JP2001044074A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ

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JP2001044074A
JP2001044074A JP11212363A JP21236399A JP2001044074A JP 2001044074 A JP2001044074 A JP 2001044074A JP 11212363 A JP11212363 A JP 11212363A JP 21236399 A JP21236399 A JP 21236399A JP 2001044074 A JP2001044074 A JP 2001044074A
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capacitor
ceramic capacitor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな容量の積層コンデンサ素子部の等価直
列抵抗が小さく、高周波特性がよく、その上、実装時の
部品点数及び実装面積が低減した積層セラミックコンデ
ンサを提供する。 【解決手段】 誘電体層1と内部電極層2を交互に積層
し、2つの積層コンデンサ素子部3、4を、積層体の厚
み方向に所定の容量部間隔7をおいて離し、その外側に
誘電体による2つの保護層5を形成し、さらに、外部電
極6を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の受動部
品として用いられる積層セラミックコンデンサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機やノートパソコン等の電子機
器から発生する放射雑音を低減する方法として、例え
ば、電流供給ライン経路の増加に伴うカップリングで発
生する雑音を抑制するために、回路基板上のLSIの動
作に必要な電流を供給するコンデンサとして、カップリ
ングを緩衝するためのデカップリングコンデンサが用い
られている。
【0003】デカップリングコンデンサは、消費電流や
駆動電流がほとんど変化しないTTLICの場合、TT
LIC1個当たり2.2μFのものを2〜3個入れてい
た。また、回路構成としては、電荷供給のコンデンサと
して、大容量で高周波帯域で周波数特性が悪いタンタル
コンデンサと小容量で高周波特性のよい積層セラミック
コンデンサの組み合わせが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、動作周
波数が高いLSIの場合、LSIから離れた位置に実装
されたり、静電容量が少ない場合、遠くのデカップリン
グコンデンサから電荷供給されるため、電流ラインが長
くなりデカップリング効果が得られなくなるという問題
点があった。また、隣接したコンデンサの距離と、その
ラインを流れる高周波電流の波長が一致し、共振現象を
引き起こし放射雑音が大きくなるという問題点があっ
た。
【0005】上述したことから、回路基板上に最低2個
のコンデンサを実装する必要があり、その実装も共振現
象を引き起こさない距離が必要であるため、実装時の部
品点数が多く、かつ、実装面積が大きくなるという問題
点があった。
【0006】そこで、2つ以上の容量の異なる積層コン
デンサ素子部を有し、1チップにした積層セラミックコ
ンデンサとして、特開平7−142285や特開平8−
162368が開示されている。
【0007】小さな容量のコンデンサ素子部を形成する
方法として、直列接続や電極ペーストに添加物を入れる
方法が示され、いずれの方法も周波数の広帯域化の効果
は上がっている。しかし、この構成の場合、等価直列抵
抗の増加が引き起こされ、大きな容量の積層コンデンサ
素子部のインダクタンス成分に吸収されてしまう場合が
あり、最近の小型、大容量及び高周波化に対して効果が
不十分であった。
【0008】したがって、本発明の目的は、小さな容量
の積層コンデンサ素子部の等価直列抵抗が小さく、高周
波特性がよく、その上、実装時の部品点数及び実装面積
を低減した積層セラミックコデンサを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、誘電体層と低
抵抗導体からなる内部電極層とを交互に複数層積み重ね
て形成する積層体に外部電極を設けてなる積層セラミッ
クコンデンサにおいて、容量の異なる2つの積層コンデ
ンサ素子部が積層方向に配置され、一方の積層コンデン
サ素子部と他方の積層コンデンサ素子部との間隔が0.
15mm以上離れている積層セラミックコンデンサであ
る。
【0010】また、本発明は、上記積層セラミックコン
デンサにおいて、前記内部電極層の取り出しを、長辺に
対し、直交する方向から行なう積層セラミックコンデン
サである。
【0011】また、本発明は、上記の積層セラミックコ
ンデンサにおいて、前記一方の積層コンデンサ素子部
は、前記他方の積層コンデンサ素子部より容量が小さ
く、前記内部電極層が積層方向と直交する方向に分離さ
れ、2つ以上の積層コンデンサ部を有する積層セラミッ
クコンデンサである。
【0012】また、本発明は、上記の積層セラミックコ
ンデンサにおいて、前記積層コンデンサ部の間隔が0.
