JP4959390B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車のエンジンマウント等として好適に採用され得る防振装置に係り、特に内部に封入された流体の流動作用に基づく防振効果を利用した流体封入式防振装置に関する。
従来から、振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、振動伝達系を構成する他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を離隔配置して、それらを本体ゴム弾性体で相互に連結した構造の防振装置が知られている。
また、更なる防振性能の向上を目的として、防振装置の内部に非圧縮性流体を封入し、封入流体の流動作用に基づく防振効果を得られるようにした流体封入式防振装置も提案されている。このような流体封入式防振装置としては、例えば、特許文献1(特開平7−71506号公報)等に示されているように、第一の取付部材が筒状部を備えた第二の取付部材の一方の開口部側に離隔配置されて、それら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で相互に連結されると共に、第二の取付部材の他方の開口部側に可撓性膜が配設されて、第二の取付部材の開口部が本体ゴム弾性体と可撓性膜でそれぞれ流体密に閉塞されることにより、本体ゴム弾性体と可撓性膜の対向間に外部から密閉されて非圧縮性流体が封入された流体室が形成されると共に、流体室に収容配置されて第二の取付部材で支持された仕切部材によって流体室が二分されており、仕切部材を挟んだ一方の側に振動入力時に内圧変動が生ぜしめられる主液室が形成されると共に、仕切部材を挟んだ他方の側に容積変化が許容される副液室が形成されて、更に、それら主液室と副液室を相互に連通するオリフィス通路が形成された構造が、一般的に知られている。
ところで、このような流体封入式防振装置においては、第一の取付部材と第二の取付部材の間に衝撃的な振動荷重が入力されると、異音や振動が発生する場合がある。例えば、上述の如き従来の流体封入式防振装置を自動車のエンジンマウントとして採用すると、波状路上を走行する場合等に車室内で体感できる程の異音や振動が発生する場合があり、静粛性や乗り心地の良さが高度に要求される場合には、このような異音や振動が大きな問題となっていた。
なお、このような異音や振動の発生メカニズムは、未だ充分に明らかとはなっていないが、多数の検討と実験の結果からキャビテーション気泡が原因であると考えられている。即ち、第一の取付部材と第二の取付部材の間に衝撃的な大荷重が入力されると、主液室内の圧力が低下して、主液室内にキャビテーションと解される気泡が発生する。この気泡が崩壊するに際して、爆発的な微小噴流を生み出し、それが水撃圧となって第一,第二の取付部材に伝播し、車両ボデーに伝達されることによって、問題となる異音や振動が発生するものと考えられている。
特開平7−71506号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、衝撃的な振動荷重の入力に際して、主液室内に生じる負圧を低減乃至は回避して、異音や振動の発生を抑えることが出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することを目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明は、振動伝達系を構成する部材間に装着される流体封入式防振装置であって、筒状ハウジングの一方の開口部が弾性ゴム壁で閉塞されると共に、該筒状ハウジングの他方の開口部が可撓性膜で閉塞されて、それら弾性ゴム壁と可撓性膜の対向面間に非圧縮性流体が封入された流体室が形成されており、該流体室内に配設されて該流体室を二分する仕切部材が該筒状ハウジングで支持されて、該仕切部材を挟んだ一方の側に壁部の一部が該弾性ゴム壁で構成された主液室が形成されていると共に、該仕切部材を挟んだ他方の側に壁部の一部が該可撓性膜で構成された副液室が形成されて、それら主液室と副液室がオリフィス通路で相互に連通せしめられた構造の液封ユニットを備えており、該液封ユニットと別体形成された本体ゴム弾性体において、その主たる振動入力方向の一方の端部の中央部分には前記振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第一の取付部材が固着されている一方、該本体ゴム弾性体における主たる振動入力方向の他方の端部側にかかる液封ユニットが配設されて該液封ユニットの該弾性ゴム壁が該本体ゴム弾性体における主たる振動入力方向の他方の端面に重ね合わされており、該液封ユニットの該筒状ハウジングから軸方向に延び出して該本体ゴム弾性体の外周面に対して固定されて取り付けられる外筒金具が設けられていることにより該振動伝達系を構成する他方の部材に取り付けられる第二の取付部材が該筒状ハウジングを含んで構成されていると共に、該液封ユニットの該弾性ゴム壁と該本体ゴム弾性体の該他方の端面との重ね合わせ面間外周部分において大気に連通せしめる大気連通路が該外筒金具を貫通する大気連通孔によって形成されていることを特徴とする。
このような本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、主液室の壁部の一部を構成する弾性ゴム壁が、本体ゴム弾性体とは別体で形成されていると共に、それら弾性ゴム壁と本体ゴム弾性体の間の空間が大気連通路を通じて外部(大気中)に連通せしめられていることにより、弾性ゴム壁と本体ゴム弾性体が離隔可能に重ね合わされている。これにより、第一の取付部材と第二の取付部材の間に衝撃的な振動荷重が入力されて、第一の取付部材と第二の取付部材が離隔する方向で大きく相対変位せしめられる際には、弾性ゴム壁が本体ゴム弾性体から離隔せしめられることにより、弾性ゴム壁が大きく変形せしめられるのを防いで、主液室の容積拡大による主液室内の圧力低下が軽減される。それ故、主液室内の圧力低下に起因して発生すると考えられている異音や振動を効果的に低減乃至は回避することが出来る。
