JPH11177366A - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

積層型誘電体フィルタ

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Publication number
JPH11177366A
JPH11177366A JP33956197A JP33956197A JPH11177366A JP H11177366 A JPH11177366 A JP H11177366A JP 33956197 A JP33956197 A JP 33956197A JP 33956197 A JP33956197 A JP 33956197A JP H11177366 A JPH11177366 A JP H11177366A
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JP
Japan
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conductor pattern
dielectric layers
dielectric
capacitor
dielectric layer
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Application number
JP33956197A
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English (en)
Inventor
Shinji Furuya
信二 古谷
Koichi Fukuda
晃一 福田
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面側及び裏面側のいずれを基板に対向させ
て取り付けた場合にも同等な電気的特性を得ることがで
き、製造時に反りやクラックの発生しにくい積層型誘電
体フィルタを提供する。 【解決手段】 誘電体層1a〜1iを積層し、隣接誘電
体層間にアース用導体パターンEAR1,EAR2、コ
ンデンサ用導体パターンCAP1〜CAP6及びインダ
クタ用導体パターンIND1,IND2を形成し、これ
ら導体パターンを組み合わせてコンデンサ及びインダク
タ(導体パターンIND1,IND2は誘電体層1eに
形成されたビアホールVIAにより接続されている)を
形成する。積層方向(中心線Sの方向)に関する隣接誘
電体層間の導体パターンの面積の分布及び誘電体層の膜
厚の分布は対称性を有する。隣接誘電体層間の導体パタ
ーンのうちのいくつかは中心線Sに関してほぼ180度
回転対称である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として数100
MHz〜数GHzの周波数帯域において用いられるフィ
ルタ素子の技術に属するものであり、特に、積層された
誘電体層間に導体パターンを配置してなる積層型誘電体
フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明の背景並びに発明が解決しようと
する課題】従来、数100MHz〜数GHzの周波数帯
域において用いられている積層型誘電体フィルタとして
は、例えば特開平8−46469号公報に記載のものが
挙げられる。
【0003】この積層型誘電体フィルタでは、図10に
分解斜視図が示されているように、誘電体層11a〜1
1fを積層し、誘電体層11aと11bとの間にインダ
クタL2 用導体パターン12を形成し、誘電体層11b
と11cとの間にコンデンサC2 用導体パターン13a
を形成し、誘電体層11cと11dとの間にパターン1
3aと対をなすコンデンサC2 用導体パターン13bを
形成し、誘電体層11dと11eとの間にコンデンサC
1 用導体パターン14a及びコンデンサC3 用導体パタ
ーン14bを形成し、誘電体層11eと11fとの間に
パターン14a,14bとそれぞれ対をなすコンデンサ
1 ,C3 用及び接地用の導体パターン15を形成して
いる。
【0004】そして、図11に示されているように、以
上のようにして形成される積層体16の対向する端面に
