以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1〜図5を参照して、本実施形態に係る積層コンデンサ1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2は、第1実施形態に係る積層コンデンサに含まれる誘電体素体の分解斜視図である。図3は、第1実施形態に係る積層コンデンサの内部に配置される内部電極の平面構成を表す図である。図4は、積層コンデンサの等価回路図である。図5は、第1実施形態に係る積層コンデンサ及び従来の積層コンデンサのインピーダンス特性を示す図である。
積層コンデンサ1は、図1及び図2に示されるように、誘電体素体10、第1の端子電極20、第2の端子電極21、第1の外部接続導体22、第2の外部接続導体23、第1の内部電極層30、及び第2の内部電極層35を備えている。第1及び第2の内部電極層30,35は、誘電体素体10を構成する誘電体層12を介在させて交互に積層され、誘電体素体10の内部に配置される。
誘電体素体10は、略長方体形状であり、互いに対向する第1及び第2の主面10a,10bと、互いに対向する第1及び第2の側面10c,10dと、互いに対向する第3及び第4の側面10e,10fとを有する。第1及び第2の側面10c,10dは、長方形状の第1及び第2の主面10a,10b間を連結するように第1及び第2の主面10a,10bの長辺方向に伸びている。第3及び第4の側面10e,10fは、第1及び第2の主面10a,10bを連結するように第1及び第2の主面10a,10bの短辺方向に伸びている。誘電体素体10は、通常、焼成後にバレル研磨されるため、誘電体素体10の稜部が所定の大きさの曲率を有する曲面状を呈した略直方体形状となっている。
誘電体素体10は、図2に示されるように、複数の誘電体層12を有している。誘電体素体10は、複数の誘電体層12が第1及び第2の主面10a,10bが対向する方向(以下「積層方向」とも記す)に積層されることにより構成されており、誘電特性を有している。複数の誘電体層12のうち最上層の誘電体層12の上面が第1の主面10aとなり、最下層の誘電体層12の下面が第2の主面10bとなる。各誘電体層12は、例えば誘電体セラミック(BaTiO3系、Ba(Ti,Zr)O3系、又は(Ba,Ca)TiO3系等の誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の積層コンデンサ1では、各誘電体層12は、互いの間の境界が視認できない程度に一体化されている。
第1及び第2の端子電極20,21は、積層コンデンサ1を実装する際、第1及び第2の内部電極層30,35の内部電極を、所定の極性に接続させるための電極である。第1及び第2の端子電極20,21は、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けることによって形成され、誘電体素体10の外表面に配置される。
第1の端子電極20は、誘電体素体10の外表面である第3の側面10eに配置される。第1の端子電極20は、第3の側面10eを覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bや第1及び第2の側面10c,10dに回り込むように形成されている。第2の端子電極21は、誘電体素体10の外表面である第4の側面10fに配置される。第2の端子電極21は、第4の側面10fを覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bや第1及び第2の側面10c,10dに回り込むように形成されている。
第1及び第2の外部接続導体22,23は、第1及び第2の内部電極層30,35のうち同一の極性となる内部電極同士を接続するための導体である。第1及び第2の外部接続導体22,23自体は、所定の極性に接続されない。第1及び第2の外部接続導体22,23は、第1及び第2の端子電極20,21と同様に導電性ペーストを焼き付けることによって形成され、誘電体素体10の外表面に配置される。第1及び第2の外部接続導体22,23を構成する導電性ペーストは、酸化ルテニウム等を含有する高抵抗の導電性ペーストであってもよい。
第1の外部接続導体22は、誘電体素体10の外表面である第1の側面10cに配置される。第1の外部接続導体22は、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第1の側面10cの中央部分を覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。第2の外部接続導体23は、誘電体素体10の外表面である第2の側面10dに配置される。第2の外部接続導体23は、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第2の側面10dの中央部分を覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。
第1の内部電極層30は、図2及び図3に示されるように、第1の内部電極31と第3の内部電極32とを含んでいる。第1の内部電極31と第3の内部電極32とは、誘電体素体10の同一の誘電体層12に互いに離間して配置され、電気的に絶縁された状態となっている。第1の内部電極31は、第1の端子電極20と第1の外部接続導体22とに接続されている。第3の内部電極32は、第1の外部接続導体22に接続されている。両内部電極31,32は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(例えば卑金属であるNi等)からなる。
第1の内部電極31は、L字形状を呈し、第1電極部31aと第2電極部31bとを有する。第1電極部31aは、L字形状の第1の内部電極31において、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に伸びる部分である。第2電極部31bは、L字形状の第1の内部電極31において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。第1の内部電極31は、第1電極部31aの一端が第3の側面10eに引き出されて露出すると共に第2電極部31bの一端が第1の側面10cに引き出されて露出するようになっている。第1の内部電極31は、第1電極部31a及び第2電極部31bの一端が各側面10e,10cにそれぞれ露出することで、第1の端子電極20と第1の外部接続導体22とに物理的且つ電気的に接続される。
第3の内部電極32は、略T字形状を呈し、主電極部32aと引出部32bとを有する。主電極部32aは、誘電体層12を介在させて対向する内部電極との間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部32aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向が長手方向となる矩形形状を呈し、誘電体層12の略中央部分に配置される。引出部32bは、主電極部32aを外表面に引き出すための部分であり、第3の内部電極32において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。引出部32bは、主電極部32aの長辺方向の中央部より第4の側面10f側の部分で主電極部32aに接続するように形成されている。第3の内部電極32は、引出部32bの一端が第1の側面10cに引き出されて露出するようになっている。第3の内部電極32は、引出部32bの一端が第1の側面10cに露出することで、第1の外部接続導体22と物理的且つ電気的に接続される。
第2の内部電極層35は、第2の内部電極36と第4の内部電極37とを含んでいる。第2の内部電極36と第4の内部電極37とは、第1の内部電極層30が配置される誘電体層12とは別の誘電体層12に互いに離間して配置され、電気的に絶縁された状態となっている。第2の内部電極36は、第2の端子電極21と第2の外部接続導体23とに接続されている。第4の内部電極37は、第2の外部接続導体23に接続されている。両内部電極36,37は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(例えば卑金属であるNi等)からなる。
