JPH11172394A - 溶融めっき液ポット内のドロス回収装置 - Google Patents

溶融めっき液ポット内のドロス回収装置

Info

Publication number
JPH11172394A
JPH11172394A JP36360597A JP36360597A JPH11172394A JP H11172394 A JPH11172394 A JP H11172394A JP 36360597 A JP36360597 A JP 36360597A JP 36360597 A JP36360597 A JP 36360597A JP H11172394 A JPH11172394 A JP H11172394A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dross
hot
plating solution
gas
dip plating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP36360597A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Ishimatsu
宏之 石松
Seiji Sugiyama
誠司 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP36360597A priority Critical patent/JPH11172394A/ja
Publication of JPH11172394A publication Critical patent/JPH11172394A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融めっき液中に含まれる大小のドロスを効
率的に除去すると共に、ポンプ等にかかるメンテナンス
費用を軽減して、溶融めっき処理中においても溶融めっ
き液の清浄化が可能なドロス回収装置を提供する。 【解決手段】 流入する溶融めっき液11を濾過して含
まれるドロスの一部を捕集するフィルタ21を内部に備
え、しかもその底部には、フィルタ21を通過した溶融
めっき液11に非酸化性ガスを供給するガス吐出部24
を有するドロス濾過部20と、ドロス濾過部20の上方
に設けられ、非酸化性ガスによって搬送される溶融めっ
き液11を液面11a近傍まで導くガイド管22、及び
ガイド管22の吐出口22bを囲繞して配置された浮上
ドロスの回収堰26を備え、溶融めっき液11に含まれ
るドロス中の浮上分を分離すると共に、溶融めっき液1
1に含まれるドロスの沈降分を沈降除去するドロス分離
部23とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼等の金属帯板を
亜鉛、錫等の溶融めっき液に浸漬させて、金属帯板の表
面にめっき層を形成させる際に、溶融めっき液に生成す
る金属酸化物、合金成分等からなるドロスを回収するた
めの溶融めっき液ポット内のドロス回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼、普通鋼、銅等の金属帯板
に溶融めっきを施す場合においては、溶融めっき液ポッ
ト内の溶融めっき液中を金属帯板が通過する際に、溶融
めっき液(メタル)中に溶かした金属の滓(ドロス:d
ross)が生成する。一般の溶融金属めっきにおいて
は、ドロスのめっき表面への付着は、金属帯板のめっき
表面の品質を著しく悪化させる要因となる。このような
ドロスは溶融めっき液の浴面上に浮遊する比重の小さい
ものと、めっき浴中に浮遊懸濁する比重の比較的大きな
ものとに大別することができる。何れにおいても、めっ
き鋼板の表面品位を悪化させることから、これまでに溶
融めっき浴中のドロスを除去するための装置及び方法が
種々提案されている。それらの代表的なものについて以
下に概略を説明する。
【0003】特開平4−160141号公報には、セ
ラミックフィルタ製の容器に、該セラミックフィルタよ
りも目の粗い金網が内装され、その自重により内底面が
亜鉛浴面レベル下に位置するように亜鉛浴面に浮設され
るドロス濾過容器と、亜鉛浴から溶融亜鉛と共にドロス
を吸い上げ、これを前記ドロス濾過容器内に供給するド
ロス汲み上げ手段とからなるドロス回収装置が提案され
ている。 特開平4−160140号公報には、内部にドロス濾
過用のフィルタを有するドロス回収ケースと、端部吐出
口から前記フィルタの上部にドロスを吐出できるよう前
