以下、添付図面を参照して、好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1〜図4に基づいて、第1実施形態に係る積層コンデンサ1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2は、本実施形態に係る積層コンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。図3は、本実施形態に係る積層コンデンサのコンデンサ素体に含まれる内部電極及び中間電極の対向関係を説明するための図である。図4は、本実施形態に係る積層コンデンサの等価回路図である。
積層コンデンサ1は、図1に示すように、直方体状をしたコンデンサ素体4と、コンデンサ素体4の外表面に配置された第1の端子電極2及び第2の端子電極3とを備える。コンデンサ素体4は、図1に示されるように、相対向する長方形状の第1の及び第2の主面4a、4bと、第1及び第2の主面4a、4b間を連結するように第1及び第2の主面4a、4bの長辺方向に伸びている第1及び第2の側面4c、4dと、第1及び第2の主面4a、4b間を連結するように第1及び第2の主面4a、4bの短辺方向に伸びている第1及び第2の端面4e、4fとを有する。
コンデンサ素体4の第1の側面4cには、第1の端子電極2が配置されている。コンデンサ素体4の第2の側面4dには、第2の端子電極3が配置されている。第1及び第2の端子電極2、3は、例えば、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストをコンデンサ素体4の対応する外表面の付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた電極の上にめっき層が形成されることもある。
コンデンサ素体4は、図2に示されるように、積層された複数(本実施形態では、5層)の誘電体層5を有する。各誘電体層5は、例えば誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。したがって、コンデンサ素体4は、誘電特性を有する。なお、実際の積層コンデンサ1では、誘電体層5の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
図2に示されているように、コンデンサ素体4には、複数(本実施形態では2層)の第1の内部電極10と、複数(本実施形態では2層)の第2の内部電極20と、複数(本実施形態では2層)の第1の中間電極31と、複数(本実施形態では2層)の第2の中間電極32と、複数(本実施形態では2層)の第3の中間電極33とが配置されている。各内部電極10、20、及び各中間電極31〜33は、例えば、導電性ペーストの焼結体から構成される。
コンデンサ素体4では、一対の第1及び第2の内部電極10、20は、コンデンサ素体4の第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で同層に配置されている。コンデンサ素体4では、一組の第1〜第3の中間電極31〜33は、コンデンサ素体4の第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で同層に配置されている。同層に配置された一対の第1及び第2の内部電極10、20と、同層に配置された第1〜第3の中間電極31〜33とは、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向に沿って交互に配置されている。すなわち、一対の第1及び第2の内部電極10、20に対してそれぞれ1つの第1〜第3の中間電極31〜33が配置されている。
各第1の内部電極10は、第1及び第2の端面4e、4fの対向方向に沿って連続して併置された第1の主電極部11、第5の主電極部13、及び第2の主電極部12と、当該第1、第2、及び第5の主電極部11、12、13から第1の側面4cに伸びる第1の引き出し電極部14とを含む。第1の主電極部11、第5の主電極部13、及び第2の主電極部12は、第1の端面4e側から第2の端面4f側に向かってこの順で位置している。第1の主電極部11は、第2及び第5の主電極部12、13の何れよりも面積が大きく、第2及び第5の主電極部12、13よりも第2の側面に向かって突出するように形成されている。
第2及び第5の主電極部12、13の第1及び第2の側面4c、4dの対向方向での長さは同じである。第2の主電極部12の第2の側面4d側の端部と第5の主電極部13の第2の側面4d側の端部とは同一直線上に位置する。一方、第2の主電極部12の第1及び第2の端面4e、4fの対向方向の長さは、第5の主電極部13の第1及び第2の端面4e、4fの対向方向の長さに比べて短い。
第1の引き出し電極部14は、その端部が第1の側面4cに露出して、第1の端子電極2に接続されている。第1の主電極部11の第1の端面4e側の端部11aと第1の引き出し電極部14の第1の端面4e側の端部14aとは、同一直線を形成する。すなわち、第1の主電極部11の第1の端面4e側の端部11aと第1の引き出し電極部14の第1の端面4e側の端部14aとは、第1の主電極部11及び第1の引き出し電極部14の境界において一致する。
第2の主電極部12の第2の端面4f側の端部12aと第1の引き出し電極部14の第2の端面4f側の端部14bとは、同一直線を形成する。すなわち、第2の主電極部12の第2の端面4f側の端部12aと第1の引き出し電極部14の第2の端面4f側の端部14bとは、第2の主電極部12及び第1の引き出し電極部14の境界において一致する。
各第2の内部電極20は、第1及び第2の端面4e、4fの対向方向に沿って連続して併置された第3の主電極部21、第6の主電極部23、及び第4の主電極部22と、当該第3、第4、及び第6の主電極部21、22、23から第2の側面4dに伸びる第2の引き出し電極部24とを含む。第3の主電極部21、第6の主電極部23、及び第4の主電極部22は、第1の端面4e側から第2の端面4f側に向かってこの順で位置している。第3の主電極部21は、第4及び第6の主電極部22、23の何れよりも面積が大きく、第4及び第6の主電極部22、23よりも第1の側面4cに向かって突出するように形成されている。
第4及び第6の主電極部22、23の第1及び第2の側面4c、4dの対向方向での長さは同じである。第4の主電極部22の第1の側面4c側の端部と第6の主電極部23の第1の側面4c側の端部とは同一直線上に位置する。一方、第4の主電極部22の第1及び第2の端面4e、4fの対向方向の長さは、第6の主電極部23の第1及び第2の端面4e、4fの対向方向の長さに比べて短い。
第2の引き出し電極部24は、その端部が第2の側面4dに露出して、第2の端子電極3に接続されている。第3の主電極部21の第1の端面4e側の端部21aと第2の引き出し電極部24の第1の端面4e側の端部24aとは、同一直線を形成する。すなわち、第3の主電極部21の第1の端面4e側の端部21aと第2の引き出し電極部24の第1の端面4e側の端部24aとは、第3の主電極部21及び第2の引き出し電極部24の境界において一致する。
第4の主電極部22の第2の端面4f側の端部22aと第2の引き出し電極部24の第2の端面4f側の端部24bとは、同一直線を形成する。すなわち、第4の主電極部22の第2の端面4f側の端部22aと第2の引き出し電極部24の第2の端面4f側の端部24bとは、第4の主電極部22及び第2の引き出し電極部24の境界において一致する。
1組の第1〜第3の中間電極31〜33は、同一の誘電体層5上に、第1の端面4e側から第2の端面4f側に向かって、第1の中間電極31、第3の中間電極33、第2の中間電極32の順で併置されている。第1〜第3の中間電極31〜33は矩形状を呈している。第1〜第3の中間電極31〜33の面積は互いに異なり、本実施形態では第1、第3、第2の中間電極31、33、32の順で面積が大きい。
第1の中間電極31は、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で見て、第1の内部電極10の第1の主電極部11及び第2の内部電極20の第3の主電極部21の双方を跨ぐように配置されている。第2の中間電極32は、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で見て、第1の内部電極10の第2の主電極部12及び第2の内部電極20の第4の主電極部22の双方を跨ぐように配置されている。第3の中間電極33は、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で見て、第1の内部電極10の第5の主電極部13及び第2の内部電極20の第6の主電極部23の双方を跨ぐように配置されている。
