JPH111795A - めっき被覆アルミニウム合金、及びそのシリンダーブロック、めっき処理ライン、めっき方法 - Google Patents
めっき被覆アルミニウム合金、及びそのシリンダーブロック、めっき処理ライン、めっき方法Info
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- JPH111795A JPH111795A JP9230243A JP23024397A JPH111795A JP H111795 A JPH111795 A JP H111795A JP 9230243 A JP9230243 A JP 9230243A JP 23024397 A JP23024397 A JP 23024397A JP H111795 A JPH111795 A JP H111795A
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Abstract
程が短縮され、生産効率が向上し、コストダウンが可能
となり、混酸の不要なアルミニウム合金上へのめっき方
法、及び、密着性の良好なめっき被覆アルミニウム合金
を提供する。 【解決手段】 シリコンを含有するアルミニウム合金を
陽極エッチングして、該アルミニウム合金の表面からシ
リコンを突出させる工程と、必要に応じて行われる、シ
リコンの突出したアルミニウム合金の表面を陽極酸化す
る工程と、めっき工程とを含むアルミニウム合金上のめ
っき方法、及び、その方法によって得られる、アルミニ
ウム合金とめっき層の間に橋渡しされた状態で存在する
シリコンを含むめっき被覆アルミニウム合金。
Description
るめっき被覆アルミニウム合金(ADC材、AC材、展
伸材等)、該合金を用いたシリンダーブロック、該合金
を製造するためのめっき前処理方法、めっき方法、めっ
き処理ラインに関する。本発明は、二輪車や四輪車の部
品等のめっき、例えば、内燃機関に用いるアルミニウム
合金鋳物製のシリンダーブロックのシリンダー内面、ピ
ストン、クラッチ等へのめっきに適用される。なお、ピ
ストンとクラッチカバーについては、ホーニング加工は
行われない。
っき方法として、2回亜鉛置換法(ダブルジンケート
法)が知られている。この方法は、現在、工業的に最も
多く採用されており、表1に示すような15の工程、す
なわち、中性脱脂、水洗、アルカリ脱脂、水洗、アルカ
リエッチング、水洗、混酸処理、水洗、亜鉛置換、水
洗、酸浸漬、水洗、亜鉛置換、水洗、めっきの各工程か
らなる。この方法は、亜鉛置換を2回行なうため、密着
性が良好であるが、前処理工程として14の工程がある
ため、前処理時間が長く、また、工程が複雑であるた
め、信頼性に欠け、ライン管理が困難であり、コスト高
となり、さらに処理液の管理も煩雑であるという欠点が
ある。
フッ酸)の取扱いが非常に難しく、耐酸性治具を用いな
ければならず、安全性等に注意を払う必要がある。例え
ば、シリンダーブロックをフロー方式によってめっきす
る場合、チャック面をシールする必要があり、処理工程
が多いとシール回数も多くなり、シール不良が発生する
危険性が高い。特に混酸等は、シール材を腐食し易く、
シール不良による液漏れを起こす原因となるので、取扱
いに注意を要する。なお、亜鉛置換法で用いる亜鉛(Z
n)以外にFe、Cu、Ni等を添加した多元合金置換
剤も開発されている。
れている。この方法は、アルミニウム合金に陽極酸化処
理を行い、多孔性の酸化皮膜を生成させ、この酸化皮膜
をアンカーとして、めっきを行なうものである。この方
法は、表1に示すように、11の工程、すなわち、中性
脱脂、水洗、アルカリ脱脂、水洗、アルカリエッチン
グ、水洗、混酸処理、水洗、陽極酸化処理、水洗、めっ
きの各工程からなる。この方法は、処理工程が長く、ま
た、大きな凹凸を形成させることができないため、アン
カー効果が小さいという欠点がある。さらに、アルミニ
ウム合金とめっき皮膜の間にアルマイトの中間層が存在
するため、密着不良が発生する危険性が大きい。さら
に、この方法は、アルミニウム合金中の不純物(Si
等)が多いと密着性が悪くなり、信頼性に欠けるという
欠点がある。陽極酸化法として、特開平3−19109
5号公報に記載されているように、混酸処理を省き、工
程を短くする方法も提案されている。しかし、混酸処理
を省略すると、アルカリエッチングにより発生するスマ
ットが除去されないので、そのままめっきを施すと、ア
ルミニウム合金素材とめっき皮膜との界面にスマットが
残留し、密着性が悪くなるという欠点がある。
って得られるめっき被覆アルミニウム合金の断面を模式
図で示すと、図10の通りである。図10に示すよう
に、めっき皮膜(めっき層)91と、シリコンを含有す
るアルミニウム合金93の間に、陽極酸化皮膜92が、
層状に形成される。このため、めっき皮膜91とアルミ
ニウム合金93の間のアンカー効果を得ることができ
ず、密着性が劣ることになる。
