JP2002026423A - 磁気トンネル接合素子の製造方法及び磁気トンネル効果型磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気トンネル接合素子の製造方法及び磁気トンネル効果型磁気ヘッドの製造方法

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JP2002026423A
JP2002026423A JP2000205928A JP2000205928A JP2002026423A JP 2002026423 A JP2002026423 A JP 2002026423A JP 2000205928 A JP2000205928 A JP 2000205928A JP 2000205928 A JP2000205928 A JP 2000205928A JP 2002026423 A JP2002026423 A JP 2002026423A
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Japan
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magnetic
magnetic tunnel
tunnel junction
film
head
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JP2000205928A
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Eiji Nakashio
栄治 中塩
Seiji Onoe
精二 尾上
Junichi Sugawara
淳一 菅原
Toru Katakura
亨 片倉
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチングされる磁気トンネル接合膜の側面
部分に被エッチング物が再付着するのを防ぐ。 【解決手段】 磁気トンネル接合膜33上にレジストパ
ターンを形成し、このレジストパターンをマスクとし
て、上記磁気トンネル接合膜33に対するエッチングを
行うことにより、所定の形状とされた磁気トンネル接合
素子26を製造する際に、磁気トンネル接合膜33に対
して第1の入射角度でエッチングを行った後に、この第
1の入射角度よりも磁気トンネル接合膜33に対して斜
めとなる第2の入射角度でエッチングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の磁性層が絶
縁層を介して積層された磁気トンネル接合膜の一方の磁
性層から他方の磁性層に流れるトンネル電流のコンダク
タンスが、一対の磁性層の磁化の相対角度に依存して変
化する磁気トンネル接合素子の製造方法に関する。ま
た、そのような磁気トンネル接合素子を用いて、磁気記
録媒体に対する信号の再生を行う磁気トンネル効果型磁
気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一対の磁性層で薄い絶縁層を
挟持してなる積層構造において、一対の磁性層間に所定
の電圧を印加すると、絶縁層を介して流れる、いわゆる
トンネル電流のコンダクタンスが一対の磁性層の磁化の
相対角度に依存して変化する、いわゆる磁気トンネル効
果が知られている。すなわち、一対の磁性層で薄い絶縁
層を挟持してなる積層構造では、絶縁層に流れるトンネ
ル電流に対する磁気抵抗効果を示すのである。
【0003】この磁気トンネル効果では、一対の磁性層
の磁化の分極率により磁気抵抗比を理論的に算出でき、
特に、一対の磁性層にFeを用いた場合には、約40%
の磁気抵抗比を期待することができる。
【0004】このため、一対の磁性層で薄い絶縁層を挟
持してなる積層構造を有する磁気トンネル接合素子(以
下、TMR素子という。)が磁気抵抗効果素子として注
目を集めており、特に、磁気ヘッドの分野において、こ
のTMR素子を磁気記録媒体からの磁気信号を検出する
感磁素子として用いる、いわゆる磁気トンネル効果型磁
気ヘッド(以下、TMRヘッドという。)が注目されて
いる。
【0005】このTMRヘッドは、例えば一対の磁気シ
ールド層の間にギャップ層を介してTMR素子が配され
てなるシールド型TMRヘッドであり、この一対の磁気
シールド層に電極としての機能を持たせることにより、
一対の磁気シールド層とTMR素子との挟ギャップ化を
実現可能としている。
【0006】すなわち、従来のシールド型MRヘッド
は、下層シールド層となる軟磁性膜と、この軟磁性膜上
に形成された下層ギャップ層となる非磁性非導電性膜
と、この非磁性非導電性膜上に形成されたMR素子及び
その両端部に形成された一対の導電体膜と、この上に形
成された上層ギャップ層となる非磁性非導電性膜と、こ
の非磁性非導電性膜上に形成された上層シールド層とな
る軟磁性膜とから構成されている。
【0007】このシールド型MRヘッドでは、高記録密
度化に対応して挟ギャップ化が進むと、ギャップ層とな
る非磁性非導電性膜の膜厚が薄くなる。特に、上層ギャ
ップ層側の非磁性非導電性膜は、MR素子の両端部に形
成された一対の導電体膜が段差部として下層側の非磁性
非導電性膜上に形成されているために、このような段差
部上に非磁性非導電性膜を成膜する場合、全面に亘って
均一な膜厚で成膜することが困難となる。そして、磁気
記録媒体に対して高密度で記録された信号の再生を行う
ために、一対の磁気シールド層とMR素子との間の距
離、すなわちシールド間距離を狭くした場合には、この
一対の磁気シールド層とMR素子との絶縁性を確保する
ことが非常に困難となってしまう。
【0008】それに対して、シールド型TMRヘッドで
は、一対の磁気シールド層が電極としての機能を果たす
ことにより、ギャップ層となる非磁性非導電性膜の膜厚
を薄くすることができ、一対の磁気シールド層とTMR
素子との間の距離を狭くすることができる。したがっ
て、このTMRヘッドでは、挟ギャップ化が可能とな
り、磁気記録媒体のさらなる高記録密度化に対応するこ
とが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うなTMRヘッドにおいて、TMR素子を作製する際に
は、先ず、一対の磁性層を絶縁層を介して積層すること
により磁気トンネル接合膜を形成し、この磁気トンネル
接合膜上にフォトリソグラフィ技術を用いて所定の形状
にパターニングされたフォトレジストを形成する。そし
て、このフォトレジストをマスクとして、アルゴンイオ
ン等を用いたイオンエッチングにより、磁気トンネル接
合膜に対してTMR素子の感磁部となる部分を残してエ
ッチングを行い、フォトレジストを除去することでTM
R素子が作製される。
【0010】しかしながら、このTMRヘッドの作製工
程において、上述した磁気トンネル接合膜に対するエッ
チングを行った際には、このエッチングされる磁気トン
ネル接合膜(TMR素子)の側面部分に、この磁気トン
ネル接合膜のエッチングされた粒子(以下、被エッチン
グ物という。)が再び付着してしまう、いわゆる再付着
が生じてしまうことがあった。
【0011】TMRヘッドでは、TMR素子の側面部分
に、このような被エッチング物の再付着が生じると、こ
のTMR素子の側面部分における抵抗値が低下すること
となる。このため、TMR素子に流れるトンネル電流
は、側面部分に多く流れるようになり、このTMR素子
の感磁部に流れるトンネル電流が大幅に低下してしま
う。その結果、TMRヘッドでは、TMR素子の磁気抵
抗比が低下してしまい、再生出力等が大幅に低下してし
まうといった問題が生じてしまう。
【0012】そこで、本発明はこのような従来の事情に
鑑みて提案されたものであり、エッチングされる磁気ト
ンネル接合膜の側面部分に被エッチング物が再付着する
のを防ぐことにより、品質及び信頼性の大幅な向上を可
能とした磁気トンネル接合素子の製造方法を提供するこ
とを目的とする。また、そのような磁気トンネル接合素
子を用いて、磁気記録媒体に対する信号の再生を行う磁
気トンネル効果型磁気ヘッドの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明に係る磁気トンネル接合素子の製造方法は、磁気トン
ネル接合膜上にレジストパターンを形成し、このレジス
トパターンをマスクとして、上記磁気トンネル接合膜に
対するエッチングを行うことにより、所定の形状とされ
た磁気トンネル接合素子を製造する際に、磁気トンネル
接合膜に対して第1の入射角度でエッチングを行った後
に、この第1の入射角度よりも磁気トンネル接合膜に対
して斜めとなる第2の入射角度でエッチングを行うこと
を特徴とする。
【0014】この磁気トンネル接合素子の製造方法で
は、磁気トンネル接合膜に対して第1の入射角度でエッ
チングを行うことにより、この磁気トンネル接合膜が所
