JP3382139B2 - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドの製造方法

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JP3382139B2 JP32835997A JP32835997A JP3382139B2 JP 3382139 B2 JP3382139 B2 JP 3382139B2 JP 32835997 A JP32835997 A JP 32835997A JP 32835997 A JP32835997 A JP 32835997A JP 3382139 B2 JP3382139 B2 JP 3382139B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドの
製造方法、磁気抵抗効果型再生ヘッドと誘導型記録ヘッ
ドとを用いた録再一体型磁気ヘッドの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化が進み、HD
Dでは1Gb/inch2 という高記録密度システムが実用化さ
れている。このような高記録密度化に伴って、狭トラッ
ク化は必須の課題とされている。例えば、200Mb/inch2
のHDDの場合、トラック幅は7μm 程度であるが、1Gb
/inch2 のHDDでは 2μm 程度のトラック幅が要求さ
れる。さらなる高記録密度化に対応するためには、より
一層の狭トラック化および高精度化が必要となる。今
後、 10Gb/inch2 程度の高記録密度システムを実現する
ためには、幅 1μm 以下の狭トラックが要求されること
が予測される。
【0003】従来の上部磁極のみでトラック幅を規定し
た薄膜磁気ヘッド構造で、上述したような狭トラック化
および線記録密度の高密度化を達成しようとした場合、
記録トラックのサイドからの漏洩磁界によって、記録ビ
ット線のエッジでの曲りや再生ライティングが問題とな
る。そこで、下部磁極の磁気ギャップと対向する面の幅
を、上部磁極のそれと同一とする必要性が生じている。
【0004】下部磁極と上部磁極の磁気ギャップ対向面
の幅を同一とする方法としては、例えば (1)下部磁極の
磁極先端部を予め凸部形状とし、この凸部上に上部磁極
を機械的にアライメントして作製する、 (2)上部磁極を
所定形状に形成した後、この上部磁極をマスクとして下
部磁極をミリングする、 (3)媒体対向面から下部磁極と
上部磁極とを例えばFIB(Focused Ion Beam)で一括し
て加工する、などが挙げられる。
【0005】しかしながら、上記した加工方法のうち、
(1)の方法ではステッパによる機械的なアライメント精
度が± 0.1μm 程度であることから、幅 1μm 以下とい
うような狭トラックは到底精度よく加工することはでき
ない。 (2)の方法では、ミリングによる再付着によりト
ラック幅が変動し、トラック幅の高精度化を十分に達成
することができない。さらに、下部磁極と上部磁極との
間に磁気的なショートが発生しやすいという問題があ
る。 (3)の方法によれば、ある程度のトラック幅精度は
確保できるものの、ヘッド 1個毎の単品処理になること
に加えて、FIB自体のスループットが非常に遅いこと
から、量産性の点で大きな問題を有している。
【0006】凸部同士の突き合わせ構造の位置合せ精度
は、薄膜磁気ヘッドの磁極構造に限らず、各種の電子部
品で問題となっている。例えば、半導体素子においては
配線幅の微細化によって、配線へのビアホールの位置合
せ精度を確保することが困難になってきている。ビアホ
ールは通常機械的にアライメントして作製されるため、
± 0.1μm 程度のアライメント精度では配線への正確な
位置合せが困難になりつつある。液晶素子などにおいて
も、同様な問題が発生している。
【0007】一方、上述したような線記録密度の高密度
化に対して、ある種の磁性薄膜や磁性多層薄膜などの電
気抵抗が外部磁界によって変化するという、いわゆる磁
気抵抗効果(以下、MRと記す)を利用した磁気ヘッド
(MRヘッド)が再生ヘッドとして期待されている。M
Rヘッドを再生ヘッドとして用いる場合、その上部に誘
導型薄膜磁気ヘッドからなる記録ヘッドを形成すること
によって、録再一体型の磁気ヘッドとして用いることが
試みられている。MRヘッドと誘導型磁気ヘッドとを組
合せた録再一体型磁気ヘッドでは、狭トラック化に起因
して、再生トラックと記録トラックとのずれが問題にな
っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、下部磁極と上部磁極
の磁気ギャップ対向面の幅を同一とした狭トラックのヘ
ッド構造を、量産性を十分に満足させた上で、高精度に
作製することができないという問題がある。凸部同士の
突き合わせ構造の位置合せ精度は、薄膜磁気ヘッドの磁
極構造に限らず、各種の電子部品においても問題となっ
ている。さらに、MRヘッドを適用した録再一体型磁気
ヘッドにおいては、再生トラックと記録トラックとのず
れが問題になってきている。
【0009】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、量産性などを満足させた上で、媒体対
向面における下部磁極と上部磁極の磁気ギャップ対向面
の幅を略同一とし、幅の中心位置が略重なる狭トラック
ヘッド構造を高精度に作製することを可能にした薄膜磁
気ヘッドの製造方法、さらにはそのような薄膜磁気ヘッ
ドを再現性よく作製することを可能にした上で、再生ト
ラックと記録トラックとの位置ずれを解消した録再一体
型磁気ヘッドの製造方法を提供することを目的としてい
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の薄膜磁気
ヘッドの製造方法は、請求項1に記載したように、下部
磁極と、前記下部磁極と磁気ギャップを介して対向配置
された上部磁極とを有する磁気ヘッドを製造するにあた
り、前記下部磁極の一部として、記録トラックに対応す
る第1の凸部を形成する工程と、前記下部磁極上前記
第1の凸部の形状に沿って前記磁気ギャップを形成する
工程と、前記第1の凸部の形状に沿って形成された前記
磁気ギャップ上に前記第1の凸部に応じた第2の凸部を
有する非磁性材料層を形成する工程と、前記第2の凸部
を有する前記非磁性材料層上に平坦化層を形成する工程
と、前記平坦化層を利用して前記非磁性材料層をエッチ
ングすることにより、前記第1の凸部に位置整合させ
た、前記磁気ギャップに達する凹部を形成する工程と、
少なくとも前記凹部内に前記上部磁極を形成する工程と
を具備することを特徴としている。
【0011】本発明の第2の薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、請求項2に記載したように、下部磁極と、前記下部
磁極と磁気ギャップを介して対向配置された上部磁極と
を有する磁気ヘッドを製造するにあたり、前記下部磁極
上に前記磁気ギャップを形成する工程と、前記下部磁極
と磁気ギャップとの積層膜に、記録トラックに対応する
第1の凸部を形成する工程と、前記第1の凸部を有する
前記下部磁極上に、前記第1の凸部に応じた第2の凸部
を有する非磁性材料層を形成する工程と、前記第2の凸
部を有する前記非磁性材料層上に平坦化層を形成する工
程と、前記平坦化層を利用して前記非磁性材料層をエッ
チングすることにより、前記第1の凸部に位置整合させ
た、前記第1の凸部に達する凹部を形成する工程と、少
なくとも前記凹部内に前記上部磁極を形成する工程とを
具備することを特徴としている。発明の第3の薄膜磁
気ヘッドの製造方法は、請求項に記載したように、
部磁極と、前記下部磁極と磁気ギャップを介して対向配
置された上部磁極とを有する磁気ヘッドを製造するにあ
たり、前記下部磁極上に、前記下部磁極先端部前記
磁気ギャップ前記上部磁極の先端部の一部となる磁極
の積層膜からなり、かつ記録トラックに対応する第
1の凸部を形成する工程と、前記第1の凸部を有する前
記下部磁極上に、前記第1の凸部に応じた第2の凸部を
有する非磁性材料層を形成する工程と、前記第2の凸部
を有する前記非磁性材料層上に平坦化層を形成する工程
と、前記平坦化層を利用して前記非磁性材料層をエッチ
ングすることにより、前記第1の凸部に位置整合させ
た、前記第1の凸部に達する凹部を形成する工程と、少
なくとも前記凹部内に前記上部磁極を形成する工程とを
具備することを特徴としている。
【0012】
【0013】本発明の録再一体型磁気ヘッドの製造方法
は、請求項5に記載したように、上下一対の磁気シール
ド層に再生磁気ギャップを介して挟持され、第1の凹部
を備える磁気抵抗効果素子部を有する再生ヘッドと、記
録磁気ギャップを介して配置された上下一対の磁極を有
する記録ヘッドとを含む磁気ヘッドを製造するにあた
り、上側再生磁気ギャップ上に前記第1の凹部に応じた
第2の凹部を有する上側磁気シールド層を兼ねる下部磁
極を形成する工程と、前記第2の凹部を有する前記下部
磁極上に、前記第2の凹部の形状に沿って前記記録磁気
ギャップを形成する工程と、前記下部磁極と前記記録磁
気ギャップとの積層膜上に第1の平坦化層を形成する工
程と、前記第1の平坦化層を利用して前記積層膜をエッ
チングすることにより、前記第1の凹部に位置整合させ
た第1の凸部を形成する工程と、前記第1の凸部を有す
る前記下部磁極上に、前記第1の凸部に応じた第2の凸
部を有する非磁性材料層を形成する工程と、前記第2の
凸部を有する前記非磁性材料層上に第2の平坦化層を形
成する工程と、前記第2の平坦化層を利用して前記非磁
性材料層をエッチングすることにより、前記第1の凸部
に位置整合させた、前記第1の凸部に達する第3の凹部
を形成する工程と、少なくとも前記第3の凹部内に上部
磁極を形成する工程とを具備することを特徴としてい
る。
【0014】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法におい
ては、トラック幅に相当する幅の凸部に沿って非磁性材
料層を形成し、その上に平坦化層(表面平坦化効果を有
する層)を形成している。平坦化層は凸部直上では薄
く、かつそれ以外の部分では厚くなる。平坦化層の厚い
部分は凸部形状に応じて形成されるため、例えばそれを
実質的なマスクとして非磁性材料層をエッチングする。
下部磁極先端部としての凸部の上部には、自己整合によ
り高精度に位置合せされた凹部が形成される。
【0015】このような凹部内に上部磁極先端部を構成
する軟磁性層を形成することによって、媒体対向面おけ
る下部磁極先端部と上部磁極先端部の磁気ギャップ対向
面の幅を略同一とし、かつ幅の中心位置が略重なる狭ト
ラックヘッド構造を高精度に作製することができる。こ
の製造工程自体は通常のエッチング工程および成膜工程
に準ずるものであるため、十分に量産性を満足するもの
である。
【0016】本発明の録再一体型磁気ヘッドの製造方法
においては、トラック幅に相当する凸部(下部磁極先端
部)に関しても、再生トラック幅を規定する第1の凹部
に対して、自己整合により高精度に位置合せすることが
できる。従って、良好な狭トラックヘッド構造を満足さ
せた上で、さらに再生トラックと記録トラックとの位置
ずれを防止することができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0030】図1は、本発明の一実施形態による製造方
法を適用して作製した録再一体型磁気ヘッドの構成を媒
体対向面(ABS)から見た断面図である。ここで、本
発明で言う録再一体型磁気ヘッドとは、例えば磁気抵抗
効果素子部を有する再生ヘッドと、誘導型磁気ヘッドか
らなる記録ヘッドとを上下に一体的に配置形成した磁気
ヘッドである。
【0031】同図において、1は図示を省略したAl2
3 付きAl2 3 ・TiC基板などの上に形成された
下側磁気シールド層である。下側磁気シールド層1は、
例えばNiFe合金やFeAlSi合金などの結晶質軟
磁性材料、CoZrNb合金などのアモルファス軟磁性
材料からなる。
【0032】下側磁気シールド層1上には、AlO
x (例えばAl2 3 )などの非磁性絶縁材料からなる
下側再生磁気ギャップ2を介して、磁気抵抗効果膜(M
R膜)3が形成されている。MR膜3としては、Ni80
Fe20などの異方性磁気抵抗効果膜や、Co90Fe10
Cu/Co90Fe10/IrMn積層膜などからなるスピ
ンバルブ膜、人工格子膜などの巨大磁気抵抗効果膜が用
いられる。
【0033】MR膜3は所定形状にパターニングされて
いる。MR膜3の両端にはCuなどからなる一対の再生
電極4、4が接続形成されている。これらによって、M
R素子部5が構成されている。MR素子部5は必要に応
じて、MR膜3にバイアス磁界を印加する硬磁性バイア
