JP3790668B2 - 薄膜磁気ヘッドおよび磁気ディスク装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜磁気ヘッドおよび磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク装置をAV(音響映像機器)用途で使用することを狙って、磁気ヘッドの低価格化が進められているが、水平型の薄膜磁気ヘッドは、スライダー浮上面をウェハ基板単位で加工することができるため、低価格化を実現するヘッド構造として注目されている。
【0003】
また近年、記録密度の高密度化が進み、トラック幅はますます小さくなる傾向にある。それに伴い、記録媒体から磁束を吸い上げる磁気ヨーク先端部のトラック幅方向の長さはどんどん小さくなり、記録媒体から少ない磁束しか吸い上げることができなくなる。それでも、再生信号として取り出すのに充分な磁気抵抗効果素子(以下、MR素子とも言う)の電圧変化を起こすためには、MR素子を構成するMR膜の感度にあたる抵抗変化率を大きくすることと、磁気ヨーク先端部から吸い上げられた小さい磁束をいかに密度を高めてMR素子に導くような構造のヨーク設計とが必要となる。
【0004】
図13に特開平6−131635号公報に示される従来の水平型薄膜磁気ヘッドの構成を示す。図13(a)は薄膜磁気ヘッドのトラック長手方向の断面図、図13(b)は磁気ギャップ付近の拡大図、図13(c)は磁気ギャップ付近の平面図、図13(d)は媒体走行方向に沿って見たときの磁気ヘッドの側面図である。図13に示す薄膜磁気ヘッドは、スライダー上に記録ヘッド部46および再生ヘッド部47が設けられている。ギャップ部42が磁気記録媒体から磁束を吸い上げ、磁極(磁気ヨーク)33内を磁束が流れ、MR素子35が磁束を検出して抵抗が変化し、再生信号が電圧変化して取り出される。
【0005】
この従来の水平型薄膜磁気ヘッドにおいては、磁極(磁気ヨーク)33の媒体対向面でのトラック幅方向の長さW10と、磁極33の、MR素子35に面するMR素子対向面でのトラック幅方向の長さW11は、W10=W11となるように構成されている(図13(d)参照)。またMR素子35のトラック幅方向の長さbは、b<W10となるように構成されている(図13(d)参照)。このため、磁気ヨーク33、MR素子35のトラック幅方向の長さW10、W11、bの大小関係は、b<W10=W11となり、図13(d)から明らかなように、磁気ヨーク33のトラック幅方向の長さは、媒体対向面からMR素子35に面するMR素子対向面まで幅が一定で、かつMR素子35のトラック幅方向の長さは、磁気ヨーク33のトラック幅方向の長さより、短くなっている。
【0006】
また、上記特開平6−131635号公報に他の例として記載されている従来の水平型薄膜磁気ヘッドの構成を図14に示す。図14(a)は磁気ギャップ部分付近を拡大した斜視図、図14(b)は磁気ギャップ部分付近の平面図、図14(c)は媒体走行方向に沿って見たときの薄膜磁気ヘッドの側面図である。この薄膜磁気ヘッドにおいては、磁極(磁気ヨーク)33の媒体対向面でのトラック幅方向の長さW10と、磁気ヨーク33のMR素子対向面でのトラック幅方向の長さW11は、W10<W11となるように構成されている。また、MR素子35のトラック幅方向の長さb1は、W10<b1<W11となるように構成されている。よって、図14(c)から明らかなように、磁気ヨーク33のトラック幅方向の長さは媒体対向面からMR素子対向面に近づくにつれ、幅が増大し、かつMR素子35のトラック幅方向の長さb1は、磁気ヨーク33の媒体対向面のトラック幅方向の長W10さよりは長いが、磁気ヨーク33のMR素子対向面のトラック幅方向の長さW11よりは短い構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の水平型薄膜磁気ヘッドが今後の高密度化に対して問題となる点を以下に説明する。
