JP4138165B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、主として自動車のエンジン等のパワーユニットを防振的に支承するのに用いられる液封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来から、エンジン等の振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それらを防振的に連結する液封入式の防振マウント装置として、防振装置本体の防振基体とこれに対向する第1のダイヤフラムとの間に形成される液封入室を、防振基体側の主液室と第1のダイヤフラムの側の副液室とに仕切る仕切体を設け、この仕切体に両液室を連通させるオリフィスを設け、このオリフィスによる両液室の液流動効果により振動減衰効果を発揮させるようにした液封入式防振装置が知られている。
【0003】
そして、かかる液封入式防振装置において、シェイク振動とアイドル振動等の異なる周波数振動に対応させるように、前記仕切体に二つのオリフィス(ダブルオリフィス)を形成したものが出現している(例えば、特開平9−100866号公報および特開平9−210117号公報)。
【0004】
ところで、前記の二つのオリフィスを設けて、シェイク振動とアイドル振動とに対する防振効果を向上させる液体封入式の防振装置においては、特に仕切体のオリフィス長さおよびオリフィス断面積、さらには両ダイヤフラムの弾性率等が所望の振動減衰機能を発揮する上で重要な要素となるばかりか、この振動減衰機能を維持するための耐久性やシール性についても重要な要素となる。さらに仕切体の本体への組み込みも考慮しなければならない。
【0005】
このような観点から、本発明者らは、防振装置本体内に配設されて前記二つのオリフィスを形成する仕切体を、外周側面部に第1オリフィスを形成する上側の仕切部材と、該上側の仕切部材の内周側に第2オリフィスを形成するゴム状部材と、これらの下面側に接設される下側の仕切板部材との3部材により構成し、前記上側の仕切部材を防振装置本体に圧入するとともに、下側の仕切板部材の外周端部を半径方向外側に延設して、その延設部を防振装置本体の取付金具にかしめ固定する構成として、製品の信頼性、機能性および搭載性を確保しつつ容易に組み立て得るようにした液封入式防振装置を提案している(特願平10−352404号)。
【0006】
前記提案の装置において、上側の仕切部材と下側の仕切板部材との間に挟まれるゴム状部材は、上側の仕切部材と下側の仕切板部材のいずれか一方に対して加硫接着されるが、この際、全接合面を接着することとした場合、ゴム状部材のその製造工程が複雑になり、コスト高になる。
【0007】
例えば、前記第2オリフィスの内周を画する環状内壁部に該第2オリフィスの通路端を形成する隔壁部をゴム実用部材により一体に形成する場合、前記環状内壁部とともに前記隔壁部をも上側の仕切部材のオリフィス用溝面に対して加硫接着するのは、前記オリフィス用溝面の所定の位置に正確に接着剤を塗布する必要があり、製造上手数のかかる面倒な作業になる。
【0008】
本発明においては、特に仕切体の構成を加硫成形による製作が容易な構造にして、製品の信頼性、機能性、搭載性および組立性を良好に確保した液封入式防振装置をコスト安価に提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明の流封入式防振装置は、防振装置本体の防振基体とこれに対向する第1のダイヤフラムとの間に形成される液封入室を、防振基体側の主液室と第1のダイヤフラムの側の副液室とに仕切り、かつこれら両液室を連通させるオリフィスを有する仕切体を設けてなる液封入式防振装置において、前記仕切体は、その外周側面部に第1オリフィスが形成された環状部材の内周部に、第2オリフィスの内周を画するとともにその内方部に第2ダイヤフラムが形成されたゴム状部材を取着してなるオリフィス形成部材と、このオリフィス形成部材の下面側に接設されて前記第2オリフィスの下面側を閉塞する仕切板部材とからなり、前記ゴム状部材における第2オリフィスの内周を画する環状内壁部より内方部に前記第2オリフィスに連通する第2副液室が形成されており、前記ゴム状部材の前記環状内壁部が前記環状部材の内周端部に加硫接着されるとともに、前記環状内壁部の一部より外方に延びて第2オリフィスの通路端を形成する隔壁部が、前記環状部材の第2オリフィス用溝面に対し凹凸係合手段により非接着で係着されてなることを特徴とする。