定の形状に成形されるとともに、この第1の入射角度よ
りも磁気トンネル接合膜に対して斜めとなる第2の入射
角度でエッチングを行うことにより、この成形された磁
気トンネル接合膜の側面部分、すなわち磁気トンネル接
合素子の感磁部となる部分に再付着した被エッチング物
を除去することができる。これにより、作製される磁気
トンネル接合素子の磁気抵抗比が低下してしまうのを防
ぐことができる。
【0015】また、この目的を達成する本発明に係る磁
気トンネル効果型磁気ヘッドの製造方法は、磁気トンネ
ル接合素子を用いて磁気記録媒体に対する信号の再生を
行う磁気トンネル効果型磁気ヘッドの製造方法であっ
て、磁気トンネル接合膜上にレジストパターンを形成
し、このレジストパターンをマスクとして、磁気トンネ
ル接合膜に対するエッチングを行うことにより、所定の
形状とされた磁気トンネル接合素子を形成する際に、磁
気トンネル接合膜に対して第1の入射角度でエッチング
を行った後に、この第1の入射角度よりも磁気トンネル
接合膜に対して斜めとなる第2の入射角度でエッチング
を行うことを特徴とする。
【0016】この磁気トンネル効果型磁気ヘッドに製造
方法では、磁気トンネル接合膜に対して第1の入射角度
でエッチングを行うことにより、この磁気トンネル接合
膜が所定の形状に成形されるとともに、この第1の入射
角度よりも磁気トンネル接合膜に対して斜めとなる第2
の入射角度でエッチングを行うことにより、この成形さ
れた磁気トンネル接合膜の側面部分、すなわち磁気トン
ネル接合素子の感磁部となる部分に再付着した被エッチ
ング物を除去することができ、磁気トンネル接合素子の
磁気抵抗比が低下してしまうのを防ぐことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0018】なお、以下の説明で用いる図面は、特徴を
わかりやすくするために、特徴となる部分を拡大して示
している場合があり、各構成要素の寸法比率が実際と同
じであるとは限らない。
【0019】本発明の実施の形態として図1に示すハー
ドディスクドライブ装置は、図示を省略する筐体の内部
に設けられた装置本体1のシャーシ2上に、スピンドル
モータにより回転駆動される磁気ディスク3と、この磁
気ディスク3に対して情報信号の記録又は再生を行う磁
気ヘッドが搭載されたヘッドスライダ4を先端部に有す
るヘッドアクチュエータ5とを備えている。
【0020】また、このハードディスクドライブ装置
は、シャーシ2の磁気ディスク3やヘッドアクチュエー
タ5等が実装される面とは反対側のシャーシ2上に、記
録再生時に信号処理等を行う信号処理回路や、磁気ヘッ
ドのサーボ制御等を行うサーボ制御回路、システム全体
の制御を行うシステムコントローラ等の各制御回路6を
備えている。
【0021】磁気ディスク3は、いわゆるハードディス
クであり、略中央部に中心孔を有する略円盤状のディス
ク基板上に、磁性層及び保護層等が順次積層されてな
る。そして、このハードディスクドライブ装置では、複
数枚の磁気ディスク3が、その中心孔をスピンドルモー
タの回転軸7と嵌合しながらクランパ8により固定され
ており、制御回路により駆動制御されるスピンドルモー
タの回転に伴って、図1中矢印Aの方向に所定の速度に
て回転駆動されるようになされている。
【0022】ヘッドアクチュエータ5は、その支軸9を
中心として回動される支持アーム10と、この支持アー
ム10の一端側に設けられたボイスコイルモータ11
と、この支持アーム10の他端側に取り付けられた所定
の弾性を有するサスペンション12と、このサスペンシ
ョン12の先端部に取り付けられた上記ヘッドスライダ
4とを備えている。
【0023】ボイスコイルモータ11は、支持アーム1
0側に取り付けられたコイル13と、このコイル13と
対向するシャーシ2側に取り付けられたマグネット14
とを有し、コイル13に電流が供給されることにより磁
界が発生し、このコイル13と対向配置されたマグネッ
ト14との磁気的作用により、支持アーム10が支軸9
を中心として図1中矢印B方向、すなわち磁気ディスク
3の径方向に沿って所定の角度だけ回動するようになさ
れている。
【0024】また、サスペンション12は、その先端部
にヘッドスライダ4が取り付けられており、このヘッド
スライダ4を支持しながら、弾性力により磁気ディスク
3側へと付勢している。
【0025】ヘッドスライダ4は、図1及び図2に示す
ように、略矩形状に成形されてなり、各磁気ディスク3
に対応して複数設けられた支持アーム10の各サスペン
ション12の先端部に、それぞれ磁気ディスク3の信号
記録面と相対向するように支持されている。また、ヘッ
ドスライダ4には、磁気ディスク3と対向する面(以
下、媒体対向面という。)4aに、この磁気ディスク3
の回転に伴って発生する空気流により浮上力を発生させ
るための空気潤滑面(ABS面)が形成されている。
【0026】すなわち、サスペンション12の先端部に
取り付けられたヘッドスライダ4は、磁気ディスク3の
回転により生じる空気流を受けて、この磁気ディスク3
上を所定の浮上量で浮上しながら、このヘッドスライダ
4に搭載された磁気ヘッド20が、磁気ディスク3の信
号記録面に対して信号の記録又は再生を行うようになさ
れている。なお、ヘッドスライダ4の空気潤滑面の形状
は、特に限定されるものではなく、任意の形状とするこ
とが可能である。
【0027】磁気ヘッド20は、図1中矢印A方向に回
転駆動される磁気ディスク3に対して、浮上走行するヘ
ッドスライダ4の後端部に位置して設けられている。
【0028】この磁気ヘッド20は、図2及び図3に示
すように、例えば再生ヘッド部として、磁気トンネル効
果型磁気ヘッド(以下、TMRヘッドという。)21
と、記録ヘッド部として、インダクティブ型薄膜ヘッド
22とを組み合わせた複合型の薄膜磁気ヘッドである。
なお、図3は、この磁気ヘッド20を媒体対向面4aの
側から見た要部端面図である。
【0029】この磁気ヘッド20では、例えばメッキ法
や、スパッタ法等の薄膜形成技術により、上記再生ヘッ
ド部及び記録ヘッド部の各構成要素を形成することか
ら、挟トラック化や挟ギャップ化等の微細寸法化が容易
であり、高分解能での記録再生が可能であるといった利
点を有している。
【0030】具体的に、この磁気ヘッド20は、詳細を
後述する薄膜積層工程によって、例えばアルミナチタン
カーバイト(Al23−TiC)等の硬質の非磁性材料
からなる基板23上に、再生ヘッド部として、磁気トン
ネル効果を利用した磁気ディスク3に対する信号の再生
を行うTMRヘッド21と、このTMRヘッド21上
に、記録ヘッド部として、電磁誘導を利用した磁気ディ
スク3に対する信号の記録を行うインダクティブ型薄膜
ヘッド22とが積層されてなる。また、磁気ヘッド20
においては、再生ヘッド部及び記録ヘッド部を構成する
各構成要素が媒体対向面4aから外方に臨んで略同一端
面を構成している。
【0031】このうち、TMRヘッド21は、上下一対
の磁気シールド層によりシールドギャップ層を介して磁
気トンネル接合素子(以下、TMR素子という。)が挟
み込まれてなる、いわゆるシールド型TMRヘッドであ
る。詳述すると、このTMRヘッド21は、基板23上
に形成された下層シールド層24と、この下層シールド
層24上に形成された下層非磁性導電性層25と、この
下層非磁性導電性層25上に形成されたTMR素子26
と、このTMR素子26上に形成された上層非磁性導電
性層27と、上層非磁性導電性層27上に形成された上
層シールド層28とを有し、これら基板23から上層シ
ールド層28に至る隙間部分に、例えばAl23等の非
磁性非導電性材料29が配されている。
【0032】TMR素子26は、磁気トンネル効果を利
用して磁気ディスク3からの信号を検出する感磁素子で
あり、このTMR素子26を流れるトンネル電流のコン
ダクタンスが、磁気ディスク3からの磁界によって磁化
される方向に依存して変化する、いわゆる磁気トンネル
効果を利用して、このトンネル電流の電圧変化を検出
し、磁気ディスク3に記録された信号を読み取るように
なされている。
【0033】具体的に、このTMR素子26は、所定の
方向に磁化が固定された磁化固定層30と、外部磁界に
応じて磁化方向を変化させる磁化自由層31とが、トン
ネル障壁層32を介して積層された磁気トンネル接合膜
33を有している。
【0034】この磁気トンネル接合膜33において、磁
気化固定層30は、例えば、下層非磁性導電性層25上
に形成された下層となる膜厚3nmのTa膜上に、膜厚
3nmのNiFe膜と、膜厚10nmのIrMn膜と、
膜厚4nmのCoFe膜とが順次積層された3層構造と
されている。このうち、IrMn膜は、反強磁性膜であ
り、CoFe膜との間で交換結合しており、このCoF
e膜の磁化方向を所定の方向に固定している。
【0035】また、トンネル障壁層32は、磁化固定層
30のCoFe膜上に、絶縁層として、例えば膜厚1.