図3は、第1及び第2の内部電極10、20と第1〜第3の中間電極31〜33との、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向での対向関係を説明した図である。図3では、見易さのため、内部電極と中間電極とが対向する箇所に斜線を付している。さらに、図3では、見易さのため、第1〜第3の中間電極31〜33を点線で表している。
図3に示されるように、第1の中間電極31は、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向に沿って第1の内部電極10の第1の主電極部11と対向する第1の領域31aを第1の側面4c側に有する。第1の中間電極31は、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向に沿って第2の内部電極20の第3の主電極部21と対向する第2の領域31bを第2の側面4d側に有する。
図3に示されるように、第2の中間電極32は、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向に沿って第1の内部電極10の第2の主電極部12と対向する第3の領域32aを第1の側面4c側に有する。第2の中間電極32は、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向に沿って第2の内部電極20の第4の主電極部22と対向する第4の領域32bを第2の側面4d側に有する。
図3に示されるように、第3の中間電極33は、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向に沿って第1の内部電極10の第5の主電極部13と対向する第5の領域33aを第1の側面4c側に有する。第3の中間電極33は、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向に沿って第2の内部電極20の第6の主電極部23と対向する第6の領域33bを第2の側面4d側に有する。
ここで、第1の領域31aの面積と第2の領域31bの面積の和をS1とし、第3の領域32aの面積と第4の領域32bの面積の和をS2とし、第5の領域33aの面積と第6の領域33bの面積の和をS3とすると、以下の不等式(1)が成立する。
S1>S3>S2 …(1)
すなわち、第1及び第2の領域31a、31bの面積の和S1と、第3及び第4の領域32a、32bの面積の和S2と、第5及び第6の領域33a、33bの面積の和S3とが互いに異なる。
図4に積層コンデンサ1の等価回路図を示す。図4に示されるように、第1の内部電極10の第1の主電極部11と第1の中間電極31の第1の領域31aとは静電容量成分C11を形成する。第1の中間電極31の第2の領域31bと第2の内部電極20の第3の主電極部21とは静電容量成分C12を形成する。このように、第1の中間電極31は、第1の内部電極10の第1の主電極部11及び第2の内部電極20の第3の主電極部21とともに直列接続される複数の静電容量成分C11、C12を形成する。
図4に示されるように、第1の内部電極10の第2の主電極部12と第2の中間電極32の第3の領域32aとは静電容量成分C21を形成する。第2の中間電極32の第4の領域32bと第2の内部電極20の第4の主電極部22とは静電容量成分C22を形成する。このように、第2の中間電極32は、第1の内部電極10の第2の主電極部12及び第2の内部電極20の第4の主電極部22とともに直列接続される複数の静電容量成分C21、C22を形成する。
図4に示されるように、第1の内部電極10の第5の主電極部13と第3の中間電極33の第5の領域33aとは静電容量成分C31を形成する。第3の中間電極33の第6の領域33bと第2の内部電極20の第6の主電極部23とは静電容量成分C32を形成する。このように、第3の中間電極33は、第1の内部電極10の第5の主電極部13及び第2の内部電極20の第6の主電極部23とともに直列接続される複数の静電容量成分C31、C32を形成する。
図4から理解されるように、第1及び第2の内部電極10、20並びに第1の中間電極31によって形成される静電容量成分C11、C12と、第1及び第2の内部電極10、20並びに第2の中間電極32によって形成される静電容量成分C21、C22と、第1及び第2の内部電極10、20並びに第3の中間電極33によって形成される静電容量成分C31、C32とは、並列に接続される。
不等式(1)から、第1の中間電極31と第1及び第3の主電極部11、21とによって形成される2つの静電容量成分C11、C12の合成静電容量は、第2の中間電極32と第2及び第4の主電極部12、22とによって形成される2つの静電容量成分C21、C22の合成静電容量に比べて大きい。また、不等式(1)から、第2の中間電極32と第2及び第4の主電極部12、22とによって形成される2つの静電容量成分C21、C22の合成静電容量は、第3の中間電極33と第5及び第6の主電極部13、23とによって形成される2つの静電容量成分C31、C32の合成静電容量に比べて小さい。
すなわち、第1の中間電極31と第1及び第3の主電極部11、21とによって形成される2つの静電容量成分C11、C12の合成静電容量と、第2の中間電極32と第2及び第4の主電極部12、22とによって形成される2つの静電容量成分C21、C22の合成静電容量と、第3の中間電極33と第5及び第6の主電極部13、23とによって形成される2つの静電容量成分C31、C32の合成静電容量とは異なる値を有して、並列に接続されている。
積層コンデンサ1では、第1及び第2の端子電極2、3が、直方体形状のコンデンサ素体4の長手方向に伸びる第1及び第2の側面4c、4d上に形成されている。したがって、第1及び第2の内部電極10、20を流れる電流経路を短くすることができ、積層コンデンサ1の等価直列インダクタンスを低くすることができる。
また、第1の内部電極10では、コンデンサ素体4の第1及び第2の端面4e、4fの対向方向における第1の引き出し電極部14の幅いっぱいに、静電容量の形成に寄与する第1、第2、及び第5の主電極部11〜13が配置されている。そのため、第1の内部電極10を流れる電流経路をさらに短くすることができる。
また、第2の内部電極20では、コンデンサ素体4の第1及び第2の端面4e、4fの対向方向における第2の引き出し電極部24の幅いっぱいに、静電容量の形成に寄与する第3、第4、及び第6の主電極部21〜23が配置されている。そのため、第2の内部電極20を流れる電流経路をさらに短くすることができる。
積層コンデンサ1では、第1及び第2の内部電極10、20において静電容量の形成に寄与する部分と引き出し電極部との関係を上述のように工夫し内部電極を流れる電流の経路を短くすることで、等価直列インダクタンスをより一層低くすることが可能となっている。
また、積層コンデンサ1では、第1及び第2の内部電極10、20と第1の中間電極31とで形成される複数の直列接続される静電容量成分C11、C12と、第1及び第2の内部電極10、20と第2の中間電極32とで形成される複数の直列接続される静電容量成分C21、C22と、第1及び第2の内部電極10、20と第3の中間電極33とで形成される複数の直列接続される静電容量成分C31、C32とで、その合成静電容量が異なる。図4に示されるように、これらの異なる合成静電容量同士は並列接続の関係にあるため、積層コンデンサ1によれば、広い周波数帯域でインピーダンスを低くすることが可能となる。
また、積層コンデンサ1は、第1〜第3の中間電極31〜33を有し、これらの中間電極とともに第1及び第2の内部電極10、20は静電容量を形成する。したがって、中間電極31〜33の面積を様々に変えることで、積層コンデンサ1内に並列接続される合成静電容量を様々に変えることができる。例えば、第1の中間電極31の面積と第2の中間電極32の面積との差をさらに大きくすることによって、並列接続される合成静電容量の差異を大きくすることができ、より一層広帯域でインピーダンスを低くすることができる。
(第2実施形態)
図5及び図6に基づいて、第2実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第2実施形態に係る積層コンデンサは、中間電極の数の点で、第1実施形態に係る積層コンデンサと相違する。図5は、本実施形態に係る積層コンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。図6は、本実施形態に係る積層コンデンサの等価回路図である。