されているような反転電解活性化法も知られている。こ
の方法は、アルミニウム合金を電解液中に浸漬し、正及
び負の電圧を交互に印加して、表面を活性化させる方法
である。しかし、印加電圧の正負を反転させ、かつ反転
比率を任意にコントロールすることのできる特殊な電源
が必要であるため、設備コストが高くなる。
である亜鉛置換法や陽極酸化法と比べて、工程が短く、
簡易で、しかもめっきの密着性が高いアルミニウム合金
上のめっき前処理方法、めっき方法、及びめっき被覆ア
ルミニウム合金、さらにそれを用いたシリンダーブロッ
クを得ることを目的とする。
ミニウム合金は、シリコンを含有するアルミニウム合金
と、該アルミニウム合金の表面に形成されためっき層
と、該アルミニウム合金と該めっき層の間に橋渡しされ
た状態で存在するシリコンとからなることを特徴とす
る。本発明のめっき被覆アルミニウム合金においては、
さらに、上記アルミニウム合金と上記めっき層の界面に
凹凸が形成されたものとすることができる。本発明のめ
っき被覆アルミニウム合金は、さらに、上記アルミニウ
ム合金と上記めっき層の間に、酸化されたアルミニウム
合金層を含むことができる。本発明のめっき被覆アルミ
ニウム合金は、例えば、シリンダーブロックとして好適
に用いられる。
理方法は、シリコンを含有するアルミニウム合金を陽極
電解エッチングして、該アルミニウム合金の表面からシ
リコンを突出させる工程を含むことを特徴とする。本発
明のアルミニウム合金上のめっき前処理方法において、
上記陽極電解エッチングによって、さらに、上記アルミ
ニウム合金の表面に凹凸を形成させることができる。本
発明のアルミニウム合金上のめっき前処理方法におい
て、シリコンを含有するアルミニウム合金を陽極とし、
不溶性電極を陰極とし、電解液中で通電することによっ
て、上記陽極電解エッチングを行なうことができる。
は、シリコンを含有するアルミニウム合金を陽極電解エ
ッチングして、該アルミニウム合金の表面からシリコン
を突出させる工程と、めっき工程を含むことを特徴とす
る。本発明のアルミニウム合金上のめっき方法におい
て、上記陽極電解エッチングによって、さらに、上記ア
ルミニウム合金の表面に凹凸を形成させることができ
る。本発明のアルミニウム合金上のめっき方法は、上記
めっき工程の前に、シリコンが突出した上記アルミニウ
ム合金の表面を陽極酸化する工程を含むことができる。
本発明のアルミニウム合金上のめっき方法において、シ
リコンを含有するアルミニウム合金を陽極とし、不溶性
電極を陰極とし、電解液中で通電することによって、上
記陽極電解エッチングを行なうことができる。上記電解
液として、リン酸、硫酸、スルファミン酸等を用いるこ
とができる。本発明のアルミニウム合金のめっき処理ラ
インは、脱脂処理部と、電解エッチング処理部と、めっ
き処理部を含むことを特徴とする。本発明のアルミニウ
ム合金のめっき処理ラインは、さらに、陽極酸化処理部
を含むことができる。
としては、例えば、ADC材、AC材、展伸材等を挙げ
ることができる。より具体的には、JIS規格のAC4
C、AC4B、AC4D、AC8A、ADC10、AD
C12等を挙げることができる。特にアルミニウムダイ
カスト合金(ADC12等)は、金型成形されるので、
砂型を使用するアルミニウム鋳造品と比べて、表層部の
冷却速度が大きい。このため、成形品の表層部には、シ
リコンの密度が高くて、結晶粒の細かいチル層が、存在
する。したがって、同じ合金組成(主にシリコン含有
量)をもつアルミニウム鋳造品と比べて、アルミニウム
ダイカスト合金は、陽極電解エッチングによって表面に
突出するシリコン量が多く、その形状も複雑で細かくな
る。陽極電解エッチング処理したアルミニウム合金上に
めっきすると、めっきがシリコン晶の隙間に入り込み、
非常に大きなアンカー効果を得ることができる。
極電解エッチング、水洗、めっきの順で行うことができ
る。
剤を用いて、40〜50℃の温度で5〜15分間行な
う。陽極電解エッチングは、シリコンを含有するアルミ
ニウム合金を電解液中に浸漬させ、該アルミニウム合金
を陽極とし、不溶性電極を陰極として行う。この処理に
よって、シリコン含有アルミニウム合金中のアルミニウ
ム成分が溶解して、シリコンがアルミニウム合金の表面
に突出すると共に、アルミニウム合金の表面上に凹凸が
形成される。この過程を図1に示す。図1中、(a)
は、電解エッチング前の状態を表す。アルミニウム合金
2中にシリコン1が含有されている。(b)は、電解エ
ッチング後の状態を表す。(c)は、めっき後の状態を
表す。シリコン1は、アルミニウム合金2とめっき皮膜
(めっき層)3の間に橋渡しされた状態で存在する。
酸、硫酸、スルファミン酸等を用いることができる。電
解液としてリン酸を用いる場合、40〜900g/Lの
濃度、50〜100℃の温度、20〜400A/dm2
の陽極電流密度で、電解エッチングする。濃度が40g
/L未満では、アルミニウムが溶解せず、シリコンの析
