JPH05248479A - 流体封入式マウント装置 - Google Patents

流体封入式マウント装置

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JPH05248479A
JPH05248479A JP8152792A JP8152792A JPH05248479A JP H05248479 A JPH05248479 A JP H05248479A JP 8152792 A JP8152792 A JP 8152792A JP 8152792 A JP8152792 A JP 8152792A JP H05248479 A JPH05248479 A JP H05248479A
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Akira Ide
明良 井出
Atsushi Muramatsu
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体封入式マウント装置において、受圧室と
平衡室とを仕切る、複数の部材の組み合わせによって形
成された仕切部材を、容易に且つ高精度に組み付けるこ
と。 【構成】 仕切部材40を形成する複数の部材42,4
4,46を、それぞれ熱可塑性樹脂にて形成し、それら
を超音波溶着により互いに一体的に固着せしめて成る流
体封入式マウント装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、流体封入式マウント装置に係
り、特にオリフィス通路の形成等のために複数の部材の
組み合わせによって形成された仕切部材を備えた流体封
入式マウント装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、防振連結乃至は防振支持装置の
一種として、特開昭57−9340号公報等に開示され
ている如く、互いに所定距離を隔てて配された第一の取
付金具と第二の取付金具とを、それらの間に介装された
ゴム弾性体にて連結すると共に、該第二の取付金具によ
って支持された仕切部材を挟んで、その一方の側に振動
が入力される受圧室を、他方の側に容積可変の平衡室
を、それぞれ形成せしめ、それら受圧室と平衡室とに所
定の非圧縮性流体を封入すると共に、それら両室をオリ
フィス通路にて相互に連通せしめてなる構造の、所謂流
体封入式マウント装置が知られている。そして、このよ
うな流体封入式マウント装置は、オリフィス通路を通じ
て流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、ゴム弾
性体のみでは得られない優れた防振効果を得ることがで
きることから、自動車用エンジンマウント等として、好
適に用いられてきている。
【0003】ところで、かくの如き流体封入式マウント
装置においては、仕切部材を挟んで隔てられた受圧室と
平衡室との間での流体の流動作用乃至は共振作用に基づ
いて、各種の防振効果が発揮されることから、一般に、
かかる仕切部材に対して、受圧室と平衡室との間での流
体の流動を許容し、或いは制御するための各種の機構が
設けられることとなる。具体的には、前記公報にも示さ
れているように、かかる仕切部材に対して、受圧室と平
衡室とを連通するオリフィス通路が形成されたり、受圧
室における小振幅な内圧変動を吸収・軽減するための可
動部材が保持されたりする。
【0004】また、このような仕切部材にあっては、オ
リフィス通路の長さを充分に確保したり、その内部に可
動部材を配設したりするために、複数の部材にて構成さ
れることが多い。そして、従来のマウント装置では、前
記公報にも示されているように、一般に、複数のプレス
成形品や鋳造品にて構成されてなる構造の仕切部材が用
いられており、それらを溶接やかしめ加工等によって一
体化したものが、用いられている。
【0005】ところが、そのように、複数の部材にて構
成された仕切部材を採用すると、マウント本体への組付
け前に、仕切部材を組み立てるための、溶接やかしめ加
工等の面倒な作業が必要となるために、マウント製作性
が著しく悪化することが避けられないという問題があっ
たのである。
【0006】なお、かかる仕切部材を構成する複数の部
材を、予め一体化することなく、マウント本体への組付
時に、マウント本体によって挟圧支持せしめることによ
り一体化するようにすることも考えられる。しかしなが
ら、そのような方法では、流体の封入のために行なわれ
る流体中でのマウントの組立作業が面倒となるために、