ス膜や反強磁性バイアス膜などを有する。この実施形態
のMR素子部5では、一対の再生電極4、4の間隔で再
生トラック幅が規定されている。
【0034】MR素子部5上には、AlOx などの非磁
性絶縁材料からなる上側再生磁気ギャップ6が形成され
ている。さらにその上には、下側磁気シールド層1と同
様な軟磁性材料からなる上側磁気シールド層7が形成さ
れている。これらによって、再生ヘッドとして機能する
シールド型MRヘッド8が構成されている。
【0035】シールド型MRヘッド8からなる再生ヘッ
ド上には、誘導型薄膜磁気ヘッド9からなる記録ヘッド
が形成されている。これらによって、録再一体型磁気ヘ
ッド10が構成されている。誘導型薄膜磁気ヘッド9の
下部磁極は、シールド型MRヘッド8の上側磁気シール
ド層7を構成する軟磁性層からなる。すなわち、上側磁
気シールド層7は記録ヘッドの下部磁極を兼ねている。
【0036】上側磁気シールド層を兼ねる下部磁極(以
下、下部磁極と略記する)7上には、AlOx 、Si、
SiNx などの非磁性材料からなる記録磁気ギャップ1
2が形成されている。下部磁極7は磁極先端部(ギャッ
プ対向部)11として凸部を有している。この凸状の下
部磁極先端部11は、記録磁気ギャップ12と接する上
面の幅が記録トラック幅Tw に相当する幅とされてい
る。下部磁極先端部11は、媒体対向面の幅が記録磁気
ギャップ12に向かって収束している。すなわち、下部
磁極先端部11は記録磁気ギャップ12に向けて凸状と
されており、この凸部は記録磁気ギャップ12に向かっ
て収束するようなテーパを有している。
【0037】記録磁気ギャップ12は、凸状の磁極先端
部11を有する下部磁極7の形状に沿って形成されてい
る。なお、記録磁気ギャップ12は下部磁極先端部11
上のみに形成することも可能である。記録磁気ギャップ
12上には、この記録磁気ギャップ12を含む凸状の下
部磁極先端部(凸部)11をトラック幅方向から挟むよ
うに、SiOx などの記録磁気ギャップ12とは異なる
材料からなる非磁性材料層13が形成されている。
【0038】非磁性材料層13は、凸部11に対して位
置整合された凹部14を有している。凹部14の凸部1
1に対する位置整合は、後に詳述するように、平坦化層
(例えば平坦化樹脂)を用いた自己整合に基くものであ
る。凹部14の形状は、媒体対向面の幅が記録磁気ギャ
ップ12に向かって収束している。
【0039】凸状の上部磁極先端部11に対して位置整
合された凹部14内には、上部磁極15の磁極先端部
(ギャップ対向部)16を構成する磁性材料が埋め込み
形成されている。上部磁極15の構成材料としては、下
側磁気シールド層1と同様な軟磁性材料が用いられる。
凹部14内に埋め込み形成された上部磁極先端部16
は、記録磁気ギャップ12に向けて凸状とされており、
さらに凹部14の形状に応じて記録磁気ギャップ12に
向かって収束するようなテーパを有している。
【0040】すなわち、下部磁極先端部11と上部磁極
先端部16とは、記録磁気ギャップ12を挟んで凸部同
士を突き合わせ構造を有しており、かつ記録磁気ギャッ
プ12に向けてそれぞれ収束している。さらに、凸部1
1と凹部14とは位置整合されているため、下部磁極先
端部11と上部磁極先端部16とは、記録磁気ギャップ
12を介してそれぞれの中心位置C1 、C2 が重なるよ
うに、高精度に位置合せされた状態で形成されている。
また、これら磁極先端部11、16の記録磁気ギャップ
12と接する面の幅もほぼ同一とされている。
【0041】さらに、下部磁極先端部11としての凸部
の外形や上部磁極先端部16の形成位置となる凹部14
の外形は、フォトレジストの形(元々は露光用レティク
ルの形)、エッチング条件、エッチング精度などにより
必ずしも直線とはならず、若干変形した形状となる。た
だし、凹部14は自己整合により凸部11に対して位置
整合されているため、言い換えると凹部14は凸部11
の形状が転写された形状を有するため、平面形状を略相
似とすることができる。
【0042】すなわち、下部磁極先端部11の記録磁気
ギャップ12と接する面の面形状と上部磁極先端部16
の記録磁気ギャップ12と接する面の面形状とは、図2
(A)に示すように、略相似とされている。通常のアラ
イメント工程を経て下部磁極先端部および上部磁極先端
部を形成する場合、各磁極先端部の作製工程におけるプ
ロセス総合(レティクル精度、フォトレジストのパター
ン精度、エッチング精度など)により必ずしも直線とは
ならず、若干変形した形状となる。従って、図2(B)
に示すように、下部磁極先端部11′と上部磁極先端部
16′とは異なる平面形状となる。
【0043】凹部14内に埋め込み形成された磁極先端
部16を含む上部磁極15の後方側には、図3に示すよ
うに非磁性材料層13上に、ポリイミドなどの絶縁層1
7内に埋め込まれたコイル18が形成されている。コイ
ル18は例えばCuからなる。上述した各構成要素によ
って、録再一体型磁気ヘッド10が構成されている。
【0044】図3は上部磁極15を一括成膜したヘッド
構造を示しているが、上部磁極15は図4に示すよう
に、非磁性材料層13で形成した凹部14内に埋め込み
形成した磁極先端部半体15a(16)と、これと面接
触しバックギャップ19まで延在する磁極後部半体15
bとで構成した分離型磁極としてもよい。
【0045】なお、図4は磁極後部半体15bを媒体対
向面からリセスさせた状態を示しているが、磁極後部半
体15bの媒体対向面側の端部は媒体対向面まで延在さ
せて配置することもできる。分離型磁極は他の実施形態
においても適用可能である。次に、上述した録再一体型
磁気ヘッド10の製造工程について説明する。
【0046】まず、図示を省略したAl2 3 付きAl
2 3 ・TiC基板などの上に、シールド型MRヘッド
8を作製する。このシールド型MRヘッド8は、一般的
なシールド型MRヘッドの製造工程に基いて作製され
る。なお、後に詳述する凸部11をMR素子部5の再生
トラック位置に自己整合させる製造工程を適用すること
で、より一層再生トラックと記録トラックとの位置合せ
精度を高めることができる。さらに、MR膜3のパター
ニングに対しても、後述するように自己整合工程を適用
することができる。
【0047】次に、シールド型MRヘッド8からなる再
生ヘッド上に、誘導型薄膜磁気ヘッド9からなる記録ヘ
ッドを作製する。この誘導型薄膜磁気ヘッド9の製造工
程を図5を参照して説明する。
【0048】まず、シールド型MRヘッド8の上側磁気
シールド層を兼ねる下部磁極7の上面を、例えばエッチ
バックやポリッシングなどにより平坦化する。次いで、
図5(A)に示すように、下部磁極7の磁極先端部(ギ
ャップ対向部)となる凸部(第1の凸部)を11を形成
する。凸部11は上面の幅が記録トラック幅に相当する
幅となるように形成する。凸部11の形成工程には、通
常のPEP(PhotoEngravement Process)技術を適用す
ることができる。
【0049】すなわち、下部磁極7の磁極先端部となる
凸部11の高さは 0.3〜 0.5μm 程度である。この程度
の高さの凸部11であれば、厚さ 0.5〜 1.0μm 程度の
薄いレジストにより加工することができる。PEPはレ
ジストの厚さが薄いほど、幅および位置の精度が向上す
る。高さ 0.3〜 0.5μm 程度、幅約 0.5以下の凸部11
は、例えばi線ステッパでも精度よく加工することがで
きる。従って、記録トラックに相当する下部磁極7の磁
極先端部(凸部)11は、狭い幅で精度よく、かつMR
素子部5の再生トラックに対して高精度に位置合せされ
た状態で形成することができる。
【0050】次に、第1の凸部11を有する下部磁極7
上に、例えば厚さ 0.2μm 程度のAlOx 膜、Si膜、
SiO2 膜などからなる記録磁気ギャップ12を形成す
る。この程度の厚さの記録磁気ギャップ12は、通常の
スパッタ法などによっても、第1の凸部11の形状に沿
って形成することができる。
【0051】なお、下部磁極7上に予め記録磁気ギャッ
プ12を形成しておき、これらの積層膜に対してPEP
を施して凸部を形成してもよい。この場合、まず図6
(A)に示すように、下部磁極7上に記録磁気ギャップ
12を形成する。次いで、記録磁気ギャップ12上にレ
ジスト20を形成し、レジスト20を所望の凸部形状に
応じてパターニングする。このレジスト20をマスクと
して、記録磁気ギャップ12および下部磁極7をRIE
(Reactive Ion Etching)やイオンミリングなどでドライ
エッチングする。図6(B)に示すように、ドライエッ
チング工程により凸部11を有する下部磁極7が得られ
る。記録磁気ギャップ12は凸部11上にのみ配置され
る。
【0052】ここで、記録磁気ギャップ12の構成材料
としては、一般的にはAlOx が用いられる。AlOx
からなる記録磁気ギャップ12にドライエッチングを施
す際、レジスト20からなるマスクの損傷が問題となる
ことがある。具体的には、AlOx からなる記録磁気ギ
ャップ12とNiFe合金やFeAlSi合金などから
なる下部磁極7とのエッチングレートの差が大きいた
め、記録磁気ギャップ12をエッチングする間にマスク
となるレジスト20が大きくエッチングされてしまう。
従って、下部磁極7を凸形状にエッチングする際には、
レジスト20がマスクとしての機能を果たさなくなる。
図7はレジスト20が損傷した場合の凸部11形状を示
している。
【0053】このような問題に対しては、記録磁気ギャ
ップ12の構成材料としてNiFe合金やFeAlSi
合金などに近いエッチングレートを有する非磁性材料を
適用することが有効である。このような記録磁気ギャッ
プ12の構成材料としては、SiOx 、Si、SiC、
Ti、V、Wなどが挙げられる。これらは 0.2nm/sec以
上のミリングレートを有する。特に、下部磁極7とほぼ
同等のエッチングレートを有する非磁性絶縁材料が好ま
しく用いられる。
【0054】例えば、下部磁極7にNiFe合金を使用
し、記録磁気ギャップ12にSiOx を使用すること
で、これらを同時にイオンミリングしても良好な形状を
有する凸部11が得られる。この際に、イオンミリング
の角度は記録磁気ギャップ12および下部磁極7に対し
てそれぞれ適切な値に設定することが好ましい。図6
(B)に示すように、記録磁気ギャップ12に対するイ
オンミリングは、中心線C1 に対し 0〜40°の角度R1
でイオンが当たるような条件下で実施することが好まし
い。下部磁極7に対するイオンミリングは、中心線C1
に対し60〜80°の角度R2 でイオンが当たるような条件
下で実施することが好ましい。
【0055】なお、SiOx などを記録磁気ギャップ1
2に適用する場合、ウエハ内でのアライメント分布を向
上させるために、RFダイオード方式のスパッタを適用
してSiOx を成膜することが好ましい。RFマグトロ
ンスパッタや反応性DCマグネトロンスパッタにおい
て、基板をターゲットに対して動かし、エロージョンの
影響を平均化することも有効である。
【0056】上述したような工程で、下部磁極7の少な
くとも凸部11上に配置された記録磁気ギャップ12上
に、SiOx などからなる非磁性材料層13を形成す
る。記録磁気ギャップ12にSiOx を適用した場合、
非磁性材料層13にはSiNxなどが使用される。非磁
性材料層13は、凸部11周囲の平坦化部と凹部14の
形成部位となるため、 1.5μm 程度の厚さで形成するこ
とが好ましい。
【0057】非磁性材料層13の形成には、第1の凸部
11の形状に沿ってほぼ均等な厚さで形成されるよう
に、CVD法やコリメーションスパッタ法などの形状追
従性の高い成膜方法を適用することが好ましい。これに
よって、図5(B)に示すように、第1の凸部11の形
状が転写された第2の凸部13aを有する非磁性材料層
13が得られる。
【0058】ただし、第2の凸部13aの幅やテーパ形
状は適宜制御することも可能である。基板にバイアスを
印加するなどによって、第2の凸部13aの幅やテーパ
形状を制御することができる。第2の凸部13aの幅
は、下部磁極7の第1の凸部11の形状より大きくする
こともできるし、また小さく制御することもできる。
【0059】さらに、記録磁気ギャップ12に接する下
部磁極先端部(第1の凸部)11の上面の幅(W1
と、凹部14内に埋め込み形成される上部磁極先端部1
6の下面の幅(W3 )との差が大きくなると、サイドラ
イティングが増大する。このため、W1 とW3 とはなる
べく等しくすることが望ましい。このような条件を実現
するためには、図8に示すように、非磁性材料層13の
第2の凸部13aの上面の幅W2 が第1の凸部11の上
面の幅W1 に対してW1 ≧W2 の関係を満足するよう
に、非磁性材料層13を形成することが好ましい。
【0060】幅W2 が幅W1 と等しくなるときの記録磁
