JP3356689B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法

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JP3356689B2 JP17161698A JP17161698A JP3356689B2 JP 3356689 B2 JP3356689 B2 JP 3356689B2 JP 17161698 A JP17161698 A JP 17161698A JP 17161698 A JP17161698 A JP 17161698A JP 3356689 B2 JP3356689 B2 JP 3356689B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凸状の磁極先端部
を有する薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化が進み、VT
Rでは500Mb/inch2 、HDDでは 200Mb/inch2 という
記録密度のシステムが実用化されており、またさらなる
高密度化が要求されている。このような高記録密度化に
伴って、狭トラック化は必須の課題とされている。例え
ば、200Mb/inch2 のHDDの場合、トラック幅は 7μm
程度であるが、さらに線記録密度の高密度化を図るため
には、より一層狭トラック化する必要がある。例えば、
10Gb/inch2 程度の高記録密度化に向けて、幅 1μm 以
下程度の狭トラック化が要求されている。
【0003】ところで、従来の上部磁極のみでトラック
幅を規定した薄膜磁気へッド構造において、上述したよ
うな狭トラック化および線記録密度の高密度化を達成し
ようとした場合、記録トラックのサイドからの漏洩磁界
によって、記録ビット線のエッジでの曲りや再生ライテ
ィングが問題となる。そこで、下部磁極の磁気ギャップ
と対向する面の幅を、上部磁極のそれと同一とする必要
性が生じている。
【0004】この問題を解決する方法として、下部磁極
の上部を予め凸部形状に加工し、この凸部上に位置整合
させた凹部を配置した非磁性絶縁材料層を形成し、その
凹部に磁性材料を埋め込み、これを上部磁極とするヘッ
ド構造が提案されている。
【0005】上部磁極を凹部内に埋め込み形成する方法
としては、メッキやコリメーションスパッタなどの方法
が考えられる。これらのうち、プロセスコストが安く、
実績のある方法としてはメッキ法が挙げられる。しかし
ながら、スパッタ法と異なり、メッキ法で凹部内に上部
磁極を形成する場合には、凹部内にメッキ電極層を配置
する必要がある。
【0006】凹部内へのメッキ電極層の配置形状はいく
つか提案されている。その例を図7に示す。図7におい
て、1は下部磁極、1aは下部磁極先端部、2は磁気ギ
ャップ膜、3は非磁性絶縁材料層、4は凹部、5は上部
磁極となる磁性材料層(メッキ膜)、5aは上部磁極先
端部、6はメッキ電極層である。図7(a)に示す構造
は、次のようにして形成する。
【0007】図7(a)のようなメッキ電極層6を凹部
4の底面と側壁に配置する場合には、メッキ膜5は等方
的に成長していくため、凹部4内に粒子の密度分布なし
に均一に成長させることは極めて困難であり、また高ア
スペクト比の凹部4を埋め込むことになる狭トラックヘ
ッド構造には向かない。これを解決する方法として、図
7(b)に示すようなメッキ電極層6を凹部4底面のみ
に形成し、基板面と垂直方向のみにメッキ膜5の膜厚を
増加させる方法がある。
【0008】一方、磁界強度の向上や線方向の磁界傾斜
の向上などを図るために、上部磁極先端部自体を大きな
飽和磁化を持つ磁性材料と相対的に飽和磁化が小さい磁
性材料との積層膜で構成することが検討されている。こ
のような積層構造の上部磁極を形成するためには、図7
(b)に示したように、メッキ電極層6を凹部4の底面
だけに配置した構造をとることになる。
【0009】このように、図7(b)に示したようなメ
ッキ電極層6の形状は、今後の高記録密度ヘッドに優位
であることが明らかであるが、凸部最上層の導電膜をメ
ッキ電極層として使用する方法を採用する際に、記録磁
気ギャップに絶縁材料を使用するならば、導電膜に何ら
かの配線を接続しなければならない。記録磁気ギャップ
に金属膜を使用すれば、配線は必要なくなるが、渦電流
損失を考慮すると導電性を有する磁気ギャップの使用は
好ましくない。
【0010】また、導電膜を最上層とした凸部を個々の