1対の入出力端子17を形成して所定の導体パターンと
導通させ、他の対向する端面に1対の接地端子18を形
成して接地用の導体パターン15と導通させている。
【0005】図12は以上のような従来の積層型誘電体
フィルタの等価回路図を示す。図12において、L12
22はそれぞれ導体パターン13a,13bの互いに対
向する容量形成部と入出力端子接続部との間においてそ
れぞれ形成される付加的インダクタを示すものであり、
S1,LS3はそれぞれ導体パターン14a,14bの互
いに対向する容量形成部と入出力端子接続部との間にお
いて形成される付加的インダクタを示すものである。
【0006】以上のような従来の積層型フィルタでは、
フィルタ素子の表面(即ち誘電体層11aの上側外面)
側から裏面(即ち誘電体層11fの下側外面)側へと、
先ずインダクタL2 用導体パターン12が形成され、続
いてコンデンサC2 用導体パターン13a、同導体パタ
ーン13b、コンデンサC1 ,C3 用導体パターン14
a,14b、及び接地用導体パターン15が形成されて
いる(即ち、積層方向あるいは素子の表裏方向[図10
における上下方向]に関して、導体パターン配列に方向
性を有する)。このため、積層型フィルタ素子を配線基
板の表面に取り付ける場合に、素子の裏面側を基板と対
向させて配置するか表面を基板と対向させて配置するか
により、浮遊容量や浮遊インダクタンスが異なる。即
ち、基板への取り付け姿勢に応じて異なる電気特性をも
つことになり、該フィルタ素子を有する回路の特性が異
なるようになる。
【0007】このような問題を回避するためには、素子
の製造工程で表面及び裏面を区別できるような目印を形
成し、基板への取り付け工程において表面及び裏面のう
ちの予め定められた方を基板と対向するような姿勢で素
子を基板へ取り付けることが必要となり、素子製造工程
及び基板への取り付け工程において余分な作業が必要と
なり、工程管理上の煩わしさ及び工数アップによる製造
及び組み立てコストの上昇がひきおこされる。
【0008】更に、以上のような従来の積層型フィルタ
素子では、積層方向に関して導体パターン配列の方向性
があるため、誘電体層間の導体パターンの面積の大きさ
が積層方向に関して方向性を有することにある。そのよ
うな場合には、導体パターンと誘電体層(セラミックか
らなる)との熱膨張収縮率の差異により、素子製造の際
の焼成時に反りが発生したりクラックが発生したりしや
すく、素子製造の歩留が低下することがあるという問題
点がある。
【0009】図13は、以上のような従来の積層型フィ
ルタ素子と同様に積層方向に関して電極パターンの配列
に方向性がある参考例としての積層型フィルタ素子の分
解斜視図である。
【0010】図13において、誘電体層(セラミック
層)1a〜1gを積層し、誘電体層1aと1bとの間に
アース用導体パターンEAR1を形成し、誘電体層1b
と1cとの間にコンデンサ用導体パターンCAP1,C
AP2を形成し、誘電体層1cと1dとの間にコンデン
サ用導体パターンCAP3を形成し、誘電体層1dと1
eとの間にインダクタ用導体パターンIND1を形成
し、誘電体層1eと1fとの間にインダクタ用導体パタ
ーンIND2を形成し、該導体パターンIND2をビア
ホールVIAにより導体パターンIND1と接続して1
つのインダクタを形成し、誘電体層1fと1gとの間に
アース用導体パターンEAR2を形成している。
【0011】そして、図14に示されているように、以
上のような積層体の対向する端面に1対の入出力端子と
なる外部電極ELE1及び外部電極ELE2を形成して
所定の導体パターンと導通させ、他の対向する端面に2
対の接地端子となる外部電極ELE3,ELE4,EL
E5,ELE6を形成してアース用導体パターンEAR
1,EAR2と導通させている。
【0012】図15に、図13及び図14に示されてい
る積層型フィルタ素子の等価回路を示す。
【0013】図16は、この積層型フィルタ素子を配線
基板に取り付けた場合の減衰特性を示すグラフである。
Xは素子の表面(図13における誘電体層1gの上面)
側を基板に対向させて配置した場合の特性であり、Yは
素子の裏面(図13における誘電体層1aの下面)側を
基板に対向させて配置した場合の特性であり、両者には
かなり大きな差異がある。