3nmのAlの酸化膜(Al23)が積層されてなる。
【0036】また、磁化自由層31は、トンネル障壁層
3上に、例えば膜厚4nmのCoFe膜と、膜厚5nm
のNiFe膜とが順次積層された2層構造とされてい
る。そして、この磁化自由層31上に、例えば上層とな
る膜厚5nmのTa膜が形成されている。このうち、C
oFe膜は、スピン分極率を増加させるためのものであ
る。NiFe膜は、その保持力が低く、外部磁界に応じ
て磁化の方向が変化することになり、これらがTMR素
子26の感磁部26aとなっている。
【0037】磁気トンネル接合膜33では、このような
スピンバルブ型の積層構造とすることにより、このTM
R素子26の磁気抵抗比を大きくすることができる。な
お、磁気トンネル接合膜33を構成する各層の材料及び
その膜厚は、以上の例に限定されるものではなく、TM
R素子26の使用目的等に応じて適切な材料を選択し、
適切な膜厚に設定すればよい。
【0038】また、このTMR素子26は、磁気トンネ
ル接合膜33のうち、このTMR素子26の感磁部26
aとなる部分を残して、磁化自由層31から磁化固定層
30の中途部に至るまでエッチングされることにより、
その磁気ディスク3に対するトラック幅Tw1が規制さ
れている。なお、ここでは、トラック幅Tw1を約5μ
mとしたが、システムの要求等に応じて適切な値に設定
すればよい。
【0039】また、TMRヘッド21では、TMR素子
26にトンネル障壁層32を介してトンネル電流が流れ
るように、下層シールド層24及び下層非磁性導電性層
25が、TMR素子26の磁化固定層30に対する電極
として機能しており、上層シールド層28及び上層非磁
性導電性層27が、磁化自由層31に対する電極として
機能している。
【0040】具体的に、下層非磁性導電性層25及び上
層非磁性導電性層27は、例えばCu等の導電性を有す
る非磁性材料からなる。このうち、下層非磁性導電性層
25は、TMR素子26の磁化固定層30と下層シール
ド層24とが電気的に接続されるように配されている。
一方、上層非磁性導電性層27は、TMR素子26の感
磁部26aとなる部分に当接する突出部27aを有し、
この突出部27aを通して、TMR素子の磁化自由層3
1と上層シールド層28とが電気的に接続されるように
配されている。
【0041】また、下層非磁性導電性層25及び上層非
磁性導電性層27は、TMR素子26と下層シールド層
24及び上層シールド層28との間の隙間部分に配され
た非磁性非導電性材料29と共に、シールドギャップ層
を構成しており、このTMR素子26と下層シールド層
24及び上層シールド層28との間を磁気的に隔離して
いる。
【0042】下層シールド層24及び上層シールド層2
8は、導電性を有する軟磁性材料からなり、例えば膜厚
2.3μmのCoZrNbTaからなるアモルファス積
層膜により形成されている。そして、下層シールド層2
4及び上層シールド層28は、下層非磁性導電性層25
及び上層非磁性導電性層27を介してTMR素子26に
電気を供給するようになされている。
【0043】また、下層シールド層24及び上層シール
ド層28は、TMR素子26を磁気的にシールドするの
に十分な幅を有し、下層非磁性導電性層25及び上層非
磁性導電性層27を介してTMR素子26を挟み込むこ
とにより、磁気ディスク3からの信号磁界のうち、再生
対象外の磁界がTMR素子26に引き込まれないように
機能する一対の磁気シールド層を構成している。すなわ
ち、TMRヘッド21においては、TMR素子26に対
して再生対象外の信号磁界が下層シールド層24及び上
層シールド層28に導かれ、再生対象の信号磁界だけが
TMR素子26に導かれる。これにより、TMRヘッド
21では、TMR素子26の周波数特性及び読み取り分
解能の向上が図られている。
【0044】なお、TMRヘッド21では、この下層シ
ールド層24及び上層シールド層28とTMR素子26
との間の距離が、いわゆるシールド間距離とされてい
る。
【0045】また、TMRヘッド21には、図2に示す
ように、下層シールド層24及び上層シールド層28と
電気的に接続された引き出し導線34a,34bがそれ
ぞれ設けられており、この引き出し導線34a,34b
の端部に、外部接続用端子35a,35bが、ヘッドス
ライダ4の後端部側の端面から外部に臨むようにそれぞ
れ設けられている。
【0046】引き出し導線34a,34bは、例えばC
u等の導電性材料により薄膜形成されている。また、外
部接続用端子35a,35bは、例えば金(Au)等の
導電性材料からなり、同じく金(Au)からなる導線が
ワイヤーボンディング等によりサスペンション12側に
設けられた配線端子と電気的に接続されることで外部回
路との接触が可能となっている。
【0047】一方、インダクティブ型薄膜ヘッド22
は、図2及び図3に示すように、上層シールド層28と
同一部材である下層コア層36と、この下層コア層36
上に磁気ギャップ37を介して設けられた上層コア層3
8と、この上層コア層38に接合されると共に、媒体対
向面4aから離間した他端側にて下層コア層36とバッ
クギャップを構成するバックヨーク39とを有し、これ
ら下層コア層36から上層コア層38上に至る隙間部分
に、例えばAl23等の非磁性非導電性材料29が配さ
れている。
【0048】また、インダクティブ型薄膜ヘッド22に
は、下層コア層36とバックヨーク39との間に位置し
て、バックギャップを中心に巻回された薄膜コイル40
と、この薄膜コイル40の内周側の端部及び外周側の端
部と電気的に接続された引き出し導線41a,41bと
が設けられており、これら引き出し導線41a,41b
の端部に外部接続用端子42a,42bがヘッドスライ
ダ4の後端部側の端面から外部に臨むように設けられて
いる。
【0049】下層コア層36、上層コア層38及びバッ
クヨーク39は、閉磁路となる磁気コアを構成するもの
である。このうち、上層コア層38は、例えばアモルフ
ァス積層膜等の導電性を有する軟磁性材料が所定の幅に
成形されてなり、非磁性非導電性材料29を介して下層
コア層36と対向配置されることにより、磁気ギャップ
37が形成され、この幅がトラック幅Tw2とされてい
る。なお、このトラック幅Tw2は、システムの要求等
に応じて適切な値に設定すればよい。
【0050】なお、このインダクティブ型薄膜ヘッド2
2では、所定のトラック幅Tw2となる上層コア層38
と対向して下層コア層36に凸部を形成することによ
り、磁気ギャップ37で生じる漏れ磁界を細くすること
が可能であり、微細な磁気信号を磁気ディスク3に高精
度に記録することが可能となる。
【0051】薄膜コイル40は、例えばCu等の導電性
材料がスパイラル状に薄膜形成されてなる。
【0052】引き出し導線41a,41bは、上述した
引き出し導線34と同様に、例えばCu等の導電性材料
により薄膜形成されている。
【0053】また、外部接続用端子42a,42bは、
上述した外部接続用端子35と同様に、例えば金(A
u)等の導電性材料からなり、同じく金(Au)からな
る導線がワイヤーボンディング等によりサスペンション
12側に設けられた配線端子と電気的に接続されること
で外部回路との接触が可能となっている。
【0054】なお、磁気ヘッド20には、ヘッドスライ
ダ4の後端部側の端面上に、外部接続用端子35,42
が外部に臨む部分を除いて、例えばAl23等の非磁性
非導電性材料29からなる保護膜が成膜されており、薄
膜コイル40及び引き出し導線34,41の保護を図っ
ている。
【0055】以上のように構成される磁気ヘッド20に
おいて、TMRヘッド21を用いて磁気ディスク3に対
する信号の再生を行う際には、TMR素子26の磁化固
定層30と磁化自由層31との間に所定の電圧を印加す
る。このとき、TMR素子26のトンネル障壁層32を
介して流れるトンネル電流のコンダクタンスが、磁気デ
ィスク3からの信号磁界に応じて変化する。このため、
TMRヘッド21では、TMR素子26に流れるトンネ
ル電流の電圧値が変化することとなり、このTMR素子
26の電圧値の変化を検出することによって、磁気ディ
スク3に対する信号の再生を行うことができる。
【0056】一方、インダクティブ型薄膜ヘッド22を
用いて磁気ディスク3に対する信号の記録を行う際に
は、薄膜コイル40に記録する信号に応じた電流が供給
される。このとき、インダクティブ型薄膜ヘッド22に
は、薄膜コイル40から発生する磁界により、磁気コア
に磁束が流れると共に、磁気ギャップ37から漏れ磁界
が発生する。そして、インダクティブ型薄膜ヘッド22
では、この漏れ磁界を磁気ディスク3に対して印加して
いくことにより信号の記録を行うことができる。