マウント製作性が悪化してしまうことが避けられず、し
かも、仕切部材を構成する複数の部材の相対的な位置決
めを行なうことが困難となるために、オリフィス通路の
開口部の位置合わせや可動部材の支持等が必要な場合に
は、決して有効な手法ではなかったのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、複数の部材の組み合わせによって形成され
た仕切部材を、マウント本体への組付前に、優れた位置
決め精度をもって容易に一体化することができ、優れた
マウント製作性が発揮され得る流体封入式マウント装置
を、提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、所定距離を隔てて配置された第一の取
付金具と第二の取付金具とを、それらの間に介装された
ゴム弾性体にて連結する一方、複数の部材を一体的に組
み合わせて形成された仕切部材を、前記第二の取付金具
にて支持せしめて、該仕切部材に対して前記第一の取付
金具側に、壁部の一部が前記ゴム弾性体にて構成された
受圧室を形成すると共に、前記仕切部材を挟んで該受圧
室とは反対側に、壁部の一部が可撓性膜にて構成され
て、前記受圧室に対してオリフィス通路を通じて連通さ
れた平衡室を形成せしめてなる流体封入式マウント装置
において、前記仕切部材を形成する複数の部材を、それ
ぞれ熱可塑性樹脂にて形成し、それらを超音波溶着によ
り互いに一体的に固着せしめたことを、その特徴とする
ものである。
【0009】
【作用・効果】すなわち、このような本発明に従う構造
とされた流体封入式マウント装置にあっては、仕切部材
を構成する複数の部材が、超音波溶着にて一体化される
ことから、かかる仕切部材を、極めて迅速に且つ容易に
一体化することができるのである。
【0010】しかも、かかる仕切部材は、マウント本体
への組付前に一体化されることから、その一体化に際し
て、複数の部材の相対的な位置決め精度を、容易に且つ
充分に確保することができるのである。
【0011】
【実施例】以下、本発明を、更に具体的に明らかにする
ために、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、
詳細に説明することとする。
【0012】先ず、図1には、本発明の一実施例として
のエンジンマウントが示されている。かかる図におい
て、10および12は、それぞれ第一の取付金具および
第二の取付金具であって、互いに所定距離を隔てて対向
配置されている。また、これら第一の取付金具10と第
二の取付金具12とは、それらの間に介装された本体ゴ
ム弾性体14によって、弾性的に連結されている。
【0013】そして、このようなエンジンマウントにあ
っては、第一の取付金具10および第二の取付金具12
において、車体側およびパワーユニット側の各一方に取
り付けられて、それら車体とパワーユニットとの間に介
装されることとなり、それによってパワーユニットを車
体に対して防振支持せしめる。なお、そのような装着状
態下、かかるエンジンマウントにあっては、第一及び第
二の取付金具10,12の略対向方向(図1中、略上下
方向)に、パワーユニット重量が及ぼされると共に、そ
れら第一及び第二の取付金具10,12の略対向方向に
入力される振動に対して、防振効果が発揮されることと
なる。
【0014】より詳細には、前記第一の取付金具10
は、逆円錐台形状を呈している。また、この第一の取付
金具10の大径側端面における中央部には、軸方向に突
出する取付ボルト16が固設されており、該取付ボルト
16によって、第一の取付金具10がパワーユニット側
に取り付けられるようになっている。
【0015】また、かかる第一の取付金具10には、本
体ゴム弾性体14が加硫接着されている。この本体ゴム
弾性体14は、全体として大径の略円錐台形状を呈して
おり、その内部には、大径側端面に開口する凹所18が
設けられている。そして、その小径側端部に対して、第
一の取付金具10が、埋入されて加硫接着されている一
方、大径側端部の外周面に対して、円筒形状を呈する連
結金具20が加硫接着されてなる一体加硫成形品として
形成されている。
【0016】一方、前記第二の取付金具12は、略円筒
形状を呈する筒金具22と、底金具24とによって構成
されている。かかる筒金具22は、軸方向中央部分に段
差部26を有しており、小径部28と大径部30とから
成る段付円筒形状をもって形成されている。また、この
筒金具22における小径部28側の開口周縁部には、内
フランジ状の支持片部32が、一体的に設けられてい
る。
【0017】また、底金具24は、略浅底の有底円筒形
