JP3619767B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法ならびに磁気ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法ならびに磁気ディスク装置に関する。より詳細には、本発明は主にハードディスク・ドライブ(Hard Disk Drive)装置などにおいて使用される水平型(ホリゾンタル又はプレーナ型)の薄膜磁気ヘッドの再生用ヘッドとその製造方法ならびに磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク装置をAV(音響映像機器)用途で使用することを狙って、ヘッドの低価格化がすすめられているが、水平型薄膜磁気ヘッドはスライダー浮上面をウェハ基板単位で加工することができるため、低価格化を実現するヘッド構造として注目されている。
【0003】
一般に磁気ヘッドは、磁気情報を記録媒体に書き込むための記録部と、記録媒体の磁気情報を読み出す再生部から構成される。記録部には一般的には、コイルとこれを上下に包み且つ磁気的に結合された磁極から構成されたいわゆる誘導型のヘッドが用いられる。再生部は、高記録密度の磁気情報に対応するために、磁気抵抗効果(以下、MRとも言う)ヘッドが用いることが近年提案されている。磁気抵抗効果ヘッドの中でも、近年では、巨大磁気抵抗効果(以下、GMRとも言う)を利用するヘッドが良く知られている。また最近では、より大きな抵抗変化率を得るために、膜の主平面方向にセンス電流を通電する従来の方式から、膜厚方向にセンス電流を流す方式(垂直通電方式)で使用するMR膜を用いることが提案されている。
【0004】
膜厚方向にセンス電流を流して使用する膜の代表的なものとしてはスピントンネル磁気抵抗効果(以下、TMRとも言う)膜が挙げられる。
【0005】
垂直通電型MR膜を使用した従来の磁気ヘッドとしては例えば特開平11−316919号公報に開示されている。この従来の磁気ヘッドでは、図6に示すように、フリー層21,絶縁層22,固定層23,および反強磁性膜24からなる垂直通電型MR膜25にセンス電流28を供給する電極40のコンタクト面積が垂直通電型MR膜25の膜面積より小さくなっている。従って垂直通電型MR膜25に接合している細い電極(ピラー電極)40部分から発生する電流磁界が垂直通電型MR膜25に影響を及ぼしてしまう。なお、図6において、符号30は電極膜、符号32は磁区制御膜、符号33は絶縁膜、符号35は貫通孔、符号42は上部シールド膜、符号44は下部シールド膜である。
【0006】
一方、特開平11−316919号公報には、垂直通電型MR膜をシールド型磁気ヘッドに応用した例が開示されている。一般にシールド型ヘッドは、媒体対向面(以下、ABS面とも言う)にMR膜を露出させ記録媒体に接近させた状態で使用するので記録媒体からMR膜に多くの磁束を流入させることができるため、優れた再生感度を得ることが可能という長所がある反面、製造過程におけるABS面研磨でのMR膜の磨耗、劣化が発生しやすいこと、また媒体走行中のMR膜の耐久性に乏しいという短所がある。
【0007】
今後更に高密度化が進むに連れ、記録ビットの微小化が進むので、記録媒体から発生する少ない磁束を高感度で検出する必要がある。
【0008】
これには、ヘッドの浮上量を下げ、極低浮上走行または接触走行が効果的である。しかしながら上述したシールド型ヘッドは、直接MR膜そのものへのダメージがかかるため、適していない。極低浮上走行又は接触走行にも対応可能なヘッド構造としては、ヨーク型ヘッドが知られている。ヨーク型ヘッドは、磁気ヨークで記録媒体からの磁束を吸い上げMR素子へ流入させ、MR素子が磁束を検出して抵抗が変化し、電圧変化を再生信号として取り出している。このヨーク型ヘッドの特長としては、記録媒体から発生する磁束が直接MR膜に流入するシールド型ヘッドに比較して大きな電圧変化を起こすことは困難であるが、MR膜が媒体対向面から後退する構造のため、極低浮上走行又は接触走行での使用は容易であることが挙げられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の技術では、膜面方向に通電して使用するMR膜より大きな抵抗変化率を得られる垂直通電型MR膜を、センス電流を供給するための電極からの電流磁界の影響が少ない状態で、接触走行も実現可能なヨーク型ヘッドに搭載することができなかった。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、垂直通電MR膜の電極から発生する電流磁界がMR膜へ与える影響を可及的に小さくできる薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法ならびに磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による薄膜磁気ヘッドは、磁気ギャップを有する磁気ヨークと、
所定の信号磁界の向きに応じて磁化の向きが動く磁化自由層と、前記磁化自由層に積層形成された非磁性層と、前記非磁性層に積層形成され、前記所定の信号磁界の中でも実質的に磁化の向きが変わらない磁化固着層とを有する磁気抵抗効果膜と、を備え、前記磁気抵抗効果膜の前記磁化固着層の膜面の面積は、前記磁化自由層の膜面の面積よりも小さくなるように構成され、前記磁気ヨークの媒体対向面と反対側の面のうち磁気ギャップおよびこれに隣接する部分が前記磁化固着層の媒体対向面側の膜面に接することを特徴とする。