記ドロス回収ケースに接続されたドロス吸上管と、該ド
ロス吸上管内部に挿入された気泡ポンプ形成用のガス供
給管と、前記ドロス回収ケース内においてドロス吸上管
の端部吐出口の上方に配設されるスプラッシュ遮蔽板と
からなり、前記ドロス回収ケースの前記フィルタよりも
下方の位置に亜鉛排出口を設けると共に、ドロス回収ケ
ースの上部に気体抜き孔を設けてなるドロス回収装置が
記載されている。 特開平9−13154号公報には、網篭を枠内に着脱
可能に嵌入した枠体とポンプとをポット内の亜鉛浴中に
浸漬し、ポンプを用いてポット底部に堆積したドロスを
吸い上げて網篭内に移し入れ、網篭がドロスで満たされ
た後枠体を亜鉛浴面上に引き上げてその場で保持して網
篭内のドロスに含まれる亜鉛液を直下の亜鉛浴に滴下さ
せる溶融亜鉛めっきにおけるポット内のボトムドロス回
収方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
〜に示される装置及び方法では、以下に示すような問
題があった。 の装置ではセラミックフィルタを用いるために、セラ
ミックフィルタだけではセラミックフィルタ内に形成さ
れる空隙より細かいドロスを除去することが困難であ
る。また、ポンプを機械的に作動させるため、この可動
部分では溶融亜鉛による溶損が大きく、このためのメン
テナンス費用等が高くなる。 の装置ではガスリフトポンプを使用しているため、機
械的に駆動するポンプを使用することによるメンテナン
ス費用の増加はないが、フィルタのメッシュによっては
すぐに目詰まりしたり、フィルタのメッシュより小さな
ドロスは回収されずにめっき浴中に戻るために、残存し
たドロスに起因するドロス疵がめっき処理後の金属帯板
に発生する。 の方法では、ドロス回収処理中にはめっき浴の底部に
溜まったドロスが溶融めっき液中に拡散し易くなるため
に、金属帯板のめっき処理を行う操業中には実施が困難
で、ドロス除去作業の際にはめっき処理を中断する必要
があり、生産性を低下させる要因となる。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、溶融めっき液中に含まれるドロスを効率的に除
去すると共に、ポンプ等にかかるメンテナンス費用を軽
減して、溶融めっき処理中においても溶融めっき液の清
浄化が可能な溶融めっき液ポット内のドロス回収装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の溶融めっき液ポット内のドロス回収装置は、溶融
めっき液ポット内に浸漬されて配置され、その周囲から
流入する溶融めっき液を濾過して含まれるドロスの一部
を捕集するフィルタを内部に備え、しかもその底部に
は、前記フィルタを通過した前記溶融めっき液に非酸化
性ガスを供給するガス吐出部を有するドロス濾過部と、
前記ドロス濾過部の上方に設けられ、前記非酸化性ガス
によって搬送される前記溶融めっき液を液面近傍まで導
くガイド管、及び該ガイド管の吐出口を囲繞して配置さ
れた浮上ドロスの回収堰を備え、前記溶融めっき液に含
まれる前記ドロス中の浮上分を分離すると共に、前記溶
融めっき液に含まれる前記ドロスの沈降分を沈降除去す
るドロス分離部とを有する。
【0007】請求項2記載の溶融めっき液ポット内のド
ロス回収装置は、請求項1記載の溶融めっき液ポット内
のドロス回収装置において、前記ガス吐出部には、前記
非酸化性ガスを微細化して吐出させる微細気泡発生手段
が配置されている。請求項3記載の溶融めっき液ポット
内のドロス回収装置は、請求項1又は2記載の溶融めっ
き液ポット内のドロス回収装置において、前記ガス吐出
部の上方に、その平面的位置を合わせて前記ガイド管の
流入口が設けられ、前記ガス吐出部と該流入口の間に
は、上昇する前記非酸化性ガスの放散を防止する多孔性
パイプが設けられている。請求項4記載の溶融めっき液
ポット内のドロス回収装置は、請求項1〜3のいずれか
1項に記載の溶融めっき液ポット内のドロス回収装置に
おいて、前記ドロス分離部の外側は筒状となって、その
天井部にガス排出口が設けられ、更にその側壁の液面レ
ベル位置には前記ドロスが除去された溶融めっき液の排
出口が設けられている。
【0008】溶融めっき液とは、亜鉛、錫、アルミニウ
ム等をその融点以上に加熱して得られる融液である。金
属帯板をこの融液に浸漬させて引き上げることによっ
て、金属帯板の表面に溶融めっき液が融着して、所定厚
みのめっき層が形成される。これによって、金属帯板表
面の機械的性質あるいは美観を向上させたり、防錆、防
食性等の表面性状を高めたりすることができる。ガス吐
