JP3031957B2 - ノイズ・フイルタ - Google Patents

ノイズ・フイルタ

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JP3031957B2 JP2132565A JP13256590A JP3031957B2 JP 3031957 B2 JP3031957 B2 JP 3031957B2 JP 2132565 A JP2132565 A JP 2132565A JP 13256590 A JP13256590 A JP 13256590A JP 3031957 B2 JP3031957 B2 JP 3031957B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、デジタル信号を扱うコンピュータのよう
な各種の電子機器における電源回路や信号通過回路など
に適用するノイズ・フイルタに関する。
(従来の技術) コンピュータなどのデジタル信号を扱う電子機器にお
いは、電源回路や信号通過回路にノイズ・フイルタが使
用されている。
このような従来のノイズ・フイルタの一例として、第
14図に示すように、セラミックのような板状誘電体11の
両面に2つのスパイラル電極1、2を対向配置し、一方
のスパイラル電極1を通電導体として、端子5、7を介
して電源回路や信号通過回路に挿入し、他方のスパイラ
ル電極2を接地導体として、端子6を介して任意の片側
端を接地し、板状誘導体11を挟む平行2線間に電位差を
発生させるように構成して分布容量を形成するととも
に、通電導体となるスパイラル電極によりインダクタン
スを形成したものが知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、このような従来のノイズ・フイルタにおいて
は、第15図の断面図に示すように、板状誘電体11の表面
に配置したスパイラル電極1は、裏面のスパイラル電極
2との間に分布容量C1を形成するが、隣接する導体相互
間にも存在する静電容量C2のために、最外側の導体より
最内側の導体まで交流成分、特に、高い周波数成分が通
過するので、高い周波数帯域にわたって良好な減衰特性
を得ることができなかった。
(課題を解決するための手段) そこで、この発明のノイズ・フイルタは、このような
問題点を解決するために考えられたもので、板状誘電体
の両面に対向配置された第1のスパイラル電極および第
2のスパイラル電極を、中心から放射方向に向うほぼ同
一直線上において切断し、該切断部位において上記板状
誘電体を貫通する導体を介して反対側のスパイラル電極
と交叉接続して、一方のスパイラル電極の隣接および対
向するスパイラル電極が、他方のスパイラル電極となる
ように構成したものであって、いずれか一方のスパイラ
ル電極を通電導体とし、他方のスパイラル電極を接地導
体として3端子のノーマル・モード・ノイズ・フイルタ
として使用するか、あるいは、両方のスパイラル電極を
通電導体として4端子のコモン・モード・ノイズ・フイ
ルタとして使用する。
そして、2つのスパイラル電極間に形成された分布容
量と各スパイラル電極が有するインダクタンスとにより
広帯域にわたって良好な減衰特性を有するローパス・フ
イルタを得るものである。
(第1の実施例) 第1図の組立図および第2図の斜視図に示すように、
セラミック板のような板状誘電体11の両面に配置された
第1のスパイラル電極1および第2のスパイラル電極2
を、中心から放射方向に向うほぼ同一直線上において1
ターンごとに切断し、第3図の拡大図より明らかなよう
に、その切断した位置に設けた2つのスルーホール3、
4を介して表裏の各電極1、2を交互に接続する。
このようなスパイラル電極1、2およびスルーホール
3、4の形成は、フォト・エッチングあるいはスクリー
ン印刷のような公知の技術によって実施すればよいので
ある。
このスルーホール3、4による接続状態を、対向する
スパイラル電極に沿って切断して示した第4図より明ら
かなように、両スパイラル電極1および2は、1ターン
ごとに交互に表裏の配置を入れ換えている。