【0012】
このように構成された本発明の薄膜磁気ヘッドによれば、磁気抵抗効果膜を垂直方向に流れる電流が通過する面積が最小の部分は、ピン層から構成されることになる。このため、従来の場合と異なり、ピラー電極が存在せず、磁気抵抗効果膜の電極から発生する電流磁界が磁気抵抗効果膜に与える影響を可及的に小さくできる。
【0013】
なお、前記磁気ヨークは前記ピン層の上面を除いて前記磁気抵抗効果膜と絶縁膜によって電気的に絶縁されていることが好ましい。
【0014】
また、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法は、所定の信号磁界の向きに応じて磁化の向きが動く磁化自由層と、前記磁化自由層に積層形成された非磁性層と、前記非磁性層に積層形成され、前記所定の信号磁界の中でも実質的に磁化の向きが変わらない磁化固着層とを有する磁気抵抗効果膜を、前記磁気抵抗効果膜の前記磁化固着層の膜面の面積が前記磁化自由層の膜面の面積よりも小さくなるように形成する工程と、前記磁化固着層の前記非磁性層と反対側の膜面のほぼ全面が底面となるコンタクトホールを有する絶縁膜を前記磁気抵抗効果膜上に形成する工程と、前記コンタクトホール内に磁気ギャップを有し、前記磁化固着層の前記非磁性層と反対側の膜面と接する磁気ヨークを形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
このように構成された本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、ピン層面積と磁気ヨークとのコンタクト面積を略等しくでき、かつピン層から磁気ヨークに流れた電流は、磁気ヨーク全体に拡散していくのでピラー電極に相当する部分を無くすることができる。これにより、従来の場合と異なり、ピラー電極が存在せず、磁気抵抗効果膜の電極から発生する電流磁界が磁気抵抗効果膜に与える影響を可及的に小さくできる。また、フリー層は磁気ヨークからの磁束を吸い上げるに適当な面積に広げることができる。また、生産性よく形成することが可能である。特に、磁気抵抗効果膜と磁気ヨーク間に配置される絶縁膜に前記ピン層に自己整合されたコンタクトホールを形成する工程を使用することにより、コンタクトホールを通常のステッパーによる露光・現像で作成したレジストマスクによるエッチングによって作った場合には困難だった、ピン層面積相当のコンタクトホールをアライメントずれなく作ることが可能になり、歩留まりが向上する。
【0016】
また、本発明による磁気ディスク装置は、上述の薄膜磁気ヘッドを再生磁気ヘッドとして備えていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態の構成を図1に示す。この第1の実施形態は、水平型薄膜磁気ヘッドであって、トラック長手方向の断面図を図1に示す。この実施形態の薄膜磁気ヘッドは、フリー層2、スペーサ層3、およびピン層4を有し磁気記録媒体(図示せず)からの磁気信号を検知する磁気抵抗効果膜(以下、MR膜ともいう)5と、磁気ギャップ14を有し上記磁気記録媒体からの磁気信号を上記MR膜5に導く磁気ヨーク13aとを備えている。
【0018】
フリー層2は上面がほぼ平坦の凸部を有し、この凸部上にスペーサ層3およびピン層4が順次積層された構成となっている。すなわちフリー層2の膜面面積よりもピン層2の膜面面積が小さくなるように構成されている。そして、MR膜5上には、ピン層4の上面を除いて絶縁膜8が形成されている。
【0019】
また、磁気ヨーク13aは、媒体対向面の反対側の面の磁気ギャップ14を含む一部分でピン層4の上面と電気的に接続され、その接続面積がほぼピン層4の膜面の面積で規定されるように構成されている。すなわちMR膜5の、ピン層の上面を除いた部分と磁気ヨーク13aとは絶縁膜8によって電気的に絶縁される構成となっている。したがって、絶縁膜8に設けられたコンタクトホール9を介して、磁気ヨーク13aとピン層4とが接続される構成となっているとも言うことができる。
【0020】
また、磁気ギャップ14は絶縁膜11aで埋め込まれており、磁気ヨーク13aの上記凸部の媒体対向面を除いた磁気ヨーク13a上には例えば酸化アルミニウム等の絶縁膜15によって覆われた構成となっている。なお、本実施形態の薄膜磁気ヘッドの媒体対向面にはDLC(Diamond Like Carbon)膜17が形成されている。
【0021】
そして、フリー層2の下面、すなわち媒体対向面側の面と反対側の面には、MR膜5を垂直に通電するための電極の一方(図示せず)が設けられ、他方の電極を磁気ヨーク13aが兼用する構成となっている。なお、MR膜5を流れるセンス電流は、フリー層2の下面に形成された電極から、フリー層2、スペース層3、ピン層4、および磁気ヨーク13aの順で流れる。
【0022】
このように構成された本実施形態の薄膜磁気ヘッドによれば、MR膜を垂直方向に流れる電流が通過する面積が最小の面は、ピン層4と磁気ヨーク13aとの接続面、すなわちピン層4の膜面となる。このため、従来の場合と異なり、ピラー電極が存在せず、MR膜5の電極から発生する電流磁界がMR膜5に与える影響を可及的に小さくできる。