出部とは、溶融めっき液中に吐出される非酸化性ガスの
気泡の上昇運動によって、その周囲の溶融めっき液を引
き上げるガスリフトポンプを溶融めっき液中に形成させ
るための非酸化性ガスの供給源となる部分である。
【0009】本発明の溶融めっき液ポット内のドロス回
収装置においては、ドロス濾過部の底部から非酸化性ガ
スを吹込んでガス吐出部の上部及びガイド管の内部にガ
スリフトポンプを形成させる。これによって、溶融めっ
き液ポット内のドロスを含んだ溶融めっき液がフィルタ
を通過して、ガイド管を通じて上方のドロス分離部に吸
い上げられる。こうして、フィルタのメッシュより大き
いドロスはフィルタで捕捉され、一方、メッシュより小
さいドロスはガス吐出部から吐出される気泡によってト
ラップされて、ドロス分離部に排出され、このドロス分
離部の底に沈降させたり、溶融めっき液の液面に浮上さ
せたりすることで分離される。そして、清浄化された溶
融めっき液のみがドロス分離部から、その周囲のめっき
処理領域に排出され、めっき処理中の溶融めっき液を常
時ドロスの少ない清浄な状態に維持できるので、表面性
状及び機械的性質に優れためっき層を有する金属帯板を
連続的に製造できる。
【0010】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は、本発明の一実施の形態に係
る溶融めっき液ポット内のドロス回収装置を組み込んだ
溶融めっき液ポット10を示す。溶融めっき液ポット1
0は、溶融めっき液の一例である溶融亜鉛めっき液11
を約170トン保持するめっき浴槽12と、溶融亜鉛め
っき液11に下部が浸漬して、配置されるドロス回収装
置13と、鋼帯14を連続的に溶融亜鉛めっき液11に
浸漬させるためのめっき浴槽12内の下部に設けられた
シンクロール15と、シンクロール15に向かって供給
される鋼帯14の周囲に配置され鋼帯14を大気から遮
断するための空気遮蔽板16と、シンクロール15を介
して溶融亜鉛めっき液11から引き上げられる鋼帯14
に空気又は窒素ガス等を吹き付けて過剰に付着する溶融
亜鉛めっき液11を除去して、めっき厚みを調整するた
めのガスワイピングノズル17を有する。なお、ドロス
回収装置13の外側の溶融亜鉛めっき液11で満たされ
た溶融めっき液ポット10内の空間をめっき処理領域1
8という。
【0011】ドロス回収装置13は図2に示すように、
溶融亜鉛めっき液11の液面11aより下にその一部又
は全部が浸漬される円筒状に形成されたドロス濾過部2
0と、ドロス濾過部20の内部に円筒状に多層配置さ
れ、多数の開口部20aを有した側面から流入するドロ
スを含んだ溶融亜鉛めっき液11を濾過するためのフィ
ルタ21と、ドロス濾過部20の上部にガイド管22を
介して接続される筒状に形成されたドロス分離部23
と、ドロス濾過部20の底面の中央部に配置され、非酸
化性ガスの一例である窒素ガスを吐出するためのガス吐
出部24と、ガス吐出部24に窒素ガスを送るためのガ
ス供給管25とを有する。
【0012】溶融亜鉛めっき液11は、融点が約419
℃である亜鉛(Zn)を450〜550℃に加熱して得
られる金属亜鉛の融液であり、被めっき材となる融点の
高い鋼帯14がその液面11aより下に浸漬されると、
その鋼帯14の表面に亜鉛との合金層を生成して、めっ
き層を表面に形成させることができる。このめっき処理
の際に、亜鉛−鉄合金、亜鉛酸化物などからなるドロス
が溶融亜鉛めっき液11中に次第に懸濁状態となって蓄
積され、鋼帯14に形成されるめっき層の品質を大きく
劣化させる要因となる。めっき浴槽12は、溶融亜鉛め
っき液11をその融点より高い状態で保持させるための
図示しない加熱装置を備えた容器であり、耐熱耐食性に
優れた材料で内張りされている。鋼帯14は、厚みが例
えば0.3〜2mmの板であり、予め表面に付着した
油、汚れ等を酸又はアルカリ等の洗浄液で洗って表面を
清浄化されたものを用いる。めっき浴槽12の溶融亜鉛
めっき液11中に浸漬されて使用されるシンクロール1
5は、装入される鋼帯14の移動方向を変えるための部
材である。ガスワイピングノズル17は加圧された窒素
ガス等を溶融亜鉛めっき液11の付着した鋼帯14に吹
付けることにより過剰分の溶融亜鉛めっき液11を吹き
飛ばして、めっき層を均一化させると共に、形成される
めっき層を所定厚さに制御する装置である。
【0013】ドロス濾過部20の内部に配置されるフィ
ルタ21は、例えばアルミナ、ムライト等からなるセラ
ミックファイバーを集合させてバルク状に形成したもの