【0010】
この液封入式防振装置の場合、前記第1オリフィスと副液室側の第1のダイヤフラム、および第2オリフィスと第2副液室側の第2ダイヤフラムを、それぞれ異なる周波数域で振動減衰作用を効果的に発揮できるように設定しておくことにより、例えばシェイク振動やアイドル振動の両周波数域においてそれぞれ振動減衰作用が良好に発揮される。
【0011】
そして、前記防振装置本体内の仕切体の構成におけるオリフィス形成部材において、環状部材の内周部に取着されたゴム状部材は、第2オリフィスの内周を画する環状内壁部でのみ環状部材の内周端部に加硫接着され、環状内壁部から外方に延びて第2オリフィスの通路端を形成する隔壁部では、環状部材のオリフィス用溝面に対し接着されることなく凹凸係合手段により係着されているため、その加硫成型の際に、前記オリフィス用溝面の前記隔壁部が接合される個所には接着剤を塗布する必要がなく、円形の前記内周端部のみに接着剤を塗布するだけでよいため、接着剤の塗布作業にそれほど正確さが要求されず、加硫成形作業が容易になる。しかも前記隔壁部は凹凸係合手段により前記オリフィス用溝面の所定の位置に離脱のおそれなく確実に係着固定される。
【0012】
特に、前記ゴム状部材の隔壁部が係着される環状部材の第2オリフィス用の溝面に凹溝が形成され、隔壁部の一部が加硫成型により前記凹溝に填入せしめられて係着されてなる場合は、該凹溝により位置ずれを防止でき、該隔壁部を安定性よく固定できる上、該隔壁部のシール性も良好に保持でき、第2オリフィスの通路端の隔壁部での短絡を確実に防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の液封入式防振装置の1実施例を示す断面図、図2は仕切体の一部を欠截した斜視図、図3は同仕切体を構成するオリフィス形成部材の裏返した斜視図、図4は同オリフィス形成部材の下面側の平面図、図5は前図のX−X線の断面図、図6はY−Y線の断面図、図7はZ−Z線の断面図である。
【0015】
この実施例の液封入式防振装置(A)は、図に示すように、エンジン等の振動源側に取り付けられる上側取付金具(2)と、車体側に取り付けられる下側取付金具(3)と、これら両取付金具(2)(3)を互いに連結するゴム弾性体よりなる防振基体(4)と、この防振基体(4)に対向して下側取付金具(3)の側に配置されて防振基体(4)との間で液封入室(5)を構成する第1ダイヤフラム(6)とを備えており、これらにより防振装置本体(1)が構成されている。
【0016】
図の場合、前記防振基体(4)は略円錐台形状をなしており、その小径側の上端部が上側取付金具(2)に加硫接着され、また下部の大径側外周部が筒状本体金具(7)に加硫接着され、該筒状本体金具(7)により下側取付金具(3)とかしめ固定されて連結されている。
【0017】
そして、また前記防振装置本体(1)内には、前記液封入室(5)を防振基体(4)側の主液室(5a)と前記第1ダイヤフラム(6)側の副液室(5b)とに仕切る仕切体(10)が設けられている。この仕切体(10)は、前記筒状本体金具(7)の内周に防振基体(4)と一体形成されたシールゴム層(41)を介して気密状態に嵌着されている。該仕切体(10)には、後述するように、二つのオリフィス(9)(15)と第2ダイヤフラム(16)および第2副液室(17)を有し、前記二つのオリフィスによる異なる周波数域の振動減衰機能と前記防振基体による振動絶縁機能とを発揮するように設けられている。
【0018】
前記上側取付金具(2)は平板形状をなし、その中央部には圧入手段や溶接手段により固定された取付けボルト(21)が上向きに突設されている。(22)は位置決め用の突起である。そして、図示しない自動車のパワーユニットに対して、前記突起(22)によって位置決めされて前記取付ボルト(21)によって固定されるようになっている。(23)は上側取付金具(2)に溶接手段等により固設されたスタビライザであり、防振基体(4)の変形による上側取付金具(2)の大変位時に、前記防振基体(4)の大径側の一部に設けられた張り出し部(42)に対し当接することで、それ以上の上下方向の変位を規制するストッパー作用を果すように設けられている。
【0019】
また前記下側取付金具(3)は、有底の概略円筒形状をなし、フランジ状の開口縁部(31)に対し前記筒状本体金具(7)の下端部(71)がかしめ固定されている。またこの下側取付金具(3)の底壁部(32)には車体側への取付ボルト(33)が圧入手段により下向きに突設されている。前記下側取付金具(3)と第1のダイヤフラム(6)との間が空気室(8)として形成されている。