【0023】
なお、フリー層2膜面面積よりも小さく加工されている部分は、ピン層4だけでも良く、それもピン層4の上側部分の一部だけでも構わない。ピン層4に加えてスペーサ層3がフリー層2の膜面面積よりも小さくなっていても構わないし、図1に図示したように、ピン層4、スペーサ層3に加えてフリー層2の上側部分の一部が小さく加工されていてもよい。少なくともピン層4の一部がフリー層2膜面より小さくなっていることが必要なのであり、これは、MR膜5が4層以上の多層膜から構成されている場合でも同様である。
【0024】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図2および図3を参照して説明する。この第2の実施形態は、図1に示す第1の実施形態の薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、その製造工程断面図を図2および図3に示す。
【0025】
まず、図示しない基板上に電極膜30を形成し、この電極膜30上にフリー層2、スペーサ層3、ピン層4を順次形成する(図2(a)参照)。次に、ピン層3上にフォトレジストからなるレジストパターン7をマスクに例えばRIE(Reactive Ion Etching)を用いてピン層4およびスペーサ層3をエッチングするとともにフリー層2の一部をエッチングする(図2(b)参照)。なお、このときエッチングする膜はピン層4のみでも構わないし、ピン層4およびスペーサ層3のみをエッチングしても良い。
【0026】
次に、図2(c)に示すように、レジストパターン7を残したまま全面に絶縁膜8を形成し、その後、図2(d)に示すようにレジストパターンを除去する。これにより、リフトオフが行われる。本実施形態では、ピン層4エッチングと絶縁膜8のリフトオフは同じレジストマスクで行なっているので、絶縁膜8に形成されるコンタクトホール9とピン層2は自己整合される。なお、自己整合の方法はこれに限られるものではない。
【0027】
次に、図3(a)に示すように、全面に例えばAlOxからなる絶縁膜11を成膜する。そして、絶縁膜11上に図示しないマスクを形成し、エッチングを行なうことにより、後述の磁気ギャップ14を埋める絶縁体11aを形成する(図3(b)参照)。その後、図3(c)に示すように、全面に磁気ヨークとなる磁性膜13を成膜する。そして、この磁性膜13上に例えばAlOxからなる保護膜15を成膜した後、図3(d)に示すように、媒体対向面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)等によって平坦化することにより磁気ヨーク13aを形成し、続いて媒体対向面をDLC膜17で被覆する。これにより、薄膜磁気ヘッドが作成される。
【0028】
このように構成された本実施形態においては、MR膜5は、基板面側にフリー層2、スペーサ層3、ピン層4の順に一括成膜で形成した後、ピン層4の膜面を小さく加工できるため、MR膜5の積層途中にピン層4のパターニング、平坦化等の工程を経る必要が無く、MR膜5の特性の信頼性が向上する。また、ピン層4面積と磁気ヨーク13aとの接続面積を略等しくできるため、ピン層4から磁気ヨーク13aに流れた電流は、磁気ヨーク13a全体に拡散していくのでピラー電極に相当する部分を無くすることができる。また、フリー層2は磁気ヨーク13aからの磁束を吸い上げるに適当な面積に広げることができる。また、生産性よく形成することが可能である。特に、MR膜5と磁気ヨーク13a間に配置される絶縁膜8にピン層4に自己整合されたコンタクトホール9を形成する工程を使用することにより、コンタクトホール9を通常のステッパーによる露光・現像で作成したレジストマスクによるエッチングによって作った場合には困難だった、ピン層面積相当のコンタクトホールをアライメントずれなく作ることが可能になり、歩留まりが向上する。
【0029】
なお、この実施形態によって製造された薄膜磁気ヘッドは、MR膜の電極から発生する電流磁界がMR膜へ与える影響を可及的に小さくすることができることは言うまでもない。
【0030】
(第3の実施形態)
本発明の別の実施形態を図7を参照して説明する。この第3の実施の形態は、水平型磁気ヘッドであって、トラック長手方向の断面図を図7に示す。この実施の形態の薄膜磁気ヘッドは、フリー層2、スペーサ層3、及びピン層4を有し磁気記録媒体(図示せず)からの磁気信号を検知するMR膜5と、磁気ギャップ14を有し上記磁気記録媒体からの磁気信号を上記MR膜5に導く磁気ヨーク13aとを備えている。MR膜5は、ピン層4、スペーサ層3、フリー層2の一部がピン層4と略同じ面積に加工された凸形状をしている。この凸形状は、最上面のピン層2表面以外は、絶縁膜8で覆われている。絶縁膜8とピン層2の膜面は高さがほぼ一致した平坦面を形成している。ピン層2と絶縁膜8の上には、磁気ヨーク13aが積層されている。磁気ヨーク13aは、ピン層2の表面ほぼ中心に磁気ギャップ14を具備している。磁気ギャップ14は、磁気ヨーク13aを形成後、イオンミリング、RIE、RIBE、集束イオンビームエッチング等の手法を用いて、溝を切り、そこに非磁性材料を成長させる方法で形成することも可能である。磁気ヨーク13aには、トラック長手方向の媒体対向面の長さを規定するための加工が施されている。媒体対向面より後退した磁気ヨーク13aの表面は、酸化アルミニウム等からなる保護膜15で覆われ、媒体対向面に露出した磁気ヨーク13aと保護膜15の表面はDLC膜17で覆われている。