であり、セラミックファイバー間に形成される空隙にド
ロスを含む溶融亜鉛めっき液11を通過させることによ
り、セラミックファイバーの表面にドロスを吸着させ
て、溶融亜鉛めっき液11を清浄化させる働きを有す
る。なお、フィルタ21は図示しない金網等の支持部材
によってドロス濾過部20内の所定位置に固定されるよ
うになっている。また、前記セラミックファイバーから
なるバルク状の材料を用いる他に、珪藻土、活性炭等の
吸着能力に優れた材料を用いてフィルタを構成させるこ
とも可能である。ガイド管22は、ドロス濾過部20の
底部に配置されたガス吐出部24から溶融亜鉛めっき液
11中に分散吐出される窒素ガスをドロス濾過部20の
上部に設けられたガイド管22の流入口22aで捕集す
ると共に、窒素ガスとメタル(溶融亜鉛めっき液11)
の混合物をドロス分離部23に吐出口22bを介して供
給する機能を有している。このため、ガイド管22の流
入口22aは、ガス吐出部24の上方に、かつガス吐出
部24との平面的位置を合わせて配置しておく。なお、
ガイド管22の流入口22aとガス吐出部24との間
を、パンチングメタル等で形成された側面に例えば直径
が1〜10mmの通液孔を多数設けた多孔性パイプで連
結することも可能である。この場合には、ガス吐出部2
4から吐出される窒素ガスの上昇流路が規定されるの
で、窒素ガスの放散が防止されると共に、多孔性パイプ
の側面に形成された通液孔を通って周囲から溶融亜鉛め
っき液11がパイプ内に取り込まれ、ガスリフト効果が
より確実に維持される。さらに、ガイド管22の流入口
の部分を下方に向かって拡径して、その下端部の面積が
ガス吐出部24の吐出面積より大きくなるような円錐形
に形成しておき、ガス吐出部24から膨張しながら上昇
する窒素ガスの気泡をこの流入口の部分で効率的に取り
込めるようにしてもよい。
【0014】ドロス分離部23には保持する溶融亜鉛め
っき液11の中にその下端部が装入され、ガイド管22
の吐出口22bを囲繞して、上端部がドロス分離部23
の上部に配置される回収堰26を備えており、この回収
堰26によって、その内側に形成されるドロス浮上領域
28の流路にガイド管22の吐出口22bを介して供給
される溶融亜鉛めっき液11が搬送されるようになって
いる。これによって、溶融亜鉛めっき液11中の比較的
比重の小さい浮上ドロス(浮上分)がドロス浮上領域2
8の溶融亜鉛めっき液11の液面11aに浮遊して分離
され、一方、比較的比重の大きいドロス(沈降分)が回
収堰26の下方に沈降して分離される。また、ドロス浮
上領域28の上方のドロス分離部23の天井部には、ガ
イド管22の吐出口22bから吐出する窒素ガスを排出
するためのガス排出口30が設けられていて、窒素ガス
を回収して、必要に応じてリサイクルさせながら使用す
ることも可能としている。溶融めっき液ポット10内の
溶融亜鉛めっき液11にその一部が浸漬されて配置され
るガス供給管25には、窒素ガスが図示しないガス供給
装置から供給される。そして、ガス供給管25の端部に
設けられたガス吐出部24から窒素ガスが溶融亜鉛めっ
き液11中に排出されるようになっていて、ガス吐出部
24には吐出する窒素ガスを微細化して溶融亜鉛めっき
液11中に放出するための微細気泡発生手段27が設け
られている。なお、このような微細気泡発生手段をガス
吐出部に用いることなく、窒素ガスを単に吐出させるこ
ともできる。微細気泡発生手段27は、例えば、アルミ
ナ、シリカ、ムライト等からなる多孔質セラミック又は
ステンレス鋼等からなる目の細かい網状体をガス吐出部
24に配置することによって構成することができる。微
細気泡発生手段27を用いることによって、吐出するガ
スの気泡が微細化されるので、溶融亜鉛めっき液11中
に残存する細かいドロスを捕捉して、上部のドロス分離
部23に効率的に導くことができる。
【0015】続いて溶融めっき液ポット10内に配置さ
れたドロス回収装置13を用いて、めっき処理中又は処
理後の溶融亜鉛めっき液11から、このめっき処理によ
って生成したドロスを分離、回収する方法について説明
する。まず、溶融めっき液ポット10に配置された図示
しない加熱装置を用いて金属亜鉛を溶かして、溶融めっ
き液ポット10内の所定位置に溶融亜鉛めっき液11の
液面11aを形成させる。これによって、図1に示すよ
うにドロス回収装置13の周囲に形成されるめっき処理
領域18と、ドロス回収装置13内に回収堰26によっ
て区画されるドロス浮上領域28及び清浄化領域29と
のそれぞれの溶融亜鉛めっき液11のそれぞれの液面1
