MR素子の偏摩耗のため、抵抗値の
増加量は一定ではなく、図23のような曲線となる。
23に示す。従来の略長方形状のMR素子を用いたMR
ヘッドでは、長時間走行すると、磁気記録媒体との摺動
によりMR素子の高さが減少し、そのため抵抗値が増加
してしまう。また、MR素子の偏摩耗のため、抵抗値の
増加量は一定ではなく、図23のような曲線となる。
【0057】一方、本発明に係る略台形状のMR素子を
用いたMRヘッドでは、長時間走行してもMR素子の抵
抗値はほぼ一定であることがわかる。
用いたMRヘッドでは、長時間走行してもMR素子の抵
抗値はほぼ一定であることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドで
は、MR素子が磁気記録媒体との摺動により摩耗しても
その電気抵抗値が大きく変化することはない。したがっ
て、本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、MR素子
が摩耗しても安定に動作する優れた磁気ヘッドを実現す
ることができる。
は、MR素子が磁気記録媒体との摺動により摩耗しても
その電気抵抗値が大きく変化することはない。したがっ
て、本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、MR素子
が摩耗しても安定に動作する優れた磁気ヘッドを実現す
ることができる。
【図1】本発明に係るMRヘッドの一構成例を示す断面
図である。
図である。
【図2】図1のMRヘッド素子の一構成例を示す平面図
である。
である。
【図3】MR素子部の形状の一例を示す平面図である。
【図4】図3のMR素子部の摩耗後の形状の一例を示す
平面図である。
平面図である。
【図5】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、第
1の基板上に第1の絶縁膜を形成した状態を示す平面図
である。
1の基板上に第1の絶縁膜を形成した状態を示す平面図
である。
【図6】図5中、X1−X2線における断面図である。
【図7】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、M
R素子部用薄膜を形成した状態を示す平面図である。
R素子部用薄膜を形成した状態を示す平面図である。
【図8】図7中、X3−X4線における断面図である。
【図9】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、M
R素子部用薄膜上にレジストパターンが形成された状態
を示す平面図である。
R素子部用薄膜上にレジストパターンが形成された状態
を示す平面図である。
【図10】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
永久磁石膜が形成された状態を示す平面図である。
永久磁石膜が形成された状態を示す平面図である。
【図11】図10中、X5−X6線における断面図であ
る。
る。
【図12】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
更にMR素子部及び引き出し導体が形成された状態を示
す平面図である。
更にMR素子部及び引き出し導体が形成された状態を示
す平面図である。
【図13】図12中、X7−X8線における断面図であ
る。
る。
【図14】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
MRヘッド素子上に第2の絶縁膜が形成された状態を示
す平面図である。
MRヘッド素子上に第2の絶縁膜が形成された状態を示
す平面図である。
【図15】図14中、X9−X10線における断面図であ
る。
る。
【図16】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
外部端子が形成された状態を示す平面図である。
外部端子が形成された状態を示す平面図である。
【図17】図16中、X11−X12線における断面図であ
る。
る。
【図18】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
第1の基板上に多数のMRヘッド素子が形成された状態
を示す平面図である。
第1の基板上に多数のMRヘッド素子が形成された状態
を示す平面図である。
【図19】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
第1の基板がMRヘッド素子毎に切り分けられた状態を
示す平面図である。
第1の基板がMRヘッド素子毎に切り分けられた状態を
示す平面図である。
【図20】図19中、X13−X14線における断面図であ
る。
る。
【図21】 MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
MRヘッド素子毎に切り分けられた第1の基板上に第2
の基板を貼り付けた状態を示す断面図である。
MRヘッド素子毎に切り分けられた第1の基板上に第2
の基板を貼り付けた状態を示す断面図である。
【図22】MRヘッドが、チップベース上に貼り付けら
れた状態を示す平面図である。
れた状態を示す平面図である。
【図23】走行時間とMR素子の抵抗値との関係を示す
図である。
図である。
【図24】磁気ヘッド装置の一例を示す平面図である。
1 MRヘッド、 2 第1の基板、 3 第1の絶縁
膜、 4 MRヘッド素子、 5 第2の絶縁膜、 6
第2の基板、 8 MR素子部、 9a,9b 永久
磁石膜、 10a,10b 引き出し導体、 11a,
11b 外部端子、 12 チップベース
膜、 4 MRヘッド素子、 5 第2の絶縁膜、 6
第2の基板、 8 MR素子部、 9a,9b 永久
磁石膜、 10a,10b 引き出し導体、 11a,
11b 外部端子、 12 チップベース
Claims (2)
- 【請求項1】 磁気記録媒体を摺動させて、当該磁気記
録媒体からの信号を再生する磁気抵抗効果型磁気ヘッド
において、 磁気抵抗効果素子と、 上記磁気抵抗効果素子の一方の端部に接続された第1の
導体と、 上記磁気抵抗効果素子の他方の端部に接続された第2の
導体と、 上記磁気抵抗効果素子と上記第1の導体との接合面と、
上記磁気抵抗効果素子と上記第2の導体との接合面との
間隔が、磁気記録媒体との摺動面からの距離に従って次
第に狭くなっていることを特徴とする磁気抵抗効果型磁
気ヘッド。 - 【請求項2】 上記磁気抵抗効果素子は、磁気記録媒体
との摺動により摩耗しても、抵抗値が略一定となるよう
にされていることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗
効果型磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34982997A JPH11185222A (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | 磁気抵抗効果型磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34982997A JPH11185222A (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | 磁気抵抗効果型磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11185222A true JPH11185222A (ja) | 1999-07-09 |
Family
ID=18406399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34982997A Withdrawn JPH11185222A (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | 磁気抵抗効果型磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11185222A (ja) |
-
1997
- 1997-12-18 JP JP34982997A patent/JPH11185222A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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