ヘッドからウェハ周囲まで引き出し、その引き出し線に
電流を流すことにより、凹部内にメッキ膜を成長させる
方法も考えられる。ただし、この方法では個々のヘッド
から引き回された電極線がウェハ内を横断し、 1枚のウ
ェハから取得できるヘッドの個数を減らし、生産性を低
下させるおそれがある。さらに、ウェハの周囲と中央で
は引き出し線の抵抗が異なり、メッキ膜の膜厚や組成に
分布が発生するなどの問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、プロ
セスコストの安価なメッキ法で、下部磁極先端部上に位
置整合された凹部内に上部磁極先端部を埋め込み形成す
る際に、より狭トラック化および線記録密度の高密度化
を達成する、凹部底面のみにメッキ電極層を配置したヘ
ッドを作製しようとした場合、 1ウェハ内から取得でき
るヘッド数が減じてしまったり、メッキで形成した上部
磁極の膜厚や組成に分布が発生するなどの問題が生じて
いた。また、記録ギャップに金属膜を用いた場合には、
渦電流損失が大きくなるなどの問題が生じていた。
【0012】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、凸状の磁極先端部を有するへッドを、
プロセスコストの安価なメッキ法で良好な特性を持つヘ
ッドとして形成することを可能にすると共に、 1ウェハ
内から取得できるヘッドの個数を減らさない生産性のよ
い薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
の製造方法は、媒体対向面側に形成された凸状の下部磁
極先端部を有する下部磁極と、前記下部磁極先端部上に
形成された磁気ギャップと、前記磁気ギャップを介して
前記下部磁極先端部と対向配置された上部磁極先端部を
有する上部磁極と、前記媒体対向面より後方側で前記下
部磁極と前記上部磁極との間に配置されたコイルとを具
備する薄膜磁気ヘッドを製造するにあたり、前記下部磁
極先端部、前記磁気ギャップおよび第1のメッキ電極層
を含む凸部を、前記媒体対向面と垂直方向に磁気ヘッド
形成領域外まで延在するように形成する工程と、前記凸
部上に非磁性材料層を形成し、前記非磁性材料層の前記
上部磁極先端部の形成位置に前記第1のメッキ電極層の
表面を底とする第1の凹部を形成する工程と、前記非磁
性材料層の前記磁気ヘッド形成領域外に前記第1のメッ
キ電極層の表面を底とする第2の凹部を形成する工程
と、前記第1のメッキ電極層に前記第2の凹部を介して
第2のメッキ電極層を接続形成する工程と、前記第1お
よび第2のメッキ電極層を用いて前記第1の凹部内に前
記上部磁極先端部となるメッキ膜を成長させる工程とを
有することを特徴としている。
【0014】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法におい
ては、凸状の下部磁極先端部上に磁気ギャップを介して
予めメッキ電極層を形成している。すなわち、凸部上に
形成された非磁性材料層の凹部には、その底部のみにメ
ッキ電極層が設けられている。従って、このようなメッ
キ電極層を用いて、凹部内に上部磁極先端部をメッキ法
で埋め込み形成することによって、埋め込み形状や磁気
特性に優れる上部磁極先端部を再現性よく得ることが可
能となる。特に、大きな飽和磁化をもつ磁性材料と相対
的に飽和磁化が小さい磁性材料との積層膜で上部磁極先
端部を構成する際に、凹部内に記録磁気ギャップと略平
行に膜を積層させる構造を、メッキ法で再現性よく形成
することができる。
【0015】さらに、磁気ギャップ上に形成した第1の
メッキ電極層に対して、磁気ヘッド形成領域外に設けた
第2の凹部を介して第2のメッキ電極層を接続形成して
いるので、第2のメッキ電極層は凹部形成用の非磁性材
料層上に形成することができる。すなわち、メッキ引き
出し線となる第2のメッキ電極層は、ヘッド形成領域上
であっても形成することができる。従って、 1枚の基板
内のヘッドの形成個数の削減などを防止することがで
き、またメッキ膜の膜厚や組成の分布などの発生を抑制
することが可能となる。
【0016】また、第2のメッキ電極層を、第1のメッ
キ電極層が形成されている凹部の周囲約10μm 外側から
形成し、第1および第2のメッキ層上に同時にメッキ膜
を成長させる方法をとることにより、フレームメッキ法
と類似の効果が得られる。すなわち、第2のメッキ電極
層を形成することにより、上部磁極先端部となる第1の