05mm以上離れている積層セラミックコンデンサであ
る。
【0013】また、本発明は、上記積層セラミックコン
デンサにおいて、前記積層コンデンサ部は、内部電極パ
ターンの面積が実質的に同一で、実質的に同一の容量を
有する積層セラミックコンデンサである。
【0014】また、本発明は、上記積層セラミックコン
デンサにおいて、前記積層コンデンサ部は、内部電極パ
ターンの面積が異なり、異なる容量を有する積層セラミ
ックコンデンサである。
【0015】また、本発明は、上記積層セラミックコン
デンサにおいて、前記積層コンデンサ部は、前記内部電
極の取り出し口に共通電極部を有する積層セラミックコ
ンデンサである。
【0016】また、本発明は、上記積層セラミックコン
デンサにおいて、前記他方の積層コンデンサ部の内部電
極の電極取り出し口に狭窄部、または、スリット部を有
する積層セラミックコンデンサである。
【0017】本発明によれば、大きな容量と小さな容量
の積層セラミックコンデンサ素子部が、1チップ部品で
形成され、高周波特性がよく、実装時の部品点数及び実
装面積の低減を図った積層セラミックコンデンサを得る
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の積層セラミック
コンデンサの実施の形態について説明する。
【0019】(実施の形態1)図1は、本発明の一実施
の形態に係わる積層セラミックコンデンサの説明図であ
る。図1(a)は、外観斜視図、図1(b)は、図1
(a)のA−A断面図、図1(c)は、図1(b)のB
−B断面図である。
【0020】図1に示すように、本発明の積層セラミッ
クコンデンサは、誘電体層1と内部電極層2を交互に積
層して脱バインダ、焼結を行い、得られたセラミック焼
結体10に外部電極6を施すことによって内部電極層2
と電気的に接続したものである。
【0021】この積層セラミックコンデンサは、誘電体
層1と内部電極層2を交互に積層した2つの積層コンデ
ンサ素子部3、4が積層体の厚み方向に所定の容量部間
隔7をおいて離されて、その外側に誘電体による2つの
保護層5が設けられてなる。ここで、積層コンデンサ素
子部3は、もう一方の積層コンデンサ素子部4に比べ
て、誘電体層の厚みが薄く多層構造であるので、大きな
容量を有する。積層コンデンサ素子部4は、積層方向に
対して直交方向に積層コンデンサ部8を有している。ま
た、2つの積層コンデンサ素子部3、4の隣り合う内部
電極の方向が、同一方向となっている。誘電体層1の誘
電率εは、100〜20000とした。内部電極層2に
は、低融点金属であるAg、Ag−Pd、Ni、Cu等
の、誘電体材料と同時焼成が可能なものを使用した。
【0022】図3は、図1の積層セラミックコンデンサ
の各積層コンデンサ素子部の平面断面図である。図3
(a)、図3(b)に示すように、図1の積層コンデン
サ素子部4[図3(a)]は、外部電極と電気的に接続
する内部電極取り出し幅は、図1の積層コンデンサ素子
部3[図3(b)]よりも狭くなっており、同じ幅の内
部電極が2個以上ある形になっている。
【0023】なお、積層コンデンサ素子部3は、図3
(c)、図3(d)に示す形状でもよい。外部電極と電
気的に接続される内部電極取り出し口が積層方向で他の
内部電極と対向する部分以外で狭窄部11、あるいはス
リット部12を形成している。
【0024】また、図3(e)、図3(f)に示す形状
でもよい。外部電極と電気的に接続される内部電極取り
出し口が共通電極部13になっている。電極を共通にす
ることによって、電極取り出し幅が取り出し長さより長
くなることで、等価直列抵抗が下がる。
【0025】次に、本発明の積層セラミックコンデンサ
の周波数−インピーダンス特性について説明する。図5