【0020】
前記第1ダイヤフラム(6)は、可撓性のゴム膜を有するとともに、その外周部に環状の支持金具(61)の内端が加硫接着により埋設一体化されており、該支持金具(61)が前記下側取付金具(3)のフランジ状の開口縁部(31)に載置され、後述するように仕切体(10)の外周端部とともに筒状金具(7)の下端部(71)でかしめ固定されている。
【0021】
そして、前記仕切体(10)については、図2〜図7に示すように、環状部材(11)とゴム状部材(12)とにより構成されるオリフィス形成部材(10a)と、その下面側を覆う下側の仕切板部材(13)等から形成され、次のような構成をなしている。
【0022】
環状部材(11)は、主としてアルミニウム等の金属または樹脂のモールド成形品であって、図に示すように環状をなすとともに、その外周面部に防振装置本体(1)の筒状本体金具(7)との間で第1オリフィス(9)を形成するための溝(90)が形成され、断面略コ字形をなしている。前記第2オリフィス用の溝(90)の上側端縁部(11a)には、前記第1オリフィス(9)を主液室(5a)側と連通させる連通部(9a)が形成され、また下側端縁部(11b)には、前記連通部(9a)とは前記溝(90)に有する縦壁部(91)を挟んで反対側の位置に、前記第1オリフィス(9)を副液室(5b)と連通させる連通部(9b)が開設されている。また前記環状部材(11)には、前記溝底壁部(92)の内方側上部に中央部を円形に開口させた内フランジ状の中央板部(14)が設けられている。
【0023】
前記環状部材(11)の中央板部(14)の内周端部(14a)には、溝底壁部(92)との間に下開放の第2オリフィス(15)となる溝を形成するゴム状部材(12)が加硫接着手段により取着されており、これによりオリフィス形成部材(10a)が形成されている。
【0024】
ゴム状部材(12)は、ゴムもしくは樹脂エラストマーよりなり、第2オリフィス(15)の内周を画する環状内壁部(12a)を有するとともに、その内方部に第2ダイヤフラム(16)が形成され、さらに前記環状内壁部(12a)より内方部に、前記第2ダイヤフラム(16)と下側の仕切板部材(13)とで囲まれ、かつ連通部(17a)を通じて前記第2オリフィス(15)に連通する第2副液室(17)が形成されている。また前記ゴム状部材(12)には、前記環状内壁部(12a)の一部、例えば連通部(17a)に沿って外方に延びて前記第2オリフィス(15)の通路端を形成する隔壁部(15a)が一体に形成されている。前記第2オリフィス(15)は、前記連通部(17a)とは前記隔壁部(15a)を挟んで反対側の位置で、前記第1オリフィス(9)の連通部(9b)に連通しており、該連通部(9b)を介して副液室(5b)および第1オリフィス(9)に通じている。
【0025】
そして、前記ゴム状部材(12)の前記環状部材(11)に対する取着手段として、前記環状内壁部(12a)が前記環状部材(11)の中央板部(14)の円形の内周端部(14a)に加硫接着されるとともに、前記隔壁部(15a)が前記環状部材(11)の第2オリフィス用の溝面、すなわち溝側面(15b)と下方向きの溝底面(15c)に対し凹凸係合手段により非接着で係着されている。図の場合、前記環状内壁部(12a)の基部は、前記中央板部(14)の内周端部(14a)の下面側から内周面にわたって接着されている。
【0026】
具体的には、前記のゴム状部材(12)を加硫成形して前記環状部材(11)に接着する際、環状部材(11)のうち前記環状内壁部(12a)の基部が接着される所定の範囲、すなわち前記中央板部(14)の内周端部(14a)の下面側から内周面にのみ接着剤を塗布しておく。この際、内周端部(14a)が円形であれば、環状部材(11)に回転を与えて機械的に接着剤を塗布することもできる。(B)は接着剤塗布範囲を示す。また環状部材(11)の第2オリフィス用の溝面である溝側面(15b)と溝底面(15c)とには、図4、図6および図7に示すように、前記隔壁部(15a)が係着される所定の個所に、その横断方向に連続して延びる溝状の凹部(18)を形成しておく。
【0027】
こうして、第2オリフィス(15)、第2ダイヤフラム(16)およびダイヤ第2副液室(17)を成形する所定の加硫金型により一体に加硫成形する。これにより、ゴム状部材(12)は、第2オリフィス(15)の内周を画する環状内壁部(12a)の基部のみが、前記環状部材(11)の内周端部(14a)に一体に加硫接着され、一方、前記隔壁部(15a)の部分では、第2オリフィス用の溝側面(15b)の溝底面(15c)に対して、該隔壁部(15a)のゴムの一部が前記凹部(18)に填入せしめられて凹凸係合することとなり、非接着状態で所定の個所に係着される。