第2の内部電極36は、L字形状を呈し、第1電極部36aと第2電極部36bとを有する。第1電極部36aは、L字形状の第2の内部電極36において、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に伸びる部分である。第2電極部36bは、L字形状の第2の内部電極36において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。第2の内部電極36は、第1電極部36aの一端が第4の側面10fに引き出されて露出すると共に第2電極部36bの一端が第2の側面10dに引き出されて露出するようになっている。第2の内部電極36は、第1電極部36a及び第2電極部36bの一端が各側面10f,10dにそれぞれ露出することで、第2の端子電極21と第2の外部接続導体23とに物理的且つ電気的に接続される。
第4の内部電極37は、略T字形状を呈し、主電極部37aと引出部37bとを有する。主電極部37aは、誘電体層12を介在させて対向する第3の内部電極32の主電極部32aとの間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部37aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向が長手方向となる矩形形状を呈し、誘電体層12の略中央部分に配置される。引出部37bは、主電極部37aを外表面に引き出すための部分であり、第4の内部電極37において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。引出部37bは、主電極部37aの長辺方向の中央部より第3の側面10e側の部分で主電極部37aに接続するように形成されている。第4の内部電極37は、引出部37bの一端が第2の側面10dに引き出されて露出するようになっている。第4の内部電極37は、引出部37bの一端が第2の側面10dに露出することで、第2の外部接続導体23と物理的且つ電気的に接続される。
次に、上述した構成を備える積層コンデンサ1の製造方法について説明する。
まず、粉末状の誘電体セラミック材料に、有機バインダ及び有機溶剤等を添加し、スラリーを得る。そして、このスラリーを、ドクターブレード法等の公知の方法により、誘電体セラミックグリーンシートを作製する。
続いて、所望の誘電体セラミックグリーンシートに、第1の内部電極層30(第1の内部電極31及び第3の内部電極32)を構成する導体パターンをそれぞれ複数(後述する部分チップ数に対応する数)形成する。また、別の誘電体セラミックグリーンシートに、第2の内部電極層35(第2の内部電極36及び第4の内部電極37)を構成する導体パターンをそれぞれ複数(後述する部分チップ数に対応する数)形成する。各導体パターンは、例えば、Niを主成分とする導体ペーストをスクリーン印刷した後、乾燥することによって形成される。
続いて、第1の内部電極層30を構成する導体パターンが形成された誘電体セラミックグリーンシートと、第2の内部電極層35を構成する導体パターンが形成された誘電体セラミックグリーンシートと、導体パターンが形成されていない誘電体セラミックグリーンシートとを、図2に示されるような順序で積層して圧着し、複数の誘電体セラミックグリーンシートからなる中間積層体を得る。そして、得られた中間積層体をチップ単位に切断した後、有機バインダを除去(脱バイ)して焼成する。これにより、素体10の内部に第1及び第2の内部電極層30,35が交互に積層された積層体が得られる。
続いて、得られた積層体に第1及び第2の端子電極20,21と第1及び第2の外部接続導体22,23とを形成する。各端子電極20,21や各外部接続導体22,23の形成は、例えば、主としてCuを含む導電性ペーストを各側面にそれぞれ塗布した後、ペーストに対して加熱(焼き付け)処理を施すことにより行う。加熱処理後、各端子電極20,21や各外部接続導体22,23の外側表面に、電解めっき等によりNiめっき層及びSnめっき層を順次積層する。こうして、積層コンデンサ1が得られる。
以上のように、本実施形態によれば、第1の内部電極層30において、第1の内部電極31の第2電極部31bの一端が第1の外部接続導体22に接続されると共に、第3の内部電極32の引出部32bの一端が第1の外部接続導体22に接続され、一つの電流経路を形成するようになっている。この電流経路では、図3(a)に示されるように、誘電体素体10の外表面に配置された第1の外部接続導体22に第1及び第3の内部電極31,32が接続されることから、第2電極部31bを流れる電流の向きと引出部32bを流れる電流の向きとが逆向きになっている。また、第2の内部電極層35においても同様に、第2の内部電極36の第2電極部36bの一端が第2の外部接続導体23に接続されると共に、第4の内部電極37の引出部37bの一端が第2の外部接続導体23に接続され、一つの電流経路を形成し、図3(b)に示されるように、第2電極部36bを流れる電流の向きと引出部37bを流れる電流の向きとが逆向きになっている。その結果、電流が逆向きに流れる部分を各内部電極31,32,36,37が有することで磁界が相殺され、積層コンデンサ1では、ESLが低減される。
また、積層コンデンサ1では、上述したように、第1の内部電極層30と第2の内部電極層35とが誘電体層12を介して交互に積層されている。第1の内部電極層30と第2の内部電極層35とを重ね合わせることにより、第3の内部電極32の主電極部32aと第4の内部電極37の主電極部37aとは、互いに対向するように配置される。すなわち、第3の内部電極32の一部である主電極部32aと第4の内部電極37の一部である主電極部37aとは、積層方向からみて、ほぼ全面に渡って互いが重なるように位置することとなる。両内部電極32,37の対向配置により、図4に示される容量成分Cが形成される。その一方、積層コンデンサ1では、第1の内部電極層30と第2の内部電極層35とを重ね合わせた場合でも、第1の内部電極層30の第1の内部電極31は、図3(b)に示されるように、積層方向からみて、異極性となる第2の内部電極層35の第2の内部電極36及び第4の内部電極37と重ならないように位置している。また、第2の内部電極層35の第2の内部電極36は、図3(a)に示されるように、積層方向からみて、異極性となる第1の内部電極層30の第1の内部電極31及び第3の内部電極32と重ならないように位置している。異極性同士の内部電極が重ならないように位置していることにより、積層コンデンサ1では、図4に示される寄生容量Cpが形成されないこととなる。このため、積層コンデンサ1に電流が流れた際、第3及び第4の内部電極32,37の間で予定していた容量成分Cが形成される一方、第1の内部電極31と第2及び第4の内部電極36,37との間や第2の内部電極36と第1及び第3の内部電極31,32との間での寄生容量Cpの発生が抑制される。その結果、積層コンデンサ1では、高周波帯域におけるインピーダンスの急峻な低下といった寄生容量Cpによる影響が抑制され、図5の(a)で示されるように、フラットなインピーダンス特性とすることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、図6を参照して、第2実施形態に係る積層コンデンサについて説明する。図6は、第2実施形態に係る積層コンデンサの内部に配置される内部電極の平面構成を表す図である。本実施形態に係る積層コンデンサ1aは、図6に示されるように、第1実施形態に係る積層コンデンサ1の端子電極20,21、外部接続導体22,23、及び内部電極層30,35に代えて、第1の端子電極24、第2の端子電極25、第1の外部接続導体26、第2の外部接続導体27、第1の内部電極層40、及び第2の内部電極層45を備えている。積層コンデンサ1aにおける各構成要件の機能や構成材料、積層順序、及び製造方法等は、第1実施形態に係る積層コンデンサ1と同様であり、以下、相違する点を中心して説明する。
第1及び第2の端子電極24,25は、第1及び第2の内部電極層40,45の内部電極を所定の極性に接続させるための電極であり、誘電体素体10の外表面に配置される。第1の端子電極24は、誘電体素体10の外表面である第3の側面10eに配置される。第1の端子電極24は、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向での第3の側面10eの中央部分を接続長さL1で覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。接続長さL1は、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に沿った長さである。第2の端子電極25は、誘電体素体10の外表面である第4の側面10fに配置される。第2の端子電極25は、第1及び第3の側面10c,10dの対向方向での第4の側面10fの中央部分を接続長さL1で覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。