出が不十分となって、十分なアンカー効果が得られない
ため、密着性が悪くなる。濃度が900g/Lを越える
と、廃液処理や取扱いが困難になる。温度が50℃未満
では、アルミニウムの表面に陽極酸化皮膜が生成するた
めに、アルミニウムが溶解せず、シリコンの析出が不十
分となって、十分なアンカー効果が得られず、めっきの
密着性が悪くなる。温度が100℃を越えると、蒸発量
が多く、頻繁に電解液を補給することが必要になり、好
ましくない。陽極電流密度が20A/dm2 未満では、
エッチング効果がなく、めっきの密着性が悪くなる。陽
極電流密度が400A/dm2 を越えると、発熱量が多
く、冷却装置が必要となり、好ましくない。
合、75〜600g/Lの濃度、65〜100℃の温
度、50〜300A/dm2 の陽極電流密度で、電解エ
ッチングする。濃度が75g/L未満では、アルミニウ
ムが溶解しないので、シリコンが析出せず、十分なアン
カー効果が得られず、めっきの密着性が悪くなる。濃度
が600g/Lを越えると、スルファミン酸が溶解せ
ず、飽和した状態となるため、好ましくない。温度が6
5℃未満では、アルミニウムが溶解せず、シリコンの析
出が不十分となって、十分なアンカー効果が得られず、
めっきの密着性が悪くなる。温度が100℃を越える
と、蒸発量が多くなり、頻繁に電解液を補給することが
必要になり、好ましくない。陽極電流密度が50A/d
m2 未満では、アルミニウムが溶解せず、シリコンの析
出によるアンカー効果が得られない。陽極電流密度が3
00A/dm2 を越えると、発熱量が多く、冷却装置が
必要になり、好ましくない。めっき液にスルファミン酸
ニッケル液を用いる場合には、前処理後の水洗が不要に
なり、工程を短縮することができる。
00g/Lの濃度、50〜100℃の温度、50〜20
0A/dm2 の陽極電流密度で、電解エッチングする。
濃度が75g/L未満では、アルミニウムの表面に陽極
酸化皮膜が形成され、アルミニウムが溶解せず、シリコ
ンの析出によるアンカー効果が得られず、めっきの密着
性が悪くなる。濃度が600g/Lを越えると、廃液の
処理や取扱いが困難となり、好ましくない。温度が50
℃未満では、アルミニウム表面に陽極酸化皮膜が形成さ
れ、アルミニウムが溶解せず、シリコンの析出によるア
ンカー効果が得られず、めっきの密着性が悪くなる。温
度が100℃を越えると、蒸発量が多くなり、頻繁に電
解液を補給することが必要になり、好ましくない。陽極
電流密度が50A/dm2 未満では、アルミニウムが溶
解せず、アンカー効果が得られず、めっきの密着性が悪
くなる。陽極電流密度が200A/dm2 を越えると、
発熱量が多く、冷却装置が必要になり、好ましくない。
る場合、リン酸0〜900g/L、硫酸0〜600g/
Lの濃度、50〜100℃の温度、50〜300A/d
m2の陽極電流密度で、電解エッチングする。リン酸と
硫酸の混合比率については、特に制限はない。ただし、
例えば、硫酸の混合割合が極めて小さい場合には、リン
酸の濃度を少なくとも約40g/Lとする必要がある。
温度範囲の限定理由、及び陽極電流密度の数値範囲の限
定理由については、上記リン酸のみの場合または硫酸の
みの場合と同じである。
ような利点がある。すなわち、リン酸のみを用いた場
合、電気抵抗が大きいため、発熱し易く、温度の管理が
難しい。硫酸のみを用いた場合、電気抵抗は小さいが、
陽極酸化皮膜が生成し易い。この点、リン酸と硫酸の混
合液は、リン酸のみの場合と比べて、電気抵抗が小さ
く、発熱量が少なくなり、液温の管理が簡便になる。さ
らに、陽極酸化皮膜が生成せず、アルミニウムの溶解を
促進し、シリコンの析出によるアンカー効果が得やすく
なり、めっきの密着性が高まる。
用いても、2〜15分間(通常、2〜5分間程度)であ
る。不溶性電極としては、例えば、SUS(SUS30
4等)、Pt、Ti、TiにPtめっきを施したもの等
を用いることができる。
き、Ni−Pめっき、Ni−SiCめっき、硬質クロム
めっき等を挙げることができる。中でも、シリンダーブ
ロックをめっきする場合、耐摩耗性の点から、特に好ま
しくはリンを添加したNi−Pめっき皮膜や、SiCを
分散したNi−SiCめっき皮膜や、Ni−P−SiC
めっき皮膜である。めっきは、通常、3.5〜4.5の
pH、55〜60℃の温度のめっき浴中で、5〜20A
/dm2 の電流密度で20〜60分間、通電することに
よって行なう。陽極電解エッチング処理後のアルミニウ
ム合金上にめっきを施すと、シリコンの突出とアルミニ
ウム合金上の凹凸の形成の双方のアンカー効果によっ
て、密着性の良好なめっき皮膜(めっき層)を得ること
ができる。
の形状が、微細で凹凸形状をしていることが望ましく、
また、アルミニウム合金中のシリコン濃度が高いことが
望ましい。具体的には、アルミニウム合金の断面積10
4 μm2 当たり、シリコンの周囲長さの合計の平均値
が、500μm以上であることが好ましい。また、シリ