は、図1の積層構造を有する積層セラミックコンデンサ
の等価回路を示したものである。コンデンサの等価回路
は、一般的に直列のC、L、Rで表され、積層セラミッ
クコンデンサは、外部電極で並列接続される形となる。
【0026】図1の積層コンデンサ素子部3と積層コン
デンサ素子部4の等価回路定数は、以下のようになる。
【0027】(1)積層コンデンサ素子部3:C=1
0μF、L=1.2nH、R=10mΩ、 (2)積層コンデンサ素子部4:C=0.1μF、L
=1.2nH、R=75mΩ。
【0028】図6に、本発明の図1の積層構造と従来の
積層方向に対して直交配置した積層構造の積層セラミッ
クコンデンサの周波数−インピーダンス特性を示す。積
層セラミックコンデンサには、長さ3.2mm、幅が
2.5mmのものを使用した。また、誘電体層1と内部
電極層2を交互に積層した2つの積層コンデンサ素子部
3、4の静電容量を、それぞれ10μFと0.1μFと
なるように積層数及び誘電体層の厚みを設計した。この
とき、2つの積層コンデンサ素子部3、4の距離は、
0.3mmとした。なお、2つの積層コンデンサ素子部
3、4の距離は、少なくとも0.15mm以上離れてい
ることが好ましい。ここで、小さな容量の積層コンデン
サ素子部4の誘電体層の厚みが、2つの積層コンデンサ
素子部3、4の距離よりも大きくなってもよい。また、
積層コンデンサ部8の内部電極の間隔は、少なくとも
0.05mm以上離れていることが好ましい。
【0029】図6の結果より、本発明は、従来構造に比
較して高周波領域でのインピーダンス値が向上している
ことがわかる。
【0030】なお、積層セラミックコンデンサの共振周
波数及びインピーダンス値は、使用する材料の誘電率、
抵抗率及び積層構造によっても変化する。
【0031】次に、図7に、図3(c)の例の周波数−
インピーダンス特性を示す。内部電極の狭窄部の抵抗値
を100mΩになるようにした。図7に示すように、従
来例では、大きな容量の積層コンデンサ部の共振と小さ
な容量の積層コンデンサ部の並列共振が起こるが、本発
明では、大きな容量の積層コンデンサ素子部側に狭窄部
を設けることによって直列に抵抗が接続された状態にな
り、並列共振が抑制された広帯域な周波数特性が得られ
た。
【0032】(実施の形態2)図2は、本発明の他の実
施の形態に係わる積層セラミックコンデンサの説明図で
ある。図2(a)は、外観斜視図、図2(b)は、図2
(a)のA−A断面図、図2(c)は、図2(b)のB
−B断面図、図2(d)は、図2(b)のC−C断面図
である。図2に示すように、本実施の形態の積層セラミ
ックコンデンサは、積層コンデンサ素子部4の内部電極
パターンの対向面積を変化させ、個々の積層コンデンサ
部の容量を変えたものである。
【0033】図4は、図2の積層セラミックコンデンサ
の小さな容量の積層コンデンサ素子部4の平面断面図で
ある。図4に示すように、外部電極と電気的に接続する
内部電極取り出し幅は、積層コンデンサ素子部3よりも
狭くなっており、容量を変化させるために、積層方向で
他の対向する内部電極面積が異なる内部電極が2個以上
ある構成になっている。
【0034】図8に、図2に示す積層コンデンサ素子部
4の内部電極パターンの対向面積を変化させ、個々の積
層コンデンサ部の容量を変えた場合の周波数−インピー
ダンス特性を示す。積層コンデンサ素子部3,4の積層
方向に対し直交方向に配置されている積層コンデンサ部
8,9の等価回路定数は以下のようにした。
【0035】(1)積層コンデンサ素子部3:C=1
0μF、L=1.2nH、R=10mΩ、 (2)積層コンデンサ素子部4:C=0.1μF、L
=1.2nH、R=75mΩ、 (3)積層コンデンサ部8:C=1μF、L=1.