第1及び第2の外部接続導体26,27は、第1及び第2の内部電極層40,45のうち同一の極性となる内部電極同士を接続するための導体である。第1及び第2の外部接続導体26,27自体は、所定の極性に接続されない。第1及び第2の外部接続導体26,27は、誘電体素体10の外表面に配置される。第1の外部接続導体26は、誘電体素体10の外表面である第1の側面10cに配置される。第1の外部接続導体26は、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第1の側面10cの縁部分を除く部分を接続長さL2で覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。接続長さL2は、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に沿った長さである。第2の外部接続導体27は、誘電体素体10の外表面である第2の側面10dに配置される。第2の外部接続導体27は、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第2の側面10dの縁部分を除く部分を接続長さL2で覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。第1及び第2の外部接続導体26,27の接続長さL2は、第1及び第2の端子電極24,25の接続長さL1よりも長い。
第1の内部電極層40は、第1の内部電極41と第3の内部電極42とを含んでいる。第1の内部電極41と第3の内部電極42とは、誘電体素体10の同一の誘電体層12に互いに離間して配置され、電気的に絶縁された状態となっている。第1の内部電極41は、第1の端子電極24と第1の外部接続導体26とに接続される。第3の内部電極42は、第1の外部接続導体26に接続される。
第1の内部電極41は、第1実施形態の第1の内部電極31と同様にL字形状を呈し、第1電極部41aと第2電極部41bとを有する。第1の内部電極41は、第1電極部41a及び第2電極部41bの一端が各側面10e,10cにそれぞれ露出することで、第1の端子電極24と第1の外部接続導体26とに物理的且つ電気的に接続される。
第3の内部電極42は、矩形形状を呈し、主電極部42aと引出部42bとを有する。主電極部42aは、誘電体層12を介在させて対向する内部電極との間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部42aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向が長辺方向となる矩形形状を呈し、誘電体層12の略中央部分に配置される。引出部42bは、主電極部42aを外表面に引き出すための部分であり、主電極部42aの長辺と略同様の長さの長辺を有する矩形形状を呈している。主電極部42aと引出部42bとは、互いに一方の長辺部分が接続するように形成されている。第3の内部電極42は、引出部42bの一端である他方の長辺部分がそのまま第1の側面10cに引き出されて露出するようになっている。第3の内部電極42は、引出部42bの一端が第1の側面10cに露出することで、第1の外部接続導体26と物理的且つ電気的に接続される。
第2の内部電極層45は、第2の内部電極46と第4の内部電極47とを含んでいる。第2の内部電極46と第4の内部電極47とは、第1の内部電極層40が配置される誘電体層12とは別の誘電体層12に互いに離間して配置され、電気的に絶縁された状態となっている。第2の内部電極46は、第2の端子電極25と第2の外部接続導体27とに接続されている。第4の内部電極47は、第2の外部接続導体27に接続されている。
第2の内部電極46は、第1実施形態の第2の内部電極36と同様にL字形状を呈し、第1電極部46aと第2電極部46bとを有する。第2の内部電極46は、第1電極部46a及び第2電極部46bの一端が各側面10f,10dにそれぞれ露出することで、第2の端子電極25と第2の外部接続導体27とに物理的且つ電気的に接続される。
第4の内部電極47は、矩形形状を呈し、主電極部47aと引出部47bとを有する。主電極部47aは、誘電体層12を介在させて対向する第3の内部電極42の主電極部42aとの間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部47aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向が長辺方向となる矩形形状を呈し、誘電体層12の略中央部分に配置される。引出部47bは、主電極部47aを外表面に引き出すための部分であり、主電極部47aの長辺方向と略同様の長さの長辺を有する矩形形状を呈している。主電極部47aと引出部47bとは、互いに一方の長辺部分が接続するように形成されている。第4の内部電極47は、引出部47bの一端である他方の長辺部分がそのまま第2の側面10dに引き出されて露出するようになっている。第4の内部電極47は、引出部47bの一端が第2の側面10dに露出することで、第2の外部接続導体27と物理的且つ電気的に接続される。
以上のように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1の内部電極層40において、第2電極部41bを流れる電流の向きと引出部42bを流れる電流の向きとが逆向きになっている。また、第2の内部電極層45において、第2電極部46bを流れる電流の向きと引出部47bを流れる電流の向きとが逆向きになっている。そのため、積層コンデンサ1aでは、ESLが低減される。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、主電極部42aと主電極部47aとは、積層方向からみて、ほぼ全面に渡って互いが重なるように位置し、図4に示される容量成分Cが形成される。その一方、第1の内部電極41は、積層方向からみて、異極性となる第2の内部電極46及び第4の内部電極47と重ならないように位置し、第2の内部電極46は、積層方向からみて、異極性となる第1の内部電極41及び第3の内部電極42と重ならないように位置している。このため、積層コンデンサ1aでは、図4に示される寄生容量Cpが形成されず、高周波帯域におけるインピーダンスの急峻な低下といった寄生容量Cpによる影響が抑制され、フラットなインピーダンス特性とすることが可能となる。
本実施形態によれば、上述した作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。すなわち、積層コンデンサ1aでは、第1及び第2の外部接続導体26,27の接続長さL2が、第1及び第2の端子電極24,25の接続長さL1よりも長くなっていることから、各内部電極41,42,46,47と外部接続導体26,27との接続を確実に行うことができ、その結果、接続不良を防止することができる。
(第3実施形態)
次に、図7を参照して、第3実施形態に係る積層コンデンサについて説明する。図7は、第3実施形態に係る積層コンデンサの内部に配置される内部電極の平面構成を表す図である。本実施形態に係る積層コンデンサ1bは、図7に示されるように、第1実施形態に係る積層コンデンサ1の端子電極20,21、外部接続導体22,23、及び内部電極層30,35に代えて、第1の端子電極50、第2の端子電極51、第1の外部接続導体52、第2の外部接続導体53、第1の内部電極層60、及び第2の内部電極層65を備えている。積層コンデンサ1bにおける各構成要件の機能や構成材料、積層順序、及び製造方法等は、第1実施形態に係る積層コンデンサ1と同様であり、以下、相違する点を中心して説明する。