コンを含有するアルミニウム合金中のシリコンの含有率
が、4.5重量%以上であることが好ましい。
シリコン濃度が低いことが好ましい。亜鉛置換法では、
アルカリエッチングにより、シリコンを主成分とするス
マットが発生して表面に残留するため、スマットを次工
程の混酸処理で除去する必要がある。しかし、除去しき
れずにスマットが残留した場合、めっきの密着不良を起
こすおそれがある。したがって、亜鉛置換法では、スマ
ットの発生しない組成のアルミニウム合金、すなわち、
シリコン含有量の少ないアルミニウム合金を用いること
が望ましい。また、シリコンは、亜鉛置換反応において
も活性が低いため、亜鉛粒子が析出しにくく、密着不良
の要因となりやすい。従来法の陽極酸化法においても、
アルミニウム合金中のシリコン濃度が低いことが好まし
い。シリコンは、導電性が悪いため、陽極酸化反応時に
通電しにくく、シリコンの存在する部位にはアルマイト
層が形成されにくいからである。
極電解エッチング後に、ワーク表面のシリコン晶以外の
アルミニウム合金部分に陽極酸化皮膜を生成させ、アル
ミニウム合金部分を多孔質化することもできる。陽極酸
化後にめっきを行なうことによって、橋渡しされたシリ
コンと、ワーク表面の凹凸と、上記生成した多孔質とに
よって、密着性の高いめっき皮膜を形成させることがで
きる。これによって、任意のシリコン濃度のアルミニウ
ム合金に対して、優れた密着性を得ることができる。陽
極酸化処理においては、陽極電解エッチングと全く同様
の治具、設備、電解液を用いることができる。
ング、陽極酸化処理の3工程とした場合のアルミニウム
合金製の4サイクルシリンダーの製造ラインを、図2を
参照して、説明する。図2において、シリンダー機械加
工ライン23、めっき処理ライン24、シリンダーホー
ニング加工ライン25を含む。アルミニウム合金製の4
サイクルシリンダーは、シリンダー機械加工ライン23
中で機械加工された後、めっき処理ライン24に投入さ
れる。めっき処理ラインにおいて、まず、脱脂処理槽1
1で切削油等の油分を除去した後、水洗槽12、13で
水洗して、電解エッチング処理槽14に投入する。電解
エッチング処理後、水洗槽15、16で水洗した後、陽
極酸化処理槽17に投入する。陽極酸化処理の後、水洗
槽18、19で水洗した後、めっき処理槽20でめっき
処理し、さらに水洗槽21、22で水洗する。その後、
シリンダーホーニング加工ライン25でホーニング加工
する。
わせて、脱脂処理部と呼び、電解エッチング槽14及び
水洗槽15、16を合わせて、陽極電解エッチング部と
呼び、陽極酸化処理槽17及び水洗槽18、19を合わ
せて、陽極酸化部と呼び、めっき槽20と水洗槽21、
22を合わせて、めっき処理部と呼ぶ。ラインにおい
て、アルミニウム合金成形体(ワーク)の搬送方法は、
特に限定されず、任意である。例えば、レールに沿って
ライン上を移動するワークチャックにワークを把持させ
て搬送することができる。なお、本発明において、陽極
酸化部を省略することもできる。
等を電解液として行われる。中でも、リン酸が好ましく
用いられる。リン酸を電解液として用いた場合、リン酸
50〜500g/L、温度10〜60℃、電流密度2〜
30A/dm2 、2〜15分間(通常、2〜5分間程
度)の条件で、陽極酸化処理が行われる。電解エッチン
グ処理と陽極酸化処理において、共に電解液としてリン
酸を用いれば、電解エッチング処理後の水洗工程を省略
することができ、また、ラインが短縮化され、生産性が
向上する。
の方法によって得られるめっき被覆アルミニウム合金の
断面の模式図である。図3において、アルミニウム合金
31とめっき層33の間には、アルミニウム合金の酸化
層32が存在する。また、アルミニウム合金から突出し
たシリコン34は、めっき層33に対し、アンカー効果
を与えている。
装置の一例を示す。図4において、下部フレーム41a
及び上部フレーム41bを有するフレーム41の下部フ
レーム41a上に、絶縁板46、電極板47、絶縁板4
8、電極板49、シリンダー(ワーク)50、パッキン
グ52、上部治具53が配置されている。これらの部材
の各々の中央には、シリンダーの内径と同じ径の孔が穿
設してあり、これらの中心が全て同一軸線上に並ぶよう
に配置され、液の通路が形成されている。また、これら
の部材は、エアシリンダー55によって、押圧ロッド5
5aを介して、下方に押し付けられて固定される。電解
液は、液槽42からポンプ44により圧送され、下部フ
レーム41aの下側に配設された液流入部45から流入
し、シリンダーの内面を通って、上部治具53に配設さ
れた液流出部54から液槽42へ排出される。電極板4
7の孔部中央には電極支持47aが設けられ、この電極
支持部47aに不溶性陰極(ステンレス製丸棒)の電極
51が、電解液の通路の中央に位置するように支持固定
される。通常は、電極51がマイナス、シリンダー(ワ
ーク)50がプラスとなるように、電極板47をマイナ