【0031】
この構造によっても、MR膜5に垂直通電するための電極からピラー部分を無くすことができるため、電極からのMR膜5への電流磁界の影響を無くすことが可能になる。また、MR膜5を成膜するときに、途中で平坦化工程やエッチング工程を経る必要がないため、一括で積層構造を作れることになり、MR膜5の特性が安定する。
【0032】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態を図8を参照して説明する。この第4の実施の形態は、水平型磁気ヘッドであって、トラック長手方向の断面図を図8に示す。この実施の形態の薄膜磁気ヘッドは、フリー層2、スペーサ層3、及びピン層4を有し磁気記録媒体(図示せず)からの磁気信号を検知するMR膜5と、磁気ギャップ14を有し上記磁気記録媒体からの磁気信号を上記MR膜5に導く磁気ヨーク13aとを備えている。MR膜5は、ピン層4、スペーサ層3、フリー層2の一部がピン層4と略同じ面積に加工された凸形状をしている。この凸形状は、最上面のピン層2表面以外は、絶縁膜8で覆われている。絶縁膜8の膜厚はMR膜5の凸形状近傍ではMR膜5の凸形状の高さとほぼ等しくなっているが、凸形状から離れるに従い増加している。ピン層2と絶縁膜8の上には、磁気ヨーク13aが積層されている。ピン層2と絶縁膜8の上には、磁気ヨーク13aが積層されている。磁気ヨーク13aは、ピン層2の表面ほぼ中心に磁気ギャップ14を具備している。磁気ギャップ14は、磁気ヨーク13aを形成後、イオンミリング、RIE、RIBE、集束イオンビームエッチング等の手法を用いて、溝を切り、そこに非磁性材料を成長させる方法で形成することも可能である。または、予め磁気ギャップ14となる非磁性材料からなる凸部を形成し、その後磁気ヨーク13aとなる磁性材料を磁気ギャップ14を取り囲むように成膜形成しても良い。その成膜方法は、スパッタリング、めっき、その他の方法でも可能である。磁気ヨーク13aには、トラック長手方向の媒体対向面の長さを規定するための加工が施されている。媒体対向面より後退した磁気ヨーク13aの表面は、酸化アルミニウム等からなる保護膜15で覆われ、媒体対向面に露出した磁気ヨーク13aと保護膜15の表面はDLC膜17で覆われている。
【0033】
この構造によっても、MR膜5に垂直通電するための電極からピラー部分を無くすことができるため、電極からのMR膜5への電流磁界の影響を無くすことが可能になる。また、MR膜5を成膜するときに、途中で平坦化工程やエッチング工程を経る必要がないため、一括で積層構造を作れることになり、MR膜5の特性が安定する。また、絶縁膜8の膜厚が厚くなっているため、フリー層2の下に配置された広い面積をもつ下部電極(図示せず)と磁気ヨーク13aとの絶縁性が改善される。
【0034】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施の形態を図4および図5を参照して説明する。この実施の形態は、磁気ディスク装置であって、この磁気ディスク装置の概略構成を図4に示す。すなわち、本実施の形態の磁気ディスク装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。図4において、磁気ディスク200は、スピンドル152に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。磁気ディスク200は、磁気ディスク200に格納する情報の記録再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ここで、ヘッドスライダ153は、例えば、前述したいずれかの実施形態にかかる磁気ヘッドをその先端付近に搭載している。
【0035】
磁気ディスク200が回転すると、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)は磁気ディスク200の表面から所定の浮上量をもって保持される。
【0036】
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
【0037】
アクチュエータアーム155は、固定軸157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。
【0038】
図5は、アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ160は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム151を有し、アクチュエータアーム155の一端にはサスペンション154が接続されている。
【0039】