【0057】次に、上述した磁気ヘッド20を搭載する
ヘッドスライダ4の製造方法について説明する。
【0058】なお、以下の説明で用いる図面は、特徴を
わかりやすく図示するために、図1乃至図3と同様に、
特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構
成要素の寸法比率が実際と同じであるとは限らない。ま
た、以下の説明では、磁気ヘッド20を構成する各構成
要素並びにその材料、大きさ及び膜厚等について具体的
な例を挙げるが、本発明は以下の例に限定されるもので
はない。例えば、以下の説明では、ハードディスク装置
等で実用化されているものと同様な構造を有する、いわ
ゆるシールド型TMRヘッドを用いた例を挙げるが、軟
磁性体を磁気回路の一部とする、いわゆるヨーク型構造
の磁気ヘッド等であってもよく、このような例に必ずし
も限定されるものではない。
【0059】この磁気ヘッド20を作製する際は、先
ず、図4及び図5に示すように、例えば直径4インチ程
度の円盤状の基板50を用意し、この基板50の表面に
対して鏡面加工を施す。そして、この基板50上に、上
記下層シールド層24となる第1の軟磁性膜51をスパ
ッタリング等により成膜する。なお、図5は、図4中に
示す線分X1−X1’による概略断面図である。
【0060】この基板50は、最終的に上記磁気ヘッド
20の基板23となるものであり、この主面上に磁気ヘ
ッド20の各構成要素が薄膜形成工程によって順次積層
された後、この基板50を個々のヘッドチップとして切
り出すことにより、磁気ヘッド20を搭載する上記ヘッ
ドスライダ4が一括して複数作製されることとなる。
【0061】なお、この基板50の材料としては、アル
ミナチタンカーバイト(Al23−TiC)等が好適で
ある。一方、第1の軟磁性膜51としては、例えば膜厚
2.3μmのCoZrNbTaからなるアモルファス積
層膜を成膜した。
【0062】次に、第1の軟磁性膜51上に、フォトレ
ジストを塗布し、硬化させることによりレジスト層を形
成する。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、こ
のレジスト層を所定の形状にパターニングすることによ
り、図6及び図7に示すような第1のレジストパターン
52を形成する。具体的に、レジスト層を所定の形状に
パターニングする際は、先ず、所望するパターンに対応
するようにレジスト層を露光する。次に、露光した箇所
のレジスト層を現像液にて溶解して除去した後、ポスト
ベーク処理を施す。これにより、所定の形状とされたレ
ジストパターンが得られる。なお、図7は、図6中に示
す線分X2−X2’による概略断面図である。
【0063】次に、この第1のレジストパターン52を
マスクとして、ドライエッチングにより第1の軟磁性膜
51に対してエッチングを行った後、この第1のレジス
トパターン52を第1の軟磁性膜51上から除去する。
これにより、図8及び図9に示すような所定の形状とさ
れた上記下層シールド層24が複数形成される。なお、
下層シールド層24の形状は、後工程で形成されるTM
R素子26の下層側を磁気的にシールドするのに十分な
大きさとなるようにしておく。なお、図9は、図8中に
示す線分X3−X3’による概略断面図である。
【0064】次に、図10及び図11に示すように、こ
の基板50の全面に亘って、スパッタリング等により、
例えばAl23等からなる第1の非磁性非導電性膜53
を成膜した後、この基板50上に複数形成された下層シ
ールド層24が露出するまで研磨する。これにより、基
板50と下層シールド層24との間に第1の非磁性非導
電性膜53が埋め込まれ、基板50上の下層シールド層
24が形成されていない部分との段差が無くなり平坦化
される。なお、図11は、図10中に示す線分X4
4’による概略断面図である。
【0065】次に、図12及び図13に示すように、平
坦化された基板50上に、上記下層非磁性導電性層25
となる第1の非磁性導電性膜54をスパッタリング等に
より成膜する。この第1の非磁性導電性膜54の材料と
しては、Cu等が好適である。また、第1の非磁性導電
性膜54の膜厚は、磁気記録媒体に記録された信号の周
波数等に応じて適切な値に設定すればよく、例えば10
0nm程度とする。なお、図13は、図12中に示す線
分X5−X5’による概略断面図である。
【0066】次に、図14及び図15に示すように、第
1の非磁性導電性膜54上に、上記磁気トンネル接合膜
33となる磁気トンネル接合用膜55をスパッタリング
等により成膜する。なお、図15は、図14中に示す線
分X6−X6’による断面図である。
【0067】この磁気トンネル接合用膜55は、例え
ば、下層となる膜厚3nmのTa膜と、上記磁化固定層
30となる膜厚3nmのNiFe膜,膜厚10nmのI
rMn膜及び膜厚4nmのCoFe膜と、上記トンネル
障壁層32となる膜厚1.3nmのAlの酸化膜(Al
23)と、上記磁化自由層31となる膜厚4nmのCo
Fe膜及び膜厚5nmのNiFe膜と、上層となる膜厚
約5nmのTa層とが、この順でスパッタリング等によ
り順次積層されることにより形成される。
【0068】なお、磁気トンネル接合用膜55を構成す
る各層の材料及びその膜厚は、以上の例に限定されるも
のではなく、TMR素子26の使用目的等に応じて適切
な材料を選択し、適切な膜厚に設定するようにすればよ
い。
【0069】次に、磁気トンネル接合用膜55上に、フ
ォトレジストを塗布し、硬化させることによりレジスト
層を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術を用い
て、このレジスト層を所定の形状にパターニングするこ
とにより、図16及び図17に示すような第2のレジス
トパターン56を形成する。なお、図17は、図16中
に示す線分X7−X7’による概略断面図である。
【0070】次に、この第2のレジストパターン56を
マスクとして、磁気トンネル接合用膜55及び第1の非
磁性導電性膜54に対してエッチングを行った後、この
第2のレジストパターン56を除去する。これにより、
下層シールド層24上に、図18及び図19に示すよう
な所定の形状とされた上記下層非磁性導電性層25及び
上記磁気トンネル接合膜33が形成される。なお、図1
9は、図18中に示す線分X8−X8’による概略断面図
である。
【0071】次に、図20及び図21に示すように、こ
の基板50の全面に亘って、スパッタリング等により、
例えばAl23等からなる第2の非磁性非導電性膜57
を成膜した後、この基板50上に複数形成された磁気ト
ンネル接合膜33が露出するまで研磨する。これによ
り、基板50と下層非磁性導電性層25及び磁気トンネ
ル接合膜33との間に第2の非磁性非導電性膜57が埋
め込まれ、基板50上の下層非磁性導電性層25及び磁
気トンネル接合膜33が形成されていない部分との段差
が無くなり平坦化される。なお、図21は、図20中に
示す線分X9−X9’による概略断面図である。
【0072】次に、平坦化された基板50上に、フォト
レジストを塗布し、硬化させることによりレジスト層を
形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて、このレジス
ト層を所定の形状にパターニングする。そして、このパ
ターニングされたレジスト層をマスクとして、イオンエ
ッチングにより、磁気トンネル接合膜33のうち、TM
R素子26の感磁部26aとなる部分を残して、磁化自
由層31から磁化固定層30の中途部に至るまでエッチ
ングした後、このレジスト層を基板50上から除去す
る。これにより、図22及び図23に示すように、TM
R素子6の磁気ディスク3に対するトラック幅Tw1
規制される。なお、ここでは、トラック幅Tw1を約5
μmとしたが、トラック幅Tw1は、以上の例に限定さ
れるものではなく、システムの要求等に応じて適切な値
に設定すればよい。なお、図22は、図20中に示す囲
み部分Cを拡大して示す概略平面図であり、図23は、
図22中に示す線分X10−X10’による概略断面図であ
る。
【0073】ここで、アルゴンイオン等を用いたイオン
エッチングにおいて、磁気トンネル接合膜33に入射す
るイオン粒子と、この磁気トンネル接合膜33の法線と
のなす角度のことを、一般にミリング角度と呼んでい
る。
【0074】本手法では、磁気トンネル接合膜33に対
するエッチングを行う際に、このミリング角度を2段階
に分けることを特徴としている。
【0075】すなわち、本例では、先ず、ミリング角度
を例えば15゜とし、磁気トンネル接合膜33に対して
イオンエッチングを行うことにより、この磁気トンネル