【0014】この積層型フィルタ素子においても、図1
0〜12で説明した素子と同様に、製造の際の焼成時に
反りが発生したりクラックが発生したりしやすく、製造
歩留が低下することがあるという問題点がある。
【0015】そこで、本発明は、表面側及び裏面側のい
ずれを基板に対向させて該基板に取り付けた場合にも同
等な電気的特性を得ることができる積層型誘電体フィル
タを提供することを目的とするものである。
【0016】また、本発明の他の目的は、製造時に反り
やクラックの発生しにくい積層型誘電体フィルタを提供
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段および作用】本発明によれ
ば、以上の如き目的を達成するものとして、複数の誘電
体層を積層し、隣接誘電体層間に導体パターンを形成
し、該導体パターンを適宜組み合わせてコンデンサ及び
インダクタを形成してなる積層型誘電体フィルタであっ
て、積層方向に関する前記隣接誘電体層間の導体パター
ンの面積の分布は対称性を有していることを特徴とする
積層型誘電体フィルタ、が形成される。
【0018】本発明の一態様においては、前記積層方向
に関する前記誘電体層の膜厚の分布は対称性を有してい
る。
【0019】本発明の一態様においては、前記隣接誘電
体層間の導体パターンのうちのいくつかは前記積層方向
の中心線に関してほぼ180度回転対称である。
【0020】本発明の一態様においては、前記隣接誘電
体層間の導体パターンは前記誘電体層に形成されたビア
ホールまたは前記誘電体層の積層体の側面に形成された
外部電極により、異なる隣接誘電体層間の導体パターン
と電気的に接続されている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を示し、
本発明を更に詳細に説明する。
【0022】[実施形態1]図1は実施形態1の積層型
誘電体フィルタの分解斜視図であり、図2はその積層状
態の斜視図であり、図3は図2のA−A’切断面を示す
模式図である。
【0023】図1において、誘電体層(セラミック層)
1a〜1iを積層し、誘電体層1aと1bとの間にアー
ス用導体パターンEAR1を形成し、誘電体層1bと1
cとの間にコンデンサ用導体パターンCAP1,CAP
2を形成し、誘電体層1cと1dとの間にコンデンサ用
導体パターンCAP5を形成し、誘電体層1dと1eと
の間にインダクタ用導体パターンIND1を形成し、誘
電体層1eと1fとの間にインダクタ用導体パターンI
ND2を形成し、該導体パターンIND2をビアホール
VIAにより導体パターンIND1と接続して1つのイ
ンダクタを形成し、誘電体層1fと1gとの間にコンデ
ンサ用導体パターンCAP6を形成し、誘電体層1gと
1hとの間にコンデンサ用導体パターンCAP3,CA
P4を形成し、誘電体層1hと1iとの間にアース用導
体パターンEAR2を形成している。
【0024】誘電体層1aの下側の面が積層型誘電体フ
ィルタの裏面を形成し、誘電体層1iの上側の面が積層
型誘電体フィルタの表面を形成している。
【0025】図1〜図3において、Sは積層体の積層方
向(即ち表面及び裏面の法線の方向=表裏方向=厚さ方
向)の線であって、フィルタ外形(直方体形状)の中心
を通る線(積層方向中心線)を示すものである。
【0026】アース用導体パターンEAR1,EAR2
は、同一の形状をなしており、それぞれが中心線Sに関
して180度回転対称である。コンデンサ用導体パター
ンCAP1,CAP2は、同一の形状をなしており、中
心線Sに関して180度回転対称の位置に配置されてい
る。コンデンサ用導体パターンCAP3,CAP4は、
同一の形状をなしており、中心線Sに関して180度回
転対称の位置に配置されている。尚、コンデンサ用導体
パターンCAP1,CAP2は、コンデンサ用導体パタ
ーンCAP3,CAP4と同一の形状をなしている。コ
ンデンサ用導体パターンCAP5,CAP6は、同一の
形状をなしており、それぞれが中心線Sに関して180
度回転対称である。また、インダクタ用導体パターンI
ND1とインダクタ用導体パターンIND2とは鏡面対
称性を有し同一の長さ及び面積を有する。
【0027】そして、図2に示されているように、以上
のような積層体の対向する端面に1対の入出力端子とな