第2実施形態に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサ1と同じく、コンデンサ素体4と、第1の端子電極2と、第2の端子電極3とを備える。コンデンサ素体4は、図5に示されるように、積層された複数(本実施形態では、5層)の誘電体層5を有する。
図5に示されているように、コンデンサ素体4には、複数(本実施形態では2層)の第1の内部電極10と、複数(本実施形態では2層)の第2の内部電極20と、複数(本実施形態では2層)の第1の中間電極31と、複数(本実施形態では10)の第2の中間電極32A〜32Eと、複数(本実施形態では6)の第3の中間電極33A〜33Cとが配置されている。
コンデンサ素体4では、第1及び第2の内部電極10、20、第2の中間電極32B、32D、並びに第3の中間電極33Bは、コンデンサ素体4の第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で同層に配置されている。コンデンサ素体4では、一組の第1〜第3の中間電極31、32A、32C、32E、33A、33Cは、コンデンサ素体4の第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で同層に配置されている。同層に配置された第1及び第2の内部電極10、20、第2の中間電極32B、32D、並びに第3の中間電極33Bと、同層に配置された第1〜第3の中間電極31、32A、32C、32E、33A、33Cとは、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向に沿って交互に配置されている。
各第1の内部電極10は、第1及び第2の端面4e、4fの対向方向に沿って連続して併置された第1の主電極部11、第5の主電極部13、及び第2の主電極部12と、当該第1、第2、及び第5の主電極部11、12、13から第1の側面4cに伸びる第1の引き出し電極部14とを含む。第1の主電極部11、第5の主電極部13、及び第2の主電極部12は、第1の端面4e側から第2の端面4f側に向かってこの順で位置している。
第1の主電極部11は、第2及び第5の主電極部12、13の何れよりも面積が大きく、第2及び第5の主電極部12、13よりも第2の側面に向かって突出するように形成されている。第5の主電極部13は、第1の主電極部11よりも面積が小さく、且つ第2の主電極部12よりも面積が大きい。第5の主電極部13は、第2の主電極部12よりも第2の側面に向かって突出するように形成されている。第2の主電極部12は、第1及び第5の主電極部11、13の何れよりも面積が小さい。すなわち、第1、第2及び第5の主電極部11〜13は、階段状に形成されている。
第1の引き出し電極部14は、その端部が第1の側面4cに露出して、第1の端子電極2に接続されている。第1の主電極部11の第1の端面4e側の端部11aと第1の引き出し電極部14の第1の端面4e側の端部14aとは、同一直線を形成する。すなわち、第1の主電極部11の第1の端面4e側の端部11aと第1の引き出し電極部14の第1の端面4e側の端部14aとは、第1の主電極部11及び第1の引き出し電極部14の境界において一致する。
第2の主電極部12の第2の端面4f側の端部12aと第1の引き出し電極部14の第2の端面4f側の端部14bとは、同一直線を形成する。すなわち、第2の主電極部12の第2の端面4f側の端部12aと第1の引き出し電極部14の第2の端面4f側の端部14bとは、第2の主電極部12及び第1の引き出し電極部14の境界において一致する。
各第2の内部電極20は、第1及び第2の端面4e、4fの対向方向に沿って連続して併置された第3の主電極部21、第6の主電極部23、及び第4の主電極部22と、当該第3、第4、及び第6の主電極部21、22、23から第2の側面4dに伸びる第2の引き出し電極部24とを含む。第3の主電極部21、第6の主電極部23、及び第4の主電極部22は、第1の端面4e側から第2の端面4f側に向かってこの順で位置している。
第3の主電極部21は、第4及び第6の主電極部22、23の何れよりも面積が大きく、第4及び第6の主電極部22、23よりも第1の側面4cに向かって突出するように形成されている。第6の主電極部23は、第3の主電極部21よりも面積が小さく、且つ第4の主電極部22よりも面積が大きい。第6の主電極部23は、第4の主電極部22よりも第1の側面に向かって突出するように形成されている。第4の主電極部22は、第2及び第6の主電極部21、23の何れよりも面積が小さい。すなわち、第3、第4及び第6の主電極部21〜23は、階段状に形成されている。
第2の引き出し電極部24は、その端部が第2の側面4dに露出して、第2の端子電極3に接続されている。第3の主電極部21の第1の端面4e側の端部21aと第2の引き出し電極部24の第1の端面4e側の端部24aとは、同一直線を形成する。すなわち、第3の主電極部21の第1の端面4e側の端部21aと第2の引き出し電極部24の第1の端面4e側の端部24aとは、第3の主電極部21及び第2の引き出し電極部24の境界において一致する。
第4の主電極部22の第2の端面4f側の端部22aと第2の引き出し電極部24の第2の端面4f側の端部24bとは、同一直線を形成する。すなわち、第4の主電極部22の第2の端面4f側の端部22aと第2の引き出し電極部24の第2の端面4f側の端部24bとは、第4の主電極部22及び第2の引き出し電極部24の境界において一致する。
第1の中間電極31は、第2及び第3の中間電極32A〜32E、33A〜33Cに対して、第1及び第2の端面4e、4fの対向方向で第1の端面4e側に位置する。第1の中間電極31は、第1及び第2の内部電極10、20とは第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で異なる位置に配置されている。第1の中間電極31は、第1の内部電極10の第1の主電極部11及び第2の内部電極20の第3の主電極部21の双方と、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で対向する。
第2の中間電極32A〜32Eは、第1及び第3の中間電極31、33A〜33Cに対して、第1及び第2の端面4e、4fの対向方向で第2の端面4f側に位置する。第2の中間電極32A〜32Eうちの3つ32A、32C、32Eは、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で第1及び第2の内部電極10、20と異なる位置に配置されている。第2の中間電極32A〜32Eうちの残り2つ32B、32Dは、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で第1及び第2の内部電極10、20と同層に配置されている。
具体的には、第2の中間電極32A、32C、32Eは、第1及び第2の側面4c、4dの対向方向で第1の側面側からこの順に並んでいる。第2の中間電極32B、32Dは、第1及び第2の側面4c、4dの対向方向で第1の側面側からこの順に並んでいる。そして、第2の中間電極32B、32Dは何れも、第1の内部電極10の第2の主電極部12と第2の内部電極20の第4の主電極部22との間に位置する。
第2の中間電極32A〜32Eのうち最も第1の側面4c側に位置する第2の中間電極32Aは、第2の主電極部12と第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で対向する領域を有する。一方、第2の中間電極32A〜32Eのうち最も第2の側面4d側に位置する第2の中間電極32Eは、第4の主電極部22と第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で対向する領域を有する。また、各第2の中間電極32A〜32Eは、当該第2の中間電極以外の他の第2の中間電極と第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で対向する領域を有する。
具体的には、第2の中間電極32Aは、第1の側面4c側の領域で第1の内部電極10の第2の主電極部12と対向し、且つ第2の側面4d側の領域で第2の中間電極32Bと対向する。第2の中間電極32Bは、第1の側面4c側の領域で第2の中間電極32Aと対向し、且つ第2の側面4d側の領域で第2の中間電極32Cと対向する。第2の中間電極32Cは、第1の側面4c側の領域で第2の中間電極32Bと対向し、且つ第2の側面4d側の領域で第2の中間電極32Dと対向する。第2の中間電極32Dは、第1の側面4c側の領域で第2の中間電極32Cと対向し、且つ第2の側面4d側の領域で第2の中間電極32Eと対向する。第2の中間電極32Eは、第1の側面4c側の領域で第2の中間電極32Dと対向し、且つ第2の側面4d側の領域で第2の内部電極20の第4の主電極部22と対向する。
