JPH11173372A - 制御型の液封入式防振装置 - Google Patents

制御型の液封入式防振装置

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JPH11173372A
JPH11173372A JP34261997A JP34261997A JPH11173372A JP H11173372 A JPH11173372 A JP H11173372A JP 34261997 A JP34261997 A JP 34261997A JP 34261997 A JP34261997 A JP 34261997A JP H11173372 A JPH11173372 A JP H11173372A
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liquid
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Akinori Ichikawa
明徳 市川
Takanori Tsukamoto
孝徳 塚本
Yukio Takashima
幸夫 高島
Yoshio Ihara
芳雄 井原
Masatsugu Takaoka
政嗣 高岡
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置外径を小さく設計することが容易であ
り、しかも組立て時にオリフィス内の空気を簡単に抜く
ことができ、組立が容易な信頼性の高い制御型の液封入
式防振装置を提供する。 【解決手段】 外筒金具2の下部に、ダイヤフラム10
を固着し、その上に仕切り部材12を嵌着して第2副液
室11を形成し、仕切り部材の外周の凹部を第2のオリ
フィス6とする。仕切り部材12の上面中央部に、カラ
ー金具15を有するダイヤフラム8を前記カラー金具の
圧入により取着し、該ダイヤフラムと仕切り部材との間
を圧力調整可能な空気室7とし、この上にカバー金具2
0を外筒金具2の内周に嵌合して被着し、カバー金具2
0と前記ダイヤフラム8の間を第1副液室9とし、その
外方のカバー金具と仕切り部材および外筒金具により囲
まれた部分を第1のオリフィス5として形成し、前記カ
バー金具を押えるように前記防振基体3を嵌着して固定
し、主液室4を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車用
のエンジンマウントとして用いる制御型の液封入式防振
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】自動車の
エンジン等をその振動を車体に伝達させないように支承
するマウントとしての液封入式防振装置は、液体が封入
された主液室と、ダイヤフラムにより仕切られた空気室
をもつ副液室とをオリフィスにより連通させて、このオ
リフィスにより振動減衰効果を得るものである。
【0003】近年、この種の液封入式防振装置として、
エンジンシェイク時の振動とアイドリング時の振動とが
異なった周波数域にあることから、例えば主液室に通じ
る2つのオリフィスを設け、この2つのオリフィスのそ
れぞれに専用のダイヤフラムをもつ2つの副液室を設
け、2つのオリフィスのうち、液体通過抵抗の小さい
(例えば断面積の大きい)オリフィスに連なる一方のダ
イヤフラムに接する空気室を圧力調整可能となし、これ
により振動状態に応じて、前記の空気室に接するダイヤ
フラムを可動状態と不動状態に切替制御できるように構
成し、液体通過抵抗の大きい(例えば断面積の小さい)
オリフィスを機能させる際には、前記ダイヤフラムの動
きを止めて、断面積の大きいオリフィスを機能させない
ようにし、それぞれのオリフィスによって異なった周波
数帯にある振動に対して十分な減衰効果を発揮させるよ
うにした切替制御型の液封入式防振装置が提案されてい
る。その1例として、特開平6−48188号公報があ
る。
【0004】前記提案の防振装置においては、外筒金具
に嵌着された仕切部材を中間にして上部側に、防振基体
と接する主液室と、圧力調整可能な空気室側つまり制御
側のダイヤフラムを有する第1副液室が設けられ、下部
側に、大気側のダイヤフラムを有する第2副液室が設け
られている。
【0005】しかしながら、前記制御側のダイヤフラム
は中間筒金具に加硫接着し、該中間筒金具を外筒金具に