気ギャップ12上面からの高さをH1 とすると、上記し
たような非磁性材料層13であれば図9に示すように、
上部磁極先端部16を埋め込む凹部14の深さD1 をH
1 と等しくすることができる。あるいは、図10に示す
ように、D1 をH1 より小さくすることによって、W1
とW3 を等しくすることができる。これらのいずれにお
いても、エッチング工程で非磁性材料層13の凹部14
側の端部には突起が残る。
【0061】この際、非磁性材料層13はスパッタ法や
CVD法などのいずれの成膜方法で形成してもよい。ス
パッタ法の場合、一般にターゲットへの印加電力が一定
であれば、基板バイアス電力を大きくしていくとW2
小さくなる。例えばスパッタガス圧0.26Pa、ターゲット
印加電力 6.3W/cm2 のとき、基板バイアス電力は0.08W/
cm2 以上であればW1 ≧W2 の関係を満足する非磁性材
料層13が得られる。次に、図5(B)に示したよう
に、第1の凸部11に応じた第2の凸部13aを有する
非磁性材料層13上に平坦化層21を形成する。平坦化
層21には、平坦化樹脂などが用いられる。平坦化樹脂
としては、例えばノボラック樹脂のような低分子量の樹
脂が用いられる。低分子量の樹脂は例えば473K程度の加
熱により流動化するため、コーティング後に熱処理を施
すことによって、その表面を平坦化することができる。
【0062】ここで、平坦化層21は第2の凸部13a
の直上では薄く、かつ第2の凸部13aの周囲では厚く
なっている。例えば、平坦化樹脂より非磁性材料層13
のエッチングレートが大きくなるような条件下でエッチ
ングすることによって、図5(C)に示すように、平坦
化層21の第2の凸部13aの周囲の厚い部分を実質的
なマスク21aとすることができる。エッチングは例え
ばフッ素系の反応性ガスを用いたRIEにより実施す
る。
【0063】従って、図5(C)に示したように、第1
の凸部11上の非磁性材料層13の第2の凸部13aを
選択的にエッチング除去して、凹部14を形成すること
ができる。この際、非磁性材料層13を構成するSiO
x などに対して選択性を有し、AlOx 、Si、SiN
x などからなる記録磁気ギャップ12に対するエッチン
グ速度が遅い反応性ガスを用いることによって、記録磁
気ギャップ12がエッチングストッパ層として機能す
る。従って、多少オーバーエッチしても高精度に狭ギャ
ップ構造を形成することができる。なお、記録磁気ギャ
ップ12がSiOx からなる場合、非磁性材料層13に
はSiNx などが適用される。
【0064】凹部14は、その側壁にテーパを有するこ
とが好ましい。このような形状の凹部14によれば、良
好なモフォロジーを有する上部磁極先端部16が得られ
る。さらに、磁気記録特性に対しても凹部14のテーパ
形状は有効である。凹部14の側壁にテーパを形成する
ためには、平坦化層21と非磁性材料層13とのRIE
による選択比(エッチングレート)を小さくすればよ
い。通常は 3〜 4程度である。
【0065】上記したエッチング工程は、非磁性材料層
13に転写された凸形状および平坦化層21の効果に基
いて、凸部11の周囲が厚く形成された樹脂層(21)
をマスクとして実施している。これにより、通常のアラ
イメント工程を経ることなく、凸部11の上部に位置整
合された凹部14が得られる。すなわち、凹部14は凸
部11に対して自己整合により位置合せされている。
【0066】続いて、図1に示したように、凹部14内
に軟磁性材料を埋め込んで、磁極先端部16を形成しつ
つ上部磁極15を形成する。このような製造工程によっ
て、記録磁気ギャップ12を介して中心位置C1 、C2
が重なるように高精度に位置合せされた、下部磁極7の
磁極先端部(第1の凸部)11と上部磁極15の磁極先
端部(凹部14内に相当)16とを得ることができる。
これら磁極先端部11、16の記録磁気ギャップ12に
対向する面の幅もほぼ同一とすることができる。さら
に、下部磁極先端部11と上部磁極先端部16の記録磁
気ギャップ12と接する面の平面形状を略相似とするこ
とができる。
【0067】凹部14内への軟磁性材料の埋め込み形成
は、各種成膜方法を使用して実施することが可能であ
る。特に、メッキ法やコリメーションスパッタ、ロング
スロースパッタなどの方向性の高い成膜法を適用するこ
とが好ましい。メッキ法によれば、狭トラック対応の微
細化された凹部14内に、良好に軟磁性材料を埋め込む
ことができる。方向性の高い成膜法によれば、アモルフ
ァス軟磁性材料や微結晶軟磁性材料などの比較的比抵抗
の高い軟磁性材料を良好に埋め込むことができ、優れた
高周波磁気特性を得ることができる。
【0068】そして、図3に示したように、上部磁極1
5の後方側の非磁性料層13上に、コイル17が埋め込
まれた絶縁層16を形成し、さらに図示を省略したAl
xなどからなる保護層を形成することによって、録再
一体型磁気ヘッド10の主要部が完成する。
【0069】なお、上述した製造工程において、記録磁
気ギャップ12は非磁性材料層13に凹部14を形成し
た後に、上部磁極15と同様にして形成してもよい。ま
た、平坦化層21の利用方法は、上述した直接マスク材
として使用することに限られるものではない。例えば、
通常のレジストを凸状の非磁性材料層13上に形成した
後、平坦化層21を形成し、この平坦化層21をエッチ
バックすることにより、その平坦表面をレジストに転写
するというように利用することもできる。この場合に
は、平坦化されたレジストをマスク材として使用する。
レジストに代えて、スパッタ法などで成膜した膜を、マ
スクとして用いることも可能である。さらに、平坦化層
21としてはCMPにより平坦化した膜を用いることも
できる。
【0070】この実施形態の録再一体型磁気ヘッド10
の製造工程、特に誘導型薄膜磁気ヘッド9の製造工程で
は、非磁性材料層13に転写された凸形状および平坦化
層21に基いて、凹部14を凸部11に自己整合させて
いる。この凹部14内に、下部磁極先端部11と記録磁
気ギャップ12を介して対向する上部磁極先端部16を
埋め込み形成している。これらによって、下部磁極先端
部11と上部磁極先端部16の記録磁気ギャップ12に
対向する幅を略同一とした狭トラックヘッド構造を、露
光のためのアライメント精度などに左右されることな
く、高精度に作製することができる。このような誘導型
薄膜磁気ヘッド9は、狭トラック化による記録密度の高
密度化に十分に対応し得るものである。
【0071】さらに、この実施形態の製造工程は通常の
エッチングおよび成膜工程に準ずるものであり、加えて
位置合せ工程、露光・現像工程を省くことができる。従
って、高性能の誘導型薄膜磁気ヘッド9、さらにはそれ
を記録ヘッドとして用いた録再一体型磁気ヘッド10を
低コストで作製することができる。すなわち、量産性を
十分に満足させることが可能となる。
【0072】得られるヘッド構造については、下部磁極
先端部11と上部磁極先端部16の媒体対向面における
幅を、それぞれ記録磁気ギャップ12に向かって収束さ
せている。従って、記録磁気ギャップ12での磁界強度
を向上させることができる。言い換えると、優れた磁界
傾度が得られ、NLTSを小さくすることが可能とな
る。これらは狭トラック化により高記録密度化した際の
線磁気記録特性の向上に大きく寄与するものである。
【0073】さらに、上部磁極先端部16の形成部位と
なる凹部14の面形状は、凸部11の面形状を転写した
ものであるため、これら凹部14と凸部11の面形状は
略相似形となる。従って、図2(A)に示したように、
下部磁極先端部11と上部磁極先端部16の記録磁気ギ
ャップ12と接する面の面形状は略相似となる。
【0074】磁気ヘッドの媒体対向面(ABS)は、通
常、ヘッドのハイト方向に研磨することにより形成され
る。この実施形態の薄膜磁気ヘッド9においては、下部
磁極先端部11と上部磁極先端部16との面形状が略相
似であるため、ハイトが多少ずれても下部磁極先端部1
1の幅と上部磁極先端部16の幅の差を同一とすること
ができる。結果的に、ハイトが多少ずれてもほぼ同一の
サイドフリンジとなり、さらにサイドフリンジ自体を小
さくすることができる。これらによって、特性の揃った
薄膜磁気ヘッド9を再現性よく得ることが可能となる。
なお、図2(B)に示した従来の薄膜磁気ヘッドにおい
ては、ハイトによりサイドフリンジが大きく異なり、さ
らにサイドフリンジ自体も大きくなるおそれが高い。
【0075】凸部11に自己整合させて形成した凹部1
4は、その形成工程(特にエッチング工程)を制御する
ことで、図11に示すように、下部磁極先端部11とし
ての凸部より幅広に形成することができる。このような
形状の凹部14内に軟磁性材料を埋め込んで上部磁極先
端部16を形成すると、図12に示すように、上部磁極
先端部16の記録磁気ギャップ12側の両端は、下部磁
極先端部11の側面近傍まで突出した形状となる。この
状態を図13に拡大して示す。前述のプロセスを応用す
れば、上部磁極先端部16の両端の突出部16aは、そ
の幅をそれぞれ0.05μm 以下程度に制御することができ
る。
【0076】図13に示すように、凹部14は中央部と
それとトラック幅方向に隣接する端部とを有している。
端部は中央部より下部磁極先端部11側に突出してい
る。このような凹部14の端部内に埋め込まれた磁極層
は、下部磁極先端部11側に突出した突出部16aを構
成している。磁極先端部16の記録磁気ギャップ12側
の両端を下部磁極先端部11の側面近傍まで突出させる
ことによって、磁極先端部11、16側面に漏洩する磁
界を大幅に抑制することができる。すなわち、記録時の
サイドライトの原因となる磁束のトラック両側面への漏
洩を抑制することが可能となる。これによって、サイド
ライトの幅が現状の 0.1〜 0.2μm 程度から0.05μm 程
度に抑えることができる。
【0077】ここで、通常のアライメント工程を経て上
部磁極先端部16の両端を突出させた場合、突出部の幅
は当然広くなってしまう。これでは記録磁界そのものを
減少させ、記録特性の低下を招くことになる。一方、本
発明では凹部14の自己整合工程を利用して、サイドラ
イト防止用の突出部16aを形成しているため、その幅
をそれぞれ0.05μm 以下程度に制御することができる。
従って、記録特性を低下させることなく、サイドライト
を防止することができる。
【0078】サイドライトは、図14に示すように、記
録磁気ギャップ12の上面側および下部磁極先端部11
の両側面を覆うように、例えば厚さ0.05μm 程度の軟磁
性層22を形成することで、より効果的に防止すること
ができる。すなわち、記録時にトラック両側面へ漏洩す
る磁束は、軟磁性層22を通って他方の磁極に流れる。
従って、記録時のトラック両側面への磁束漏洩を極力低
減することができる。このようなヘッド構造は、凹部1
4の自己整合工程を利用することで容易に得ることがで
きる。以下に製造工程について述べる。
【0079】まず、記録磁気ギャップ12を含めて下部
磁極7の上部を凸状に加工する。凸状への加工工程につ
いては前述した通りである。次いで、凸部(磁極先端
部)11上にのみ記録磁気ギャップ12が配置された下
部磁極7上に、厚さ0.05μm 程度の軟磁性層22を形成
する。その上に非磁性材料層13を形成した後、自己整
合工程を利用して凹部14を形成する。この際、凹部1
4の底部には軟磁性層22が存在する。この凹部14内
に軟磁性材料を埋め込んで、磁極先端部16を形成しつ
つ上部磁極15を形成する。従って、軟磁性層22の記
録磁気ギャップ12と接する部分は上部磁極先端部16
の一部となり、また下部磁極先端部11の両側面と接す
る部分はサイドライトの防止層となる。
【0080】上述したように、本発明では再生ヘッドと
してのシールド型MRヘッド8の製造工程、ならびに下
部磁極先端部(凸部)11の形成工程は、通常のPEP
工程に基いて実施することができる。凸部11の高さが
低いため、通常のPEP工程によっても記録トラックに
対応する凸部11は再生トラックに対して精度よく形成
することができる。さらに、凸部11は凹部14の自己
整合による形成工程と同様に、一対の再生電極4、4に
より形成される凹部に対して自己整合させて形成するこ
とができる。凸部11は一対のバイアス膜により形成さ
れる凹部に対して自己整合させてもよい。これらによっ
て、再生トラックと記録トラックとの位置精度を、より
一層高めることができる。
【0081】凸部11の自己整合工程を含むシールド型
MRヘッド8の製造工程、さらには録再一体型磁気ヘッ
ド10の製造工程を、図15、図16および図17を参
照して説明する。
【0082】まず、図示を省略したAl2 3 付きAl
2 3 ・TiC基板などの上に、スパッタ法などで下側
磁気シールド層11となる軟磁性層を形成する。その上