第3の中間電極33A〜33Cは、第1及び第2の端面4e、4fの対向方向で第1の中間電極31と第2の中間電極32A〜32Eとの間に位置する。第3の中間電極33A〜33Cうちの2つの33A、33Cは、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で第1及び第2の内部電極10、20と異なる位置に配置されている。第3の中間電極33A〜33Cうちの残り1つ33Bは、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で第1及び第2の内部電極10、20と同層に配置されている。
具体的には、第3の中間電極33A、33Cは、第1及び第2の側面4c、4dの対向方向で第1の側面側からこの順に並んでいる。第3の中間電極33Bは、第1の内部電極10の第5の主電極部13と第2の内部電極20の第6の主電極部23との間に位置する。
第3の中間電極33A〜33Cのうち最も第1の側面4c側に位置する第3の中間電極33Aは、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で第5の主電極部13に対向する領域を有する。一方、第3の中間電極33A〜33Cのうち最も第2の側面4d側に位置する第3の中間電極33Cは、第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で第6の主電極部23と対向する領域を有する。また、各第3の中間電極33A〜33Cは、当該第3の中間電極以外の他の第3の中間電極と第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で対向する領域を有する。
具体的には、第3の中間電極33Aは、第1の側面4c側の領域で第1の内部電極10の第5の主電極部13と対向し、且つ第2の側面4d側の領域で第3の中間電極33Bと対向する。第3の中間電極33Bは、第1の側面4c側の領域で第3の中間電極33Aと対向し、且つ第2の側面4d側の領域で第3の中間電極33Cと対向する。第3の中間電極33Cは、第1の側面4c側の領域で第3の中間電極33Bと対向し、且つ第2の側面4d側の領域で第2の内部電極20の第6の主電極部23と対向する。
図6に第2実施形態に係る積層コンデンサの等価回路図を示す。図6に示されるように、第1の内部電極10の第1の主電極部11と第1の中間電極31とは静電容量成分C11を形成する。第1の中間電極31と第2の内部電極20の第3の主電極部21とは静電容量成分C12を形成する。このように、第1の中間電極31は、第1の内部電極10の第1の主電極部11及び第2の内部電極20の第3の主電極部21とともに直列接続される複数の静電容量成分C11、C12を形成する。
図6に示されるように、第1の内部電極10の第2の主電極部12と第2の中間電極32Aとは静電容量成分C21を形成する。第2の中間電極32Aと第2の中間電極32Bとは静電容量成分C22を形成する。第2の中間電極32Bと第2の中間電極32Cとは静電容量成分C23を形成する。第2の中間電極32Cと第2の中間電極32Dとは静電容量成分C24を形成する。第2の中間電極32Dと第2の中間電極32Eとは静電容量成分C25を形成する。第2の中間電極32Eと第2の内部電極20の第4の主電極部22とは静電容量成分C26を形成する。このように、第2の中間電極32A〜32Eは、第1の内部電極10の第2の主電極部12及び第2の内部電極20の第4の主電極部22とともに直列接続される複数の静電容量成分C21〜C26を形成する。
図6に示されるように、第1の内部電極10の第5の主電極部13と第3の中間電極33Aとは静電容量成分C31を形成する。第3の中間電極33Aと第3の中間電極33Bとは静電容量成分C32を形成する。第3の中間電極33Bと第3の中間電極33Cとは静電容量成分C33を形成する。第3の中間電極33Cと第2の内部電極20の第6の主電極部23とは静電容量成分C34を形成する。このように、第3の中間電極33A〜33Cは、第1の内部電極10の第5の主電極部13及び第2の内部電極20の第6の主電極部23とともに直列接続される複数の静電容量成分C31〜C34を形成する。
図6から理解されるように、第1及び第2の内部電極10、20並びに第1の中間電極31によって形成される静電容量成分C11、C12と、第1及び第2の内部電極10、20並びに第2の中間電極32A〜32Eによって形成される静電容量成分C21〜C26と、第1及び第2の内部電極10、20並びに第3の中間電極33A〜33Cによって形成される静電容量成分C31〜C34とは、並列に接続される。
また、第1の中間電極31と第1及び第3の主電極部11、21とによって形成される2つの静電容量成分C11、C12の合成静電容量と、第2の中間電極32A〜32Eと第2及び第4の主電極部12、22とによって形成される6つの静電容量成分C21〜C26の合成静電容量と、第3の中間電極33A〜33Cと第5及び第6の主電極部13、23とによって形成される4つの静電容量成分C31〜C34の合成静電容量とは異なる値を有しつつ、並列に接続されている。
第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の端子電極2、3が、直方体形状のコンデンサ素体4の長手方向に伸びる第1及び第2の側面4c、4d上に形成されている。したがって、第1及び第2の内部電極10、20を流れる電流経路を短くすることができ、第2実施形態に係る積層コンデンサの等価直列インダクタンスを低くすることができる。
また、第1の内部電極10では、コンデンサ素体4の第1及び第2の端面4e、4fの対向方向における第1の引き出し電極部14の幅いっぱいに、静電容量の形成に寄与する第1、第2、及び第5の主電極部11〜13が配置されている。そのため、第1の内部電極10を流れる電流経路をさらに短くすることができる。
また、第2の内部電極20では、コンデンサ素体4の第1及び第2の端面4e、4fの対向方向における第2の引き出し電極部24の幅いっぱいに、静電容量の形成に寄与する第3、第4、及び第6の主電極部21〜23が配置されている。そのため、第2の内部電極20を流れる電流経路をさらに短くすることができる。
第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極10、20において静電容量の形成に寄与する部分と引き出し電極部との関係を上述のように工夫し内部電極を流れる電流の経路を短くすることで、等価直列インダクタンスをより一層低くすることが可能となっている。
また、第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極10、20と第1の中間電極31とで形成される複数の直列接続される静電容量成分C11、C12と、第1及び第2の内部電極10、20と第2の中間電極32A〜32Eとで形成される複数の直列接続される静電容量成分C21〜C26と、第1及び第2の内部電極10、20と第3の中間電極33A〜33Cとで形成される複数の直列接続される静電容量成分C31〜C34とで、その合成静電容量が異なる。図6に示されるように、これらの異なる合成静電容量同士は並列接続の関係にあるため、第2実施形態に係る積層コンデンサによれば、広い周波数帯域でインピーダンスを低くすることが可能となる。
また、第2実施形態に係る積層コンデンサは、互いにその数が異なる第1〜第3の中間電極31〜33を有し、これらの中間電極とともに第1及び第2の内部電極10、20は静電容量を形成する。したがって、中間電極31〜33の数を様々に変えることで、第2実施形態に係る積層コンデンサ内に並列接続される合成静電容量を様々に変えることができる。例えば、第1の中間電極31の数と第2の中間電極32A〜32Eの数の差をさらに大きくし合成静電容量の差をさらに大きくすることによって、並列接続される合成静電容量の差異を大きくすることができ、より一層広帯域でインピーダンスを低くすることができる。すなわち、第1及び第2の内部電極10、20の間に配置される中間電極の数によって、第1及び第2の内部電極10、20間に発生させる静電容量の値を様々に変化させることが可能である。
(第3実施形態)