【0008】
今後は記録密度の高密度化が進み、記録媒体から磁束を吸い上げるヨーク先端部のトラック幅方向の長さはどんどん小さくなり、記録媒体から少ない磁束しか吸い上げることができなくなる。その場合にも再生信号を得るのに充分な電圧変化を起こすには、MR素子内に導かれる磁束密度をなるべく大きくするための構造を有する磁気ヨークの設計が重要である。
【0009】
しかしながら、図13(d)および図14(c)に示すように、従来の水平型薄膜磁気ヘッドのトラック幅方向の寸法は、W10≦W11、すなわち磁気ヨークのトラック幅方向の長さは媒体対向面の方がMR素子対向面より同じか又は大きくなっていて、ヨークに吸い上がった磁束の密度がMR素子に到達する時に小さくなる方向にヨークの面積が増加していることになる。これでは、充分な電圧変化をえられないので、再生出力が小さくなってしまう。
【0010】
また高密度化がより進んだ場合、小さくなった磁気ヨークとそれに伴って小さくなったMR素子のアライメントを通常のヘッド工程で使われているようなステッパーによるアライメントで行なったのでは、限界が来ることが予想される。具体的な数字をあげると、200Gbpsiの記録密度の時、再生トラック幅は100nmと予想され、ステッパーの実プロセスでのアライメント精度が±50nmとすると、磁気ヨークの中心とMR素子の中心が最大約50nm離れた素子が形成される。これでは、磁気ヨークのトラック幅方向の長さを100nmにすると、MR素子は半分しか磁気ヨークの上に重ならないことになり、磁気ヨークに流れる磁束をMR素子に効率よく取り込むことができない。このため、十分な再生出力を得ることができない。
【0011】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、高密度化に伴って再生トラック幅が小さくなっても、可及的に大きな再生出力を得ることのできる薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法ならびに磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による薄膜磁気ヘッドは、磁気ギャップを挟んで対向配置され、磁気記録媒体からの磁気信号を導く一対の磁気ヨークと、
前記磁気ギャップを跨ぐように前記磁気ヨークの媒体対向面と反対側の面上に形成され、前記磁気ヨークに磁気接続された磁気抵抗効果膜と、
を備え、前記媒体対向面におけるトラック幅方向の前記磁気ヨークの中心と、前記磁気ヨークの磁気抵抗効果膜対向面におけるトラック幅方向の前記磁気ヨークの中心と、磁気抵抗効果膜の磁気ヨーク対向面におけるトラック幅方向の前記磁気抵抗効果膜の中心とが、トラック幅方向の同一断面上で媒体対向面にほぼ垂直な直線上にほぼ並ぶように配置された構成となっており、前記磁気ヨークの磁気抵抗効果膜対向面におけるトラック幅方向の長さは、媒体対向面におけるトラック幅方向の長さよりも短く、かつ前記磁気抵抗効果膜の磁気ヨーク対向面における磁気抵抗効果膜の長さにほぼ等しくなるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
このように構成したことにより、磁気記録媒体から磁気ヨークに入力された磁束の密度を可及的に高めて磁気抵抗効果膜に流すことが可能となる。これにより、可及的に大きな再生出力を得ることができる
なお、前記磁気抵抗効果膜は垂直通電型磁気抵抗効果膜であっても良い。
【0014】
また、本発明による磁気ディスク装置は、上記薄膜磁気ヘッドを再生磁気ヘッドとして搭載したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を図1を参照して説明する。この実施形態は水平型薄膜磁気ヘッドであって、その構成を図1に示す。図1(a)は、この実施形態の薄膜磁気ヘッドのトラック長手方向の断面図であり、図1(b)は、この実施形態の薄膜磁気ヘッドを図1(a)に示す切断線X−Xで切断したときの断面図である。