しかも、第一の取付部材と第二の取付部材が接近する方向で相対変位せしめられる際には、主液室の壁部の一部を構成する弾性ゴム壁が、本体ゴム弾性体に対して重ね合わされていることにより、本体ゴム弾性体の弾性変形が弾性ゴム壁に伝達されて、弾性ゴム壁が弾性変形せしめられる。それ故、主液室に有効な圧力変動が及ぼされて、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果等が有効に発揮される。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、前記第二の取付部材に対して、前記液封ユニットにおける前記弾性ゴム壁よりも外方に向かって更に筒状に延び出した固定筒部が固設されており、この固定筒部によって前記外筒金具が構成されていると共に、該固定筒部において該第二の取付部材が前記本体ゴム弾性体に対して外挿されて非接着でかしめ固定されている構造も好適に採用される。
このように第二の取付部材を本体ゴム弾性体に対して非接着で固定することにより、本体ゴム弾性体の亀裂発生が問題となり易い第二の取付部材との固着部分において、亀裂の発生を効果的に回避することが出来る。それ故、本体ゴム弾性体の耐久性向上を有利に実現することが出来る。
一方、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、前記第二の取付部材が、前記本体ゴム弾性体の主たる振動入力方向の他方の端部の外周面に接着された筒状の本体ゴムアウタ部材を含んで構成されており、この本体ゴムアウタ部材によって前記外筒金具が構成されていると共に、該本体ゴムアウタ部材に対して前記筒状ハウジングが固定されることにより前記液封ユニットが該本体ゴム弾性体に取り付けられていても良い。
このように第二の取付部材が本体ゴム弾性体に対して接着されることにより、第二の取付部材と本体ゴム弾性体の固着強度が有利に確保されて、第二の取付部材、延いては液封ユニットの本体ゴム弾性体への安定した固定が有利に実現される。
さらに、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置において、上述の如く本体ゴム弾性体に対して第二の取付部材が接着された構造を採用する場合には、前記本体ゴムアウタ部材が前記本体ゴム弾性体に加硫接着されていても良い。
これによれば、本体ゴムアウタ部材を本体ゴム弾性体に対して後接着する場合に比べて、接着工程を省略することが出来て、容易に製造することが可能となる。しかも、加硫接着することにより、本体ゴムアウタ部材と本体ゴム弾性体の間で固着強度をより有利に得ることが出来る。
また、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置において、本体ゴムアウタ部材が本体ゴム弾性体に対して接着された構造では、前記筒状ハウジングが前記本体ゴムアウタ部材に圧入固定されることにより、前記液封ユニットが前記本体ゴム弾性体に取り付けられるようになっていても良い。
このように筒状ハウジングを本体ゴムアウタ部材に圧入固定して液封ユニットを本体ゴム弾性体に組み付ける構造を採用することにより、液封ユニットを本体ゴム弾性体側に対して容易に固定することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明に係る流体封入式防振装置の第一の実施形態として、自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第一の取付部材としての第一の取付金具12と、振動伝達系を構成する他方の部材に取り付けられる第二の取付部材としての第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16で相互に連結された構造を有している。なお、以下の説明において、上下方向とは、特に説明がない限り、本実施形態における主たる振動の入力方向である図1中の上下方向を言うものとする。また、図1には、本実施形態に係るエンジンマウント10の車両への非装着状態が示されている。
より詳細には、第一の取付金具12は、図2に示されているように、鉄やアルミニウム合金等の剛性材で形成されて、全体として小径の略円柱形状を有している。また、第一の取付金具12の上端縁部には、外周側に延び出すフランジ部18が一体形成されている。更に、第一の取付金具12の径方向中央部分には、軸方向で所定の長さで延びるボルト穴20が形成されており、ボルト穴20の内周面に雌ねじが刻設されている。
一方、第二の取付金具14は、本体ゴムアウタ部材としての外筒金具22を含んで構成されている。外筒金具22は、第一の取付金具12と同様の高剛性材で形成されており、軸方向に延びる大径の略円筒形状を有している。また、本実施形態では、外筒金具22の軸方向略中央に段差部24が形成されており、段差部24を挟んで軸方向上側が大径筒部26とされていると共に、軸方向下側が大径筒部26に比して小径の小径筒部28とされている。
そして、これら第一の取付金具12と外筒金具22は、略同一中心軸状に配設されると共に、第一の取付金具12が外筒金具22の軸方向上方の開口部側に離隔して配置されて、それら第一の取付金具12と外筒金具22が本体ゴム弾性体16によって相互に連結されている。
本体ゴム弾性体16は、図2にも示されているように、略円錐台形状を呈するゴム弾性体であって、径方向中央部分には、下方に向かって開口する大径の中央凹所30が形成されている。また、中央凹所30の外周側には、軸直角方向に広がる円環状の段差面32が形成されている。