ス、電極板49をプラスとして、電源43から通電す
る。
液を流して、電解エッチングを行えば、余分な部分をエ
ッチングすることがなく、また、手間のかかるマスキン
グ等を必要としないため、効率が良い。また、陽極酸化
処理を行う装置は、処理液が異なるだけで電解エッチン
グとほぼ同じ構造である。
の両方にリン酸を使用する場合は、配管及び装置を共通
化することができる。図5中の符号の大部分は、図4と
同様であるので、説明を省略する。図5において、液槽
42に電解エッチング用のリン酸を、液槽42aに陽極
酸化用のリン酸をそれぞれ入れ、三方弁56a、56b
により、順次流して、連続的に処理することができる。
この場合、ワークであるシリンダーを固定したままの状
態で、液を切り替えるだけでよいため、ワークを搬送す
る必要がなく、一連の処理の効率が良い。この場合のめ
っき処理ラインは、図6に示すように、さらに短縮する
ことができる。すなわち、図2と比べて、水洗槽15、
16を省略することができ、電解エッチング槽14と陽
極酸化処理槽17を同じ装置で兼用することができる。
シリンダーをめっきする装置は、上記電解エッチング装
置とほぼ同じ構造であり、シリンダー(ワーク)50が
陰極となり、電極51が陽極となる点、及び、電解液が
異なる点を除き、図5と同様である。
っきを施す場合の装置の概略を、図7を参照して説明す
る。図7において、シリンダーブロック61は、下部治
具63上に下部パッキング68を介して載置され、シリ
ンダーの上部は、上部治具62及び上部パッキング67
によって密封される。シリンダーブロック61と治具6
2、63のチャックは、エアシリンダーによる押圧方法
やボルトによる固定等によって行なうことができる。前
処理の電解液及びめっき液は、処理液タンク70からポ
ンプ69により圧送され、処理液の流入口66から流入
し、シリンダー内面を通って、上部治具62に配置され
た処理液流出口65を通って、処理液タンク70へ排出
される。電極64は、シリンダーの中央に位置するよう
に下部治具63に固定され、シリンダーブロック61と
共に電源71に接続される。陽極電解エッチング及び陽
極酸化処理の時は、電極64をマイナス、シリンダーブ
ロック61をプラスとなるように通電する。めっきも同
様な装置で電極64をプラス、シリンダーブロック61
をマイナスに接続して行なう。このように、シリンダー
内面のみに処理液を流すフロー方式は、ワークを処理液
に浸漬させる方式に比べ、マスキング等が不要であり、
余分な部分を処理する必要がないため、処理液の寿命も
長く、効率的である。
AC4B材(Siの含有率:7〜10%)やAC4C材
(Siの含有率:6.5〜7.5%)を用いた低圧鋳造
法や、ADC12材(Siの含有率:9.6〜12%)
を用いたダイキャスト法が一般的である。本発明のめっ
き前処理方法は、混酸を用いないため、安全性に優れる
という利点を有する。特に図7に示すように、処理液を
ポンプ69で循環させる方式の場合には、その効果が著
しい。この点を詳述すると、次の通りである。
は、筒状部分の一端側にクランクケースが連結された構
造となっており、複数のシリンダーを有する多気筒エン
ジンでは、クランクケースの各気筒間には隔壁が配設さ
れている等、構造的に平らな部分が少ないため、シリン
ダーの開口部のシール方法が難しく、シールが不完全に
なり易い。しかし、混酸は、有毒であり、漏れ出すと大
変危険である。したがって、シリンダーの開口部をシー
ルして、処理液が漏れるのを防止する必要がある。ま
た、強力な腐食性を有する混酸に対応して、配管、治
具、ポンプ等を耐酸性材料とする必要があり、設備コス
トが高くなる。この点、本発明のめっき前処理方法で
は、混酸を用いないため、これらの欠点がない。
へ搬送し、その都度チャックを行なう自動めっき処理ラ
イン等においては、2回亜鉛置換法のように工程数が多
いと、チャック回数も多くなるため、シール不良による
液漏れが発生し易くなり、危険性が高くなる。この点、
本発明のめっき前処理は、工程数が少ないので、シール
不良を起こす可能性が低く、安全性の面で好ましい。さ
らに、電解エッチングと陽極酸化処理に用いる電解液を
どちらもリン酸とすれば、電解エッチングと陽極酸化処
理の間の水洗工程を省略できるだけでなく、搬送する必
要がないので、チャックも1回で足り、液漏れの危険性
が小さくなる。さらにラインを短縮することができ、生
産性を向上させることができる。
説明する。実施例1 シリコンを含有するアルミニウム合金である「AC8
A」(JIS呼称)を、水溶性脱脂剤「NG30」(キ
ザイ社製)を用いて、45℃で10分間、中性脱脂した
後、水洗した。「AC8A」の化学成分は、11.0〜
13.0%のSi、0.8%のFe、0.8〜1.3%
のCu、0.15%のMn、0.7〜1.3%のMg、
0.15%のZn、0.8〜1.5%のNi、0.20
%のTi、0.05%のPb、0.05%のSn、0.