【0018】
この実施形態の薄膜磁気ヘッドは、磁気ギャップ3を挟んで対向配置された一対の磁気ヨーク2と、磁気ギャップ3を跨ぐように磁気ヨーク2の媒体対向面4と反対側の面上に形成され磁気ヨーク2と磁気接続された磁気抵抗効果膜(以下、MR膜とも言う)6と、このMR膜6にセンス電流を通電するための電極8と、を備えている。このMR膜は、膜面に平行な方向に電極8間にセンス電流を供給してCIP(Current In Plane)構造として使用するものである。なお、MR膜6と電極8間を除きこれらの構成要素は、絶縁体10によって電気的に絶縁されている。
【0019】
そして、図1(b)に示すように、媒体対向面4におけるトラック幅方向の磁気ヨーク2の中心と、磁気ヨークの媒体対向面4と反対側の面すなわち磁気ヨーク2のMR膜対向面におけるトラック幅方向の磁気ヨーク2の中心と、MR膜6の磁気ヨーク対向面におけるトラック幅方向のMR膜の中心とが、トラック幅方向の同一断面上で媒体対向面4にほぼ垂直な直線上にほぼ並ぶように配置された構成となっている。
【0020】
また、磁気ヨーク2のMR膜対向面におけるトラック幅方向の長さWyは、媒体対向面4におけるトラック幅方向の長さWtよりも短く、かつMR膜6の磁気ヨーク対向面におけるMR膜6の長さWmrにほぼ等しくなるように構成されている。したがって、MR膜6と磁気ヨーク2は自己整合的に形成された構成となっている。
【0021】
このように構成したことにより、磁気記録媒体から磁気ヨーク2に入力された磁束の密度を可及的に高めて磁気抵抗効果膜6に流すことが可能となり、可及的に大きな再生出力を得ることができる。
【0022】
なお、磁気ヨーク2のトラック幅方向の形状は、図2(a)に示すように、媒体対向面から離れるにつれてトラック幅方向の長さが短くなるように構成しても良いし、図2(b)に示すように、途中までは媒体対向面4から離れるにつれてトラック幅方向の長さが長くなり、その後MR膜対向面に近づくにつれてトラック幅方向の長さが短くなっても良い。いずれにしても、磁気ヨーク2のMR膜対向面におけるトラック幅方向の長さWyは、媒体対向面4におけるトラック幅方向の長さWtよりも短くなるように構成されていれば良い。
【0023】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図3乃至図4を参照して説明する。この第2の実施形態は、図1に示す第1の実施形態の薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、その製造工程断面図を図3乃至図4に示す。
【0024】
まず、基板20上に非磁性膜12を形成し、この非磁性膜12に、トラック幅を規定するための溝12aを形成する(図3(a)参照)。次に、溝12aを埋め込むように全面に磁気ヨークとなる磁性膜2を形成し、この磁性膜2上に絶縁膜14を形成する(図3(b)参照)。
【0025】
続いて、絶縁膜14上にMR膜6を形成する(図3(c)参照)。その後、図3(d)に示すように、MR膜6上にレジスト等の樹脂材料18を塗布する。この樹脂材料18としては、分子量の小さいレジストからなり、下地の凹凸を平坦化することのできる材料が選ばれる。
【0026】
次に、図4(a)に示すように、エッチバックを行い、磁気ヨーク2のトラック幅を規定する溝12aに自己整合された位置に樹脂材料からなるエッチングマスク18を残置する。続いて、図4(b)に示すように、残置された樹脂材料からなるエッチングマスク18aをマスクに、MR膜6、絶縁膜14、磁気ヨーク2をパターニングし、その後、エッチングマスク18aを剥離して磁気ヨーク2のトラック幅方向の加工が終了する(図4(c)参照)。なお、残置されたエッチングマスク18aは、エッチング耐性が充分に確保できるエッチングレートの遅い材料で作成する必要がある。MR膜6を成膜後、例えば、AlOxやTi等エッチングレートの遅い材料を成膜して、図3(d)に示す工程以降の工程を経ても良い。これにより、エッチングマスクとしてエッチングレートの遅い材料を使用可能となり、プロセスが容易になる。