嵌合することにより、仕切部材の上側に添設させてお
り、しかもこの中間筒金具の内側にオリフィス形成のた
めの仕切り金具を嵌着して、前記第1副液室に通ずる第
1のオリフィスを形成し、さらにその上に防振基体の外
周に加硫接着した本体金具を嵌着している。
【0006】すなわち、前記第1副液室に通じる第1の
オリフィスは、ダイヤフラムと一体の中間筒金具の内側
にあり、またそのために前記第2副液室に通じる第2の
オリフィスは、前記第1のオリフィスと主液室に対する
出入口を共通にして、仕切り部材を貫通する孔形状に形
成せざるを得ないものである。
【0007】それゆえ、前記提案の防振装置において
は、性能特性を低下させずに装置外径を小さく設計する
のが難しく、また中間筒金具の存在のために、組立ての
際にオリフィス内の空気を抜き難くなり、組立てに時間
がかかりコスト高となる等の問題があった。
【0008】本発明は、上記に鑑みてなしたもので、装
置外径を小さく設計することが容易であり、しかも組立
て時にオリフィス内の空気を簡単に抜くことができ、組
立が容易な信頼性の高い制御型の液封入式防振装置を提
供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、振動
源側の金具と支持側の外筒金具との間に介在するゴム弾
性体よりなる防振基体と、この防振基体下方の外筒金具
の内部において、該防振基体が室壁の一部をなす主液室
と、主液室に通ずる第1および第2の2つのオリフィス
と、第1および第2のオリフィスに連なり空気室または
外部との間を隔するダイヤフラムをもつ第1および第2
の副液室を備える制御型の液封入式防振装置であって、
上記の課題を解決するために、次のような構成を有して
いる。
【0010】すなわち、前記外筒金具の下部にダイヤフ
ラムがシール状態に固着され、これより上方の外筒金具
の内周に仕切り部材が液密に嵌着され、該仕切り部材と
前記ダイヤフラムとの間が第2副液室として形成される
とともに、この第2副液室から主液室に通じる第2のオ
リフィスが前記仕切り部材の外周部の凹部によって外筒
金具との間で形成され、また前記仕切り部材の上面内方
部には、環状のカラー金具を外周に固設してなる円形の
ダイヤフラムが、前記カラー金具の圧入手段によりセン
タ軸心と同心の配置で取着され、該ダイヤフラムと仕切
り部材との間が外部から圧力調整可能な空気室として形
成され、前記ダイヤフラムの周縁部に対して押接するよ
うに形成されたカバー金具が、前記仕切り部材より上方
の外筒金具内周に液密に嵌合して被着され、該カバー金
具と前記ダイヤフラムの間が第1副液室として形成され
るとともに、その外方のカバー金具と仕切り部材および
外筒金具とにより画された環状部分が第1のオリフィス
として形成され、前記第1のオリフィスと前記第2のオ
リフィスとは、主液室に対する出入口を共通にして、か
つ仕切り部材の上下において外筒金具内周に沿う周方向
の流路がセンタ軸心と同心の配置によるドーナツ状をな
すように形成され、さらに前記カバー金具の外周端部を
外筒金具との間に挾圧するように前記防振基体の外周部
が前記外筒金具に液密に嵌着されて組立て構成されてな
ることを特徴とする。
【0011】この構成の液封入式防振装置によれば、圧
力調整可能な空気室側のダイヤフラムは、その外周の環
状のカラー金具が仕切り部材の上面内方部に圧入固定さ
れることによってセンタ軸心と同心に配置されているの
で、このダイヤフラムより外方のカバー金具と仕切り部
材および外筒金具との間に第1のオリフィスを形成する
ことができ、またこの第1のオリフィスと主液室に対す
る出入口を共通にする第2のオリフィスについても、仕
切り部材の外周部の凹部によって外筒金具との間に形成
することができることになる。
【0012】すなわち、第1および第2のオリフィス
は、主液室に対する出入口を共通にして、かつ仕切り部
材の上下でいずれも外筒金具の内周に沿う周方向の流路
がセンタ軸心と同心の配置によるドーナツ状をなすよう
に設けられており、そのため、従来品に対して性能特性
を低下させずに装置外径を小さく設計することが可能に
なる。また組立て時の空気抜きも簡単に行なうことがで
き、組立作業も容易になる。
【0013】請求項2の発明は、前記の液封入式防振装
置において、前記空気室が、仕切り部材の内部を通り外
