JPH07258812A - めっき浴清浄方法及びその装置 - Google Patents

めっき浴清浄方法及びその装置

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JPH07258812A
JPH07258812A JP4857794A JP4857794A JPH07258812A JP H07258812 A JPH07258812 A JP H07258812A JP 4857794 A JP4857794 A JP 4857794A JP 4857794 A JP4857794 A JP 4857794A JP H07258812 A JPH07258812 A JP H07258812A
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plating bath
dross
molten zinc
separating
container
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JP4857794A
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Toshio Ishii
俊夫 石井
Masahiro Iwabuchi
正洋 岩淵
Shuji Nomura
修二 野村
Yutaka Suzukawa
豊 鈴川
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、溶融金属めっき浴中に発
生するドロスを効率良く回収できるめっき浴清浄方法及
びその装置を提供することにある。 【構成】 めっき浴槽2内には、鋼板4に溶融めっきを
施す塗布装置30と、溶融亜鉛6を還流するとともに清
浄するめっき浴清浄装置10と、が設けられている。め
っき浴清浄装置10は、ドロスを含む溶融亜鉛6を汲み
上げるガスリフトポンプ15と、汲み上げられた溶融亜
鉛を収容する収容容器20とを備えている。収容容器2
0内には、ドロスを分離して回収するバケット25が設
けられており、バケット25が収容容器20から取り出
されてドロスが系外に取り出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続的に走行する鋼
板に例えば溶融亜鉛を主成分とする溶融金属めっきを施
す場合にめっき浴内に発生する不純物いわゆるドロスを
分離回収してめっき浴を清浄する方法及びその装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に溶融めっき法とは、被めっき体と
しての鋼板に脱スケール、脱脂、洗浄酸洗い、フラック
ス処理等の予備処理を実施した後、鋼板を所定のパタ−
ンで加熱して高温に保持しつつ溶融金属のめっき浴に通
板し、めっき付着量の制御を行った後、所定のパタ−ン
で常温まで冷却し、塗装性を向上させるための後処理を
実施し、鋼板にめっきを施す方法である。溶融めっき法
においては、通板される鋼板から鉄が溶出し、めっき浴
成分との間で金属間化合物、いわゆるドロスを生成す
る。
【0003】ドロスは、鉄成分を含有していることから
めっき浴の密度より大きい密度を有し、めっき浴との間
の密度差により、めっき浴中を沈降することになる。し
かしながら、金属間化合物であるドロスの粒径は比較的
小さいことから、沈降速度が極めて遅く、ドロスがめっ
き浴中を浮遊する時間が長くなる。また、めっき浴を収
容する浴槽の底に最終的に沈降して堆積されたドロスが
鋼板を通板することにより誘起されるめっき浴の流れに
より再浮上する虞がある。
【0004】このようにドロスが浮遊するめっき浴中に
鋼板を通板すると、沈降途中のドロス、あるいは再浮上
されたドロスが鋼板に付着し、めっき処理後の鋼板の外
観の悪化や表面平滑性の劣化という問題を引き起こす。
【0005】上記問題を解決するため、発明者等は、ド
ロスを含むめっき浴からドロスを分離して回収するドロ
ス回収装置を提案している。このドロス回収装置は、被