に厚さ 0.1μm 程度のAlOx 膜などからなる下側再生
磁気ギャップ2と、異方性磁気抵抗効果膜やスピンバル
ブ膜などからなるMR膜3を順に成膜する。
【0083】MR膜3を所定形状にパターニングした
後、その両端に厚さ 0.2μm 程度のCu層などからなる
一対の再生電極4、4を、例えばリフトオフ法により形
成してMR素子部5とする。さらに、その上に例えば厚
さ 0.1μm 程度のAlOx 膜などからなる上側再生磁気
ギャップ6を形成する(図15(A))。なお、再生電
極4の下方にバイアス膜を形成して、後述する凹部の高
さを制御してもよい。上記したMR素子部5において
は、一対の再生電極4、4の間隔で再生トラックが規定
される。これら再生電極4上を含めて形成される上側再
生磁気ギャップ6は、一対の再生電極4、4の間隔およ
び厚さに対応する凹部(第1の凹部)形状を有する。図
15(B)に示すように、凹部形状を有する上側再生磁
気ギャップ6上には、上側磁気シールド層7となる軟磁
性層が形成される。
【0084】上側磁気シールド層7は、上側再生磁気ギ
ャップ6の凹部形状に沿ってほぼ均等な厚さで形成され
るように、CVD法やコリメーションスパッタ法などの
形状追従性の高い成膜方法で形成することが好ましい。
これによって、図15(B)に示したように、上側再生
磁気ギャップ6の凹部形状が転写された凹部(第2の凹
部)23を有する上側磁気シールド層7が得られる。上
側磁気シールド層7の厚さは、凹部23に相当する部分
の厚さが、記録トラックに対応する凸部11を含む厚さ
となるように設定する。
【0085】次に、凹部23を有する上側磁気シールド
層7、すなわち上側磁気シールド層を兼ねる下部磁極7
上に、厚さ 0.2μm 程度のAlOx 膜などからなる記録
磁気ギャップ12を形成する。この後、図15(C)に
示すように、前述した製造工程と同様にして、平坦化層
(平坦化樹脂層)24を形成する。
【0086】ここで、平坦化層24は再生トラックに対
応する凹部23の直上では厚く、かつそれ以外の周囲で
は薄くなっている。このような平坦化層(樹脂層)24
をマスク材として、下部磁極7をRIEなどによりエッ
チングする。RIEは樹脂層24より下部磁極7のエッ
チングレートが大きくなるような条件下で実施する。平
坦化樹脂層24の厚い部分が実質的なマスクとして機能
する。
【0087】従って、図15(D)に示すように、再生
トラックに対応する凹部23の周囲の下部磁極7が選択
的にエッチング除去される。これによって、凹部23に
対応する凸部11を形成することができる。この際、下
部磁極7に対して選択性を有し、記録磁気ギャップ12
に対するエッチング速度が遅い反応性ガスを用いると、
記録磁気ギャップ12がエッチングストッパ層として機
能する。これによって、多少オーバーエッチしても高精
度に狭ギャップ構造を形成することができる。
【0088】上述したエッチング工程は、下部磁極7に
転写された再生トラックの凹部形状に対応する凹部23
および表面平坦化効果に基いて、凹部23上が厚い平坦
化樹脂層24をマスクとして用いて実施している。この
ため、通常のアライメント工程を経ることなく、再生ト
ラックに対応する凹部23に位置整合された凸部11が
得られる。凸部11は凹部23に対して自己整合により
位置合せされている。すなわち、再生トラックに対応す
る凹部23と記録トラックに対応する凸部11とを、自
己整合により高精度に位置合せすることができる。
【0089】凸部11は、例えば以下のようにして形成
してもよい。図16(A)に示すように、凹部23を有
する下部磁極7上に、AlOx などの下部磁極7よりイ
オンミリングレートが小さいマスク材25を形成する。
マスク材25は凹部23の形状に沿って形成される。そ
の上に平坦化層24を形成する。
【0090】次に、例えばイオンミリングで平坦化層2
4とマスク材25をエッチングすることによって、図1
6(B)に示すように、凹部23内のみにマスク材25
を配置することができる。凹部23内のマスク材25を
マスクとして、下部磁極7をエッチングする。図15
(D)と同様に、凹部23に対応する凸部11を下部磁
極7に形成することができる。
【0091】凸部11の他の形成方法としては、以下に
示す方法が挙げられる。まず、凹部23を有する下部磁
極7上に、SiOx やAlOx などの反応性イオンエッ
チングが容易なマスク材を形成する。マスク材は凹部2
3の形状に沿って形成される。その上に平坦化層を形成
する。イオンミリングや反応性イオンエッチングなどで
平坦化層をエッチングし、マスク材の凹部内のみに平坦
化層を残存させる。
【0092】次に、凹部内のみに存在する平坦化層(樹
脂層)をマスクとして、マスク材を反応性イオンエッチ
ングする。この際のエッチングは、平坦化層(樹脂層)
のエッチングレートが遅く、マスク材のエッチングレー
トが速くなるような条件下で実施する。マスク材は凹部
の形状に対応した凸部となる。この凸部形状のマスク材
をマスクとして、下部磁極7をエッチングする。図15
(D)と同様に、凹部23に対応する凸部11が下部磁
極7に形成される。
【0093】図15(D)に示したように、上面に記録
磁気ギャップ12が形成された下部磁極先端部(凸部)
11を利用して、図5に示した製造工程と同様に、非磁
性材料層13の形成、平坦化層21の形成、平坦化層2
1を利用したエッチング、上部磁極15の形成などの各
工程を実施する。図17に示すように、シールド型MR
ヘッド8からなる再生ヘッドと、誘導型薄膜磁気ヘッド
9からなる記録ヘッドとを有する録再一体型磁気ヘッド
10が得られる。
【0094】上記した製造工程においては、下部磁極7
の凹部23内に配置されるマスクの厚さは再生電極4に
よる段差にほぼ相当する。従って、下部磁極先端部11
としての凸部の高さも同様となる。下部磁極先端部11
を高くしたい場合には、以下に示すような製造工程を適
用すればよい。
【0095】まず、図18(A)に示すように、凹部2
3を有する下部磁極7上に、SiOx などの絶縁膜26
とNiなどの金属膜27を順に形成する。その上に平坦
化層28を形成する。次いで、例えばイオンミリングや
反応性イオンエッチングで平坦化層28と金属膜27を
エッチングする。図18(B)に示すように、下部磁極
7の凹部23に対応する絶縁膜26の凹部内のみに金属
膜27が配置される。この残存する金属膜27上に、図
18(C)に示すように、無電界メッキ法などでメッキ
膜(例えばCu)29を形成する。
【0096】次に、図19(A)に示すように、メッキ
膜29をマスクとして、例えばイオンミリングや反応性
イオンエッチングで絶縁膜26と下部磁極7をエッチン
グする。図19(B)に示すように、再度平坦化層28
を形成する。この後、平坦化層28、メッキ膜29、金
属膜27および絶縁膜26を、例えばイオンミリングで
エッチングする。図19(C)に示すように、凹部23
に対応する凸部11を下部磁極7に形成することができ
る。凸部11の高さは、マスクとしてのメッキ膜の厚さ
で制御することができる。
【0097】凸部11の高さの他の制御方法としては、
以下に示す方法が挙げられる。まず、図20(A)に示
すように、凹部23を有する下部磁極7上に、SiOx
などの絶縁膜26と平坦化層28を順に形成する。次い
で、例えばイオンミリングで平坦化層28をエッチング
する。図20(B)に示すように、下部磁極7の凹部2
3に対応する絶縁膜26の凹部内のみに平坦化層28が
配置される。この残存する平坦化層28をマスクとして
絶縁膜26をエッチングする。図20(C)に示すよう
に、絶縁膜26に凸部を形成する。
【0098】次に、図21(A)に示すように、再度平
坦化層28′を形成する。図21(B)に示すように、
第1の平坦化層28と第2の平坦化層28′と絶縁膜2
6の凸部を、イオンミリングなどでエッチングして平坦
化する。絶縁膜26の凸部の周囲には、第2の平坦化層
28′が残る。この残った第2の平坦化層28′をマス
クとして絶縁膜26をエッチングして、図21(C)に
示すように、絶縁膜26に凹部を形成する。
【0099】次いで、図22(A)に示すように、絶縁
膜26の凹部内にCVD法によりWなどの金属膜30を
選択成長させた後、絶縁膜26を除去する。金属膜30
をマスクとして、例えば反応性イオンエッチングで下部
磁極7をエッチングする。図22(B)に示すように、
再度平坦化層28を形成する。この後、平坦化層28、
金属膜30および下部磁極7を、例えばイオンミリング
でエッチングする。図22(C)に示すように、凹部2
3に対応する凸部11を有する下部磁極7が得られる。
凸部11の高さは、マスクとしての金属膜30の厚さで
制御することができる。
【0100】上記した録再一体型磁気ヘッド10の製造
工程においては、記録トラックに相当する凸部11を、
再生トラックに対応する凹部23に自己整合させて形成
している。従って、再生トラックと記録トラックとを高
精度に位置合せすることが可能となる。このような録再
一体型磁気ヘッド10は、狭トラック化による高記録密
度化を図った場合においても、良好な再生出力を再現性
よく得ることができるものである。なお、記録トラック
部分の位置合せ精度については、前述した通りである。
【0101】さらに、この実施形態の製造工程は、通常
のエッチングおよび成膜工程に準ずるものであり、加え
てステッパなどによる位置合せ工程、露光・現像工程が
省略されている。この磁気ヘッドの製造工程によれば、
高性能の録再一体型磁気ヘッド10を低コストで作製す
ることが可能となる。すなわち、量産性を十分に満足さ
せることができる。
【0102】上述した録再一体型磁気ヘッドの製造工程
において、MR素子部5は図23に示すように、自己整
合工程を利用した製造工程により作製してもよい。ま
ず、下側再生磁気ギャップ2上に、バイアス膜31とな
る硬磁性膜や反強磁性膜を成膜する。次いで、図23
(A)に示すように、一対のバイアス膜31の間隙が例
えば 2μm 程度となるようにイオンミリングなどでパタ
ーニングする。このパターニングにあたって、一対のバ
イアス膜31の内側端部がそれぞれ正傾斜面31aとな
るようにミリングする。正傾斜面31aの角度θは例え
ば30°とする。
【0103】図23(B)に示すように、パターニング
された一対のバイアス膜31上にはMR膜3が形成され
る。MR膜3としてスピンバルブGMR膜を用いる場合
には、例えば感磁層、非磁性導電層、磁化固着層、反強
磁性層および保護膜を順に積層する。感磁層の下側に非
磁性下地膜を形成してもよい。
【0104】次に、MR膜3の一対のバイアス膜31の
間隙内に存在する部分を除いて、イオンミリングなどで
エッチバックする。すなわち、MR膜3を一対のバイア
ス膜31の間隙内のみに配置するように、MR膜3をパ
ターニングする。
【0105】具体的には、一対のバイアス膜31による
MR膜3の段差を平坦化するように、図23(C)に示
すように、MR膜3上に平坦化層32を形成する。次い
で、MR膜3の段差内にのみ平坦化層32が残るよう
に、平坦化層32をイオンミリングしてエッチバックす
る。段差内に存在する平坦化層32をマスクとして利用
して、MR膜3をイオンミリングした後、残余の平坦化
層32を除去する。図23(D)に示すように、一対の
バイアス膜32の間隙内のみに存在するMR膜3が得ら
れる。
【0106】次に、MR膜3の幅方向(デプス方向)を
規定するパターニングを、別途レジストを形成してイオ
ンミリングなどにより実施する。このようにして、トラ
ック方向および幅方向のパターニングを実施したMR膜
3上および一対のバイアス膜31上に、一対の再生電極
4となる良導体膜を成膜する。図23(E)に示すよう
に、良導体膜をリフトオフ法でパターニングして、一対
の再生電極4を形成する。一対の再生電極4は、その間
隔が一対のバイアス膜31の間隙より狭くなるようにパ
ターニング(例えば間隔 1μm )する。
【0107】このようにして、一対のバイアス膜31の
間隙内のみにMR膜3を配置したMR素子部5が得られ
る。このようなMR素子部5によれば、急峻なマイクロ
トラックプロファイルが得られる。すなわち、再生ヘッ
ドを高分解能化することができる。
【0108】次に、本発明の他の実施形態による製造方
法を適用して作製した録再一体型磁気ヘッドについて、
図24を参照して説明する。
【0109】図24に示す録再一体型磁気ヘッド41
は、誘導型薄膜磁気ヘッド42からなる記録ヘッドのト
ラック部分が凸部44として、上面が平坦化された上側
磁気シールド層を兼ねる下部磁極本体43上に形成され
ている。すなわち、上面が平坦化された下部磁極本体4
3上には、下部磁極の磁極先端部45、記録磁気ギャッ
プ12および上部磁極の磁極先端部の一部となるギャッ
プ対向部46が順に形成されている。上部磁極のギャッ