さらに、スパイラル電極と直交する面において切断し
て示した第5図の断面図より明らかなように、第1のス
パイラル電極1のどの位置においても、隣接する電極お
よび対向する電極は、必ず第2のスパイラル電極2とな
るように構成されている。
そして、ノーマル・モード・ノイズ・フイルタとして
使用する場合には、板状誘電体11の1つの端面には、外
部回路と接続するための3つの接続用端子5、6、7を
設け、端子5には、第1のスパイラル電極1の外側端部
が接続され、端子7には、第1のスパイラル電極1の内
側端部とボンデイング・ワイヤまたは絶縁膜の上に形成
された接続用導体9を介して接続され、端子6は第2の
スパイラル電極2の外側端部と裏側で接続されている。
また、コモン・モード・ノイズ・フイルタとして使用
する場合には、接続用端子5、6、7のほかに接続用端
子8が設けられており、端子5には、第1のスパイラル
電極1の外側端部が接続され、端子7には、第1のスパ
イラル電極1の内側端部とボンデイング・ワイヤ9を介
して接続され、端子6には、裏側において第2のスパイ
ラル電極2の外側端部と接続され、端子8には、裏側に
おいて第2のスパイラル電極2の内側端部とボンデイン
グ・ワイヤを介して接続されている。
このような2つのスパイラル電極1、2の形成する板
状誘電体11として、セラミック基板を用いる場合には、
セラミック基板に、結晶化ガラスセラミック、アルミナ
・ガラス系セラミック、BSB(BaSn(BO3)系セラミ
ックなどの低温焼結セラミック基板を使用すると好都合
である。すなわち、このような低温焼結セラミック基板
は、焼結温度が、900〜1,100℃と低く、低抵抗導電体と
なる金、銀などの金属を焼結中に劣化させることがない
ので、焼結前に2つのスパイラル電極を予め形成した状
態で焼結できるから、製造工程が簡単になり製造コスト
を低減することができる。
なお、2つのスパイラル電極1、2の形成する板状誘
電体11として、高温焼結セラミック基板を用いてもよ
い。その場合には、予め焼結処理を施したセラミック基
板に2つのスパイラル電極1、2を形成すればよいので
ある。
(動作) コモン・モードのノイズを抑制すべき回路に、この発
明のノイズ・フイルタを適用する場合には、第6図aの
等価回路図に示すように、電源回路や信号通過回路の途
中に端子5および7を接続して第1のスパイラル電極1
を通電導体として挿入し、端子6を接地して第2のスパ
イラル電極2を接地導体とする。
また、ノーマル・モードのノイズを抑制すべき回路に
適用する場合には、第6図bの等価回路図に示すよう
に、電源回路や信号通過回路の途中に端子5、7および
6、8を接続して2つのスパイラル電極1、2を通電導
体として接続する。
そして、平行した2つのスパイラル電極1、2の間に
有効に電位差を発生させて分布容量を形成するととも
に、通電導体となるスパイラル電極が有するインダクタ
ンスにより、ノイズを有効に抑制するローパス・フィル
タとして動作することができ、疑似分布定数型ノイズ・
フイルタを得ることができる。
(第2の実施例) 第1図ないし第4図に示した実施例においては、板状
誘電体11の両面にスパイラル電極を形成した1枚のノイ
ズ・フイルタであるが、スパイラル電極に沿って切断し
て示した第7図に示すように、中間の板状誘電体(絶縁
体)12を介して2枚以上重ね合わせた積層体とすること
ができる。
第1層の両スパイラル電極1、2の各内側端部を中間
の板状誘電体12に設けられたスルーホールを介して、そ
れぞれ第2層の両スパイラル電極1、2の内側端部と相
互に接続する。
この場合にも、中間の板状誘電体12を介して対向する
第1のスパイラル電極1は、どの位置においても、必ず
第2のスパイラル電極2となるように配置されている。
(第3の実施例) この発明のノイズ・フイルタは、薄膜印刷の技術によ
って作ることができる。
第8図に示すように、 (1)絶縁基板13の側面に接続用端子5、6を形成し、
表面に、中心から放射方向に向うほぼ同一直線上におい
て1ターンごとに切断した状態の第1層目のスパイラル
電極1a,2aを導電ペイントで印刷し、 (2)切断した部分を残して、スパイラル電極1a、2aの