る外部電極ELE1,ELE2を形成し、外部電極EL
E1をコンデンサ用導体パターンCAP1,CAP3及
びインダクタ用導体パターンIND2と導通させ、外部
電極ELE2をコンデンサ用導体パターンCAP2,C
AP4及びインダクタ用導体パターンIND1と導通さ
せ、他の対向する端面に2対の接地端子となる外部電極
ELE3,ELE4,ELE5,ELE6を形成してア
ース用導体パターンEAR1,EAR2と導通させてい
る。
【0028】図3に示されているように、インダクタ用
導体パターンIND1とコンデンサ用導体パターンCA
P5との間隔(即ち誘電体層1dの厚さ)は、インダク
タ用導体パターンIND2とコンデンサ用導体パターン
CAP6との間隔(即ち誘電体層1fの厚さ)と等し
く、t1である。また、コンデンサ用導体パターンCA
P5とコンデンサ用導体パターンCAP1,CAP2と
の間隔(即ち誘電体層1cの厚さ)は、コンデンサ用導
体パターンCAP6とコンデンサ用導体パターンCAP
3,CAP4との間隔(即ち誘電体層1gの厚さ)と等
しく、t2である。また、コンデンサ用導体パターンC
AP1,CAP2とアース用導体パターンEAR1との
間隔(即ち誘電体層1bの厚さ)は、コンデンサ用導体
パターンCAP3,CAP4とアース用導体パターンE
AR2との間隔(即ち誘電体層1hの厚さ)と等しく、
t3である。更に、アース用導体パターンEAR1と裏
面(下側の面)との間隔(即ち誘電体層1aの厚さ)
は、アース用導体パターンEAR2と表面(上側の面)
との間隔(即ち誘電体層1iの厚さ)と等しく、t4で
ある。尚、全ての導体パターンの厚さは実質上同一であ
る。
【0029】従って、誘電体層1aと誘電体層1hとの
厚さを同一にすることで、焼結前に用意するアース用導
体パターンEAR1の形成された誘電体層1aとアース
用導体パターンEAR2の形成された誘電体層1hとを
共通化することができる。同様に、誘電体層1bと誘電
体層1gとの厚さを同一にすることで、焼結前に用意す
るコンデンサ用導体パターンCAP1,CAP2の形成
された誘電体層1bとコンデンサ用導体パターンCAP
3,CAP4の形成された誘電体層1gとを共通化する
ことができる。同様に、誘電体層1cと誘電体層1fと
の厚さを同一にすることで、焼結前に用意するコンデン
サ用導体パターンCAP5の形成された誘電体層1cと
コンデンサ用導体パターンCAP6の形成された誘電体
層1fとを共通化することができる。
【0030】図3には、中心線Sに直交する面であって
インダクタ用導体パターンIND1,IND2の中間に
位置する面(即ち誘電体層1eの上下両面の中央に位置
する面)がPで示されている。以上の説明からわかるよ
うに、この面Pに関して、それより下側の構造と上側の
構造とはパターン面積及び誘電体層厚さの点で対称性を
有する。そして、誘電体層間に形成されるコンデンサ用
導体パターン及びアース用導体パターンは、それぞれが
中心線Sに関して180度回転対称性を有する。
【0031】図4に、図1及び図2に示されている積層
型誘電体フィルタの等価回路を示す。この等価回路に示
されているインダクタL1及びコンデンサC11,C1
2,C21,C22,C31,C32,C41,C42
と、図1の各導体パターンとの対応関係は次のとおりで
ある: インダクタL1=IND1+IND2+VIA コンデンサC11=EAR1+CAP1 コンデンサC21=EAR1+CAP2 コンデンサC12=EAR2+CAP3 コンデンサC22=EAR2+CAP4 コンデンサC31=CAP1+CAP2 コンデンサC41=CAP1+CAP2+CAP5 コンデンサC32=CAP3+CAP4 コンデンサC42=CAP3+CAP4+CAP6 この実施形態1では3次の有極型ローパスフィルタを構
成している。
【0032】図5は、本実施形態の積層型誘電体フィル
タ素子を配線基板に取り付けた場合の減衰特性を示すグ
ラフである。Xは素子の表面側を基板に対向させて配置
した場合の特性であり、Yは素子の裏面側を基板に対向
させて配置した場合の特性であり、両者は殆ど一致して
おり、基板への取り付け姿勢による特性差は殆ど発生し
ない。このため、素子の製造工程で表面及び裏面を区別
するための目印を形成したり基板への取り付け工程にお