10%のCr、残部のAlである。
(200g/Lのリン酸水溶液、80℃)に浸漬し、1
00A/dm2 の電流密度で10分間電解エッチングし
た。不溶性電極として、SUS304を用いた。電解エ
ッチング処理したアルミニウム合金を、pH4.0、温
度57±2℃のめっき浴条件下で、5A/dm2 の電流
密度で5分、通電し、さらに20A/dm2 の電流密度
で30分、通電して、Ni−P−SiCめっきを施し
た。用いためっき浴の組成は、スルファミン酸ニッケル
(Ni(NH2 SO3 )2 ・4H2O)535mL/
L、塩化ニッケル(NiCl2 ・6H2 O)15g/
L、ホウ酸(H3 BO3 )45g/L、サッカリンソー
ダ3.2g/L、次亜リン酸1.5g/L、炭化珪素
(SiC)40g/Lである。
鏡写真(倍率:400倍)を図8に示す。図8におい
て、下層の白い部分がシリコンを含有するアルミニウム
合金であり、上層の灰色の部分がめっき皮膜であり、下
層から上層の下部にかけて粒状または帯状に散在するも
のがシリコンである。上層中に点在するものは、SiC
粒子である。めっき後に、めっきとアルミニウム合金の
界面にカッターナイフを入れて剥離させることができる
かどうかを調べる密着性試験を行った。
後、実施例1と同様のスルファミン酸ニッケル浴による
Ni−P−SiCめっきを施し、実施例1と同様の密着
性試験を行なった。
後、実施例1と同様のスルファミン酸ニッケル浴による
Ni−P−SiCめっきを施し、実施例1と同様の密着
性試験を行なった。めっき被覆アルミニウム合金の断面
の顕微鏡写真(倍率:400倍)を図11に示す。図1
1において、下層がアルミニウム合金であり、中間層
(黒色)が陽極酸化皮膜であり、上層がめっき皮膜であ
る。
の工程数を表3に示す。本発明のめっき方法によって得
られためっき皮膜(実施例1)は、剥離せず、良好な密
着性を示した。亜鉛置換法により得られためっき皮膜
(比較例1)は、良好な密着性を示すが、工程数が多
く、処理時間が大きい等の欠点がある。陽極酸化法によ
って得られためっき皮膜(比較例2)は、小片状に剥離
し、密着性が劣る。
なるアルミニウム合金を用いて、めっき皮膜の密着性テ
ストを行なった。陽極電解エッチング(前処理)および
めっきの各条件は、実施例1と同様である。めっきの密
着性は、テストピース(40mm×50mm)を切り出
し、めっき皮膜とアルミニウム合金の界面にカッターナ
イフを挿入して、剥離させて評価した。
シリコン含有量およびシリコン晶形状の異なるA505
2(比較例3)、AC4D(実施例2)、ADC12
(実施例3)、A4032(実施例4)、オリジナル
(実施例5)の5種類のアルミニウム合金を使用した。
なお、アルミニウム合金の呼称は、オリジナルのものを
除き、いずれもJIS規格におけるものである。表4に
示すように、シリコン含有量が0.25%では、アンカ
ーとなるシリコンが少ないため、密着性が悪かったが、
4.5%以上のアルミニウム合金では、良好な密着性が
得られた。
ており、微細で凹凸形状になっているのが好ましい。凹
凸形状の度合を評価するため、図9のようにシリコン晶
の周囲長を測定した。図9において、シリコン晶81の
外周に沿って測定した長さが、周囲長さ82である。測
定は、アルミニウム合金の切断面を鏡面研磨した後、顕
微鏡(倍率:400倍)で研磨面を観察し、画像処理/
解析装置(ニレコ社製、ルーゼックスIID)を用い
て、シリコン晶の周囲長さを測定した。100μm×1
00μm(104 μm2 )の断面に含まれるシリコン晶
の周囲長さの合計を表4に示す。表4から、密着性の向
上のために、周囲長さは、好ましくは500μm/10
4 μm2 以上、より好ましくは3000μm/104 μ
m2 以上必要であることがわかる。
の形状は、冷却速度の影響を受けやすく、冷却速度が大
きいと微細となり、徐々に冷却されるとシリコン晶が粗
大となる傾向がある。アルミニウム合金の製造方法に
は、砂型鋳造法やダイカスト法等があり、ダイカスト法
は、金型を用いるため、放熱性が良く、冷却速度が大き
いので、シリコン晶が微細になることが知られている。
ただし、本発明は、ダイカスト法に限定されるものでは
ない。製造方法の種類にかかわらず、アルミニウム合金
中のシリコン含有量が4.5%以上、またはシリコン周
囲長さ500μm/104 μm2 以上であるシリコン含
有アルミニウム合金に適用することができる。
ム合金(実施例6〜8)をめっきした。めっき後、実施
例1と同様のめっき密着性試験を行った。また、アルミ
ニウム合金としてADC10を用い、亜鉛置換法(比較
例4)または陽極酸化法(比較例5)でめっきを行なっ
た。その結果を表5に示す。
ニウム合金の成分組成を表6に示す。
〜10%)、AC4C(Si6.5〜7.5%)、AD