第1及び第2の端子電極50,51は、第1及び第2の内部電極層60,65の内部電極等を所定の極性に接続させるための電極であり、誘電体素体10の外表面に配置される。第1の端子電極50は、誘電体素体10の外表面である第3の側面10eに配置される。第1の端子電極50は、第3の側面10eを覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bや第1及び第2の側面10c,10dに回り込むように形成されている。第2の端子電極51は、誘電体素体10の外表面である第4の側面10fに配置される。第2の端子電極51は、第4の側面10fを覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bや第1及び第2の側面10c,10dに回り込むように形成されている。
第1及び第2の外部接続導体52,53は、第1及び第2の内部電極層60,65のうち同一の極性となる内部電極同士を接続するための導体である。第1及び第2の外部接続導体52,53自体は、所定の極性に接続されない。第1の外部接続導体52は、第1及び第2の導体部52a,52bを含み、第2の外部接続導体53は、第1及び第2の導体部53a,53bを含み、それぞれ、誘電体素体10の外表面に配置される。
第1の外部接続導体52の第1及び第2の導体部52a,52bは、誘電体素体10の外表面である第1の側面10cに互いに離間して配置される。第1及び第2の導体部52a,52bは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第1の側面10cの中央部分から各側面10e,10fに向かって所定距離離れた部分を覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。第2の外部接続導体53の第1及び第2の導体部53a,53bは、誘電体素体10の外表面である第2の側面10dに互いに離間して配置される。第1及び第2の導体部53a,53bは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第2の側面10dの中央部分から各側面10e,10fに向かって所定距離離れた部分を覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。
第1の内部電極層60は、第1の内部電極61と第3の内部電極62と内部接続導体63とを含んでいる。第1の内部電極61と第3の内部電極62と内部接続導体63とは、同極性であって、誘電体素体10の同一の誘電体層12に互いに離間して配置され、電気的に絶縁された状態となっている。第1の内部電極61は、第1の端子電極50と第1の外部接続導体52の第1の導体部52aとに接続される。第3の内部電極62は、第1の外部接続導体52の第2の導体部52bに接続される。内部接続導体63は、第1導体部52aと第2導体部52bとに接続される。
第1の内部電極61は、第1実施形態の第1の内部電極31と同様にL字形状を呈し、第1電極部61aと第2電極部61bとを有する。第1の内部電極61は、第1電極部61a及び第2電極部61bの一端が各側面10e,10cにそれぞれ露出することで、第1の端子電極50と第1の外部接続導体52の第1の導体部52aとに物理的且つ電気的に接続される。
第3の内部電極62は、第1実施形態の第3の内部電極32と同様に略T字形状を呈し、主電極部62aと引出部62bとを有する。主電極部62aは、誘電体層12を介在させて対向する内部電極との間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部62aは、長手方向となる矩形形状を呈し、誘電体層12の略中央部分に配置される。引出部62bは、主電極部62aを外表面に引き出すための部分であり、第3の内部電極62において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。引出部62bは、主電極部62aの長辺方向の中央部より第4の側面10f側の部分で主電極部62aに接続するように形成されている。第3の内部電極62は、引出部62bの一端が第1の側面10cに引き出されて露出し、第1の外部接続導体52の第2の導体部52bと物理的且つ電気的に接続される。
内部接続導体63は、略U字形状を呈し、第1接続部63aと第2接続部63bと第3接続部63cとを有する。第1接続部63a及び第3接続部63cは、内部接続導体63において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。第2接続部63bは、内部接続導体63において、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に伸びる部分である。第1接続部63a及び第3接続部63cは、第2接続部63bの両端部に接続される。内部接続導体63は、第1接続部63aの一端と第3接続部63cの一端とが第1の側面10cに引き出されて露出するようになっている。内部接続導体63は、両接続部63a,63cの一端それぞれが第1の側面10cに露出することで、第1及び第2の導体部52a,52bそれぞれに物理的且つ電気的に接続される。これにより、内部接続導体63は、互いに離間する第1の外部接続導体52の第1及び第2の導体部52a,52bを、誘電体素体10の内部において接続させる。
第2の内部電極層65は、第2の内部電極66と第4の内部電極67と内部接続導体68とを含んでいる。第2の内部電極66と第4の内部電極67と内部接続導体68とは、同極性であって、第1の内部電極層60が配置された誘電体層12とは別の誘電体層12に互いに離間して配置され、電気的に絶縁された状態となっている。第2の内部電極66は、第2の端子電極51と第2の外部接続導体53の第1の導体部53aとに接続される。第4の内部電極67は、第2の外部接続導体53の第2の導体部53bに接続される。内部接続導体68は、第1導体部53aと第2導体部53bとに接続される。
第2の内部電極66は、第1実施形態の第2の内部電極36と同様にL字形状を呈し、第1電極部66aと第2電極部66bとを有する。第1の内部電極66は、第1電極部66a及び第2電極部66bの一端が各側面10f,10dにそれぞれ露出することで、第2の端子電極51と第2の外部接続導体53の第1の導体部53aとに物理的且つ電気的に接続される。
第4の内部電極67は、第1実施形態の第4の内部電極37と同様に略T字形状を呈し、主電極部67aと引出部67bとを有する。主電極部67aは、誘電体層12を介在させて対向する第2の内部電極62との間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部67aは、長手方向となる矩形形状を呈し、誘電体層12の略中央部分に配置される。引出部67bは、主電極部67aを外表面に引き出すための部分であり、第4の内部電極67において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。引出部67bは、主電極部67aの長辺方向の中央部より第3の側面10e側の部分で主電極部67aに接続するように形成されている。第4の内部電極67は、引出部67bの一端が第2の側面10dに引き出されて露出し、第2の外部接続導体53の第2の導体部53bと物理的且つ電気的に接続される。
内部接続導体68は、略U字形状を呈し、第1接続部68aと第2接続部68bと第3接続部68cとを有する。第1接続部68a及び第3接続部68cは、内部接続導体68において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。第2接続部68bは、内部接続導体68において、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に伸びる部分である。第1接続部68a及び第3接続部68cは、第2接続部68bの両端部に接続される。内部接続導体68は、第1接続部68aの一端と第3接続部68cの一端とが第2の側面10dに引き出されて露出するようになっている。内部接続導体68は、両接続部68a,68cの一端それぞれが第2の側面10dに露出することで、第1及び第2の導体部53a,53bそれぞれに物理的且つ電気的に接続される。これにより、内部接続導体68は、互いに離間する第2の外部接続導体53の第1及び第2の導体部53a,53bを、誘電体素体10の内部において接続させる。