端部が露出するように第1層目の誘電体を14を印刷し、 (3)この第1層目の誘電体14の上に、第1層目のスパ
イラル電極1a,2aの各端部と連続するように第2層目の
スパイラル電極1b、2bを導電ペイントで印刷して、第1
層目のスパイラル電極1a,2aと連続せしめ、 (4)通電導体となる第2層目のスパイラル電極1bの内
側端部を残し、その端部が露出するように、第2層目の
誘電体15を印刷し、 (5)この第2層目の誘電体13の上に、露出したスパイ
ラル電極1bの内側端部と端子7との間を接続するための
導体9を導電ペイントで印刷する。
このような(1)〜(5)の工程を経て、薄膜のノイ
ズ・フイルタ作ることができる。
(第4の実施例) この発明のノイズ・フイルタは、薄膜印刷の技術によ
って多層に作ることができる。
第9図に示すように、 (1)絶縁基板13の側面に接続用端子5、6を形成し、
表面に、中心から放射方向に向うほぼ同一直線上におい
て1ターンごとに切断した状態の第1層目のスパイラル
電極1a、2aを導電ペイントで印刷し、 (2)切断した部分を残して、各スパイラル電極1a、2a
の端部が露出するように第1層目の誘電体を14を印刷
し、 (3)この第1層目の誘電体14の上に、第1層目のスパ
イラル電極1a,2aの各端部と連続するように第2層目の
スパイラル電極1b、2bを導電ペイントで印刷して、第1
層目のスパイラル電極1a,2aと連続せしめ、外側より内
側に向かうスパイラル電極1、2を形成し、 (4)この第2層目の各スパイラル電極1、2の各内側
端部を残し、その内側端部がそれぞれ露出するように第
2層目の誘電体15を印刷し、 (5)この第2層目の誘電体15の上に、第2層目のスパ
イラル電極1、2の各内側端部より外側に向かう導体9
を導電ペイントで印刷し (6)この導体9の外側端部を残し、その端部が露出す
るように第3層目の誘電体16を印刷し、 (7)この第3層目の誘電体16の上に、第2層目のスパ
イラル電極1、2の各外側端部と連続するように、1タ
ーンごとに切断した状態の第3層目のスパイラル電極1
c、2cを導電ペイントで印刷し、 (8)切断した部分を残して、第3層目の各スパイラル
電極1c、2cの端部が露出するように第4層目の誘電体17
を印刷し、 (9)この第4層目の誘電体17の上に、第3層目のスパ
イラル電極1c、2cの各端部と連続するように第4層目の
スパイラル電極1d、2dを導電ペイントで印刷して第3層
目のスパイラル電極1c,2cと連続せしめ、 (10)通電導体となる第4層目のスパイラル電極1dの内
側端部を残し、その端部が露出するように、第5層目の
誘電体18を印刷し、 (11)この第5層目の誘電体18の上に、露出したスパイ
ラル電極1dの内側端部と端子7との間を接続するための
導体9を導電ペイントで印刷する。
このような(1)〜(11)の工程を経て、多層の薄膜
ノイズ・フイルタ作ることができる。
(第5の実施例) 以上で説明した第1ないし第4の実施例においては、
この発明のノイズ・フイルタを部品として構成している
が、これをプリント配線基板、ICカード基板などの基板
上にパターンとして形成してもよいのである。
すなわち、第10図に示すように、電子部品21を搭載す
るプリント配線基板20あるいはICカード基板などの基板
自体を板状誘電体として利用し、その表裏に第1の実施
例で説明したとおり、2つのスパイラル電極1、2を1
組または複数組形成するか、あるいは、プリント配線基
板20あるいはICカード基板の基板自体を絶縁基板として
利用し、第2ないし第4の実施例で説明したとおり、薄
膜印刷の技術によって、2つのスパイラル電極1、2を
1組あるいは複数組形成してもよいのである。
さらに、第11図に示すように、1枚の誘電体基板に複
数のノイズ・フイルタが形成された集合体22を、プリン
ト配線基板20上に他の部品と同様に搭載することもでき
る。
(その他の実施例) (A)板状誘電体11として、セラミックの他に、プラス
チック、ガラス、チタン酸バリウム、フッ素樹脂、マイ
カなどを使用して、その表裏両面に配置された第1のス