凹部のメッキ中の電流分布を小さくすることができるた
め、膜厚や組成の分布がさらに小さくなり、安定化が図
れるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施形態による製造方
法を適用して作製した録再一体型磁気ヘッドの構成を媒
体対向面(ABS)から見た断面図である。ここで、本
発明で言う録再一体型磁気ヘッドとは、例えば磁気抵抗
効果素子部を有する再生ヘッドと、誘導型磁気ヘッドか
らなる記録ヘッドとを上下に一体的に配置形成した磁気
ヘッドである。
【0019】同図において、11は図示を省略したAl
2 3 付きAl2 3 ・TiC基板などの上に形成され
た下側磁気シールド層である。下側磁気シールド層11
は、例えばNiFe合金やFeAlSi合金などの結晶
質軟磁性材料、CoZrNb合金などのアモルファス軟
磁性材料からなる。
【0020】下側磁気シールド層11上には、AlOx
(例えばAl2 3 )などの非磁性絶縁材料からなる下
側再生磁気ギャップ12を介して、磁気抵抗効果膜(M
R膜)13が形成されている。MR膜13としては、N
80Fe20などの異方性磁気抵抗効果膜や、Co90Fe
10/Cu/Co90Fe10/IrMn積層膜などからなる
スピンバルブ膜、人工格子膜などの巨大磁気抵抗効果膜
が用いられる。
【0021】MR膜13は所定形状にパターニングされ
ている。MR膜13の両端にはCuなどからなる一対の
再生電極14、14が接続形成されている。これらによ
って、MR素子部15が構成されている。MR素子部1
5は必要に応じて、MR膜13にバイアス磁界を印加す
る硬磁性バイアス膜や反強磁性バイアス膜などを有す
る。この実施形態のMR素子部15では、一対の再生電
極14、14の間隔で再生トラック幅が規定されてい
る。
【0022】MR素子部15上にはAlOx などの非磁
性絶縁材料からなる上側再生磁気ギャップ16が形成さ
れており、さらにその上には下側磁気シールド層11と
同様な軟磁性材料からなる上側磁気シールド層17が形
成されている。これらによって、再生ヘッドとして機能
するシールド型MRヘッド18が構成されている。
【0023】シールド型MRヘッド18からなる再生ヘ
ッド上には、誘導型薄膜磁気ヘッド19からなる記録ヘ
ッドが形成されている。これらによって、録再一体型磁
気ヘッド20が構成されている。薄膜磁気ヘッド19の
下部磁極は、シールド型MRヘッド18の上側磁気シー
ルド層17を構成する軟磁性層からなる。すなわち、上
側磁気シールド層17は記録ヘッドの下部磁極を兼ねて
いる。
【0024】上側磁気シールド層を兼ねる下部磁極(以
下、下部磁極と略記する)17は、下部磁極先端部(ギ
ャップ対向部)21として凸部を有している。この凸状
の下部磁極先端部21上には、AlOx 、Si、SiO
x 、SiNx などの非磁性材料からなる記録磁気ギャッ
プ22が形成されている。これらのうち、特にAl
x 、SiOx 、SiNx などの非磁性絶縁材料を記録
磁気ギャップ22に適用することが好ましい。また、下
部磁極先端部21は、記録磁気ギャップ22と接する上
面の幅が記録トラック幅に相当する幅となっている。
【0025】凸状の下部磁極先端部21上に形成された
記録磁気ギャップ22上には、さらにメッキ電極層23
が形成されている。メッキ電極層23には、導電性を有
する磁性材料、例えばNiFe合金やFeAlSi合金
などを使用することが好ましい。これら下部磁極先端部
21、記録磁気ギャップ22およびメッキ電極層23
は、凸部24を構成している。
【0026】下部磁極17上には、下部磁極先端部2
1、記録磁気ギャップ22およびメッキ電極層23を含
む凸部24をトラック幅方向から挟むように、記録磁気
ギャップ22とは異なる材料からなる非磁性材料層25
が形成されている。例えば、記録磁気ギャップ22をA
lOx で形成した場合、非磁性材料層25にはSiOx
などが適用される。
【0027】非磁性材料層25は、凸部24に対して位
置整合された凹部26を有している。この凹部26は下
部磁極先端部21、記録磁気ギャップ22およびメッキ
電極層23を含む凸部24に対応させて形成されてお
り、メッキ電極層23の表面を底としている。すなわ
ち、メッキ電極層23は後述の製造工程で示すように、
予め記録磁気ギャップ22上に形成しておくことによっ
て、凹部26の底部のみに形成されている。
【0028】凹部26は通常のPEP(Photo Engravem