【0028】
前記のようにゴム状部材(12)の隔壁部(15a)を接着しないで係着することにより、この加硫成形の際、前記内周端部(14a)以外の部分にまで接着剤を正確に塗布する必要がなく、作業容易で製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。しかも、前記溝状の凹部(18)にゴムが填入して係合することにより、該隔壁部(15a)を位置ずれのおそれなく安定性よく保持でき、またシール性も良好に保持され、第2オリフィス(15)の通路端における隔壁部(15a)での短絡を確実に防止できる。
【0029】
なお、前記凹部(18)を断続状に形成しておくことも可能であるが、シール性の点では、図示する実施例の連続した溝状に形成しておくのが望ましい。また前記凹部(18)をアリ溝状に形成しておくと、隔壁部(15a)が環状部材にさらに安定性よく確実に係着固定されることになる。
【0030】
また、下側の仕切板部材(13)は、金属製の平板よりプレス成形された略円板状をなしており、前記オリフィス形成部材(10a)の下面側に前記環状部材(11)およびゴム状部材(12)を押圧して、下方に開放する第2オリフィス(15)および第2副液室(17)の下面側を閉塞するものである。この仕切板部材(13)には、前記連通部(9b)との対応個所に開口(13a)が設けられ、副液室(5b)に通じている。そして、該仕切板部材(13)の外周縁部が半径方向外側に延設され、その延設部(13b)が下側取付金具(3)の開口縁部(31)と第1ダイヤフラム(6)の支持金具(61)とともに筒状本体金具(7)の下端部(71)に一体にかしめ固定されている。
【0031】
上記の構成による液封入式防振装置(1)を組立てるには、液中において、防振基体(4)を介して上側取付金具(2)と結合されている筒状本体金具(7)の下方側開口の側を上向きにセットして、内部の空気を排除した状態で、上記のように製作された上側の環状部材(11)とゴム状部材(12)とよりなるオリフィス形成部材(10a)を、前記筒状本体金具(7)の内周にシールゴム層(41)を介して、上側端縁部(11a)が防振基体(4)の切欠段部(43)に当接する位置まで圧入し嵌装する。さらにその上から、仕切板部材(13)を、筒状本体金具(7)のかしめ前の拡開した状態(図1の鎖線)の下端部(71)の内側に段部(72)と当接する位置まで圧入または挿入して、前記オリフィス形成部材(10a)に対接させ、次いで、第1のダイヤフラム(6)の支持金具(61)を圧入または挿入する。
【0032】
こうして、前記第1のダイヤフラム(6)と防振基体(4)との間の内室に液体を封入し、残液調整を行なった後、これを大気中に取出し、前記筒状本体金具(7)の下端部(71)に下側取付金具(3)の開口縁部(31)を嵌め込んで、該下端部(71)でかしめ固定し、組み立てを完了する。
【0033】
このようにすれば、仕切体(10)は、防振基体(4)の切欠段部(43)と下側取付金具(3)の開口縁部(31)との間で挟圧保持されることになり、所定の長さおよび断面積を有する第1オリフィス(9)および第2オリフィス(15)を液封でき、容易に組み立てることができる。
【0034】
特に、上側の環状部材(11)とこれに加硫成形により一体化したゴム状部材(12)よりなるオリフィス形成部材(10a)と、下側の仕切り板部材(13)とを液層内で別々に圧入または挿入でき、かつ大気中でかしめ固定することができるので、特別の治具を要さず組立工程を簡略化でき、信頼性の高い液封入防振装置を得ることができる。
【0035】
前記の構成による本発明の液封入式防振装置(1)は、上側取付金具(2)をエンジン等のパワーユニットの側に連結し、また下側取付金具(3)を車体側メンバに取付けて使用する。
【0036】
この使用状態において、上側取付金具(2)に取付けて支承したエンジン等の振動発生体から振動が伝わると、ゴム弾性体よりなる防振基体(4)の弾性変形に伴って主液室(5a)と副液室(5b)内の液体が第1オリフィス(9)および第2オリフィス(15)を通じて流動し、この流動による前記オリフィス内での液柱共振作用や液圧減衰作用により防振効果が発揮されることとなる。
【0037】