2nH、R=30mΩ、 (4)積層コンデンサ部9:C=0.5μF、L
1.2nH、R=50mΩ。
【0036】図8の結果より、本発明において、直列に
抵抗を接続しなくても並列共振が抑制され、等価直列抵
抗の小さな周波数−インピーダンス特性が得られた。
【0037】以上の結果より、本発明において、積層コ
ンデンサ素子部の間隔及び各積層コンデンサ部の電気抵
抗を設定することで、様々な形態の広帯域な周波数−イ
ンピーダンス特性が得られることがわかる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
小さな容量の積層コンデンサ素子部の等価直列抵抗が小
さく、高周波特性がよく、その上、実装時の部品点数及
び実装面積が低減した積層セラミックコンデンサを提供
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる積層セラミック
コンデンサの説明図。図1(a)は、外観斜視図。図1
(b)は、図1(a)のA−A断面図。図1(c)は、
図1(b)のB−B断面図。
【図2】本発明の他の実施の形態に係わる積層セラミッ
クコンデンサの説明図。図2(a)は、外観斜視図。図
2(b)は、図2(a)のA−A断面図。図2(c)
は、図2(b)のB−B断面図。図2(d)は、図2
(b)のC−C断面図。
【図3】図1の積層セラミックコンデンサの各積層コン
デンサ素子部の平面断面図。図3(a)は、小さな容量
の積層コンデンサ素子部の平面断面図。図3(b)は、
大きな容量の積層コンデンサ素子部の平面断面図。図3
(c)は、他の例の小さな容量の積層コンデンサ素子部
の平面断面図。図3(d)は、他の例の小さな容量の積
層コンデンサ素子部の平面断面図。図3(e)は、共通
電極部を有する積層コンデンサ素子部の平面断面図。図
3(f)は、共通電極部を有する積層コンデンサ素子部
の平面断面図。
【図4】図2の積層セラミックコンデンサの小さな容量
の積層コンデンサ素子部の平面断面図。
【図5】本発明の積層セラミックコンデンサの等価回路
を示す図。
【図6】図1の積層セラミックコンデンサの周波数−イ
ンピーダンス特性を示す図。
【図7】図1の他の例の積層セラミックコンデンサの周
波数−インピーダンス特性を示す図。
【図8】図2の積層セラミックコンデンサの周波数−イ
ンピーダンス特性を示す図。
【符号の説明】
1 誘電体層 2 内部電極層 3 積層コンデンサ素子部 4 積層コンデンサ素子部 5 保護層 6 外部電極 7 容量部間隔 8 (積層方向に対して直交方向の)積層コンデンサ
部 9 (積層方向に対して直交方向の)積層コンデンサ
部 10 セラミック焼結体 11 狭窄部 12 スリット部 13 共通電極部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体層と低抵抗導体からなる内部電極
    層とを交互に複数層積み重ねて形成する積層体に外部電
    極を設けてなる積層セラミックコンデンサにおいて、容
    量の異なる2つの積層コンデンサ素子部が積層方向に配
    置され、一方の積層コンデンサ素子部と他方の積層コン
    デンサ素子部との間隔が0.15mm以上離れているこ
    とを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の積層セラミックコンデン
    サにおいて、前記内部電極層の取り出しを、長辺に対
    し、直交する方向から行なうことを特徴とする積層セラ
    ミックコンデンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の積層セラミック
    コンデンサにおいて、前記一方の積層コンデンサ素子部
    は、前記他方の積層コンデンサ素子部より容量が小さ
    く、前記内部電極層が積層方向と直交する方向に分離さ
    れ、2つ以上の積層コンデンサ部を有することを特徴と
    する積層セラミックコンデンサ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の積層セラミックコンデン
    サにおいて、前記積層コンデンサ部の間隔が0.05m
    m以上離れていることを特徴とする積層セラミックコン
    デンサ。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の積層セラミック
    コンデンサにおいて、前記積層コンデンサ部は、内部電
    極パターンの面積が実質的に同一で、実質的に同一の容
    量を有することを特徴とする積層セラミックコンデン
    サ。
  6. 【請求項6】 請求項3または4記載の積層セラミック
    コンデンサにおいて、前記積層コンデンサ部は、内部電
    極パターンの面積が異なり、異なる容量を有することを
    特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の積層セラミック
    コンデンサにおいて、前記積層コンデンサ部は、前記内
    部電極の取り出し口に共通電極部を有することを特徴と
    する積層セラミックコンデンサ。
  8. 【請求項8】 請求項5または6記載の積層セラミック
    コンデンサにおいて、前記他方の積層コンデンサ部の内
    部電極の電極取り出し口に狭窄部、または、スリット部
    を有することを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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