筒金具の側外部に通じる連通路を介して負圧源と大気圧
源とに切替接続可能な切替手段に連結されてなり、前記
連通路に外筒金具より外方に突出する接続用パイプが圧
入されていることを特徴とする。
【0014】これにより、ガソリンやオイルを含んだ流
通する気体による外筒金具内周のシールゴムの汚染や劣
化を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基いて説明する。
【0016】図1はこの発明の実施例に係る制御型の液
封入式防振装置を示し、図2は同装置の平面図を示して
いる。
【0017】図において、(1)は自動車のエンジン等
の振動源が取付けられる振動源側のボス金具、(2)は
シャーシやフレーム等に取付けられる支持側の外筒金具
であり、上下に開口する筒状をなしている。
【0018】(3)は振動源側の荷重を受けるゴム弾性
体よりなる厚肉の防振基体であり、図に示すように略傘
形の湾曲形状をなしており、この中央上部に前記振動源
側のボス金具(1)が一部埋設状態に加硫接着されてい
る。防振基体(3)の下部外周には補強金具(3a)が
加硫接着され、該補強金具(3a)が前記外筒金具
(2)の上部内周に後述するように嵌着されて、前記ボ
ス金具(1)と、前記外筒金具(2)の間に介設されて
いる。
【0019】前記防振基体(3)の下方における外筒金
具(2)の内部には、該防振基体(3)が室壁の一部を
なす主液室(4)と、該主液室(4)に通ずる液体通過
抵抗の異なる第1および第2の2つのオリフィス(5)
(6)と、液体通過抵抗の小さい(断面積の大きい)第
1のオリフィス(5)に連なりかつ空気室(7)との間
を隔するダイヤフラム(8)をもつ第1副液室(9)
と、前記より液体通過抵抗の大きい(断面積の小さい)
第2のオリフィス(6)に連なりかつ外部との間を隔す
るダイヤフラム(10)をもつ第2副液室(11)とを
備えている。
【0020】(12)は前記外筒金具(2)の中間筒部
(2a)に対しシールゴム部(13)を介して液密に嵌
着された仕切り部材である。この仕切り部材(12)と
前記防振基体(3)との間が液体を封入した主液室
(4)として形成され、前記第1副液室(9)が仕切り
部材(12)の上側に、第2副液室(11)が仕切り部
材(12)の下側に設けられている。
【0021】すなわち、前記外筒金具(2)の中間筒部
(2a)に段部(2b)を介して連続するやや径小の筒
状下部(2c)には、第2副液室(11)の室壁の一部
をなすゴム膜よりなるダイヤフラム(10)が、前記外
筒金具(2)内周のシールゴム部(13)と一体に加硫
接着手段により固設されている。そして、前記仕切り部
材(12)の周縁部下端(12a)が前記段部(2b)に
当接して、その内方の仕切り部材(12)と前記ダイヤ
フラム(10)との間が第2副液室(11)として形成
され、ダイヤフラム(10)により大気との間が隔され
ている。
【0022】また前記仕切り部材(12)の外周部に
は、縦溝状の凹部(6a)と該凹部(6a)に連続する
周方向の凹部(6b)とが形成されており、前記外筒金
具(2)に嵌着することにより、前記凹部(6a)(6
b)の部分が外筒金具(2)に沿う第2のオリフィス
(6)として形成され、連通孔(6c)により第2副液
室(11)に通じている。
【0023】また前記仕切り部材(12)の上面内方部
には、外周部に環状のカラー金具(15)を加硫接着手
段により固設してなるダイヤフラム(8)が、前記カラ
ー金具(15)の圧入によりセンタ軸心と同心の配置で
取着されており、該ダイヤフラム(8)と仕切り部材
(12)との間が所定のクリアランスを保有する圧力調
整可能な空気室(7)として形成されている。(8a)
は一定以上のクリアランスを保持するための突部であ
る。
【0024】図の場合、前記仕切り部材(12)の空気
室(7)に相当する上面中央部が湾曲状に凹設されると
ともに、該凹設部分(12b)の周辺部に圧入用溝(12
c)が形成され、前記ダイヤフラム(8)がカラー金具
(15)を前記溝(12c)に圧入することにより、前記
凹設部分(12b)の開口を閉塞するように取着されてい
る。図3は前記仕切り部材(12)と前記カラー金具付
きのダイヤフラム(8)を分離して示している。
【0025】前記空気室(7)は、仕切り部材(12)
の内部を通り側面から外筒金具(2)の側外部に通じる