【0027】
この実施形態では、媒体対向面に露出する磁気ヨーク2のトラック幅方向の長さWtは、図3(a)に示す工程で非磁性膜12に形成した溝12aで規定されている。この溝12aの形状は、その上に積層された磁気ヨーク2、絶縁膜14、およびMR膜6上に再現される。このMR膜6上に再現された溝を利用して、MR膜6、絶縁膜14、磁気ヨーク2のエッチングをする際のエッチングマスク18aを平坦化技術により形成することが、本実施形態の磁気ヨーク2とMR膜6の自己整合を行なうポイントとなる。MR膜6の磁気ヨーク対向のトラック幅方向の長さWmrと、磁気ヨーク2の媒体対向面でのトラック幅方向の長さWtとがWmr<Wtの関係を満足する形状を得ることも、磁気ヨーク2のトラック幅を規定する溝12aに自己整合的に形成される、MR膜6上の溝の底面は特殊な成膜方法を使用しない限り、非磁性膜12に形成した溝12aの底面より幅が小さくなるので、MR膜6の溝に形成されたエッチングマスク18aを使用してMR膜6を加工することにより容易に実現できる。また、磁気ヨーク2の加工は、媒体対向面まで行なうことはしないので(図4(b)参照)、磁気ヨーク2のトラック幅方向の長さはWtは、図3(a)に示す工程で形成される非磁性膜12の溝12aで規定されることになる。また、同一マスク18aによりMR膜6と磁気ヨーク2をエッチングするので、磁気ヨーク2のMR膜対向面と、MR膜6のトラック幅方向の長さはだいたい同じになるので、MR膜6への効率のよい磁束の供給が期待できる。
【0028】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は上記の方法に限ってはいない。磁気ヨークとなる磁性膜膜2、絶縁膜14、MR膜6を積層して、レジストまたはエッチングレートの遅い材料でエッチングマスクを作成し、磁気ヨーク膜2、絶縁膜14、MR膜6を一括加工する方法でも構わない。通常のエッチング技術を用いればこの方法でも、磁気ヨーク膜2、MR膜6の自己整合、且つWmr<Wtの関係を得ることは容易に実現可能である。
【0029】
この実施形態によって製造された薄膜磁気ヘッドは、第1の実施形態と同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0030】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図5乃至図6を参照して説明する。この第3の実施形態は、トラック幅方向の磁気ヨークの形状が図2(a)に示す形状となる薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、その製造工程断面図を図5および図6に示す。
【0031】
この実施形態の製造方法は、MR膜6の形成までは、第2の実施形態の製造方法と同様な工程で行う(図5(a)乃至図5(c)参照)。その後、図5(d)に示すように、MR膜6上にレジスト等の樹脂材料19を塗布する。この樹脂材料19としては、分子量の小さいレジストからなり、下地の凹凸を平坦化することのできる材料が選ばれる。
【0032】
次に、図6(a)に示すように、エッチバックを行い、磁気ヨーク2のトラック幅を規定する溝12aに自己整合された位置に樹脂材料からなるエッチングマスク19aを残置する。続いて、図6(b)に示すように、残置された樹脂材料からなるエッチングマスク19aをマスクに、MR膜6、絶縁膜14、磁気ヨーク2パターニングし、その後、エッチングマスク19aを剥離して磁気ヨーク2のトラック幅方向の加工が終了する(図6(c)参照)。