めっき体を通板することにより発生するドロスをめっき
浴とともに汲み上げるガスリフトポンプを備えている。
ガスリフトポンプは、一端がめっき浴中に浸漬され他端
が上方に延出されたパイプを備え、めっき浴に浸漬され
た一端側から不活性ガスを送り込み、パイプ内を上昇す
る気泡の流れを利用してめっき浴を汲み上げる。汲み上
げられためっき浴液は、めっき浴の上方でパイプの他端
側に設けられた分離回収容器に収容され、ここでめっき
浴液からドロスが分離されて回収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したドロス回収装
置においては、分離回収容器がめっき浴の上方に離間し
て配置されていることから、めっき浴液を汲み上げるた
めに多量の不活性ガスを必要とする。つまり、汲み上げ
る高さが大きくなるにつれて汲み上げに必要とされるエ
ネルギーも大きくなり、ポンプから供給する不活性ガス
の流量も多くなる。
【0007】ガスの流量が多くなると、気泡が液面で解
放される時に発生するスプラッシュが多くなり、また、
多量の気泡の流れによるめっき浴液の攪拌効果が大きく
なり、分離されたドロスが再びめっき浴中に混入する問
題が生じる。このように一旦分離されたドロスがめっき
浴液に再混入することにより、ドロスの回収効率が低下
する。
【0008】また、高温に保持されためっき浴液は、分
離回収容器に汲み上げられることにより冷却され、分離
回収容器内で凝固する問題がある。従って、めっき浴液
のこのような凝固を防止するために、分離回収容器に
は、容器を高温に保持するための保温装置を設ける必要
があり、装置が高価になる問題がある。
【0009】この発明は、以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、溶融金属めっき浴中に発生するドロス
を効率良く回収できるめっき浴清浄方法及びその装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、溶融
金属めっき浴内に不活性ガスを吹込んで、めっき浴液を
汲み上げる工程と、少なくとも一部が溶融金属めっき浴
内に浸漬されたドロス分離回収容器に、汲み上げられた
めっき浴液を導入し、めっき浴液に含まれるドロスを分
離回収するとともにドロスを分離しためっき浴液を溶融
金属めっき浴内に戻すドロス分離回収工程と、を備えた
めっき浴清浄方法が提供される。
【0011】また、この発明によれば、溶融金属めっき
浴内に不活性ガスを吹込んで、めっき浴液を汲み上げる
手段と、少なくとも一部が溶融金属めっき浴内に浸漬さ
れ、汲み上げられためっき浴液を導入し、めっき浴液に
含まれるドロスを分離回収するとともにドロスを分離し
ためっき浴液を溶融金属めっき浴内に戻すドロス分離回
収容器と、を備えためっき浴清浄装置が提供される。
【0012】また、この発明の好ましい実施例によれ
ば、上記ドロス分離回収容器は、めっき浴液からドロス
を濾別するフィルターと不活性ガス気泡の発生装置とを
備えたバケットを備え、バケットは、上記ドロス分離回
収容器内に着脱可能に取り付けられていることを特徴と
するめっき浴清浄装置が提供される。
【0013】
【作用】この発明のめっき浴清浄装置は、溶融金属めっ
き浴内に不活性ガスを吹込んで、めっき浴液を汲み上げ
る手段としてのガスリフトポンプと、ガスリフトポンプ
により汲み上げられためっき浴液を導入し、めっき浴液
に含まれるドロスを分離回収するとともにドロスを分離
しためっき浴液を溶融金属めっき浴内に戻すドロス分離
回収容器と、を備えている。ドロス分離回収容器は、溶
融金属めっき浴内に少なくとも一部が浸漬されて設置さ
れている。めっき浴内に被めっき体としての鋼板が浸漬
されると、鋼板の鉄成分がめっき浴中に溶け出してめっ
き浴成分と化合して不純物としてのドロスを発生する。
【0014】めっき浴内に発生されたドロスは、めっき
浴とともにガスリフトポンプにより汲み上げられ、めっ
き浴内に設けられたドロス分離回収容器に導入される。
ドロス分離回収容器に供給されためっき浴液は、ドロス
が分離されて回収された後排出され、めっき浴に戻され