そして、本体ゴム弾性体16の小径側端部である上端部の中央部分には、第一の取付金具12がフランジ部18を除く略全体に亘って埋設されて加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部である下端部の外周面には、外筒金具22の大径筒部26の内周面が重ね合わされて加硫接着されている。これにより、第一の取付金具12と外筒金具22は、本体ゴム弾性体16で相互に連結されている。なお、以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、本体ゴム弾性体16が第一の取付金具12と外筒金具22を備えた一体加硫成形品34として形成されている。
また、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34には、一体加硫成形品34とは別体として形成された液封ユニットとしての液封カセット36が組み付けられている。
より詳細には、液封カセット36は、図3に示されているように、筒状ハウジングとしてのハウジング金具38を備えている。ハウジング金具38は、薄肉大径の略円筒形状を有しており、軸方向に略直線的に延びている。また、ハウジング金具38の上端部分には、径方向内方に向かって屈曲せしめられた当接部40が一体形成されており、内周側に向かって所定の長さだけ延び出している。更に、ハウジング金具38の下端部には、下方行くに従って次第に内周側に傾斜するかしめ部42が形成されている。
また、ハウジング金具38の内周面には、シールゴム層44が被着形成されている。シールゴム層44は薄肉のゴム弾性体で形成されて、ハウジング金具38の内周面を全面に亘って覆うように被着形成されている。なお、本実施形態では、当接部40の下端面および内周面もシールゴム層44で覆われている。
また、ハウジング金具38の上端部分には、弾性ゴム壁46が組み付けられている。弾性ゴム壁46は、薄肉のゴム膜であって、上方に向かって凸となる略ドーム形状を有している。また、弾性ゴム壁46は、本体ゴム弾性体16の中央凹所30の内面形状に応じた上面形状を有している。特に本実施形態では、弾性ゴム壁46が略一定の厚さで形成されている。また、弾性ゴム壁46の外周縁部には、軸方向で延びる円筒状の固着部48が一体形成されている。更に、弾性ゴム壁46の外周面には嵌着金具50が固着されている。嵌着金具50は、高剛性の部材であって、大径の略円筒形状を有している。そして、弾性ゴム壁46の外周縁部に一体形成された固着部48が、嵌着金具50の内周面に対して加硫接着されることにより、嵌着金具50が弾性ゴム壁46の外周縁部に固着されている。このように、本実施形態では、弾性ゴム壁46が嵌着金具50を備えた一体加硫成形品として形成されている。
なお、弾性ゴム壁46は、本体ゴム弾性体16とは別体とされており、本実施形態では、それら本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46に要求される性能(例えば、耐久性能や封入流体による侵食に対する耐性等)に応じて、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46のゴム材料の組成が異ならされている。
また、ハウジング金具38の下端部分には、可撓性膜としてのダイヤフラム52が組み付けられている。ダイヤフラム52は、充分な弛みを有する薄肉の略円板形状とされたゴム膜で形成されており、中央部分が略ドーム状とされていると共に、外周部分が波紋状の弛みを有している。また、ダイヤフラム52の外周縁部には、固定金具54が固着されている。固定金具54は、高剛性の部材であって、大径の略円環形状を有している。そして、本実施形態では、固定金具54の内周面にダイヤフラム52の外周面が加硫接着されることにより、ダイヤフラム52が固定金具54を備えた一体加硫成形品して形成されている。
このような弾性ゴム壁46とダイヤフラム52は、ハウジング金具38に内挿されて、ハウジング金具38の上端部分に弾性ゴム壁46が配置されると共に、ハウジング金具38の下端部分にダイヤフラム52が配置される。そして、ハウジング金具38に対して八方絞り等の縮径加工が施されることにより、弾性ゴム壁46に加硫接着された嵌着金具50とダイヤフラム52に加硫接着された固定金具54がハウジング金具38に対して内嵌固定されるようになっている。
また、弾性ゴム壁46の嵌着金具50とダイヤフラム52の固定金具54が、シールゴム層44を介してハウジング金具38に対して流体密に重ね合わされることにより、ハウジング金具38の上側開口部が弾性ゴム壁46で流体密に閉塞されると共に、ハウジング金具38の下側開口部がダイヤフラム52で流体密に閉塞される。そして、ハウジング金具38の内周側において弾性ゴム壁46とダイヤフラム52の軸方向対向面間には、外部から密閉された流体室としての流体封入領域56が形成されている。また、流体封入領域56には、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油、或いはそれらの混合液等の非圧縮性流体が封入流体として封入されている。なお、封入流体は、特に限定されるものではないが、後述するオリフィス通路80を流動せしめられる流体の共振作用等に基づく防振効果を有利に得るために、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。また、このような流体の封入は、弾性ゴム壁46とダイヤフラム52、更には後述する仕切部材58のハウジング金具38への組付けを非圧縮性流体中で行うことにより、有利に実現することが出来る。