接合膜33を所定の形状に成形する。このとき、成形さ
れた磁気トンネル接合膜33の側面部分、すなわちTM
R素子26の感磁部26aとなる部分には、上述した被
エッチング物が再付着したものとなっている。そこで、
ミリング角度を例えば75゜とし、上述したミリング角
度15゜よりも磁気トンネル接合膜33に対して斜めと
なる角度にてエッチングを行う。これにより、磁気トン
ネル接合膜33の側面部分、すなわちTMR素子26の
感磁部26aとなる部分に再付着した被エッチング物を
除去することができる。
【0076】ここで、従来のように、磁気トンネル接合
膜に対して一定のミリング角度でエッチングを行うこと
により作製されたTMR素子と、本発明のように、磁気
トンネル接合膜に対してミリング角度を2段階に分けて
エッチングを行うことにより作製されたTMR素子につ
いて、そのTMR素子の接合面積を変化させながら、磁
気抵抗比の測定を行った。以下、これらTMR素子の接
合面積と磁気抵抗比との関係について測定した結果を図
24に示す。なお、図24では、実施例として、ミリン
グ角度を15゜と75゜に2段階に分けて、磁気トンネ
ル接合膜に対するエッチングを行った場合を示し、比較
例として、ミリング角度を15゜及び30゜に一定とし
たまま、磁気トンネル接合膜に対するエッチングを行っ
た場合を示す。なお、ここで言うTMR素子の接合面積
とは、TMR素子の感磁部となる部分の大きさを示すも
のである。
【0077】図24から明らかなように、従来のよう
に、ミリング角度を30゜に一定としたまま、磁気トン
ネル接合膜に対するエッチングを行った場合には、作製
されたTMR素子の磁気抵抗比が他と比べて低く、また
TMR素子の接合面積に対する磁気抵抗比のばらつきも
大きいことがわかる。また、ミリング角度を15゜に一
定としたまま、磁気トンネル接合膜に対するエッチング
を行った場合では、作製されたTMR素子の磁気抵抗比
がミリング角度を30゜とした場合よりも向上するもの
の、TMR素子の接合面積が小さくなると、磁気抵抗比
が低下してしまうことがわかる。
【0078】それに対して、本発明のように、ミリング
角度を15゜と75゜に2段階に分けて、磁気トンネル
接合膜に対するエッチングを行った場合には、作製され
たTMR素子の磁気抵抗比が従来よりも高く、またTM
R素子の接合面積が小さくなる場合であっても、高い磁
気抵抗比を有していることがわかる。
【0079】このように、磁気トンネル接合膜に対する
ミリング角度を2段階に分けてエッチングを行って作製
されたTMR素子では、磁気抵抗比の大幅な向上を図る
ことができる。
【0080】したがって、本発明を適用して作製された
TMRヘッドでは、安定した再生出力を得ることが可能
であり、また、そのTMR素子の接合面積を小さくした
場合であっても、高い磁気抵抗比を得ることが可能なこ
とから、磁気記録媒体のさらなる高密度化に対応するこ
とが可能となる。
【0081】ここで、磁気トンネル接合膜に対するミリ
ング角度と磁気抵抗比との関係を測定した結果を図25
に示す。なお、図25では、ミリング角度を一定とした
まま、磁気トンネル接合膜に対する1段階のみのエッチ
ングを行った場合の各ミリング角度に対する磁気抵抗比
を測定した結果、並びに、ミリング角度を15゜,30
゜,45゜として、それぞれ磁気トンネル接合膜に対す
る第1段階目のエッチングを行った後に、この磁気トン
ネル接合膜に対する第2段階目のエッチングを行った場
合の各ミリング角度に対する磁気抵抗比を測定した結果
をそれぞれ示す。
【0082】図25から明らかなように、ミリング角度
を一定としたまま、磁気トンネル接合膜に対する1段階
のみのエッチングを行った場合には、ミリング角度が約
0゜〜15゜となる範囲で磁気抵抗比が急激に上昇し、
ミリング角度15゜をピークとして、ミリング角度が約
15゜〜30゜となる範囲で磁気抵抗比が急激に下降し
た後に、ミリング角度が75゜となる範囲まで磁気抵抗
比が緩やかに下降していくことがわかる。なお、ミリン
グ角度を75゜までとしたのは、このミリング角度を7
5゜以上とした場合には、磁気トンネル接合膜に対する
エッチングを行うことが実質的に不可能となるからであ
る。
【0083】このことから、磁気トンネル接合膜に対す
る第1段階目のミリング角度(以下、第1のミリング角
度という。)は、磁気抵抗比の観点から10゜〜20゜
とすることが好ましいことがわかる。
【0084】次に、この第1段階目のミリング角度を1
5゜,30゜,45゜として、それぞれ磁気トンネル接
合膜に対する第1段階目のエッチングを行った後に、こ
の磁気トンネル接合膜に対する第2段階目のエッチング
を行った場合には、ミリング角度が約0゜〜15゜とな
る範囲で磁気抵抗比が急激に上昇した後に、ミリング角
度が75゜となる範囲まで磁気抵抗比が緩やかに上昇し
ていくことがわかる。
【0085】このことから、磁気トンネル接合膜に対す
る第2段階目のミリング角度(以下、第2のミリング角
度という。)は、磁気抵抗比の観点から15゜〜75゜
とすることが好ましいことがわかる。特に、磁気トンネ
ル接合膜に対する第1のミリング角度を15゜とし、第
2のミリング角度を75゜とした場合には、作製される
TMR素子の磁気抵抗比の大幅な向上を図ることができ
る。なお、第2段階目のミリング角度を75゜までとし
たのは、上述したように、このミリング角度を75゜以
上とした場合、磁気トンネル接合膜に対するエッチング
を行うことが実質的に不可能となるからである。
【0086】以上のことから、磁気トンネル接合膜に対
する第1のミリング角度は、10゜〜20゜とすること
が好ましく、磁気トンネル接合膜に対する第2のミリン
グ角度は、15゜〜75゜とすることが好ましい。これ
により、作製されるTMR素子において、磁気抵抗比の
大幅な向上を図ることができる。
【0087】次に、この基板50上に、フォトレジスト
を塗布し、硬化させることによりレジスト層を形成す
る。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、このレ
ジスト層を所定の形状にパターニングすることにより、
TMR素子26の感磁部26aの直上に位置して、図2
6及び図27に示すような第3のレジストパターン58
を形成する。なお、図26は、図20中に示す囲み部分
Cを拡大して示す概略平面図であり、図27は、図26
中に示す線分X11−X11’による概略断面図である。
【0088】次に、図28及び図29に示すように、こ
の第3のレジストパターン58を用いて、例えばAl2
3等からなる第3の非磁性非導電性膜59をスパッタ
リング等により成膜した後、第3のレジストパターン5
8を、この第3のレジストパターン58上に堆積した第
3の非磁性非導電性膜59と共に除去する。これによ
り、TMR素子26の感磁部26aの直上にて開口され
たコンタクトホール60を有する第3の非磁性非導電性
膜59が形成される。なお、図28は、図20中に示す
囲み部分Cを拡大して示す概略平面図であり、図29
は、図28中に示す線分X12−X12’による概略断面図
である。
【0089】次に、この第3の非磁性非導電性膜59上
に、フォトレジストを塗布し、硬化させることによりレ
ジスト層を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術
を用いて、このレジスト層を所定の形状にパターニング
することにより、図30及び図31に示すような所定の
形状とされた開口部61aを有する第4のレジストパタ
ーン61を形成する。なお、図30は、図20中に示す
囲み部分Cを拡大して示す概略平面図であり、図31
は、図30中に示す線分X13−X13’による概略断面図
である。
【0090】次に、図32及び図33に示すように、こ
の第4のレジストパターン61を用いて、上記上層非磁
性導電性層27となる第2の非磁性導電性膜62をスパ
ッタリング等により成膜する。このとき、第3の非磁性
非導電性膜59のコンタクトホール60に、第2の非磁
性導電性膜62が埋め込まれることとなる。これによ
り、TMR素子26の感磁部26aと当接する上記上層
非磁性導電性層27の突出部27aが形成される。ま
た、第2の非磁性導電性膜62の材料としては、Cu等
が好適である。なお、第2の非磁性導電性膜62の膜厚
は、磁気記録媒体に記録された信号の周波数等に応じて
適切な値に設定すればよい。
【0091】そして、この第2の非磁性導電性膜62上
に、上記上層シールド層28及び上記下層コア層36と
なる第2の軟磁性膜63をスパッタリング等により成膜
する。この第2の軟磁性膜63としては、例えば膜厚
2.3μmのCoZrNbTaからなるアモルファス積