プ対向部46は第1の上部磁極層からなる。下部磁極先
端部45および上部磁極のギャップ対向部46には、F
eNなどの窒化物系軟磁性材料やFeCoのように、飽
和磁束密度が大きい軟磁性材料を用いることが好まし
い。
【0110】下部磁極本体43上には、凸部44を挟む
ように、SiOx などからなる非磁性材料層13が形成
されている。非磁性材料層13は凸部44に対して位置
整合された凹部14を有している。凹部14の位置は平
坦化層を用いた自己整合に基くものである。前述した結
晶性軟磁性材料やアモルファス軟磁性材料からなる上部
磁極先端部の残りの部分47は、凹部14内に埋め込み
形成されている。上部磁極先端部の残りの部分47と上
部磁極本体47とは第2の上部磁極層からなる。なお、
これら以外については、図1、図2および図3に示した
録再一体型磁気ヘッド10と同一構成を有している。
【0111】次に、上述したFeNなどからなる磁極先
端部(ギャップ対向部)45、46を有する録再一体型
磁気ヘッド41の製造工程について、図25を参照して
説明する。
【0112】まず、前述した実施形態と同様にしてシー
ルド型MRヘッド8を作製する。このシールド型MRヘ
ッド8の上側磁気シールド層を兼ねる下部磁極本体43
の上面を、例えばエッチバックやポリッシングなどによ
り平坦化する。この平坦化された下部磁極本体43上
に、下部磁極先端部45となる例えば厚さ 0.3μm のF
eN膜、記録磁気ギャップ12となる例えば厚さ 0.2μ
m のAlOx 膜、および上部磁極のギャップ対向部46
となる例えば厚さ 0.3μm のFeN膜を順に成膜する。
この積層膜を通常のPEP技術などでパターニングし
て、図25(A)に示すように、記録トラックに対応す
る凸部44を形成する。
【0113】ここで、記録磁気ギャップ12近傍の磁性
体45、46は、平坦な面上に形成することが好まし
い。凹凸を有する下地上では、応力の不均一性が発生し
て、磁性体の異方性が分散する。これは軟磁気特性を劣
化させ、ひいては記録効率の低下につながる。FeN系
の膜はプロセス中のN2 ガスの流れに、その磁気特性が
大きく影響を受ける。この点からも磁性体45、46は
なるべく平坦な下地上に形成することが好ましい。上述
したように、平坦化された下部磁極本体43上に下部磁
極先端部45および上部磁極のギャップ対向部46を成
膜することによって、記録トラック部分を高性能化する
ことができる。
【0114】下部磁極先端部45、記録磁気ギャップ1
2および上部磁極のギャップ対向部46による積層膜の
厚さは高々 0.8μm 程度である。よって、厚さ 1μm 程
度の薄いレジストにより加工することができる。前述し
たように、PEPはレジストの厚さが薄いほど位置精度
が向上し、例えばi線ステッパでも精度よく加工するこ
とができる。従って、凸部44はMR素子部5の再生ト
ラックに対して十分精度よく位置合せした状態で形成す
ることができる。
【0115】次に、凸部44上を含めて下部磁極本体4
3上に、前述した実施形態と同様に、凸部44の形状に
沿ってほぼ均等な厚さでSiOx 層などからなる非磁性
材料層13を形成する。記録磁気ギャップ12にSiO
x などを適用する場合、非磁性材料層13にはSiNx
などを使用する。次いで、図25(B)に示すように、
凸部44の形状が転写された凸状の非磁性材料層13上
に、平坦化層(例えば平坦化樹脂層)49を形成する。
【0116】そして、平坦化樹脂層49の凸部44直上
の厚い部分を実質的なマスクとして利用して、前述した
実施形態と同様に、非磁性材料層13をエッチングす
る。このエッチングは、平坦化樹脂層49より非磁性材
料層13のエッチングレートが大きくなるような条件下
で、RIEなどにより実施する。図25(C)に示すよ
うに、凸部44に自己整合した凹部14が得られる。
【0117】凹部44内に上部磁極先端部の残りの部分
47となる軟磁性材料を埋め込み、さらに上部磁極本体
48を形成する。これによって、上部磁極のギャップ対
向部46と残りの部分47とを高精度に位置合せして形
成することができる。下部磁極先端部45および上部磁
極のギャップ対向部46については、上面が平坦化され
た下部磁極本体43上に連続成膜することによって、高
精度に位置合せすることができる。さらに、これらの記
録磁気ギャップ12に対向する面の幅もほぼ同一とする
ことができる。
【0118】上述した実施形態の録再一体型磁気ヘッド
41の製造工程、特に誘導型薄膜磁気ヘッド42の製造
工程によれば、前述した実施形態と同様に、下部磁極先
端部45のギャップ対向部と上部磁極のギャップ対向部
46の幅をほぼ同一とした狭トラックヘッド構造を高精
度に作製することができる。
【0119】さらに、高飽和磁束密度を有するFeNな
どの窒化物系軟磁性材料の特性を十分に引き出すことが
できる。コイルが埋め込まれた絶縁層を形成する前に、
予め記録トラック部分が完成するため、例えばMR膜3
の耐熱温度のみを考慮した温度で熱処理を施すことがで
きる。この熱処理温度の上昇はギャップ近傍の磁気特性
の向上に繋がる。これらによって、録再一体型磁気ヘッ
ド41の磁気記録特性の向上を図ることが可能となる。
なお、製造コストなどに関しては前述した実施形態と同
様である。
【0120】記録ヘッドのトラック部分は、媒体対向面
における磁極の磁気ギャップ対向面の幅が最も狭く、磁
気ギャップから離れるにつれて広くなることが、信号磁
界を効率的に供給する点から好ましい。この点を考慮し
て、図24に示した構造を図26に示す構造に変形する
ことができる。
【0121】すなわち、上部磁極のギャップ対向部4
6′としての第1の上部磁極層を成膜した後、磁極形成
予定領域にPEP工程によりレジストパターンを形成す
る。このレジストパターンをマスクとして、第1の上部
磁極層46′、記録磁気ギャップ12′および下部磁極
先端部45′を順次RIE法などでエッチングする。こ
の際、第1の上部磁極層46′および記録磁気ギャップ
12′までエッチングした後、基板に印加する電圧を低
くする。エッチング種の入射エネルギーは低くなる。こ
れによって、下部磁極先端部45′は末広がりのテーパ
をもつ。
【0122】つまり、記録磁気ギャップ12′までは、
エッチングの異方性を強くだして略垂直な側壁形状を得
る。記録磁気ギャップ12′より下側ではエッチングの
等方性を強くする。図26に示す記録ヘッドの媒体対向
面において、下部磁極先端部45′および上部磁極先端
部46′、47は、記録磁気ギャップ12′と接する面
の幅が最も狭い。下部磁極先端部45′は、記録磁気ギ
ャップ12′と接する面から下部磁極本体43に向けて
広がっている。上部磁極先端部において、記録磁気ギャ
ップ12′と接するギャップ対向部46′は記録トラッ
ク幅に相当する幅を有し、残りの部分47は上部磁極本
体48に向けて広がっている。
【0123】なお、本発明において、磁気ヘッドの媒体
対向面に例えば媒体との摩擦による磨耗を防止するため
のコーティング(被覆)層などを備えることができる。
このように被覆層を形成した場合であっても、本発明に
よれば上述の作用・効果を得ることができる。また、上
述した各実施形態ではいずれも下部磁極および上部磁極
の媒体対向面における幅を磁気ギャップに向かって収束
する構成を示したが、これらを両側から挟持する非磁性
材料層の凹部側壁を略垂直にすることも本発明の製造方
法に含まれる。
【0124】本発明の製造方法の特徴である自己整合工
程は、コイルの製造に適用することも可能である。その
ような録再一体型磁気ヘッドについて、図27、図2
8、図29を参照して説明する。図27はこの例の録再
一体型磁気ヘッドの概略構造を一部切り欠いて示す図で
ある。図28は薄膜磁気ヘッド9の要部縦断面図であ
る。図29は媒体対向面から見た断面図である。
【0125】これらの図に示される録再一体型磁気ヘッ
ドは、前述した実施形態と同様に、再生ヘッドとしての
シールド型MRヘッド8と、記録ヘッドとして薄膜磁気
ヘッド9とを有している。シールド型MRヘッド8の構
成は前述した実施形態と同様である。
【0126】薄膜磁気ヘッド9の下部磁極は、上側磁気
シールド層7と同一の磁性層により構成されている。上
側磁気シールド層を兼ねる下部磁極7には、NiFe合
金、FeSiAl合金などの結晶質軟磁性材料、(F
e,Co)N系、(Fe,Co)O系などの微結晶軟磁
性材料、CoZrNb合金のようなアモルファス軟磁性
材料などが用いられる。下部磁極7はこれら軟磁性体を
複数積層して構成することもできる。
【0127】下部磁極7は、図28および図29に示す
ように、媒体対向面に面した磁極先端部11とコイル形
成位置とが凸形状とされている。下部磁極7は、上部磁
極先端部16およびコイル18と対向する表面に、これ
らの形成位置と整合する複数の凸部50を備えている。
上部磁極先端部16の形成位置と整合する凸部50a
は、記録トラック幅に対応する幅を有する下部磁極先端
部11に相当する。図中50bはコイル18の形成位置
と整合する凸部であり、コイル18の形成形状に沿って
形成されている。凸部50を有する下部磁極7はコイル
18の下地層としての機能を有している。
【0128】凸部50を有する下部磁極7上には、その
凸部50の形状に沿って、アモルファスSi(a-S
i)、AlOx 、SiNx などからなる第1の非磁性材
料層12aが、記録磁気ギャップ12の一部として形成
されている。この第1の非磁性材料層12a上には、記
録磁気ギャップ12とは異なる非磁性材料、例えばSi
x からなる凹部形成層51が形成されている。凹部形
成層51はコイル18周囲の絶縁層としても機能する。
従って、凹部形成層51には非磁性絶縁材料が用いられ
る。
【0129】凹部形成層51は、上部磁極先端部16の
形成位置およびコイル形成位置に対応する凸部50に対
して位置整合され、かつ第1の非磁性材料層12aが底
面となる凹部52を有している。凹部形成層51は、上
部磁極先端部16の形成位置に対応する凸部50aに対
して位置整合された第1の凹部52aと、コイル18の
形成位置に対応する凸部50bに対して位置整合された
溝状の第2の凹部52bとを有している。これら凹部5
2の位置整合は平坦化層を用いた自己整合に基くもので
ある。
【0130】凸部50bに対して位置整合された第2の
凹部52b内には、CuやCu合金などからなるコイル
18が埋め込み形成されている。コイル18は、隣接す
る凸部50b間に形成された凹部形成層51により電気
的に分離されている。第2の凹部52b内に埋め込まれ
たコイル18上を含めて、凹部形成層51上には、記録
磁気ギャップ12の一部となる第2の非磁性材料層12
bが形成されている。第2の非磁性材料層12bは第1
の非磁性材料層12aと同様な材料からなる。すなわ
ち、コイル18は第2の凹部52b内に埋め込まれ、そ
の周囲は第1の非磁性材料層12a、凹部形成層51お
よび第2の非磁性材料層12bにより絶縁されている。
【0131】第2の非磁性材料層12bは記録磁気ギャ
ップ12の一部となるため、媒体対向面側は上部磁極先
端部16の形成位置に対応する第1の凹部52aの内壁
面に沿って形成されている。媒体対向面において、実際
に記録磁気ギャップ12として機能する部分は、第1お
よび第2の非磁性材料層12a、12bの積層膜により
構成されている。第1の凹部52a内には、上部磁極1
5を構成する軟磁性材料が埋め込み形成されている。上
部磁極先端部16は第1の凹部53a内に埋め込まれた
軟磁性材料により構成されている。
【0132】ここで、凸部50aと第1の凹部52aと
は位置整合している。従って、下部磁極先端部11と上
部磁極先端部16とは、媒体対向面にて記録磁気ギャッ
プ12を介して対向配置されていると共に、それぞれの
中心位置が重なるように高精度に位置合せされた状態で
形成されている。記録磁気ギャップ12に対向する面の
幅もほぼ同一とされている。さらに、上部磁極先端部1
6は各凸部50a、50bの形成位置に基いて、コイル
18と位置整合されている。
【0133】上部磁極15はその磁極先端部16から連
続して、媒体対向面の後方部側に向って形成されてい
る。上部磁極15の後方部側の端部は、下部磁極7と磁
気的に接続されている。下部磁極7と上部磁極15と
は、記録磁気ギャップ12を介して 1つの磁気回路を形
成しており、この磁気回路内にコイル18が下部磁極7
および上部磁極15とは絶縁された状態で配置されてい
る。これらによって、記録ヘッドとしての薄膜磁気ヘッ
ド9の主要部が構成されている。
【0134】なお、図28は上部磁極15を一括成膜し
た状態を示している。上部磁極はこれに限られるもので
はなく、例えば第1の凹部52a内に埋め込み形成され
た磁極先端部半体と、これと面接触して後方部側まで延
在する磁極後部半体とで構成した分離型磁極としてもよ