る。
【0015】ドロス分離回収容器をめっき浴内に設ける
ことにより、めっき浴液を汲み上げる高さを低くするこ
とができ、汲み上げに必要とされる不活性ガスの流量を
少なくできる。これにより、液面に発生するスプラッシ
ュが低減され、ガスの流れに起因するめっき浴液の攪拌
が抑制され、一旦分離されたドロスがめっき浴液に再混
入することが抑制され、ドロスの回収効率が改良され
る。また、めっき浴内に設けられたドロス分離回収容器
の温度は、めっき浴と略同じ温度に保持されることか
ら、ドロス分離回収容器内でめっき浴液が凝固すること
がない。
【0016】また、好ましい実施例によれば、ドロス分
離回収容器は、2つの部分に分割されメッシュフィルタ
ーにより形成されたバケットを備えている。バケット
は、ドロス分離回収容器に着脱可能に取り付けられてい
る。ドロス分離回収容器に汲み上げられるめっき浴液
は、分割された第1の部分及び第2の部分を順に流通す
ることによりドロスを段階的に分離して回収する。
【0017】ドロスを含むめっき浴液が第1の部分を流
通すると、比較的粒径の大きいドロスが沈降され、めっ
き浴液からドロスの一部が分離される。そして、ドロス
の一部が分離されためっき浴液は、第1の部分と第2の
部分との間に設けられた比較的粗い第1のメッシュを有
するフィルターを通過して第2の部分に流入される。第
2の部分を流通するめっき浴液は、底面に設置された不
活性ガス気泡の発生装置から噴出される不活性ガスの微
細気泡にさらされ、比較的粒径の小さいドロスがこの気
泡に付着して浮上し、分離されて液面付近に滞留され
る。また、気泡により浮上されない中径のドロスは、第
2の部分のめっき浴液流出口に設けられた第2のメッシ
ュを有するフィルターによりトラップされる。そして、
第2のメッシュを有するフィルターを介して排出された
めっき浴液は、ドロスが清浄されてめっき浴に戻され
る。
【0018】上記各工程によりバッケト内の第1及び第
2の部分にトラップされたドロスは、バケットをドロス
分離回収容器から取り外すことにより系外に取り出され
る。バケットは、メッシュフィルターにより構成されて
いることから、ドロス分離回収容器から取り外す際に溶
融金属を不要に回収することがないばかりか、容易に交
換でき、酸洗い後、再使用することもできる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の実施例
について詳細に説明する。図1に示すように、この発明
のめっき浴清浄装置10は、図示しない加熱装置を有す
るめっき浴槽2内に配置されている。めっき浴槽2に
は、被めっき体としての鋼板4が浸漬されるめっき浴と
しての溶融金属、例えば溶融亜鉛6が満たされており、
溶融亜鉛6は、加熱装置により所定の温度に保持されて
いる。
【0020】また、めっき浴槽2には、鋼板4に溶融亜
鉛めっきを施すための塗布装置30が設けられている。
塗布装置30は、予備処理が施された鋼板4を溶融亜鉛
6中に浸漬するスナウト32と、溶融亜鉛6内で鋼板4
を反転するシンクロール34と、めっき浴の上方に引き
出された鋼板4に付着された溶融亜鉛の付着量を調整す
るガスワイピング装置36と、を備えている。
【0021】図2乃至5に示すように、めっき浴清浄装
置10は、ドロスを含むめっき浴液としての溶融亜鉛6
をめっき浴槽2から汲み上げる手段としてのガスリフト
ポンプ15と、ガスリフトポンプ15により汲み上げら
れた溶融亜鉛6を流通し、溶融亜鉛6からドロスを分離
回収するドロス分離回収容器としての収容容器20と、
を備えている。収容容器20は、図3及び図4に示すよ
うに、溶融亜鉛6内に浸漬された状態で設置されてお
り、その液面は、めっき浴槽2の液面と略同じ高さにな
っている。
【0022】図2に示すように、収容容器20は、内部
が3つの収容部21、22、23に分割された矩形断面
の箱型に形成されており、第1の収容部21の底面に
は、ドロスを含む溶融亜鉛6が流入される流入ポート2
1aが形成されている。また、第3の収容部23の底面
には、ドロスが清浄された溶融亜鉛6を排出する排出ポ