前記の第1オリフィス(9)と第1のダイヤフラム(6)、および第2オリフィス(15)と第2ダイヤフラム(16)は、それぞれ異なる周波数域で振動減衰作用を効果的に発揮できるように設定する。例えば、第1オリフィス(9)については、その断面積や長さを、シェイク振動等の10〜15Hzの低周波大振幅の振動対策用として、また第2オリフィス(15)については、その断面積や長さを、アイドル振動等の30〜40Hzの中高周波の振動対策用として設定する。これにより、シェイク振動とアイドル振動の両周波数域において防振効果を良好に発揮できる。
【0038】
特に、第2オリフィス(15)と第2ダイヤフラム(16)とをゴム状部材(12)により一体形成しているため、これらの寸法変更が容易であり、要求される特性の変更に容易に対応できる。
【0039】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、第2オリフィスおよび第2ダイヤフラムを内方部に設定した仕切体を防振装置本体内に組み込み構成するのが容易であり、シェイク振動対策およびアイドル振動対策のための二つのオリフィスおよびダイヤフラムを設けた、信頼性および機能性や搭載性に優れる液封入式防振装置を容易に得ることができる。
【0040】
特に、仕切体を構成するオリフィス形成部材は、環状部材の内周部に取着されるゴム状部材を、第2オリフィスの内周を画する環状内壁部でのみ環状部材に加硫接着し、環状内壁部から外方に延びて第2オリフィスの通路端を形成する隔壁部では凹凸係合手段により非接着で係着する構成としたことにより、接着剤を正確に塗布する面倒な作業を必要とせず、塗布作業を容易に行え、その製造コストを低減できる。しかも前記隔壁部は凹凸係合手段により前記オリフィス用溝面の所定の位置に離脱のおそれなく確実に係着固定されるので、隔壁部としての機能に影響を与えることもなく、信頼性を悪化させることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液封入式防振装置の1実施例を示す縦断面図である。
【図2】同上の防振装置の仕切体を構成するオリフィス形成部材と仕切板部材を示す一部を欠截した斜視図である。
【図3】同上の裏返したオリフィス形成部材の斜視図である。
【図4】同上のオリフィス形成部材の下面側の平面図である。
【図5】図4のX−X線の断面図である。
【図6】図4のY−Y線の断面図である。
【図7】図4のZ−Z線の断面図である。
【符号の説明】
(A) 液封入式防振装置
(1) 防振装置本体
(2) 上側取付金具
(3) 下側取付金具
(4) 防振基体
(5) 液封入室
(5a) 主液室
(5b) 副液室
(6) 第2ダイヤフラム
(7) 筒状本体金具
(8) 空気室
(9) 第1オリフィス
(10) 仕切体
(11) 環状部材
(12) ゴム状部材
(12a) 環状内壁部
(13) 仕切板部材
(14) 中央板部
(14a) 内周端部
(15) 第2オリフィス
(15a) 隔壁部
(16) 第2ダイヤフラム
(17) 第2副液室
(18) 溝状の凹部
(71) かしめられた下端部

Claims (2)

  1. 防振装置本体の防振基体とこれに対向する第1のダイヤフラムとの間に形成される液封入室を、防振基体側の主液室と第1のダイヤフラムの側の副液室とに仕切り、かつこれら両液室を連通させるオリフィスを有する仕切体を設けてなる液封入式防振装置において、
    前記仕切体は、その外周側面部に第1オリフィスが形成された環状部材の内周部に、第2オリフィスの内周を画するとともにその内方部に第2ダイヤフラムが形成されたゴム状部材を取着してなるオリフィス形成部材と、このオリフィス形成部材の下面側に接設されて前記第2オリフィスの下面側を閉塞する仕切板部材とからなり、
    前記ゴム状部材は、第2オリフィスの内周を画する環状内壁部が前記環状部材の内周端部に加硫接着されるとともに、該環状内壁部の一部より外方に延びて第2オリフィスの通路端を形成する隔壁部が、前記環状部材の第2オリフィス用の溝面に対し凹凸係合手段により非接着で係着されてなることを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記ゴム状部材の隔壁部が係着される環状部材の第2オリフィス用の溝面に溝状の凹部が形成され、隔壁部の一部が加硫成型により前記凹部に填入せしめられて係着されてなる請求項1に記載の液封入式防振装置。
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