い。この構造は図4に示されている。
【0135】上述した薄膜磁気ヘッド9においては、下
部磁極7に形成した凸部50で上部磁極先端部16の形
成位置およびコイル18の形成位置を規定しているた
め、これらの形成位置精度を高めることができる。特
に、凹部52に上部磁極先端部16およびコイル18を
それぞれ埋め込み形成することによって、上部磁極先端
部16に対するコイル18の位置精度を大幅に高めるこ
とができる。なお、記録トラックの狭トラック化および
トラック幅の精度向上については、前述した実施形態と
同様である。
【0136】コイル18の位置精度の向上に伴って、コ
イル18は上部磁極先端部16に対して十分に近付けた
位置に精度よく形成することができる。さらに、コイル
18の位置精度を高めることによって、コイル18の上
面と上部磁極15との間は、記録磁気ギャップ12の一
部となる十分に薄い第2の非磁性材料層12bで絶縁す
ることができる。このため、コイル18の上面と上部磁
極15との間の距離も十分に近付けることができる。
【0137】具体的には、図30に示すように、上部磁
極先端部16から近接するコイル18までの距離T1
10μm 以下とすることができる。コイル18の上面と上
部磁極15との間の距離T2 、すなわち第2の非磁性材
料層12bの膜厚は 0.5μm以下とすることができる。
コイル18の下面と下部磁極7との間の距離T3 も同様
とすることができる。
【0138】このような薄膜磁気ヘッドに対して、図3
1に示すように、コイル18′をレジストRなどで絶縁
していた従来の薄膜磁気ヘッドにおいては、上部磁極先
端部16′から近接するコイル18′までの距離t1
10μm 以上、コイル18′の上面と上部磁極15′との
間の距離t2 は 3μm 程度となってしまう。
【0139】上部磁極先端部16から近接するコイル1
8までの距離、およびコイル18の上面から上部磁極1
5までの距離を短縮することによって、コイル14に流
す電流を小さくした上で、記録動作に必要な十分な磁界
を下部磁極7と上部磁極15による磁気回路に印加する
ことができる。これは記録周波数の高周波化に伴って記
録電流の低減が求められている現状に対応するものであ
る。
【0140】上部磁極先端部16から近接するコイル1
8までの距離が10μm を超えると、記録動作に必要な磁
界を発生させるためにはコイルに大きな電流を投入する
必要がある。この場合、コイルの断面積を大きくする必
要が生じる。ただし、上部磁極先端部16とコイル18
との距離が 0.1μm 未満になると、それらの間の絶縁を
安定して確保できなくなるおそれがある。上部磁極先端
部16から近接するコイル18までの距離は 0.1〜10μ
m の範囲とすることが好ましい。この距離は0.1〜 7μm
の範囲とすることがさらに好ましい。
【0141】コイル18の上面から上部磁極15までの
距離、すなわち第2の非磁性材料層12bの膜厚につい
ても、同様な理由から0.05〜 0.5μm の範囲とすること
が好ましい。第2の非磁性材料層21bの膜厚は、その
表面の凹凸発生を抑制する上からも 0.5μm 以下とする
ことが好ましい。
【0142】さらに、コイル18の上面と上部磁極15
との間に第2の非磁性材料層12bを形成することによ
って、上部磁極15の下地表面の凹凸が小さくなる。こ
れは磁壁のピンニングサイトの低減に有効である。へッ
ド動作時において、上部磁極15は容易に単磁区化さ
れ、磁壁移動に伴う記録ノイズが大幅に低減する。この
ようなことから、上部磁極15の下地表面、すなわち第
2の非磁性材料層12bの表面凹凸は 0.5μm 以下とす
ることが好ましい。より好ましくは 0.3μm 以下であ
る。加えて、コイル18の周囲はa-Si、AlOx 、S
iNx 、SiOx などの無機材料で絶縁しているため、
レジストなどの有機絶縁材料を用いた場合に比べて、そ
の耐熱温度を飛躍的に向上させることができる。
【0143】上部磁極先端部16の埋め込み用凹部52
a内には、第2の非磁性材料層12bが形成されてい
る。このため、凹部形成時にその底面や側壁面の表面が
多少荒れたとしても、第2の非磁性材料層12bにより
表面性が改善される。表面性の改善は磁気特性の向上に
繋がる。加えて、第2の非磁性材料層12bの膜厚を調
整することにより、容易にトラック幅や磁気ギャップ幅
を制御することができる。 次に、上述した録再一体型
磁気ヘッドのうち、記録ヘッドとしての薄膜磁気ヘッド
9の製造工程について、図32および図33を参照して
説明する。
【0144】まず、シールド型MRヘッド8の上側再生
磁気ギャップ6まで形成した基板上に、膜厚が約 2μm
程度の軟磁性膜を下部磁極7としてRF(Radio Frequan
cy)スパッタ法などにより形成する。図32(A)に示
すように、エッチバックやポリッシングなどにより平坦
化した下部磁極7上にフォトレジスト膜を塗布し、PE
P工程によりレジストパターン53を形成する。レジス
トパターン53は、上部磁極先端部16の形成位置およ
びコイル18の形成位置に対応させる。
【0145】レジストパターン53をマスクとして、イ
オンミリング法などにより下部磁極7をエッチングす
る。上部磁極先端部16の形成位置に対応する部分に
は、例えば幅 1μm 、奥行き 5μm 、高さ 0.5μm の凸
部50aを形成する。コイル18の形成位置に対応する
部分には、例えば幅 5μm 、高さ 0.5μm の連続形状の
凸部50bを形成する。この後、レジストパターン53
を除去して、図32(B)に示すような凹凸形状を下部
磁極7の表面に形成する。
【0146】次に、図32(B)に示したように、下部
磁極7の凹凸を有する表面上に、膜厚 0.1μm 程度のa-
Si膜などからなる第1の非磁性材料層12aをRFス
パッタ法などで形成する。この程度の厚さの非磁性材料
層12aは、通常のスパッタ法などによっても凸部50
の形状を反映して形成することができる。次いで、膜厚
1.5μm 程度のSiOx 膜などの非磁性絶縁材料層から
なる凹部形成層51を、バイアスを印加したRFスパッ
タ法などにより形成する。
【0147】凹部形成層51の形成にあたっては、凸部
50の形状を反映させる。成膜条件は凸部50の形状に
沿ってほぼ均等な厚さで凹部形成層51が形成されるよ
うに制御する。凸部50の形状が転写された凸状の凹部
形成層(絶縁層)51が得られる。なお、凹部形成層5
1と下部磁極7との界面には、密着性の向上などを目的
として、Ti膜などの非磁性膜を介在させてもよい。
【0148】図32(C)に示すように、凸部50の形
状に沿って形成された凹部形成層51上に、平坦化層
(平坦化樹脂層)54を形成する。平坦化樹脂層54と
しては、例えばノボラック樹脂のような低分子量の樹脂
が用いられる。低分子量の樹脂は例えば473K程度の加熱
により流動化するため、コーティング後に加熱処理を施
すことによって、その表面を平坦化することができる。
【0149】平坦化樹脂層54は、凸部50の直上では
薄く、かつそれ以外の部分では厚くなっている。このよ
うな平坦化樹脂層54をマスク材として、RIEなどで
異方性エッチングする。平坦化樹脂層54の厚い部分は
実質的なマスクとして機能する。すなわち、凸部50の
上面と同一平面を共有するマスク層が形成される。この
ようなマスク層に覆われていない絶縁層51の部分をエ
ッチング除去する。
【0150】図33(A)に示すように、凸部50上の
絶縁層51を選択的にエッチング除去することによっ
て、凹部52が形成される。具体的には、凸部50aに
対して位置整合させた部分には、上部磁極先端部16の
形成部位となる第1の凹部52aが形成される。第1の
凹部52aの形状は、例えば奥行き 5μm 、深さ 1μ
m、幅 1μm とする。凸部50bに対して位置整合させ
た部分には、コイル18の形成部となる溝状の第2の凹
部52bが形成される。第2の凹部52bの形状は、例
えば深さ 1μm 、幅 5μm とする。凹部52のテーパ面
は多少荒れていても構わない。
【0151】上部磁極先端部16の埋め込み用凹部(第
1の凹部)52aおよびコイル18の埋め込み用凹部
(第2の凹部)52bは、凹部形成層51に転写された
凸形状および平坦化層54に基いて、凸部20a、20
bに位置整合された状態で同時に形成される。従って、
これら各凹部52a、52bの位置合わせ精度は大幅に
向上する。さらに、PEP工程を削減することができ
る。平坦化層54を利用した自己整合工程については、
前述した通りである。
【0152】次に、図33(B)に示すように、第2の
凹部52bにコイル18を埋め込み形成する。コイル1
8は導体であれば特に材料限定されるものではなく、そ
の形成法も通常のメッキ法、RFスパッタ法、ならびに
ΜOCVD(Metal OrganicCVD)法などの種々の膜
形成法が適用される。さらに、コイル18と凹部形成層
51の上面、および第1の凹部52aの内壁面を覆うよ
うに、例えば膜厚 0.1μm 程度のa-Si膜などからなる
第2の非磁性材料層12bを形成する。第2の非磁性材
料層12bは例えばCVD法で形成される。第1の凹部
52aの底面には、第1および第2の非磁性材料層12
a、12bの積層膜からなる記録磁気ギャップ12が形
成される。
【0153】図33(C)に示すように、第2の非磁性
材料層12bが形成された凹部52a内ならびにコイル
18上に、膜厚 2μm 程度のCo90Zr4 Nb6 (at%)
などのアモルファス軟磁性膜からなる上部磁極15を指
向性スパッタ法などで形成する。このとき、上部磁極1
5の構成材料としては、(Fe,Co)系の酸化・窒化
微結晶膜、Ni80Fe20(at%) やFeAlSi(センダ
スト)のような結晶質膜などの飽和磁束密度の高い軟磁
性膜を用いることもできる。凹部52a内に形成された
上部磁極先端部16は高さ 2μm 、幅 0.9μm となる。
従って、トラック幅は 0.9μm である。この後、絶縁性
保護膜をCVD法などにより形成する。さらに、基板上
に複数形成した薄膜磁気ヘッドを単体に加工する。この
ようにして薄膜磁気へッドが完成する。
【0154】図34に、磁極先端部に最も近いコイルに
一定電流を投入した時に上部磁極に誘起される磁界強度
を、磁極先端部とコイルとの距離の関係として示す。こ
の例の薄膜磁気ヘッドにおいては、上部磁極先端部16
から近接するコイル18までの距離T1 は 3μm 、コイ
ル18の上面と上部磁極15との間の距離T2 は 0.3μ
m である。一方、従来技術に基づいて作製した薄膜磁気
へッドでは、上部磁極先端部16′から近接するコイル
18′までの距離t1 は10μm 、コイル18′の上面と
上部磁極15′との間の距離t2 は 3μm である。図3
4からも明らかなように、この例の薄膜磁気へッドに比
べて従来の薄膜磁気へッドで誘起される磁界強度は1/10
程度しかない。従来の薄膜磁気ヘッドで同様の強度の磁
界を誘起するためには、投入電流を10倍にしなければな
らいことが分かる。
【0155】自己整合工程をコイルの製造に適用した薄
膜磁気ヘッドの製造工程において、コイル形成位置と整
合する凸部は下部磁極と異なる材料で形成してもよい。
例えば、下部磁極上に凸部のみを他の材料で形成するこ
とができる。凸部は例えば非磁性材料で形成される。凸
部を構成する材料は導電体であってもよい。この製造工
程の例について、図35および図36を参照して説明す
る。
【0156】まず、図35(A)に示すように、シール
ド型MRヘッド8の上側再生磁気ギャップ6まで形成し
た基板上に、下部磁極7として膜厚約 2μm 程度のNi
80Fe20(at%)などを例えばRFスパッタ法で形成す
る。下部磁極7上にフォトレジスト膜を塗布し、PEP
工程により上部磁極先端部16の形成位置のみにレジス
トパターン55を形成する。このレジストパターン55
をマスクとして、イオンミリング法などにより下部磁極
7をエッチングする。上部磁極先端部16の形成位置に
対応する部分のみに、例えば幅 1μm 、奥行き 5μm 、
高さ 0.4μm の凸部50aを形成する。この後、レジス
トパターン55を除去して、磁極先端部11を凸状とし
た下部磁極7が得られる。
【0157】次に、図35(B)に示すように、下部磁
極先端部11およびコイル形成位置にレジストパターン
56を形成する。その上から非磁性膜57をRFスパッ
タ法などで形成する。非磁性膜57は特に材料限定され
ないが、この実施形態では膜厚が 0.4μm のAlOx
使用した。この後、レジストパターン56を除去する。
図35(C)に示すように、コイル形成位置に非磁性体
からなる凸部57aが形成された下部磁極7が得られ
る。なお、非磁性膜53が導電体である場合には、膜厚
0.1μm 程度の絶縁膜で覆うことが好ましい。
【0158】次に、図35(D)に示すように、凸状の