いて表面及び裏面のうちの予め定められた方を基板と対
向するような姿勢で素子を基板へ取り付けるようなこと
が必要でなくなり、素子製造工程及び基板への取り付け
工程における作業が簡易化され、工程管理上の煩わしさ
及び工数アップによる製造及び組み立てコストの上昇が
抑制される。
【0033】また、本実施形態の素子は、上記のよう
に、面Pに関して良好な対称性を有し、且つ殆どの誘電
体層間で導体パターンが中心線Sに関して良好な回転対
称性を有するので、素子製造の際の焼成時に生ずる応力
が偏ることがなく、そりが発生したりクラックの発生が
抑制される。
【0034】[実施形態2]図6は実施形態2の積層型
誘電体フィルタの分解斜視図であり、図7はその積層状
態の斜視図である。
【0035】図6において、誘電体層(セラミック層)
1a〜1k及び1mを積層し、誘電体層1aと1bとの
間にアース用導体パターンEAR1を形成し、誘電体層
1bと1cとの間にインダクタ用導体パターンIND1
を形成し、誘電体層1cと1dとの間にインダクタ用導
体パターンIND2を形成し、該導体パターンIND2
をビアホールVIA1により導体パターンIND1と接
続して1つのインダクタを形成し、誘電体層1dと1e
との間にコンデンサ用導体パターンCAP5を形成し、
誘電体層1eと1fとの間にコンデンサ用導体パターン
CAP1,CAP2を形成し、誘電体層1fと1gとの
間にアース用導体パターンEAR3を形成し、誘電体層
1gと1hとの間にコンデンサ用導体パターンCAP
3,CAP4を形成し、誘電体層1hと1iとの間にコ
ンデンサ用導体パターンCAP6を形成し、誘電体層1
iと1jとの間にインダクタ用導体パターンIND3を
形成し、誘電体層1jと1kとの間にインダクタ用導体
パターンIND4を形成し、該導体パターンIND4を
ビアホールVIA2により導体パターンIND3と接続
して1つのインダクタを形成し、誘電体層1kと1mと
の間にアース用導体パターンEAR2を形成している。
【0036】誘電体層1aの下側の面が積層型誘電体フ
ィルタの裏面を形成し、誘電体層1mの上側の面が積層
型誘電体フィルタの表面を形成している。
【0037】図6〜図7において、Sは積層体の積層方
向(即ち表面及び裏面の法線の方向=表裏方向=厚さ方
向)の線であって、フィルタ外形(直方体形状)の中心
を通る線(積層方向中心線)を示すものである。
【0038】アース用導体パターンEAR1,EAR
2,EAR3は、同一の形状をなしており、それぞれが
外部電極(後述する)との接続のための外方延在部を除
いて、中心線Sに関して180度回転対称である。コン
デンサ用導体パターンCAP1,CAP2は、外部電極
(後述する)との接続のための外方延在部を除いて、同
一の形状をなしており、中心線Sに関して180度回転
対称の位置に配置されている。コンデンサ用導体パター
ンCAP3,CAP4は、外部電極(後述する)との接
続のための外方延在部を除いて、同一の形状をなしてお
り、中心線Sに関して180度回転対称の位置に配置さ
れている。コンデンサ用導体パターンCAP5,CAP
6は、同一の形状をなしており、それぞれが中心線Sに
関して180度回転対称である。また、インダクタ用導
体パターンIND1とインダクタ用導体パターンIND
4とは鏡面対称性を有し同一の長さ及び面積を有してお
り、インダクタ用導体パターンIND2とインダクタ用
導体パターンIND3とは鏡面対称性を有し同一の長さ
及び面積を有している。
【0039】誘電体層1aの厚さは誘電体層1mの厚さ
と等しく、誘電体層1bの厚さは誘電体層1kの厚さと
等しく、誘電体層1cの厚さは誘電体層1jの厚さと等
しく、誘電体層1dの厚さは誘電体層1iの厚さと等し
く、誘電体層1eの厚さは誘電体層1hの厚さと等し
く、誘電体層1fの厚さは誘電体層1gの厚さと等し
い。尚、全ての導体パターンの厚さは実質上同一であ
る。
【0040】従って、誘電体層1aと誘電体層1fと誘
電体層1kとの厚さを同一にすることで、焼結前に用意
するアース用導体パターンEAR1の形成された誘電体
層1aとアース用導体パターンEAR3の形成された誘
電体層1fとアース用導体パターンEAR2の形成され
た誘電体層1kとを共通化することができる。同様に、