層膜を成膜した。なお、この第2の軟磁性膜63の材料
としては、アモルファス積層膜以外の材料を選択するこ
とが可能であり、上述したスパッタリング以外にも、例
えばメッキ法や蒸着法等を用いて第2の軟磁性膜63を
形成してもよい。
【0092】そして、第4のレジストパターン61を、
この第4のレジストパターン61上に堆積した第2の非
磁性導電性膜62及び第2の軟磁性膜63と共に除去す
る。これにより、第3の非磁性非導電性膜59上に、所
定の形状とされた上記上層非磁性導電性層27及び上記
上層シールド層28が形成される。なお、図32は、図
20中に示す囲み部分Cを拡大して示す概略平面図であ
り、図33は、図32中に示す線分X14−X14’による
概略断面図である。
【0093】次に、図34及び図35に示すように、こ
の基板50の全面に亘って、スパッタリング等により、
例えばAl23等からなる第4の非磁性非導電性膜64
を成膜した後、この基板50上に複数形成された上層シ
ールド層28が露出するまで研磨する。これにより、基
板50と上層シールド層28との間に第4の非磁性非導
電性膜64が埋め込まれ、基板50上の上層シールド層
28が形成されていない部分との段差が無くなり平坦化
される。なお、図34は、図20中に示す囲み部分Cを
拡大して示す概略平面図であり、図35は、図34中に
示す線分X15−X15’による概略断面図である。
【0094】次に、図36及び図37に示すように、こ
の平坦化された基板50上に、上記磁気ギャップ37と
なる第5の非磁性非導電性膜65をスパッタリング等に
より成膜する。この第5の非磁性非導電性膜65の材料
としては、例えばAl23等が好適である。なお、図3
6は、図20中に示す囲み部分Cを拡大して示す概略平
面図であり、図37は、図36中に示す線分X16
16’による概略断面図である。
【0095】次に、図38及び図39に示すように、こ
の第5の非磁性非導電性膜64上に、フォトレジストを
塗布し、硬化させることによりレジスト層を形成し、フ
ォトリソグラフィ技術を用いて、このレジスト層を所定
の形状にパターニングする。そして、このパターニング
されたレジスト層を用いて、例えばアモルファス積層膜
等からなる第3の軟磁性膜66をスパッタリング等によ
り成膜した後、レジスト層をこのレジスト層上に堆積し
た第3の軟磁性膜66と共に除去する。これにより、第
5の非磁性非導電性膜64上に、所定の幅に成形された
上記上層コア層38が形成される。また、第5の非磁性
非導電性膜67を介して下層コア層38と対向配置され
ることにより、磁気ギャップ37が形成され、この幅が
トラック幅Tw2となる。なお、このトラック幅Tw
2は、システムの要求等に応じて適切な値に設定すれば
よい。なお、図38は、図20中に示す囲み部分Cを拡
大して示す概略平面図であり、図39は、図38中に示
す線分X17−X17’による概略断面図である。
【0096】次に、図40及び図41に示すように、こ
の基板50の全面に亘って、スパッタリング等により、
例えばAl23等からなる第6の非磁性非導電性膜67
を成膜した後、この基板50上に複数形成された上層コ
ア層38が露出するまで研磨する。これにより、基板5
0と上層コア層38との間に第6の非磁性非導電性膜6
7が埋め込まれ、基板50上の上層コア層38が形成さ
れていない部分との段差が無くなり平坦化される。な
お、図40は、図20中に示す囲み部分Cを拡大して示
す概略平面図であり、図41は、図40中に示す線分X
18−X18’による概略断面図である。
【0097】次に、図42に示すように、この平坦化さ
れた基板50上に、薄膜コイル40、バックヨーク39
及び引き出し導線34,41をそれぞれ形成する。
【0098】薄膜コイル40は、下層コア層36とバッ
クヨーク39とが当接する部分を中心として、スパッタ
リング等によりスパイラル状に成膜され、この薄膜コイ
ル40を覆うように非磁性非導電性膜が成膜される。薄
膜コイル40の材料としては、例えばCu等の導電性材
料が用いられる。
【0099】バックヨーク39は、上層コア層38と接
合しながら形成されると共に、スパイラル状に形成され
た薄膜コイル40の略中心部にて下層コア層36と当接
するように形成される。これにより、下層コア層36、
上層コア層38及びバックヨーク39は、インダクティ
ブ型薄膜ヘッド22の磁気コアを構成することとなる。
【0100】引き出し導線34,41としては、下層シ
ールド層24及び上層シールド層28とそれぞれ電気的
に接続される引き出し導線34a,34bと、薄膜コイ
ル40の内周側の端部及び外周側の端部とそれぞれ電気
的に接続される引き出し導電線41a,41bとが形成
される。具体的には、フォトリソグラフィ技術を用いて
所定の形状にパターニングされたフォトレジストをマス
クとしてエッチングを行い、これら下層シールド層24
及び上層シールド層28、並びに、薄膜コイル40の内
周側端部及び外周側の端部と当接される部分が露出する
端子溝を形成する。そして、このフォトレジストを残し
たまま、例えば、硫酸銅溶液を用いた電解メッキによ
り、膜厚6μm程度のCuからなる導電膜を成膜した
後、フォトレジストを、このフォトレジスト上に堆積し
た導電膜と共に除去する。これにより、下層シールド層
24及び上層シールド層28、並びに、薄膜コイル40
の内周側端部及び外周側の端部と端子溝に埋め込まれた
導電膜とが電気的に接続される。そして、この端子溝に
埋め込まれた導電膜と接合されるように、例えば、硫酸
銅溶液を用いた電解メッキにより、所定の形状とされた
Cuからなる導電膜を成膜する。これにより、図41に
示すような引き出し導線34a,34b,41a,41
bがそれぞれ形成される。なお、この導電膜の形成方法
は、他の膜に影響を与えないものであれば、電解メッキ
以外の方法であってもよい。
【0101】次に、図43に示すように、これら引き出
し導線34,41の端部上に、それぞれ外部接続用端子
35,42を形成する。この外部接続用端子35,42
としては、引き出し導線34a,34bとそれぞれ電気
的に接続される外部接続用端子35a,35bと、引き
出し導線41a,41bとそれぞれ電気的に接続される
外部接続用端子42a,42bとが形成される。具体的
には、フォトリソグラフィ技術を用いて所定の形状にパ
ターニングされたフォトレジストを用いて、例えばスパ
ッタリングや電解メッキ等により、金(Au)からなる
導電膜を成膜した後、フォトレジストを、このフォトレ
ジスト上に堆積した導電膜と共に除去する。これによ
り、図43に示すような外部接続用端子35a,35
b,42a,42bがそれぞれ形成される。
【0102】次に、図44に示すように、基板50の全
面に亘って、スパッタリング等により、例えばAl23
等からなる保護膜68を成膜した後、この基板50上に
形成された外部接続用端子35,42が露出するまで研
磨する。具体的には、例えば、スパッタリングによって
Al23からなる保護膜68を4μm程度の膜厚となる
ように成膜する。なお、この保護膜68の材料として
は、非磁性非導電性の材料であればAl23以外も使用
可能であるが、耐環境性や耐摩耗性を考慮すると、Al
23が好適である。また、この保護膜68は、スパッタ
リング以外の方法によって形成してもよく、例えば、蒸
着法等によって形成してもよい。そして、外部接続用端
子35,42が表面に露出するまで研磨する。この研磨
工程においては、例えば、粒径が約2μmのダイヤモン
ド砥粒によって、外部接続用端子35,42の表面が露
出するまで研磨する。そして、シリコン砥粒によってバ
フ研磨を施して、表面を鏡面状態に仕上げる。これによ
り、最終的に磁気ヘッド20となる複数のヘッド素子6
9が形成された基板50が得られる。
【0103】次に、図45に示すように、複数のヘッド
素子69が複数形成された基板50を短冊状に切り分け
ることにより、横方向に磁気ヘッド20となるヘッド素
子69が並ぶ棒状のヘッドブロック70を形成する。
【0104】次に、定盤を用いて研磨加工によりヘッド
素子69の高さを調節すると共に、ヘッドスライダ4の
空気潤滑面を形成するための溝加工及びテーパー加工等
を施した後、個々のヘッドチップにそれぞれ分割する。
これにより、図46に示すような磁気ヘッド20を搭載
する複数のヘッドスライダ4が作製される。
【0105】以上のように作製されたヘッドスライダ4
を使用する際は、このヘッドスライダ4をサスペンショ
ン12の先端部に取り付けると共に、このサスペンショ
ン12側に設けられた配線端子と、磁気ヘッド20の外
部接続用端子35,42とを金(Au)等からなる導線
を用いてワイヤーボンディング等により電気的に接続す