また、流体封入領域56には、仕切部材58が収容配置されて、ハウジング金具38で支持されている。仕切部材58は、全体として厚肉の略円板形状を有しており、本実施形態では、仕切部材本体60に対して保持金具62と可動ゴム膜64が組み付けられた構造とされている。
仕切部材本体60は、厚肉の略円板形状を有する部材であって、本実施形態では、例えば、繊維補強された硬質の合成樹脂材等で形成されている。また、仕切部材本体60の径方向中央部分には、大径凹所66が形成されている。大径凹所66は、浅底円形の凹所であって、下方に向かって開口せしめられている。更に、大径凹所66の底壁中央部には、透孔68が形成されている。透孔68は、大径凹所66よりも小径の円形孔であって、仕切部材本体60を軸方向で貫通するように形成されている。また、仕切部材本体60の外周縁部には、周溝70が形成されている。周溝70は、周方向に所定の長さで延びる凹溝であって、仕切部材本体60の外周面に開口するように形成されている。
また、仕切部材本体60には、保持金具62が組み付けられている。保持金具62は、薄肉の略円環板形状を有しており、中央部分が外周部分よりも上方に位置する段付き形状とされている。そして、保持金具62は、仕切部材本体60の下端面に重ね合わされると共に、仕切部材本体60の下端面から突出せしめられた複数の係止爪72が保持金具62に貫通形成された図示しない係止孔に対して挿し入れられて係止されることにより、仕切部材本体60に対して固定されている。
また、仕切部材本体60と保持金具62の対向面間には、可動ゴム膜64が配設されている。可動ゴム膜64は、仕切部材本体60に形成された透孔68よりも大径の略円板形状を有するゴム弾性体で形成されている。また、可動ゴム膜64の外周縁部には、支持部74が一体形成されており、全周に亘って略一定の円形断面で延びて中央部分よりも厚肉となっている。このような可動ゴム膜64は、その外周縁部が、仕切部材本体60の大径凹所66の底壁部と、保持金具62の中央部分の軸方向対向面間に挟み込まれて支持されることにより、仕切部材本体60と保持金具62に対して固定的に組み付けられている。また、可動ゴム膜64の中央部分は、組付け状態下において、仕切部材本体60の透孔68と、保持金具62の中央孔を塞ぐように配置されており、可動ゴム膜64の中央部分が弾性変形による軸方向での変位を許容された状態で組み付けられている。
そして、上述の如き構造とされた仕切部材58は、ハウジング金具38に組み付けられている。即ち、仕切部材58は、ハウジング金具38の内周側において弾性ゴム壁46とダイヤフラム52の軸方向間に形成される流体封入領域56に収容配置されている。更に、仕切部材58の上端面が弾性ゴム壁46に加硫接着された嵌着金具50の下端面に重ね合わされると共に、下端面がダイヤフラム52に加硫接着された固定金具54の上端面に重ね合わされて、それら金具50,54によって上下両側から挟み込まれて位置決めされる。そして、ハウジング金具38に対して八方絞り等の縮径加工が施されることにより、仕切部材58の外周面がシールゴム層44を介してハウジング金具38の内周面に圧接されて、仕切部材58がハウジング金具38に対して内嵌固定される。
なお、本実施形態では、嵌着金具50と仕切部材58と固定金具54は、ハウジング金具38に対して同時に組み付けられる。また、嵌着金具50の上端面が、ハウジング金具38の上端縁部に設けられた当接部40に対して軸方向下方から当接せしめられていると共に、固定金具54の下端縁部が、かしめ部42に対して軸方向で重ね合わされており、嵌着金具50と仕切部材58と固定金具54が、当接部40とかしめ部42の間で位置決めされるようになっている。
このような仕切部材58のハウジング金具38への組付け状態下において、仕切部材58の外周面がシールゴム層44を介してハウジング金具38の内周面に密着せしめられることにより、流体封入領域56が仕切部材58を挟んで軸方向上下に二分されている。これにより、仕切部材58を挟んだ一方の側(図1中、上側)には、壁部の一部が弾性ゴム壁46で構成されて、振動入力時に内圧変動が及ぼされる主液室としての受圧室76が形成されていると共に、仕切部材58を挟んだ他方の側(図1中、下側)には、壁部の一部がダイヤフラム52で構成されて、容積変化が容易に許容される副液室としての平衡室78が形成されている。
また、シールゴム層44を介して仕切部材58の外周面がハウジング金具38の内周面に対して密着されることにより、仕切部材58の外周面に開口する周溝70の開口部がハウジング金具38によって流体密に覆蓋される。これによって、周方向に所定の長さで延びるトンネル状の流路が形成されている。更に、このトンネル状の流路は、周方向一方の端部が仕切部材本体60に形成された図示しない連通孔を通じて受圧室76に連通せしめられていると共に、周方向他方の端部が仕切部材本体60及び保持金具62に形成された図示しない連通孔を通じて平衡室78に連通せしめられている。これにより、周溝70を利用して、受圧室76と平衡室78を相互に連通するオリフィス通路80が形成されている。なお、本実施形態では、オリフィス通路80の受圧室76側の開口部が、仕切部材本体60から上方に向かって突設された連通突出部82に開口するように設けられており、オリフィス通路80の受圧室76側の開口部が内周側に向かって開口せしめられている。
なお、本実施形態におけるオリフィス通路80は、内部を流動せしめられる流体の共振周波数が10Hz程度の低周波数域となるようにチューニングされており、自動車のエンジンシェイク等に相当する低周波数振動に対して、オリフィス通路80を通じて流動する流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮されるようになっている。このようなオリフィス通路80のチューニングは、オリフィス通路80の通路長と通路断面積の比を適当に調節することにより、設定することが出来る。