誘電体層1dと誘電体層1hとの厚さを同一にすること
で、焼結前に用意するコンデンサ用導体パターンCAP
5の形成された誘電体層1dとコンデンサ用導体パター
ンCAP6の形成された誘電体層1hとを共通化するこ
とができる。
【0041】そして、図7に示されているように、以上
のような積層体の対向する端面に外部電極ELE1〜E
LE6を形成し、外部電極ELE4,ELE6を入出力
端子とし、外部電極ELE4をコンデンサ用導体パター
ンCAP4及びインダクタ用導体パターンIND4と導
通させ、外部電極ELE6をコンデンサ用導体パターン
CAP1及びインダクタ用導体パターンIND1と導通
させる。また、外部電極ELE2をコンデンサ用導体パ
ターンCAP2,CAP3及びインダクタ用導体パター
ンIND2,IND3と導通させ、外部電極ELE1,
ELE3,ELE5をアース用導体パターンEAR1,
EAR2,EAR3と導通させている。
【0042】本実施形態においても、実施形態1と同様
に、中心線Sに直交する面であってアース用導体パター
ンEAR3の位置する面(即ち誘電体層1fと誘電体層
1gとの界面)に関して、それより下側の構造と上側の
構造とはパターン面積及び誘電体厚さの点で対称性を有
する。そして、誘電体層間に形成されるコンデンサ用導
体パターン及びアース用導体パターンは、それぞれが中
心線Sに関してほぼ180度回転対称性を有する。
【0043】図8に、図6及び図7に示されている積層
型誘電体フィルタの等価回路を示す。この等価回路に示
されているインダクタL1,L2及びコンデンサC1,
C2,C3,C4,C5,C6と、図6の各導体パター
ンとの対応関係は次のとおりである: インダクタL1=IND1+IND2+VIA1 インダクタL2=IND3+IND4+VIA2 コンデンサC1=EAR1+CAP1 コンデンサC2=EAR1+CAP2 コンデンサC3=EAR2+CAP3 コンデンサC4=EAR2+CAP4 コンデンサC5=CAP1+CAP2+CAP5 コンデンサC6=CAP3+CAP4+CAP6 この実施形態2では5次の有極型ローパスフィルタを構
成している。
【0044】図9は、本実施形態の積層型誘電体フィル
タ素子を配線基板に取り付けた場合の減衰特性を示すグ
ラフである。Xは素子の表面側を基板に対向させて配置
した場合の特性であり、Yは素子の裏面側を基板に対向
させて配置した場合の特性であり、両者は殆ど一致して
おり、基板への取り付け姿勢による特性差は殆ど発生し
ない。このため、素子の製造工程で表面及び裏面を区別
するための目印を形成したり基板への取り付け工程にお
いて表面及び裏面のうちの予め定められた方を基板と対
向するような姿勢で素子を基板へ取り付けるようなこと
が必要でなくなり、素子製造工程及び基板への取り付け
工程における作業が簡易化され、工程管理上の煩わしさ
及び工数アップによる製造及び組み立てコストの上昇が
抑制される。
【0045】また、本実施形態の素子は、上記のよう
に、アース用導体パターンEAR3の面に関して良好な
対称性を有し、且つ殆どの誘電体層間で導体パターンが
中心線Sに関して良好な回転対称性を有するので、素子
製造の際の焼成時に生ずる応力が偏ることがなく、そり
が発生したりクラックの発生が抑制される。
【0046】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、積
層構造において積層方向に関する方向性が殆どなく、裏
面側からみた場合も表面側からみた場合も実質上同等な
誘電体層厚さ分布及び導体パターン分布であるので、基
板への取り付け姿勢による特性差は殆ど発生せず、素子
製造工程及び基板への取り付け工程における表裏区別に
起因する作業が簡易化され、工程管理上の煩わしさ及び
工数アップによる製造及び組み立てコストの上昇が抑制
される。また、素子製造の際の焼成時に生ずる応力が偏
ることがなく反りの発生やクラックの発生が抑制され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の積層型誘電体フィルタの
分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1の積層型誘電体フィルタの
積層状態の斜視図である。