【0033】
樹脂材料19は、磁気ヨーク2のエッチングマスクとして使用するので、エッチング選択比が高い材料が適している。エッチング方法は、イオンミリング、RIE(Reactive Ion Etching),RIBE(Reactive Ion Beam Etching)等何でも構わない。例えばイオンミリングでパーマロイに対してエッチング選択比が大きい材料としてアルミナが挙げられる。アルミナをエッチングマスクとして使用する場合は、樹脂材料19を塗布する前にアルミナを成膜する。これにより、磁気ヨークエッチング中に樹脂材料19が無くなってしまっても、アルミナをエッチングマスクとしてエッチングを続行できる。
【0034】
この実施形態も第2の実施形態と同様な効果を奏することは言うまでもない。
【0035】
なお、第1乃至第3の実施形態においては、MR膜6は、面内通電方式(CIP)のものを用いたが、垂直通電方式(CPP:Current Perpendicular to Plane)でも同様な効果が期待できる。
【0036】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態を図7を参照して、説明する。この実施形態は水平型薄膜磁気ヘッドであって、その構成を図7に示す。図7(a)は、この実施形態の薄膜磁気ヘッドのトラック長手方向の断面図であり、図7(b)は、この実施形態の薄膜磁気ヘッドを図7(b)に示す切断線X−Xで切断したときの断面図である。
【0037】
この実施形態の薄膜磁気ヘッドは、磁気ギャップ3を挟んで対向配置された一対の磁気ヨーク2と、磁気ギャップ3を跨ぐように磁気ヨーク2の媒体対向面4と反対側の面上に形成され磁気ヨーク2と磁気接続されたMR膜6と、このMR膜にセンス電流を通電するための電極8と、を備えている。ここで使用されるMR膜6はCPP方式で使用されるもので、センス電流は電極8からMR膜6を垂直方向に抜け、電気的に接続されている磁気ヨーク2へと流れていく。なお、MR膜6と電極8間、MR膜6と磁気ヨーク2間を除きこれらの構成要素は、絶縁体10によって電気的に絶縁されている。
【0038】
そして、図7(b)に示すように、媒体対向面4におけるトラック幅方向の磁気ヨーク2の中心と、磁気ヨークの媒体対向面4と反対側の面すなわち磁気ヨーク2のMR膜対向面におけるトラック幅方向の磁気ヨーク2の中心と、MR膜6の磁気ヨーク対向面におけるトラック幅方向のMR膜の中心とが、トラック幅方向の同一断面上で媒体対向面4にほぼ垂直な直線状にほぼ並ぶように配置された構成となっている。
【0039】
また、磁気ヨーク2のMR膜対向面におけるトラック幅方向の長さWyは、媒体対向面4におけるトラック方向の長さWtよりも短く、かつMR膜6の磁気ヨーク対向面におけるMR膜6の長さWmrにほぼ等しくなるように構成されている。したがって、MR膜6と磁気ヨーク2は自己整合的に形成された構成となっている。
【0040】
このように構成したことにより、磁気記録媒体から磁気ヨークに入力された磁束の密度を可及的に高めて磁気抵抗効果膜に流すことができる。これにより、可及的に大きな再生出力を得ることができる。
【0041】
CPP方式のMR膜を使用する場合にも、磁気ヨーク2のトラック幅方向の形状は、図2(a)に示すように、媒体対向面から離れるにつれてトラック幅方向の長さが短くなるように構成しても良いし、図2(b)に示すように、途中までは媒体対向面4から離れるにつれてトラック幅方向の長さが長くなり、その後MR膜対向面に近づくにつれてトラック幅方向の長さが短くなっていても良い。いずれにしても磁気ヨーク2のMR膜対向面におけるトラック幅方向の長さWyは、媒体対向面4におけるトラック幅方向の長さWtよりも短くなるように構成されていれば良い.