C12(Si9.6〜12.0%)について、本発明の
前処理方法と、従来技術の亜鉛置換法を用いて、前処理
を行い、その上にスルファミン酸ニッケル浴によるNi
−P−SiCめっきを施し、密着性の比較を行った。本
発明の前処理方法の条件を表7に、亜鉛置換法の条件を
表8に、両者に共通のめっき条件を表9に示す。密着性
の評価は、めっき皮膜とアルミニウム合金との界面にカ
ッターナイフを入れて、剥離させる密着性試験によって
行なった。その結果を表10に示す。
と、試験を行った全ての合金について良好な密着性を示
すことがわかる。亜鉛置換法では、ADC12に対して
十分な密着性を得ていない。
8は、めっきの電解液の種類、濃度、温度を変えて、め
っきの密着性の評価を行なった実験例である。アルミニ
ウム合金(テストピース)に対し、脱脂、陽極電解エッ
チング、めっきの順に処理を施した後、めっきの密着性
を調べた。テストピースとしては、ADC12製50×
60×1.2mm板を用いた。脱脂は、NG30(キザ
イ社製)等の脱脂剤を用いて、40〜50℃の温度で5
〜10分間行なった。また、めっきは、pH4.0、温
度57±2℃のめっき浴条件下で5A/dm2 の電流密
度で5分通電し、さらに20A/dm2 の電流密度で3
0分通電して、Ni−P−SiCめっきを施した。めっ
き浴の組成は、スルファミン酸ニッケル535ml/
L、塩化ニッケル15g/L、ホウ酸45g/L、サッ
カリンソーダ3.2g/L、次亜リン酸1.5g/L、
炭化珪素40g/Lであった。
リン酸を用いた実験例である。温度を一定にして、リン
酸の濃度を変化させた場合、及び、リン酸の濃度を一定
にして、温度を変化させた場合について調べた。陽極電
流密度を100A/dm2 とし、表11及び表12に示
す条件で、陽極電解エッチングを行なった後、めっきを
施し、カッターによる剥離テストを行い、密着性の評価
を行った。密着性の評価は、処理後のテストピースを切
断し、めっき皮膜と母材の間にカッターの刃を入れて、
皮膜が剥がれるかどうかを確認することによって行なっ
た。
て、スルファミン酸を用いた実験例である。温度を一定
にして、スルファミン酸の濃度を変化させた場合、及
び、スルファミン酸の濃度を一定にして、温度を変化さ
せた場合について調べた。陽極電流密度を100A/d
m2 とし、表13及び表14に示す条件で、陽極電解エ
ッチングを行なった後、めっきを施し、カッターによる
剥離テストを行い、密着性の評価を行った。
て、硫酸を用いた実験例である。温度を一定にして、硫
酸の濃度を変化させた場合、及び、硫酸の濃度を一定に
して、温度を変化させた場合について調べた。陽極電流
密度を100A/dm2 とし、表15及び表16に示す
条件で、陽極電解エッチングを行なった後、めっきを施
し、カッターによる剥離テストを行い、密着性の評価を
行った。
酸と硫酸の混合液を用いた実験例である。混合液の濃度
を一定にして、温度を変化させた場合について調べた。
陽極電流密度を100A/dm2 とし、表17に示す条
件で、陽極電解エッチングを行なった後、めっきを施
し、カッターによる剥離テストを行い、密着性の評価を
行った。
法や陽極酸化法と比べて、工程が少なくて、処理時間が
短く、生産効率が向上し、設備の小型化やコストダウン
を図ることができる。取扱いの困難な混酸も、不要であ
る。また、シリコン含有量の高いアルミニウム合金に、
密着性の良好なめっきを施すことができる。さらに、ア
ルミニウム合金の中でもADC12等は、めっき前処理
が難しいため、従来、ADC12シリンダーに、鋳鉄ス
リーブを圧入または鋳込みにより挿入していた。これに
対し、本発明では、鋳鉄スリーブが不要となり、軽量化
や冷却性の向上を図ることができる。
一例を示す図である。
ミニウム合金の断面の模式図である。
る。
る。
図である。
示す図である。
ミニウム合金の断面の顕微鏡写真(倍率:400倍)で
ある。
き被覆アルミニウム合金の断面の模式図である。
き被覆アルミニウム合金の断面の顕微鏡写真(倍率:4
00倍)である。
Claims (26)
- 【請求項1】 シリコンを含有するアルミニウム合金
と、該アルミニウム合金の表面に形成されためっき層
と、該アルミニウム合金と該めっき層の間に橋渡しされ
た状態で存在するシリコンとからなることを特徴とする
めっき被覆アルミニウム合金。 - 【請求項2】 上記アルミニウム合金と上記めっき層の
界面に凹凸が形成されている請求項1に記載のめっき被
覆アルミニウム合金。 - 【請求項3】 上記アルミニウム合金と上記めっき層の
間に、酸化されたアルミニウム合金層を含む請求項1ま
たは2に記載のめっき被覆アルミニウム合金。 - 【請求項4】 上記アルミニウム合金の断面積104 μ