以上の如き構造とされた液封カセット36は、図1に示されているように、第一の取付金具12と外筒金具22を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34に対して組み付けられる。即ち、液封カセット36を構成するハウジング金具38の上端部分が、外筒金具22の小径筒部28に対して圧入されることにより、ハウジング金具38が外筒金具22に固定されて、液封カセット36が本体ゴム弾性体16の下方に配置された状態で一体加硫成形品34に組み付けられている。なお、本実施形態では、外筒金具22とハウジング金具38が相互に連結固定されることにより、それら外筒金具22とハウジング金具38によって第二の取付金具14が構成されている。また、本実施形態では、ハウジング金具38における当接部40の上端面が、本体ゴム弾性体16の段差面32に対して下方から圧接されている。
また、液封カセット36が本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34に組み付けられた静置状態下においては、弾性ゴム壁46が本体ゴム弾性体16に形成された中央凹所30の壁面に対して重ね合わされる。特に本実施形態では、弾性ゴム壁46の上面の形状を中央凹所30の壁面形状に沿った形状としていることから、図1に示されているように、弾性ゴム壁46が全体に亘って本体ゴム弾性体16に重ね合わされている。
ここにおいて、外筒金具22の小径筒部28には、大気連通孔84が形成されている。この大気連通孔84は、外筒金具22の周上の複数箇所に設けられており、外筒金具22の小径筒部28を径方向で貫通するように形成されている。また、本実施形態では、外筒金具22とハウジング金具38の組付け状態下において、大気連通孔84は、その下端部がハウジング金具38の周壁部で閉塞せしめられていると共に、その上端部がハウジング金具38の上端部に形成された当接部40の外周側に位置するように形成されており、大気連通孔84の上端部がハウジング金具38と本体ゴム弾性体16の重ね合せ面間に連通せしめられている。
このような本実施形態に従う構造とされた自動車用エンジンマウント10は、第一の取付金具12がボルト穴20に螺着される図示しない固定ボルトによって振動伝達系を構成する一方の部材としての図示しないパワーユニットに取り付けられると共に、第二の取付金具14が振動伝達系を構成する他方の部材としての図示しないブラケットを介して図示しない車両ボデーに取り付けられることにより、それらパワーユニットと車両ボデーの間に介装されて、パワーユニットが車両ボデーに対して防振支持されるようになっている。
そして、エンジンマウント10の装着状態において、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に主たる振動入力方向である上下方向に振動が入力されると、流体の流動作用等に基づいて目的とする防振効果が発揮されるようになっている。
すなわち、自動車の走行時等において、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動が第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に入力されると、本体ゴム弾性体16の弾性変形に伴って本体ゴム弾性体16と重ね合わされた弾性ゴム壁46が弾性変形せしめられる。そして、弾性ゴム壁46の弾性変形により、受圧室76内には圧力変動が及ぼされる。これにより、エンジンシェイク等に相当する低周波数域にチューニングされたオリフィス通路80を通じて、受圧室76と平衡室78の間で流体流動が生ぜしめられて、流体の共振作用等の流動作用に基づいた高減衰効果等の防振効果が有効に発揮される。なお、低周波数域の振動入力に際しては、入力振動の振幅が大きいことから、可動ゴム膜64の微小な弾性変形による液圧吸収効果が有効に発揮されない。それ故、受圧室76に充分な内圧変動が及ぼされて、オリフィス通路80を通じての流体の流動を有利に生ぜしめることが出来る。
特に本実施形態では、ハウジング金具38の上端面が本体ゴム弾性体16の下端面の外周縁部に形成された段差面32に対して軸方向で圧接せしめられている。これにより、防振すべき通常の振動入力に際して、ハウジング金具38と本体ゴム弾性体16が当接状態に維持されるようになっており、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46の重ね合せ面間が外部(大気中)に対して密閉されている。それ故、本体ゴム弾性体16の弾性変形による変位が、弾性ゴム壁46に対して有効に伝達されて、受圧室76内に圧力変動が及ぼされる。蓋し、本体ゴム弾性体16が弾性ゴム壁46から離隔する方向(本実施形態においては、図1中の上方)に変位した場合には、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46の重ね合せ面間の圧力が低下して、弾性ゴム壁46が本体ゴム弾性体16側に吸引されることによって、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46が一体的に弾性変形せしめられるからである。従って、防振対象振動の入力時には、オリフィス通路80を通じて流動する流体の流動作用や、可動ゴム膜64による液圧吸収作用等に基づいた防振効果が有効に発揮せしめられるようになっている。
また、本実施形態では、弾性ゴム壁46がある程度の厚みを有しており、例えば、後述するダイヤフラム52よりも厚肉とされている。それ故、振動の非入力状態下においては、弾性ゴム壁46自体の復元力によって弾性ゴム壁46が元の形状に戻って、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46が当接状態に維持されるようになっている。