る。これにより、磁気ヘッド20は、外部回路との接触
が可能となる。そして、このヘッドスライダ4は、サス
ペンション12に搭載された状態で、図1に示すような
ハードディスクドライブ装置に実装されることとなる。
【0106】以上のように、本発明によれば、磁気トン
ネル接合膜33に対して第1のミリング角度でエッチン
グを行うことにより、この磁気トンネル接合膜33が所
定の形状に成形されるとともに、この第1のミリング角
度よりも磁気トンネル接合膜33に対して斜めとなる第
2のミリング角度でエッチングを行うことにより、この
成形された磁気トンネル接合膜33の側面部分、すなわ
ち磁気トンネル接合素子26の感磁部26aとなる部分
に再付着した被エッチング物を除去することができ、作
製されるTMR素子26の磁気抵抗比が低下してしまう
のを防ぐことができる。
【0107】したがって、本手法によれば、TMR素子
26の感磁部26aにおける被エッチング物の再付着の
少ない高品質のTMRヘッド21を容易に作製すること
が可能であり、生産性を大幅に向上させることが可能で
ある。
【0108】なお、上述の説明では、再生ヘッド部とし
てTMRヘッド21と、記録ヘッド部としてインダクテ
ィブ型薄膜ヘッド22とを組み合わせた複合型の薄膜磁
気ヘッドについて説明したが、本発明は、TMRヘッド
のみの構成とした場合にも適用可能なことはもちろんで
ある。
【0109】なお、本発明を適用して作製されたTMR
ヘッドは、ハードディスクドライブ装置に搭載されるも
のに限定されるものではなく、磁気記録の分野において
広く適用可能であり、例えば、記録媒体としてフレキシ
ブルディスクを用いる磁気ディスクドライブ装置や、記
録媒体として磁気テープを用いる磁気テープドライブ装
置等にも適用可能である。
【0110】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、磁気トンネル接合膜に対して第1の入射角度でエ
ッチングを行うことにより、この磁気トンネル接合膜が
所定の形状に成形されるとともに、この第1の入射角度
よりも磁気トンネル接合膜に対して斜めとなる第2の入
射角度でエッチングを行うことにより、この成形された
磁気トンネル接合膜の側面部分、すなわち磁気トンネル
接合素子の感磁部となる部分に再付着した被エッチング
物を除去することができる。これにより、作製された磁
気トンネル接合素子の磁気抵抗比が低下してしまうのを
防ぐことができる。
【0111】したがって、本手法によれば、磁気トンネ
ル接合素子の感磁部における被エッチング物の再付着の
少ない高品質の磁気トンネル効果型磁気ヘッドを容易に
作製することが可能となり、生産性を大幅に向上させる
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハードディスクドライブ装置の一例を示す概略
斜視図である。
【図2】ヘッドスライダの構成を示す概略斜視図であ
る。
【図3】磁気ヘッドを媒体対向面側から見た要部端面図
である。
【図4】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、基
板上に第1の軟磁性膜を成膜した状態を示す概略平面図
である。
【図5】図4中に示す線分X1−X1’による概略断面図
である。
【図6】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、第
1の軟磁性膜上に第1のレジストパターンを形成した状
態を示す概略平面図である。
【図7】図6中に示す線分X2−X2’による概略断面図
である。
【図8】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、基
板上に下層シールド層を形成した状態を示す概略平面図
である。
【図9】図8中に示す線分X3−X3’による概略断面図
である。
【図10】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
基板上に第1の非磁性非導電性膜を成膜し、下層シール
ド層の表面が露呈するまで研磨した状態を示す概略平面
図である。
【図11】図10中に示す線分X4−X4’による概略断
面図である。
【図12】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
平坦化された基板上に第1の非磁性導電性膜を成膜した
状態を示す概略平面図である。
【図13】図12中に示す線分X5−X5’による概略断
面図である。
【図14】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
第1の非磁性導電性膜上に磁気トンネル接合用膜を成膜
した状態を示す概略平面図である。
【図15】図14中に示す線分X6−X6’による概略断
面図である。
【図16】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
磁気トンネル接合用膜上に第2のレジストパターンを形
成した状態を示す概略平面図である。
【図17】図16中に示す線分X7−X7’による概略断
面図である。
【図18】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
下層シールド層上に下層非磁性導電性層及び磁気トンネ
ル接合膜を形成した状態を示す概略平面図である。
【図19】図18中に示す線分X8−X8’による概略断
面図である。
【図20】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
基板上に第2の非磁性非導電性膜を成膜し、磁気トンネ
ル接合膜の表面が露呈するまで研磨した状態を示す概略
平面図である。
【図21】図20中に示す線分X9−X9’による概略断
面図である。
【図22】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
磁気トンネル接合膜のうちTMR素子の感磁部となる部
分の周囲に溝部を形成した状態を示す概略平面図であ
る。
【図23】図22中に示す線分X10−X10’による概略
断面図である。
【図24】TMR素子の接合面積と磁気抵抗比との関係
を示す特性図である。
【図25】磁気トンネル接合膜に対するミリング角度と
磁気抵抗比との関係を示す特性図である。
【図26】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
TMR素子の感磁部の直上に位置して第3のレジストパ
ターンを形成した状態を示す概略平面図である。
【図27】図26中に示す線分X11−X11’による概略
断面図である。
【図28】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
TMR素子の感磁部の直上にコンタクトホールを有する
第3の非磁性非導電性膜を形成した状態を示す概略平面
図である。
【図29】図28中に示す線分X12−X12’による概略
断面図である。
【図30】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
第3の非磁性非導電性膜上に第4のレジストパターンを
形成した状態を示す概略平面図である。
【図31】図30中に示す線分X13−X13’による概略
断面図である。
【図32】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
第3の非磁性非導電性膜上に上層非磁性導電性層及び上
層シールド層を形成した状態を示す概略平面図である。
【図33】図32中に示す線分X14−X14’による概略
断面図である。
【図34】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
基板上に第4の非磁性非導電性膜を成膜し、上層シール
ド層の表面が露呈するまで研磨した状態を示す概略平面
図である。
【図35】図34中に示す線分X15−X15’による概略
断面図である。
【図36】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
平坦化された基板上に第5の非磁性非導電性膜を成膜し
た状態を示す概略平面図である。
【図37】図35中に示す線分X16−X16’による概略
断面図である。
【図38】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
第5の非磁性非導電性膜上に上層コア層を形成した状態
を示す概略平面図である。
【図39】図38中に示す線分X17−X17’による概略
断面図である。