磁極先端部11と非磁性体からなる凸部57aを有する
下部磁極7上に、膜厚 0.1μm 程度のa-Si膜などから
なる第1の非磁性材料層12a、膜厚 1.5μm 程度のS
iOx 膜などからなる凹部形成層(絶縁層)51、およ
び平坦化樹脂層54を順に形成する。
【0159】図36(A)に示すように、前述した実施
形態と同様に、絶縁層51を選択的にエッチング除去し
て凹部52を形成する。凸状の下部磁極先端部11に対
して位置整合させた部分には、上部磁極先端部16の形
成部位となる第1の凹部(奥行き 5μm 、深さ 1μm 、
幅 1μm )52aを形成する。非磁性体からなる凸部5
7aに対して位置整合させた部分には、コイル18の形
成部位となる溝状の第2の凹部(深さ 1μm 、幅 5μm
)52bを形成する。
【0160】この後、図36(B)および図36(C)
に示すように、前述した実施形態と同様にコイル18を
形成し、さらに膜厚0.15μm 程度のa-Si膜などからな
る第2の非磁性材料層12aを形成する。さらに、膜厚
2μm 程度の(Fe0.9 Ζr0.1 9010(at%) 膜など
からなる上部磁極15を例えば指向性スパッタ法で形成
する。その結果、凹部52a内に形成された上部磁極先
端部16は高さ 2μm、幅 0.9μm となる。従って、ト
ラック幅は 0.9μm である。この後、絶縁性保護膜をC
VD法などにより形成する。さらに、基板上に複数形成
された薄膜磁気ヘッドを単体に加工する。このようにし
て薄膜磁気へッドが完成する。
【0161】上述した薄膜磁気へッドにおいては、前述
した実施形態と同様な効果が得られる上に、下部磁極7
を平坦構造としているため、下部磁極7もへッド動作時
に上部磁極15と同様に容易に単磁区化することができ
る。よって、磁壁移動に伴う記録ノイズは大幅に低減さ
れる。
【0162】薄膜磁気ヘッドのコイルは、同様な自己整
合工程を利用して、メッキ法により形成することもでき
る。メッキ法を適用したコイルの製造工程を、図37を
参照して説明する。
【0163】まず、図37(A)に示すように、下部磁
極7上に非磁性層58を介してメッキ下地膜59を形成
する。メッキ下地膜59としては、例えば膜厚20nmのT
i膜と膜厚 200nmのCu膜との積層膜が用いられる。図
37(B)に示すように、メッキ下地膜59をコイル形
成位置に応じてパターニングする。メッキ下地膜59は
コイル形成位置にそれぞれ凸部を形成する。
【0164】次に、図37(C)に示すように、パター
ニングしたメッキ下地膜59上にSiOx 膜などからな
る凹部形成層(絶縁層)51および平坦化樹脂層54を
順に形成する。図37(D)に示すように、前述した実
施形態と同様に平坦化樹脂層54の厚い部分を実質的な
マスクとし、絶縁層51を選択的にエッチング除去して
凹部60を形成する。凹部60は凸状のメッキ下地膜5
9に対して位置整合されている。
【0165】この後、図37(E)に示すように、凹部
60底面のメッキ下地膜59を利用して、凹部60内に
コイル18をメッキ法により形成する。このような製造
方法によれば、メッキ下地の段差は小さくできるため、
薄いレジストで精度よく加工することができる。よっ
て、狭い幅で厚いコイル18を得ることができる。
【0166】また、図38に示すように、多段のコイル
18a、18bについても精度よく形成することができ
る。この場合、凹部60内に埋め込むコイル材料の量を
制御することで、 2段目のコイル18bを自己整合工程
に基づいて形成する際の凸部61が得られる。
【0167】上述したコイルの製造方法によれば、コイ
ル18を絶縁層51の凹部52b内に埋め込むため、段
差をほとんどなくすことができる。よって、上部記録磁
極15の磁壁のピンニングが少なくなり、書き込み特性
が高周波信号領域で向上する。また、反強磁性体を用い
たスピンバルブ素子との一体化においては、アニール温
度を 350℃以上に上げることができる。従って、PtM
nなどの高ブロッキング温度を有する反強磁性体の直交
アニールが可能となる。
【0168】上述した各実施形態による録再一体型磁気
ヘッドは、例えば図39に示す磁気ディスク装置などの
磁気記録装置に搭載される。図39はロータリーアクチ
ュエータを用いた磁気ディスク装置70の概略構造を示
している。
【0169】磁気ディスク71はスピンドル72に装着
され、駆動装置制御源(図示せず)からの制御信号に応
答するモータ73により回転する。ヘッドスライダ74
は薄膜状のサスペンション75の先端に取り付けられて
いる。磁気ディスク71が回転すると、ヘッドスライダ
74の媒体対向面(ABS)は磁気ディスク71の表面
から所定の浮上量(例えば 0以上 100nm以下)をもって
保持される。ヘッドスライダ74には、本発明の録再一
体型磁気ヘッド(図39では図示せず)が電磁変換部と
して搭載されている。ヘッドスライダ74は、磁気ディ
スク71上を浮上した状態で情報の記録再生を行う。
【0170】サスペンション75は、図示しない駆動コ
イルを保持するボビン部などを有するアクチュエータア
ーム76の一端に接続されている。アクチュエータアー
ム76の他端には、リニアモータの 1種であるボイスコ
イルモータ77が設けられている。ボイスコイルモータ
77は、アクチュエータアーム76のボビン部に巻き上
げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込むよう
に対向して配置された永久磁石および対向ヨークからな
る磁気回路とから構成される。アクチュエータアーム7
6は、固定軸78の上下 2カ所に設けられた図示しない
ボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモー
タ77により回転摺動が自在にできるようになってい
る。
【0171】なお、本発明の製造方法の特徴である自己
整合工程は、磁気ヘッド以外の他の電子部品の製造に適
することもできる。
【0172】図40は、本発明による自己整合工程を半
導体装置のコンタクト層の形成に適用した要部製造工程
を示す図である。まず、図40(A)に示すように、半
導体基板81上に設けられた配線82上に、SiOx
AlOxなどからなる絶縁層83を形成する。絶縁層8
3は、凸形状を有する配線82に沿って形成される。こ
れによって、配線形状が転写された絶縁層83が得られ
る。
【0173】次に、図40(B)に示すように、絶縁層
83上に第1のマスクとして平坦化層84を形成する。
平坦化層84には平坦化樹脂などが用いられる。平坦化
樹脂層84は配線82の直上では薄く、かつそれ以外の
部分では厚くなっている。その上に、第2のマスクとし
てレジスト85などを形成する。第2のマスクとしての
レジスト85には、コンタクトホールの形成位置に合せ
て、ホールの大きさより大きいパターンを形成する。レ
ジスト85は、配線82の長さ方向に対するコンタクト
ホールの位置を規定する。
【0174】レジスト85をマスクとして平坦化樹脂層
84をRIEなどによりエッチングする。図40(C)
に示すように、絶縁層83が露出したところで、平坦化
樹脂層84より絶縁層83のエッチングレートが大きく
なるような条件でエッチングする。平坦化樹脂層84の
厚い部分が実質的なマスクとして機能する。
【0175】図40(D)に示すように、配線82上の
絶縁層83が選択的にエッチングされる。コンタクトホ
ール(ビアホール)86は配線82上に形成される。コ
ンタクトホール86は配線82に対して自己整合により
位置合せされている。
【0176】コンタクトホール86には、通常の半導体
装置の製造工程と同様にして、配線82へのコンタクト
層が形成される。コンタクトホール86は、第2のマス
クとしてのレジスト85のパターニングを除いて、通常
のコンタクトホール形成時のアライメント工程を経るこ
となく形成することができる。従って、アライメント精
度に左右されることなく、微細化された配線82に対し
てコンタクトホール86を自己整合により正確に位置合
せすることができる。従って、コンタクト層は微細化さ
れた配線82に対して正確に位置合せされる。
【0177】発明による自己整合工程は、液晶表示素
子の製造工程に適用することもできる
【0178】図41および図42は、本発明による自己
整合工程を適用して作製した液晶表示素子の要部構成を
示す図であり、図42は図41のX−X′線に沿った断
面図である。また、図43は本発明による自己整合工程
を適用した液晶表示素子の要部製造工程を示す断面図で
ある。
【0179】図41および図42に示す液晶表示素子
は、信号線91とゲート線92により規定された画素領
域93を有している。画素領域93内には画素電極94
が配置されている。画素領域93内の画素電極94を除
く部分には、ブラックマトリクス95が形成されてい
る。図中96は基板、97は絶縁層である。
【0180】ブラックマトリクス95には導電性材料が
使用される。このため、ブラックマトリクス95と例え
ば信号線91とのオーバーラップ量が大きいと、これら
の間に形成される寄生容量によりスイッチング速度が低
下する。ブラックマトリクス95の形成に本発明の製造
方法を適用することによって、ブラックマトリクス95
と信号線91とのオーバーラップ量を制御することがで
きる。
【0181】すなわち、まず図43(A)に示すよう
に、基板96上に設けられた信号線91および画素電極
94上に、SiOx 、AlOx などからなる絶縁層97
を形成する。絶縁層97は、凸形状を有する信号線91
および画素電極94に沿って形成される。絶縁層97は
成膜条件を制御することにより、種々の形状に形成する
ことができる。例えば、絶縁層97の凸形状は、信号線
91や画素電極94に比べて小さくすることができる。
【0182】次いで、図43(B)に示すように、絶縁
層97上にブラックマトリクス層95′を形成し、さら
にその上に平坦化層98を形成する。平坦化層98には
平坦化樹脂などが用いられる。平坦化樹脂層98をRI
Eなどによりエッチングする。ブラックマトリクス層9
5′が露出したら平坦化樹脂層98よりブラックマトリ
クス層95′のエッチングレートが大きくなるような条
件でエッチングする。
【0183】平坦化樹脂層98の厚い部分が実質的なマ
スクとして機能するため、信号線91や画素電極94上
のブラックマトリクス層95′が除去される。ブラック
マトリクス95は、図43(C)に示すように、信号線
91と画素電極94との間に正確に形成される。このよ
うに、ブラックマトリクス95と信号線91や画素電極
94とのオーバーラップ量を制御することができる。
【0184】さらに、ブラックマトリクス95は画素電
極94に対して適度にオーバーラップさせることもでき
る。ブラックマトリクス95と画素電極94との間に形
成された適度な容量は、信号と信号との間の表示時間の
確保に寄与する。このような液晶表示素子は、例えば以
下のようにして製造される。
【0185】すなわち、まず図44(A)に示すよう
に、基板96上に所定のパターンを有するブラックマト
リクス95を形成する。次いで、ブラックマトリクス9
5上にSiOx 、AlOx などからなる絶縁層97を形
成する。絶縁層97は、凸形状を有するブラックマトリ
クス95に沿って形成される。絶縁層97は成膜条件を
制御することにより、種々の形状に形成することができ
る。絶縁層97は、例えばブラックマトリクス95より
凸形状が小さくなるように形成する。
【0186】次いで、図44(B)に示すように、絶縁
層97上に画素電極層94′を形成し、さらにその上に
平坦化樹脂層98を形成する。平坦化樹脂層98をRI
Eなどによりエッチングする。画素電極層94′が露出
したら、平坦化樹脂層98より画素電極層94′のエッ
チングレートが大きくなるような条件でエッチングす
る。
【0187】図44(C)に示すように、画素電極94
はブラックマトリクス95と一部オーバーラップするよ
うにパターニングされる。このように、絶縁層97の形
状を制御することによって、ブラックマトリクス95と
画素電極94とのオーバーラップ量を制御することがで
きる。
【0188】
【0189】なお、前述した磁気ヘッドの実施形態にお
いて、上部磁極をメッキ法で形成する場合には、例えば
図45に示すように、メッキ下地層を適用することがで
きる。すなわち、凹部14の底面と非磁性材料層13上
もしくはマスク21a上の凹部14と隣接する位置にメ
ッキ下地層X1、X2を形成する。上部磁極としてのメ
ッキ層は、まず凹部14内を満たすように成長する。凹
部14内を上部磁極先端部が満たしつつ、非磁性材料層
13上もしくはマスク21a上のメッキ下地層X2上に
上部磁極が成長するため、上部磁極先端部と接続され
る。このようにして、磁極先端部を有する上部磁極を得
ることができる。