一方、自動車の停車時等において、アイドリング時振動などの中乃至高周波小振幅振動が第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に入力されると、受圧室76内に及ぼされる圧力変動によって可動ゴム膜64が微小変形せしめられる。そして、可動ゴム膜64の微小変形によって受圧室76内の液圧が平衡室78側に伝達される。このような可動ゴム膜64の微小な弾性変形による液圧吸収作用に基づいた低動ばね効果等の防振効果が有効に発揮される。
さらに、自動車の走行時における段差の乗越え等により、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に衝撃的な振動荷重が入力されて、第一の取付金具12が第二の取付金具14に対して軸方向上方に向かって大きく相対変位せしめられて、それら第一,第二の取付金具12,14が軸方向で相対的に大きく離隔変位せしめられると、図4に示されているように、本体ゴム弾性体16が第二の取付金具14に対して相対的に上方へ持ち上げられるように弾性変形せしめられて、本体ゴム弾性体16の下端面が上方に変位せしめられる。
ここにおいて、本体ゴム弾性体16と液封カセット36は、別体として形成されて、相互に非接着で重ね合わされている。それ故、本体ゴム弾性体16が上方に変位せしめられると、本体ゴム弾性体16の外周縁部に形成された段差面32が液封カセット36のハウジング金具38から離隔せしめられて、それら本体ゴム弾性体16とハウジング金具38の間に隙間86が形成されるようになっている。
さらに、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46の重ね合せ面間が、大気連通孔84と隙間86で構成された大気連通路87を通じて大気中に連通されている。これにより、本体ゴム弾性体16が上方に変位せしめられて弾性ゴム壁46から離隔する際に、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46の重ね合せ面間の圧力が低下して弾性ゴム壁46が本体ゴム弾性体16側に吸引変位せしめられるのが防がれるようになっている。それ故、衝撃的な振動荷重の入力によって本体ゴム弾性体16が上方へ大きく変位せしめられた場合にも、壁部の一部が変形せしめられることによる受圧室76の容積拡大が有利に防がれて、受圧室76内の圧力低下が制限される。従って、受圧室76内の圧力低下に伴うキャビテーション現象による気泡の発生を低減乃至は回避することが出来て、該気泡の崩壊に際して生じると考えられている異音や振動を有利に防ぐことが出来る。
なお、本実施形態においては、大気連通路87が本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46の対向面間の外周縁部に連通されており、大気連通路87を通じて本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46の対向面間が大気中に連通されるようになっている。また、本実施形態では、本体ゴム弾性体16とハウジング金具38が軸方向で圧接されていると共に、本体ゴム弾性体16とハウジング金具38の当接力が適当に調節されており、キャビテーションが問題となる程度の衝撃的な振動荷重の入力時には、それら本体ゴム弾性体16とハウジング金具38の当接状態が解除されるようになっている。
また、本実施形態では、外筒金具22を本体ゴム弾性体16の外周面に加硫接着すると共に、本体ゴム弾性体16に固着された外筒金具22に対してハウジング金具38を圧入固定することにより、液封カセット36が本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34に組み付けられるようになっている。このように本体ゴム弾性体16に対して予め外筒金具22を加硫接着しておくことにより、液封カセット36の本体ゴム弾性体16側への取付けを容易に実現することが出来る。
さらに、本実施形態では、外筒金具22を貫通する大気連通孔84が、本体ゴム弾性体16とハウジング金具38の当接面間に連通するように設けられている。これにより、ハウジング金具38の外筒金具22への圧入に際して、ハウジング金具38と本体ゴム弾性体16の間に存在する空気が、大気連通孔84を通じて外部に排出される。それ故、空気の弾性に基づくばね作用を防いで、液封カセット36を本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34に対して所定の位置に組み付けることが出来る。従って、上述の如き防振対象振動の入力時における防振効果と、衝撃的な振動入力時におけるキャビテーション異音の抑制効果を、何れも有効に発揮せしめることが出来る。
また、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46が別部材として形成されており、本実施形態では、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46が異なる組成のゴム弾性体で形成されている。それ故、本体ゴム弾性体16に要求される耐荷重性能や減衰性能等の特性と、弾性ゴム壁46に要求される封入流体に対する耐侵食性能やシール性能等の特性を、両立してそれぞれ高度に実現することが出来る。
また、本実施形態においては、液封カセット36が本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34とは別体とされており、ハウジング金具38に縮径加工が施されることにより、ハウジング金具38に対して弾性ゴム壁46や仕切部材58やダイヤフラム52が固定されるようになっている。一方、ハウジング金具38とは別部材とされた外筒金具22が本体ゴム弾性体16に対して加硫接着されており、外筒金具22に対して縮径加工が施されることにより、本体ゴム弾性体16に対して予圧縮が及ぼされるようになっている。それ故、外筒金具22の縮径量とハウジング金具38の縮径量を異ならせることが出来て、ハウジング金具38を必要以上に変形させることなく、本体ゴム弾性体16に充分な予圧縮を及ぼして、本体ゴム弾性体16に要求される耐荷重性能を高度に実現することが出来る。