【図40】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
基板上に第6の非磁性非導電性膜を成膜し、上層コア層
の表面が露呈するまで研磨した状態を示す概略平面図で
ある。
【図41】図40中に示す線分X18−X18’による概略
断面図である。
【図42】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
平坦化された基板上に薄膜コイル、バックヨーク及び引
き出し導線をそれぞれ形成した状態を示す概略平面図で
ある。
【図43】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
引き出し導線の端部上にそれぞれ外部接続用端子を形成
した状態を示す概略平面図である。
【図44】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
基板上に保護膜を成膜し、外部接続用端子の表面が露呈
するまで研磨した状態を示す概略断面図である。
【図45】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
基板を短冊状に切り分けることにより、棒状のヘッドブ
ロックを複数形成した状態を示す概略平面図である。
【図46】ヘッドスライダの製造工程を示す図であり、
ヘッドブロックを個々のヘッドチップに分割することに
よりヘッドスライダが複数作製された状態を示す概略斜
視図である。
【符号の説明】
3 磁気ディスク、4 ヘッドスライダ、20 磁気ヘ
ッド、21 TMRヘッド、22 インダクティブ型薄
膜ヘッド、23 基板、24 下層シールド層、25
下層非磁性導電性層、26 TMR素子、27 上層非
磁性導電性層、28 上層シールド層、29 非磁性非
導電性材料、30 磁化固定層、31磁化自由層、32
トンネル障壁層、33 磁気トンネル接合膜、34,
41引き出し導線、35,42 外部接続用端子、36
下層コア層、37 磁気ギャップ、38 上層コア
層、39 バックヨーク、40 薄膜コイル、50 基
板、51 第1の軟磁性膜、53 第1の非磁性非導電
性膜、54 第1の非磁性導電性膜、55 磁気トンネ
ル接合用膜、57 第2の非磁性非導電性膜、59 第
3の非磁性非導電性膜、60 コンタクトホール、62
第2の非磁性導電性膜、63 第2の軟磁性膜、64
第4の非磁性非導電性膜、65 第5の非磁性非導電
性膜、66 第3の軟磁性膜、67 第6の非磁性非導
電性膜、68 保護膜、69 ヘッド素子、70 ヘッ
ドブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 淳一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 片倉 亨 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D034 BA03 BA15 BB08 DA07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気トンネル接合膜上にレジストパター
    ンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、上
    記磁気トンネル接合膜に対するエッチングを行うことに
    より、所定の形状とされた磁気トンネル接合素子を製造
    する際に、 上記磁気トンネル接合膜に対して第1の入射角度でエッ
    チングを行った後に、この第1の入射角度よりも上記磁
    気トンネル接合膜に対して斜めとなる第2の入射角度で
    エッチングを行うことを特徴とする磁気トンネル接合素
    子の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記第1の入射角度を上記磁気トンネル
    接合膜の法線に対して10゜〜20゜とすることを特徴
    とする請求項1記載の磁気トンネル接合素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記第2の入射角度を上記磁気トンネル
    接合膜の法線に対して15゜〜75゜とすることを特徴
    とする請求項1記載の磁気トンネル接合素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記第1の入射角度を上記磁気トンネル
    接合膜の法線に対して20゜とし、当該磁気トンネル接
    合膜に対するエッチングを行った後に、上記第2の入射
    角度を上記磁気トンネル接合膜の法線に対して75゜と
    し、当該磁気トンネル接合膜に対するエッチングを行う
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気トンネル接合素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 磁気トンネル接合素子を用いて磁気記録
    媒体に対する信号の再生を行う磁気トンネル効果型磁気
    ヘッドの製造方法であって、 磁気トンネル接合膜上にレジストパターンを形成し、こ
    のレジストパターンをマスクとして、上記磁気トンネル
    接合膜に対するエッチングを行うことにより、所定の形
    状とされた上記磁気トンネル接合素子を形成する際に、 上記磁気トンネル接合膜に対して第1の入射角度でエッ
    チングを行った後に、この第1の入射角度よりも上記磁
    気トンネル接合膜に対して斜めとなる第2の入射角度で
    エッチングを行うことを特徴とする磁気トンネル効果型
    磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記第1の入射角度を上記磁気トンネル
    接合膜の法線に対して10゜〜20゜とすることを特徴
    とする請求項5記載の磁気トンネル効果型磁気ヘッドの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 上記第2の入射角度を上記磁気トンネル
    接合膜の法線に対して15゜〜75゜とすることを特徴
    とする請求項5記載の磁気トンネル効果型磁気ヘッドの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 上記第1の入射角度を上記磁気トンネル
    接合膜の法線に対して20゜とし、当該磁気トンネル接
    合膜に対するエッチングを行った後に、上記第2の入射
    角度を上記磁気トンネル接合膜の法線に対して75゜と
    し、当該磁気トンネル接合膜に対するエッチングを行う
    ことを特徴とする請求項5記載の磁気トンネル効果型磁
    気ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 一対の磁気シールド層の間にギャップ層
    を介して上記磁気トンネル接合素子を配することを特徴
    とする請求項5記載の磁気トンネル効果型磁気ヘッドの
    製造方法。
JP2000205928A 2000-07-06 2000-07-06 磁気トンネル接合素子の製造方法及び磁気トンネル効果型磁気ヘッドの製造方法 Withdrawn JP2002026423A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8149549B2 (en) 2008-06-19 2012-04-03 Hitachi, Ltd. Magnetoresistive head including magnetoresistive effect film of fixed layer, non-magnetic layer, insulating barrier layer and free layer, and magnetic recording device with magnetoresistive head
US8355224B2 (en) 2007-01-29 2013-01-15 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Sensor shape of a CPP magnetic head for improving the MR ratio
US8625237B2 (en) 2007-12-17 2014-01-07 Hitachi, Ltd. Magnetic head and magnetic recording system

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