m2 当たり、シリコンの周囲長さの合計の平均値が、5
00μm以上である請求項1〜3のいずれかに記載のめ
っき被覆アルミニウム合金。 - 【請求項5】 上記シリコンを含有するアルミニウム合
金中のシリコンの含有率が、4.5重量%以上である請
求項1〜3のいずれかに記載のめっき被覆アルミニウム
合金。 - 【請求項6】 上記めっきが、Ni−P、Ni−Si
C、Ni−P−SiCのいずれかである請求項1〜3の
いずれかに記載のめっき被覆アルミニウム合金。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のめっき
被覆アルミニウム合金からなるシリンダーブロック。 - 【請求項8】 上記アルミニウム合金がAC材である請
求項7に記載のシリンダーブロック。 - 【請求項9】 上記アルミニウム合金がADC材である
請求項7に記載のシリンダーブロック。 - 【請求項10】 シリコンを含有するアルミニウム合金
を陽極電解エッチングして、該アルミニウム合金の表面
からシリコンを突出させる工程を含むことを特徴とする
アルミニウム合金上のめっき前処理方法。 - 【請求項11】 上記陽極電解エッチングによって、上
記アルミニウム合金の表面に凹凸を形成させる請求項1
0に記載のアルミニウム合金上のめっき前処理方法。 - 【請求項12】 上記陽極電解エッチングが、シリコン
を含有するアルミニウム合金を陽極とし、不溶性電極を
陰極とし、電解液中で通電することによって行われる請
求項10または11に記載のアルミニウム合金上のめっ
き前処理方法。 - 【請求項13】 上記電解液として、リン酸、スルファ
ミン酸、硫酸から選ばれる一種以上を用いる請求項12
に記載のアルミニウム合金上のめっき前処理方法。 - 【請求項14】 上記陽極電解エッチングの後に、上記
アルミニウム合金の表面を陽極酸化して、酸化されたア
ルミニウム合金層を形成させる工程を含む請求項10ま
たは11に記載のアルミニウム合金上のめっき前処理方
法。 - 【請求項15】 上記陽極電解エッチング及び上記陽極
酸化が、シリコンを含有するアルミニウム合金を陽極と
し、不溶性電極を陰極とし、電解液中で通電することに
よって行われる請求項14に記載のアルミニウム合金上
のめっき前処理方法。 - 【請求項16】 上記電解液として、リン酸、スルファ
ミン酸、硫酸から選ばれる一種以上を用いる請求項15
に記載のアルミニウム合金上のめっき前処理方法。 - 【請求項17】 シリコンを含有するアルミニウム合金
を陽極電解エッチングして、該アルミニウム合金の表面
からシリコンを突出させると共に、表面に凹凸を形成さ
せる工程と、めっき工程を含むことを特徴とするアルミ
ニウム合金上のめっき方法。 - 【請求項18】 上記陽極電解エッチングが、シリコン
を含有するアルミニウム合金を陽極とし、不溶性電極を
陰極とし、電解液中で通電することによって行われる請
求項17に記載のアルミニウム合金上のめっき方法。 - 【請求項19】 上記陽極電解エッチングの電解液とし
て、リン酸、スルファミン酸、硫酸から選ばれる一種以
上を用いる請求項18に記載のアルミニウム合金上のめ
っき方法。 - 【請求項20】 上記めっき工程の前に、シリコンの突
出した上記アルミニウム合金の表面を陽極酸化する工程
を含む請求項17に記載のアルミニウム合金上のめっき
方法。 - 【請求項21】 上記陽極電解エッチング及び上記陽極
酸化が、シリコンを含有するアルミニウム合金を陽極と
し、不溶性電極を陰極とし、電解液中で通電することに
よって行われる請求項20に記載のアルミニウム合金上
のめっき方法。 - 【請求項22】 上記陽極電解エッチング及び上記陽極
酸化の電解液として、リン酸、スルファミン酸、硫酸か
ら選ばれる一種以上を用いる請求項21に記載のアルミ
ニウム合金上のめっき方法。 - 【請求項23】 上記めっき工程において、Ni−P、
Ni−SiC、Ni−P−SiCのいずれかをめっきと
して用い、かつ、AC材またはADC材を上記アルミニ
ウム合金の材料として用いる請求項17〜22のいずれ
かに記載のアルミニウム合金上のめっき方法。 - 【請求項24】 脱脂処理部と、電解エッチング処理部
と、めっき処理部を含むアルミニウム合金のめっき処理
ライン。 - 【請求項25】 さらに陽極酸化処理部を含む請求項2
4に記載のアルミニウム合金のめっき処理ライン。 - 【請求項26】 上記めっき処理部のめっきが、Ni−
P、Ni−SiC、Ni−P−SiCのいずれかであ
り、かつ、上記アルミニウム合金が、AC材またはAD
C材である請求項24または25に記載のアルミニウム
合金のめっき処理ライン。
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