状を呈しており、その開口周縁部には、外フランジ状の
係止片部34が、一体的に設けられている。そして、こ
の係止片部34が、筒金具22の支持片部32上に内側
から重ね合わされて、かかる底金具24が、筒金具22
によって支持されている。それによって、全体として有
底円筒形状の第二の取付金具12が、形成されているの
である。
【0018】更に、底金具24における底壁部には、複
数の空気抜孔38が設けられていると共に、かかる底壁
部の中央部には、外方に突出する取付ボルト36が、固
設されている。そして、この取付ボルト36によって、
第二の取付金具12が車体側に取り付けられるようにな
っている。
【0019】そして、かかる第二の取付金具12は、筒
金具22の大径部30が、前記本体ゴム弾性体14に加
硫接着された連結金具20に対して外嵌され、更にかか
る大径部30の開口周縁部が、連結金具20の軸方向端
面にかしめ固定されている。それによって、この第二の
取付金具12が、連結金具20に固定されており、以
て、本体ゴム弾性体14を介して、前記第一の取付金具
10に対して、弾性的に連結されているのである。
【0020】また、かかる第二の取付金具12の内部に
は、全体として略厚肉の円板形状を呈する仕切部材40
が、配設されている。この仕切部材40は、上部材42
と中部材44,下部材46によって構成されている。か
かる上部材42は、略円板形状を呈しており、外周面上
に突出する外フランジ状の挟持部47と、下方に向って
突出する円筒形状の筒壁部48を、一体的に有してい
る。また、中部材44は、略厚肉の円板形状を呈してお
り、上方に向って開口する第一の凹所50と、下方に向
って開口する第二の凹所52とを、備えている。更にま
た、下部材46は、略円環板形状を呈しており、内周縁
部において、上方に向って突出する円筒形状の筒壁部5
4を、一体的に有している。そして、上部材42の筒壁
部48が、中部材44の第一の凹所50内に挿入される
一方、下部材46の筒壁部54が、中部材44の第二の
凹所52内に挿入されることにより、それら上部材4
2,中部材44,下部材46が、互いに軸方向に重ね合
わされて組み付けられている。
【0021】そうして、かかる仕切部材40は、上部材
42の挟持部47が、筒金具22の段差部26と連結金
具20との間で挟持されることにより、下部材46が底
金具24の係止片部34に当接せしめられた状態で、筒
金具22の小径部28内に、固定的に組み付けられてい
る。
【0022】それによって、この仕切部材40に対し
て、第一の取付金具10側には、壁部の一部が本体ゴム
弾性体14にて構成された受圧室56が形成されてい
る。
【0023】また、この仕切部材40に対して、底金具
24側には、薄肉円板形状を呈する可撓性膜としての第
一のゴム膜58が配設されており、その外周縁部を、仕
切部材40と底金具24との当接面間で挟圧保持されて
いる。それによって、この第一のゴム膜58を挟んで、
仕切部材40側に、壁部の一部が第一のゴム膜58にて
構成された第一の平衡室60が形成されている一方、該
第一の平衡室60と反対側には、第一のゴム膜58の変
形を許容する空気室62が形成されている。
【0024】更にまた、中部材44の第一の凹所50内
には、薄肉円板形状を呈する第二のゴム膜64が配設さ
れており、その外周縁部を、上部材42の筒壁部48の
先端面と中部材44の第一の凹所50の底面との間で挟
圧保持されている。それによって、この第二のゴム膜を
挟んで、上部材42側には、壁部の一部が第二のゴム膜
64にて構成された第二の平衡室66が形成されている
一方、該第二の平衡室66と反対側には、第二のゴム膜
64の変形を許容する作用室68が形成されている。
【0025】さらに、これら受圧室56,第一の平衡室
60および第二の平衡室66には、それぞれ、所定の非
圧縮性流体が封入されている。それによって、受圧室5
6にあっては、振動入力時に、本体ゴム弾性体14の弾
性変形に基づいて、内圧変動が惹起されることとなり、
一方、第一の平衡室60および第二の平衡室66にあっ
ては、それぞれ、第一のゴム膜58および第二のゴム膜
64の変形に基づいて容積変化が許容されることによ
り、内圧変動が吸収、軽減されることとなるのである。
【0026】また、上部材42と中部材44との重ね合
わせ面間および中部材44と下部材46との重ね合わせ
面間には、それぞれ外周部分を周方向に延びる環状の流
路が形成されている。そして、それらの流路が互いに連
通されることにより、全体として周方向一周以上の長さ
をもって延び、受圧室56と第一の平衡室60とを相互