図7〜図9に基づいて、第3実施形態に係る積層コンデンサ41の構成について説明する。図7は、本実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図8は、本実施形態に係る積層コンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。図9は、本実施形態に係る積層コンデンサの等価回路図である。
積層コンデンサ41は、図7に示すように、直方体状をしたコンデンサ素体44と、コンデンサ素体44の外表面に配置された第1の端子電極42及び第2の端子電極43とを備える。コンデンサ素体44は、図7に示されるように、相対向する長方形状の第1の及び第2の主面44a、44bと、第1及び第2の主面44a、44b間を連結するように第1及び第2の主面44a、44bの長辺方向に伸びている第1及び第2の側面44c、44dと、第1及び第2の主面44a、44b間を連結するように第1及び第2の主面44a、44bの短辺方向に伸びている第1及び第2の端面44e、44fとを有する。
コンデンサ素体44の第1の側面44cには、第1の端子電極42が配置されている。コンデンサ素体44の第2の側面44dには、第2の端子電極43が配置されている。第1及び第2の端子電極42、43は、例えば、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストをコンデンサ素体44の対応する外表面の付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた電極の上にめっき層が形成されることもある。
コンデンサ素体44は、図8に示されるように、積層された複数(本実施形態では、5層)の誘電体層45を有する。各誘電体層45は、例えば誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。したがって、コンデンサ素体44は、誘電特性を有する。なお、実際の積層コンデンサ41では、誘電体層45の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
図8に示されているように、コンデンサ素体44には、複数(本実施形態では2層)の第1の内部電極50と、複数(本実施形態では2層)の第2の内部電極60と、複数(本実施形態では2層)の第3の内部電極70と、複数(本実施形態では6つ)の第1の中間電極81A〜81Cと、複数(本実施形態では2つ)の第2の中間電極82とが配置されている。各内部電極50、60、及び各中間電極81A〜81C、82は、例えば、導電性ペーストの焼結体から構成される。
コンデンサ素体44では、一対の第1及び第2の内部電極50、60、及び第1の中間電極81Bは、コンデンサ素体44の第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で同層に配置されている。コンデンサ素体44では、第3の内部電極70並びに第1及び第2の中間電極81A、81C、82は、コンデンサ素体44の第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で同層に配置されている。同層に配置された第1及び第2の内部電極50、60並びに第1の中間電極81Bと、同層に配置された第3の内部電極70並びに第1及び第2の中間電極81A、81C、82とは、第1及び第2の主面44a、44bの対向方向に沿って交互に配置されている。
各第1の内部電極50は、第1及び第2の端面44e、44fの対向方向に沿って連続して併置された第1の主電極部51、第5の主電極部53、及び第2の主電極部52と、当該第1、第2、及び第5の主電極部51、52、53から第1の側面44cに伸びる第1の引き出し電極部54とを含む。第1の主電極部51、第5の主電極部53、及び第2の主電極部52は、第1の端面44e側から第2の端面44f側に向かってこの順で位置している。
第1の主電極部51は、第2及び第5の主電極部52、53の何れよりも面積が大きく、第2及び第5の主電極部52、53よりも第2の側面44dに向かって突出するように形成されている。第5の主電極部53は、第1の主電極部51よりも面積が小さく、且つ第2の主電極部52よりも面積が大きい。第5の主電極部53は、第2の主電極部52よりも第2の側面44dに向かって突出するように形成されている。第2の主電極部52は、第1及び第5の主電極部51、53の何れよりも面積が小さい。すなわち、第1、第2及び第5の主電極部51〜53は、階段状に形成されている。
第1の引き出し電極部54は、その端部が第1の側面44cに露出して、第1の端子電極42に接続されている。第1の主電極部51の第1の端面44e側の端部51aと第1の引き出し電極部54の第1の端面44e側の端部54aとは、同一直線を形成する。すなわち、第1の主電極部51の第1の端面44e側の端部51aと第1の引き出し電極部54の第1の端面44e側の端部54aとは、第1の主電極部51及び第1の引き出し電極部54の境界において一致する。
第2の主電極部52の第2の端面44f側の端部52aと第1の引き出し電極部54の第2の端面44f側の端部54bとは、同一直線を形成する。すなわち、第2の主電極部52の第2の端面44f側の端部52aと第1の引き出し電極部54の第2の端面44f側の端部54bとは、第2の主電極部52及び第1の引き出し電極部54の境界において一致する。
各第2の内部電極60は、第1及び第2の端面44e、44fの対向方向に沿って連続して併置された第3の主電極部61、及び第6の主電極部62と、当該第3及び第6の主電極部61、62から第2の側面44dに伸びる第2の引き出し電極部63とを含む。第6の主電極部62、及び第3の主電極部61は、第1の端面44e側から第2の端面44f側に向かってこの順で位置している。第6の主電極部62は、第3の主電極部61よりも面積が大きく、第3の主電極部61よりも第1の側面44cに向かって突出するように形成されている。
第2の引き出し電極部63は、その端部が第2の側面44dに露出して、第2の端子電極43に接続されている。第2の引き出し電極部63の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さは、第1の内部電極50の第1の引き出し電極部54の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さと同じである。その際、第3の主電極部61の第2の端面44f側の端部61aと第2の引き出し電極部63の第2の端面44f側の端部63aとは、同一直線を形成する。すなわち、第3の主電極部61の第2の端面44f側の端部61aと第2の引き出し電極部63の第2の端面44f側の端部63aとは、第3の主電極部61及び第2の引き出し電極部63の境界において一致する。
各第3の内部電極70は、第4の主電極部71と、当該第4の主電極部71から第2の側面44dに伸びる第2の引き出し電極部72とを含む。第2の引き出し電極部72は、その端部が第2の側面44dに露出して、第2の端子電極43に接続されている。第2の引き出し電極部72の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さは、第1の内部電極50の第1の引き出し電極部54の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さと同じである。その際、第4の主電極部71の第1の端面44e側の端部71aと第3の引き出し電極部72の第1の端面44e側の端部72aとは、同一直線を形成する。すなわち、第4の主電極部71の第1の端面44e側の端部71aと第3の引き出し電極部72の第1の端面44e側の端部72aとは、第4の主電極部71及び第3の引き出し電極部72の境界において一致する。第3の中間電極70の第4の主電極部71は、第1の内部電極50の第1の主電極部51と第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で対向する。
第1の中間電極81A〜81Cは、第3の内部電極70の第1の主電極部71及び第2の中間電極82に対して、第1及び第2の端面4e、4fの対向方向で第2の端面4f側に位置する。第1の中間電極81A〜81Cのうちの2つ81A、81Cは、第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で第1及び第2の内部電極50、60と異なる位置に配置されている。第1の中間電極81A〜81Cうちの残り1つ81Bは、第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で第1及び第2の内部電極50、60と同層に配置されている。