(第5の実施形態)
次に、本発明に第5の実施形態を図8乃至図10を参照して説明する。この第6の実施形態は、図7に示す第5の実施形態の薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、その製造工程断面図を図8乃至図10に示す。
【0042】
まず、基板20上に非磁性膜12を形成し、この非磁性膜12に、トラック幅を規定するための溝12aを形成する(図8(a)参照)。次に、溝12aを埋め込むように全面に磁気ヨークとなる磁性膜2を形成し、この磁性膜2上にMR膜6を形成する(図8(b)参照)。このMR膜はCPP方式で使用するものである。
【0043】
続いて、図8(c)に示すようにCPP−MR膜6上にレジスト等の樹脂材料18を塗布する。この樹脂材料18としては、分子量の小さいレジストからなり、下地の凹凸を平坦化することのできる材料が選ばれる。
【0044】
次に、図9(a)に示すように、エッチバックを行い、磁気ヨーク2のトラック幅を規定する溝12aに自己整合された位置に樹脂材料からなるエッチングマスク18を残置する。続いて図9(b)に示すように、残置された樹脂材料からなるエッチングマスク18aをマスクに、CPP−MR膜6、磁気ヨーク2をパターニングし、その後、エッチングマスク18aを剥離して磁気ヨーク2のトラック幅方向の加工が終了する(図9(c))。なお、残置されたエッチングマスク18aは、エッチング耐性が充分に確保できるエッチングレートの遅い材料で作成する必要がある。MR膜6を成膜後、例えば、AlOxやTi等のエッチングレートの遅い材料を成膜して、図8(c)に示す工程以降の工程を経ても良い。これにより、エッチングマスクとしてエッチングレートの遅い材料を使用可能となり、プロセスが容易になる。
【0045】
続いて、非磁性膜13を形成する(図10(a)参照)。この非磁性膜13は、エッチバック、もしくはCMP等の方法によって、CPP−MR膜6の表面まで平坦化する(図10(b)参照)。その後、図10(c)に示したように、電極8を形成する。図10(b)の平坦化のウェハ内均一性、再現性を考慮すると、図8(c)の工程で樹脂材料18を塗布する前に、電極8の一部としての使用が可能な導電性膜を成膜しておき、図9(c)の工程が終了したときにCPP−MR膜6の上に導電性膜が残っている構成にしたほうがよい。この導電性膜で平坦化工程のプロセスマージンを吸収できるからである。
【0046】
この実施形態では、媒体対向面に露出する磁気ヨーク2のトラック幅方向の長さWtは、図8(a)に示す工程で非磁性膜12に形成した溝12aで規定されている。この溝12aの形状は、その上に積層された磁気ヨーク2、およびCPP−MR膜6上に再現される。このMR膜6上に再現された溝を利用して、CPP−MR膜6、磁気ヨーク2のエッチングをする際のエッチングマスク18aを平坦化技術により形成することが、本実施形態の磁気ヨーク2とCPP−MR膜6の自己整合を行なうポイントとなる。CPP−MR膜6の磁気ヨーク対向面でのトラック幅方向の長さWmrと、磁気ヨーク2の媒体対向面でのトラック幅方向の長さWtとがWmr<Wtの関係を満足する形状を得ることも、磁気ヨーク2のトラック幅を規定する溝12aに自己整合的に形成される、MR膜6上の溝の底面は特殊な成膜方法を使用しない限り、非磁性膜12に形成した溝12aの底面より幅が小さくなるので、CPP−MR膜6の溝に形成されたエッチングマスク18aを使用してMR膜6を加工することにより容易に実現できる。また磁気ヨーク2の加工は、媒体対向面まで行なうことはしないので(図9(b)参照)、磁気ヨーク2のトラック幅方向の長さWtは、図8(a)に示す工程で形成される非磁性膜12の溝12aで規定されることになる。また、同一マスク18aにより、CPP−MR膜6と磁気ヨーク2をエッチングするので、磁気ヨーク2のCPP−MR膜対向面と、CPP―MR膜6のトラック幅方向の長さはほぼ同じになるので、CPP―MR膜6への効率の良い磁束の供給が期待できる。
【0047】
この実施形態によって製造された薄膜磁気ヘッドは、第4の実施形態と同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0048】
本発明は、CIP方式でもCPP方式でもどちらのMR膜でも使用可能であるが、どちらかといえば、センス電流が流れている感磁部が小さいCPP方式のMR膜を使用するときに大きな効果が期待できる。
【0049】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施の形態を図11および図12を参照して説明する。この実施の形態は、磁気ディスク装置であって、この磁気ディスク装置の概略構成を図7に示す。すなわち、本実施の形態の磁気ディスク装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。図11において、磁気ディスク200は、スピンドル152に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。磁気ディスク200は、磁気ディスク200に格納する情報の記録再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ここで、ヘッドスライダ153は、例えば、前述したいずれかの実施形態にかかる磁気ヘッドをその先端付近に搭載している。
【0050】