に連通する第一のオリフィス通路70が形成されてい
る。
【0027】更にまた、上部材42には、略中央部分を
軸方向に貫通して延び、受圧室56と第一の平衡室60
とを相互に連通する第二のオリフィス通路72が形成さ
れている。
【0028】そして、振動入力時、それら第一及び第二
のオリフィス通路70,72を通じて流動せしめられる
流体の共振作用に基づいて、所定の防振効果が発揮され
得るようになっているのである。なお、本実施例では、
かかる第一のオリフィス通路70を通じて流動せしめら
れる流体の共振作用に基づいて、シェイクやバウンス等
の低周波大振幅振動に対する高減衰効果を得ることがで
きるように、また、第二のオリフィス通路72を通じて
流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、アイドリ
ング振動等の中乃至高周波振動に対する低動ばね効果を
得ることができるように、それら第一のオリフィス通路
70および第二のオリフィス通路72の長さや断面積が
チューニングされている。
【0029】また一方、前記中部材44には、その内部
を半径方向に貫通して延び、上記作用室68に開口する
空気通路74が、形成されており、この空気通路74を
通じて、作用室68が、図示しないバルブにより、大気
中と負圧源とに、択一的に接続されるようになってい
る。そして、この空気通路74が大気中に連通されるこ
とにより、所定容積の作用室68が現出されて、第二の
ゴム膜64の変形が許容されるようになっている一方、
この空気通路74が負圧源に連通された場合には、第二
のゴム膜64が中部材44の第一の凹所50の底面に吸
引吸着されて、作用室68が実質的に消失せしめられる
ことにより、該第二のゴム膜64の変形が阻止されるよ
うになっている。
【0030】それ故、かかる空気通路74を大気中に連
通せしめた状態下では、第二の平衡室66が容積可変と
されることにより、振動入力時に、第二のオリフィス通
路72を通じての流体の流動が有効に生ぜしめられて、
アイドリング振動等の中乃至高周波振動に対する低動ば
ね効果が有効に発揮され得るのである。また一方、空気
通路74を負圧源に連通せしめた状態下では、第二の平
衡室66が容積不変とされて、第二のオリフィス通路7
2を通じての流体の流動が実質的に阻止されることによ
り、振動入力時に、第一のオリフィス通路52を通じて
流体の流動が有利に生ぜしめられて、シェイクやバウン
ス等の低周波大振幅振動に対する高減衰効果が有効に発
揮され得るのである。
【0031】すなわち、本実施例のマウントにおいて
は、かかる空気通路74の大気或いは負圧源に対する接
続を切り換えることにより、マウント防振特性を切換制
御することが可能とされているのである。
【0032】ところで、このような仕切部材40を構成
する、上述の如き上部材42,中部材44および下部材
46にあっては、何れも、熱可塑性樹脂材料、例えばナ
イロン,POM,PPS等にて形成されている。
【0033】そして、これら上部材42,中部材44お
よび下部材46は、第二の取付金具12への組付前に、
図2及び図3に示されているように、予め、軸方向に重
ね合わされて組み付けられ、超音波溶着法により、一体
的に接合されることとなる。
【0034】なお、超音波溶着法とは、良く知られてい
るように、互いに重ね合わせた樹脂材に対して、ホーン
(超音波伝達体)を当接させて超音波振動を伝達させる
ことにより、それら重ね合わされた樹脂材を互いに溶着
せしめるものであって、上部材42,中部材44および
下部材46の材質やそれらの肉厚等に応じて、直接溶着
または伝達溶着が、何れも採用可能である。
【0035】すなわち、このように仕切部材40を構成
する各部材42,44,46を、熱可塑性樹脂材料にて
形成し、それらを超音波溶着にて一体化せしめるように
したことにより、それら各部材42,44,46の一体
化を、極めて迅速に且つ容易に行なうことができるので
ある。
【0036】しかも、かかる仕切部材40の一体化を、
マウント本体への組付前に行なうことができることか
ら、各部材42,44,46の相対的な位置合わせも正
確に且つ容易に行なうことができるのであり、それ故、
第二のオリフィス通路72の開口部を合わせるための各
部材42,44,46の周方向の位置合わせや、第二の
ゴム膜58の外周縁部を挟圧保持せしめるための上部材
42と中部材44との軸方向の位置合わせを、充分な精
度をもって容易に行なうことが可能となるのである。
【0037】従って、このような本実施例に従う構造と