ent Process)技術を適用して形成してもよいが、特に後
述する平坦化層(例えば平坦化樹脂)を用いた自己整合
工程に基いて形成することが好ましい。凹部26の形状
は、媒体対向面の幅が記録磁気ギャップ22に向かって
収束するテーパー形状となっている。
【0029】凸状の上部磁極先端部21に対して位置整
合された凹部26内には、上部磁極先端部(ギャップ対
向部)27を構成する磁性材料がメッキ法により埋め込
み形成されている。上部磁極先端部27上には補助磁極
28が形成されており、これらによって上部磁極29が
構成されている。これら上部磁極先端部27および補助
磁極29の構成材料としては、下部磁極17と同様な軟
磁性材料が用いられる。下部磁極先端部21と上部磁極
先端部27とは、記録磁気ギャップ22を挟んで凸部同
士を突き合わせた構造を有しており、またこれら磁極先
端部21、27の記録磁気ギャップ22と接する面の幅
はほぼ同一となっている。
【0030】凹部26内に埋め込み形成された上部磁極
先端部27を含む上部磁極29の後方側には、媒体対向
面に直角方向の断面図である図2に示すように、非磁性
材料層25上にポリイミドなどの絶縁層30内に埋め込
まれた、例えばCuからなるコイル31が形成されてい
る。これら各構成要素によって、録再一体型磁気ヘッド
20が構成されている。
【0031】1および図2では上部磁極29の補助磁
極28を媒体対向面(ABS)まで延在させた状態を示
しているが、補助磁極28は媒体対向面(ABS)から
後退させてもよい。
【0032】次に、上述した録再一体型磁気ヘッド10
の製造工程について説明する。
【0033】まず、図示を省略したAl2 3 付きAl
2 3 ・TiC基板などの上に、シールド型MRヘッド
18を作製する。このシールド型MRヘッド18は、一
般的なシールド型MRヘッドの製造工程に基いて作製さ
れる。
【0034】次に、シールド型MRヘッド18からなる
再生ヘッド上に、薄膜磁気ヘッド19からなる記録ヘッ
ドを作製する。この薄膜磁気ヘッド19の製造工程を図
3および図4を参照して説明する。なお、図3および図
4は図2と同方向からの断面図である。
【0035】まず、シールド型MRヘッド18の上側磁
気シールド層を兼ねる下部磁極17の上面を、例えばエ
ッチバックやポリッシングなどにより平坦化する。次い
で、この平坦化された下部磁極17に、記録磁気ギャッ
プ22となる例えば厚さ 0.2μm のAlOx 膜、および
第1のメッキ電極層23となる例えば厚さ 0.1μm のN
iFe膜を順に成膜する。
【0036】上記した積層膜に対してレジストなどのマ
スク材を用いたイオンミリングなどを施して、図3
(a)に示すように、下部磁極先端部21、記録磁気ギ
ャップ22および第1のメッキ電極層23を含む凸部2
4を形成する。ここで、凸部24のトラック幅方向(紙
面垂直方向)の幅は記録トラックに対応する幅とする。
また、媒体対向面(ABS)と垂直方向には、上部磁極
先端部27の形成位置から実際の磁気ヘッドの形成領域
外まで延在するように凸部24を形成する。
【0037】次に、図3(b)に示すように、凸部24
上を含めて下部磁極17上に、凸部24の形状に沿って
SiOx 層などからなる非磁性材料層25を形成する。
次いで、図3(c)に示すように、非磁性材料層25の
上部磁極先端部27の形成位置に、反応性イオンエッチ
ングなどの方法で第1のメッキ電極層23に達する深さ
で第1の凹部26を形成する。すなわち、第1の凹部2
6は第1のメッキ電極層23の表面を底とするように凸
部24上に形成されており、そのトラック幅方向(紙面
垂直方向)の幅は記録トラックに対応する幅とされてい
る。
【0038】さらに、図3(d)に示すように、非磁性
材料層25の磁気ヘッド形成領域外に、反応性イオンエ
ッチングなどの方法で第1のメッキ電極層23に達する
深さで第2の凹部32を形成する。すなわち、第2の凹
部32は第1のメッキ電極層23の表面を底とし、媒体
対向面(ABS)に対して垂直方向に第1の凹部26の
前方の凸部24上に形成されている。第2の凹部32は
高温ベークしたレジストマスクを使用するなどして、側
壁にテーパを付与することが好ましい。
【0039】次に、図4(a)に示すように、第1の凹
部26内部を図示せぬレジストで覆った後、例えばリフ
トオフ法で第2のメッキ電極層33を形成する。この第
2のメッキ電極層33は、第2の凹部32を介して第1
のメッキ電極層23と電気的に接続されていると共に、