以上のように、本実施形態によれば、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、主電極部62aと主電極部67aとは、積層方向からみて、ほぼ全面に渡って互いが重なるように位置し、図4に示される容量成分Cが形成される。その一方、第1の内部電極61は、積層方向からみて、異極性となる第2の内部電極66及び第4の内部電極67と重ならないように位置し、第2の内部電極66は、積層方向からみて、異極性となる第1の内部電極61及び第3の内部電極62と重ならないように位置している。このため、積層コンデンサ1bでは、図4に示される寄生容量Cpが形成されず、高周波帯域におけるインピーダンスの急峻な低下といった寄生容量Cpによる影響が抑制され、フラットなインピーダンス特性とすることが可能となる。
本実施形態によれば、第1の内部電極層60において、第2電極部61bを流れる電流の向きと第1接続部63aを流れる電流の向きとが逆向きになると共に、第3接続部63cを流れる電流の向きと引出部62bを流れる電流の向きとが逆向きになっている。また、第2の内部電極層65において、第2電極部66bを流れる電流の向きと第1接続部68aを流れる電流の向きとが逆向きになると共に、第3接続部63cを流れる電流の向きと引出部67bを流れる電流の向きとが逆向きになっている。このため、本実施形態によれば、内部電極61,62,66,67だけでなく、内部接続導体63,68も電流が逆向きに流れる部分を有することとなり、積層コンデンサ1bでは、ESLを一層、低減させることができる。さらに、積層コンデンサ1bでは、内部接続導体63,68を介して内部電極61,62,66,67がそれぞれ接続されることになるため、電流経路がより長くなり、ESRを一層、高めることができる。
(第4実施形態)
次に、図8を参照して、第4実施形態に係る積層コンデンサについて説明する。図8は、第4実施形態に係る積層コンデンサの内部に配置される内部電極の平面構成を表す図である。本実施形態に係る積層コンデンサ1cは、図8に示されるように、第1実施形態に係る積層コンデンサ1の端子電極20,21、外部接続導体22,23、及び内部電極層30,35に代えて、第1の端子電極54、第2の端子電極55、第1の外部接続導体56、第2の外部接続導体57、第1の内部電極層70、及び第2の内部電極層75を備えている。積層コンデンサ1cにおける各構成要件の機能や構成材料、積層順序、及び製造方法等は、第1実施形態に係る積層コンデンサ1と同様であり、以下、相違する点を中心して説明する。
第1及び第2の端子電極54,55は、第1及び第2の内部電極層70,75の内部電極等を所定の極性に接続させるための電極であり、誘電体素体10の外表面に配置される。第1の端子電極54は、誘電体素体10の外表面である第3の側面10eに配置される。第1の端子電極54は、第3の側面10eを覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bや第1及び第2の側面10c,10dに回り込むように形成されている。第2の端子電極55は、誘電体素体10の外表面である第4の側面10fに配置される。第2の端子電極55は、第4の側面10fを覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bや第1及び第2の側面10c,10dに回り込むように形成されている。
第1及び第2の外部接続導体56,57は、第1及び第2の内部電極層70,75のうち同一の極性となる内部電極同士を接続するための導体である。第1及び第2の外部接続導体56,57自体は、所定の極性に接続されない。第1の外部接続導体56は、第1及び第2の導体部56a,56bを含み、第2の外部接続導体57は、第1及び第2の導体部57a,57bを含み、それぞれ、誘電体素体10の外表面に配置される。
第1の外部接続導体56の第1及び第2の導体部56a,56bは、誘電体素体10の外表面である第1及び第2の側面10c,10dにそれぞれ配置される。第1及び第2の導体部56a,56bは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第1又は第2の側面10c,10dそれぞれの中央部分から第3の側面10eに向かって所定距離離れた部分を覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。第2の外部接続導体57の第1及び第2の導体部57a,57bは、誘電体素体10の外表面である第1及び第2の側面10c,10dにそれぞれ配置される。第1及び第2の導体部57a,57bは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第1又は第2の側面10c,10dそれぞれの中央部分から第4の側面10fに向かって所定距離離れた部分を覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。第1の外部接続導体56と第2の外部接続導体57は、上記の構成により、第1の導体部56aと第1の導体部57aとが第1の側面10cに所定距離を介して隣接して配置されると共に、第2の導体部56bと第2の導体部57bとが第2の側面10dに所定距離を介して隣接して配置される。
第1の内部電極層70は、第1の内部電極71と第3の内部電極72とを含んでいる。第1の内部電極71と第3の内部電極72とは、同極性であって、誘電体素体10の同一の誘電体層12に互いに離間して配置され、電気的に絶縁された状態となっている。第1の内部電極71は、第1の端子電極54と第1の外部接続導体56とに接続される。第3の内部電極72は、第1の外部接続導体56に接続される。
第1の内部電極71は、第1電極部71aと第2電極部71bと第3電極部71cとを有する。第1電極部71aは、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる略矩形形状を呈する。第2電極部71bは、第1実施形態の第1の内部電極31と略同様なL字形状を呈する。第3電極部71cは、第1の内部電極層70における第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に沿った中心線を基準として、第2電極部71bと線対称なL字形状を呈する。第2電極部71bは、第1電極部71aの第1の側面10c側の端部に接続され、第3電極部71cは、第1電極部71aの第2の側面10d側の端部に接続される。第1の内部電極71は、第1電極部71aの長手方向に沿った一方の側端が第3の側面10eに引き出されて露出すると共に、第2電極部71bの一端と第3電極部71cの一端とがそれぞれ第1及び第2の側面10c,10dに引き出されて露出するようになっている。第1の内部電極71は、各電極部71a、71b、71cの一端が各側面10e,10c,10dにそれぞれ露出することで、第1の端子電極54と第1の外部接続導体56とに物理的且つ電気的に接続される。
第3の内部電極72は、主電極部72aと引出部72b,72cとを有する。主電極部72aは、誘電体層12を介在させて対向する内部電極との間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部72aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に伸びる略矩形形状を呈する。主電極部72aは、誘電体層12の略中央部分に配置される。引出部72b,72cは、主電極部72aを外表面に引き出すための部分であり、第3の内部電極72において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。引出部72b,72cは、主電極部72aの長手方向の中央部より第3の側面10e側の部分で主電極部72aにそれぞれ接続される。第3の内部電極72は、引出部72b,72cの一端が第1及び第2の側面10c,10dに引き出されて露出し、第1の外部接続導体56の第1の導体部56aと第2の導体部56bとに物理的且つ電気的に接続される。
第2の内部電極層75は、第2の内部電極76と第4の内部電極77とを含んでいる。第2の内部電極76と第4の内部電極77とは、同極性であって、第1の内部電極層70が配置される誘電体層12とは別の誘電体層12に互いに離間して配置され、電気的に絶縁された状態となっている。第2の内部電極76は、第2の端子電極55と第2の外部接続導体57とに接続される。第4の内部電極77は、第2の外部接続導体57に接続される。