具体的には、第1の中間電極81A、81Cは、第1及び第2の側面44c、44dの対向方向で第1の側面44c側からこの順に並んでいる。第1の中間電極81Bは、第1の内部電極50の第2の主電極部52と第2の内部電極60の第3の主電極部61との間に位置する。
第1の中間電極81A〜81Cのうち最も第1の側面44c側に位置する第1の中間電極81Aは、第1の内部電極50の第2の主電極部52と第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で対向する領域を有する。一方、第1の中間電極81A〜81Cのうち最も第2の側面44d側に位置する第1の中間電極81Cは、第2の内部電極60の第3の主電極部61と第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で対向する領域を有する。また、各第1の中間電極81A〜81Cは、当該第1の中間電極以外の他の第1の中間電極と第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で対向する領域を有する。
具体的には、第1の中間電極81Aは、第1の側面44c側の領域で第1の内部電極50の第2の主電極部52と対向し、且つ第2の側面44d側の領域で第1の中間電極81Bと対向する。第1の中間電極81Bは、第1の側面44c側の領域で第1の中間電極81Aと対向し、且つ第2の側面44d側の領域で第1の中間電極81Cと対向する。第1の中間電極81Cは、第1の側面44c側の領域で第1の中間電極81Bと対向し、且つ第2の側面44d側の領域で第2の内部電極60の第3の主電極部61と対向する。
第2の中間電極82は、第1及び第2の端面44e、44fの対向方向で第3の内部電極70の第4の主電極部71と第1の中間電極81A〜81Cとの間に位置する。第2の中間電極82は、第1及び第2の内部電極50、60とは第1及び第2の主面4a、4bの対向方向で異なる位置に配置されている。第2の中間電極82は、第1の内部電極50の第3の主電極部53及び第2の内部電極60の第2の主電極部62の双方と、第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で対向する。
図9に第3実施形態に係る積層コンデンサの等価回路図を示す。図9に示されるように、第1の内部電極50の第1の主電極部51と第3の内部電極70の第4の主電極部71とは1つの静電容量成分C11を形成する。
図9に示されるように、第1の内部電極50の第2の主電極部52と第1の中間電極81Aとは静電容量成分C21を形成する。第1の中間電極81Aと第1の中間電極81Bとは静電容量成分C22を形成する。第1の中間電極81Bと第1の中間電極81Cとは静電容量成分C23を形成する。第1の中間電極81Cと第2の内部電極60の第3の主電極部61とは静電容量成分C24を形成する。このように、第1の中間電極81A〜81Cは、第1の内部電極50の第2の主電極部52及び第2の内部電極60の第3の主電極部61とともに直列接続される複数の静電容量成分C21〜C24を形成する。
図9に示されるように、第1の内部電極10の第5の主電極部53と第2の中間電極82とは静電容量成分C31を形成する。第2の中間電極82と第2の内部電極60の第6の主電極部62とは静電容量成分C32を形成する。このように、第2の中間電極82は、第1の内部電極50の第5の主電極部53及び第2の内部電極60の第6の主電極部62とともに直列接続される複数の静電容量成分C31、C32を形成する。
図9から理解されるように、第1及び第3の内部電極50、70によって形成される静電容量成分C11と、第1及び第2の内部電極50、60並びに第1の中間電極81A〜81Cによって形成される静電容量成分C21〜C24と、第1及び第2の内部電極50、60並びに第2の中間電極82によって形成される静電容量成分C31、C32とは、並列に接続される。
また、第1及び第3の主電極部51、71によって形成される1つの静電容量成分C11と、第1の中間電極81A〜81Cと第2及び第3の主電極部52、61とによって形成される4つの静電容量成分C21〜C24の合成静電容量と、第2の中間電極82と第5及び第6の主電極部53、62とによって形成される2つの静電容量成分C31、C32の合成静電容量とは異なる値を有しつつ、並列に接続されている。
第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の端子電極42、43が、直方体形状のコンデンサ素体44の長手方向に伸びる第1及び第2の側面44c、44d上に形成されている。したがって、第1〜第3の内部電極50、60、70を流れる電流経路を短くすることができ、第3実施形態に係る積層コンデンサの等価直列インダクタンスを低くすることができる。
また、第1の内部電極50では、コンデンサ素体44の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向における第1の引き出し電極部44の幅いっぱいに、静電容量の形成に寄与する第1、第2、及び第5の主電極部51〜53が配置されている。そのため、第1の内部電極50を流れる電流経路をさらに短くすることができる。
このように、積層コンデンサ41では、第1の内部電極50において静電容量の形成に寄与する主電極部51〜53と引き出し電極部54との関係を上述のように工夫し内部電極を流れる電流の経路を短くしている。これにより、積層コンデンサ41の等価直列インダクタンスをより一層低くすることが可能となる。
また、積層コンデンサ41では、第2の内部電極60の第2の引き出し電極部63の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向における長さが、第1の内部電極50の第1の引き出し電極部54の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向における長さと同じである。また、第3の内部電極70の第3の引き出し電極部72の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向における長さが、第1の内部電極50の第1の引き出し電極部54の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向における長さと同じである。これにより、積層コンデンサ41では、等価直列インダクタンスをより一層低くすることが可能となっている。
また、積層コンデンサ41では、第1及び第3の内部電極50、70によって形成される1つの静電容量成分C11と、第1及び第2の内部電極50、60と第1の中間電極81A〜81Cとで形成される複数の直列接続される静電容量成分C21〜C24の合成静電容量と、第1及び第2の内部電極50、60と第2の中間電極82とで形成される複数の直列接続される静電容量成分C31、C32の合成静電容量とで、その値が異なる。図9に示されるように、これらの異なる静電容量同士は並列接続の関係にあるため、積層コンデンサ41によれば、広い周波数帯域でインピーダンスを低くすることが可能となる。
特に、積層コンデンサ41は、端子電極に直接接続されている内部電極のみによって形成される静電容量C11と、中間電極を介して直列の関係で形成される複数の静電容量(例えば、C21〜C24)とを並列関係で有する。端子電極に直接接続されている内部電極のみによって形成される静電容量と、中間電極を介して直列の関係で形成される複数の静電容量の合成静電容量とでは、値の差異をより一層大きくすることができる。そのため、積層コンデンサ41では、より一層広い周波数帯域でインピーダンスを低くすることが可能となる。
また、積層コンデンサ41は、その数が異なる第1及び第2の中間電極81A〜81C、82を有し、これらの中間電極とともに第1及び第2の内部電極50、60は静電容量を形成する。したがって、中間電極81A〜81C、82の数を様々に変えることで、積層コンデンサ41内に並列接続される合成静電容量を様々に変えることができる。
(第4実施形態)
図10及び図11に基づいて、第4実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第4実施形態に係る積層コンデンサは、中間電極の数の点で、第3実施形態に係る積層コンデンサと相違する。図10は、本実施形態に係る積層コンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。図11は、本実施形態に係る積層コンデンサの等価回路図である。