されたエンジンマウントによれば、仕切部材40を形成
する各部材42,44,46の組付精度を充分に確保し
つつ、マウント製作作業の簡略化およびマウント製作サ
イクルの向上が、極めて有効に達成され得ることとなる
のである。
【0038】次に、図4には、本発明の別の実施例とし
てのエンジンマウントが示されている。なお、本実施例
においては、前記第一の実施例と同様な構造とされた部
材および部位に対して、それぞれ、図面上に、前記第一
の実施例と同一の符号を付することにより、その詳細な
説明は省略することとする。
【0039】本実施例のエンジンマウントにあっては、
第二の取付金具12の内周面に沿って、シールスリーブ
76が配設されている。このシールスリーブ76は、第
二の取付金具12よりも一回り小さな段付の薄肉円筒形
状を呈している。また、かかるシールスリーブ76の内
周面には、略全面に亘って、薄肉のシールゴム層78が
一体的に設けられていると共に、小径部80側の開口部
が、第一のゴム膜58によって流体密に閉塞されてい
る。
【0040】そして、かかるシールスリーブ76にあっ
ては、その小径部80内に仕切部材40が収容配置され
ていると共に、その大径部82において、連結金具20
に外嵌されて取り付けられている。それによって、かか
るシールスリーブ76の内部が密閉され、以て、その内
部に受圧室56、第一の平衡室60および第二の平衡室
66が、それぞれ形成されているのである。
【0041】なお、第二の取付金具12は、シールスリ
ーブ76を連結金具20に対して組み付け、内部に流体
を封入せしめた後、該シールスリーブ76に対して外挿
されて、かしめ固定されている。
【0042】すなわち、かくの如きシールスリーブ76
を採用したことにより、仕切部材40の外周面に開口し
て形成された螺旋溝77を、該シールスリーブ76にて
覆蓋せしめて、周方向に一周以上の長さで延びる第二の
オリフィス通路72を、容易に形成することができるこ
とから、かかる仕切部材40を、上部材42と中部材4
6との、二つの部材をもって構成することが可能となる
のである。
【0043】そして、このような本実施構造のエンジン
マウントにおいても、上部材42と中部材46とが、共
に、熱可塑性樹脂材料にて構成されており、図5及び図
6に示されている如く、それらが、マウント組付前に、
超音波溶着により一体化されている。それによって、前
記第一の実施例と同様、仕切部材40を構成する各部材
42,44の組付精度を充分に確保しつつ、マウント製
作作業の簡略化およびマウント製作サイクルの向上が、
極めて有効に達成され得ることとなるのである。
【0044】また、図7には、本発明の更に別の実施例
としてのエンジンマウントが示されている。なお、本実
施例においては、前記第二の実施例と同様な構造とされ
た部材および部位に対して、それぞれ、図面上に、前記
第二の実施例と同一の符号を付することにより、その詳
細な説明は省略することとする。
【0045】本実施例のエンジンマウントにあっては、
シールスリーブ76の小径部80内に配設される仕切部
材40が、全体として略厚肉円筒形状を呈する外部材8
4と、該外部材84の内孔86内に嵌め込まれて組み付
けられた略円板形状を呈する内部材88とによって、構
成されている。
【0046】そして、外部材84の外周面に設けられた
周方向に延びる螺旋溝90が、シールスリーブ76にて
覆蓋されることによって、受圧室56と第一の平衡室6
0とを連通する第一のオリフィス通路が形成されてい
る。
【0047】また、外部材84の内周面には、軸方向中
央部分において径方向内方に突出する内フランジ状の支
持部92が設けられている。そして、この外部材84の
内孔86内に対して、円板形状のゴム板94が収容配置
されていると共に、内部材88が、軸方向上方から嵌め
込まれており、この内部材88の下面と外部材84の内
フランジ部92との間で、ゴム板94の外周縁部が挟圧
保持されている。なお、内部材88の下面中央には凹部
96が設けられており、ゴム板94の上面との間に所定
の間隙98が形成されるようになっている。
【0048】さらに、内部材88には、外周面に開口す
る周溝99が設けられており、かかる周溝99が外部材
84にて覆蓋されることによって、受圧室56を間隙9
8に連通する第二のオリフィス通路72が形成されてい
る。即ち、本実施例のエンジンマウントにおいては、ゴ
ム板94の弾性変形に基づいて、第二のオリフィス通路
72を通じての流体の流動が許容され得るようになって
いるのであり、換言すれば、該ゴム板94のばね剛性に
より、第二のオリフィス通路72を通じて、受圧室56