【図3】図2のA−A’切断面を示す模式図である。
【図4】本発明の実施形態1の積層型誘電体フィルタの
等価回路図である。
【図5】本発明の実施形態1の積層型誘電体フィルタの
減衰特性を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態2の積層型誘電体フィルタの
分解斜視図である。
【図7】本発明の実施形態2の積層型誘電体フィルタの
積層状態の斜視図である。
【図8】本発明の実施形態2の積層型誘電体フィルタの
等価回路図である。
【図9】本発明の実施形態2の積層型誘電体フィルタの
減衰特性を示すグラフである。
【図10】従来の積層型誘電体フィルタの分解斜視図で
ある。
【図11】従来の積層型誘電体フィルタの積層状態の斜
視図である。
【図12】従来の積層型誘電体フィルタの等価回路図で
ある。
【図13】参考例として示す積層型誘電体フィルタの分
解斜視図である。
【図14】参考例として示す積層型誘電体フィルタの積
層状態の斜視図である。
【図15】参考例として示す積層型誘電体フィルタの等
価回路図である。
【図16】参考例として示す積層型誘電体フィルタの減
衰特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1a〜1k,1m 誘電体層 EAR1〜EAR3 アース用導体パターン IND1〜IND4 インダクタ用導体パターン CAP1〜CAP6 コンデンサ用導体パターン VIA,VIA1,VIA2 ビアホール ELE1〜ELE6 外部電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層を積層し、隣接誘電体層
    間に導体パターンを形成し、該導体パターンを適宜組み
    合わせてコンデンサ及びインダクタを形成してなる積層
    型誘電体フィルタであって、積層方向に関する前記隣接
    誘電体層間の導体パターンの面積の分布は対称性を有し
    ていることを特徴とする積層型誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記積層方向に関する前記誘電体層の膜
    厚の分布は対称性を有していることを特徴とする、請求
    項1に記載の積層型誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記隣接誘電体層間の導体パターンのう
    ちのいくつかは前記積層方向の中心線に関してほぼ18
    0度回転対称であることを特徴とする、請求項1〜2の
    いずれかに記載の積層型誘電体フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記隣接誘電体層間の導体パターンは前
    記誘電体層に形成されたビアホールまたは前記誘電体層
    の積層体の側面に形成された外部電極により、異なる隣
    接誘電体層間の導体パターンと電気的に接続されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の積
    層型誘電体フィルタ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002344274A (ja) * 2001-05-18 2002-11-29 Murata Mfg Co Ltd バランス型lcフィルタ
JP2007124310A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Taiyo Yuden Co Ltd 積層型誘電体フィルタ
JP2007124172A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 Ube Ind Ltd 高周波用ローパスフィルタ
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US9700963B2 (en) 2011-03-28 2017-07-11 Senju Metal Industry Co., Ltd. Lead-free solder ball

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