連通路(16)を介して負圧源と大気圧源とのいずれか
に切替接続可能なバルブ等の切替手段(17)に連結さ
れており、該切替手段(17)を制御手段(18)から
の指令信号等の操作で負圧あるいは大気圧のいずれかを
導入できるようになっている。
【0026】これにより、前記ダイヤフラム(8)を可
動状態と不動状態に切替制御でき、液体通過抵抗の大き
い第2のオリフィス(6)を機能させる際には、前記ダ
イヤフラム(8)の動きを止めて、断面積の大きい第1
のオリフィス(5)を機能させないようにし、それぞれ
のオリフィス(5)(6)により、異なった周波数帯に
ある振動に対して十分な減衰効果を発揮できるようにな
っている。
【0027】(19)は前記連通路(16)に対し圧入
された接続用パイプを示し、外筒金具(2)より突出状
をなしている。これによりガソリンやオイルを含んだ流
通する気体による外筒金具(2)内周のシールゴムの汚
染や劣化を防止できる。
【0028】前記仕切り部材(12)の主液室(4)の
側には、環状の突出部(20a)を下面に形成した鋼板等
からのプレス成形品あるいは鋳造品よりなるオリフィス
形成部材を兼ねるカバー金具(20)が、前記ダイヤフ
ラム(8)の周縁部(8a)を前記突出部(20a)で押
えてシールするように、前記外筒金具(2)の内周に液
密に嵌合して被着されている。これにより、前記突出部
(20a)の内方の前記ダイヤフラム(8)との間が第1
副液室(9)として形成され、さらにその外方のカバー
金具(20)と仕切り部材(12)および外筒金具
(2)により画された環状の空間部分が、連通孔(2
1)および(22)により前記主液室(4)と前記第1
副液室(9)とに通じる比較断面積の大きい第1のオリ
フィス(5)として形成されている。そして前記第2の
オリフィス(6)は、この第1のオリフィス(5)の連
通孔(21)を通じて主液室(4)に連通している。
【0029】すなわち、前記第1のオリフィス(5)と
第2のオリフィス(6)とは、主液室(4)に対する出
入口を共通にして、かついずれも外筒金具(2)内周に
沿う形で設けられており、仕切り部材(12)の上下に
位置する周方向の流路が主液室(4)のセンタ軸心と同
心の配置によるドーナツ状をなすように設けられている
ことになる。また空気室(7)に接するダイヤフラム
(8)についても前記センタ軸心に対しずれなく同心に
形成されている。
【0030】さらに前記外筒金具(2)の中間筒部(2
a)と段部(2d)を介して連続する径大の筒状上部
(2e)は、前記防振基体(3)の外周の補強金具(3
a)に対し液密に嵌着され、かしめ手段あるいは絞り手
段等により固定されている。また防振基体(3)が前記
のように固定されることにより、前記カバー金具(2
0)の周縁部を前記段部(2d)との間に挾圧して固定
するようになっている。
【0031】また図の(23)は、外周に支持側の固定
用ブラケット(24)が固着された筒状のスタビライザ
であって、その下部内周に前記外筒金具(2)の上部
(2e)が圧入されて固定されている。
【0032】前記のスタビライザ(23)は、上端部を
ボス金具(1)のストッパー用フランジ部(1a)より
上方に延長するとともに、上端部を内方に折曲形成し
て、その内側端部をストッパ(25)として形成してい
る。前記フランジ部(1a)の上面にはストッパゴム部
(1b)が付設されており、上方への変位が生じたとき
に前記ストッパ(25)に上向に当接して、それ以上の
上方への大変位を抑制できるようになっている。(2
7)はボス金具(1)の上端に圧入手段等により固定さ
れた振動源側の取付金具であり、該取付金具(27)に
は加硫接着手段によりスカート状のカバーゴム部(27
b)と一体のストッパゴム部(27a)が付設され、下方
向への大変位時に前記ストッパ(25)に当接すること
でストッパ作用を果せるようになっている。
【0033】なお、図1においては、前記ストッパゴム
部(1b)がストッパ(25)に当接して図示されてい
るが、エンジン等の荷重を負荷することにより防振基体
(3)が弾性変形して下方へ変位し、前記ストッパ(2
5)と上下のストッパゴム部(27a)(1b)との間に
それぞれ所定のクリアランスを保有する。
【0034】上記構成の液封入式防振装置は、次のよう
にして組立て構成する。
【0035】先ず、仕切り部材(12)の上面の凹設部