ウェハの周囲まで広がっており、メッキ装置のプローブ
と電気的に接触させることが可能となっている。
【0040】すなわち、上部磁極先端部27の形成位置
に対応する第1の凹部26の底部に存在する第1のメッ
キ電極層23は、それから連続して凸部24上に形成さ
れた第1のメッキ電極層23と、この第1のメッキ電極
層23に第2の凹部32を介して電気的に接続された第
2のメッキ電極層33とを通して、メッキ装置のプロー
ブと電気的に接続される。
【0041】また、この第2のメッキ電極層33はなる
べく広面積に形成し、第1の凹部26の周囲約10μm の
範囲まで広げる。これにより、フレームメッキ法と同様
な効果が得られ、磁極先端部が形成される凹部内の場所
による電流分布の変動を小さくすることができ、組成お
よび膜厚の安定化を図ることができる。
【0042】次いで、図4(b)に示すように、レジス
トフレーム34を第2の凹部32に形成した後、第1の
メッキ電極層23および第2のメッキ電極層33を使用
して、上部電極形成のためのメッキを実施する。第1の
凹部26内には、その底部に存在する第1のメッキ電極
層23に沿ってメッキ膜35が成長する。この際、第2
のメッキ電極層33上にもメッキ膜35′が成長する。
【0043】メッキ膜35′は、図4(c)に示すよう
に、レジストフレーム34を除去した後、イオンミリン
グやケミカルエッチングによって、第2のメッキ電極層
33と共に除去する。
【0044】このようにして、第1の凹部26内には、
その底部に存在する第1のメッキ電極層23のみからメ
ッキ膜35を成長させることができ、第1の凹部26内
に良好な形状で埋め込まれたメッキ膜35が得られる。
従って、このような埋め込み形状、さらには磁気特性に
優れるメッキ膜35を上部磁極先端部27として使用す
ることが可能となる。
【0045】この後、図2に示したように、上部磁極先
端部27の後方側の非磁性材料層25上に、コイル31
が埋め込まれた絶縁層30、および上部磁極29の補助
磁極28、さらに図示を省略したAlOx などからなる
保護層を形成し、図2に示したように、第1の凹部26
内に埋め込まれた上部磁極先端部27としてのメッキ膜
35(27)が媒体対向面(ABS)となるように研磨
することによって、録再一体型磁気ヘッド20の主要部
が完成する。
【0046】この実施形態の録再一体型磁気ヘッド20
の製造工程、特に誘導型薄膜磁気ヘッド19の製造工程
では、予め凸状の下部磁極先端部21上に磁気ギャップ
22を介してメッキ電極層23を形成し、さらにこのメ
ッキ電極層23が底となるように、上部磁極先端部27
の形成位置となる第1の凹部26を形成しているため、
この第1の凹部26の底に存在する第1のメッキ電極層
23のみから上部磁極先端部27となるメッキ膜35を
成長させることができる。従って、第1の凹部26内に
上部磁極先端部27となるメッキ膜35を良好な形状で
埋め込むことができ、このような埋め込み形状および磁
気特性に優れる上部磁極先端部27を得ることが可能と
なる。
【0047】上述した実施形態においては、第1のメッ
キ電極層23をウェハ周囲に引き伸ばすために第2のメ
ッキ電極層33を利用しているが、第1のメッキ電極層
23を直接ウェハ周囲まで引き回すことも可能である。
ただし、この方法では個々のへッドから引き回された電
極線がウェハ内を横断し、 1枚のウェハから取得できる
へッドの個数を減らし、生産性を低下させるおそれがあ
る。また、ウェハの周囲と中央では引出し線の抵抗が異
なり、メッキ膜の膜厚や組成に分布が発生する可能性が
ある。
【0048】これに対して、上述した実施形態で示した
ように、第1のメッキ電極層23の表面を底とすると共
に、第1の凹部26の前方の凸部24上に第2の凹部3
2を形成し、この第2の凹部32を介して第1のメッキ
電極層23と電気的に接続された第2のメッキ電極層3
3を形成することによって、第2のメッキ電極層33
非磁性材料層25上に形成することができる。すなわ
ち、メッキ引出し線となる第2のメッキ電極層33は、
ヘッド形成領域上であっても形成することができるた
め、1枚のウェハ内のヘッド形成個数の減少などを防止
することができる。なお、第2のメッキ電極層33は前
記したように容易に除去することができる。また、第2
のメッキ電極層33は大面積化できるため、メッキ膜の
膜厚や組成の分布などの発生を抑制することが可能とな
る。
【0049】ところで、上述した薄膜磁気ヘッド19の
製造工程で、下部磁極先端部21、記録磁気ギャップ2