次に、図5には、本発明に係る流体封入式防振装置の第二の実施形態として、自動車用エンジンマウント88が示されている。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と実質的に同一の構造とされた部材乃至は部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
すなわち、本実施形態に従う構造とされた自動車用エンジンマウント88においては、図6に示されているように、本体ゴム弾性体16が第一の取付金具12のみを備えた一体加硫成形品90として形成されている。
また、液封カセット36には、本体ゴムアウタ部材としての外筒金具92が外嵌固定されている。外筒金具92は、軸方向で直線的に延びる略円筒形状を有していると共に、軸方向中間部分に段差部24を有しており、段差部24を挟んで軸方向上側が固定筒部としての大径筒部93とされていると共に、軸方向下側が大径筒部93よりも小径の小径筒部28とされている。更に、本実施形態において、外筒金具92の大径筒部93には、その上端縁部にかしめ片94が形成されている。かしめ片94は、大径筒部93の上端縁部が径方向内方に向かって屈曲されることにより、大径筒部93と一体形成されている。
そして、外筒金具92の小径筒部28に対してハウジング金具38の上端部が圧入されることにより、ハウジング金具38と外筒金具92が相互に連結固定されている。更に、外筒金具92の上端部分である大径筒部93は、ハウジング金具38の上端縁部よりも上方に突出せしめられている。なお、本実施形態では、外筒金具92の大径筒部93が、弾性ゴム壁46の上端縁部よりも上方にまで延び出している。
そして、図5に示されているように、ハウジング金具38よりも上方に延び出した外筒金具92の大径筒部93が、本体ゴム弾性体16の大径側端部に対して外挿されて外周面に重ね合わされると共に、本体ゴム弾性体16の外周縁部が、外筒金具92における段差部24とかしめ片94の軸方向間で挟み込まれることにより、外筒金具92が本体ゴム弾性体16に対してかしめ固定されている。なお、本実施形態において、本体ゴム弾性体16の大径側端部の外周縁部には、外周側に向かって突出して上端面及び下端面に軸直角方向に広がる平面を含む保持部96が設けられており、保持部96が段差部24とかしめ片94の対向面間で挟圧されて支持されることにより、本体ゴム弾性体16に対して外筒金具92が固定されるようになっている。
これにより、外筒金具92の大径筒部93が本体ゴム弾性体16の大径側端部の外周面に対して非接着で固定されており、外筒金具92に固定されるハウジング金具38を有する液封カセット36が本体ゴム弾性体16に対して組み付けられている。なお、本体ゴム弾性体16に対して外筒金具92が固着されることにより、外筒金具92とハウジング金具38によって本実施形態における第二の取付部材が構成されている。
なお、本実施形態に係るエンジンマウント88の車両への装着方法等については、前記第一の実施形態におけるエンジンマウント10と同様であることから、説明を省略する。
このような本実施形態に従う構造とされた自動車用エンジンマウント88においても、オリフィス通路80を通じての流体流動による防振効果や、可動ゴム膜64の液圧吸収による防振効果等が有効に発揮される。更に、衝撃的な振動荷重の入力に際して発揮される受圧室76内の圧力低下を防止する効果も、有効に発揮される。
また、本実施形態に係るエンジンマウント88においては、外筒金具92が本体ゴム弾性体16に対してかしめ固定されて、非接着で組み付けられるようになっている。それ故、本体ゴム弾性体16と外筒金具92の接着部位において、本体ゴム弾性体16に亀裂が生じる等の問題を回避して、本体ゴム弾性体16の耐久性向上を有利に図ることが出来る。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記第一,第二の実施形態においては、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34(90)と液封カセット36を別体形成して、それらを組み合わせることにより、エンジンマウント10(88)が構成されるようになっている。それ故、例えば、本実施形態と同一構造の一体加硫成形品34(90)に対して前記第一,第二の実施形態とは異なる構造(例えば、低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路と、中乃至高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路を備えた構造等)の液封カセットを組み付けることにより、本実施形態とは異なる防振特性を備えたエンジンマウントを容易に実現することも出来る。
また、前記第一,第二の実施形態では、振動の非入力状態下において、本体ゴム弾性体16の下端面とハウジング金具38の上端面が当接せしめられており、衝撃的な振動入力に際して、それら本体ゴム弾性体16とハウジング金具38が相互に離隔することにより形成される隙間を利用して、大気連通路87が形成されるようになっている。しかしながら、振動の非入力状態下において、本体ゴム弾性体16とハウジング金具38は、必ずしも当接せしめられていなくても良く、例えば、ハウジング金具38の上端面が本体ゴム弾性体16の下端面(段差面32)に対して軸方向下方に離隔位置せしめられて、それらハウジング金具38と本体ゴム弾性体16の間に積極的に隙間が形成されるようにしても良い。また、例えば、ハウジング金具38の上端縁部において周上の少なくとも一部に切欠きが形成されて、ハウジング金具38と本体ゴム弾性体16の重ね合せ部分に該切欠きを利用して積極的に隙間が形成されるようにしても良い。