1aが同一レベルとなる。次に、図示しない焼鈍炉等で
熱処理された550〜680℃の鋼帯14をめっき処理
領域18内に配置されたシンクロール15を介して溶融
亜鉛めっき液11に連続的に挿入し、溶融亜鉛めっき液
11の付着した鋼帯14を溶融亜鉛めっき液11から引
き上げる。そして、この表面にガスワイピングノズル1
7から窒素ガス等を吹き付けて過剰の溶融亜鉛めっき液
11を除去して、所定の均一な厚みとなるめっき層を鋼
帯14の表面に形成させることができる。なお、鋼帯1
4を熱処理する焼鈍炉とめっき処理を行う溶融めっき液
ポット10間の搬送路における鋼帯14の表面酸化を防
止するために、この搬送路にスナウトと呼ばれる空気を
遮断する空気遮蔽板16が配置され、空気遮蔽板16の
内部は窒素ガス等で満たされるようになっている。
【0016】このようなめっき処理を連続的に行うこと
によって、溶融亜鉛めっき液11中には鋼帯14の鉄と
溶融亜鉛めっき液11との反応物あるいは亜鉛、鉄等の
酸化物がドロスとなって、めっき液中に懸濁したり沈降
したりして、めっき処理量の増加に伴ってそのドロスの
含有量も増えてくる。そして、ドロス回収装置13の底
部に配置されたガス吐出部24から窒素ガスが溶融亜鉛
めっき液11中に吹き込まれることによって、この窒素
ガスの気泡がガス吐出部24からガイド管22の流入口
22aに向かって上昇する。この窒素ガスの上昇運動に
伴うガスリフト効果によって、窒素ガスの気泡周囲にあ
る溶融亜鉛めっき液11が巻き込まれて上昇して、ガイ
ド管22を介してドロス分離部23に供給される。
【0017】このため、めっき処理領域18にあるドロ
スを含む溶融亜鉛めっき液11が、円筒状に形成された
ドロス濾過部20の側面の開口部20aから中心部に向
かって流入することになり、同心円状にかつ多層にわた
って配置されたフィルタ21を通過する。このフィルタ
21によって溶融亜鉛めっき液11中の一部のドロスを
捕捉することができる。ドロス濾過部20の周囲からフ
ィルタ21を介して中心部に流入した溶融亜鉛めっき液
11は、ドロス濾過部20の底部から吹き込まれる窒素
ガスと共にガイド管22を通ってドロス分離部23に供
給される。次に、ドロス分離部23内に供給された溶融
亜鉛めっき液11は、ドロス分離部23に設けられた回
収堰26によって形成されるドロス浮上領域28の流路
に導かれる。そして、溶融亜鉛めっき液11中に残存す
る比重の比較的小さいドロスは回収堰26の内側のドロ
ス浮上領域28の液面11aに浮上させる。一方、比重
の大きいドロスは回収堰26の下方にあるドロス分離部
23の底部に沈降させ除去する。これによって、フィル
タ21で捕捉しきれなかった比重の大小異なるドロスが
分離され清浄化された溶融亜鉛めっき液11を、ドロス
分離部23の側壁の液面レベル位置又はその近傍に設け
られた排出口31を介して溶融めっき液ポット10内の
めっき処理領域18に戻すことができ、溶融亜鉛めっき
液11を清浄な状態に維持できる。
【0018】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本発明においては、溶融めっき液
として溶融亜鉛めっき液を使用する場合について説明し
たが、亜鉛以外のアルミニウム、錫等の金属を溶融めっ
き処理する場合にも本発明を適用することができる。ま
た、非酸化性ガスとしては、窒素ガスの他にアルゴンガ
ス、水素ガス、炭化水素ガスを単独のガスとして、ある
いはこれらを混合したガス等を適宜必要に応じて適用で
きる。
【0019】
【発明の効果】請求項1〜4記載の溶融めっき液ポット
内のドロス回収装置においては、フィルタを内部に備え
たドロス濾過部と、ガス吐出部から吐出される非酸化性
ガスによって搬送される溶融めっき液を導くガイド管
と、ガイド管から吐出される溶融めっき液を比重分離し
て清浄化するドロス分離部とを有するので、溶融めっき
液中に含まれる大小のドロスを効率的に除去して、めっ
き処理中においても溶融めっき液の清浄化を可能とする
と共に、モータ駆動のポンプを用いて溶融めっき液を循
環させる場合のように機械的に動く部分がなく故障が少
ないため、溶融めっき液ポットのメンテナンス費用を軽
減することができる。特に、請求項2記載の溶融めっき
液ポット内のドロス回収装置においては、ガス吐出部に
は、非酸化性ガスを微細化して吐出させる微細気泡発生
手段が配置されているので、ドロス濾過部のフィルタを
通過した溶融めっき液に残存する微小なドロスが吐出、
上昇する微細な気泡によって捕捉され、清浄化効果をさ
らに向上させることができる。