2および第1のメッキ電極層23を含む凸部24上の非
磁性材料層25に凹部26、32(特に第1の凹部2
6)を形成するにあたって、平坦化層を使用した自己整
合工程を適用することによって、凸部24に対して高精
度に位置合せされた第1の凹部26を容易に得ることが
できる。
【0050】すなわち、非磁性材料層25上に低分子量
の樹脂などをコートし、これを高温(〜 200℃)処理し
て平坦化する。この平坦化層をCF4 などを用いた反応
性イオンエッチング(RIE)などの方法で全面的にエ
ッチバックすると、凸部24上の非磁性材料層25が選
択的にエッチングされる。このような工程を適用するこ
とによって、下部磁極先端部21を含む凸部24に自己
整合された凹部26、ひいては上部磁極先端部27が得
られる。
【0051】次に、本発明の他の実施形態による録再一
体型磁気ヘッドについて、図5を参照して説明する。図
5はこの実施形態の録再一体型磁気ヘッドの構成を媒体
対向面(ABS)から見た断面図である。
【0052】図5に示す録再一体型磁気ヘッド(特に薄
膜磁気ヘッド19)においては、非磁性材料層25に形
成された凹部26内に、FeNなどの大きな飽和磁化を
もつ磁性材料層(高Bs層)27aと、NiFe合金や
アモルファスCoZrNb合金などの相対的に飽和磁化
が小さい磁性材料層(低Bs層)27bとの積層膜から
なる上部磁極先端部27が埋め込み形成されている。
【0053】すなわち、記録磁気ギャップ22側には高
Bs層27aが配置されており、補助磁極28側には低
Bs層27bが配置されている。このような積層構造の
上部磁極先端部27によれば、磁界強度の向上や線方向
の磁界傾度の向上などを図ることができるため、NLT
S(ノンリニアトランジションシフト)が小さい書き込
みを実現することができる。なお、上部磁極先端部27
以外の構成は図1と同一となっている。
【0054】上述した高Bs層27aおよび低Bs層2
7bはいずれもメッキ膜であり、上部磁極先端部27は
このようなメッキ積層膜により構成されている。このよ
うなメッキ積層膜からなる上部磁極先端部27は、前述
した実施形態と同様に、底部のみにメッキ電極層23が
配置された凹部26内に、高Bs層27aおよび低Bs
層27bを順にメッキすることにより得ることができ
る。メッキ積層膜からなる上部磁極先端部27であって
も、各メッキ膜27a、27bは凹部26の底に配置さ
れたメッキ電極層23のみから成長するため、良好な形
状でメッキ積層膜を凹部26内に埋め込むことができ
る。
【0055】このように、本発明によれば上部磁極先端
部27を高Bs層27aと低Bs層27bとのメッキ積
層膜で構成する場合においても、そのような上部磁極先
端部27をメッキ法で再現性よく形成することができ、
埋め込み形状および磁気特性に優れるメッキ積層膜から
なる上部磁極先端部27を再現性よく得ることが可能と
なる。
【0056】なお、図5では上部磁極先端部27のみを
高Bs層27aと低Bs層27bとの積層膜で構成する
場合について説明したが、下部磁極先端部21を同様な
積層膜で構成することも可能である。また、下部磁極先
端部21および上部磁極先端部27を高Bs層とし、下
部磁極17の本体および上部磁極29の補助磁極28を
低Bs層とすることも可能である。
【0057】上述した各実施形態による録再一体型磁気
ヘッドは、例えば図6に示す磁気ディスク装置などの磁
気記録装置に搭載される。図6はロータリーアクチュエ
ータを用いた磁気ディスク装置40の概略構造を示して
いる。
【0058】磁気ディスク41はスピンドル42に装着
され、駆動装置制御源(図示せず)からの制御信号に応
答するモータ(図示せず)により回転する。ヘッドスラ
イダ43は薄膜状のサスペンション44の先端に取り付
けられている。磁気ディスク41が回転すると、ヘッド
スライダ43の媒体対向面(ABS)は磁気ディスク4
1の表面から所定の浮上量(例えば 0nm以上 100nm以
下)をもって保持される。ヘッドスライダ43には、本
発明の録再一体型磁気ヘッド(図6では図示せず)が搭
載されている。ヘッドスライダ43は、磁気ディスク4
1上に浮上した状態で情報の記録再生を行う。
【0059】サスペンション44は、図示しない駆動コ
イルを保持するボビン部などを有するアクチュエータア
ーム45の一端に接続されている。アクチュエータアー
ム45の他端には、リニアモータの 1種であるボイスコ
イルモータ46が設けられている。ボイスコイルモータ