第2の内部電極76は、第1電極部76aと第2電極部76bと第3電極部76cとを有する。第1電極部76aは、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる矩形形状を呈する。第2電極部76bは、第1実施形態の第2の内部電極36と略同様なL字形状を呈する。第3電極部76cは、第2の内部電極層75における第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に沿った中心線を基準として、第2電極部76bと線対称なL字形状を呈する。第2電極部76bは、第1電極部76aの第2の側面10d側の端部に接続され、第3電極部76cは、第1電極部76aの第1の側面10c側の端部に接続される。第2の内部電極76は、第1電極部76aの長手方向に沿った一方の側端が第4の側面10fに引き出されて露出すると共に第2電極部76bの一端と第3電極部76cの一端とがそれぞれ第1及び第2の側面10c,10dに引き出されて露出するようになっている。第2の内部電極76は、各電極部76a、76b、76cの一端が各側面10f,10c,10dにそれぞれ露出することで、第2の端子電極55と第2の外部接続導体57とに物理的且つ電気的に接続される。
第4の内部電極77は、主電極部77aと引出部77b,77cとを有する。主電極部77aは、誘電体層12を介在させて対向する第3の内部電極72の主電極部72aとの間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部77aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に伸びる矩形形状を呈する。主電極部77aは、誘電体層12の略中央部分に配置される。引出部77b,77cは、主電極部77aを外表面に引き出すための部分であり、第4の内部電極77において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。引出部77b,77cは、主電極部77aの長手方向の中央部より第4の側面10f側の部分で主電極部77aにそれぞれ接続される。第4の内部電極77は、引出部77b,77cの一端が第1及び第2の側面10c,10dに引き出されて露出し、第2の外部接続導体57の第1の導体部57aと第2の導体部57bとに物理的且つ電気的に接続される。
以上のように、本実施形態によれば、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、主電極部72aと主電極部77aとは、積層方向からみて、ほぼ全面に渡って互いが重なるように位置し、図4に示される容量成分Cが形成される。その一方、第1の内部電極71は、積層方向からみて、異極性となる第2の内部電極76及び第4の内部電極77と重ならないように位置し、第2の内部電極76は、積層方向からみて、異極性となる第1の内部電極71及び第3の内部電極72と重ならないように位置している。このため、積層コンデンサ1cでは、図4に示される寄生容量Cpが形成されず、高周波帯域におけるインピーダンスの急峻な低下といった寄生容量Cpによる影響が抑制され、フラットなインピーダンス特性とすることが可能となる。
本実施形態によれば、第1の内部電極層70において、第2電極部71bを流れる電流の向きと引出部72bを流れる電流の向きとが逆向きになると共に、第3電極部71cを流れる電流の向きと引出部72cを流れる電流の向きとが逆向きになっている。また、第2の内部電極層75において、第2電極部76bを流れる電流の向きと引出部77cを流れる電流の向きとが逆向きになると共に、第3電極部76cを流れる電流の向きと引出部77bを流れる電流の向きとが逆向きになっている。このため、本実施形態によれば、各内部電極71,72,76,77は、電流が逆向きに流れる部分をそれぞれ二つ有することとなり、積層コンデンサ1cでは、ESLを一層、低減させることができる。さらに、積層コンデンサ1cでは、異極性の外部接続導体56,57を同一の側面10c,10dに隣接して配置しているため、隣接する外部接続導体56,57を流れる電流が逆向きとなり、ESLをより一層、低減させることができる。
(第5実施形態)
次に、図9を参照して、第5実施形態に係る積層コンデンサについて説明する。図9は、第5実施形態に係る積層コンデンサの内部に配置される内部電極の平面構成を表す図である。本実施形態に係る積層コンデンサ1dは、図9に示されるように、第4実施形態に係る積層コンデンサ1の内部電極層70,75に代えて、第1の内部電極層80、及び第2の内部電極層85を備えている。積層コンデンサ1dにおける各構成要件の機能や構成材料、積層順序、及び製造方法等は、第1実施形態に係る積層コンデンサ1と同様であり、また、各端子電極54,55や各外部接続導体56,57は、第4実施形態に係る積層コンデンサ1cと同様であり、以下、相違する点を中心して説明する。
第1の内部電極層80は、第1の内部電極81と第3の内部電極82と第5の内部電極83とを含んでいる。第1の内部電極81と第3の内部電極82とは、同極性である一方、第5の内部電極83は、第1及び第3の内部電極81,82と異極性であり、誘電体素体10の同一の誘電体層12に互いに離間して配置され、電気的に絶縁された状態となっている。第1の内部電極81は、第1の端子電極54と第1の外部接続導体56とに接続される。第3の内部電極82は、第1の外部接続導体56に接続される。第5の内部電極83は、第2の外部接続導体57に接続される。
第1の内部電極81は、第1電極部81aと第2電極部81bと第3電極部81cとを有する。第1電極部81aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に伸びる矩形形状を呈する。第2電極部81bと第3電極部81cとは、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。第2電極部81bと第3電極部81cとは、第1電極部81aの第4の側面10f側の端部にそれぞれ接続される。第1の内部電極81は、第1電極部81aの一端が第3の側面10eに引き出されて露出すると共に、第2電極部81bの一端と第3電極部81cの一端とがそれぞれ第1及び第2の側面10c,10dに引き出されて露出するようになっている。第1の内部電極81は、各電極部81a、81b、81cの一端が各側面10e,10c,10dにそれぞれ露出することで、第1の端子電極54と第1の外部接続導体56とに物理的且つ電気的に接続される。
第3の内部電極82は、主電極部82aと引出部82bとを有する。主電極部82aは、誘電体層12を介在させて対向する内部電極との間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部82aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向が長手方向となる矩形形状を呈する。主電極部82aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向の略中央部分であって、且つ、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向における第1の側面10c側の部分に配置される。引出部82bは、主電極部82aを外表面に引き出すための部分であり、第3の内部電極82において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。引出部82bは、主電極部82aの第3の側面10e側の部分で主電極部82aに接続するように形成されている。第3の内部電極82は、引出部82bの一端が第1の側面10cに引き出されて露出し、第1の外部接続導体56の第1の導体部56aに物理的且つ電気的に接続される。
第5の内部電極83は、主電極部83aと引出部83bとを有する。主電極部83aは、誘電体層12を介在させて対向する内部電極との間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部83aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向が長手方向となる矩形形状を呈する。主電極部83aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向の略中央部分であって、且つ、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向における第2の側面10d側の部分に配置される。引出部83bは、主電極部83aを外表面に引き出すための部分であり、第5の内部電極83において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。引出部83bは、主電極部83aの第4の側面10f側の部分で主電極部83aに接続するように形成されている。第5の内部電極83は、引出部83bの一端が第2の側面10dに引き出されて露出し、第2の外部接続導体57の第2の導体部57bに物理的且つ電気的に接続される。