分(12b)の周辺に有する圧入用溝(12c)に対し、前
記ダイヤフラム(8)の外周部に固着したカラー金具
(15)を圧入して、仕切り部材(12)とダイヤフラ
ム(8)との間に空気室(7)としての所定のクリアラ
ンスを保有するように取着する。この仕切り部材(1
2)には、第2のオリフィス(6)となる縦方向および
周方向の凹部(6a)(6b)を外周に形成し、かつ上
面の凹設部分から側面に通じる連通路(16)を形成し
ておく。
【0036】次に、液槽中において、前記の仕切り部材
(12)を、下部内周にダイヤフラム(10)がシール
ゴム部(13)とともに一体に加硫接着されている外筒
金具(2)の中間筒部(2a)内に上方より圧入、特に
段部(2b)に当接する位置まで圧入し、シールゴム部
(13)を介して液密に嵌着する。この際、前記仕切り
部材(12)の側面に開口する連通路(16)を中間筒
部(2a)に有する開孔(16a)の位置に合せる。こ
れによって、仕切り部材(12)とダイヤフラム(1
0)とにより囲まれた部分が第2副液室(11)とし
て、また前記凹部(6a)(6b)の部分が外筒金具
(2)に沿う第2のオリフィス(6)として形成され
る。
【0037】次に、オリフィス形成部材を兼ねるカバー
金具(20)を外筒金具(2)の筒状上部(2e)内周
に嵌合し、前記仕切り部材(12)の上面に取着されて
いるダイヤフラム(8)の周縁部を突出部(20a)で押
えてシールするように被着する。これにより第1副液室
(9)が形成されるとともに、突出部(20a)外方の外
筒金具(2)と仕切り部材(12)およびカバー金具
(20)で囲まれた部分が第1のオリフィス(5)とし
て設定される。
【0038】さらに、前記カバー金具(20)の上に、
ボス金具(1)が埋設一体化されている防振基体(3)
を、前記カバー金具(20)の周縁部を段部(2d)と
の間に挾圧するように外筒金具(2)の筒状上部(2
e)に嵌着して、かしめ手段や絞り手段により固定す
る。これにより、防振基体(3)と仕切り部材(12)
の間を主液室(4)として、該主液室(4)、第1およ
び第2のオリフィス(5)(6)、第1および第2の副
液室(9)(11)に液体が封入される。
【0039】特に第1および第2のオリフィス(5)
(6)が相対する二つ以上の部材により形成されている
ために、前記のように液体に浸漬して組立てることによ
り、空気抜きが容易に確実に行なわれ、内部に空気が残
存するおそれがない。なお、空気室(7)に侵入した液
体は液槽から取出すことにより排出できる。
【0040】その後、空気中において、前記外筒金具
(2)の上部(2e)を、支持側の固定用ブラケット
(24)が固着され、かつ上端部がストッパ(25)と
して形成されているスタビライザ(23)の下部内周に
圧入し、さらに前記空気室(7)から仕切り部材(1
2)の内部を通り外筒金具(2)の側面の開口する連通
路(16)に対して、負圧源と大気圧源とに切替接続可
能な切替手段(17)に連結するための接続用パイプ
(19)を圧入する。この後、ボス金具(2)の上端に
取付金具(27)を圧入手段等により固定することによ
り、図1に示す防振装置が得られる。
【0041】このように、第1および第2の2つのオリ
フィス(5)(6)および第1および第2の2つの副液
室(9)(11)を有し、液体通過抵抗の小さい第1の
オリフィス(5)に連なる第1副液室(9)に隣接する
空気室(7)の圧力調整により、第1副液室(9)側の
ダイヤフラム(8)の動き可動状態と不動状態に切替制
御できるように構成した制御型の液封入防振装置を容易
に組立て構成することができる。
【0042】
【発明の効果】上記したように本発明の制御型の液封入
式防振装置によれば、圧力調整可能な空気室側のダイヤ
フラムを、環状のカラー金具による圧入手段によって仕
切り部材の上面内方部にセンタ軸心と同心の配置にして
設けたことにより、第1および第2のオリフィスを、主
液室に対する出入口を共通にして、かついずれも外筒金
具の内周に沿う周方向の流路が仕切り部材の上下で主液
室のセンタ軸心と同心のドーナツ状をなすように設ける
ことができ、またそのために、従来品に対して性能特性
を低下させずに装置外径を小さく設計することが容易に
可能になり、コンパクトで軽量な防振装置を得ることが
できる。しかも組立て時の空気抜きも簡単で組立て作業