ート23aが形成されている。流入ポート21aには、
図3に示すように、めっき浴槽2内の溶融亜鉛6中に延
出するガスリフト管24が接続されており、ガスリフト
管24の先端部は、めっき浴槽2の底面近傍で折り曲げ
られて開口している(図1参照)。また、排出ポート2
3aには、ドロスが清浄された溶融亜鉛6をめっき浴槽
2に戻すための戻り管26が接続されている。
【0023】図4及び図5に示すように、第2の収容部
22内には、溶融亜鉛6に含まれるドロスを分離回収す
るための後述するバケット25が挿入されている。尚、
第1の収容部21と第3の収容部23との間には、溶融
亜鉛6の流通を防止するための隔壁27が設けられてい
る。
【0024】バケット25は、収容容器20から取り出
される際にドロスのみをトラップして溶融亜鉛6を持ち
出さないようなメッシュを有するメッシュフィルターと
しての例えばガラス繊維フィルターにより基本的に構成
されている。また、バケット25は、第1の収容部21
側の第1の部分42と、第3の収容部23側の第2の部
分44と、に分割されており、両者の間には、比較的粗
い第1のメッシュを有するフィルター43が設けられて
いる。このフィルター43は、比較的粒径の大きいドロ
スをトラップする機能を有している。第2の部分44の
底面上には、微細気泡を発生するためのポーラス物質4
6が配置されており、ポーラス物質46には、不活性ガ
スを供給するためのガス供給管48が接続されている。
ガス供給管48の他端は、上蓋28を貫通して延出し、
図示しない流量調節バルブを介して図示しないガス発生
源に接続されている。また、第2の部分44と第3の収
容部23との間には、比較的細かい第2のメッシュを有
するフィルター45が設けられており、このフィルター
45は、バケット25から排出される溶融亜鉛6中に残
ったドロスを最終的にトラップする機能を備えている。
【0025】図1及び図3に示すように、ガスリフトポ
ンプ15は、上述したガスリフト管24の他に、ガスリ
フト管24内に不活性ガス、例えば窒素ガスを供給する
ためのガス供給管16を備えている。ガス供給管16
は、ガスの流量を調節するためのバルブ17を介して図
示しないガス供給源に接続されており、第1の収容部2
1の上面側からガスリフト管24内まで延びている。
【0026】収容容器20の上面には、上蓋28が設け
られており、上蓋28には、ガス供給管16、48を挿
通する穴、及びガスリフトポンプ15により収容容器2
0に供給された不活性ガスを排出する排気管29が設け
られている。
【0027】次に、上記のように構成されためっき浴清
浄装置10を用いてめっき浴を清浄する方法について説
明する。鋼板4に溶融亜鉛めっきを施す場合、まず、ス
ナウト32を介して鋼板4がめっき浴槽2内の溶融亜鉛
6中に連続して浸漬される。溶融亜鉛6内に浸漬された
鋼板4は、シンクロール34により反転され、めっき浴
槽2の外に取り出される。取り出された鋼板4は、ガス
ワイピング装置36により溶融亜鉛の付着量が調節され
て所定の冷却パターンで常温まで冷却される。冷却され
た鋼板4には、塗装性を向上させるための後処理が施さ
れ、めっき処理が終了される。このように鋼板4が溶融
亜鉛6内に浸漬されると、鋼板4の鉄成分が溶融亜鉛6
内に溶出し、鉄と溶融亜鉛成分とが化合した金属間化合
物、すなわちドロスを生成する。
【0028】溶融亜鉛6内に生出したドロスを分離回収
するため、ガスリフトポンプ15を作動して収容容器2
0内にドロスを含む溶融亜鉛6を還流する。まず、ガス
リフトポンプ15が作動されると、バルブ17により流
量調節された窒素ガスがガス供給管16を介してガスリ
フト管24内に送り込まれる。送り込まれた窒素ガス
は、ガスリフト管24内を上昇し、上昇に伴う溶融亜鉛
6の流れを生じる。その結果、ドロスを含む溶融亜鉛6
がガスリフト管24を上昇し、流入口21aを介して収
容容器20内に汲み上げられる。一方、溶融亜鉛6とと
もに収容容器20内に供給された窒素ガスは、排気管2
9を介して系外に排出される。
【0029】収容容器20内に汲み上げられたドロスを