第2の内部電極層85は、第2の内部電極86と第4の内部電極87と第6の内部電極88とを含んでいる。第2の内部電極86と第4の内部電極87とは、同極性である一方、第6の内部電極88は、第2及び第4の内部電極86,87と異極性である。第2、第4及び第6の内部電極86,87,88は、第1の内部電極層80が配置された誘電体層12とは別の誘電体層12に互いに離間して配置され、電気的に絶縁された状態となっている。第2の内部電極86は、第2の端子電極55と第2の外部接続導体57とに接続される。第4の内部電極87は、第2の外部接続導体57に接続される。第6の内部電極88は、第1の外部接続導体56に接続される。なお、外部接続導体56,57での接続により、第2及び第4の内部電極86,87は、第1の内部電極層80に含まれる第5の内部電極層83と同極性となり、第6の内部電極88は、第1の内部電極層80に含まれる第1及び第3の内部電極81,82と同極性となっている。
第2の内部電極86は、第1電極部86aと第2電極部86bと第3電極部86cとを有する。第2の内部電極86は、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に沿った中心線を基準として、第1の内部電極81と線対称な形状を呈する。第2の内部電極86は、各電極部86a、86b、86cの一端が各側面10f,10c,10dにそれぞれ露出することで、第2の端子電極55と第2の外部接続導体57とに物理的且つ電気的に接続される。
第4の内部電極87は、主電極部87aと引出部87bとを有する。主電極部87aは、誘電体層12を介在させて対向する第3の内部電極82の主電極部82aとの間で容量成分Cを形成する部分である。第4の内部電極87は、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に沿った中心線を基準として、第3の内部電極82と線対称な形状を呈する。主電極部87aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向の略中央部分であって、且つ、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向における第1の側面10c側の部分に配置される。第4の内部電極87は、引出部87bの一端が第1の側面10cに引き出されて露出し、第2の外部接続導体57の第1の導体部57aに物理的且つ電気的に接続される。
第6の内部電極88は、主電極部88aと引出部88bとを有する。主電極部88aは、誘電体層12を介在させて対向する第5の内部電極83の主電極部83aとの間で容量成分Cを形成する部分である。第5の内部電極88は、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に沿った中心線を基準として、第5の内部電極83と線対称な形状を呈する。主電極部88aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向の略中央部分であって、且つ、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向における第2の側面10d側の部分に配置される。第6の内部電極88は、引出部88bの一端が第2の側面10dに引き出されて露出し、第1の外部接続導体56の第2の導体部56bに物理的且つ電気的に接続される。
以上のように、本実施形態によれば、主電極部82aと主電極部87aとは、積層方向からみて、ほぼ全面に渡って互いが重なるように位置し、また、主電極部83aと主電極部88aとも、ほぼ全面に渡って互いが重なるように位置し、図4に示される容量成分Cが形成される。その一方、第1の内部電極81は、積層方向からみて、異極性となる第2の内部電極86及び第4の内部電極87と重ならないように位置し、第2の内部電極86は、積層方向からみて、異極性となる第1の内部電極81及び第3の内部電極82と重ならないように位置している。このため、積層コンデンサ1dでは、図4に示される寄生容量Cpが形成されず、高周波帯域におけるインピーダンスの急峻な低下といった寄生容量Cpによる影響が抑制され、フラットなインピーダンス特性とすることが可能となる。
本実施形態によれば、第1の内部電極層80において、第2電極部81bを流れる電流の向きと引出部82bを流れる電流の向きとが逆向きになっている。また、第2の内部電極層85において、第2電極部86bを流れる電流の向きと引出部87bを流れる電流の向きとが逆向きになっている。このため、本実施形態によれば、各内部電極81,82,86,87は、電流が逆向きに流れる部分を有することとなり、積層コンデンサ1dでは、ESLを一層、低減させることができる。さらに、積層コンデンサ1dでは、異極性の外部接続導体56,57を同一の側面10c,10dに隣接して配置しているため、隣接する外部接続導体56,57を流れる電流が逆向きとなり、ESLをより一層、低減させることができる。
本実施形態によれば、外部接続導体56,57のみに接続される内部電極83,88を、同極性の内部電極87,82と異なる誘電体層12に配置することで電流経路をより長くしている。その結果、積層コンデンサ1dによれば、ESRをより一層、高めることが可能となる。
(第6実施形態)
次に、図10を参照して、第6実施形態に係る積層コンデンサについて説明する。図10は、第6実施形態に係る積層コンデンサの内部に配置される内部電極の平面構成を表す図である。本実施形態に係る積層コンデンサ1eは、図10に示されるように、第1実施形態に係る積層コンデンサ1の端子電極20,21、外部接続導体22,23、及び内部電極層30,35に代えて、第1の端子電極90,91、第2の端子電極92,93、第1の外部接続導体94,95、第2の外部接続導体96,97、第1の内部電極層100、及び第2の内部電極層105を備えている。積層コンデンサ1eにおける各構成要件の機能や構成材料、積層順序、及び製造方法等は、第1実施形態に係る積層コンデンサ1と同様であり、以下、相違する点を中心して説明する。
第1の端子電極90,91及び第2の端子電極92,93は、第1及び第2の内部電極層100,105の内部電極等を所定の極性に接続させるための電極であり、誘電体素体10の外表面に配置される。第1の端子電極90,91は、誘電体素体10の外表面である第1の側面10cに配置される。第1の端子電極90,91は、第1の側面10cにおいて、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第3の側面10e側の部分又は第4の側面10f側の部分を覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。第2の端子電極92,93は、誘電体素体10の外表面である第2の側面10dに配置される。第2の端子電極92,93は、第2の側面10dにおいて、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第3の側面10e側の部分又は第4の側面10f側の部分を覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。
第1の外部接続導体94,95及び第2の外部接続導体96,97は、第1及び第2の内部電極層100,105のうち同一の極性となる内部電極同士を接続するための導体であり、誘電体素体10の外表面に配置される。第1及び第2の外部接続導体94〜97自体は、所定の極性に接続されない。第1の外部接続導体94,95は、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第1の側面10cの中央部分から各側面10e,10fに向かって所定距離離れた部分を覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。第2の外部接続導体96,97は、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向での第2の側面10dの中央部分から各側面10e,10fに向かって所定距離離れた部分を覆い且つ一部が第1及び第2の主面10a,10bに回り込むように形成されている。