【0020】また、請求項3記載の溶融めっき液ポット
内のドロス回収装置においては、ガス吐出部の上方に、
その平面的位置を合わせてガイド管の流入口が設けら
れ、ガス吐出部と流入口の間には、上昇する非酸化性ガ
スの放散を防止する多孔性パイプが設けられているの
で、溶融めっき液中を上昇する非酸化性ガスの流れがこ
の多孔性パイプによって規制され、非酸化性ガスの上昇
運動に伴う溶融めっき液のガスリフト効果をさらに効率
的に発揮させることができる。請求項4記載の溶融めっ
き液ポット内のドロス回収装置においては、ドロス分離
部の外側は筒状となって、その天井部にガス排出口が設
けられているので、溶融めっき液に供給される非酸化性
ガスを捨てることなく回収でき、非酸化性ガスに伴うコ
ストを低く抑えられると共に、更にその側壁の液面レベ
ル位置にはドロスが除去された溶融めっき液の排出口が
設けられているので、ドロス分離部の底に溜まる沈降物
を巻き込むことなくめっき処理領域に回収でき、ドロス
の分離効率をさらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る溶融めっき液ポッ
ト内のドロス回収装置を組み込んだ溶融めっき液ポット
の説明図である。
【図2】同ドロス回収装置の説明図である。
【符号の説明】
10 溶融めっき液ポット 11 溶融亜鉛めっき液(溶融めっき液) 11a 液面 12 めっき浴
槽 13 ドロス回収装置 14 鋼帯(金
属帯板) 15 シンクロール 16 空気遮蔽
板 17 ガスワイピングノズル 18 めっき処
理領域 20 ドロス濾過部 20a 開口部 21 フィルタ 22 ガイド管 22a 流入口 22b 吐出口 23 ドロス分離部 24 ガス吐出
部 25 ガス供給管 26 回収堰 27 微細気泡発生手段 28 ドロス浮
上領域 29 清浄化領域 30 ガス排出
口 31 排出口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融めっき液ポット内に浸漬されて配置
    され、その周囲から流入する溶融めっき液を濾過して含
    まれるドロスの一部を捕集するフィルタを内部に備え、
    しかもその底部には、前記フィルタを通過した前記溶融
    めっき液に非酸化性ガスを供給するガス吐出部を有する
    ドロス濾過部と、 前記ドロス濾過部の上方に設けられ、前記非酸化性ガス
    によって搬送される前記溶融めっき液を液面近傍まで導
    くガイド管、及び該ガイド管の吐出口を囲繞して配置さ
    れた浮上ドロスの回収堰を備え、前記溶融めっき液に含
    まれる前記ドロス中の浮上分を分離すると共に、前記溶
    融めっき液に含まれる前記ドロスの沈降分を沈降除去す
    るドロス分離部とを有することを特徴とする溶融めっき
    液ポット内のドロス回収装置。
  2. 【請求項2】 前記ガス吐出部には、前記非酸化性ガス
    を微細化して吐出させる微細気泡発生手段が配置されて
    いる請求項1記載の溶融めっき液ポット内のドロス回収
    装置。
  3. 【請求項3】 前記ガス吐出部の上方に、その平面的位
    置を合わせて前記ガイド管の流入口が設けられ、前記ガ
    ス吐出部と該流入口の間には、上昇する前記非酸化性ガ
    スの放散を防止する多孔性パイプが設けられている請求
    項1又は2記載の溶融めっき液ポット内のドロス回収装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ドロス分離部の外側は筒状となっ
    て、その天井部にガス排出口が設けられ、更にその側壁
    の液面レベル位置には前記ドロスが除去された溶融めっ
    き液の排出口が設けられている請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の溶融めっき液ポット内のドロス回収装置。
JP36360597A 1997-12-15 1997-12-15 溶融めっき液ポット内のドロス回収装置 Withdrawn JPH11172394A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36360597A JPH11172394A (ja) 1997-12-15 1997-12-15 溶融めっき液ポット内のドロス回収装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36360597A JPH11172394A (ja) 1997-12-15 1997-12-15 溶融めっき液ポット内のドロス回収装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11172394A true JPH11172394A (ja) 1999-06-29