含む溶融亜鉛は、第1の収容部21、第2の収容部2
2、及び第3の収容部23を順に流通され、戻り管26
を介してめっき浴槽2に排出されて還流される。つま
り、ガスリフト管24を介して第1の収容部21に汲み
上げられたドロスを含む溶融亜鉛6は、第2の収容部2
2内に設けられたバケット25内の第1の部分42内に
流入する。ドロスを含む溶融亜鉛6が第1の部分42を
流れる際、ここで比較的粒径の大きいドロスが沈降され
或いはフィルター43でトラップされドロスの一部が溶
融亜鉛6から分離される。ドロスの一部が分離された溶
融亜鉛6は、フィルター43を介して第2の部分44に
流入される。第2の部分44内においては、底面に設け
られたポーラス物質46からガス供給管48を介して供
給される窒素ガスの微細気泡が発生されている。そのた
め、溶融亜鉛6が第2の部分44を流通する際、比較的
粒径の小さいドロスが気泡と共に浮上され、液面近くに
滞留されて溶融亜鉛6から分離される。微細ドロスが浮
上分離されると、溶融亜鉛6は、フィルター45を通過
され、ここで浮上されない中径のドロスが最終的にトラ
ップされ、第3の収容部23に流入される。以上のよう
に、バケット25内でドロスが分離回収された溶融亜鉛
6は、第3の収容部23から戻り管26を介してめっき
浴槽2に排出され、めっき浴の還流が終了されてドロス
が清浄される。
【0030】また、バケット25内の第1及び第2の部
分42、44で段階的に回収されたドロスは、バケット
25とともに収容容器20から系外に取り出されて廃棄
される。
【0031】以上のように、2つの部分に分割されたバ
ケット25で段階的にドロスを回収することにより、局
部的に発生するドロスの目詰まりが低減され、バケット
の交換時期が延期される。本実施例においては、0.5
3 /hの窒素ガスをガスリフトポンプ15から供給す
ることにより、20トン/hの溶融亜鉛の循環を得る場
合、バッケト25の交換は、8時間使用後が最適であっ
た。尚、使用済みのバケット25は、酸洗いにより再生
することも可能である。
【0032】また、バケット25は、基本的にメッシュ
フィルターにより構成されていることから、収容容器2
0から取り出す際にドロスとともに取り出される溶融亜
鉛6の量を低減でき、溶融亜鉛の使用量を低減できる。
【0033】更に、収容容器20の少なくとも一部をめ
っき浴に浸漬するように収容容器20を設置することに
より、めっき浴槽2の液面と収容容器20の液面とが略
同じ高さになることから、ドロスを効率良く分離回収す
るために必要とされる溶融亜鉛の最適な流量を得るため
に、従来のように多量の窒素ガスを必要とせず、本実施
例においては従来のものと比較して1/10程度のガス
供給量で済むことが確認された。また、窒素ガスの供給
量を低減できることにより、液面に発生するスプラッシ
ュが低減でき、特に、液面付近における乱れを低減で
き、且つ多量の気泡による溶融亜鉛の乱れを低減できる
ことから、バケット25内で一旦分離されたドロスが再
度浮遊して溶融亜鉛6に再混入することが低減され、ド
ロスの回収効率が改良された。
【0034】この結果、めっき浴槽2内に堆積するドロ
スが従来のものと比較して10%程度に低減され、本実
施例においては、堆積したドロスを処理する必要がなく
なった。また、溶融めっきを施こした鋼板4の塗装面に
発生するドロス欠陥の発生率が従来と比較して約95%
低減できた。
【0035】また、高温に保持された溶融亜鉛6内に収
容容器20の少なくとも一部分を浸漬して設置すること
により、収容容器20の温度が高温に保持され、収容容
器20内に汲み上げられた溶融亜鉛が冷却されて凝固す
る問題がなくなった。尚、この発明は、上述した実施例
に限定されるものではなく、発明の範囲を超えることな
く種々変形可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ドロスを分離回収するためのドロス分離回収容器の
少なくとも一部分がめっき浴に浸漬されて配置されてい
る。従って、めっき浴液をめっき浴からドロス分離回収