パイラル電極1および第2のスパイラル電極2を、中心
から放射方向に向うほぼ同一直線上において1ターンご
とあるいは奇数分の1ターンごとに切断し、その切断し
た位置に設けたスルーホール3、4を介して表裏の電極
を交互に接続する。
(B)2つのスパイラル電極間の静電容量を増加させる
手段として、板状誘電体11に誘電率の高い材料を使用し
て厚みを薄くしたり、各スパイラル電極の幅を広くした
り、第12図の断面図に示すように、板状誘電体11の表裏
両面を粗くして実質的な表面積を増加させて静電容量を
増加させたり、あるいは、第13図の断面図に示すよう
に、板状誘電体11の両面に平行な2つの凸条15を設け、
その凸条15の間に形成されたスパイラル状の溝19内にス
パイラル電極1、2を形成して静電容量を増加させるこ
とができる。
(C)スパイラル電極のインダクタンスを増加させる手
段として、スパイラル電極に磁性体を併設したり、誘電
体に磁性材料を混入すればよいのである。
(D)スパイラル電極を形成する誘電体として平板状の
誘電体のほかに、円筒状、角筒状などの他の形状のもの
も使用することができる。
(E)ノイズ・フイルタのパッケージとしては、セラミ
ック・コンデンサなどにおいて従来より実施されている
リード付きパッケージ、あるいは、表面実装に適したリ
ードレス・チップ状のパッケージとすることができる。
(効果) 以上で説明したように、この発明のノイズ・フイルタ
は、板状誘電体を介して対向された2つのスパイラル電
極の表裏の配置を1ターンごとに交互に入れ換えて、第
1のスパイラル電極のどの位置においても、隣接および
対向するスパイラル電極は、必ず第2の電極となるよう
に構成しているので、3端子のノーマル・モード・フイ
ルタとして、あるいは、4端子のコモン・モード・ノイ
ズ・フイルタとして使用することにより、薄型で小型で
あるのにもかかわらず、比較的低域通過性で広帯域の減
衰特性を有する疑似分布定数型ノイズ・フイルタを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明のノイズ・フイルタの一実施例を示
す組立図、第2図は、この発明のノイズ・フイルタの一
実施例の斜視図、第3図は、要部を拡大して示した平面
図、第4図は、スパイラル電極に沿って切断して示した
断面図、第5図は、スパイラル電極と垂直な面に沿って
切断して示した横断面図、第6図aおよびbは、この発
明のノイズ・フイルタの使い方を説明するために用いる
等価回路図、第7図は、第2の実施例をスパイラル電極
に沿って切断して示した断面図、第8図は、第3の実施
例を製造工程順に示した斜視図、第9図は、第4の実施
例を製造工程順に示した斜視図、第10図および第11図
は、第5の実施例の斜視図、第12図および第13図は、他
の実施例の断面図、第14図は、従来のノイズ・フイルタ
の構成図、第15図は、その断面図であって、各図を通じ
て同一部分は、同一符号で表されている。 1、2……スパイラル電極 3、4……スルーホール 5、6、7、8……接続用端子 11、12、14、15、16……板状誘電体 13……絶縁基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 1/00 - 2/00 H03H 5/00 - 5/12 H03H 7/00 - 7/13 H01F 15/00 - 21/12 H01G 4/40 321

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状誘電体の両面に対向配置された第1の
    スパイラル電極および第2のスパイラル電極を、中心か
    ら放射方向に向うほぼ同一直線上において切断し、該切
    断部位において上記板状誘電体を貫通する導体を介して
    反対側のスパイラル電極と交叉接続して、一方のスパイ
    ラル電極の隣接および対向するスパイラル電極が、他方
    のスパイラル電極となるように構成したことを特徴とす
    るノイズ・フィルタ。
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