Family

ID=18479727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36360597A Withdrawn JPH11172394A (ja) 1997-12-15 1997-12-15 溶融めっき液ポット内のドロス回収装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11172394A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109440038A (zh) * 2018-09-17 2019-03-08 上海大学 非接触式金属液面渣层电磁自动处理装置及其方法
CN111118426A (zh) * 2018-10-31 2020-05-08 宝山钢铁股份有限公司 一种锌锅排渣结构及方法
CN114150247A (zh) * 2021-11-10 2022-03-08 李宁 一种改善锌锅局部过热的装置
CN114717498A (zh) * 2022-04-22 2022-07-08 佛山津西金兰冷轧板有限公司 一种锌渣智能打捞设备

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109440038A (zh) * 2018-09-17 2019-03-08 上海大学 非接触式金属液面渣层电磁自动处理装置及其方法
CN111118426A (zh) * 2018-10-31 2020-05-08 宝山钢铁股份有限公司 一种锌锅排渣结构及方法
CN114150247A (zh) * 2021-11-10 2022-03-08 李宁 一种改善锌锅局部过热的装置
CN114150247B (zh) * 2021-11-10 2023-08-15 湖南利钢金属制品有限公司 一种改善锌锅局部过热的装置
CN114717498A (zh) * 2022-04-22 2022-07-08 佛山津西金兰冷轧板有限公司 一种锌渣智能打捞设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100360748B1 (ko) 용융아연계 도금방법 및 그 장치
JPH0734209A (ja) 連続溶融めっき方法及びその方法に使用するドロス除去装置
JPH11172394A (ja) 溶融めっき液ポット内のドロス回収装置
JP2959409B2 (ja) めっき浴のドロス除去装置
KR100918227B1 (ko) 분류 땜납조
JP3993715B2 (ja) ドロス除去方法および除去装置
JP4370928B2 (ja) アルカリ洗浄液のリサイクル装置およびその使用方法
JPH05125509A (ja) 連続溶融亜鉛めつき用スナウト内のドロス回収方法及び その装置
JPH05295506A (ja) めっき浴清浄化装置
JP3631789B2 (ja) 塩浴をスラッジ除去するための装置
JPH10140309A (ja) 溶融亜鉛めっき設備におけるドロス除去装置
JP5115041B2 (ja) 溶融金属めっき装置
JP4399067B2 (ja) 浸漬式の塗装前処理装置
JPH0617214A (ja) 連続溶融金属めっき浴のトップドロス除去装置
JP2842214B2 (ja) 連続溶融めっき方法及びその装置
JPH0959752A (ja) 連続溶融亜鉛めっき浴中のドロス除去方法および装置
JP4725077B2 (ja) 濾過機能回復方法
JPH08325684A (ja) 溶融金属めっき浴中のドロス除去方法および装置
JPH07258812A (ja) めっき浴清浄方法及びその装置
JPS63140070A (ja) 溶融めつき浴中の微小不純物除去装置
JPH08188859A (ja) 溶融めっき鋼板のドロス付着防止装置
JP3997533B2 (ja) 沈澱装置
JPH08325685A (ja) 溶融金属めっき浴中のドロス除去方法
JPS6350454A (ja) 溶融金属メツキ浴の介在物除去方法
JPH07145461A (ja) 溶融金属めっき方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050301