が容易であり、信頼性の高い防振装置をコスト安価に製
造できる。
【0043】さらに、前記空気室から外筒金具の側外部
に通じる連通路に対して接続用パイプを圧入したことに
より、ガソリンやオイルを含んだ流通する気体による外
筒金具内周のシールゴムの汚染や劣化を防止でき、さら
に装置の信頼性を高めることができる。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御型の液封入式防振装置の実施例を
示す図2のX−X線の縦断面図である。
【図2】同上装置の平面図である。
【図3】仕切り部材とカラー金具付きのダイヤフラムを
分離して示す一部欠截斜視図である。
【符号の説明】
(1) 振動源側のボス金具 (2) 支持側の外筒金具 (3) 防振基体 (4) 主液室 (5) 第1のオリフィス (6) 第2のオリフィス (7) 空気室 (8) 制御側ダイヤフラム (9) 第1副液室 (10) ダイヤフラム (11) 第2副液室 (12) 仕切り部材 (13) シールゴム部 (6a)(6b) オリフィス用凹部 (15) カラー金具 (16) 連通路 (17) 切替手段 (19) 接続用パイプ (20) カバー金具 (20a) 突出部 (21)(22) 連通孔 (23) スタビライザ (24) 固定用ブラケット (25) ストッパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井原 芳雄 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 高岡 政嗣 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動源側の金具と支持側の外筒金具との間
    に介在するゴム弾性体よりなる防振基体と、この防振基
    体下方の外筒金具の内部において、該防振基体が室壁の
    一部をなす主液室と、主液室に通ずる第1および第2の
    2つのオリフィスと、第1および第2のオリフィスに連
    なりかつ空気室または外部との間を隔するダイヤフラム
    をもつ第1および第2の副液室を備える液封入式防振装
    置であって、 前記外筒金具の下部にダイヤフラムがシール状態に固着
    され、これより上方の外筒金具の内周に仕切り部材が液
    密に嵌着され、該仕切り部材と前記ダイヤフラムとの間
    が第2副液室として形成されるとともに、この第2副液
    室から主液室に通じる第2のオリフィスが前記仕切り部
    材の外周部の凹部によって外筒金具との間で形成され、 また前記仕切り部材の上面内方部には、環状のカラー金
    具を外周に固設してなる円形のダイヤフラムが、前記カ
    ラー金具の圧入手段によりセンタ軸心と同心の配置で取
    着され、該ダイヤフラムと仕切り部材との間が外部から
    圧力調整可能な空気室として形成され、 前記ダイヤフラムの周縁部に対して押接するように形成
    されたカバー金具が、前記仕切り部材より上方の外筒金
    具内周に液密に嵌合して被着され、該カバー金具と前記
    ダイヤフラムの間が第1副液室として形成されるととも
    に、その外方のカバー金具と仕切り部材および外筒金具
    とにより画された環状部分が第1のオリフィスとして形
    成され、 前記第1のオリフィスと前記第2のオリフィスとは、主
    液室に対する出入口を共通にして、かつ仕切り部材の上
    下において外筒金具内周に沿う周方向の流路がセンタ軸
    心と同心の配置によるドーナツ状をなすように形成さ
    れ、 さらに前記カバー金具の外周端部を外筒金具との間に挾
    圧するように前記防振基体の外周部が前記外筒金具に液
    密に嵌着されて組立て構成されてなることを特徴とする
    制御型の液封入式防振装置。
  2. 【請求項2】前記空気室が、仕切り部材の内部を通り外
    筒金具の側外部に通じる連通路を介して負圧源と大気圧
    源とに切替接続可能な切替手段に連結されてなり、前記
    連通路に外筒金具より外方に突出する接続用パイプが圧
    入されていることを特徴とする請求項1に記載の制御型
    の液封入式防振装置。
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