サスペンション154の先端には、上記実施形態のいずれかで説明した磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ153が取り付けられている。なお、再生ヘッドと記録用ヘッドを組み合わせても良い。サスペンション154は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線164を有し、このリード線164とヘッドスライダ153に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接続されている。図5の符号165は磁気ヘッドアッセンブリ160の電極パッドである。
【0040】
ここで、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)と磁気ディスク200の表面との間には、所定の浮上量が設定されている。
【0041】
なお、磁気ディスク装置に関しても、再生のみを実施するものでも、記録・再生を実施するものあっても良く、また、媒体は、ハードディスクには限定されず、その他、フレキシブルディスクや磁気カードなどのあらゆる磁気記録媒体を用いることが可能である。さらに、磁気記録媒体を装置から取り外し可能にした、いわゆる「リムーバブル」の形式の装置であっても良い。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、MR膜の電極から発生する電流磁界がMR膜へ与える影響を可及的に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜磁気ヘッドの第1の実施形態の構成を示す断面図。
【図2】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法の第2の実施形態の構成を示す工程断面図。
【図3】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法の第2の実施形態の構成を示す工程断面図。
【図4】本発明による磁気ディスク装置の概略構成を示す要部斜視図。
【図5】アクチュエータアームから先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図。
【図6】従来の水平型薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図。
【図7】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法の第3の実施形態の構成を示す工程断面図。
【図8】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法の第4の実施形態の構成を示す工程断面図。
【符号の説明】
2 フリー層
3 スペーサ層
4 ピン層
5 磁気抵抗効果膜(MR膜)
7 レジストパターン
8 絶縁膜
9 コンタクトホール
11a 絶縁膜
13 磁性膜
13a 磁気ヨーク
14 磁気ギャップ
15 保護膜(絶縁膜)
17 DLC膜
Claims (5)
- 磁気ギャップを有する磁気ヨークと、
所定の信号磁界の向きに応じて磁化の向きが動く磁化自由層と、前記磁化自由層に積層形成された非磁性層と、前記非磁性層に積層形成され、前記所定の信号磁界の中でも実質的に磁化の向きが変わらない磁化固着層とを有する磁気抵抗効果膜と、
を備え、前記磁気抵抗効果膜の前記磁化固着層の膜面の面積は、前記磁化自由層の膜面の面積よりも小さくなるように構成され、前記磁気ヨークの媒体対向面と反対側の面のうち磁気ギャップおよびこれに隣接する部分が前記磁化固着層の媒体対向面側の膜面に接することを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 前記磁気ヨークは前記磁化固着層の媒体対向面側の膜面を除いて前記磁気抵抗効果膜と絶縁膜によって電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
- 所定の信号磁界の向きに応じて磁化の向きが動く磁化自由層と、前記磁化自由層に積層形成された非磁性層と、前記非磁性層に積層形成され、前記所定の信号磁界の中でも実質的に磁化の向きが変わらない磁化固着層とを有する磁気抵抗効果膜を、前記磁気抵抗効果膜の前記磁化固着層の膜面の面積が前記磁化自由層の膜面の面積よりも小さくなるように形成する工程と、
前記磁化固着層の前記非磁性層と反対側の膜面のほぼ全面が底面となるコンタクトホールを有する絶縁膜を前記磁気抵抗効果膜上に形成する工程と、
前記コンタクトホール内に磁気ギャップを有し、前記磁化固着層の前記非磁性層と反対側の膜面と接する磁気ヨークを形成する工程と、
を備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 前記コンタクトホールは、前記ピン層と自己整合的に形成されることを特徴とする請求項3記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
- 請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッドを再生磁気ヘッドとして備えたことを特徴とする磁気ディスク装置。
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