46は、アクチュエータアーム45のボビン部に巻き上
げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込むよう
に対向して配置された永久磁石および対向ヨークからな
る磁気回路とから構成される。アクチュエータアーム4
5は、固定軸47の上下 2カ所に設けられた図示しない
ボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモー
タ46により回転摺動が自在にできるようになってい
る。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薄膜磁気
ヘッドの製造方法によれば、埋め込み形状や磁気特性に
優れる上部磁極先端部を、プロセスコストの安価なメッ
キ法で良好にかつ再現性よく形成することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態により作製した録再一体
型磁気ヘッドの構造を媒体対向面から見た断面図であ
る。
【図2】 図1に示す録再一体型磁気ヘッドの媒体対向
面に直角方向の縦断面図である。
【図3】 本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の第1の
実施形態による要部製造工程を示す図である。
【図4】 図3に続く薄膜磁気ヘッドの製造工程を示す
断面図である。
【図5】 本発明の他の実施形態による録再一体型磁気
ヘッドの構造を媒体対向面から見た断面図である。
【図6】 本発明の薄膜磁気ヘッドが搭載される磁気デ
ィスク装置の一構成例を示す斜視図である。
【図7】 従来の凹部埋め込み方式を適用した薄膜磁気
ヘッドの媒体対向面から見た断面図である。
【符号の説明】
17……上側磁気シールド層を兼ねる下部磁極 19……薄膜磁気ヘッド 21……下部磁極先端部 22……記録磁気ギャップ 23……メッキ電極層(第1のメッキ電極層) 24……凸部 25……非磁性材料層 26……凹部(第1の凹部) 27……上部磁極先端部 29……上部磁極 32……第2の凹部 33……第2のメッキ電極層 35……メッキ膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 友彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 與田 博明 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社 東芝 川崎事業所内 (72)発明者 佐橋 政司 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社 東芝 川崎事業所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/31

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体対向面側に形成された凸状の下部磁
    極先端部を有する下部磁極と、前記下部磁極先端部上に
    形成された磁気ギャップと、前記磁気ギャップを介して
    前記下部磁極先端部と対向配置された上部磁極先端部を
    有する上部磁極と、前記媒体対向面より後方側で前記下
    部磁極と前記上部磁極との間に配置されたコイルとを具
    備する薄膜磁気ヘッドを製造するにあたり、 前記下部磁極先端部、前記磁気ギャップおよび第1のメ
    ッキ電極層を含む凸部を、前記媒体対向面と垂直方向に
    磁気ヘッド形成領域外まで延在するように形成する工程
    と、 前記凸部上に非磁性材料層を形成し、前記非磁性材料層
    の前記上部磁極先端部の形成位置に前記第1のメッキ電
    極層の表面を底とする第1の凹部を形成する工程と、 前記非磁性材料層の前記磁気ヘッド形成領域外に前記第
    1のメッキ電極層の表面を底とする第2の凹部を形成す
    る工程と、 前記第1のメッキ電極層に前記第2の凹部を介して第2
    のメッキ電極層を接続形成する工程と、 前記第1および第2のメッキ電極層を用いて前記第1の
    凹部内に前記上部磁極先端部となるメッキ膜を成長させ
    る工程とを有することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
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