第4実施形態に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第3実施形態に係る積層コンデンサ41と同じく、コンデンサ素体44と、第1の端子電極42と、第2の端子電極43とを備える。コンデンサ素体44は、図10に示されるように、積層された複数(本実施形態では、5層)の誘電体層45を有する。
図8に示されているように、コンデンサ素体44には、複数(本実施形態では2層)の第1の内部電極50と、複数(本実施形態では2層)の第2の内部電極60と、複数(本実施形態では2層)の第3の内部電極70と、複数(本実施形態では2つ)の第1の中間電極81と、複数(本実施形態では2つ)の第2の中間電極82とが配置されている。
コンデンサ素体44では、一対の第1及び第2の内部電極50、60は、コンデンサ素体44の第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で同層に配置されている。コンデンサ素体44では、第3の内部電極70並びに第1及び第2の中間電極81、82は、コンデンサ素体44の第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で同層に配置されている。同層に配置された第1及び第2の内部電極50、60と、同層に配置された第3の内部電極70並びに第1及び第2の中間電極81、82とは、第1及び第2の主面44a、44bの対向方向に沿って交互に配置されている。
各第1の内部電極50は、第1及び第2の端面44e、44fの対向方向に沿って連続して併置された第1の主電極部51、第5の主電極部53、及び第2の主電極部52と、当該第1、第2、及び第5の主電極部51、52、53から第1の側面44cに伸びる第1の引き出し電極部54とを含む。第1の主電極部51、第5の主電極部53、及び第2の主電極部52は、第1の端面44e側から第2の端面44f側に向かってこの順で位置している。第1の主電極部51は、第2及び第5の主電極部52、53の何れよりも面積が大きく、第2及び第5の主電極部52、53よりも第2の側面44dに向かって突出するように形成されている。
第2及び第5の主電極部52、53の第1及び第2の側面44c、44dの対向方向での長さは同じである。第2の主電極部52の第2の側面44d側の端部と第5の主電極部53の第2の側面44d側の端部とは同一直線上に位置する。一方、第2の主電極部52の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向の長さは、第5の主電極部53の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向の長さに比べて短い。
第1の引き出し電極部54は、その端部が第1の側面44cに露出して、第1の端子電極42に接続されている。第1の主電極部51の第1の端面44e側の端部51aと第1の引き出し電極部54の第1の端面44e側の端部54aとは、同一直線を形成する。すなわち、第1の主電極部51の第1の端面44e側の端部51aと第1の引き出し電極部54の第1の端面44e側の端部54aとは、第1の主電極部51及び第1の引き出し電極部54の境界において一致する。
第2の主電極部52の第2の端面44f側の端部52aと第1の引き出し電極部54の第2の端面44f側の端部54bとは、同一直線を形成する。すなわち、第2の主電極部52の第2の端面44f側の端部52aと第1の引き出し電極部54の第2の端面44f側の端部54bとは、第2の主電極部52及び第1の引き出し電極部54の境界において一致する。
各第2の内部電極60は、第1及び第2の端面44e、44fの対向方向に沿って連続して併置された第3の主電極部61、及び第6の主電極部62と、当該第3、及び第6の主電極部61、62から第2の側面44dに伸びる第2の引き出し電極部63とを含む。第6の主電極部62及び第3の主電極部61は、第1の端面44e側から第2の端面44f側に向かってこの順で位置している。
第3及び第6の主電極部61、62の第1及び第2の側面44c、44dの対向方向での長さは同じである。第3の主電極部61の第1の側面44c側の端部と第6の主電極部62の第1の側面44c側の端部とは同一直線上に位置する。一方、第3の主電極部61の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向の長さは、第6の主電極部62の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向の長さに比べて短い。
第2の引き出し電極部63は、その端部が第2の側面44dに露出して、第2の端子電極43に接続されている。第2の引き出し電極部63の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さは、第1の内部電極50の第1の引き出し電極部54の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さと同じである。その際、第3の主電極部61の第2の端面44f側の端部61aと第2の引き出し電極部63の第2の端面44f側の端部63aとは、同一直線を形成する。すなわち、第3の主電極部61の第2の端面44f側の端部61aと第2の引き出し電極部63の第2の端面44f側の端部63aとは、第3の主電極部61及び第2の引き出し電極部63の境界において一致する。
各第3の内部電極70は、第4の主電極部71と、当該第4の主電極部71から第2の側面44dに伸びる第3の引き出し電極部72とを含む。第3の引き出し電極部72は、その端部が第2の側面44dに露出して、第2の端子電極43に接続されている。第3の引き出し電極部72の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さは、第1の内部電極50の第1の引き出し電極部54の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さと同じである。その際、第4の主電極部71の第1の端面44e側の端部71aと第3の引き出し電極部72の第1の端面44e側の端部72aとは、同一直線を形成する。すなわち、第4の主電極部71の第1の端面44e側の端部71aと第3の引き出し電極部72の第1の端面44e側の端部72aとは、第4の主電極部71及び第3の引き出し電極部72の境界において一致する。第3の中間電極70の第4の主電極部71は、第1の内部電極50の第1の主電極部51と第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で対向する。
第1の中間電極81は、第3の内部電極70の第4の主電極部71及び第2の中間電極82に対して、第1及び第2の端面44e、44fの対向方向で第2の端面44f側に位置する。第1の中間電極81は、第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で見て、第1の内部電極50の第2の主電極部52及び第2の内部電極60の第3の主電極部61の双方を跨ぐように配置されている。よって、第1の中間電極81は、第1の側面44c側の領域で第1の内部電極50の第2の主電極部52と対向し、且つ第2の側面44d側の領域で第2の内部電極60の第3の主電極部61と対向する。
第2の中間電極82は、第3の内部電極70の第4の主電極部71と第1の中間電極81の間に位置する。第2の中間電極82は、第1及び第2の主面44a、44bの対向方向で見て、第1の内部電極50の第5の主電極部53及び第2の内部電極60の第6の主電極部62の双方を跨ぐように配置されている。よって、第2の中間電極82は、第1の側面44c側の領域で第1の内部電極50の第5の主電極部53と対向し、且つ第2の側面44d側の領域で第2の内部電極60の第6の主電極部62と対向する。
また、第1の中間電極81は、第2の中間電極82に比べて面積が小さい。
図11に第4実施形態に係る積層コンデンサの等価回路図を示す。図11に示されるように、第1の内部電極50の第1の主電極部51と第3の内部電極70の第4の主電極部71とは1つの静電容量成分C11を形成する。
図11に示されるように、第1の内部電極50の第2の主電極部52と第1の中間電極81とは静電容量成分C21を形成する。第1の中間電極81と第2の内部電極60の第3の主電極部61とは静電容量成分C22を形成する。このように、第1の中間電極81は、第1の内部電極50の第2の主電極部52及び第2の内部電極60の第3の主電極部61とともに直列接続される複数の静電容量成分C21、C22を形成する。