磁気ディスク200が回転すると、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)は磁気ディスク200の表面から所定の浮上量をもって保持される。
【0051】
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
【0052】
アクチュエータアーム155は、固定軸157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。
【0053】
図12は、アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ160は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム151を有し、アクチュエータアーム155の一端にはサスペンション154が接続されている。
【0054】
サスペンション154の先端には、上記実施形態のいずれかで説明した磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ153が取り付けられている。なお、再生ヘッドと記録用ヘッドを組み合わせても良い。サスペンション154は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線164を有し、このリード線164とヘッドスライダ153に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接続されている。図12の符号165は磁気ヘッドアッセンブリ160の電極パッドである。
【0055】
ここで、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)と磁気ディスク200の表面との間には、所定の浮上量が設定されている。
【0056】
なお、磁気ディスク装置に関しても、再生のみを実施するものでも、記録・再生を実施するものあっても良く、また、媒体は、ハードディスクには限定されず、その他、フレキシブルディスクや磁気カードなどのあらゆる磁気記録媒体を用いることが可能である。さらに、磁気記録媒体を装置から取り外し可能にした、いわゆる「リムーバブル」の形式の装置であっても良い。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、高密度化に伴って再生トラック幅が小さくなっても、可及的に大きな再生出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示す図。
【図2】本発明の薄膜磁気ヘッドのトラック幅方向の形状を示す図。
【図3】本発明の第2の実施形態の構成を示す製造工程断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態の構成を示す製造工程断面図。
【図5】本発明の第3の実施形態の構成を示す製造工程断面図。
【図6】本発明の第3の実施形態の構成を示す製造工程断面図。
【図7】本発明の第4の実施形態の構成を示す図。
【図8】本発明の第5の実施形態の構成を示す製造工程断面図。
【図9】本発明の第5の実施形態の構成を示す製造工程断面図。
【図10】本発明の第5の実施形態の構成を示す製造工程断面図。
【図11】本発明による磁気ディスク装置の概略構成を示す要部斜視図。
【図12】アクチュエータアームから先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図。
【図13】従来の水平型薄膜磁気ヘッドの構成を示す図。
【図14】従来の水平型薄膜磁気ヘッドの他の例の構成を示す図。
【符号の説明】
2 磁気ヨーク
3 磁気ギャップ
4 媒体対向面
6 磁気抵抗効果膜(MR膜)
8 電極
10 絶縁体
12 非磁性膜
12a 溝
13 非磁性膜
14 絶縁膜
18 樹脂材料
18a エッチングマスク
19 樹脂材料
19a エッチングマスク

Claims (3)

  1. 磁気ギャップを挟んで対向配置され、磁気記録媒体からの磁気信号を導く一対の磁気ヨークと、
    前記磁気ギャップを跨ぐように前記磁気ヨークの媒体対向面と反対側の面上に形成され、前記磁気ヨークに磁気接続された磁気抵抗効果膜と、
    を備え、前記媒体対向面におけるトラック幅方向の前記磁気ヨークの中心と、前記磁気ヨークの磁気抵抗効果膜対向面におけるトラック幅方向の前記磁気ヨークの中心と、磁気抵抗効果膜の磁気ヨーク対向面におけるトラック幅方向の前記磁気抵抗効果膜の中心とが、トラック幅方向の同一断面上で媒体対向面にほぼ垂直な直線上にほぼ並ぶように配置された構成となっており、前記磁気ヨークの磁気抵抗効果膜対向面におけるトラック幅方向の長さは、媒体対向面におけるトラック幅方向の長さよりも短く、かつ前記磁気抵抗効果膜の磁気ヨーク対向面における磁気抵抗効果膜の長さにほぼ等しくなるように構成されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記磁気抵抗効果膜が垂直通電磁気抵抗効果膜であることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッドを再生磁気ヘッドとして搭載したことを特徴とする磁気ディスク装置。
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