と第一の平衡室60との間を流動せしめられる流体の流
量が制限されるようになっているのである。
【0049】それによって、比較的振幅が小さい中乃至
高周波数域の振動入力時には、第二のオリフィス通路7
2を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づい
て、有効な低動ばね効果が発揮され得る一方、比較的振
幅が大きい低周波数域の振動入力時には、第一のオリフ
ィス通路70を通じての流体の流動が生ぜしめられるこ
とにより、該第一のオリフィス通路70を通じて流動せ
しめられる流体の共振作用に基づいて、高減衰効果が発
揮され得ることとなるのである。
【0050】そして、このような本実施構造のエンジン
マウントにおいても、仕切部材40を構成する外部材8
4と内部材88とが、共に、熱可塑性樹脂材料にて構成
されており、図8及び図9に示されている如く、それら
が、マウント組付前に、超音波溶着により一体化されて
いる。それによって、前記第一及び第二の実施例と同
様、仕切部材40を構成する各部材84,88の組付精
度を充分に確保しつつ、マウント製作作業の簡略化とマ
ウント製作サイクルの向上が、有効に達成され得ること
となるのである。
【0051】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0052】例えば、前記実施例では、何れも、仕切部
材に対して、互いに異なるチューニングが施された複数
(二本)のオリフィス通路70,72が形成されていた
が、本発明は、単一又は三本以上のオリフィス通路が形
成された仕切部材や、或いはオリフィス通路が一本も形
成されていない仕切部材に対しても、適用可能であるこ
とは、勿論である。
【0053】また、オリフィス通路を設ける場合でも、
その具体的な構造は、マウントに要求される防振特性等
に応じて、適宜、決定されるべきであり、前記実施例の
ものに限定されるものでは決してない。
【0054】更にまた、前記実施例では、本発明を自動
車用エンジンマウントに適用したものの具体例を示した
が、本発明は、その他、各種の防振連結装置や防振支持
装置等に対して、有利に適用され得るものである。
【0055】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用エンジンマ
ウントを示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントを構成する仕
切部材の分解図である。
【図3】図2に示された仕切部材の組立図である。
【図4】本発明の別の実施例としての自動車用エンジン
マウントを示す縦断面説明図である。
【図5】図4に示されたエンジンマウントを構成する仕
切部材の分解図である。
【図6】図5に示された仕切部材の組立図である。
【図7】本発明の更に別の実施例としての自動車用エン
ジンマウントを示す縦断面説明図である。
【図8】図7に示されたエンジンマウントを構成する仕
切部材の分解図である。
【図9】図8に示された仕切部材の組立図である。
【符号の簡単な説明】
10 第一の取付金具 12 第二の取付金具 14 本体ゴム弾性体 40 仕切部材 42 上部材 44 中部材 46 下部材 56 受圧室 58 第一のゴム膜 60 第一の平衡室 64 第二のゴム膜 66 第二の平衡室 70 第一のオリフィス通路 72 第二のオリフィス通路 84 外部材 88 内部材 94 ゴム板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定距離を隔てて配置された第一の取付
    金具と第二の取付金具とを、それらの間に介装されたゴ
    ム弾性体にて連結する一方、複数の部材を一体的に組み
    合わせて形成された仕切部材を、前記第二の取付金具に
    て支持せしめて、該仕切部材に対して前記第一の取付金
    具側に、壁部の一部が前記ゴム弾性体にて構成された受
    圧室を形成すると共に、前記仕切部材を挟んで該受圧室
    とは反対側に、壁部の一部が可撓性膜にて構成されて、
    前記受圧室に対してオリフィス通路を通じて連通された
    平衡室を形成せしめてなる流体封入式マウント装置にお
    いて、 前記仕切部材を形成する複数の部材を、それぞれ熱可塑
    性樹脂にて形成し、それらを超音波溶着により互いに一
    体的に固着せしめたことを特徴とする流体封入式マウン
    ト装置。
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