また、前記第一,第二の実施形態においては、弾性ゴム壁46の上面形状が本体ゴム弾性体16の下面に開口する中央凹所30の内壁面と略同一形状とされており、振動の非入力状態下において、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46が略全体に亘って相互に重ね合わされている。これら本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46は、振動の伝達を確実に実現する等の観点から、出来るだけ広い範囲で当接せしめられていることが望ましいが、例えば、前記第一,第二の実施形態に示された弾性ゴム壁46において、径方向中央部の円板状部分だけが本体ゴム弾性体16に対して当接せしめられており、径方向中間部分のテーパ部分が本体ゴム弾性体16から離隔せしめられている等、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46が部分的に当接せしめられて、本体ゴム弾性体16の変位が弾性ゴム壁46に伝達されるようになっていても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図。 図1に示されたエンジンマウントを構成する本体ゴム弾性体の一体加硫成形品。 図1に示されたエンジンマウントを構成する液封カセット。 図1に示されたエンジンマウントの装着状態下において、衝撃的な振動荷重が入力された状態を示す縦断面図。 本発明の第二の実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図。 図5に示されたエンジンマウントを構成する本体ゴム弾性体の一体加硫成形品。
符号の説明
10:自動車用エンジンマウント,12:第一の取付金具,14:第二の取付金具,16:本体ゴム弾性体,22:外筒金具,34:一体加硫成形品,36:液封カセット,38:ハウジング金具,46:弾性ゴム壁,52:ダイヤフラム,56:流体封入領域,58:仕切部材,76:受圧室,78:平衡室,80:オリフィス通路,84:大気連通孔,86:隙間,88:大気連通路

Claims (5)

  1. 振動伝達系を構成する部材間に装着される流体封入式防振装置であって、
    筒状ハウジングの一方の開口部が弾性ゴム壁で閉塞されると共に、該筒状ハウジングの他方の開口部が可撓性膜で閉塞されて、それら弾性ゴム壁と可撓性膜の対向面間に非圧縮性流体が封入された流体室が形成されており、該流体室内に配設されて該流体室を二分する仕切部材が該筒状ハウジングで支持されて、該仕切部材を挟んだ一方の側に壁部の一部が該弾性ゴム壁で構成された主液室が形成されていると共に、該仕切部材を挟んだ他方の側に壁部の一部が該可撓性膜で構成された副液室が形成されて、それら主液室と副液室がオリフィス通路で相互に連通せしめられた構造の液封ユニットを備えており、
    該液封ユニットと別体形成された本体ゴム弾性体において、その主たる振動入力方向の一方の端部の中央部分には前記振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第一の取付部材が固着されている一方、該本体ゴム弾性体における主たる振動入力方向の他方の端部側にかかる液封ユニットが配設されて該液封ユニットの該弾性ゴム壁が該本体ゴム弾性体における主たる振動入力方向の他方の端面に重ね合わされており、該液封ユニットの該筒状ハウジングから軸方向に延び出して該本体ゴム弾性体の外周面に対して固定されて取り付けられる外筒金具が設けられていることにより該振動伝達系を構成する他方の部材に取り付けられる第二の取付部材が該筒状ハウジングを含んで構成されていると共に、該液封ユニットの該弾性ゴム壁と該本体ゴム弾性体の該他方の端面との重ね合わせ面間外周部分において大気に連通せしめる大気連通路が該外筒金具を貫通する大気連通孔によって形成されていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記第二の取付部材には、前記液封ユニットにおける前記弾性ゴム壁よりも外方に向かって更に筒状に延び出した固定筒部が固設されており、この固定筒部によって前記外筒金具が構成されていると共に、該固定筒部において該第二の取付部材が前記本体ゴム弾性体に対して外挿されて非接着でかしめ固定されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記第二の取付部材が、前記本体ゴム弾性体の主たる振動入力方向の他方の端部の外周面に接着された筒状の本体ゴムアウタ部材を含んで構成されており、この本体ゴムアウタ部材によって前記外筒金具が構成されていると共に、該本体ゴムアウタ部材に対して前記筒状ハウジングが固定されることにより前記液封ユニットが該本体ゴム弾性体に取り付けられている請求項に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記本体ゴムアウタ部材が前記本体ゴム弾性体に加硫接着されている請求項3に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記筒状ハウジングが前記本体ゴムアウタ部材に圧入固定されることにより、前記液封ユニットが前記本体ゴム弾性体に取り付けられている請求項3又は4に記載の流体封入式防振装置。
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