図11に示されるように、第1の内部電極50の第5の主電極部53と第2の中間電極82とは静電容量成分C31を形成する。第2の中間電極82と第2の内部電極60の第6の主電極部62とは静電容量成分C32を形成する。このように、第2の中間電極82は、第1の内部電極50の第5の主電極部53及び第2の内部電極60の第6の主電極部62とともに直列接続される複数の静電容量成分C31、C32を形成する。
図11から理解されるように、第1及び第3の内部電極50、70によって形成される静電容量成分C11と、第1及び第2の内部電極50、60並びに第1の中間電極81によって形成される静電容量成分C21、C22と、第1及び第2の内部電極50、60並びに第2の中間電極82によって形成される静電容量成分C31、C32とは、並列に接続される。
また、第1及び第3の主電極部51、71によって形成される1つの静電容量成分C11と、第1の中間電極81と第2及び第3の主電極部52、61とによって形成される2つの静電容量成分C21、C22の合成静電容量と、第2の中間電極82と第5及び第6の主電極部53、62とによって形成される2つの静電容量成分C31、C32の合成静電容量とは異なる値を有しつつ、並列に接続されている。
第4実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の端子電極42、43が、直方体形状のコンデンサ素体44の長手方向に伸びる第1及び第2の側面44c、44d上に形成されている。したがって、第1〜第3の内部電極50、60、70を流れる電流経路を短くすることができ、第4実施形態に係る積層コンデンサの等価直列インダクタンスを低くすることができる。
また、第1の内部電極50では、コンデンサ素体44の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向における第1の引き出し電極部44の幅いっぱいに、静電容量の形成に寄与する第1、第2、及び第5の主電極部51〜53が配置されている。そのため、第1の内部電極50を流れる電流経路をさらに短くすることができる。
このように、積層コンデンサ41では、第1の内部電極50において静電容量の形成に寄与する主電極部51〜53と引き出し電極部54との関係を上述のように工夫し内部電極を流れる電流の経路を短くしている。これにより、第4実施形態に係る積層コンデンサの等価直列インダクタンスをより一層低くすることが可能となる。
また、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、第2の内部電極60の第2の引き出し電極部63の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向における長さが、第1の内部電極50の第1の引き出し電極部54の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向における長さと同じである。また、第3の内部電極70の第3の引き出し電極部72の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向における長さが、第1の内部電極50の第1の引き出し電極部54の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向における長さと同じである。これにより、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列インダクタンスをより一層低くすることが可能となっている。
また、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第3の内部電極50、70によって形成される1つの静電容量成分C11と、第1及び第2の内部電極50、60と第1の中間電極81とで形成される複数の直列接続される静電容量成分C21、C22の合成静電容量と、第1及び第2の内部電極50、60と第2の中間電極82とで形成される複数の直列接続される静電容量成分C31、C32の合成静電容量とで、その値が異なる。図11に示されるように、これらの異なる静電容量同士は並列接続の関係にあるため、積層コンデンサ41によれば、広い周波数帯域でインピーダンスを低くすることが可能となる。
特に、第4実施形態に係る積層コンデンサは、端子電極に直接接続されている内部電極のみによって形成される静電容量C11と、中間電極を介して直列の関係で形成される複数の静電容量(例えば、C21、C22)とを並列関係で有する。端子電極に直接接続されている内部電極のみによって形成される静電容量と、中間電極を介して直列の関係で形成される複数の静電容量の合成静電容量とでは、値の差異をより一層大きくすることができる。そのため、積層コンデンサ41では、より一層広い周波数帯域でインピーダンスを低くすることが可能となる。
また、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、第1の中間電極81の面積が第2の中間電極82の面積に比べて小さい。そのため、第1及び第2の内部電極61、62と第1の中間電極81とによって形成される静電容量と、第1及び第2の内部電極61、62と第2の中間電極82とによって形成される静電容量とで、その値を異ならせることができる。
また、第4実施形態に係る積層コンデンサは、面積が異なる第1及び第2の中間電極81、82を有し、これらの中間電極とともに第1及び第2の内部電極50、60は静電容量を形成する。したがって、中間電極81、82の面積を様々に変えることで、第4実施形態に係る積層コンデンサ内に並列接続される合成静電容量を様々に変えることができる。
なお、第3及び第4実施形態に係る積層コンデンサにおいて、第2の内部電極60の第2の引き出し電極部63の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さは、第1の内部電極50の第1の引き出し電極部54の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さと同じでなくてもよい。したがって、例えば、第2の引き出し電極部63の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さは、第3及び第6の主電極部61、62の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さと同じであってもよい。つまり、第3及び第6の主電極部61、62から第2の側面44dに向かってそのまま伸びた形状であってもよい。
また、第3の内部電極70の第3の引き出し電極部72の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さは、第1の内部電極50の第1の引き出し電極部54の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さと同じでなくてもよい。したがって、第3の引き出し電極部72の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さは、第4の主電極部71の第1及び第2の端面44e、44fの対向方向での長さと同じであってもよい。つまり、第4の主電極部71から第2の側面44dに向かってそのまま伸びた形状であってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、誘電体層5、45、内部電極10、20、50、60、70、及び中間電極31〜33、32A〜32E、33A〜33C、81、82、81A〜81Cの積層数は、上記実施形態での数に限られない。
各内部電極10、20、50、60、70の主電極部の形状は、上記実施形態での形状に限られない。各内部電極10、20、50、60、70の主電極部の数は、上記実施形態での数に限られない。各中間電極31〜33、32A〜32E、33A〜33C、81、82、81A〜81Cの形状は、上記実施形態での形状に限られない。
1、41…積層コンデンサ、2、42…第1の端子電極、3、43…第2の端子電極、4、44…コンデンサ素体、10、50…第1の内部電極、11、51…第1の主電極部、12、52…第2の主電極部、13、53…第5の主電極部、14、54…第1の引き出し電極部、20、60…第2の内部電極、21、61…第3の主電極部、22…第4の主電極部、23、62…第6の主電極部、24、63…第2の引き出し電極部、31、81、81A〜81C…第1の中間電極、32、32A〜32E、82…第2の中間電極、33、33A〜33C…第3の中間電極。