容器へ汲み上げる際、汲み上げに必要とされる不活性ガ
スの流量を低減でき、その結果、液面に発生するスプラ
ッシュが低減され、ガスの流れに起因するめっき浴液の
攪拌が抑制され、一旦分離したドロスがめっき浴液に再
混入することが抑制され、ドロスの回収効率が改良され
る。また、めっき浴内に設けられたドロス分離回収容器
の温度は、めっき浴と略同じ温度に保持されることか
ら、ドロス分離回収容器内でめっき浴液が凝固すること
がない。
【0037】また、この発明のドロス分離回収容器は、
ドロスを分離して回収するためのバケットを備えてい
る。バケットは、メッシュフィルターにより構成されて
おり、ドロス分離回収容器に着脱可能に設けられてい
る。
【0038】従って、ドロスをトラップしたバケットを
ドロス分離回収容器から取り出す際、溶融金属が不要に
取り出されることが低減され、溶融金属の使用量が低減
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のめっき浴清浄装置をめっき浴
に浸漬して配置した状態を示す概略図。
【図2】図2は、本発明のめっき浴清浄装置の収容容器
を示す斜視図。
【図3】図3は、図2の収容容器を線A−Aで切断した
断面図。
【図4】図4は、図2の収容容器を線B−Bで切断した
断面図。
【図5】図5は、図2の収容容器の正面図。
【符号の説明】
2…めっき浴槽、4…鋼板、6…溶融亜鉛、10…めっ
き浴清浄装置、15…ガスリフトポンプ、16、48…
ガス供給管、20…収容容器、24…ガスリフト管、2
6…戻り管、29…排気管、30…塗布装置。
フロントページの続き (72)発明者 鈴川 豊 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属めっき浴内に不活性ガスを吹込
    んで、めっき浴液を汲み上げる工程と、 少なくとも一部が溶融金属めっき浴内に浸漬されたドロ
    ス分離回収容器に、汲み上げられためっき浴液を導入
    し、めっき浴液に含まれるドロスを分離回収するととも
    にドロスを分離しためっき浴液を溶融金属めっき浴内に
    戻すドロス分離回収工程と、 を備えためっき浴清浄方法。
  2. 【請求項2】 溶融金属めっき浴内に不活性ガスを吹込
    んで、めっき浴液を汲み上げる手段と、 少なくとも一部が溶融金属めっき浴内に浸漬され、汲み
    上げられためっき浴液を導入し、めっき浴液に含まれる
    ドロスを分離回収するとともにドロスを分離しためっき
    浴液を溶融金属めっき浴内に戻すドロス分離回収容器
    と、 を備えためっき浴清浄装置。
  3. 【請求項3】 上記ドロス分離回収容器は、めっき浴液
    からドロスを濾別するフィルターと不活性ガス気泡の発
    生装置とを備えたバケットを備え、バケットは、上記ド
    ロス分離回収容器内に着脱可能に取り付けられているこ
    とを特徴とする請求項2に記載されためっき浴清浄装
    置。
JP4857794A 1994-03-18 1994-03-18 めっき浴清浄方法及びその装置 Pending JPH07258812A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001335910A (ja) * 2000-03-24 2001-12-07 Kawasaki Steel Corp 溶融亜鉛めっきにおけるボトムドロス回収方法
JP2007247044A (ja) * 2006-03-20 2007-09-27 Jfe Steel Kk 連続溶融金属めっき設備
JP2008291290A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Nippon Steel Corp 溶融金属メッキ浴の冷却装置
JP2016160510A (ja) * 2015-03-04 2016-09-05 Jfeスチール株式会社 溶融金属加熱用誘導加熱装置の使用方法

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