第1の内部電極層100は、第1の内部電極101,103と第3の内部電極102,104とを含んでいる。第1の内部電極101,103と第3の内部電極102,104とは、誘電体素体10の同一の誘電体層12に互いに離間して配置され、電気的に絶縁された状態となっている。第1の内部電極101は、第1の端子電極90と第1の外部接続導体94とに接続され、第1の内部電極103は、第1の端子電極91と第1の外部接続導体95とに接続されている。第3の内部電極102は、第1の外部接続導体94に接続され、第3の内部電極104は、第1の外部接続導体95に接続されている。
第1の内部電極101は、略U字形状を呈し、第1電極部101aと第2電極部101bと第3電極部101cとを有する。第1電極部101a及び第3電極部101cは、第1の内部電極101において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。第2電極部101bは、第1の内部電極101において、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に伸びる部分である。第1電極部101a及び第3電極部101cは、第2電極部101bの両端部に接続される。第1の内部電極101は、第1電極部101aの一端と第3電極部101cの一端とが第1の側面10cに引き出されて露出するようになっている。第1の内部電極101は、両電極部101a,101cの一端それぞれが第1の側面10cに露出することで、第1の端子電極90と第1の外部接続導体94とに物理的且つ電気的に接続される。
第3の内部電極102は、主電極部102aと引出部102bとを有する。主電極部102aは、誘電体層12を介在させて対向する内部電極との間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部102aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向が長手方向となる矩形形状を呈する。主電極部102aは、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向での略中央部分であって、且つ、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向における第3の側面10e側の部分に配置される。引出部102bは、主電極部102aを外表面に引き出すための部分であり、第3の内部電極102において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。引出部102bは、主電極部102aの第4の側面10f側の部分で主電極部102aに接続するように形成されている。第3の内部電極102は、引出部102bの一端が第1の側面10cに引き出されて露出し、第1の外部接続導体94と物理的且つ電気的に接続される。
第1の内部電極103は、第1の内部電極層100における第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に沿った中心線を基準として、第1の内部電極101と線対称な形状を呈すると共に線対称な位置に配置される。また、第3の内部電極104も、同様の中心線を基準として、第3の内部電極102と線対称な形状を呈すると共に線対称な位置に配置される。
第2の内部電極106は、略U字形状を呈し、第1電極部106aと第2電極部106bと第3電極部106cとを有する。第1電極部106a及び第3電極部106cは、第2の内部電極106において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。第2電極部106bは、第2の内部電極106において、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向に伸びる部分である。第1電極部106a及び第3電極部106cは、第2電極部106bの両端部に接続される。第2の内部電極106は、第1電極部106aの一端と第3電極部106cの一端とが第2の側面10dに引き出されて露出するようになっている。第2の内部電極106は、両電極部106a,106cの一端それぞれが第2の側面10dに露出することで、第2の端子電極92と第2の外部接続導体96とに物理的且つ電気的に接続される。
第4の内部電極107は、主電極部107aと引出部107bとを有する。主電極部107aは、誘電体層12を介在させて対向する主電極部102aとの間で容量成分Cを形成する部分である。主電極部107aは、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向が長手方向となる矩形形状を呈する。主電極部107aは、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向での略中央部分であって、且つ、第3及び第4の側面10e,10fの対向方向における第3の側面10e側の部分に配置される。引出部107bは、主電極部107aを外表面に引き出すための部分であり、第4の内部電極107において、第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に伸びる部分である。引出部107bは、主電極部107aの第4の側面10f側の部分で主電極部107aに接続するように形成されている。第4の内部電極107は、引出部107bの一端が第2の側面10dに引き出されて露出し、第2の外部接続導体96と物理的且つ電気的に接続される。
第2の内部電極108は、第2の内部電極層105における第1及び第2の側面10c,10dの対向方向に沿った中心線を基準として、第2の内部電極106と線対称な形状を呈すると共に線対称な位置に配置される。また、第4の内部電極109も、同様の中心線を基準として、第4の内部電極107と線対称な形状を呈すると共に線対称な位置に配置される。
以上のように、本実施形態によれば、主電極部102aと主電極部107aとは、積層方向からみて、ほぼ全面に渡って互いが重なるように位置し、また、第3の内部電極104の主電極部と第4の内部電極109の主電極部とも、ほぼ全面に渡って互いが重なるように位置し、図4に示される容量成分Cが形成される。その一方、第1の内部電極101,103は、積層方向からみて、異極性となる第2の内部電極106,108及び第4の内部電極107,109と重ならないように位置し、第2の内部電極106,108は、積層方向からみて、異極性となる第1の内部電極101,103及び第3の内部電極102,104と重ならないように位置している。このため、積層コンデンサ1eでは、図4に示される寄生容量Cpが形成されず、高周波帯域におけるインピーダンスの急峻な低下といった寄生容量Cpによる影響が抑制され、フラットなインピーダンス特性である積層コンデンサのアレイ化を図ることができる。
本実施形態によれば、第1の内部電極層100において、第3電極部101cを流れる電流の向きと引出部102bを流れる電流の向きとが逆向きになり、第1の内部電極103及び第3の内部電極104においても同様である。また、第2の内部電極層105において、第3電極部106cを流れる電流の向きと引出部107bを流れる電流の向きとが逆向きになり、第2の内部電極108及び第4の内部電極109においても同様である。このため、本実施形態によれば、各内部電極101〜104及び106〜109は、電流が逆向きに流れる部分を有することとなり、積層コンデンサ1eでは、ESLを一層、低減させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、外部接続導体52,53を第1及び第2の導体部52a,52b,53a,53bに分けた第3実施形態において、更に第3や第4の導体部を設け、各導体部を内部接続導体で互いに接続するようにしてもよい。この場合、電流経路が更に長くなり一層、ESRを高めることができる。また、第6実施形態において、それぞれの内部電極を2個設けた実施形態について説明したが、各内部電極を3個以上設けた構成としてもよい。