【0190】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薄膜磁気
ヘッドの製造方法によれば、下部磁極と上部磁極の磁気
ギャップ対向幅を略同一とした狭トラックヘッド構造
を、量産性などを満足させた上で高精度に作製すること
ができる。従って、狭トラック化による線記録密度の向
上に十分対応可能な薄膜磁気ヘッドを、再現性よくかつ
安価に提供することが可能となる。
【0191】また、本発明の録再一体型磁気ヘッドの製
造方法によれば、そのような薄膜磁気ヘッドからなる記
録ヘッドを再現性よく作製することを可能にした上で、
再生トラックと記録トラックとの位置ずれを解消するこ
とができる。従って、狭トラック化による線記録密度の
向上に十分対応可能で、かつ記録再生特性に優れた録再
一体型磁気ヘッド薄膜磁気ヘッドを、再現性よくかつ安
価に提供することが可能となる。
【0192】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態により作製した録再
一体型磁気ヘッドの構造を媒体対向面から見た断面図で
ある。
【図2】 図1に示す録再一体型磁気ヘッドの下部磁極
先端部と上部磁極先端部の平面形状を従来の録再一体型
磁気ヘッドと比較して示す図である。
【図3】 図1に示す録再一体型磁気ヘッドの媒体対向
面に直角方向の縦断面図である。
【図4】 図3に示す録再一体型磁気ヘッドの変形例を
示す縦断面図である。
【図5】 本発明の録再一体型磁気ヘッドの製造方法の
第1の実施形態による要部製造工程を示す図である。
【図6】 図1に示す録再一体型磁気ヘッドの下部磁極
先端部の他の製造工程を示す図である。
【図7】 下部磁極先端部の製造工程でマスク機能が低
下した場合の形状を示す断面図である。
【図8】 図5に示す記録ヘッド部分の製造工程の要部
詳細を説明するための図である。
【図9】 図8に示す記録ヘッド部分の製造工程の後工
程の状態を説明するための図である。
【図10】 図1に示す録再一体型磁気ヘッドの他の製
造工程の要部を示す断面図である。
【図11】 本発明の第2の実施形態による録再一体型
磁気ヘッドの製造過程を示す断面図である。
【図12】 本発明の第2の実施形態による録再一体型
磁気ヘッドの構造を媒体対向面から見た断面図である。
【図13】 図12に示す録再一体型磁気ヘッドの記録
トラック部分を拡大して示す断面図である。
【図14】 本発明の第3の実施形態による録再一体型
磁気ヘッドの構造を媒体対向面から見た断面図である。
【図15】 本発明の録再一体型磁気ヘッドの製造方法
の第2の実施形態による要部製造工程を示す図である。
【図16】 本発明の録再一体型磁気ヘッドの製造方法
の第2の実施形態の変形例の要部を示す断面図である。
【図17】 本発明の製造方法の第2の実施形態により
作製した録再一体型磁気ヘッドの構造を媒体対向面から
見た断面図である。
【図18】 本発明の録再一体型磁気ヘッドの製造方法
の第2の実施形態の変形例を示す断面図である。
【図19】 図18に続く録再一体型磁気ヘッドの製造
工程を示す断面図である。
【図20】 本発明の録再一体型磁気ヘッドの製造方法
の第2の実施形態の他の変形例を示す断面図である。
【図21】 図20に続く録再一体型磁気ヘッドの製造
工程を示す断面図である。
【図22】 図21に続く録再一体型磁気ヘッドの製造
工程を示す断面図である。
【図23】 本発明による自己整合工程を磁気抵抗効果
素子部の製造工程に適用した工程図である。
【図24】 本発明の第4の実施形態による録再一体型
磁気ヘッドの構造を媒体対向面から見た断面図である。
【図25】 図24に示す録再一体型磁気ヘッドの要部
製造工程を示す断面図である。
【図26】 図24に示す録再一体型磁気ヘッドの変形
例の構造を示す断面図である。
【図27】 本発明による自己整合工程をコイルの作製
に適用した録再一体型磁気ヘッドの概略構造を一部切り
欠いて示す斜視図である。
【図28】 図27に示す録再一体型磁気ヘッドの記録
ヘッド部を示す縦断面図である。
【図29】 図27に示す録再一体型磁気ヘッドの記録
ヘッド部を媒体対向面から見た断面図である。
【図30】 図27に示す薄膜磁気ヘッドにおけるコイ
ルと磁極との距離を説明するための図である。
【図31】 従来の薄膜磁気ヘッドにおけるコイルと磁
極との距離を説明するための図である。
【図32】 本発明による自己整合工程をコイルの作製
に適用した薄膜磁気ヘッドの製造工程の要部を示す断面
図である。
【図33】 図32に続く薄膜磁気へッドの製造工程を
示す断面図である。
【図34】 図27に示す薄膜磁気ヘッドのコイル−上
部磁極間距離と磁界強度との関係を従来の薄膜磁気ヘッ
ドと比較して示す図である。
【図35】 本発明による自己整合工程をコイルの作製
に適用した薄膜磁気ヘッドの他の製造工程の要部を示す
断面図である。
【図36】 図35に続く薄膜磁気へッドの製造工程を
示す断面図である。
【図37】 本発明による自己整合工程をコイルの作製
に適用した薄膜磁気ヘッドのさらに他の製造工程の要部
を示す断面図である。
【図38】 本発明による自己整合工程をコイルの作製
に適用した薄膜磁気ヘッドの他の例の構成を示す断面図
である。
【図39】 本発明の録再一体型磁気ヘッドが搭載され
る磁気ディスク装置の一構成例を示す斜視図である。
【図40】 本発明による自己整合工程を半導体装置の
コンタクトホールの形成に適用した工程を示す断面図
である。
【図41】 本発明による自己整合工程を適用して作製
した液晶表示素子の構を示す平面図である。
【図42】 図41に示す液晶表示素子のX−X′線に
沿った断面図である。
【図43】 図41に示す液晶表示素子の製造工程の要
部断面図である。
【図44】 本発明による自己整合工程を液晶表示素子
の製造に適用した他の工程例を示す断面図である。
【図45】 本発明の磁気ヘッドの製造工程で上部磁極
の形成にメッキ法を適用する場合の他の実施形態の要部
製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1………下側磁気シールド層 2、6……再生磁気ギャップ 5………MR素子部 7………上側磁気シールド層を兼ねる下部磁極 8………シールド型MRヘッド 9、42………誘導型薄膜磁気ヘッド 10、41……録再一体型磁気ヘッド 11……下部磁極先端部(凸部) 12……記録磁気ギャップ 13……非磁性材料層 14、23……凹部 15……上部磁極 16……上部磁極先端部 21、24、28、32、49……平坦化樹脂層 22……軟磁性層 44……凸部
フロントページの続き (72)発明者 永田 友彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 堀 昭男 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社 東芝 川崎事業所内 (72)発明者 大沢 裕一 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社 東芝 川崎事業所内 (72)発明者 小泉 隆 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社 東芝 川崎事業所内 (72)発明者 吉川 将寿 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社 東芝 川崎事業所内 (72)発明者 佐橋 政司 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社 東芝 川崎事業所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/31 G11B 5/39

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部磁極と、前記下部磁極と磁気ギャッ
    プを介して対向配置された上部磁極とを有する磁気ヘッ
    ドを製造するにあたり、 前記下部磁極の一部として、記録トラックに対応する第
    1の凸部を形成する工程と、 前記下部磁極上に前記第1の凸部の形状に沿って前記磁
    気ギャップを形成する工程と、 前記第1の凸部の形状に沿って形成された前記磁気ギャ
    ップ上に、前記第1の凸部に応じた第2の凸部を有する
    非磁性材料層を形成する工程と、 前記第2の凸部を有する前記非磁性材料層上に平坦化層
    を形成する工程と、 前記平坦化層を利用して前記非磁性材料層をエッチング
    することにより、前記第1の凸部に位置整合させた、前
    記磁気ギャップに達する凹部を形成する工程と、 少なくとも前記凹部内に前記上部磁極を形成する工程と
    を具備することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 下部磁極と、前記下部磁極と磁気ギャッ
    プを介して対向配置された上部磁極とを有する磁気ヘッ
    ドを製造するにあたり、 前記下部磁極上に前記磁気ギャップを形成する工程と、 前記下部磁極と磁気ギャップとの積層膜に、記録トラッ
    クに対応する第1の凸部を形成する工程と、 前記第1の凸部を有する前記下部磁極上に、前記第1の
    凸部に応じた第2の凸部を有する非磁性材料層を形成す
    る工程と、 前記第2の凸部を有する前記非磁性材料層上に平坦化層
    を形成する工程と、 前記平坦化層を利用して前記非磁性材料層をエッチング
    することにより、前記第1の凸部に位置整合させた、前
    記第1の凸部に達する凹部を形成する工程と、 少なくとも前記凹部内に前記上部磁極を形成する工程と
    を具備することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 下部磁極と、前記下部磁極と磁気ギャッ
    プを介して対向配置された上部磁極とを有する磁気ヘッ
    ドを製造するにあたり、 前記下部磁極上に、前記下部磁極の先端部と前記磁気ギ
    ャップと前記上部磁極の先端部の一部となる磁極層との
    積層膜からなり、かつ記録トラックに対応する第1の凸
    部を形成する工程と、 前記第1の凸部を有する前記下部磁極上に、前記第1の
    凸部に応じた第2の凸部を有する非磁性材料層を形成す
    る工程と、 前記第2の凸部を有する前記非磁性材料層上に平坦化層
    を形成する工程と、 前記平坦化層を利用して前記非磁性材料層をエッチング
    することにより、前記第1の凸部に位置整合させた、前
    記第1の凸部に達する凹部を形成する工程と、 少なくとも前記凹部内に前記上部磁極を形成する工程と
    を具備することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の磁気ヘッドの製造方法に
    おいて、 前記凹部の底面の幅が前記第1の凸部の上面の幅より広
    くなるように、前記非磁性材料層をエッチングすること
    を特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 上下一対の磁気シールド層に再生磁気ギ
    ャップを介して挟持され、第1の凹部を備える磁気抵抗
    効果素子部を有する再生ヘッドと、記録磁気ギャップを
    介して配置された上下一対の磁極を有する記録ヘッドと
    を含む磁気ヘッドを製造するにあたり、 上側再生磁気ギャップ上に、前記第1の凹部に応じた第
    2の凹部を有する上側磁気シールド層を兼ねる下部磁極
    を形成する工程と、 前記第2の凹部を有する前記下部磁極上に、前記第2の
    凹部の形状に沿って前記記録磁気ギャップを形成する工
    程と、 前記下部磁極と前記記録磁気ギャップとの積層膜上に第
    1の平坦化層を形成する工程と、 前記第1の平坦化層を利用して前記積層膜をエッチング
    することにより、前記第1の凹部に位置整合させた第1
    の凸部を形成する工程と、 前記第1の凸部を有する前記下部磁極上に、前記第1の
    凸部に応じた第2の凸部を有する非磁性材料層を形成す
    る工程と、 前記第2の凸部を有する前記非磁性材料層上に第2の平
    坦化層を形成する工程と、 前記第2の平坦化層を利用して前記非磁性材料層をエッ
    チングすることにより、前記第1の凸部に位置整合させ
    た、前記第1の凸部に達する第3の凹部を形成する工程
    と、 少なくとも前記第3の凹部内に上部磁極を形成する工程
    とを具備することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
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